JP2008188864A - 中間転写記録媒体、及び画像形成方法 - Google Patents

中間転写記録媒体、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
中間転写記録媒体へは個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せずに画像を印画し、被転写体への画像の転写では、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写でき、かつ、転写後には耐擦擦性や耐溶剤性などの耐久性が要求される中間転写記録媒体、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】
基材11、離型層13、ハードコート層14、接着層19及び多孔質の受容層21が順に積層されてなる中間転写記録媒体10を特徴とし、該中間転写記録媒体10の準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体10の受容層21へインクジェット方式での画像形成工程と、(3)該中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体101へ重ねて加熱し、画像が形成された受容層21、接着層19及びハードコート層14を転写する転写工程と、からなる画像形成方法も特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、中間転写記録媒体に関し、さらに詳しくは、個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写でき、転写後は耐擦傷性や耐溶剤性などの耐久性に優れる中間転写記録媒体、及び画像形成方法に関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」、「UV」は「紫外線」、「電離放射線硬化(性)樹脂」は「未硬化の電離放射線硬化性樹脂と、硬化した電離放射線硬化樹脂の総称」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。
(主なる用途)本発明の中間転写記録媒体を用いて被転写体へハードコート層及び画像を転写した媒体の主なる用途としては、例えば、紙幣、株券、証券、証書、商品券、小切手、手形、入場券、通帳類、ギフト券、乗車券、車馬券、印紙、切手、鑑賞券、入場証、通行証、チケット等の金券類、キャッシュカード、クレジットカード、IDカード、プリペイドカード、メンバーズカード、ICカード、光カードなどのカード類、グリーティングカード、ハガキ、名刺、運転免許証、パスポート等の各種証明書やその証明写真類、カートン、ケース、軟包装材などの包装材類、バッグ類、化粧品、腕時計、ライター等のブランド装身具、封筒、タグ、しおり、カレンダー、ポスター、パンフレット、ネームプレート、レポート用紙など文具類、建材、パネル、エンブレム、キー、布、衣類、履物、ラジオ、テレビ、電卓、OA機器等の装置類などがある。しかしながら、画像を印画でき、かつ、耐擦擦性や耐溶剤性などの耐久性が要求される用途であれば、特に限定されるものではない。
(背景技術)従来、金券類、カード類、及び各種証明書類などのは、資格証明や一定の経済的価値や効果を持つため、所有者の個人情報が表示されるが、該個人情報の漏洩を防止し、かつ、使用時における外力に対する耐久性が必要である。個人情報の表示方法として、熱転写法による印字(表示)が広く使用される様になっている。これらの熱転写方法では、各種の画像が簡便に形成されるので、印刷枚数が比較的少なくてもよい印刷物、例えば、身分証明書等のIDカードの作成等に利用される様になっている。又、顔写真等の如くカラー画像が好ましい場合には、連続した基材フイルム上に、例えば、イエロー、マゼンダ及びシアン(更に必要に応じてブラック)の着色熱転写層を面順次に繰返し多数設けた長尺熱転写フイルムを用いる熱転写方法が行なわれている。この様な熱転写フイルムは溶融転写タイプと、昇華タイプの熱転写フイルムとがあるが、いじれも、専用のインクリボンを用いて印字するので、印字されて抜けた部分があるインクリボンが排出され、該排出インクリボンの抜け部分は秘密にしたい個人情報などであり、該個人情報などが廃棄されるインクリボンから容易に知られてしまうという危険性があった。
また、上記の熱転写フイルムで、身分証明書等のIDカードを作成する場合、溶融転写タイプの熱転写フイルムの場合は、文字や数字等の如き画像の形成は容易であるが、これらの画像は耐久性、特に耐摩擦性が劣るという欠点がある。一方、昇華転写型の熱転写フイルムの場合には、顔写真等の階調性画像を形成することが出来るが、形成された画像は通常の印刷インキとは異なり、ビヒクルが無い為、耐光性、耐候性、耐摩擦性等の耐久性に劣るという問題がある。上記問題を解決する方法として、画像を形成した後に、該画像の表面に、さらに、透明樹脂層や硬化樹脂層などの保護層(本発明のハードコート層に相当する)を重ねて転写する方法がある。しかしながら、画像転写と保護層転写の2回の転写操作を行うために、煩雑で効率が悪い。
そこで、インクリボンを使用せず、インクジェット方式で画像を形成する中間転写記録媒体もあるが、インクジェット方式による画像では乾燥が遅いため画像形成速度が遅くなったり、また印字が滲んだり、さらに画像形成後の乾燥も遅いので、直ちに被転写体へ転写できないという問題点もあった。
さらにまた、インクジェット方式で画像を形成する中間転写記録媒体のインクジェット受容層は、ある程度厚い層が必要とされるために、画像を形成した中間転写記録媒体を最終的な被転写体へ転写する際に、箔切れが著しく悪く、転写適性に劣るという欠点もあった。
さらにまた、インクジェット方式で画像を形成する中間転写記録媒体のインクジェット受容層は、被転写体へ転写する際の接着層も兼ねているので、被転写体の種類によっては転写した際の接着性に劣り、被転写体の種類によって受容層の材料を代えねばならないという欠点もあった。
従って、中間転写記録媒体は、個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写でき、かつ、転写後には耐擦擦性や耐溶剤性などの耐久性が要求されることが求められている。
(先行技術)従来、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シートを用いて、染料、顔料などの着色剤を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、受容層へ染料層や熱溶融性インキ層を有する熱転写シート(本発明のインクリボンに相当する)を用いているので、画像を形成して抜けた部分があるインクリボンが排出され、抜け部分の秘密にしたい個人情報などが廃棄されるインクリボンから知られてしまうという問題点がある。
また、本出願人は、熱転写フィルム(本発明の中間転写記録媒体に相当する)の熱転写層と熱転写記録媒体の熱転写インク層とを対向するように重ね合せて加熱して、熱転写インク層または熱転写インク層に含有する着色剤を熱転写フィルムの熱転写層に転写した後に、被画像形成体(本発明の被転写体に相当する)へ画像形成された熱転写層ごと転写する画像形成方法を開示している(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2には、ノズルから部分的に吐出させるインクジェット記録方式で凸部を形成することが例示されているが、しかしながら、受容層は接着層を兼ねており、接着層は別層として設けられていない。
また、特許文献2には、熱転写フィルムには、基材上に設けた熱転写層の上に接着層を設けて、熱転写の際に被転写体との定着性を向上させることも可能であると、記載されている、しかしながら、基材と反対側の受容層面に接着層が設けられており、本願の接着層は基材と受容層との間に設けられ、さらに、被転写体への転写時には接着層が軟化又は溶融して、受容層を透過して被転写体と接着することについては記載も示唆もない。
このために、本出願人はさらに研究を鋭意進めて、接着層を受容層面ではなく基材との間へ設け、被転写体への転写時には接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着するることで課題を解消し、本発明に至ったものである。
特開昭62−238791号公報 特開2003−80855号公報
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、多種の被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写でき、かつ、転写後には耐擦擦性や耐溶剤性などの耐久性が要求される中間転写記録媒体、及び画像形成方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる中間転写記録媒体は、基材と、該基材の一方の面に離型層、ハードコート層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなるように、したものである。
請求項2の発明に係わる中間転写記録媒体は、上記受容層がインクジェット方式で画像を形成できるように、したものである。
請求項3の発明に係わる中間転写記録媒体は、上記ハードコート層、接着層及び受容層がフィラーを含むように、したものである。
請求項4の発明に係わる画像形成方法は、中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に離型層、ハードコート層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなる中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、(3)画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層、接着層、及びハードコート層を転写する転写工程と、からなるように、したものである。
請求項5の発明に係わる画像形成方法は、上記転写工程において、画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱された際に、上記接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着するように、したものである。
請求項6の発明に係わる画像形成方法は、上記中間転写記録媒体として、請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写記録媒体を用いるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、中間転写記録媒体へ画像を印画でき、該中間転写記録媒体を用いて被転写体にホログラム像と画像を転写を効率よく転写でき、かつ、転写後には耐擦擦性や耐溶剤性などの耐久性に優れる中間転写記録媒体が提供される。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早い中間転写記録媒体が提供される。
請求項3の本発明によれば、請求項1〜2の効果に加えて、中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、箔切れがよく効率よく転写できる中間転写記録媒体が提供される。
請求項4の本発明によれば、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、中間転写記録媒体へ画像を印画する際には画像が滲まず、乾燥が早く、該中間転写記録媒体を用いて被転写体に画像を転写形成する際には、被転写体へ接着性よく転写でき、しかも、箔切れがよく効率よく転写でき、かつ、転写後には耐擦擦性や耐溶剤性などの耐久性に優れる被転写体が得られる画像形成方法が提供される。
請求項5〜6の本発明によれば、請求項4の効果に加えて、上記接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着するので、多種の被転写体へ接着性よく転写できる画像形成方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。
図2は、本発明の中間転写記録媒体への画像形成方法を説明する説明図である。
図3は、本発明の中間転写記録媒体を用いて、ホログラム像及び画像を転写した被転写体の断面図である。
(中間転写記録媒体)本発明の中間転写記録媒体10は、図1に示すように、基材11と、該基材11の一方の面へ剥離層13、ハードコート層14、接着層19及び多孔質の受容層21を有する。また、層間及び/又は層表面へ、必要に応じてプライマ層16、印刷層などの他の層を設けてもよいが、接着層19と受容層21とは隣接して設ける。従来の受容層は接着層を兼ねており、また、稀に受容層の上側(被転写体側)に接着層を設けて熱転写の際に被転写体との接着定着性を向上させることもあった。しかしながら、本発明の中間転写記録媒体10では、接着層を受容層面ではなく基材との間へ隣接して設け、図3に示すように、被転写体への転写時には接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が多孔質の受容層を透過して被転写体と接着させるのである。
(基材)基材11としては、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材11の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材フィルムの厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
(離型層、剥離層)転写時の剥離性を向上させるために、離型層13を設け、必要に応じて、剥離層も設けてもよく、離型層13及び剥離層の両方を設けるとより転写性をより向上できる。
(離型層)離型層13としては、通常、離型性樹脂、離型剤を含んだ樹脂、電離放射線で架橋する硬化性樹脂などがあるが、好ましくはメラミン系樹脂を用い、後述するハードコート層14と組合わせることで、離型層13との剥離性が安定し、転写時の転写性を向上させることができる。離型層13の形成は、該樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーティング方法で、塗布し乾燥して、温度150℃〜200℃程度で焼き付ける。離型層13の厚さとしては、通常は0.01μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。
(剥離層)必要に応じて設ける剥離層としては、一般的にはエチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル共重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂を用いて形成することができる。また、剥離層には箔切れ性を向上させるために、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを含有させることが好ましい。剥離層は、上記の樹脂を溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート、グラビアコート、バーコートなどの公知のコーティング方法で、少なくとも1部に塗布し乾燥して塗膜を形成したりすれば良い。剥離層の厚さとしては、通常は0.1μm〜5μm程度、好ましくは0.5μm〜2μm程度である。離型層13及び剥離層の両方を設ける場合には、適宜組み合わせて用いればよく、この場合には、剥離層は転写後には被転写体へ転写移行して、保護層としての機能を合わせ持つ。
(ハードコート層)ハードコート層14としては、少なくとも電離放射線硬化樹脂を主成分とし、マイクロシリカやポリエチレンワックスを含むようにする。該電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、ポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂(本明細書では電離放射線硬化性樹脂組成物Mと呼称する)は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。
(ポリエチレンワックス)ポリエチレンワックスとしては、ポリエチレン系樹脂の粒子やビーズが挙げられるが、好ましくは球状ビーズである。但し、ポリエチレンワックスを添加すると、箔切れ性は低下するので、その添加量は、電離放射線硬化樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部程度、好ましくは0.1〜5質量部とする。転写後にはハードコート層14が最表面層となり、含まれるポリエチレンワックスは、機械的な摩擦、及び摩耗から媒体を保護し、後述する画像などの固有情報も保護する。
(1)ポリエチレンワックスを含ませることで、転写後にはハードコート層14が最表面層となるが、極めて過酷な環境での使用、長期間にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から被転写体に設けられた画像を保護し、傷付きにくく耐久性に優れる。
(2)ハードコート層14はメラミン系樹脂を用いた離型層13と界面を接しているので、ハードコート層14と離型層13との間で剥離し、安定した剥離性を有するので、転写時にはバリなどの発生も極めて少なくさせることができる。
(3)ハードコート層14へはフィラーとしてポリエチレンワックスを含ませ、かつ、及び接着層19及び受容層21へはフィラーとしてマイクロシリカを含ませて、転写する全部の層へフィラーを混入させているので、カードなどの媒体(被転写体101)へ転写する際の箔キレをよくさせて、(2)の安定した剥離性とともに、転写性を向上させることができる。
(ハードコート層の形成)ハードコート層14の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂にポリエチレンワックス、必要に応じて光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどの公知のコーティング方法で塗布し乾燥して、電離放射線で反応(硬化)させればよい。
(ハードコート層の厚味)ハードコート層14の厚さは、通常、1〜5μm程度であるが、本発明では、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、溶剤や機械的な摩擦及び摩耗、特に引掻きから画像を保護し、傷付きにくい耐久性を付与するために、ハードコート層14の厚みで5μm以上で、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上とする。上限は特に限定されないが、価格や箔切れ性から25μm以下程度である。ハードコート層14の厚味が5μm以上で、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは15μm以上であるようにすることで耐久性が高まり、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、化学的機械的な外力から画像を保護できるハードコート転写箔が得られる。
実施例でも述べるが、転写する層がハードコート層14/接着層19/受容層21と総厚さが8〜28μm程度にもなり、通常の転写箔の転写層数μmと比較すると著しく厚くなると、バリが発生したり、箔切れが悪く転写速度低下などの転写性が著しく低下するが、本発明のように、転写する層の全部にフィラー成分を含ませることで、剥離性もよく、箔切れ性もよくすることができるので、容易に転写することができる。
(プライマ層)ハードコート層14面へ接着層19を設けるが、ハードコート層14と接着層19との接着力を向上させるために、プライマ層16を設けることが好ましい。該プライマ層16としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ゴム系化合物などを使用することができ、好ましくは、酸素若しくは窒素を有するもの、若しくはイソシアネート化合物を反応性のもの、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、アイオノマー樹脂、ゴム系樹脂等の従来の接着剤として既知のものである。該プライマ層は膜厚が薄いので必ずしも含有しなくてもよいが、フィラーを含有させることが好ましい。
(接着層)接着層19としては、公知の加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤が適用でき、具体的には、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。該接着層19には、マイクロシリカなどのフィラーを含むことが、箔切れ性の点で好ましい。また、接着層19の樹脂としては、95℃程度の低温で溶融接着し、60℃程度になると固化して接着する融点が60〜95℃ものが好ましい。融点が上記範囲未満であると、被転写体との接着性が不十分であり、形成された画像を使用する温度が制限される。また、融点が上記範囲を越えるとサーマルヘッドによる加熱では転写性が不十分となり、又、ハードコート層の箔切れ性が低下し、バリなどが発生し易い。
好ましい接着層19としては、熱接着性ポリエステル系樹脂とマイクロシリカとを含有し、前記熱接着性ポリエステル系樹脂と前記マイクロシリカとの割合が質量基準でポリエステル系樹脂:マイクロシリカ=90〜99:1〜10である。マイクロシリカの含有割合がが上記範囲未満では箔キレ性が悪く、上記範囲を越えると透明性が低下し画像が見えにくくなる。該材料樹脂を溶剤に溶解または分散させて、適宜顔料などの添加剤を添加して、公知のロールコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティングなどの方法で塗布し乾燥させて、厚さ0.1〜30μm程度、好ましくは0.4〜3μmの層を得る。
(受容層)接着層19面へ隣接して多孔質の受容層21を設け、該受容層21は中間転写記録媒体10の最表面となり、該受容層21にはインクジェット方式によって画像が印画される。受容層21としては、耐摩擦性や透明性などに優れた樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル鹸化物、カルボキシメチルセルロース、繊維素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。
また、好ましくは、これらの樹脂の転写時の箔切れ性(膜切れ性ともいう)を考慮して、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を、透明性を害さない程度に含有させる。好ましい受容層21としては、樹脂とマイクロシリカとからなり、樹脂とマイクロシリカとの割合が質量基準で樹脂:マイクロシリカ=90〜99:1〜10である。マイクロシリカの含有割合がが上記範囲未満では箔キレ性が悪く、上記範囲を越えると透明性が低下し画像が見えにくくなる。
(多孔質化)受容層21を多孔質の網目構造を形成するには、従来から行なわれている方法がとれる。例えば、受容層21の塗工液である、樹脂と比較的低沸点の良溶媒および比較的高沸点の貧溶媒を含んでなる透明な樹脂ワニスを、基材上に塗布する。この樹脂ワニスの塗布は、グラビアコート、ロールコート、シルクスクリーンコートなどの公知の塗工方法により、1〜10μm程度、好ましくは1〜3μmの厚さに塗工する。次に、塗工された樹脂ワニスを乾燥させる。この乾燥工程で、沸点の比較的低い良溶媒が先に蒸発する。この良溶媒の蒸発の進行に伴い、樹脂ワニス中の樹脂相と残存する貧溶媒相とが相分離し、樹脂はゲル化し、他方貧溶媒は該樹脂中に分散した粒子形態をとるようになる。更に乾燥が進むと、この粒子形態の高沸点貧溶媒の蒸発が進行し、貧溶媒の蒸発の完了により多孔質構造が形成される。その乾燥時の温度、風量等の調整により、多孔質の細孔径の調整を行なうこともできる。
但し、多孔質構造の受容層21の場合、製造された時点での透明性、光透過性よりも、被転写体へ受容層21が転写された後の透明性、光透過性を考慮して、多孔質の細孔径の調整を行なう。なぜなら、上記の多孔質構造の受容層21では、熱転写時の加熱により、多孔質構造が変化し、透明性、光透過性が少し高くなることがあるからである。
(他の層)層間及び/又は層表面へ必要に応じて設ける層としては、プライマ層、印刷層、帯電防止層、背面滑性層などがあり、それぞれ公知のものでよい。特に、印刷層としては、着色インキや蛍光インキなどを用いて、公知のスクリーン印刷やグラビア印刷法で印刷すればよい。
(画像形成方法)本発明の画像形成方法は、中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に離型層、ハードコート層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなる中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、(3)画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層、接着層、及びハードコート層を転写する転写工程の、3工程からなる。
(第1工程)中間転写記録媒体を準備する準備工程であって、基材11と、該基材11の一方の面に離型層13、ハードコート層14、接着層19及び多孔質の受容層21が順に積層されてなる中間転写記録媒体10を準備する準備工程で、前述してきた材料、製造法で製造し準備すればよい。
(第2工程)画像103を形成する画像形成工程であって、図2に示すように、中間転写記録媒体10の受容層へインクジェット方式で画像103を形成される。インクジェット方式には熱インパクト法などがあるが特に限定されず、インクジェットインキも水性や油性インキなどがあるが特に限定されない。また、インクジェット方式で形成する画像103も、円形や星形などのスポット状、文字、数字、イラスト、写真などの任意の形状でよく、その色調も単独、複数、フルカラー用など限定されるものではない。好ましくは、オンデマンドで可変情報をインクジェット方式で印画することである。インクジェット方式では、画像103を印画する際に、個人情報などの痕跡が残るインクリボンを使用せず、また、画像103を印画する際にも、受容層21が多孔質であるために画像が滲まず、乾燥が早いので効率がよい。
(第3工程)被転写体への転写工程であって、図3に示すように、画像103が形成された中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像103が形成された受容層21、接着層19、及びハードコート層14が被転写体へ転写される。転写は、画像103が形成された中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体101へ重ね合わせて加熱することによって、被転写体101にハードコート層と印画画像とが転写され形成される。被転写体101への形成方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。円形、矩形、星形などのスポット状や、文字、数字などの任意の形状でよい。
上記転写工程において、画像103が形成された中間転写記録媒体10の受容層21面を被転写体101へ重ね合わせて加熱された際に、接着層19が軟化又は溶融して、多孔質な受容層21を透過して少なくとも1部が被転写体101面へ達して、図3に示すように、被転写体101と容易に接着することができる。従来のインクジェット方式で画像103を形成するインクジェット用の受容層21は、被転写体101へ転写する際の接着層も兼ねているので、被転写体101の種類によっては転写した際の接着性に劣る。本発明によれば、被転写体101へ接着するための専用接着層19が設けられているので、種々の材料からなる被転写体101でも容易に接着させることができる。また、第2工程の画像形成工程と、第3工程の転写工程とは、別々のオフライン操作でも、連続して行うインライン操作でもよい。好ましくはインライン操作で、受容層21が多孔質であるために画像103が滲まず、乾燥が早いので、画像103を印画した直後でも転写操作をすることができる。
(箔切れ性)上記転写工程において、被転写体へ重ね合わせて加熱し、画像103が形成された受容層21、接着層19、及びハードコート層14が転写された後に、転写されない部分は転写された部分から箔切れさせて、基材11離型層13とともに引き剥がされ除去される。しかしながら、箔切れ、即ち、受容層21、接着層19及びハードコート層14の3層からなる層を切ることになり、これらの層のうち、受容層21とハードコート層14は厚味があり、箔切れ性が悪い。好ましい本発明では、受容層21、接着層19及びハードコート層14のすべての層へフィラーを含有させることで、箔切れ性が向上でき、効率よく転写作業ができる。従来のンクジェット用の受容層21においては、箔切れ性を向上させるために、フィラーを含有させると、被転写体への接着性が低下して転写すること自体ができなくなる危険性もあったが、本発明では、接着性は専用の接着層19の接着剤が多孔質の受容層21を透過して被転写体101と接着せるために、受容層21は接着層を兼ねていないので、受容層21へフィラーを含有させることができるのである。
(被転写体)被転写体101としては特に限定されず、例えば天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布などのいずれのものでもよい。また、被転写体101の媒体はその少なくとも1部が着色、印刷、その他の加飾が施されていてもよく、転写したホログラム面にも、印刷、その他の加飾を施してもよい。また、被転写体101の形状は特に限定されず、平面でも立体物でもよく、転写する面も平面に限らず、曲面や凹凸のある立体面でもよい。
(画像)インクジェット方式による画像103としては、身分証明書等のIDカードを作成する場合、画像の形成は容易であるが、これらの画像は耐久性、特に耐摩擦性が劣るという欠点がある。該画像を本発明の中間転写記録媒体10の受容層21へ印画した後に、被転写体101の表面へ転写することで、高耐久性のハードコート層14が最表面に位置し、画像を保護し、耐久性を高める。
(耐久性)転写後に最表面となるハードコート層14の鉛筆硬度試験は、JIS−K5400に準拠して測定し、H以上の硬度が好ましい。また、ハードコート層14のスクラッチ強度は、表面の充分な耐摩擦性の点から、サファイア150g以上、好ましくは200g以上である。なお、スクラッチ強度の測定方法は、23℃、55%RHの条件下で24時間調湿した試料に対して、耐摩耗性試験機(HEIDON−18)を用い、0.8mmφサファイア針を直角にあてがい、サファイア針に掛かる荷重を0gから200gまで徐々に増加させ、60cm/minで試料表面を摺動して移動させながら、表面に傷が付き始める時の荷重の測定を行った。荷重が大きいほど良好であることを表す。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)基材11として厚さ25μmのPETフィルムを用い、該基材11の一方の面へ、グラビアコート法で、下記の離型層樹脂組成物(塗工液)を乾燥後2μmになるように塗布し乾燥して、180℃20秒間焼き付けて、離型層13を形成した。
・<離型層の樹脂組成物>
TCM01メジューム(大日本インキ社製、メラミン樹脂商品名) 25質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 75質量部
該離型層13面へ、下記のハードコート層用の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが6μmになるように塗工し100℃で乾燥させた後に、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させてハードコート層14を形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物の作製手順>
まず、「電離放射線硬化性樹脂組成物M」は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。
該「電離放射線硬化性樹脂組成物M」と、造膜性樹脂(アクリル系オリゴマー)、ポリエチレンワックス、光重合開始剤、及び溶媒を下記の組成で配合して電離放射線硬化性樹脂組成物を調製した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物>
「電離放射線硬化性樹脂組成物M」 30質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.6質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
該ハードコート層14面へ、下記のプライマ層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が0.5μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、プライマ層16とした。
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
該プライマ層16面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布量が3μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19とした。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP−170(日本合成化学社製、商品名)20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 1質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
該接着層19面へ、下記の受容層組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の厚さが4μmになるように、塗工し乾燥させて、受容層21とし、実施例1の中間転写記録媒体10を得た。なお、溶媒中のキシレンが貧溶媒である。
・<受容層組成物>
ポリビニルアルコール 15質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 2質量部
溶媒(水:イソプロピルアルコール:キシレン=90:10:2)85質量部
(実施例2)ハードコート層14用の組成物として、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様にしてにして、実施例2の中間転写記録媒体10を得た。
・<ハードコート層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名)100質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径3〜5μm、球状) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
(実施例3)ハードコート層14として、下記のハードコート層用の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが6μmになるように塗工し100℃で乾燥させ、さらに、該乾燥した面へ電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが6μmになるように塗工し100℃で乾燥させ、さらにまた、該乾燥した面へ電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが6μmになるように塗工し100℃で乾燥させた後に、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、層の厚さが18μmのハードコート層14を形成する以外は、実施例1と同様にして、実施例3の中間転写記録媒体10を得た。
・<ハードコート層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名)100質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径3〜5μm、球状) 2質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
(比較例1)ハードコート層14の電離放射線硬化性樹脂組成物、プライマ層組成物途工液、接着層組成物、受容層組成物として、下記のものを用いる以外は、実施例1と同様にして、比較例1の中間転写記録媒体を得た。
・<ハードコート層の電離放射線硬化性樹脂組成物>
ユピマーUV−V3031(三菱化学社製、UV硬化性樹脂商品名)100質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア184) 5質量部
酢酸エチル 300質量部
・<プライマ層組成物途工液>
ポリエステル樹脂 10質量部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10質量部
トルエン 40質量部
メチルエチルケトン 40質量部
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂SP−170(日本合成化学社製、商品名)20質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 80質量部
・<受容層組成物>
ポリビニルアルコール 15質量部
溶媒(水:イソプロピルアルコール:キシレン=90:10:2)85質量部
(実施例4)<オフライン>上記実施例1の中間転写記録媒体10の受容層21へ画像103を印画(形成)する。印画は、600dpiのカラーインクジェットプリンターを用いて、顔写真及び氏名を印画した。
受容層21へ画像103(顔写真及び氏名)が形成された媒体を、被転写体101として厚さが188μmのPETフィルムへ、加熱ロール方式転写装置で転写し、基材を離型層と共に剥離し徐去した。転写済みの被転写体101を目視で観察したところ、顔写真及び氏名が観察された。
(実施例5)<インライン>また、上記実施例2の中間転写記録媒体10の受容層21へ、インクジェットプリンタ内臓転写装置を用いて、印画操作と転写操作をインラインで行った。まず、インクジェット方式で顔写真及び氏名(画像103)を印画し、遠赤外線ヒーターで2秒間乾燥乾燥させた直後、145℃の熱ローラとゴムローラで、被転写体としてポリ塩化ビニル製のクレジットカードサイズのIDカードとを重ね合わせて、走行速度1m/分で転写した後に、基材及び離型層を剥離し除去した。
転写済みの被転写体101を目視で観察したところ、顔写真及び氏名の画像103に汚れやカスレもなく観察でき、個人情報がオンデマンドで転写されていた。
(比較例2)<インライン>また、上記比較例1の中間転写記録媒体の受容層へ、インクジェットプリンタ内臓転写装置を用いて、印画操作と転写操作をインラインで行った。まず、インクジェット方式で顔写真及び氏名(画像103)を印画し、遠赤外線ヒーターで2秒間乾燥乾燥させた直後、145℃の熱ローラとゴムローラで、被転写体としてポリ塩化ビニル製のクレジットカードサイズのIDカードとを重ね合わせて、走行速度1m/分で転写した後に、基材及び離型層を剥離し除去した。転写済みの被転写体101を目視で観察したところ、顔写真及び氏名の画像103には乾燥不足で走行による擦れ汚れがあり、また、カードの端部には箔切れが悪くバリが発生していた。
(実施例6)<射出成形>上記実施例2の中間転写記録媒体10の受容層21へ画像103を印画(形成)する。印画は、600dpiのカラーインクジェットプリンターを用いて、ハート形をちりばめた画像103を印画(形成)した。この印画済みの中間転写記録媒体10を射出成形装置の自動箔送り装置に、受容層21面が成形樹脂側になるように挿入(インサート)し、スミペックスSTH−55(住友化学社製、アクリル樹脂商品名)を、溶融温度250℃、金型温度80℃の通常条件で射出成形を行った。冷却後、金型を解放し、基材11及び離型層13を剥離して取り出して、成形品を得た。
なお、該射出成形は成形サイクル12秒で連続的に成形した。得られた成形品は3次元形状(周囲に5mmの縁取りがあり、中央部が球面状に盛り上った直径150mmのCDプレイヤーの部材)を有しており、アクリル樹脂表面にハートの印画像(画像103)が転写されていた。
(評価結果)実施例1〜3では、転写時の剥離性もよく、箔切れ性もよく、正常に転写できた。特に実施例3では、転写する層がハードコート層14/プライマ層16/接着層19/受容層21と総厚さが約25.5μmにもなり、通常の中間転写記録媒体の転写層と比較すると著しく厚いが、剥離性もよく、箔切れ性もよいので、問題なく転写することができた。
しかしながら、比較例1では剥離性が悪く剥離しにくく、転写時に箔キレ性が悪くバリが発生して正常に転写できなかった。
また、実施例1〜3のハードコート層14面の鉛筆硬度試験を、JIS−K−5400に準拠して測定したところ、2H以上の硬度を有し、さらに、実施例1〜3の表面のスクラッチ強度はサファイア200g以上であり、充分な耐久性を有していた。しかしながら、比較例1ではスクラッチ強度が悪く、充分な耐久性を有していなかった。
本発明の1実施例を示す中間転写記録媒体の断面図である。 本発明の中間転写記録媒体への画像形成方法を説明する説明図である。 本発明の中間転写記録媒体を用いて、画像を転写した被転写体の断面図である。
符号の説明
10:中間転写記録媒体
11:基材
13:剥離層
14:ハードコート層
16:プライマ層
19:接着層
21:受容層
101:被転写体
103:画像

Claims (6)

  1. 基材と、該基材の一方の面に離型層、ハードコート層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなることを特徴とする中間転写記録媒体。
  2. 上記受容層がインクジェット方式で画像を形成できることを特徴とする請求項1記載の中間転写記録媒体。
  3. 上記ハードコート層、接着層及び受容層がフィラーを含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載中間転写記録媒体。
  4. 中間転写記録媒体を用いた画像形成方法であって、(1)基材と、該基材の一方の面に離型層、ハードコート層、接着層及び多孔質の受容層が順に積層されてなる中間転写記録媒体を準備する準備工程と、(2)前記中間転写記録媒体の受容層へインクジェット方式で画像を形成する画像形成工程と、(3)画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱することによって、画像が形成された受容層、接着層、及びハードコート層を転写する転写工程と、からなることを特徴とする画像形成方法。
  5. 上記転写工程において、画像が形成された中間転写記録媒体の受容層面を被転写体へ重ね合わせて加熱された際に、上記接着層が軟化又は溶融して、少なくとも1部が受容層を透過して被転写体と接着することを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
  6. 上記中間転写記録媒体として、請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写記録媒体を用いることを特徴とする4〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
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