JP2013192514A - 牡蠣エキスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フコキサンチンを蓄積した牡蠣から、フコキサンチンを分解させることなく、牡蠣特有のタウリン、グリコーゲン、亜鉛などの有効成分とともに、効率的、且つ、簡便に抽出できる、牡蠣エキスの製造方法を提供すること。
【解決手段】工程(A)および(B)を含む牡蠣エキスの製造方法:
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。
【選択図】なし
【解決手段】工程(A)および(B)を含む牡蠣エキスの製造方法:
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。
【選択図】なし
Description
本発明は、牡蠣エキスの製造方法に関する。
牡蠣の抽出物である牡蠣エキスは、タウリン、グリコーゲン、亜鉛などの有効成分を含むので、健康食品、機能性食品、栄養補助食品などとして有用である。
有効成分をより豊富に含む牡蠣エキスを得るための技術が、種々報告されている。例えば、特許文献1には、濃度の異なる有機溶媒で抽出して濃度20乃至45(W/W)%に濃縮した牡蠣肉のエキスを、それぞれ混ぜ合わせて、濃度30乃至80(W/W)%のエタノール液に浸して沈殿エキスを生成、回収、乾燥する、牡蠣肉エキスの製造方法が記載されている。特許文献2には、牡蠣肉を40℃乃至50℃の温水に浸す第1抽出工程、さらにアルコール溶液に浸す第2抽出工程、第1及び第2抽出工程で得られる牡蠣肉エキスを20乃至45(W/W)%に濃縮する濃縮工程、濃縮したそれぞれの牡蠣肉エキスを混ぜ合わせる混合工程、混ぜ合わされた牡蠣肉エキスを濃度30乃至80(W/W)%のエタノール液に浸して沈殿エキスを生成する生成工程、並びに、沈殿エキスを回収する回収工程を備える牡蠣肉エキスの製造方法が記載されている。
一方、特許文献3には、微細藻類を主餌料とし牡蠣類を飼育する、食味の優れた牡蠣類の生産方法が記載されている。
微細藻類の一種である珪藻は、フコキサンチンを含有している。しかしフコキサンチンを含む微細藻類を食べた牡蠣の体内にフコキサンチンが蓄積することは知られていなかった。また係る牡蠣から牡蠣エキスを得るにあたり、特許文献1および2に記載の方法を適用した場合には、牡蠣の体内に蓄積したフコキサンチンを十分に回収することができなかった。
本発明の目的は、フコキサンチンを蓄積した牡蠣から、フコキサンチンを分解させることなく、牡蠣特有のタウリン、グリコーゲン、亜鉛などの有効成分とともに、効率的、且つ、簡便に抽出できる、牡蠣エキスの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の発明を提供する。
〔1〕工程(A)および(B)を含む牡蠣エキスの製造方法:
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。
〔2〕工程(A)における溶媒の量が、牡蠣100質量部に対し100質量部以上である上記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕工程(B)において、抽出液の濃縮および/または乾燥を行う、上記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕工程(C)、(D)および(E)を更に含む、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の製造方法:
工程(C):工程(B)で得られる抽出残渣を温水で抽出し、抽出物を得る工程;
工程(D):工程(C)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程;および
工程(E):工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液を混合して混合物を得る工程。
〔5〕工程(C)における温水は、50℃以上の温水である、上記〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕工程(C)における温水の量が、牡蠣100質量部に対し50質量部以上である、上記〔4〕または〔5〕に記載の製造方法。
〔7〕工程(E)において、
工程(B)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と、
工程(D)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と
を混合して、混合物を得る、上記〔3〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔8〕工程(E)において、
工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液とを混合後に濃縮および/または乾燥を行う、上記〔3〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔9〕上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の製造方法で得られる牡蠣エキスを含有する飲食品。
〔1〕工程(A)および(B)を含む牡蠣エキスの製造方法:
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。
〔2〕工程(A)における溶媒の量が、牡蠣100質量部に対し100質量部以上である上記〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕工程(B)において、抽出液の濃縮および/または乾燥を行う、上記〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕工程(C)、(D)および(E)を更に含む、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の製造方法:
工程(C):工程(B)で得られる抽出残渣を温水で抽出し、抽出物を得る工程;
工程(D):工程(C)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程;および
工程(E):工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液を混合して混合物を得る工程。
〔5〕工程(C)における温水は、50℃以上の温水である、上記〔4〕に記載の製造方法。
〔6〕工程(C)における温水の量が、牡蠣100質量部に対し50質量部以上である、上記〔4〕または〔5〕に記載の製造方法。
〔7〕工程(E)において、
工程(B)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と、
工程(D)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と
を混合して、混合物を得る、上記〔3〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔8〕工程(E)において、
工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液とを混合後に濃縮および/または乾燥を行う、上記〔3〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の製造方法。
〔9〕上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の製造方法で得られる牡蠣エキスを含有する飲食品。
本発明によれば、フコキサンチンを蓄積した牡蠣から、フコキサンチンを効率よく回収することができ、牡蠣特有のタウリン、グリコーゲン、亜鉛などの有効成分と共にフコキサンチンを含む牡蠣エキスが得られる。このため、本発明において得られる牡蠣エキスは、幅広い効能を有する健康食品となりうる可能性が期待される。
本明細書において「%」は、特に断らない限り「質量%」を示す。
本発明の牡蠣エキスの製造方法は、上記の工程(A)および(B)を含む:
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。
工程(A)においては、フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る。
工程(A)において、牡蠣はイタボガキ科(Ostreidae)の牡蠣、例えば、マガキ属(Crassostrea)に属する牡蠣、イタボガキ属(Ostrea)に属する牡蠣が挙げられる。具体的には、マガキ(Crassostrea gigas)、イワガキ(Crassostrea nippona)、スミノエガキ(Crassostrea ariakesis)、イタボガキ(Ostrea denselamellosa)、ヨーロッパヒラガキ(Ostrea edulis)、太平洋カキ(Ostrea Laperousi)、大連湾カキ(Ostrea Talienehanensis)、近江カキ(Ostrea rivularis)、摺カキ(Ostrea cucullata)などを用いることができる。牡蠣の年齢、性別などについて特に制限はない。
牡蠣は、フコキサンチンを含有する。フコキサンチン(Acetic acid[(1S,3R)−3−hydroxy−4−[(3E,5E,7E,9E,11E,13E,15E)−18−[(1S,4S,6R)−4−hydroxy−2,2,6−trimethyl−7−oxabicyclo〔4.1.0〕heptan−1−yl]−3,7,12,16−tetramethyl−17−oxooctadeca−1,3,5,7,9,11,13,15−octaenylidene]−3,5,5−trimethylcyclohexyl]ester)は、非プロビタミンA類のカロテノイドの一種であり、以下の式で表されるとおり、アレン構造、エポキシドおよびヒドロキシル基を有している。フコキサンチンはその構造中に含まれる1以上の水素原子に代えて置換基を有する、いわゆる誘導体(例えば、フコキサンチノール)であってもよい。また、フコキサンチンは塩の形態であってもよい。
塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、又はパラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩;アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸塩が挙げられる。
フコキサンチンを含有する牡蠣とは、体内にフコキサンチンを含有する牡蠣を意味する。フコキサンチンを含有する牡蠣における、フコキサンチン含量は特には限定されないが、牡蠣の重量に対するフコキサンチンの重量として、通常は5ppm以上、好ましくは10ppm以上、より好ましくは15ppm以上、更に好ましくは20ppm以上である。上限は特に限定されないが、通常150ppm以下である。フコキサンチンを含有する牡蠣としては、フコキサンチンを20〜150ppm含む牡蠣であることが更に好ましい。牡蠣のフコキサンチンの含有量は、実施例の分析法の項目(1)の条件に従って測定することができる。
フコキサンチンを含有する牡蠣を作出する方法は特には限定されないが、例えば、牡蠣にフコキサンチンを含む飼料を摂取させる方法、遺伝子組み換え技術などによりフコキサンチン産生に関与する酵素遺伝子を導入する方法などが挙げられるが、牡蠣にフコキサンチンを含む飼料を摂取させる方法が好ましい。フコキサンチンを含む飼料は例えば、フコキサンチンを含む天然飼料(微細藻類、植物プランクトンなど)であってもよいし、フコキサンチンを配合した人工飼料であってもよいが、天然飼料であることが好ましく、フコキサンチンを含む微細藻類であることが好ましい。フコキサンチンを含む微細藻類(植物プランクトン、microalgae)としては、フコキサンチンを含む珪藻類が好ましく、例えば、キートセラス(例えばキートセラス・カルシトランス(Chaetoceros calcitrans)、キートセラス・グラシリス(Chaetoceros gracilis))、フィスチュリフェラ(例えば、フィスチュリフェラ サプロフィラ(Fistulifera saprophila)、フィスチュリフェラ ペリキュロサ(Fistulifera pelliculosa)などが挙げられる。藻類の中では海水に住むものが好ましい。フコキサンチンを含む飼料の投与条件については適宜調整することができる。例えば、フコキサンチンを含む飼料を、1週間以上投与する。そして、通常の飼料にて飼育後、必要に応じて一定期間絶食させ、フコキサンチンを含む飼料を、1週間以上投与することが好ましい。給餌量、給餌以外の牡蠣の飼育条件についても特に制限はなく、適宜水温、pH等を調整することができる。例えば給餌量は限定されないが、牡蠣が摂食する量以上の量を給餌することが好ましい。また、水温は通常15〜30℃の範囲で調整され得る。さらに、水のpHは通常、7.5〜8.5の範囲で調整され得る。水中には空気を通気することが好ましく、流水させることが好ましい。
牡蠣からの抽出を行う際には、下記をそのまま用いてもよいし、いったん冷凍した状態の牡蠣を解凍して用いてもよい。また、必要に応じて細分して用いてもよく、細分してから抽出することが好ましい。
工程(A)においては抽出溶媒としてエタノールと水とを含む溶媒を用いる。この溶媒において、エタノール/水の量比は55/45〜100/0である。この範囲であることによりフコキサンチンを効率よく抽出することができる。
抽出時の温度は、フコキサンチンの分解を防ぐ観点から、50℃未満であり、45℃以下であることが好ましい。抽出温度の下限は、抽出率を保持できる観点から、20℃以上であることが好ましい。温度は、抽出溶媒の添加時の温度を調整すればよい。
溶媒の量は特に限定されず、牡蠣が浸る程度の量を適宜選択できるが、抽出率を向上させる観点からは、牡蠣100質量部に対する溶媒の量が100質量部以上、好ましくは200質量部以上であることが好ましい。また、上限は特に限定されないが、抽出効率を保持する観点から、牡蠣100質量部に対する溶媒の量が1000質量部以下であることが好ましく、800質量部以下であることがより好ましい。中でも、牡蠣100質量部に対する溶媒の量が100〜1000質量部であることが好ましく、200〜800質量部であることがより好ましい。
抽出時間は特に限定されないが、通常は15分以上、好ましくは30分以上である。上限は通常240分以下、好ましくは120以下である。抽出時には必要に応じて撹拌を行ってもよい。
工程(B)においては、工程(A)で得られる抽出物を固液分離し、抽出残渣と抽出液を得る。固液分離はろ過、圧搾、静置、遠心分離などにより行うことができ、ろ過または遠心分離により行うことが好ましい。
抽出液はそのまま牡蠣エキスとして用いてもよく、またはそのまま以下説明する工程(C)に供してもよいが、その前に必要に応じて濃縮、乾燥、粉砕などを行ってもよい。
濃縮は、濃縮後の濃縮物の固形分が好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上となるように行うことができる。濃縮の方法は特に限定されないが、例えば減圧留去、加熱蒸発(たとえば、常圧下で)、膜分離などにより行うことができ、より低い温度で濃縮できることから、減圧により行うことが好ましい。濃縮装置としては、例えば、減圧撹拌槽、フラッシュ蒸発機、薄膜蒸発機、蒸発缶などが挙げられるが、いずれの装置を用いてもよい。
濃縮の際の温度条件は、フコキサンチンの分解を十分に防ぎフコキサンチンの残存率を保持できる観点から、60℃以下であることが好ましい。下限は特に限定されないが、通常は室温以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上に設定することができる。
抽出液をそのまま牡蠣エキスとして用いる場合には、濃縮後に、通常は乾燥処理を行う。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、窒素ブローによる乾燥等、いずれの方法であってもよい。
本発明の製造方法においては、さらに以下の工程(C)、(D)および(E)を行うことが好ましい:
工程(C):工程(B)で得られる抽出残渣を、温水で抽出し、抽出物を得る工程;
工程(D):工程(C)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程;および
工程(E):工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液を混合して混合物を得る工程。
工程(C):工程(B)で得られる抽出残渣を、温水で抽出し、抽出物を得る工程;
工程(D):工程(C)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程;および
工程(E):工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液を混合して混合物を得る工程。
工程(C)においては、工程(B)で得られる抽出残渣を、温水(50〜90℃)で抽出し、抽出物を得る。
工程(C)においては抽出溶媒として、温水を用いる。温水は50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが更に好ましい。上限は90℃以下であることが好ましく、85℃以下であることがより好ましく、80℃以下であることがより好ましい。温水は50〜90℃であることが好ましい。
温水の量は特に限定されず、牡蠣が浸る程度の量を適宜選択できるが、抽出率を向上させる観点からは、牡蠣100質量部に対し温水の量が50質量部以上、好ましくは100質量部以上であることが好ましい。また、上限は特に限定されないが、抽出効率を保持する観点から、牡蠣100質量部に対し1000質量部以下であることが好ましく、500質量部以下であることがより好ましい。溶媒の量は、牡蠣100質量部に対し50〜1000質量部であることが好ましく、100〜500質量部であることがより好ましい。
抽出時間は特に限定されないが、通常は30分以上、好ましくは60分以上である。上限は通常300分以下、好ましくは120分以下である。抽出時には必要に応じて撹拌を行ってもよい。
工程(D)においては、工程(C)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る。固液分離はろ過、圧搾、静置、遠心分離などにより行うことができ、ろ過または遠心分離により行うことが好ましい。
抽出液はそのまま、以下説明する工程(E)に供してもよいが、その前に必要に応じて濃縮、乾燥、粉砕などを行ってもよい。
濃縮は、濃縮後の濃縮物の固形分が好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上となるように行うことができる。濃縮の方法は特に限定されないが、例えば減圧留去、加熱蒸発(たとえば、常圧下で)、膜分離などにより行うことができ、より低い温度で濃縮できることから、減圧により行うことが好ましい。濃縮装置としては、例えば、減圧撹拌槽、フラッシュ蒸発機、薄膜蒸発機、蒸発缶などが挙げられるが、いずれの装置を用いてもよい。
濃縮の際の温度条件は、フコキサンチンの分解を十分に防ぎフコキサンチンの残存率を保持できる観点から、60℃以下であることが好ましい。下限は特に限定されないが、通常は室温以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上に設定することができる。
本発明の方法においては、工程(B)の後に、工程(C)及び(D)とは別に、工程(F)および(G)の組み合わせを行ってもよい。
工程(F):工程(B)で得られる抽出残渣を、エタノールと水とを含む溶媒を用いて抽出し、抽出物を得る工程
工程(G):工程(F)で得られる抽出物を固液分離し、抽出残渣と抽出液を得る工程
工程(F):工程(B)で得られる抽出残渣を、エタノールと水とを含む溶媒を用いて抽出し、抽出物を得る工程
工程(G):工程(F)で得られる抽出物を固液分離し、抽出残渣と抽出液を得る工程
工程(F)においては、エタノールと水とを含む溶媒を用いる。この溶媒はエタノールと水とを含めばよく、それ以外の条件は特に限定されないが、工程(A)で用いる溶媒、すなわち、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒であることが好ましい。エタノール/水の量比の好ましい範囲、抽出時間については、工程(A)に関して説明したのと同様である。工程(F)は工程(A)の条件に準じて行ってもよいし、一部または全部において異なる条件を採用して行ってもよい。
工程(G)における固液分離の条件は、工程(B)および工程(D)にて説明したのと同様の条件に準じて行えばよい。工程(G)における固液分離条件は、それぞれ工程(G)で得られる抽出液について必要に応じて濃縮を行ってもよいこと、及び該濃縮の好ましい条件については、工程(B)および工程(D)にて説明したのと同様である。
工程(E)においては、工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液を混合して混合物を得る。工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液の混合比率は特に限定されず、工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液をそのまま(すなわち各工程で得られる抽出液を計量せずにそのまま)混合し得る。好ましくは工程(B)で得られる抽出液/工程(D)で得られる抽出液=20/1〜1/1であり、10/1〜3/2であることがより好ましい。
工程(F)および工程(G)を行う場合には、工程(E)においては、工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液と工程(G)で得られる抽出液とを混合して混合物を得る。工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液と工程(G)で得られる抽出液の混合比率は特に限定されず、工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液と工程(G)で得られる抽出液とをそのまま(すなわち各工程で得られる抽出液を計量せずにそのまま)混合し得る。好ましくは工程(G)で得られる抽出液/工程(D)で得られる抽出液=20/1〜1/1であり、10/1〜3/2であることがより好ましい。
工程(E)においては、工程(B)で得られる抽出液および工程(D)で得られる抽出液を、並びに、工程(F)および工程(G)を行う場合には、これらのほかにさらに工程(G)で得られる抽出液を混合するが、それぞれの抽出液の濃縮および/または乾燥後の処理物どうしを混合してもよい。すなわち、工程(B)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と、工程(D)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と、を混合してもよい。または、工程(B)で得られる抽出液と工程(G)で得られる抽出液の混合液、その濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに濃縮および乾燥後の処理物と、工程(D)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と、を混合してもよい。
工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液とを混合する場合には、混合物をそのまま牡蠣エキスとしてもよいが、さらに濃縮および/または乾燥を行うことが好ましい。
濃縮は、濃縮後の濃縮物の固形分が好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上となるように行うことができる。濃縮の方法は特に限定されないが、例えば減圧留去、加熱(たとえば、常圧下で)、膜分離などにより行うことができ、減圧により行うことが好ましく、減圧により行うことがより好ましい。濃縮装置としては、例えば、減圧撹拌槽、フラッシュ蒸発機、薄膜蒸発機、蒸発缶などが挙げられるが、いずれの装置を用いてもよい。
濃縮の際の温度条件は、フコキサンチンの分解を十分に防ぎフコキサンチンの残存率を保持できる観点から、60℃以下であることが好ましい。下限は特に限定されないが、通常は室温以上、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上に設定することができる。
乾燥の方法は特に限定されず、例えば、ドラム乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、窒素ブローによる乾燥等、いずれの方法であってもよい。
本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスは、そのままの形態で、または、必要に応じて牡蠣エキス以外の成分(薬理学的に許容される基剤)と共に、最終製品(例えば、飲食品、医薬部外品など)として用いることができる。また、飲食品用の添加剤、医薬部外品用の添加剤として用いることができる。薬理学的に許容される基剤は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されない。例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、着色剤、発色剤、矯味剤、着香剤、酸化防止剤、防腐剤、呈味剤、酸味剤、甘味剤、強化剤、ビタミン剤、膨張剤、増粘剤、界面活性剤などの中から、製剤に必要な諸特性(例えば、製剤安定性)を損なわないものであって、最終製品(例えば、医薬部外品、飲食品)の剤形に応じたものを1種または2種以上選択することができる。また、他の製造方法により得られる牡蠣エキスを併用してもよい。
本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスの投与形態は特に限定されない。例えば、経口投与(例えば、口腔内投与、舌下投与など)、非経口投与(静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与など)などが挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない投与形態が好ましく、経口投与であることがより好ましい。
本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスの剤形は、飲食品および医薬部外品のいずれとするかによって適宜決定することができ、特に限定されない。経口投与される際の剤形の例としては、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、錠剤(錠剤)、カプセル状(カプセル剤)、粉末状(顆粒、細粒)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、固形状、半液体状、クリーム状、ペースト状が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスの摂取対象者は特に限定されないが、例えば、疲労を感じている対象者、体力の衰えを感じている対象者、肥満であることを気にしている対象者、その他、牡蠣エキスに含まれるフコキサンチン、タウリン、グリコーゲン、亜鉛などによる効能を期待する対象者に適している。また、特段の不安などがない対象者であっても、健康の保持増進などを目的として日常的に摂取することができる。なお、フコキサンチンには抗酸化作用、抗肥満(脂肪細胞減少効果)、抗糖尿、血管新生作用があることが知られているので(国際公開第2006/126325号など、日本水産学会誌、74(2),261−262(2008)など)。従来の牡蠣エキスにはフコキサンチンが含まれていないのでこれらの効果は期待できなかったが、本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスにはこれらの効果が期待できるため、付加価値が高い飲食品として有用である。
本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスは、各種飲食品として利用することができる。例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料など)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベットなど)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、チーズ、マーガリン、発酵乳など)、スープ(粉末状スープ、液状スープなど)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアルなど)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆなど)が挙げられる。更に、本発明の製造方法により得られる牡蠣エキスは、健康食品、機能性食品、栄養補助食品(サプリメント)、特定保健用食品、医療用食品、病者用食品、乳児用食品、介護用食品、高齢者用食品等の飲食品として利用することもでき、健康食品、機能性食品として利用することが好ましい。
調製例1
1週間絶食させた牡蠣(マガキ)成体に珪藻(キートセラス・カルシトランス)を1週間餌料として投与した。1週間後にサンプリングを行い、重量を測定した後、開殻してむき身とした。むき身は冷凍して保存した。
1週間絶食させた牡蠣(マガキ)成体に珪藻(キートセラス・カルシトランス)を1週間餌料として投与した。1週間後にサンプリングを行い、重量を測定した後、開殻してむき身とした。むき身は冷凍して保存した。
実施例1
・エタノール抽出→濃縮→乾燥
解凍した生牡蠣100gにエタノール720gを加えて、攪拌しながら45℃、30分保持した。その後、抽出液をろ過して、抽出液と牡蠣残さを分離した。抽出液を50℃減圧下、固形分20〜30%まで濃縮した。濃縮液を減圧乾固させ、牡蠣エキスを得た。
・エタノール抽出→濃縮→乾燥
解凍した生牡蠣100gにエタノール720gを加えて、攪拌しながら45℃、30分保持した。その後、抽出液をろ過して、抽出液と牡蠣残さを分離した。抽出液を50℃減圧下、固形分20〜30%まで濃縮した。濃縮液を減圧乾固させ、牡蠣エキスを得た。
実施例2
・(エタノール抽出+温水抽出)→濃縮→混合→乾燥
解凍した生牡蠣100gにエタノール600gを加えて、攪拌しながら40℃、30分保持した。得られる抽出物をろ過して、抽出液A1と牡蠣残さB1を分離した。
・(エタノール抽出+温水抽出)→濃縮→混合→乾燥
解凍した生牡蠣100gにエタノール600gを加えて、攪拌しながら40℃、30分保持した。得られる抽出物をろ過して、抽出液A1と牡蠣残さB1を分離した。
次に、牡蠣残渣B 80gに水200gを加えて、80℃、60分加熱した。得られる抽出物をろ過して、抽出液C1と牡蠣残さD1を分離した。
抽出液A1と抽出液C1を混合し、40℃減圧下で固形分約30%まで濃縮して濃縮液E1 32gを得た。その後、減圧乾固させ、牡蠣エキスを得た。
実施例3および4
使用する溶媒の量、溶媒におけるエタノール/水比率、および抽出温度を、それぞれ表1に示す条件とした以外は、実施例2と同様の方法で実施した。
使用する溶媒の量、溶媒におけるエタノール/水比率、および抽出温度を、それぞれ表1に示す条件とした以外は、実施例2と同様の方法で実施した。
比較例1
・(エタノール抽出+温水抽出)→濃縮→混合→乾燥
解凍した生牡蠣100gに水200gを加えて、80℃で60分煮込んだ。抽出物をろ過して、抽出液C2と抽出残渣D2を分離した。
・(エタノール抽出+温水抽出)→濃縮→混合→乾燥
解凍した生牡蠣100gに水200gを加えて、80℃で60分煮込んだ。抽出物をろ過して、抽出液C2と抽出残渣D2を分離した。
抽出残渣D2にエタノール400gを加えて、40℃、30分攪拌した。得られた抽出物をろ過して、抽出液A2と牡蠣残さB2を分離した。抽出液A2と抽出液C1を40℃減圧下で固形分約30%まで濃縮し、濃縮液E2を得た。濃縮液E2を減圧乾固させ、牡蠣エキスを得た。
比較例2および3
使用する溶媒(量、エタノール/水比率)および抽出温度を表1に示す条件に変化させた以外は、実施例2と同様の方法で実施した。
使用する溶媒(量、エタノール/水比率)および抽出温度を表1に示す条件に変化させた以外は、実施例2と同様の方法で実施した。
(分析法)
(1)フコキサンチン(FX)の分析法
生牡蠣に含まれるフコキサンチン重量は下記のようにして測定した。むき身を凍結乾燥後、ミキサーで粉砕した。粉末状の牡蠣にアセトン100mlを添加後、3時間撹拌し、ろ過して得られた抽出液を乾固させた。乾燥物をメタノール(MeOH)で全量を溶解させてFX濃度50〜100ppmになるように調整し、HPLC−UV法により測定した。
(1)フコキサンチン(FX)の分析法
生牡蠣に含まれるフコキサンチン重量は下記のようにして測定した。むき身を凍結乾燥後、ミキサーで粉砕した。粉末状の牡蠣にアセトン100mlを添加後、3時間撹拌し、ろ過して得られた抽出液を乾固させた。乾燥物をメタノール(MeOH)で全量を溶解させてFX濃度50〜100ppmになるように調整し、HPLC−UV法により測定した。
抽出されたフコキサンチン重量は、牡蠣エキスにHPLC−UV法を適用して測定した。
〔HPLC−UV測定条件〕
分離カラム:Inertsil ODS−3(5μm,4.6mmI.D.×150mm)
移動相:メタノール/水=85/15
流速:1.0mL/分
オーブン温度:60℃
注入量:10μL
検出:440nm(UV)
分離カラム:Inertsil ODS−3(5μm,4.6mmI.D.×150mm)
移動相:メタノール/水=85/15
流速:1.0mL/分
オーブン温度:60℃
注入量:10μL
検出:440nm(UV)
(2)グリコーゲンの分析法
生牡蠣に含まれるグリコーゲン重量および抽出されたグリコーゲン重量は、それぞれ、生牡蠣および牡蠣エキスにフェノール硫酸法を適用して測定した。
生牡蠣に含まれるグリコーゲン重量および抽出されたグリコーゲン重量は、それぞれ、生牡蠣および牡蠣エキスにフェノール硫酸法を適用して測定した。
すなわち、抽出されたグリコーゲン重量は以下のようにして測定した。牡蠣エキスの一部(牡蠣1個分に相当する液量)を乾固させ、水20mLで希釈して、希釈液Aを調整した。希釈液Aをさらに1%に水で希釈した。50mlビーカーに先ほど希釈した1%液とフェノール溶液を各々1mlを加えて、振り混ぜた。そこに硫酸5mlを一定時間で加えて、10秒間激しく攪拌させた。室温で30分間静置させ、分光光度計で490nmの吸光度を分析した。同様にしてグルコース10、50、100、200ppmの水溶液を調製したものを上記のように反応させ、検量線を作成した。
一方、生牡蠣に含まれるグリコーゲン重量の測定は、以下のようにして測定した。牡蠣むき身1個をラボミルサーでミンチ状にした。10%トリクロロ酢酸水溶液200mlを加え、1時間攪拌後、一夜放置した。その後ろ過を行い、5%トリクロロ酢酸50mlで2回で洗浄した。ろ液に水を加えて正確に500mlにし、この溶液を希釈液Bとした。上記抽出されたグリコーゲン重量の測定において、希釈液Aの代わりに希釈液Bを用いたほかは同様に、グリコーゲン重量の測定を行った。
(3)タウリンの分析法
生牡蠣に含まれるタウリン重量および抽出されたタウリン重量は、それぞれ、生牡蠣および牡蠣エキスにHPLCプレカラム法を適用して測定した。
生牡蠣に含まれるタウリン重量および抽出されたタウリン重量は、それぞれ、生牡蠣および牡蠣エキスにHPLCプレカラム法を適用して測定した。
抽出されたタウリン重量は以下のようにして測定した。上記項目(2)で説明した希釈液Aを、さらに20%に水で希釈した。希釈液0.15g、緩衝溶液(炭酸Na、炭酸水素Na)600μLを混ぜ、DabsCl−アセトン液600μLを加えた。その後70℃で12分間加熱した。室温冷却後、ろ過して分析サンプルとした。HPLCの測定条件は以下の通りとした。
一方、生牡蠣に含まれるタウリン重量の測定は、以下のようにして測定した。牡蠣むき身1個をラボミルサーでミンチ状にした。水溶液40mlを加え、1時間攪拌後ろ過を行い、ろ液にスルホサリチル酸2水和物4gを加えて再度1時間攪拌した。ついで6000rpmで5分間遠心し、上澄み液を分取し、分取された溶液を溶液Cとした。抽出されたタウリン重量の測定において、希釈液Aの代わりに溶液Cを用いたほかは同様に、タウリン重量の測定を行った。
〔HPLC条件〕
・カラム:ODS−3(GLサイエンス)
・展開溶媒:(A)35mmol/L酢酸Na (B)アセトニトリル
(A)/(B)=85/15(0分)→75/25(15分)→
30/70(45分)→85/15(50分)Gradient
・検出器:UV
・測定波長:465nm
・流量:1.0mL/分.
・カラムオーブン:40℃
・注入量:5μL
・カラム:ODS−3(GLサイエンス)
・展開溶媒:(A)35mmol/L酢酸Na (B)アセトニトリル
(A)/(B)=85/15(0分)→75/25(15分)→
30/70(45分)→85/15(50分)Gradient
・検出器:UV
・測定波長:465nm
・流量:1.0mL/分.
・カラムオーブン:40℃
・注入量:5μL
(定義)
・フコキサンチン回収率(%)=
(抽出されたフコキサンチン重量)/(生牡蠣に含まれるフコキサンチン重量)×100
・フコキサンチン回収率(%)=
(抽出されたフコキサンチン重量)/(生牡蠣に含まれるフコキサンチン重量)×100
・タウリン回収率(%)=
(抽出されたタウリン重量)/(生牡蠣に含まれるタウリン重量)×100
(抽出されたタウリン重量)/(生牡蠣に含まれるタウリン重量)×100
・グリコーゲン回収率(%)=
(抽出されたタウリン重量)/(生牡蠣に含まれるタウリン重量)×100
(抽出されたタウリン重量)/(生牡蠣に含まれるタウリン重量)×100
各成分の回収率を表3の評価基準に従って評価した。更に、各評価を表4の評価基準に従って点数化し、それらの合計点数を算出して、表5の評価基準に従って総合評価を行った。各実施例の結果を表1および表2に示す。
表1および2より明らかな通り、比較例1〜3と比較して実施例1〜4においては各成分が高効率でバランスよく回収され、中でもフコキサンチン回収率は高い数値であった。
これらの結果は、本発明の製造方法により、フコキサンチンを蓄積した牡蠣から、フコキサンチンを、牡蠣特有のタウリン、グリコーゲンなどの有効成分と共に効率的、且つ、簡便に抽出できることを示している。
Claims (9)
- 工程(A)および(B)を含む牡蠣エキスの製造方法:
工程(A):フコキサンチンを含有する牡蠣から、エタノールと水とをエタノール/水の量比で55/45〜100/0含む溶媒を用いて、50℃未満にて抽出し抽出物を得る工程;および
工程(B):工程(A)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程。 - 工程(A)における溶媒の量が、牡蠣100質量部に対し100質量部以上である請求項1に記載の製造方法。
- 工程(B)において、抽出液の濃縮および/または乾燥を行う、請求項1または2に記載の製造方法。
- 工程(C)、(D)および(E)を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法:
工程(C):工程(B)で得られる抽出残渣を温水で抽出し、抽出物を得る工程;
工程(D):工程(C)で得られる抽出物を固液分離して抽出残渣と抽出液を得る工程;および
工程(E):工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液を混合して混合物を得る工程。 - 工程(C)における温水は、50℃以上の温水である、請求項4に記載の製造方法。
- 工程(C)における温水の量が、牡蠣100質量部に対し50質量部以上である、請求項4または5に記載の製造方法。
- 工程(E)において、
工程(B)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と、
工程(D)で得られる、抽出液、濃縮後の処理物、乾燥後の処理物、ならびに、濃縮および乾燥後の処理物と
を混合して、混合物を得る、請求項3〜6のいずれか一項に記載の製造方法。 - 工程(E)において、
工程(B)で得られる抽出液と工程(D)で得られる抽出液とを混合後に濃縮および/または乾燥を行う、請求項3〜7のいずれか一項に記載の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法で得られる牡蠣エキスを含有する飲食品。
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KR101552472B1 (ko) * | 2013-12-27 | 2015-09-11 | 대구가톨릭대학교산학협력단 | 항산화 및 미백 활성이 증진된 굴 추출물의 제조방법 |
CN115363151A (zh) * | 2021-05-18 | 2022-11-22 | 海蒂柔化妆品科技(青岛)有限公司 | 牡蛎糖原运动健身饮料 |
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2012
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