JP2013193237A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に形成される画像品質の低下を抑えること。
【解決手段】回転可能に設けられたベルト駆動ローラーと、前記ベルト駆動ローラーを回転させる駆動部と、帯状部材の一部同士が接続部において重なって接続された状態で無端状に形成され、前記ベルト駆動ローラーに掛けられ、記録媒体を支持する支持面を有し、前記支持面で前記記録媒体を支持して所定の搬送方向に移動することで前記記録媒体を前記搬送方向に搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに支持された前記記録媒体へ向けて液体を噴射する噴射ヘッドと、前記駆動部に対して前記ベルト駆動ローラーを所定角度ずつ間欠的に回転させることで前記搬送ベルトを間欠移動させると共に、それぞれの前記間欠移動における前記搬送ベルトの移動距離が所定距離に等しくなるように前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの位置関係に応じて前記所定角度を調整する制御部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体噴射装置に関するものである。
従来、綿、絹、ウール、化学繊維、混紡等の布に対する捺染は、染型を用いて行うスクリーン捺染装置が用いられていたが、近年、技術の向上により、インクジェット方式による印捺を行うインクジェット捺染装置が注目されている。
インクジェット捺染は、スクリーン捺染で用いられる染型が不用であり、デジタル化されたデザインを利用することができる。したがって、顧客の要求に応じた細かいデザインの変更などに迅速に対応することができ、生産時間を大幅に短縮することができる。また、色のグラデーションを表現することができるなど、デザインの自由度が大きいという利点がある。
インクジェット捺染装置において、インクジェットによる捺染印刷を行う噴射ヘッドに対して記録媒体である布を搬送する際には、その搬送精度を高めるため、表面に粘着性を有する搬送ベルトに布を貼り付け、該搬送ベルトをベルト駆動ローラー等により駆動して布が搬送される。搬送ベルトとしては、例えば一本のベルトの両端を重ねた状態で接続して無端状に形成された構成となっている。
特開2009−173443号公報
しかしながら、上記搬送ベルトの構成においては、搬送ベルトの接続部がベルト駆動ローラーを通過するときに、接続部の段差により、ベルト駆動ローラーが一定量回転したときの搬送ベルトの移動量がずれてしまう場合がある。このため、布に形成される画像の品質が低下するおそれがある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、記録媒体に形成される画像品質の低下を抑えることが可能な液体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液体噴射装置は、回転可能に設けられたベルト駆動ローラーと、前記ベルト駆動ローラーを回転させる駆動部と、帯状部材の一部同士が接続部において重なって接続された状態で無端状に形成され、前記ベルト駆動ローラーに掛けられ、記録媒体を支持する支持面を有し、前記支持面で前記記録媒体を支持して所定の搬送方向に移動することで前記記録媒体を前記搬送方向に搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに支持された前記記録媒体へ向けて液体を噴射する噴射ヘッドと、前記駆動部に対して前記ベルト駆動ローラーを所定角度ずつ間欠的に回転させることで前記搬送ベルトを間欠移動させると共に、それぞれの前記間欠移動における前記搬送ベルトの移動距離が所定距離に等しくなるように前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの位置関係に応じて前記所定角度を調整する制御部とを備える。
本発明によれば、制御部が駆動部に対してベルト駆動ローラーを所定角度ずつ間欠的に回転させることで搬送ベルトを間欠移動させると共に、それぞれの間欠移動における搬送ベルトの移動距離が所定距離に等しくなるように接続部とベルト駆動ローラーとの位置関係に応じて所定角度を調整するので、接続部の段差があっても、搬送ベルトの移動距離がずれるのを防ぐことができる。これにより、記録媒体に形成される画像品質の低下を抑えることが可能となる。
上記の液体噴射装置において、前記所定距離は、一回の前記間欠移動において前記記録媒体が前記噴射ヘッドを通過する距離であることが好ましい。
本発明によれば、所定距離が、一回の間欠移動において記録媒体が噴射ヘッドを通過する距離であるので、記録媒体に対して所期の搬送距離を維持することができる。これにより、記録媒体に形成される画像品質の低下を抑えることが可能となる。
上記の液体噴射装置において、前記制御部は、前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの距離が前記所定距離よりも小さい場合、一回の前記間欠移動において前記所定角度を調整することが好ましい。
本発明によれば、接続部とベルト駆動ローラーとの距離が所定距離よりも小さい場合、間欠移動において所定角度が調整されるので、接続部の段差があっても、搬送ベルトの移動距離がずれるのを防ぐことができる。これにより、記録媒体に形成される画像品質の低下を抑えることが可能となる。
上記の液体噴射装置において、前記制御部は、前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの距離が前記所定距離以上である場合、一回の前記間欠移動において前記所定角度を調整しないようにすることが好ましい。
本発明によれば、接続部とベルト駆動ローラーとの距離が所定距離以上である場合、接続部が間欠移動ではベルト駆動ローラーに差し掛かることが無いため、所定角度を調整しなくても所期の搬送精度を維持することができる。
上記の液体噴射装置は、調整された前記回転角に関する情報を記憶する記憶部を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、調整された回転角に関する情報を記憶することができるので、当該情報に基づいた制御が可能となる。これにより、回転角の調整を効率的に行うことができる。
上記の液体噴射装置において、前記接続部の位置を検出する検出部を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、検出部により接続部の位置を検出することができるので、接続部とベルト駆動ローラーとの位置関係をより正確に求めることができる。
上記の液体噴射装置において、前記検出部は、前記ベルト駆動ローラーから前記搬送方向とは反対方向に前記所定距離以上離れた位置を検出することが好ましい。
本発明によれば、検出部がベルト駆動ローラーから搬送方向とは反対方向に所定距離以上離れた位置を検出するので、検出漏れを防ぐことができる。
上記の液体噴射装置において、一回の前記間欠移動において前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに差し掛かる場合、前記制御部は、前記間欠移動の際、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに差し掛かるまでの間は前記搬送ベルトのうち前記接続部とは異なる非接続部の厚さに応じた第一角度を算出し、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに差し掛かった後には前記接続部の厚さに応じた第二角度を算出し、前記第一角度と前記第二角度との和を前記所定角度とすることが好ましい。
本発明によれば、一回の間欠移動において接続部がベルト駆動ローラーに差し掛かる場合、間欠移動の際、接続部がベルト駆動ローラーに差し掛かるまでの間は非接続部の厚さに応じた第一角度を算出し、接続部がベルト駆動ローラーに差し掛かった後には接続部の厚さに応じた第二角度を算出し、第一角度と第二角度との和を前記所定角度とするので、搬送ベルトの移動距離がずれるのをより確実に防ぐことができる。
上記の液体噴射装置において、一回の前記間欠移動の間、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに終始掛けられている場合、前記制御部は、前記間欠移動の際に、前記接続部の厚さに基づいて前記所定角度を調整することが好ましい。
本発明によれば、一回の間欠移動の間、接続部がベルト駆動ローラーに終始掛けられている場合、間欠移動の際に、接続部の厚さに基づいて所定角度を調整するので、搬送ベルトの移動距離がずれるのをより確実に防ぐことができる。
上記の液体噴射装置において、一回の前記間欠移動において前記接続部が前記ベルト駆動ローラーから離れる場合、前記制御部は、前記間欠移動の際、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーから離れるまでの間は前記接続部の厚さに応じた第三角度を算出し、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーから離れた後には前記搬送ベルトのうち前記接続部とは異なる非接続部の厚さに応じた第四角度を算出し、前記第三角度と前記第四角度との和を前記所定角度とすることが好ましい。
本発明によれば、一回の間欠移動において接続部がベルト駆動ローラーから離れる場合、間欠移動の際、接続部がベルト駆動ローラーから離れるまでの間は接続部の厚さに応じた第三角度を算出し、接続部がベルト駆動ローラーから離れた後には搬送ベルトのうち非接続部の厚さに応じた第四角度を算出し、第三角度と第四角度との和を所定角度とするので、搬送ベルトの移動距離がずれるのをより確実に防ぐことができる。
本発明の実施の形態に係る捺染装置の構成を示す図。 本実施形態に係る捺染装置の一部の構成を示す図。 本実施形態に係る捺染装置の動作の様子を示す図。 本実施形態に係る捺染装置の動作の様子を示す図。 本実施形態に係る検出器の検出の様子を示すグラフ。 本実施形態に係る捺染装置の動作の様子を示す図。 本実施形態に係る捺染装置の動作の様子を示す図。 本実施形態に係る捺染装置の動作の様子を示す図。 本実施形態に係る捺染装置の動作の様子を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る捺染装置の構成を示す図である。
図1に示すように、捺染装置(液体噴射装置)100は、記録媒体供給部10、記録媒体搬送部20、記録媒体回収部30、インクジェット部40、メンテナンス部50、浮上防止部60及び制御部CONTを有する。捺染装置100の各部は、フレーム部FRに取り付けられている。
捺染装置100は、記録媒体Mに画像を形成することで当該記録媒体Mの捺染を行う。記録媒体Mとしては、例えば綿、絹、ウール、化学繊維、混紡などの布が用いられる。本実施形態では、帯状の記録媒体Mに対してロール方式で画像を形成する構成を例に挙げて説明するが、これに限られることは無く、他の方式(例、枚葉式)を行うであっても構わない。
記録媒体供給部10は、画像形成が行われていない記録媒体Mを供給する。記録媒体供給部10は、軸部11及び軸受部12を有する。
軸部11は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。軸部11には、帯状の記録媒体Mがロール状に巻かれている。軸部11は、軸受部12に対して着脱可能に取り付けられている。このため、例えば予め記録媒体Mが巻かれた軸部11を軸受部12に取り付けることができるようになっている。
軸受部12は、軸部11の軸線方向の両端を回転可能に支持する。軸受部12は、軸部11を回転駆動させる不図示の回転駆動部を有している。回転駆動部は、記録媒体Mが送り出される方向に軸部11を回転させる。回転駆動部の動作は、例えば制御部CONTによって制御される。
記録媒体搬送部20は、記録媒体供給部10から記録媒体回収部30までの間で記録媒体Mを搬送する。記録媒体搬送部20は、搬送ローラー21、搬送ローラー22、搬送ベルト23、ベルト回転ローラー24、ベルト駆動ローラー25、搬送ローラー26、乾燥ユニット27及び搬送ローラー28を有する。
搬送ローラー21は、記録媒体供給部10と搬送ローラー22との間で記録媒体Mを中継する。搬送ローラー22は、例えば搬送ベルト23との間で記録媒体Mを挟持可能に設けられている。搬送ローラー22は、記録媒体Mを搬送ベルト23に支持させる。
搬送ベルト23は、無端状に形成されており、ベルト回転ローラー24及びベルト駆動ローラー25に掛けられている。搬送ベルト23は、ベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25との間の部分が床面に平行になるように、所定の張力が作用した状態で保持されている。搬送ベルト23の表面(支持面23a)には、記録媒体Mを粘着させる粘着層(不図示)が設けられている。搬送ベルト23は、当該粘着層が設けられた支持面23aで記録媒体Mを支持する。
ベルト回転ローラー24及びベルト駆動ローラー25は、搬送ベルト23の内周面23bを支持する。なお、ベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25との間に、搬送ベルト23を支持する支持部が設けられた構成であっても構わない。ベルト回転ローラー24は、搬送ベルト23の回転に伴って回転する。
ベルト駆動ローラー25の回転により搬送ベルト23が回転し、搬送ベルト23の回転によりベルト回転ローラー24が回転する。搬送ベルト23の回転により、当該搬送ベルト23に支持される記録媒体Mが所定の搬送方向に搬送される。本実施形態では、ベルト回転ローラー24からベルト駆動ローラー25へ向かう方向が搬送方向となる。したがって、例えばベルト回転ローラー24とベルト駆動ローラー25とを比較した場合、ベルト回転ローラー24が搬送方向の上流側に配置されており、ベルト駆動ローラー25が搬送方向の下流側に配置されている。
搬送ローラー26は、搬送ベルト23によって搬送された記録媒体Mを中継する。乾燥ユニット27は、搬送ローラー26と搬送ローラー28との間に設けられており、記録媒体Mを案内する。搬送ローラー28は、乾燥ユニット27によって案内された記録媒体Mを記録媒体回収部30へと中継する。
記録媒体回収部30は、記録媒体搬送部20によって搬送された記録媒体Mを回収する。記録媒体回収部30は、軸部31及び軸受部32を有する。
軸部31は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。軸部31には、帯状の記録媒体Mがロール状に巻かれる。軸部31は、軸受部32に対して着脱可能に取り付けられている。このため、例えば軸部31に記録媒体Mが巻かれた状態において、軸受部32から軸部31を取り外すことで、当該軸部31ごと記録媒体Mの取り外しが可能となっている。
軸受部32は、軸部31の軸線方向の両端を回転可能に支持する。軸受部32は、軸部31を回転駆動させる不図示の回転駆動部を有している。回転駆動部は、記録媒体Mが巻き取られる方向に軸部31を回転させる。回転駆動部の動作は、例えば制御部CONTによって制御される。
インクジェット部40は、記録媒体Mに対してインクを噴射する。インクジェット部40は、噴射ヘッドH及びヘッド移動部41を有している。噴射ヘッドHには、インクを噴射する噴射面Haが設定されている。噴射面Haには、インクを吐出する複数のノズルNZが形成されている。噴射面Haは、搬送ベルト23によって搬送される記録媒体Mに向けられている。ヘッド移動部41は、搬送方向と交差する方向(例、記録媒体Mの幅方向)に噴射ヘッドHを移動させる。
メンテナンス部50は、搬送ベルト23のメンテナンスを行う。メンテナンス部50は、処理部51、基部52及び移動部53を有している。処理部51は、例えば搬送ベルト23に付着した埃や糸くずなどの異物を除去する除去部や、搬送ベルト23の粘着層が劣化した場合などに当該粘着層を補修する粘着層補修部など、搬送ベルト23に対して各種の処理を行う機構を有している。基部52は、処理部51を支持する。基部52が処理部51を昇降させる昇降部を有していても良い。移動部53は、床面に沿って処理部51及び基部52を一体的に移動させる。
浮上防止部60は、記録媒体Mが搬送ベルト23から離れる(浮く)のを防止する。浮上防止部60は、インクジェット部40(噴射ヘッドH)よりも搬送方向の上流側に配置されている。浮上防止部60は、押圧ローラー61及びローラー駆動部62を有している。押圧ローラー61は、円筒状又は円柱状に形成されており、円周方向に回転可能に設けられている。押圧ローラー61は、搬送方向に沿った方向に回転するように、例えば軸線方向が搬送方向に交差するように配置されている。ローラー駆動部62は、搬送方向及び当該搬送方向とは逆向きの第二方向に押圧ローラー61を移動させる。
図2は、搬送ベルト23、ベルト回転ローラー24及びベルト駆動ローラー25の構成を示す断面図である。
図2に示すように、搬送ベルト23は、帯状部材70の端部同士(第一端部71及び第二端部72)が重なって接続された接続部23cを有する。接続部23cでは、第一端部71と第二端部72とが例えば接着剤(不図示)を介して固定されている。接続部23cは、第一端部71及び第二端部72が重なっているため、他の部分(非接続部23d)に比べて厚くなっている(厚さTh)。また、搬送ベルト23を周方向に見ると、接続部23cにおいて段差が形成されている。
ベルト駆動ローラー25は、中心軸Cを中心として円周方向に回転する。ベルト駆動ローラー25は、半径Rの円筒部材である。ベルト駆動ローラー25には、ローラー駆動部(駆動部)29が取り付けられている。ローラー駆動部29は、ベルト駆動ローラー25に対して円周方向の回転駆動力を与える。ローラー駆動部29としては、例えばモーター装置などが用いられている。
ローラー駆動部29は、制御部CONTによって制御される。制御部CONTは、データコントローラー81、メカコントローラー82及びモータードライバー83を有する。また、制御部CONTは、不図示のタイマーが内蔵されている。データコントローラー81は、外部から入力される画像データに基づいて、搬送ベルト23の改行量(Lk)を算出し、算出結果をメカコントローラー82に送信する。改行量Lkは、一回の駆動によって搬送ベルト23が搬送方向に移動する移動距離である。当該改行量Lkは、記録媒体Mが噴射ヘッドを通過する距離である。
搬送ベルト23の支持面23a上には、接続部23cを検出する検出部80が設けられている。検出部80としては、例えば光センサなどが用いられる。検出部80は、ベルト駆動ローラー25から搬送方向とは反対方向に距離Lsだけ離れた位置を検出する。なお、検出部80の検出位置として、駆動ローラー25から搬送方向とは反対方向に距離Ls以上離れた位置を検出する構成であっても構わない。搬送方向とは反対方向に当該距離Lsは、搬送ベルト23の改行量Lkに等しい距離である。
メカコントローラー82は、データコントローラー81から送信された算出結果と、検出部80の検出結果とに基づいて、モーター指令角度(△θs)を算出する。モータードライバー83は、算出されたモーター指令角度△θsだけベルト駆動ローラー25が回転するように、ローラー駆動部29を制御する。
次に、上記のように構成された捺染装置100の動作を説明する。
捺染装置100に対して外部から画像データが入力された場合、制御部CONTは、入力された画像データに対応する画像を記録媒体Mに形成させる。まず、記録媒体Mに対して画像を形成するための動作の流れを説明する。
制御部CONTは、軸部11を回転させ、記録媒体供給部10から記録媒体Mを送り出す。記録媒体供給部10から送り出された記録媒体Mは、搬送ローラー21及び搬送ローラー22を経由して搬送ベルト23に支持される。制御部CONTは、ベルト駆動ローラー25を回転させて搬送ベルト23を搬送方向に移動させる。この動作により、記録媒体Mは搬送ベルト23によって搬送方向に搬送される。
記録媒体Mが搬送ベルト23上の所定の位置に到達した後、制御部CONTは、噴射ヘッドHを記録媒体Mの幅方向に移動させつつ、ノズルNZからインクを吐出させる。制御部CONTは、噴射ヘッドHが記録媒体Mを幅方向に一回走査する毎に、記録媒体Mを搬送方向に所定距離ずつ移動させる。制御部CONTは、一回の移動においてベルト駆動ローラー25を所定角度ずつ回転させる。このように、制御部CONTは、記録媒体Mを搬送方向に間欠的に移動させ、噴射ヘッドHを走査させてノズルNZからインクを吐出させることで、記録媒体Mに対して所定の画像が形成される。
制御部CONTは、画像が形成された記録媒体Mを搬送ベルト23の下流側に移動させる。搬送ベルト23の下流側に移動した記録媒体Mは、搬送ローラー26、乾燥ユニット27及び搬送ローラー28を経由して記録媒体回収部30に到達する。制御部CONTは、軸部31を回転させることにより、記録媒体Mを軸部31に巻き取らせる。このようにして、画像が形成された記録媒体Mが回収される。
上記の動作において、例えば図3に示すように、非接続部23dがベルト駆動ローラー25に掛けられているときには、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の非接続部23dである。したがって、搬送ベルト23の支持面23aは、ベルト駆動ローラー25の半径Rと非接続部23dの厚さTfとの和で示される半径R1の円筒面上を移動する。
一方、例えば図4に示すように、接続部23cがベルト駆動ローラー25に掛けられているときには、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の接続部23cである。したがって、搬送ベルト23の支持面23aは、ベルト駆動ローラー25の半径Rと接続部23cの厚さThとの和で示される半径R2の円筒面上を移動する。
ここで、Th>Tfであるため、距離R2は、上記の距離R1よりも大きくなる。したがって、ベルト駆動ローラー25が所定角度△θsだけ回転した場合、図3に示す場合よりも図4に示す場合の方が、噴射ヘッドHの直下において搬送ベルト23の支持面23aの移動距離が大きくなってしまう。
このため、記録媒体Mに対する改行量が異なってしまい、例えばインクが線状又は帯状に重なった部分が記録媒体Mに形成されたり、インクが塗布されない線状又は帯状の部分が記録媒体Mに形成されたりして、記録媒体Mに形成される画像の品質が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態においては、制御部CONTは、ローラー駆動部29に対してベルト駆動ローラー25を所定角度ずつ間欠的に回転させることで搬送ベルト23を間欠移動させると共に、それぞれの間欠移動における搬送ベルト23の移動距離が所定距離に等しくなるように接続部23cとベルト駆動ローラー25との位置関係に応じて所定角度を調整する。
具体的には、上記動作において、制御部CONTのデータコントローラー81は、画像データに基づいて所定距離(Lk)を算出し、メカコントローラー82に送信する。メカコントローラー82は、算出された所定距離Lkと、検出部80による検出結果とに基づいて、ローラー駆動部29によるモーター指令角度(△θs)を算出し、モータードライバー83に送信する。
図5は、メカコントローラー82の算出内容の一部を示すグラフである。図5の横軸は時刻を示している。図5の縦軸は、一回の間欠移動における搬送ベルト23の搬送速度を示している。
図5に示すように、検出部80は、一回の間欠移動において接続部23cが検出された時刻を出力する。メカコントローラー82は、検出部80によって検出された時刻から、搬送ベルト23の一回の間欠移動の終了時刻までの間に接続部23cが移動した距離を算出する。この場合、図5に示すように、ベルトの速度を示すグラフのうち検出部80によって検出された時刻以降の部分の面積Sが接続部23cの当該移動距離であり、検出部80の検出位置と接続部23cとの距離である。
検出部80の検出位置は、ベルト駆動ローラー25から距離Lsだけ搬送方向の上流側に離れた位置に設定されている。したがって、接続部23cとベルト駆動ローラー25との距離Ltは、
Lt=Ls−S
によって得られる。このようにして、接続部23cとベルト駆動ローラー25との間の位置関係(距離Lt)が求められる。なお、不図示の記憶部を設けておき、検出部80によって検出された結果を記憶部に記憶させておくことができる。これにより、以降は検出部80を用いることなく、記憶された情報に基づいてモーター指令角度の調整を行うことができる。
ここで、図6に示すように、求められた接続部23cとベルト駆動ローラー25との距離Ltが所定の改行量Lk(図6:式(1)で示す値)以上である場合には、次回の間欠移動においては接続部23cがベルト駆動ローラー25に差し掛かることは無い。この場合、メカコントローラー82は、当該間欠移動においてモーター指令角度△θsの補正をしないようにし、通常のモーター指令角度△θs(図6:式(2)で示す値)でベルト駆動ローラー25を回転させる。
次に、図7に示すように、求められた接続部23cとベルト駆動ローラー25との距離Ltが所定の改行量Lkよりも小さい場合、次回の間欠移動において接続部23cがベルト駆動ローラー25に差し掛かることになる。この場合、搬送ベルト23は、移動開始位置からベルト駆動ローラー25に到達する位置までの区間1と、ベルト駆動ローラー25に掛けられてからの区間2とに亘って移動する。
区間1では、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の非接続部23dであるため、搬送ベルト23の支持面23aは、半径R1(=R+Tf)の円筒面上を移動する。また、区間2では、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の接続部23cであるため、支持面23aは、半径R2(=R+Th)の円筒面上を移動する。
ここで、搬送ベルト23が区間1を移動するときのベルト駆動ローラー25の回転角度(第一角度)を△θs1とし、搬送ベルト23が区間2を移動するときのベルト駆動ローラー25の回転角度(第二角度)を△θs2とすると、区間1における移動距離Lk1は、図7の式(3)で示され、区間2における移動距離Lk2は、図7の式(4)で示される。
メカコントローラー82は、上記の式(3)及び式(4)に基づいて、それぞれ第一角度△θs1と第二角度△θs2とを求める。メカコントローラー82は、求めた第一角度△θs1と第二角度△θs2との和をモーター指令角度△θsとして求める。この結果、図7の式(5)に示す値が得られる。メカコントローラー82は、式(5)に示すに基づいて、改行量Lkを定数としてモータードライバー83に対してベルト駆動ローラー25を回転させる。
次に、図8に示すように、接続部23cがベルト駆動ローラー25に終始掛けられている場合、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の接続部23cであるため、搬送ベルト23の支持面23aは、半径R2の円筒面を移動する。この場合、メカコントローラー82は、搬送ベルト23の支持面23aが半径R2の円筒面上を所定の改行量Lkだけ移動するようにモーター指令角度△θsを調整する。
このとき、図8に示すように、改行量Lkは、接続部23dの厚さThに基づいて、式(6)によって示される。また、当該式(6)に基づいて、モーター指令角度△θsが求められる(式(7))。メカコントローラー82は、式(7)に示すに基づいて、改行量Lkを定数としてモータードライバー83に対してベルト駆動ローラー25を回転させる。
更に、図9に示すように、間欠移動において接続部23cがベルト駆動ローラー25から離れる場合、搬送ベルト23は、接続部23cがベルト駆動ローラー25から離れるまでの間の区間3と、接続部23cがベルト駆動ローラー25から離れた後の区間4とに亘って移動する。
区間3では、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の接続部23cであるため、搬送ベルト23の支持面23aは、半径R2(=R+Th)の円筒面上を移動する。また、区間4では、ベルト駆動ローラー25の回転力を受ける部分が搬送ベルト23の非接続部23dであるため、支持面23aは、半径R1(=R+Tf)の円筒面上を移動する。
ここで、搬送ベルト23が区間3を移動するときのベルト駆動ローラー25の回転角度(第三角度)を△θs3とし、搬送ベルト23が区間4を移動するときのベルト駆動ローラー25の回転角度(第四角度)を△θs4とすると、区間3における移動距離Lk3は、図9の式(8)で示され、区間4における移動距離Lk4は、図7の式(9)で示される。
メカコントローラー82は、上記の式(8)及び式(9)に基づいて、それぞれ第三角度△θs3と第四角度△θs4とを求める。メカコントローラー82は、求めた第三角度△θs3と第四角度△θs4との和をモーター指令角度△θsとして求める。この結果、図9の式(10)に示す値が得られる。メカコントローラー82は、式(10)に示すに基づいて、改行量Lkを定数としてモータードライバー83に対してベルト駆動ローラー25を回転させる。
以上のように、本実施形態によれば、制御部CONTがローラー駆動部29に対してベルト駆動ローラー25を所定角度ずつ間欠的に回転させることで搬送ベルト23を間欠移動させると共に、それぞれの間欠移動における搬送ベルト23の移動距離が所定距離Lkに等しくなるように接続部23cとベルト駆動ローラー25との位置関係に応じて所定角度を調整するので、接続部23cの段差があっても、搬送ベルト23の移動距離がずれるのを防ぐことができる。これにより、記録媒体Mに形成される画像品質の低下を抑えることが可能となる。
CONT…制御部 M…記録媒体 H…噴射ヘッド 23…搬送ベルト 23a…支持面 23c…接続部 23d…非接続部 24…ベルト回転ローラー 25…ベルト駆動ローラー 70…帯状部材 71…第一端部 72…第二端部 80…検出部 81…データコントローラー 82…メカコントローラー 83…モータードライバー 100…捺染装置

Claims (10)

  1. 回転可能に設けられたベルト駆動ローラーと、
    前記ベルト駆動ローラーを回転させる駆動部と、
    帯状部材の一部同士が接続部において重なって接続された状態で無端状に形成され、前記ベルト駆動ローラーに掛けられ、記録媒体を支持する支持面を有し、前記支持面で前記記録媒体を支持して所定の搬送方向に移動することで前記記録媒体を前記搬送方向に搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに支持された前記記録媒体へ向けて液体を噴射する噴射ヘッドと、
    前記駆動部に対して前記ベルト駆動ローラーを所定角度ずつ間欠的に回転させることで前記搬送ベルトを間欠移動させると共に、それぞれの前記間欠移動における前記搬送ベルトの移動距離が所定距離に等しくなるように前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの位置関係に応じて前記所定角度を調整する制御部と
    を備える液体噴射装置。
  2. 前記所定距離は、一回の前記間欠移動において前記記録媒体が前記噴射ヘッドを通過する距離である
    請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記制御部は、前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの距離が前記所定距離よりも小さい場合、一回の前記間欠移動において前記所定角度を調整する
    請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記制御部は、前記接続部と前記ベルト駆動ローラーとの距離が前記所定距離以上である場合、一回の前記間欠移動において前記所定角度を調整しないようにする
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 調整された前記回転角に関する情報を記憶する記憶部を更に備える
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記接続部の位置を検出する検出部を更に備える
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  7. 前記検出部は、前記ベルト駆動ローラーから前記搬送方向とは反対方向に前記所定距離以上離れた位置を検出する
    請求項6に記載の液体噴射装置。
  8. 一回の前記間欠移動において前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに差し掛かる場合、前記制御部は、前記間欠移動の際、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに差し掛かるまでの間は前記搬送ベルトのうち前記接続部とは異なる非接続部の厚さに応じた第一角度を算出し、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに差し掛かった後には前記接続部の厚さに応じた第二角度を算出し、前記第一角度と前記第二角度との和を前記所定角度とする
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  9. 一回の前記間欠移動の間、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーに終始掛けられている場合、前記制御部は、前記間欠移動の際に、前記接続部の厚さに基づいて前記所定角度を調整する
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  10. 一回の前記間欠移動において前記接続部が前記ベルト駆動ローラーから離れる場合、前記制御部は、前記間欠移動の際、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーから離れるまでの間は前記接続部の厚さに応じた第三角度を算出し、前記接続部が前記ベルト駆動ローラーから離れた後には前記搬送ベルトのうち前記接続部とは異なる非接続部の厚さに応じた第四角度を算出し、前記第三角度と前記第四角度との和を前記所定角度とする
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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