JP2013191373A - 透明導電性コーティング組成物、透明導電性シート及びその製造方法 - Google Patents

透明導電性コーティング組成物、透明導電性シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を形成可能な透明導電性コーティング組成物を提供する。
【解決手段】本発明の透明導電性コーティング組成物は、導電性高分子と、ポリエチレングリコールと、アルコキシシランと、を含む。上記アルコキシシランは、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコキシシランを含む。上記導電性高分子は、ポリチオフェン系化合物とドーパントとを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電性コーティング組成物、透明導電性シート及びその製造方法に関する。
近年、チオフェン系やアニリン系の高分子は、優れた安定性及び導電性を有することから、有機導電性材料としてその活用が期待されている。このような高分子にドーパントを付加した導電性高分子を有機溶媒に分散させた有機溶媒分散液は、一般的な水性コロイド分散液や、有機溶媒の分散液として使用されている。しかし、上記導電性高分子をコーティング組成物として使用し、このコーティング組成物を用いて基材上に薄膜を形成した場合、薄膜の硬さや薄膜の基材への密着性が十分ではない。特に、基材が透明のプラスチック基板である場合、基材の透明性を損なわずに、十分な硬さの薄膜を形成することは難しい。このような問題に対して、例えば、特許文献1では、薄膜の硬度や薄膜の基材への密着性を向上できるバインダが提案されている。
特開2007−324143号公報
特許文献1では、バインダとしてポリビニルアルコール(PVA)などの樹脂を用いることで、薄膜の硬度、基材への密着性を改善できることが記載されている。しかし、得られた薄膜の透明性、導電性、及び強度は十分ではなく、未だ改良の余地がある。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであり、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を形成可能な透明導電性コーティング組成物を提供する。さらに、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を有する透明導電性シート及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の透明導電性コーティング組成物は、導電性高分子と、ポリエチレングリコールと、アルコキシシランと、を含むことを特徴とする。
本発明の透明導電性シートは、透明な基材と、上記基材の少なくとも一方の主面に、上記本発明の透明導電性コーティング組成物が塗布されることにより形成された透明導電性薄膜と、を有することを特徴とする。
本発明の透明導電性シートの製造方法は、透明な基材の少なくとも一方の主面に、上記本発明の透明導電性コーティング組成物を塗布する工程と、上記透明導電性コーティング組成物を加熱することにより、透明導電性薄膜を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の透明導電性コーティング組成物によれば、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を形成可能である。
また、本発明の透明導電性シートによれば、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を有する透明導電性シートを提供可能である。
また、本発明の透明導電性シートの製造方法によれば、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を有する透明導電性シートを製造可能である。
(透明導電性コーティング組成物)
本発明の透明導電性コーティング組成物は、導電性高分子と、ポリエチレングリコール(以下、PEGという。)と、アルコキシシランと、を含むものである。これにより、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を形成できる。
<導電性高分子>
導電性高分子とは、Conductive Polymers(CPs)と呼ばれる高分子であり、ドーパントによるドーピングによって、ポリラジカルカチオニック塩またはポリラジカルアニオニック塩が形成された状態で、それ自体が導電性を発揮し得る高分子をいう。
本発明では、上記導電性高分子として、ポリチオフェン系化合物とドーパントとを含むものを用いる。本発明における導電性高分子としては、ポリチオフェン系化合物としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)と、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸とを含む混合物(PEDOT/PSSともいう。)を用いることができる。
<ポリエチレングリコール>
本発明の透明導電性コーティング組成物を構成するPEGは、バインダとしての役割を果たすものである。PEGは水溶性で極めて良好な親和性を有するため、本発明の透明導電性コーティング組成物を用いて形成される透明導電性薄膜中に分子的レベルで分散されることになる。そのため、PEGの添加量が少量であっても大きな効果を発揮することが可能である。また、PEG自身、極めて透明性が高いため、上記透明導電性薄膜の透明性を損なうことがない。さらに、上記透明導電性薄膜中にPEGが存在することで、基体との密着性を向上できる。
上記PEGは、分子量の増大とともに水溶性は低下するため、分子量の上限は1×107が好ましく、より好ましくは1×106である。一方、分子量が小さくなると水溶性はより一層高くなるが、あまりに小さいと、透明導電性薄膜の硬度が低下する傾向にあるため、分子量の下限は1×103が好ましい。
上記PEGの含有量は、導電性高分子に対して、30〜95重量%、好ましくは50〜85重量%であることが好ましい。PEGの含有量が少なすぎると、透明導電性薄膜の基材への密着性が低下し、また透明導電性薄膜に亀裂が発生しやすい傾向にある。PEGの含有量が多すぎると電気特性が悪化する傾向にある。
上記導電性高分子と上記PEGとの重量比は、5:95〜30:70であることが好ましい。
<アルコキシシラン>
本発明の透明導電性コーティング組成物を構成するアルコキシシランは、3〜4個のアルコキシ基がケイ素に結合した化合物であって、水に溶解させると、重合して−OSiO−で繋がれた高分子量SiO2体になるものである。
上記アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコキシシランを含むものであることが好ましい。
上記テトラアルコキシシランの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラiso−プロポキシシラン、テトラt−ブトキシシランなどの炭素数1〜4のアルコキシ基でテトラ置換されたシランが挙げられる。
上記トリアルコキシシランの例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリiso−プロポキシシラン、トリL−ブトキシシランなどの炭素数1〜4のアルコキシ基でトリ置換されたシランが挙げられる。
上記ジアルコキシシランの例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。
上記アルコキシオリゴマーの例としては、アルコキシオリゴマーは有機基とアルコキシシリル基を併せ持つ比較的低分子のレジンである。具体例としては、信越化学社製の“X−40−2308”、“X−40−9238”、“X−40−9247”、“KR−401N”、“KR−510”、“KR−9218”などが挙げられる。
上記アルコキシシランの具体例のうち、より高い硬度の透明導電性薄膜を形成するためには、テトラアルコキシランが好ましく、より安定した状態で再現性良く、良質の膜を形成するためには、テトラアルコキシシラン及びトリアルコキシシランを併用することが好ましい。
上記アルコキシシランとして、テトラアルコキシシランとトリアルコキシシランとを併用する場合は、テトラアルコキシシランとトリアルコキシシランとのモル比は9:1〜5:5であることが好ましく、より好ましくは8:2〜6:4である。このモル比関係が好ましい理由は、透明導電性薄膜の硬度の低下を防止しつつ、経時変化によって透明導電性薄膜に亀裂が発生する危険性をより一層なくし、かつ基板との密着性をより高めることができるからである。上記テトラアルコキシシランは、高い膜硬度の発現に作用し、上記トリアルコキシシランは、膜の亀裂発生防止、基板との密着性に作用すると考えられる。
上記アルコキシシランの含有量は、導電性高分子とPEGとの総量に対して60〜95重量%、好ましくは80〜90重量%あることが好ましい。アルコキシシランの含有量が少なすぎると、透明導電性薄膜に十分な硬度が得られにくい傾向にある。アルコキシシランの含有量が多すぎると生成した二酸化ケイ素が凝集することにより膜が白濁化し、光学特性が悪化する傾向にある。
<その他>
本発明の透明導電性コーティング組成物には、上記以外に、アルコール(エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなど)と水との混合溶媒が添加される。アルコールと水との混合溶媒の添加により、上記アルコキシシランは若干加水分解するが実質的にはゲルまで進行せずにヒドロゾル液が得られる。水の含有量は、アルコキシシラン1モルに対して1〜4.5モルが好ましく、より好ましくは2〜4モルであり、アルコールの含有量は、アルコキシシラン1モルに対して、5〜40モルが好ましく、より好ましくは10〜30モルである。ここで水の含有量が上記数値範囲内であると好ましいのは、次のような理由による。水は、加水分解反応の反応速度に作用するだけでなく、透明導電性薄膜の品質にも影響を及ぼす。つまり、水の含有量が多すぎると、基材との密着性が低下する傾向にあり、均一な膜厚の透明導電性薄膜が得られなくなる場合がある。逆に水の含有量が少なすぎると、加水分解反応の反応速度が遅くなったり、未反応物が残りやすくなったりするなど、十分な硬度の透明導電性薄膜を得られなくなる場合がある。一方、アルコールは、直接上記加水分解反応に関わるのものではないため、アルコールの含有量はそれほど厳しく制限されるものではないが、アルコールの含有量が多すぎると上記加水分解反応の反応速度が遅くなったり、透明導電性薄膜の厚みが薄くなったりするなどの問題が生じるため、適宜調整する必要がある。
また、本発明の透明導電性コーティング組成物には、一般に使用される酸触媒(塩酸、硫酸、酢酸など)をさらに添加することができる。この場合、より安定した性能で高品質の透明導電性薄膜を再現性よく形成可能となる。酸触媒の量は、アルコキシシラン1モルに対して0.01モル程度である。
本発明の透明導電性コーティング組成物の調製方法は、特に限定されず、公知の手法により適宜混合すればよい。
(透明導電性シート)
本発明の透明導電性シートは、透明な基材と、その基材の少なくとも一方の主面に上記本発明の透明導電性コーティング組成物を用いて形成された透明導電性薄膜とを有する。これにより、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を有する透明導電性シートを提供可能である。
上記基材としては、例えば、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、セラミックス、紙など種々のものが使用できる。
本発明の透明導電性薄膜の表面抵抗率は、500Ω/スクエア以下であることが好ましい。表面抵抗率が小さいほど良好な電気特性を示す。上記表面抵抗率は、表面抵抗率測定装置、例えば、ダイアインスツルメンツ社製の“ロレスタEP”により測定可能である。
上記透明導電性薄膜の波長範囲380〜780nmにおける全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、より好ましくは88%以上である。全光線透過率が高いほど良好な光学特性を示す。上記全光線透過率は、紫外可視近赤外線分光光度計、例えば、日本分光社製の“V−570”により測定可能である。
上記透明導電性薄膜の表面硬度は、日本工業規格(JIS)K5400に規定された鉛筆硬度の測定方法により求められ、H以上であることが好ましく、より好ましくは2H以上である。鉛筆硬度が高いほど良好な硬度を示す。
本発明の透明導電性薄膜の膜厚は、用途に応じて適宜設定されるものであるが、通常、0.01〜10μm程度である。膜厚が薄すぎても厚すぎても、均一な透明導電性薄膜を形成することが困難となる。透明導電性コーティング組成物中に含まれる導電性高分子の割合にもよるが、膜厚が薄いと、表面抵抗率が増加する傾向にあり、膜厚が厚すぎると、全光線透過率が低下する傾向にある。
(透明導電性シートの製造方法)
本発明の透明導電性シートの製造方法は、透明な基材の少なくとも一方の主面に上記本発明の透明導電性コーティング組成物を塗布する工程と、上記透明導電性コーティング組成物を加熱することにより、透明導電性膜を形成する工程とを含む。これにより、透明性、導電性、及び強度に優れた透明導電性薄膜を有する透明導電性シートを製造できる。
上記透明導電性コーティング組成物を塗布する方法とは、例えば、バーコート法、リバース法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法などの公知の塗布方法を用いることができる。
上記加熱は、透明導電性コーティング組成物中の溶媒成分が蒸発する条件であればよく、100〜150℃で30〜90分間行うことが好ましい。溶媒が透明導電膜に残っていると強度が劣る傾向にある。加熱方法は例えば、熱風乾燥などがある。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に述べる。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。特に指摘がない場合、下記において、「部」は「重量部」を意味する。
(実施例1)
まず、以下の組成物を添加、混合してヒドロゾル液を調製した。
(1)テトラエトキシシラン(信越化学社製、商品名“KBE−04”) 10.0部
(2)エタノール 4.2部
(3)蒸留水 1.3部
(4)硝酸水溶液(濃度:1重量%) 4.5部
次に、以下の組成物を添加、混合して、透明導電性コーティング組成物を得た。
(5)PEDOT−PSS(ヘレウス社製、商品名“PH−1000”、固形分濃度:1.5%) 20.0部
(6)PEG(平均分子量:3000、濃度:1重量%)水溶液 18.0部
(7)エチレングリコール 8.57部
(8)ヒドロゾル液 3.04部
次に、膜厚0.7mmの無アルカリガラス(全光線透過率:91.2%)を基板として用い、基板の一方の主面に上記透明導電性コーティング組成物をスピンコーティング法により回転速度1000rpm、30秒間塗布し、その後120℃で1時間加熱した。これにより、一方の主面に透明導電膜性薄膜が形成された、実施例1の透明導電性シートを作製した。なお、透明導電性薄膜の膜厚は、0.5μmであった。そして、得られた透明導電性シートについて、下記に示す各評価を行った。
<電気特性>
まず、透明導電性シートの電気特性について、ダイアインスツルメンツ社製の表面抵抗率測定装置“ロレスタEP”(MCP−360T型)とLSPプローブを用いて表面抵抗率を測定することにより評価した。評価結果は、表面抵抗率が500Ω/スクエア以下の場合、電気特性は良好と判断し、表面抵抗率が500Ω/スクエアより大きい場合、電気特性は良好ではないと判断することとした。実施例1の透明導電性シートの表面抵抗率は400Ω/スクエアであったことから、電気特性は良好であると判断された。
<光学特性>
次に、透明導電性シートの光学特性については、全光線透過率を用いて評価した。
透明導電性シートの全光線透過率は、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計"V−570"を用いて求めた。具体的には、積分球ILN−472を組み合わせ、ヘイズ値計算モードで、レスポンスがFast、バンド幅が2.0nm、近赤外バンド幅が8.0nm、走査速度が400nm/minの条件で波長範囲380〜780nmにおける光透過スペクトルを測定し、該光透過スペクトルの測定結果を用いて、C光源、視野2度の条件で全光線透過率を算出した。全光線透過率の値は高いほど光学特性に優れており、本実施例では、全光線透過率の値が88.0%より大きければ、光学特性に優れていると判断した。
実施例1の透明導電性シートは、全光線透過率は91.2%であったことから、光学特性に優れると判断された。
<表面硬度>
次に、透明導電性シートの表面硬度は、JIS K5400の規定に基づき鉛筆硬度を測定することにより評価した。実施例1の透明導電性シートは、鉛筆硬度は2Hであったことから、表面硬度が高く、強度が優れていると判断された。
(実施例2)
組成物成分(1)のテトラエトキシシランを、テトラエトキシシランとトリメチルメトキシシランとの混合物(重量比4:1)(信越化学社製、商品名“KBM−13”)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の透明導電性シートを作製した。なお、透明導電性薄膜の膜厚は、0.5μmであった。
そして、実施例2の透明導電性シートについて、上記実施例1と同様の各評価を行ったところ、表面抵抗率は450Ω/スクエア、全光線透過率は91.6%、鉛筆硬度は2Hであり、実施例2の透明導電性シートは、電気特性、光学特性、及び強度の全てが優れていた。
(比較例1)
組成物成分(1)テトラエトキシシランを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の透明導電性シートを作製した。なお、透明導電性薄膜の膜厚は、0.5μmであった。
そして、比較例1の透明導電性シートについて、上記実施例1と同様の各評価を行ったところ、表面抵抗率は450Ω/スクエア、全光線透過率は92.4%、鉛筆硬度はBよりも低かった。つまり、比較例1の透明導電性シートは、電気特性及び光学特性は良好であるが、強度が実施例1及び2よりも劣っていた。このことから、アルコキシシランは、塗膜の強度に影響を及ぼすものであることが分かる。
(比較例2)
組成物成分(6)のPEG(平均分子量:3000、濃度:1重量%)水溶液を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の透明導電性シートを作製した。この透明導電性シートの薄膜を目視で観察したところ、粗面化された白濁しており、十分な透明性が得られていないことは明らかであった。よって、本比較例2では、上記実施例1に記載の各評価は行わなかった。このことから、バインダは成膜性に関与するものであることが分かる。
(比較例3)
組成物成分(6)のPEG(平均分子量:3000、濃度:1重量%)水溶液を、ポリビニルアルコール(重合度:1700、ケン化度:87〜89%、濃度:1重量%)水溶液に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の透明導電性シートを作製した。なお、透明導電性薄膜の膜厚は、0.5μmであった。
そして、比較例3の透明導電性シートについて、上記実施例1と同様の各評価を行ったところ、表面抵抗率は450Ω/スクエア、全光線透過率は86.4%、鉛筆硬度は3Hであった。つまり、比較例3の透明導電性シートは、強度は優れているが、電気特性及び光学特性が実施例1及び2よりも劣っていた。このことから、PEGはアルコキシシランと併用することで、電気特性及び光学特性を改善できるものであることが分かる。
本発明は、透明電極材料、透明帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、電磁波吸収材、センサ、電解コンデンサ用電解質、二次電池用電極など種々の用途に用いることが可能な透明導電性シートを提供できる。

Claims (10)

  1. 導電性高分子と、ポリエチレングリコールと、アルコキシシランと、を含むことを特徴とする透明導電性コーティング組成物。
  2. 前記アルコキシシランは、テトラアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン及びアルコキシオリゴマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能アルコキシシランを含む請求項1に記載の透明導電性コーティング組成物。
  3. 前記導電性高分子は、ポリチオフェン系化合物とポリスチレンスルホン酸とを含む請求項1に記載の透明導電性コーティング組成物。
  4. 前記ポリエチレングリコールは、分子量1×103〜1×107である請求項1に記載の透明導電性コーティング組成物。
  5. 前記導電性高分子と前記ポリエチレングリコールとの重量比は、5:95〜30:70である請求項1に記載の透明導電性コーティング組成物。
  6. 前記アルコキシシランの含有量は、前記導電性高分子と前記ポリエチレングリコールとの総量に対して60〜95重量%である請求項1に記載の透明導電性コーティング組成物。
  7. 透明な基材と、前記基材の少なくとも一方の主面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電性コーティング組成物が塗布されることにより形成された透明導電性薄膜と、を含むことを特徴とする透明導電性シート。
  8. 前記基材は、プラスチック、ゴム、ガラス、金属、セラミックスまたは紙である請求項7に記載の透明導電性シート。
  9. 前記透明導電性薄膜の膜厚は、0.01〜10μmである請求項7に記載の透明導電性シート。
  10. 透明な基材の少なくとも一方の主面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明導電性コーティング組成物を塗布する工程と、
    前記透明導電性コーティング組成物を加熱することにより、透明導電性膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする透明導電性シートの製造方法。
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