JP2008238525A - 保護層転写シートおよび印画物ならびに転写リボン - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素化された構造で、かつ、印画物に、高い耐久性を付与するとともに、印画物を高光沢で安定した品質とすることが可能な保護層転写シートおよびそれを用いた印画物ならびに転写リボンを提供する。
【解決手段】保護層転写シート1は、基材フィルム2上に、熱転写性樹脂層3として、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層4、熱接着性樹脂層5が順に積層されている。熱硬化系の透明性樹脂層4を用いたことにより、耐可塑剤性や耐熱性などの耐久性を向上させることができ、また、これにより耐可塑剤性樹脂層などを設ける必要がないので熱転写性樹脂層3の構造を簡素化することができる。また、耐熱性が向上することにより、転写時の感熱による熱ムラや送りムラに起因する表面粗さの増加を低減することができるので、印画物に高光沢で安定した品質を与えることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】保護層転写シート1は、基材フィルム2上に、熱転写性樹脂層3として、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層4、熱接着性樹脂層5が順に積層されている。熱硬化系の透明性樹脂層4を用いたことにより、耐可塑剤性や耐熱性などの耐久性を向上させることができ、また、これにより耐可塑剤性樹脂層などを設ける必要がないので熱転写性樹脂層3の構造を簡素化することができる。また、耐熱性が向上することにより、転写時の感熱による熱ムラや送りムラに起因する表面粗さの増加を低減することができるので、印画物に高光沢で安定した品質を与えることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、サーマルヘッド等の加熱手段による熱転写方式により、印画物の印画面に優れた耐久性を与える熱転写性樹脂層を有する保護層転写シートおよび印画物ならびに転写リボンに関する。
フルカラーの画像を形成する種々の印刷方法として、感熱により色材層中の染料が昇華拡散して染料が印画物に移行する感熱昇華転写、加熱によって色材層が溶融軟化して、色材層自身が印画物に転写する感熱溶融転写、インクジェット、電子写真が広く用いられている。例えば、パスポート、身分証明書、運転免許証、定期券、会員証等の多くの冊子、カード類の作成、営業写真、パーソナルコンピュータのプリンタ、ビデオプリンタ等において利用されている。
感熱昇華転写方式、インクジェット方式による印画物は、身近にある水やアルコール等の溶剤や薬品等と接触させたり、可塑剤を含むカードケース、ファイルシート、プラスチック消しゴム等と接触させ保存していると、画像が滲んだり、これら接触物に染料が移行し、カードケースが汚染されたり、光により変色したりする。そこで、画像を溶剤、薬品等から保護する目的で、熱転写性樹脂層を有する保護層転写シートを使用し、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて熱転写性樹脂層を転写させ、保護層を形成する方法が知られている。
例えば、(特許文献1)には、上記保護層転写シートとして、基材フィルム上に、透明性樹脂層、耐可塑剤性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層された保護層転写フィルムが記載されている。
特開平7−156567号公報
(特許文献1)に記載の保護層転写フィルムは、熱転写性樹脂層を透明性樹脂層、耐可塑剤性樹脂層、熱接着性樹脂層の多層構造とすることで、耐摩擦性や耐スクラッチ性、耐可塑剤性、耐薬品性などの各種耐久性を付与しているが、多層構造であるが故に構造が複雑となり製造に手間がかかるという問題がある。また、上記熱転写性樹脂層においては、光沢度発現に関して明確な手段がなく、高光沢でかつ安定した品質の印画物を得ることが困難である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みて、簡素化された構造で、かつ、印画物に、高い耐久性を付与するとともに、印画物を高光沢で安定した品質とすることが可能な保護層転写シートおよびそれを用いた印画物ならびに転写リボンを提供することを目的とする。
本発明の保護層転写シートは、基材フィルム上に、熱転写性樹脂層として、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層されたことを特徴とする。
本発明によれば、熱硬化系の透明性樹脂層を用いたことにより、耐可塑剤性や耐熱性などの耐久性を向上させることができ、また、これにより耐可塑剤性樹脂層などを設ける必要がないので熱転写性樹脂層の構造を簡素化することができる。また、耐熱性が向上することにより、転写時の感熱による熱ムラや送りムラに起因する表面粗さの増加を低減することができるので、印画物に高光沢で安定した品質を与えることが可能となる。
本願の第1の発明は、基材フィルム上に、熱転写性樹脂層として、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層されたことを特徴とする保護層転写シートである。
透明性樹脂層を、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層とすることにより、耐可塑剤性や耐熱性などの耐久性を向上させることができ、また、これにより耐可塑剤性樹脂層などを設ける必要がないので熱転写性樹脂層の構造を簡素化することができる。さらに、アクリル系ポリオール樹脂は、ガラスに近い高い屈折率を有し、光透過率や透明度が他の樹脂に比べて高いので、透明性樹脂層としてアクリル系ポリオール樹脂を用いることにより、高い光沢度を発揮することができる。
また、熱可塑性樹脂のように熱に弱い樹脂を透明性樹脂層として用いると、転写時に、熱転写性樹脂層の基材フィルムからの切れ性が悪いという問題が生じるが、本発明によれば、熱硬化系の透明性樹脂層とすることにより、透明性樹脂層の耐熱性が向上して形状安定性が増すので、転写時の基材フィルムからの切れ性を良好にすることができる。また、透明性樹脂層の耐熱性が向上して形状安定性が増すことにより、熱転写性樹脂層を印画物に転写した際の印画物のカール等の不具合を防止することもできる。
また、透明性樹脂層の耐熱性が向上することにより、転写時の感熱による熱ムラや送りムラに起因する表面粗さの増加を低減することができるので、印画物に高光沢で安定した品質を与えることが可能となる。
また、高光沢度の発現や、耐摩擦性や耐スクラッチ性、耐候性の向上のためには、熱転写性樹脂層の膜厚を厚くすることが考えられるが、膜厚が厚いと、転写時に大きな熱エネルギーをかけることになるため、透明性樹脂層が熱に弱いと、熱転写樹脂層は熱によるムラができやすく、安定した品質を得ることが困難となる。しかしながら、本発明によれば、透明性樹脂層の耐熱性が向上することにより、膜厚を厚くしても熱によるムラが生じにくいので、容易に高光沢度を発現することが可能となる。
本願の第2の発明は、本願の第1の発明において、アクリル系ポリオール樹脂は、ガラス転移温度が80℃以下であることを特徴とする。
ガラス転移温度が80℃以下であることにより、ゴム状弾性を有し耐摩擦性に優れた透明性樹脂層とすることができる。また、屈曲性と密着性に優れるので、サーマルヘッドなどの感熱部材との接触安定性が増し、熱転写性樹脂層を印画物に安定して転写することができ、また、転写後の印画物に高い質感を与えることができる。
本願の第3の発明は、本願の第1または第2の発明において、硬化剤は、イソシアネート系であることを特徴とする。
本願の第4の発明は、本願の第1から第3のいずれかの発明において、アクリル系ポリオール樹脂は、スチレンモノマーを含有することを特徴とする。
スチレンモノマーを含有することで、残存モノマーの影響を排除することができ、屈折率の増加を図ることができるので、光沢感の向上を精度良く図ることが可能となる。
本願の第5の発明は、基材フィルム上に、熱転写性樹脂層として、極性基を有する水系自己架橋系アクリル樹脂よりなる透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層されたことを特徴とする保護層転写シートである。
本発明によれば、本願の第1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
本願の第6の発明は、本願の第1から第5のいずれかの発明において、透明性樹脂層は、5μm以上の膜厚を有することを特徴とする。
透明性樹脂層が耐熱性を有することにより感熱時の熱エネルギーによる熱ムラが生じることがないので、5μm以上の膜厚とすることができ、高光沢度の発現だけでなく、印画物に奥行感や透明感を出すことができる。また、印画物の耐摩擦性や耐スクラッチ性、耐候性を向上させることができる。
本願の第7の発明は、本願の第1から第6のいずれかの発明において、基材フィルムと熱転写性樹脂層との間に剥離層を設けたことを特徴とする。
剥離層を設けることにより、基材フィルムと熱転写性樹脂層の剥離性を高めることができる。
本願の第8の発明は、染料で着色された画像を有する印画物の印画面の少なくとも一部に、本願の第1から第7のいずれかの発明である保護層転写シートの熱転写性樹脂層が転写されていることを特徴とする印画物である。
上記構成により、耐摩擦性や耐スクラッチ性、耐可塑剤性、耐薬品性、耐候性に優れ、高光沢で透明感のある高品質な印画物とすることができる。
本願の第9の発明は、基材フィルム上に、昇華性染料や熱溶融型染料を含む染料領域と、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層された熱転写性樹脂層領域とが形成されたことを特徴とする転写リボンである。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における保護層転写シートについて図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における保護層転写シートの模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態における保護層転写シートについて図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態における保護層転写シートの模式断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の保護層転写シート1は、基材フィルム2上に、熱転写性樹脂層3として、透明性樹脂層4、熱接着性樹脂層5が順に積層されたものである。
基材フィルム2は、従来公知のものを使用することができる。たとえば、各種加工紙、ポリエチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セロファン等のフィルムなどが挙げられる。基材フィルム2の厚さは、強度および耐熱性が適切となるように材料に応じて適宜変更することができるが、0.5〜50μm中でも3〜10μm程度のものが好ましい。
基材フィルム2の裏面側には、プリンタのサーマルヘッドや転写用熱板などとの粘着を防止し、かつ、滑り性を良くするためのバックコート層6が設けられている。このバックコート層6は必要に応じて任意で設けることができ、省略してもよい。
透明性樹脂層4は、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系樹脂である。アクリル系ポリオール樹脂としては、アクリル酸エステル系ポリオール、シリコン変性アクリル系ポリオールなどが挙げられる。なお、アクリル系ポリオールは、上記に限定するものではなく、例えばアクリル系共重合体、ポリアクリル酸エステル共重合体樹脂等でもポリオールの形になっていればアクリル系ポリオールとすることができる。
また、硬化剤はイソシアネート系のものを使用し、たとえば、長期露光下での黄変が少なく、また柔らかい架橋体を形成できる脂肪族ジイソシアネート類あるいは脂環族ジイソシアネート類のポリイソシアネート(多官能、即ち複数のイソシアネート基を有するイソシアネート)が好ましく、特に脂肪族のヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート(HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)ベース等)が好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートには、種々の変性されたものが知られており、例えばビュレット変性、イソシアヌレート変性、ウレタン変性等がある。ウレタン変性にはトリメチロールプロパン変性、ポリオール変性等(TDI(トリレンジイソシアネート)ベース等)がある。特にポリオールとポリイソシアネートを反応させた、多官能の末端イソシアネート基を有するポリオール変性のヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネートは、ポリオールを選択することで、種々の物性、例えば柔らかさや伸び性を硬化させた樹脂に与えることができるので好ましい。本発明において例えば、タケネート(武田薬品製)、バーノック(大日本インキ化学製)、コロネート(日本ポリウレタン製)、ヂュラネート(旭化成工業製)、ディスモジュール(バイエル製)等の商品名で入手して使用することができる。硬化剤としてイソシアネート類を使用する場合の使用量比は、溶剤可溶性の上記アクリル系ポリオール中の水酸基が硬化剤のイソシアネート化合物のNCO基1モル当たり、0.8〜2.0モルとなる量が適当である。より好ましくは0.9〜1.2モルである。
また、透明性樹脂層4として極性基を有する水系自己架橋系アクリル樹脂を使用してもよい。水系自己架橋系アクリル樹脂としては、たとえば、ポリアクリル酸エステル共重合体等のアクリル樹脂エマルション系などが挙げられる。
透明性樹脂層4は、たとえば、グラビア印刷、スプレー塗工等の公知のコーティング方法や印刷方法等の形成手段により形成することができ、膜厚は5μm以上、より好ましくは8μm以上である方が好ましい。透明性樹脂層4の膜厚と光沢度との関係については後述する実施例で詳細に述べる。
熱接着性樹脂層5は、接着性よく印画物の印画面に熱転写性樹脂層3を転写するために設けられるものであり、たとえば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の樹脂を用いることができる。
また、熱接着性樹脂層5に紫外線吸収剤を含有させることによって、転写された印画物の画像の耐光性、耐候性を向上させることもできる。含有させる紫外線吸収剤としては、たとえば、有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を広く使用できる。また、これらの紫外線吸収剤にたとえば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等の官能基を導入した紫外線吸収性樹脂を含有させてもよい。また、酸化防止剤、蛍光増白剤等の添加剤を含有させても良い。熱接着性樹脂層5の形成方法としては、たとえば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の手段により行うことができ、その厚みは、0.1〜5μmであることが好ましい。
以上のようにして形成される本実施の形態の保護層転写シート1は、全体の厚みが、0.1〜70μm程度の範囲が好ましく、5〜30μm程度の範囲がより好ましい。
なお、基材フィルム2と透明性樹脂層4との剥離性が十分でない場合には、図2に示すように、基材フィルム2と透明性樹脂層4との間に、剥離層7を設ける構成としてもよい。剥離層7としては、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等の樹脂を用いて形成することができる。
本実施の形態では、基材フィルム2上に熱転写性樹脂層3を単独に積層した保護層転写シート1として説明したが、これに限らず、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの熱昇華性染料インキ層やブラックの熱溶融型転写インキ層(カーボンブラック含有)の熱転写インキ層を面順次に配列して設け、熱転写インキ層と熱転写性樹脂層3とが同一基材フィルム2に配置された一体型の転写リボンとしてもよい。この場合、配列のパターンは特に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。
(実施例1)
アクリル系ポリオール樹脂としてアクリル酸エステルポリオール(商品名 ハルスハイブリッド UV−G101,UV−302 日本触媒製)を用い、硬化剤としてポリイソシアネート(商品名 コロネート HXR 日本ポリウレタン工業製、バーノック D−750 大日本インキ化学工業製)を用い、上記実施の形態に記載の方法により保護層転写シートを作製した。この保護層転写シートにより印画物の印画面に熱転写性樹脂層を転写して保護層を作製し、光沢度測定機(HORIBA製 GLOSS CHECKER IG−320)により60°光沢度を測定したところ、93〜94程度の高い光沢度が得られ、目視による光沢感も非常に良好であった。また、耐可塑剤性や耐摩擦性の評価を行ったところ、従来用いられている熱可塑性樹脂(商品名 アクリディック 56−700,WDL−787 大日本インキ製)を用いた保護層転写シートよりも良好な結果が得られた。
アクリル系ポリオール樹脂としてアクリル酸エステルポリオール(商品名 ハルスハイブリッド UV−G101,UV−302 日本触媒製)を用い、硬化剤としてポリイソシアネート(商品名 コロネート HXR 日本ポリウレタン工業製、バーノック D−750 大日本インキ化学工業製)を用い、上記実施の形態に記載の方法により保護層転写シートを作製した。この保護層転写シートにより印画物の印画面に熱転写性樹脂層を転写して保護層を作製し、光沢度測定機(HORIBA製 GLOSS CHECKER IG−320)により60°光沢度を測定したところ、93〜94程度の高い光沢度が得られ、目視による光沢感も非常に良好であった。また、耐可塑剤性や耐摩擦性の評価を行ったところ、従来用いられている熱可塑性樹脂(商品名 アクリディック 56−700,WDL−787 大日本インキ製)を用いた保護層転写シートよりも良好な結果が得られた。
(実施例2)
アクリル系ポリオール樹脂としてアクリルポリオール(商品名 アクリディック A−801,52−666BA,A−860 大日本インキ製)を用い、硬化剤としてポリイソシアネート(商品名 コロネート HXR 日本ポリウレタン工業製、バーノック D−750 大日本インキ化学工業製)を用い、上記実施の形態に記載の方法により保護層転写シートを作製した。この保護層転写シートにより印画物の印画面に熱転写性樹脂層を転写して保護層を作製し、光沢度測定機(HORIBA製 GLOSS CHECKER IG−320)により60°光沢度を測定したところ、93〜94程度の高い光沢度が得られ、目視による光沢感も非常に良好であった。また、耐可塑剤性や耐摩擦性の評価を行ったところ、従来用いられている熱可塑性樹脂(商品名 アクリディック 56−700,WDL−787 大日本インキ製)を用いた保護層転写シートよりも良好な結果が得られた。
アクリル系ポリオール樹脂としてアクリルポリオール(商品名 アクリディック A−801,52−666BA,A−860 大日本インキ製)を用い、硬化剤としてポリイソシアネート(商品名 コロネート HXR 日本ポリウレタン工業製、バーノック D−750 大日本インキ化学工業製)を用い、上記実施の形態に記載の方法により保護層転写シートを作製した。この保護層転写シートにより印画物の印画面に熱転写性樹脂層を転写して保護層を作製し、光沢度測定機(HORIBA製 GLOSS CHECKER IG−320)により60°光沢度を測定したところ、93〜94程度の高い光沢度が得られ、目視による光沢感も非常に良好であった。また、耐可塑剤性や耐摩擦性の評価を行ったところ、従来用いられている熱可塑性樹脂(商品名 アクリディック 56−700,WDL−787 大日本インキ製)を用いた保護層転写シートよりも良好な結果が得られた。
(実施例3)
ガラス転移温度が80℃以下のアクリル系ポリオール樹脂と硬化剤としてポリイソシアネートを用い、上記実施の形態に記載の方法により保護層転写シートを作製した。実施例1と同様にして光沢度を測定したところ、95〜96程度の高い光沢度が得られ、目視による光沢感も非常に良好であった。また、耐可塑剤性や耐摩擦性の評価を行ったところ、通常の使用に耐えうる良好な結果が得られた。
ガラス転移温度が80℃以下のアクリル系ポリオール樹脂と硬化剤としてポリイソシアネートを用い、上記実施の形態に記載の方法により保護層転写シートを作製した。実施例1と同様にして光沢度を測定したところ、95〜96程度の高い光沢度が得られ、目視による光沢感も非常に良好であった。また、耐可塑剤性や耐摩擦性の評価を行ったところ、通常の使用に耐えうる良好な結果が得られた。
(比較例1)
透明性樹脂層として熱可塑性樹脂が用いられている保護層転写シートについて、実施例1と同様にして光沢度を測定したところ、測定値は85〜86程度であり、目視による光沢感は実施例1および実施例2の保護層転写シートよりも劣っていた。この結果より、実施例1および実施例2の保護層転写シートが高い光沢度を発現できていることがわかった。また、比較例1の保護層転写シートは、耐摩擦性においては実施例1および実施例2の保護層転写シートと同程度であったが、耐可塑剤性については劣っていた。
透明性樹脂層として熱可塑性樹脂が用いられている保護層転写シートについて、実施例1と同様にして光沢度を測定したところ、測定値は85〜86程度であり、目視による光沢感は実施例1および実施例2の保護層転写シートよりも劣っていた。この結果より、実施例1および実施例2の保護層転写シートが高い光沢度を発現できていることがわかった。また、比較例1の保護層転写シートは、耐摩擦性においては実施例1および実施例2の保護層転写シートと同程度であったが、耐可塑剤性については劣っていた。
(実施例4)
印画物の印画面に本実施の形態における透明性樹脂層をワイヤーバーにより3〜30μmの膜厚で塗工し、各膜厚に対する塗工膜の光沢度と像鮮明度を測定した。光沢度は光沢度測定機(HORIBA製 GLOSS CHECKER IG−320)により60°光沢度を測定し、像鮮明度は像鮮明度測定器(スガ試験機製 ICM−1T)で60°入射角、1.0スリット幅条件で測定した。また、膜厚が3μmの熱可塑性樹脂(AP)による透明性樹脂層についても比較例として同様に測定した。結果を図3に示す。
印画物の印画面に本実施の形態における透明性樹脂層をワイヤーバーにより3〜30μmの膜厚で塗工し、各膜厚に対する塗工膜の光沢度と像鮮明度を測定した。光沢度は光沢度測定機(HORIBA製 GLOSS CHECKER IG−320)により60°光沢度を測定し、像鮮明度は像鮮明度測定器(スガ試験機製 ICM−1T)で60°入射角、1.0スリット幅条件で測定した。また、膜厚が3μmの熱可塑性樹脂(AP)による透明性樹脂層についても比較例として同様に測定した。結果を図3に示す。
図3に示すように、熱硬化系の透明性樹脂層を用いることにより、膜厚が3μm程度でも、従来の熱可塑性樹脂(AP)による透明性樹脂層と比べて高い光沢度が得られた。また、熱硬化系の透明性樹脂層を用いることにより、透明性樹脂層の耐熱性が向上するので、膜厚を厚くすることができ、15μm程度の膜厚にすると、さらに透明感や光沢感、印画物の印画面に奥行感を出すことが可能であることがわかった。また、膜厚は18μm以上形成しても、その効果は変わらず数値的に飽和することがわかった。
本発明は、サーマルヘッド等の加熱手段による熱転写方式により、印画物の印画面に優れた耐久性を与える熱転写性樹脂層を有する保護層転写シートとして好適に用いることができる。特に、簡素化された構造で、かつ、印画物に、高い耐久性を付与するとともに、印画物を高光沢で安定した品質とすることが可能な保護層転写シートとして好適に用いられる。
1 保護層転写シート
2 基材フィルム
3 熱転写性樹脂層
4 透明性樹脂層
5 熱接着性樹脂層
6 バックコート層
7 剥離層
2 基材フィルム
3 熱転写性樹脂層
4 透明性樹脂層
5 熱接着性樹脂層
6 バックコート層
7 剥離層
Claims (9)
- 基材フィルム上に、熱転写性樹脂層として、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層された保護層転写シート。
- 前記アクリル系ポリオール樹脂は、ガラス転移温度が80℃以下である請求項1記載の保護層転写シート。
- 前記硬化剤は、イソシアネート系である請求項1または2に記載の保護層転写シート。
- 前記アクリル系ポリオール樹脂は、スチレンモノマーを含有する請求項1から3のいずれかの項に記載の保護層転写シート。
- 基材フィルム上に、熱転写性樹脂層として、極性基を有する水系自己架橋系アクリル樹脂よりなる透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層された保護層転写シート。
- 前記透明性樹脂層は、5μm以上の膜厚を有する請求項1から5のいずれかの項に記載の保護層転写シート。
- 前記基材フィルムと前記熱転写性樹脂層との間に剥離層を設けた請求項1から6のいずれかの項に記載の保護層転写シート。
- 染料で着色された画像を有する印画物の印画面の少なくとも一部に、請求項1から7のいずれかの項に記載の保護層転写シートの前記熱転写性樹脂層が転写されている印画物。
- 基材フィルム上に、昇華性染料や熱溶融型染料を含む染料領域と、アクリル系ポリオール樹脂と硬化剤よりなる熱硬化系の透明性樹脂層、熱接着性樹脂層が順に積層された熱転写性樹脂層領域とが形成された転写リボン。
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