JP2013190626A - 故障検出方法、故障検出装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体の長手方向で生じる偏摩耗を検知することができ、感光体の膜厚偏差による感光体の故障を高い精度で捉えることができる画像形成装置の提供。
【解決手段】感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障か否かを判定する故障状態判定手段と、を有する故障検出装置を備えた画像形成装置である。
【選択図】図1
【解決手段】感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障か否かを判定する故障状態判定手段と、を有する故障検出装置を備えた画像形成装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真方式による画像形成装置において、その感光体の該感光体長手方向における偏摩耗による故障を検知できる故障検出方法及び故障検出装置、並びに該故障検出装置を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成装置では、光導電性物質等の感光体上に静電荷による静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させ可視像を形成する。トナーにより形成された可視像は、最終的に紙等の記録材に転写された後、熱、圧力、溶剤気体等によって記録材に定着され、出力画像となる。このような画像形成装置では、一般に、作像を行うための一連の作像プロセスに関わる機器状態が、その使用状況によって徐々に変化する。そのため、一定の品質を持った画像を提供し続けるには、定期的に画像形成装置の機器状態をチェックし、そのチェック結果によっては部品交換や消耗品の補充を行うなどして、常に作像プロセスを正常に実行できるように維持するためメンテナンスを行う保守作業が必要となる。
前記画像形成装置の保守作業は、主に、定期的に実施される定期メンテナンスと、画像形成装置で何らかの故障や異常が発生した時のように不定期で実施される不定期メンテナンスとに大別できる。定期メンテナンスは、画像形成装置が使用不能な状態に至らないようにすることが目的であるため、各部品の予寿命に十分余裕を持った状態で部品の交換等を行う。よって、交換された部品の予寿命分は無駄となり、1台の画像形成装置を使い切るまでに要する交換部品の数は多くなりがちである。また、メンテナンス回数が多くなると、メンテナンスに費やされる時間が増加し、画像形成装置1台あたりの生産性の低下にもつながる。
また、画像形成装置の中でも特に感光体の故障は、画像形成において致命的な不具合となることが多く、故障又は故障の直前の状態を検知する不定期メンテナンスを定期メンテナンスに代えて行うことにより、定期メンテナンスで生じ得る部品予寿命の無駄や生産性の低下といった上述の不具合の軽減を図ることができ、画像形成装置を使用できない時間を大幅に軽減することができるという利点を有する。
前記感光体の不定期メンテナンスとしては、例えば、感光体の周方向の偏摩耗を検知する目的で、感光体の周方向の各位置で帯電電流値又は電位を検出し、その変化量を算出して感光体の周方向の膜厚の偏摩耗を検知する装置が提案されている(特許文献1及び2参照)。しかしながら、これらの提案では、感光体の長手方向における偏摩耗を検知して感光体の寿命を予測することができないため、感光体の長手方向における偏摩耗が進行し、最終的には出力画像に大きな欠陥を生じさせるという問題があった。つまり、画像形成装置において、感光体が偏摩耗して長手方向の膜厚が異なると、該感光体を均一帯電しても、該感光体表面電位が長手方向で異なってしまうため、画像ムラとなって最終画像に現れるという問題である。
また、このような感光体の長手方向における感光体の偏摩耗は、一見して判断できるものではなく、故障原因の特定に時間とコストが掛かってしまうという問題もある。つまり、感光体の故障では、最終的に得られた画質や画像からその原因を特定することは困難であり、また、例えば、前記感光体の周方向の偏摩耗は、感光体製造時の誤差による偏心が主な原因であり、一方、感光体の長手方向の偏摩耗は、感光体に当接された部材の配置精度が十分でないことよる当接圧のムラが主な原因であるというように、それぞれ発生原因が異なる。
また、感光体の長手方向における偏摩耗は、部材の配置精度のみならず、ユーザーにより形成される画像の偏り、例えば、感光体の長手方向の特定位置に常にトナーが現像され、別の特定位置には常にトナーが全く現像されないような画像形成に使われた場合に、トナーが現像される画像部と、トナーが現像されない非画像部とで、感光体の摩耗量に違いが生じることも、その原因となる。
したがって、感光体の該感光体長手方向における偏摩耗を検知することができる故障検出装置、及びこれを備えた画像形成装置の開発が切望されている。
また、感光体の長手方向における偏摩耗は、部材の配置精度のみならず、ユーザーにより形成される画像の偏り、例えば、感光体の長手方向の特定位置に常にトナーが現像され、別の特定位置には常にトナーが全く現像されないような画像形成に使われた場合に、トナーが現像される画像部と、トナーが現像されない非画像部とで、感光体の摩耗量に違いが生じることも、その原因となる。
したがって、感光体の該感光体長手方向における偏摩耗を検知することができる故障検出装置、及びこれを備えた画像形成装置の開発が切望されている。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、感光体の長手方向で生じる偏摩耗を検知することができ、感光体の膜厚偏差による感光体の故障を高い精度で捉えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の画像形成装置は、回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、
前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、
前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有する故障検出装置を備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、
前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、
前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有する故障検出装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、感光体の長手方向で生じる偏摩耗を検知することができ、感光体の膜厚偏差による感光体の故障を高い精度で捉えることができる画像形成装置を提供することができる。
(故障検出装置及び故障検出方法)
本発明の故障検出装置は、本発明の画像形成装置に使用され、帯電電流値測定手段と、評価値算出手段と、故障状態判定手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、判定結果報知手段、故障状態判定制御手段等のその他の手段を有してなる。
本発明の故障検出方法は、本発明の画像形成方法に使用され、帯電電流値測定工程と、評価値算出工程と、故障状態判定工程と、を含んでなり、更に必要に応じて、判定結果報知工程、故障状態判定制御工程等のその他の工程を含んでなる。
本発明の故障検出装置は、本発明の画像形成装置に使用され、帯電電流値測定手段と、評価値算出手段と、故障状態判定手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、判定結果報知手段、故障状態判定制御手段等のその他の手段を有してなる。
本発明の故障検出方法は、本発明の画像形成方法に使用され、帯電電流値測定工程と、評価値算出工程と、故障状態判定工程と、を含んでなり、更に必要に応じて、判定結果報知工程、故障状態判定制御工程等のその他の工程を含んでなる。
<帯電電流値測定手段及び帯電電流値測定工程>
帯電電流値測定工程は、前記帯電工程で印加する帯電電流値を測定する工程であり、前記帯電電流値測定手段により行われる。
前記帯電電流値測定手段としては、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定できる限り特に制限はなく、目的に応じて公知の電流センサから適宜選択することができる。
帯電電流値測定工程は、前記帯電工程で印加する帯電電流値を測定する工程であり、前記帯電電流値測定手段により行われる。
前記帯電電流値測定手段としては、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定できる限り特に制限はなく、目的に応じて公知の電流センサから適宜選択することができる。
<評価値算出手段及び評価値算出工程>
前記評価値算出工程は、前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する工程であり、前記評価値算出工程は、前記評価値算出手段により行われる。
前記評価値算出手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、計算機、コンピュータ、CPU等の機器が挙げられる。なお、前記評価値算出手段で行われる評価値算出方法の詳細は後述する。
前記評価値算出工程は、前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する工程であり、前記評価値算出工程は、前記評価値算出手段により行われる。
前記評価値算出手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、計算機、コンピュータ、CPU等の機器が挙げられる。なお、前記評価値算出手段で行われる評価値算出方法の詳細は後述する。
<故障状態判定手段及び故障状態判定工程>
前記故障状態判定工程は、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する工程であり、前記故障状態判定手段によって行われる。
前記故障状態判定手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、計算機、コンピュータ、CPU等の機器が挙げられる。なお、故障状態判定手段で行われる判定方法の詳細は後述する。
前記故障状態判定工程は、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する工程であり、前記故障状態判定手段によって行われる。
前記故障状態判定手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、計算機、コンピュータ、CPU等の機器が挙げられる。なお、故障状態判定手段で行われる判定方法の詳細は後述する。
<その他の手段及び工程>
−判定結果報知手段及び判定結果報知工程−
本発明の画像形成装置においては、感光体が故障又は故障に近い状態か否かの判定結果を報知する判定結果報知手段を更に有することが好ましい。
故障状態判定手段による感光体の故障状態判定結果が操作パネル等で構成される判定結果報知手段によって報知される。これにより、ユーザー若しくはサービスマンは、判定結果報知手段によって報知された情報を基に、適切なタイミングで感光体の交換をすることができる。
−判定結果報知手段及び判定結果報知工程−
本発明の画像形成装置においては、感光体が故障又は故障に近い状態か否かの判定結果を報知する判定結果報知手段を更に有することが好ましい。
故障状態判定手段による感光体の故障状態判定結果が操作パネル等で構成される判定結果報知手段によって報知される。これにより、ユーザー若しくはサービスマンは、判定結果報知手段によって報知された情報を基に、適切なタイミングで感光体の交換をすることができる。
−故障状態判定制御手段及び故障状態判定制御工程−
本発明の画像形成装置は、前記評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定基準値以上となったとき、一時的に作像動作を継続して所定の時間後に再び評価値の算出を行うよう制御する故障状態判定制御手段を更に有することが好ましい。
本発明の画像形成装置は、前記評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定基準値以上となったとき、一時的に作像動作を継続して所定の時間後に再び評価値の算出を行うよう制御する故障状態判定制御手段を更に有することが好ましい。
画像形成装置に用いられる感光体は、繰り返される作像動作の中で様々なダメージを受けて劣化する。また、感光体は作像動作時以外でも、例えば、急激な環境変化(温度及び/又は湿度の変化)や、装置内に残存した放電生成物の付着などによるダメージを受ける。これらのダメージにより、感光体の劣化状態が通常の感光体劣化推移から大きく逸脱し、感光体の劣化が突発的に進んだ状態になることがある。しかしながら、このような突発的な感光体の劣化は、作像動作やリフレッシュ動作などが行われることで、例えば、クリーニングブレードにより感光体表面を摺擦することにより回復する場合がある。そのため、たまたま突発的な感光体劣化時に行った測定に基づく評価値を用いて感光体の故障状態判定を行うと、未だ偏摩耗が発生していないにもかかわらず故障又は故障に近い状態であると判定してしまうおそれがある。
したがって、仮に評価値が故障状態判定基準値を上回った場合においても、即座に故障状態判定を行い故障状態判定報知手段で報知を行うのではなく、一時的にそのまま作像動作を続け、再び故障状態判定の動作を行うことで、突発的な感光体の劣化を、誤って偏摩耗と検知することを避けることができる。
したがって、仮に評価値が故障状態判定基準値を上回った場合においても、即座に故障状態判定を行い故障状態判定報知手段で報知を行うのではなく、一時的にそのまま作像動作を続け、再び故障状態判定の動作を行うことで、突発的な感光体の劣化を、誤って偏摩耗と検知することを避けることができる。
前記一時的な作像動作の時間としては、短期間(或いは感光体を数回回転させるだけ)で回復する場合や、長期間経過しないと回復しない場合があるため、適宜設定される。ここで、長期間経過しないと回復しない場合には、例えば、感光体を暖める、感光体表面にトナーを入力しながら感光体を回転させて感光体表面を強制的に摩耗させる等の、感光体の突発的な劣化を回復させるためのリフレッシュ処理を加えてもよい。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、故障検出装置とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などを有してなる。前記故障検出装置は、本発明の故障検出装置である。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、本発明の故障検出方法とを含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などを含んでなる。前記故障検出方法は、本発明の故障検出方法である。
本発明の画像形成装置は、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、故障検出装置とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などを有してなる。前記故障検出装置は、本発明の故障検出装置である。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、本発明の故障検出方法とを含んでなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などを含んでなる。前記故障検出方法は、本発明の故障検出方法である。
本発明で用いられる画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<感光体>
前記感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
前記感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
前記感光体は、導電性支持体と、その導電性支持体上に少なくとも感光層を有しており、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
なお、本明細書において「感光体の膜厚」とは、前記導電性支持体上の各層を合わせた全体の層の厚みを指す。
なお、本明細書において「感光体の膜厚」とは、前記導電性支持体上の各層を合わせた全体の層の厚みを指す。
感光層としては、電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、又は電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐摩耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
前記導電性支持体としては、体積抵抗1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状若しくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを、押し出し、引き抜き等の工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理した管などを使用することができる。
前記ドラム状の支持体としては、直径20mm〜150mmが好ましく、24mm〜100mmがより好ましく、28mm〜70mmが更に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の感光体を搭載する必要があるため、直径は70mm以下が好ましく、60mm以下がより好ましい。
前記感光体の下引き層は、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(1)樹脂を主成分としたもの、(2)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(3)導電性基体表面を化学的又は電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記感光層における電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料等のアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料又は染料;セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層における電荷輸送物質としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂などを使用することができる。このような結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記最表面層に用いる樹脂としては、画像形成時の書き込み光に対して透明であり、絶縁性、機械的強度、接着性に優れたものが好ましく、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記最表面層中には、最表面層の機械的強度を高めるために金属微粒子、金属酸化物微粒子、その他の微粒子など含有してもよい。前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモンなどが挙げられる。その他の微粒子としては、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、又はこれらの樹脂に無機材料を分散したものなどが挙げられる。
<帯電工程及び帯電手段>
前記帯電工程は、前記感光体の表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段も、前記感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段も用いられる。
前記非接触方式の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子;感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
前記接触方式の帯電手段としては、例えば、帯電ローラ、帯電ブラシなどが挙げられる。
前記帯電工程は、前記感光体の表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記感光体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段も、前記感光体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段も用いられる。
前記非接触方式の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子;感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。
前記接触方式の帯電手段としては、例えば、帯電ローラ、帯電ブラシなどが挙げられる。
前記帯電手段は、前記感光体に帯電電流を印加できる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、それ自体が帯電電流を印加する機能を内蔵していてもよく、独立した帯電電流印加部材を含んでいてもよい。帯電電流印加部材としては、例えば、導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラなどが挙げられる。また、前記弾性層の代わりに導電性の樹脂ローラを用いてもよい。
前記帯電手段に印加される帯電電流としては、特に制限はなく、直流でも、直流に交流が重畳されたものでもよいが、直流が好ましい。
前記帯電手段に印加される帯電電流としては、特に制限はなく、直流でも、直流に交流が重畳されたものでもよいが、直流が好ましい。
<露光手段及び露光工程>
前記露光工程は、前記露光手段を用いて前記感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられる。これらの中でも、半導体レーザー及び発光ダイオードの少なくともいずれかを有し、デジタル方式で感光体上に静電潜像を形成する露光手段が好ましい。
なお、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光工程は、前記露光手段を用いて前記感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられる。これらの中でも、半導体レーザー及び発光ダイオードの少なくともいずれかを有し、デジタル方式で感光体上に静電潜像を形成する露光手段が好ましい。
なお、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナーを収容し、前記静電潜像に前記トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナーを収容し、前記静電潜像に前記トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により前記トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記感光体近傍に配置されているため、前記マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって前記感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が前記トナーにより現像されて前記感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
なお、帯電電流値測定手段によって帯電電流値を測定するとき、後述するように、感光体上に−数十V〜−100V程度の露光後電位となっている領域が存在することから、帯電電流値の測定中に現像手段によってトナーが感光体に現像されてしまうことを避けるため、現像手段に印加するバイアスを0Vとする現像バイアス制御手段を有することが好ましい。
<その他の手段及び工程>
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写手段の中から適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写手段としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写手段の中から適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベースなども用いることができる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベースなども用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着手段と該定着手段を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着手段としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着手段と該定着手段を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着手段としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
−除電工程及び除電手段−
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが好適に挙げられる。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが好適に挙げられる。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが好適に挙げられる。
−リサイクル工程及びリサイクル手段−
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御工程及び制御手段−
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置は、回転駆動する感光体に対し、感光体長手全域に帯電処理を行い、長手方向を2つ以上の領域に分割し、その領域に順次露光を行い、分割されたそれぞれの領域で感光体が露光されてから再び帯電されるときの帯電電流値を測定し、第1の領域の帯電電流値と第2以降の領域の帯電電流値との相違から評価値を算出し、その評価値に基づいて感光体の長手方向で生じる偏摩耗による故障又は故障に近い状態を検知する。
画像形成装置の状態は、出力画像の種類、出力枚数、出力時間間隔、使用環境等、個々の画像形成装置の使用状況によって大きく異なってくる。よって、個々の画像形成装置の状態を精度よく判別する上では、各画像形成装置の状態をそれぞれの画像形成装置の内部情報に基づいて個別に把握することが重要となる。特に、画像品質に直接的に関わる感光体の寿命による故障は、ダウンタイムの発生を余儀なくされるため、感光体の寿命による故障に近い状態の発生を高精度で検知し、それに基づいて不定期メンテナンスを行うことは、定期メンテナンスで生じ得る感光体予寿命の無駄や生産性の低下といった上述の不具合の軽減を図る上で効果的である。
一般に、前記感光体の周囲には、感光体表面に当接させて用いる、クリーニング装置、帯電装置、現像装置、転写装置などが配置されており、部品精度や取り付け精度が極めて良くないと、感光体表面に対して長手方向において均一に当接させることは難しい。したがって、通常長手方向において各装置と感光体表面との間の当接圧にはムラがある。
例えば、クリーニングブレードのクリーニング装置への固定位置が長手方向の両端部であったり、帯電ローラがその両端部を付勢されることで感光体に押し付けられたり、現像ローラがその両端部を付勢されることで感光体に押し付けられたりすることがあるが、このような場合に、両端部の方が磨耗し易いため、長手方向において偏磨耗が生じ易い。
例えば、クリーニングブレードのクリーニング装置への固定位置が長手方向の両端部であったり、帯電ローラがその両端部を付勢されることで感光体に押し付けられたり、現像ローラがその両端部を付勢されることで感光体に押し付けられたりすることがあるが、このような場合に、両端部の方が磨耗し易いため、長手方向において偏磨耗が生じ易い。
このような事情から、経時使用によって感光体表面が徐々に摩耗し、感光層の膜厚が一定値以下になって所望の表面電位(帯電電位)が得られなくなることよりも、むしろ感光層の感光体長手方向における膜厚偏差(以下、単に「膜厚偏差」という。)が大きくなって帯電電位ムラによる影響が画像に表れることにより、寿命が到来することが多い。よって、感光層の膜厚偏差が大きくなって帯電電位ムラによる影響が画像に表れた直後又は直前、即ち感光体の故障又は故障に近い状態を高い精度で特定できる画像形成装置が望まれる。
前記感光体長手方向における帯電電流の不均一さは、感光体の長手方向を複数個に分割し、分割されたそれぞれの領域に露光した場合における帯電電流値の変化の大きさを測定し、各領域における帯電電流値の変化の大きさの偏差(これを表す指標値を「評価値ΔIc」という。)を検知することで、その感光層の膜厚偏差がどの程度大きくなっているかを把握することが可能である。よって、この各領域に対応する帯電電流値の評価値ΔIcを用いれば、感光層の膜厚偏差による感光体の故障又は故障に近い状態を特定することが可能である。
これを可能とする方法が、本発明の故障検出方法であり、故障検出装置によって行われる。例えば、前記帯電電流値測定手段により、感光体長手方向において複数個に分割された各測定領域に対応する帯電電流を測定し、測定した各帯電電流の値から、この時点の感光体長手方向における帯電電流の不均一さを表す評価値を算出し、算出した評価値が予め決められた基準値に達したか又は下回ったかを判断し、基準値に達した場合に感光体の故障状態判定として特定する方法が考えられる。なお、ここで用いる基準値としては、例えば、事前実験或いは市場に出回っている同機種の画像形成装置から収集した情報などから決めることができる。
なお、測定領域としては、感光体の長手方向において2つ以上に分割される限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、感光体周囲の各部材の固定方法などから当接圧が高くなる位置が予測できる場合には、その位置を含む領域と他の領域とに分割して比較することが好ましい。また、測定領域は、それぞれの長手方向における長さが分かる限り、均等でなくでもよく、この場合、例えば、測定された帯電電流値を測定領域の長さ(幅)で割って、単位長さ(単位幅)あたりの帯電電流値を求めて、評価値とすることができる。
以下、本発明の画像形成装置である電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置全体の構成を示す概略図である。
本発明の画像形成装置は、図中矢印方向に回転するドラム状の感光体1を備えてなる。前記感光体1の周囲には、感光体の表面を一様に帯電する帯電手段として帯電ローラ2、帯電された感光体の表面を露光光(レーザ光)Lで露光して静電潜像を形成する潜像形成手段として露光装置3、静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段として現像剤担持体41を有する現像装置4、現像により得られた感光体上のトナー像を被転写材である記録材としての転写紙11上に転写するための転写手段として転写ローラ5、感光体の表面の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段として、クリーニングブラシ61及びクリーニングブレード62を有するクリーニング装置6が、感光体回転方向に沿ってこの順序で配置されている。また、帯電電流値測定手段7、評価値算出手段8、故障状態判定手段9、判定結果報知手段として機能する報知部10なども設けられている。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置全体の構成を示す概略図である。
本発明の画像形成装置は、図中矢印方向に回転するドラム状の感光体1を備えてなる。前記感光体1の周囲には、感光体の表面を一様に帯電する帯電手段として帯電ローラ2、帯電された感光体の表面を露光光(レーザ光)Lで露光して静電潜像を形成する潜像形成手段として露光装置3、静電潜像にトナーを付着させて現像する現像手段として現像剤担持体41を有する現像装置4、現像により得られた感光体上のトナー像を被転写材である記録材としての転写紙11上に転写するための転写手段として転写ローラ5、感光体の表面の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段として、クリーニングブラシ61及びクリーニングブレード62を有するクリーニング装置6が、感光体回転方向に沿ってこの順序で配置されている。また、帯電電流値測定手段7、評価値算出手段8、故障状態判定手段9、判定結果報知手段として機能する報知部10なども設けられている。
図2は、感光体膜厚(平均厚み)dと、感光体の静電容量Cとの関係を示す図である。
感光体の長手方向の偏摩耗が発生することは、即ち、感光体長手方向で感光体膜厚が均一でなくなるということであり、感光体長手方向で感光体の静電容量が均一でなくなるということを意味する。
感光体膜厚と感光体の静電容量との関係について説明する。
感光体の単位面積あたりの静電容量としては、下記式(1)で表される。
C=ε’ε0/d ・・・ 式(1)
ここで、ε’は感光体の比誘電率であり、ε0は真空の誘電率である。
図2は、ε’=3.3、ε0=8.85×10−12[F/m]、として、感光体膜厚dが10[μm]〜50[μm]のときの静電容量C[μF]との関係を示している。図2に示すように、感光体膜厚dと静電容量Cとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど静電容量Cは小さくなり、感光体膜厚dが小さいほど静電容量Cは大きくなる関係である。
感光体の長手方向の偏摩耗が発生することは、即ち、感光体長手方向で感光体膜厚が均一でなくなるということであり、感光体長手方向で感光体の静電容量が均一でなくなるということを意味する。
感光体膜厚と感光体の静電容量との関係について説明する。
感光体の単位面積あたりの静電容量としては、下記式(1)で表される。
C=ε’ε0/d ・・・ 式(1)
ここで、ε’は感光体の比誘電率であり、ε0は真空の誘電率である。
図2は、ε’=3.3、ε0=8.85×10−12[F/m]、として、感光体膜厚dが10[μm]〜50[μm]のときの静電容量C[μF]との関係を示している。図2に示すように、感光体膜厚dと静電容量Cとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど静電容量Cは小さくなり、感光体膜厚dが小さいほど静電容量Cは大きくなる関係である。
図3は、感光体膜厚dと、感光体表面電位Vsとの関係を示す図である。
帯電ローラに直流電圧Vpを印加して感光体表面を帯電させる方式の場合、帯電ローラと感光体とのニップ部を通過後の感光体表面電位Vsは下記式(2−1)及び(2−2)で表される。
Vs=Vp−Vth (|Vp|>|Vth|の場合) ・・・ 式(2−1)
Vs=0 (|Vp|≦|Vth|の場合) ・・・ 式(2−2)
ここで、Vthは帯電開始電圧であり、下記式(3)で表される。
(前記式(2)及び前記式(3)の詳細については、東京電機大学出版局 シリーズ「デジタルプリンタ技術」 電子写真 −プロセスとシミュレーション− p.26を参照)
帯電ローラに直流電圧Vpを印加して感光体表面を帯電させる方式の場合、帯電ローラと感光体とのニップ部を通過後の感光体表面電位Vsは下記式(2−1)及び(2−2)で表される。
Vs=Vp−Vth (|Vp|>|Vth|の場合) ・・・ 式(2−1)
Vs=0 (|Vp|≦|Vth|の場合) ・・・ 式(2−2)
ここで、Vthは帯電開始電圧であり、下記式(3)で表される。
図3は、感光体膜厚dが10[μm]〜50[μm]のときの感光体表面電位Vs[V]との関係を示している。図3に示すように、感光体膜厚dと感光体表面電位Vsとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど感光体表面電位Vsは低くなり、感光体膜厚dが小さいほど感光体表面電位Vsは高くなる関係である。
図4は、感光体膜厚dと、感光体をVsに帯電させるのに必要な電荷Qとの関係を示す図である。感光体の単位面積をVsまで帯電させるのに必要な電荷Qは、下記式(4)で表される。
Q=C×Vs ・・・ 式(4)
図4は、感光体膜厚dが10[μm]〜50[μm]のときの電荷Q[c]との関係を示している。
図4に示すように、感光体膜厚dと電荷Qとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど電荷Qは小さくなり、感光体膜厚dが小さいほど電荷Qは大きくなる関係である。ゆえに、感光体膜厚dと感光体を帯電させるのに必要な帯電電流値Icとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど帯電電流値Icは小さくなり、感光体膜厚dが小さいほど帯電電流値Icは大きくなる関係である。
このような感光体膜厚によって帯電電流値に相違が生じる現象を利用して、感光体長手方向を2つ以上の領域に分割し、それぞれの領域における帯電電流値を測定することにより、帯電電流値の相違を検知し、感光体長手方向の偏摩耗を検知する。
Q=C×Vs ・・・ 式(4)
図4は、感光体膜厚dが10[μm]〜50[μm]のときの電荷Q[c]との関係を示している。
図4に示すように、感光体膜厚dと電荷Qとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど電荷Qは小さくなり、感光体膜厚dが小さいほど電荷Qは大きくなる関係である。ゆえに、感光体膜厚dと感光体を帯電させるのに必要な帯電電流値Icとの関係は、感光体膜厚dが大きいほど帯電電流値Icは小さくなり、感光体膜厚dが小さいほど帯電電流値Icは大きくなる関係である。
このような感光体膜厚によって帯電電流値に相違が生じる現象を利用して、感光体長手方向を2つ以上の領域に分割し、それぞれの領域における帯電電流値を測定することにより、帯電電流値の相違を検知し、感光体長手方向の偏摩耗を検知する。
分割された領域それぞれにおける帯電電流値を検知する方法についてこれ以降説明する。
図5は、回転駆動する感光体に帯電手段より直流電流を印加し、感光体の長手全域を帯電させたとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
回転駆動する感光体に帯電手段が帯電を行う帯電処理部の直前(帯電処理部のわずかに感光体上流位置)の感光体電位が0Vであるときは、帯電処理後の感光体表面電位がVsになるように帯電電流が流れる。感光体が1周した後、感光体表面が帯電された部分が再び感光体と帯電手段の帯電処理部に到達すると、感光体表面電位はわずかにしか低下していないため、帯電電流は僅かにしか流れなくなる。
なお、感光体表面電位がわずかに低下する理由としては、例えば、感光体の暗減衰;接触式現像ローラ、転写ローラや転写ベルト、クリーニングブレード等の部材との接触などが挙げられる。
図5は、回転駆動する感光体に帯電手段より直流電流を印加し、感光体の長手全域を帯電させたとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
回転駆動する感光体に帯電手段が帯電を行う帯電処理部の直前(帯電処理部のわずかに感光体上流位置)の感光体電位が0Vであるときは、帯電処理後の感光体表面電位がVsになるように帯電電流が流れる。感光体が1周した後、感光体表面が帯電された部分が再び感光体と帯電手段の帯電処理部に到達すると、感光体表面電位はわずかにしか低下していないため、帯電電流は僅かにしか流れなくなる。
なお、感光体表面電位がわずかに低下する理由としては、例えば、感光体の暗減衰;接触式現像ローラ、転写ローラや転写ベルト、クリーニングブレード等の部材との接触などが挙げられる。
図6は、回転駆動する感光体に帯電手段より直流電流を印加し、感光体の長手方向全域を帯電させ、かつ、感光体の長手方向全域を露光手段により露光したとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
また、図7は、回転駆動する感光体に帯電手段により直流電流を印加し、感光体の長手全域を帯電させ、かつ、感光体の長手方向の半分の領域を露光手段により露光したとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
また、図7は、回転駆動する感光体に帯電手段により直流電流を印加し、感光体の長手全域を帯電させ、かつ、感光体の長手方向の半分の領域を露光手段により露光したとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
図6及び図7において、感光体1周目は、前述のように、感光体表面電位が0Vであるから、電位0Vから表面電位Vsになるまでに必要な電流が流れる。
一方、感光体1周後以降は、感光体が帯電手段で帯電された後に露光をされた部分が再帯電されており、その部分は−数十V〜−100V程度の電位(露光後電位)であることから、−数十V〜−100V程度の電位から表面電位Vsになるまでに必要な電流(感光体1周目より僅かに少ない電流)が流れる。
一方、感光体1周後以降は、感光体が帯電手段で帯電された後に露光をされた部分が再帯電されており、その部分は−数十V〜−100V程度の電位(露光後電位)であることから、−数十V〜−100V程度の電位から表面電位Vsになるまでに必要な電流(感光体1周目より僅かに少ない電流)が流れる。
(第1の実施形態)
以下では、第1の実施形態として、感光体を長手方向に2つの領域に分割してそれぞれを測定領域とする場合について説明する。図8は、画像形成装置内の回転駆動する感光体1に帯電手段である帯電ローラ2、露光手段である露光装置3、転写手段である転写ローラ5、クリーニング手段であるクリーニング装置6を配置し、感光体を回転させながら帯電ローラに直流電流を印加して感光体の長手方向全域を帯電させ、かつ、感光体の長手方向の半分の領域を露光しているときの斜視図である(現像手段は図示せず)。図8に示す感光体の中央位置より図の左下側を第1の領域、感光体の中央位置より図の右上側を第2の領域とする。
以下では、第1の実施形態として、感光体を長手方向に2つの領域に分割してそれぞれを測定領域とする場合について説明する。図8は、画像形成装置内の回転駆動する感光体1に帯電手段である帯電ローラ2、露光手段である露光装置3、転写手段である転写ローラ5、クリーニング手段であるクリーニング装置6を配置し、感光体を回転させながら帯電ローラに直流電流を印加して感光体の長手方向全域を帯電させ、かつ、感光体の長手方向の半分の領域を露光しているときの斜視図である(現像手段は図示せず)。図8に示す感光体の中央位置より図の左下側を第1の領域、感光体の中央位置より図の右上側を第2の領域とする。
感光体1周目は、感光体表面電位が0Vであるから、電位0Vから表面電位Vsになるまでに必要な電流が流れる。
感光体1周後以降は、感光体の露光がされていない半分の領域では、露光がされていないため、僅かに電位が低下した状態の感光体表面が再び再帯電されるため、僅かな帯電電流しか流れない。
一方、感光体の露光がされている半分の領域では、露光後電位から表面電位Vsになるまでに必要な電流が流れる。このとき、露光されている領域に流れる電流は、露光領域が感光体長手の半分であることから、感光体長手全域を露光した場合に流れていた電流に比べ、半分になる。
したがって、感光体長手全域を露光していた場合の帯電電流値を示す図6の感光体1周後の電流値に比べ、図7のように感光体1周後の電流値は半分の電流値を示す。
感光体1周後以降は、感光体の露光がされていない半分の領域では、露光がされていないため、僅かに電位が低下した状態の感光体表面が再び再帯電されるため、僅かな帯電電流しか流れない。
一方、感光体の露光がされている半分の領域では、露光後電位から表面電位Vsになるまでに必要な電流が流れる。このとき、露光されている領域に流れる電流は、露光領域が感光体長手の半分であることから、感光体長手全域を露光した場合に流れていた電流に比べ、半分になる。
したがって、感光体長手全域を露光していた場合の帯電電流値を示す図6の感光体1周後の電流値に比べ、図7のように感光体1周後の電流値は半分の電流値を示す。
図8は、感光体の第1の領域に露光を行っている図であり、図7はそのときに観測される帯電電流値を示しているが、感光体の長手方向の膜厚が均一である場合、感光体の第2の領域に露光を行っているときも、図7と同じ帯電電流値の推移を示す。
次に、感光体の長手の膜厚が不均一で、感光体に偏摩耗が発生している場合について説明する。
説明を簡略化するために、感光体長手方向の偏摩耗が発生したとき、図8における感光体の第1の膜厚がd1になっており、第2の領域の膜厚がd2になっており、感光体膜厚の関係はd1>d2(感光体膜厚としては、第1の領域が厚く、第2の領域が薄い)になっているとする。
この2つに分割した領域を比較したとき、感光体の膜厚に偏差があるか否か(偏摩耗が生じているか否か)を判定する手順について説明する。
説明を簡略化するために、感光体長手方向の偏摩耗が発生したとき、図8における感光体の第1の膜厚がd1になっており、第2の領域の膜厚がd2になっており、感光体膜厚の関係はd1>d2(感光体膜厚としては、第1の領域が厚く、第2の領域が薄い)になっているとする。
この2つに分割した領域を比較したとき、感光体の膜厚に偏差があるか否か(偏摩耗が生じているか否か)を判定する手順について説明する。
図9は、回転駆動する感光体に帯電手段より直流電流を印加し、感光体の長手全域を帯電させ、かつ、感光体膜厚の厚い第1の領域を露光手段により露光したとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
図10は、回転駆動する感光体に帯電手段より直流電流を印加し、感光体の長手全域を帯電させ、かつ、感光体膜厚の薄い第2の領域を露光手段により露光したとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化事例の概要を示す図である。
感光体膜厚の厚い第1の領域にのみに露光しているときの帯電電流値も、感光体膜厚の薄い第2の領域にのみに露光しているときの帯電電流値も、感光体長手全域を露光していた場合の帯電電流値のおよそ半分の値を示すが、感光体膜厚の関係はd1>d2であるため、感光体表面を帯電させるため必要な帯電電流値としては、感光体膜厚の厚い第1の領域にのみ露光している方が小さく、感光体膜厚の薄い第2の領域にのみに露光している方が大きい。
感光体膜厚の厚い第1の領域にのみに露光しているときの帯電電流値も、感光体膜厚の薄い第2の領域にのみに露光しているときの帯電電流値も、感光体長手全域を露光していた場合の帯電電流値のおよそ半分の値を示すが、感光体膜厚の関係はd1>d2であるため、感光体表面を帯電させるため必要な帯電電流値としては、感光体膜厚の厚い第1の領域にのみ露光している方が小さく、感光体膜厚の薄い第2の領域にのみに露光している方が大きい。
図11は、感光体膜厚の厚い第1の領域の帯電電流値と感光体膜厚の薄い第2の領域の帯電電流値の相違を示す図である。
感光体膜厚の厚い第1の領域の帯電電流値をIc1とし、感光体膜厚の薄い第2の領域の帯電電流値をIc2とする。
前記Ic1に対し、前記Ic2がどれほど相違しているかを算出するため、例えば、下記式(5)により、Ic1とIc2との差の絶対値を算出する。
ΔIc12=|Ic1−Ic2| ・・・式(5)
これを評価値ΔIc12とし、この評価値ΔIc12を、2つに分割した領域の膜厚差を代用する指標(偏摩耗を示す指標)とする。
この評価値ΔIc12に基づいて、感光体の偏摩耗を検知する。
なお、本実施形態では、評価値として、Ic1とIc2との差の絶対値を用いているが、この算出方法に限らず、Ic2/Ic1比、(Ic2)2/(Ic1)2比等、Ic1に対するIc2の相違が明確に現れる算出方法による評価値を設定すれば、偏摩耗を代用する指標とすることができる。
感光体膜厚の厚い第1の領域の帯電電流値をIc1とし、感光体膜厚の薄い第2の領域の帯電電流値をIc2とする。
前記Ic1に対し、前記Ic2がどれほど相違しているかを算出するため、例えば、下記式(5)により、Ic1とIc2との差の絶対値を算出する。
ΔIc12=|Ic1−Ic2| ・・・式(5)
これを評価値ΔIc12とし、この評価値ΔIc12を、2つに分割した領域の膜厚差を代用する指標(偏摩耗を示す指標)とする。
この評価値ΔIc12に基づいて、感光体の偏摩耗を検知する。
なお、本実施形態では、評価値として、Ic1とIc2との差の絶対値を用いているが、この算出方法に限らず、Ic2/Ic1比、(Ic2)2/(Ic1)2比等、Ic1に対するIc2の相違が明確に現れる算出方法による評価値を設定すれば、偏摩耗を代用する指標とすることができる。
本実施形態では、出力画像に画像の欠陥が生じるまでに偏摩耗が進行したときに観測されるIc1とIc2との差の絶対値である故障状態判定基準値Dがあらかじめ故障状態判定手段に記憶されている。
故障状態判定手段は、評価値ΔIc12を算出したら、これを故障状態判定基準値Dと比較し、評価値ΔIc12が故障状態判定基準値D以上である場合、当該感光体は偏摩耗により故障又は故障に近い状態と判定する。例えば、故障した場合の基準値をD1、故障に近い状態の場合の基準値をD2とすると、評価値ΔIc12≧D1の場合には故障、評価値ΔIc12≧D2の場合には故障に近い状態、評価値ΔIc12<D2の場合には故障していない状態と判定できる。このようにして感光体の偏摩耗による故障状態を検知する。
故障状態判定手段は、評価値ΔIc12を算出したら、これを故障状態判定基準値Dと比較し、評価値ΔIc12が故障状態判定基準値D以上である場合、当該感光体は偏摩耗により故障又は故障に近い状態と判定する。例えば、故障した場合の基準値をD1、故障に近い状態の場合の基準値をD2とすると、評価値ΔIc12≧D1の場合には故障、評価値ΔIc12≧D2の場合には故障に近い状態、評価値ΔIc12<D2の場合には故障していない状態と判定できる。このようにして感光体の偏摩耗による故障状態を検知する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、感光体の長手方向を左右2つの領域に分割し、Ic1とIc2との相違を評価値ΔIc12として算出していたが、各領域における感光体の長手方向の長さ(幅)が等しい限り、例えば、第2の実施形態として、感光体長手方向の半分の長さを有する中央部の領域を第1の領域とし、残りの左端部と右端部とを合わせた、感光体長手方向の半分の長さを有する領域を第2の領域として、第1の実施形態と同様にIc1及びIc2を測定し、評価値ΔIc12を算出することができる(図12参照)。このとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化としては、前記図9及び10と同様であり、評価値ΔIc12も、前記図11と同様である。
第1の実施形態では、感光体の長手方向を左右2つの領域に分割し、Ic1とIc2との相違を評価値ΔIc12として算出していたが、各領域における感光体の長手方向の長さ(幅)が等しい限り、例えば、第2の実施形態として、感光体長手方向の半分の長さを有する中央部の領域を第1の領域とし、残りの左端部と右端部とを合わせた、感光体長手方向の半分の長さを有する領域を第2の領域として、第1の実施形態と同様にIc1及びIc2を測定し、評価値ΔIc12を算出することができる(図12参照)。このとき、帯電電流値測定手段で観測される帯電電流値の変化としては、前記図9及び10と同様であり、評価値ΔIc12も、前記図11と同様である。
(第3の実施形態)
本発明では、感光体の長手方向を2つよりも多くの領域に分割し、それぞれの領域において同様の偏摩耗の検知を行うこともできる。感光体の測定領域を3つの領域に分割する場合は、例えば、第3の実施形態として、図13に示すように感光体の長手方法を右端部、左端部及び中央部の3つの領域に、それぞれの長さ(幅)が等しくなるように分割する。それぞれの領域(第1〜第3の領域)に対応する帯電電流値を第1の実施形態と同様にして帯電電流値測定手段で測定することにより、Ic1(図14参照)、Ic2(図15参照)、及びIc3(図16参照)が得られる。得られたIc1、Ic2及びIc3から、第1の実施形態と同様にして、評価値算出手段により、ΔIc12=|Ic1−Ic2|(図17参照)、ΔIc13=|Ic1−Ic3|(図18参照)を算出し、ΔIc12、ΔIc13のうち少なくとも1つが故障状態判定基準値D以上であると判断したら、当該感光体は偏摩耗により故障又は故障に近い状態と判定する。
なお、前記測定領域が3つ以上の場合、該測定領域のすべての帯電電流値を測定し、評価値を算出する必要はない。例えば、感光体の長手方向における偏摩耗が進んでいる箇所が特定されている場合などには、該測定領域のうち少なくとも2つにつき帯電電流値を求めて評価値を算出できれば、偏摩耗による故障又は故障に近い状態の判定は可能である。
本発明では、感光体の長手方向を2つよりも多くの領域に分割し、それぞれの領域において同様の偏摩耗の検知を行うこともできる。感光体の測定領域を3つの領域に分割する場合は、例えば、第3の実施形態として、図13に示すように感光体の長手方法を右端部、左端部及び中央部の3つの領域に、それぞれの長さ(幅)が等しくなるように分割する。それぞれの領域(第1〜第3の領域)に対応する帯電電流値を第1の実施形態と同様にして帯電電流値測定手段で測定することにより、Ic1(図14参照)、Ic2(図15参照)、及びIc3(図16参照)が得られる。得られたIc1、Ic2及びIc3から、第1の実施形態と同様にして、評価値算出手段により、ΔIc12=|Ic1−Ic2|(図17参照)、ΔIc13=|Ic1−Ic3|(図18参照)を算出し、ΔIc12、ΔIc13のうち少なくとも1つが故障状態判定基準値D以上であると判断したら、当該感光体は偏摩耗により故障又は故障に近い状態と判定する。
なお、前記測定領域が3つ以上の場合、該測定領域のすべての帯電電流値を測定し、評価値を算出する必要はない。例えば、感光体の長手方向における偏摩耗が進んでいる箇所が特定されている場合などには、該測定領域のうち少なくとも2つにつき帯電電流値を求めて評価値を算出できれば、偏摩耗による故障又は故障に近い状態の判定は可能である。
(第4の実施形態)
更に、第4の実施形態としては、感光体を長手方向にN個の測定領域に分割し(Nは2以上の自然数)、それぞれの測定領域に対応する帯電電流値をIc1〜IcNとし、第1の実施形態と同様にして、評価値ΔIc12=|Ic1−Ic2|〜ΔIc1N=|Ic1−IcN|を算出し、ΔIc12〜ΔIc1Nのうち少なくとも1つが故障状態判定基準値D以上であると判断したら、当該感光体は偏摩耗により故障又は故障に近い状態と判定する。
前記測定領域の個数Nとしては、2以上の自然数である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜5が好ましい。前記個数Nが、2未満であると、測定領域毎の帯電電流値を比較して評価することができず、5を超えると、各測定領域毎の帯電電流値の差が小さくなり、偏摩耗を正確に検知できなくなることがある。
更に、第4の実施形態としては、感光体を長手方向にN個の測定領域に分割し(Nは2以上の自然数)、それぞれの測定領域に対応する帯電電流値をIc1〜IcNとし、第1の実施形態と同様にして、評価値ΔIc12=|Ic1−Ic2|〜ΔIc1N=|Ic1−IcN|を算出し、ΔIc12〜ΔIc1Nのうち少なくとも1つが故障状態判定基準値D以上であると判断したら、当該感光体は偏摩耗により故障又は故障に近い状態と判定する。
前記測定領域の個数Nとしては、2以上の自然数である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜5が好ましい。前記個数Nが、2未満であると、測定領域毎の帯電電流値を比較して評価することができず、5を超えると、各測定領域毎の帯電電流値の差が小さくなり、偏摩耗を正確に検知できなくなることがある。
故障状態判定を行うための測定のタイミングとしては、特に制限はなく、画像形成装置での作像動作の中で任意のタイミングで行うことができるが、印刷ジョブ開始前に行うことが好ましい。前記故障状態判定を行うための測定のタイミングが、印刷ジョブと印刷ジョブとの間や、印刷ジョブの終了直後であると、測定前の印刷ジョブの内容に応じて感光体に蓄積される短期的な劣化の程度が異なるため、測定結果に誤差が生じやすい。
また、ここまでに述べてきたように、故障状態判定を行うためのそれぞれの測定領域の帯電電流値の測定は、測定領域は露光後電位から再帯電時の表面電位(帯電電位)になるときの帯電電流値を測定する必要がある。
また、ここまでに述べてきたように、故障状態判定を行うためのそれぞれの測定領域の帯電電流値の測定は、測定領域は露光後電位から再帯電時の表面電位(帯電電位)になるときの帯電電流値を測定する必要がある。
第1の領域から順次帯電電流値の測定を行っていくとき、駆動回転する感光体に帯電処理と測定領域への露光を行い始めてから感光体1周目のうちは、前の測定領域を測定していたときの感光体表面に残る電位の影響を受けてしまうこととなる。このような影響を避けるために、各測定領域について順次帯電電流値の測定を行っていくときは、感光体に帯電処理と測定領域への露光を行い始めてから感光体1周後から帯電電流値を測定することが必要である。
また、帯電電流値測定時は、感光体上に−数十V〜−100V程度の露光後電位となっている領域が存在することとなる。したがって、帯電電流の測定中に現像手段によってトナーが感光体に現像されてしまうことを避けるために、現像手段に印加される現像バイアスは、帯電電流値測定中は0Vとしておくことが望ましい。
また、帯電電流値測定時は、感光体上に−数十V〜−100V程度の露光後電位となっている領域が存在することとなる。したがって、帯電電流の測定中に現像手段によってトナーが感光体に現像されてしまうことを避けるために、現像手段に印加される現像バイアスは、帯電電流値測定中は0Vとしておくことが望ましい。
次に、前記評価値算出手段及び前記故障状態判定手段で実行される故障状態判定について説明する。
図19は、測定領域を感光体の長手方向に2つの領域に分割した実施形態における故障状態判定の処理の流れを示すフローチャート図である。
図19に示すように、まず、感光体の第1の領域に対応する帯電電流値Ic1を測定する(S1)。次いで、感光体の第2の領域に対応する帯電電流値Ic2を測定する(S2)。そして、これらの測定値Ic1とIc2から、評価値ΔIc12=|Ic1−Ic2|を算出する(S3)。
次に、この評価値ΔIc12と、あらかじめ設定されている故障状態判定基準値Dとを比較して、ΔIc12≧Dであるかどうかを判断する(S4)。
ここで、ΔIc12≧Dである場合には、偏摩耗による感光体の故障又は故障に近い状態と判断し(S5)、報知部によって感光体が故障又は故障に近い状態であることを報知する(S6)。
一方、前記処理ステップS4においてΔIc12<Dであると判断された場合には、そのまま作像動作を継続することとする。
図19は、測定領域を感光体の長手方向に2つの領域に分割した実施形態における故障状態判定の処理の流れを示すフローチャート図である。
図19に示すように、まず、感光体の第1の領域に対応する帯電電流値Ic1を測定する(S1)。次いで、感光体の第2の領域に対応する帯電電流値Ic2を測定する(S2)。そして、これらの測定値Ic1とIc2から、評価値ΔIc12=|Ic1−Ic2|を算出する(S3)。
次に、この評価値ΔIc12と、あらかじめ設定されている故障状態判定基準値Dとを比較して、ΔIc12≧Dであるかどうかを判断する(S4)。
ここで、ΔIc12≧Dである場合には、偏摩耗による感光体の故障又は故障に近い状態と判断し(S5)、報知部によって感光体が故障又は故障に近い状態であることを報知する(S6)。
一方、前記処理ステップS4においてΔIc12<Dであると判断された場合には、そのまま作像動作を継続することとする。
図20は、測定領域を、感光体の長手方向にN個の領域に分割した実施形態における故障状態判定の処理の流れを示すフローチャート図である。
図20に示すように、感光体の第1の領域に対応する帯電電流値Ic1を測定した後、感光体の第2から第Nの領域に対応する帯電電流値Ic2〜IcNを順次測定する。前記帯電電流値Ic1とIc2〜IcNとの評価値ΔIc12〜ΔIc1Nを算出し、故障状態判定基準値Dとの比較による判定を行い、偏摩耗の検知を行う。
図20に示すように、感光体の第1の領域に対応する帯電電流値Ic1を測定した後、感光体の第2から第Nの領域に対応する帯電電流値Ic2〜IcNを順次測定する。前記帯電電流値Ic1とIc2〜IcNとの評価値ΔIc12〜ΔIc1Nを算出し、故障状態判定基準値Dとの比較による判定を行い、偏摩耗の検知を行う。
本発明の態様としては、以下の通りである。
<1> 回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有する故障検出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
<2> 故障検出装置が、故障状態判定手段によって判定された結果を報知する判定結果報知手段を更に有する前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 故障状態判定手段が、評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定手段にあらかじめ設定されている故障状態判定基準値に達したか否かによって判定する前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> 評価値の算出及び故障の判定が、印刷ジョブ開始前に行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> 帯電電流値測定手段が、帯電及び露光がなされて回転駆動する感光体が1周した後に帯電手段が印加する帯電電流値を測定する前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 故障検出装置が、帯電電流値測定手段によって帯電電流値を測定するとき、現像手段に印加するバイアスを0Vとする現像バイアス制御手段を更に有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 故障検出装置が、評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定基準値以上となったとき、一時的に作像動作を継続して所定の時間後に再び評価値の算出を行うように制御する故障状態判定制御手段を更に有する前記<3>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<8> 回転駆動する感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、を含む画像形成方法において、前記帯電工程が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定工程と、前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定工程と、を少なくとも有する故障検出方法を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<9> 回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置に使用され、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有することを特徴とする故障検出装置である。
<10> 回転駆動する感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、を含む画像形成方法に使用され、前記帯電工程で印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定工程と、前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定工程と、を含むことを特徴とする故障検出方法である。
<1> 回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有する故障検出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
<2> 故障検出装置が、故障状態判定手段によって判定された結果を報知する判定結果報知手段を更に有する前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 故障状態判定手段が、評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定手段にあらかじめ設定されている故障状態判定基準値に達したか否かによって判定する前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> 評価値の算出及び故障の判定が、印刷ジョブ開始前に行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> 帯電電流値測定手段が、帯電及び露光がなされて回転駆動する感光体が1周した後に帯電手段が印加する帯電電流値を測定する前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 故障検出装置が、帯電電流値測定手段によって帯電電流値を測定するとき、現像手段に印加するバイアスを0Vとする現像バイアス制御手段を更に有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 故障検出装置が、評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定基準値以上となったとき、一時的に作像動作を継続して所定の時間後に再び評価値の算出を行うように制御する故障状態判定制御手段を更に有する前記<3>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<8> 回転駆動する感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、を含む画像形成方法において、前記帯電工程が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定工程と、前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定工程と、を少なくとも有する故障検出方法を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<9> 回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置に使用され、前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有することを特徴とする故障検出装置である。
<10> 回転駆動する感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、を含む画像形成方法に使用され、前記帯電工程で印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定工程と、前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出工程と、前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定工程と、を含むことを特徴とする故障検出方法である。
1 感光体
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 帯電電流値測定手段
8 評価値算出手段
9 故障状態判定手段
10 報知部
11 転写紙
41 現像剤担持体
61 クリーニングブラシ
62 クリーニングブレード
L 露光光
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 帯電電流値測定手段
8 評価値算出手段
9 故障状態判定手段
10 報知部
11 転写紙
41 現像剤担持体
61 クリーニングブラシ
62 クリーニングブレード
L 露光光
Claims (9)
- 回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、
前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、
前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有する故障検出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 故障検出装置が、故障状態判定手段によって判定された結果を報知する判定結果報知手段を更に有する請求項1に記載の画像形成装置。
- 故障状態判定手段が、評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定手段にあらかじめ設定されている故障状態判定基準値に達したか否かによって判定する請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
- 評価値の算出及び故障の判定が、印刷ジョブ開始前に行われる請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 帯電電流値測定手段が、帯電及び露光がなされて回転駆動する感光体が1周した後に帯電手段が印加する帯電電流値を測定する請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 故障検出装置が、帯電電流値測定手段によって帯電電流値を測定するとき、現像手段に印加するバイアスを0Vとする現像バイアス制御手段を更に有する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 故障検出装置が、評価値算出手段によって算出された評価値が故障状態判定基準値以上となったとき、一時的に作像動作を継続して所定の時間後に再び評価値の算出を行うように制御する故障状態判定制御手段を更に有する請求項3から6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 回転駆動する感光体と、前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置に使用され、
前記帯電手段が印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定手段と、
前記帯電手段によって前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光手段によって露光した場合に前記帯電電流値測定手段によって測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定手段と、を少なくとも有することを特徴とする故障検出装置。 - 回転駆動する感光体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーにより現像する現像工程と、を含む画像形成方法に使用され、
前記帯電工程で印加する帯電電流値を測定する帯電電流値測定工程と、
前記帯電工程において前記感光体の全表面を帯電し、前記感光体を該感光体の長手方向に2つ以上の領域に分割したそれぞれを測定領域とし、前記測定領域における少なくとも2つにつき、前記露光工程において露光した場合に前記帯電電流値測定工程において測定される帯電電流値を求め、一の測定領域の帯電電流値と、その他の測定領域の帯電電流値との相違を評価した評価値を算出する評価値算出工程と、
前記評価値に基づいて、前記感光体が故障又は故障に近い状態か否かを判定する故障状態判定工程と、を含むことを特徴とする故障検出方法。
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---|---|---|---|
JP2012057106A JP2013190626A (ja) | 2012-03-14 | 2012-03-14 | 故障検出方法、故障検出装置及びこれを備えた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012057106A JP2013190626A (ja) | 2012-03-14 | 2012-03-14 | 故障検出方法、故障検出装置及びこれを備えた画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013190626A true JP2013190626A (ja) | 2013-09-26 |
Family
ID=49390935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012057106A Pending JP2013190626A (ja) | 2012-03-14 | 2012-03-14 | 故障検出方法、故障検出装置及びこれを備えた画像形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10146150B2 (en) | 2016-06-01 | 2018-12-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Process cartridge, image forming apparatus, image forming method |
JP2019164336A (ja) * | 2018-03-14 | 2019-09-26 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置、情報処理方法及びプログラム |
JP2020190688A (ja) * | 2019-05-23 | 2020-11-26 | 株式会社リコー | 被帯電体表面層厚検知装置、画像形成装置、及び、被帯電体表面層厚検知方法 |
-
2012
- 2012-03-14 JP JP2012057106A patent/JP2013190626A/ja active Pending
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