JP4930764B2 - ハードコート層転写箔 - Google Patents
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Description
以上の如き熱転写フイルムで、身分証明書等のIDカードを作成する場合、溶融転写タイプの熱転写フイルムの場合は、文字や数字等の如き画像の形成は容易であるが、これらの画像は耐久性、特に耐摩擦性が劣るという欠点がある。一方、昇華転写型の熱転写フイルムの場合には、顔写真等の階調性画像を形成することが出来るが、形成された画像は通常の印刷インキとは異なり、ビヒクルが無い為、耐光性、耐候性、耐摩擦性等の耐久性に劣るという問題がある。
上記問題を解決する方法として、透明樹脂層や硬化樹脂層などの保護層(本発明のハードコート層に相当する)を転写する方法が多数提案されている。しかしながら、画像は最表面に存在する為、長期間の間には機械的な摩擦、溶剤やその他の薬品或は環境の影響を受け経時的に耐久性が低下し、また、極めて過酷な環境で使用されるガソリンスタンドカードや工事現場カード、及び、使用期限がなかったり、長期にわたる入退室カードやポイントカード、金融機関などの多数のセキュリティ管理された部屋への入退室を繰り返す入退室カードなどが増加しており、未だ充分な耐久性が得られていない。しかしながら、保護層を厚くすると箔切れが著しく悪くなるので、2回重ねて転写したりしている。
従って、ハードコート層(保護層)転写箔は、極めて過酷な環境での使用、使用期限がなかったり、長期にわたる使用、及び/又は多数回の繰り返し使用などでも、透明性がよく、溶剤、機械的な摩擦、及び摩耗から画像を保護し、傷付きにくい耐久性に優れ、しかも、箔切れがよく1回で転写できることが求められている。
本出願人も、熱転写画像等に耐光性、耐摩擦性、耐可塑剤性、耐薬品性等の各種耐久性を付与できる保護層転写フィルムとして、基材フィルム/透明性樹脂層/極性基を有する成分を含有するアクリル系共重合樹脂で、且つ帯電防止性を有する樹脂で構成した耐可塑剤性樹脂層/熱接着性樹脂層の順に積層した積層体を開示している(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、本出願人は、熱転写画像の各種耐久性、特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等が長期間維持される保護層転写フイルムとして、基材フイルム/透明樹脂層(剥離可能)/耐薬品性付与層、紫外線遮断層及びセキュリティ層のうちの少なくとも1層が設けられているものを開示している(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記いずれでも、画像表面の耐久性が厳しい使用条件下では未だ不足しているという問題点がある。
請求項2の発明に係わるハードコート層転写箔は、上記ハードコート層と接着層との間に紫外線吸収層を有することを特徴とするものである。
請求項2の本発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、紫外線からも画像を保護し、画像を退色しにくくさせるハードコート層転写箔が提供される。
図1は、本発明の1実施例を示すハードコート層転写箔の断面図である。
図2は、本発明のハードコート層転写箔を用いて、支持体へ転写し画像を保護した状態を示す断面図である。
好ましくは、耐熱性、機械的強度の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルムで、ポリエチレンテレフタレートが最適である。該基材の厚さは、通常、2.5〜50μm程度が適用できるが、4〜25μmが転写性の点で好ましい。
該離型層13面へ、下記の電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビアリバースコーターで乾燥後の塗布厚さが5μmになるように塗工し100℃で乾燥させる工程を3回繰返して、合計15μmとしてから、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させて、ハードコート層15を形成した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物の作製手順>
まず、反応性生物(A)は以下の手順で、生成した。撹拌機、還流冷却器、滴下漏斗及び温度計を取り付けた反応器に、酢酸エチル206.1g及びイソホロンジイソシアネートの三量体(HULS社製品、VESTANAT T1890、融点110℃)133.5gを仕込み、80℃に昇温して溶解させた。溶液中に空気を吹き込んだのち、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.38g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製品、ビスコート300)249.3g及びジブチル錫ジラウレート0.38gを仕込んだ。80℃で5時間反応させたのち酢酸エチル688.9gを添加して冷却した。
該反応生成物(A)と、ポリエチレンワックス、光重合開始剤、及び溶媒を下記の組成で配合して電離放射線硬化性樹脂組成物を調製した。
・<電離放射線硬化性樹脂組成物>
反応性生物(A) 30質量部
ポリエチレンワックス(平均粒径5μm) 0.3質量部
光重合開始剤(チバ社製、商品名イルガキュア907) 0.9質量部
溶媒(酢酸エチル:メチルイソブチルケトン=1:1) 70質量部
次に、該ハードコート層15面へ、下記の接着層組成物をグラビアコーターで乾燥後の塗布厚さが2μmになるように、塗工し100℃で乾燥させて、接着層19を形成して、実施例1のハードコート層転写箔10を得た。
・<接着層組成物>
ポリエステル樹脂P−170(日本合成化学社製、商品名) 20質量部
マイクロシリカ(平均粒子径0.5μ) 10質量部
溶媒(MEK:トルエン=1:1) 70質量部
11:基材
13:離型層
15:ハードコート層
19:接着層
21:紫外線吸収層
100:媒体
103:受像層
105:画像
Claims (2)
- 基材と、該基材の一方の面へ、メラミン系樹脂から構成される離型層、電離放射線硬化性樹脂の硬化物及びポリエチレンワックスを含むハードコート層及び接着層を設けてなるハードコート層転写箔において、
前記電離放射線硬化性樹脂の硬化物が(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物であり、
前記ポリエチレンワックスが球状ビーズであり、
前記ハードコート層のポリエチレンワックスの含有が質量基準で、電離放射線硬化樹脂:ポリエチレンワックス=100:0.01〜10であり、
前記ハードコート層の厚味が10μm以上、30μm以下であり、
前記ハードコート層転写箔を用いて、表面に昇華性インクリボンを用いて形成された転写画像を有する支持体の前記転写画像面へ前記ハードコート層を転写でき、
かつ、前記転写画像の形成と前記ハードコート層の転写とが同一のプリンタででき、
転写後の前記ハードコート層のスクラッチ強度がサファイア150g以上で、
かつ、JIS−K−5400に準拠した鉛筆硬度が2H以上であることを特徴とするハードコート層転写箔。 - 上記ハードコート層と接着層との間に紫外線吸収層を有することを特徴とする請求項1に記載のハードコート層転写箔。
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