JP2013190084A - 空気弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】管路を洗管したり臨時の消火栓としても利用でき、空気弁として使用するときには内部への充水や排気状況に応じて所定状態まで作動して管内の空気を確実に排出でき、曲げ応力が掛かりにくく水撃などによる衝撃荷重にも耐え得ることができ、内部部品を容易に着脱して清掃やメンテナンスでき、口金を装着して大流量を確保しながら洗管用や臨時の消火栓として通水機能を発揮でき、空気弁及び通水機能の双方の機能を十分に発揮する空気弁を提供する。
【解決手段】上面1aをカバー55で包囲した弁箱1の下部に流体流入口8を形成し、弁箱1の上部開口部1bに大空気孔26を有する蓋2を取付け、弁箱1の収納室15の下部の案内台座7と蓋2の下面13aとの間に上方を開口した案内筒体4を挟み込んで案内筒体4を収納し、この内部にはフロート弁体5とその上方に遊動弁体6を上下に配し、案内筒体4の上部に流体を連通させる連通部35を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水道本管などに敷設して、管内に混入する空気を排出するために用いられる空気弁に関する。
水道本管などの管路内では、空気泡や空気溜まりにより配管の有効断面積が減少して管路能力が低下することがある。そのため、管路能力低下を防止するための空気弁が一般的に設置されている。空気弁は、管路の各所に配設され、管路内の空気を排出することで安定的な送配水や管路の保全が可能になっている。空気弁の機能を維持するためには、定期的にメンテナンスを実施し、内部に付着したゴミを除去したり清掃や点検をおこなう必要がある。そのため、通常、空気弁は分解可能な構造になっている。
この種の空気弁として、例えば、特許文献1の構造の空気弁が知られている。この空気弁は、分解・組立作業をレバー方式によっておこなおうとするものである。同文献1の図9では、フロート弁体を案内する案内筒の上部に鍔を有しているものが開示されている。この場合、鍔を挟み込むようにして弁箱内に固定し、この宙づり状態の案内筒にフロート弁体を収納するようになっている。
一方、本出願人は、特許文献2の空気弁を提案している。この空気弁は、弁箱、固定蓋、弁体ガイド、フロート弁体、遊動弁体を有し、弁体ガイドが弁箱底部に固定用ボルトで固定され、この弁体ガイド内にフロート弁体、遊動弁体が収納された構造になっている。この空気弁では、着脱蓋に設けられたアーム係合片と、固定蓋に設けられた孔・切欠とを介して組立てや分解をより簡単におこなえるようになっている。
ところで、空気弁に例えば町野式口金と呼ばれる口金を取付け、この空気弁を管路内の洗管作業に利用することが考えられている。この場合にも、メンテナンス時と同様に空気弁を分解して内部部品を取り外す必要が生じることになる。更に、口金の口径分の流量を確保するために、空気弁の弁箱の流入側の口径を確保する必要がある。
特開2009−121678号公報 登録実用新案第3168818号公報
特許文献1の図10においては、口金を取付けることで空気弁を臨時の消火栓として使用することが記載されている。しかし、この空気弁を消火栓として用いる場合、レバー方式で蓋体や弁体案内、フロート弁体、遊動弁体などの内部部品を取り外すためにバルブ周辺に一定のスペースを要し、分解・組立作業に要する時間短縮も十分ではない。このように内部部品の着脱が困難であるため、この空気弁を消火栓や洗管用として簡単に使用することが難しい。
また、同文献1では、鍔を挟み込むようにして弁箱内に固定し、この宙づり状態の案内筒内にフロート弁体を収納するようになっているため、曲げ応力が掛かりやすくなり、水撃などによる衝撃荷重に対して弱くなっている。
弁箱の導水部の口径が口金の口径よりも大きくなることから、空気弁として使用するときには、通水時に遊動弁体が浮上せずに大空気孔から水が止まらなくなったり、排気時に遊動弁体が流出側の大空気孔を閉塞するおそれがある。さらに、フロート弁体や遊動弁体の外径が流入口径よりも小口径であるため、これらが配管内に落下する場合もある。空気弁の流入口径を大きくすると、口金方向に噴流が生じる危険性も生じる。このように、口金を取付け可能に設けた場合、空気弁としての機能を正常に発揮できなくなることがあった。
一方、特許文献2の空気弁においては、フロート弁体の弁体ガイドが弁箱内部に固定用ボルトで止められているため、この弁体ガイドの取り外しが容易ではない。取り外す際は、固定用ボルトを現場で緩めて取り外す必要があるため作業が細かくなり、この作業がしにくくなったり固定用ボルトを紛失する可能性もある。固定用ボルト用のめねじに錆が発生しやすくなり、この錆を防ぐための防錆処理も困難になる。
口金の取付け時には、弁箱の流入面積の確保が困難になって流量が少なくなり、固定用ボルト等に大きな負荷がかかったりする等の問題も生じる。例えば、口径65Aの町野式口金をこの空気弁に取付ける場合、空気弁の直下に位置するボールバルブの口径が25A程度になることから、口金に対して補修弁の口径が小さくなる。このようにボールバルブによって流量が小さく抑えられることになるが、洗管用や臨時の消火栓として使用するためには、流入口径を大きくして十分な流量を確保することが必要になる。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、管路を洗管したり臨時の消火栓としても利用できる空気弁であり、空気弁として使用するときには内部への充水や排気状況に応じて所定の状態まで作動して管内の空気を確実に排出でき、曲げ応力が掛かりにくく水撃などによる衝撃荷重にも耐え得ることができ、内部部品を容易に着脱して清掃やメンテナンスできることに加えて、口金を装着して大流量を確保しながら洗管用や臨時の消火栓として利用して通水機能を発揮でき、この空気弁及び通水機能の双方の機能を十分に発揮する空気弁を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、上面をカバーで包囲した弁箱の下部に流体流入口を形成し、弁箱の上部開口部に大空気孔を有する蓋を取付け、弁箱の収納室の下部に形成した案内台座と蓋の下面との間に上方を開口した案内筒体を挟み込んで弁箱内の収納室に案内筒体を収納し、案内筒体の内部には、フロート弁体とその上方に遊動弁体を上下に配すると共に、案内筒体の上部に流体を連通させる連通部を設けた空気弁である。
請求項2に係る発明は、蓋は、弁箱の上部に取付けた固定蓋とこの固定蓋に大空気孔を有する着脱蓋を着脱自在に取付けて構成し、連通部は、複数個の切欠き部とした空気弁である。
請求項3に係る発明は、収納室の内周側部に、案内筒体を位置決め保持する側面ガイドを形成した空気弁である。
請求項4に係る発明は、流体流入口は、必要流体流入面積を有し、切欠き部の総和の面積である流体通過面積Bと流体流入口の必要流体流入面積Aとの比率B/Aを略0.12〜0.35とした空気弁である。
請求項5に係る発明は、必要流体流入面積を確保しつつ、弁箱の下部に落下防止用突起を設けた空気弁である。
請求項6に係る発明は、弁箱の下部に設けたフランジに補修弁を取付け、この補修弁の噴流を案内台座に当たるようにして噴流が直接弁外に噴出することを防止した空気弁である。
請求項1に係る発明によると、管路を洗管したり臨時の消火栓としても利用でき、空気弁として使用するときには、フロート弁体とその上方に遊動弁体を上下に配した案内筒体を案内台座と蓋の下面との間に挟み込んだ状態で収納しているので、内部部品を固定することなく芯ずれを防ぎながら案内筒体を取付けでき、円筒形状の案内筒体の上部で均等に力を受けて曲げ応力が掛かりにくく、水撃などによる衝撃荷重にも非常に強い形状となる。そのため、内部への充水や排気状況に応じて所定の状態まで作動して管内の空気を確実に排出できる。内部部品を容易に着脱できるため、清掃やメンテナンスも簡単になる。
この内部部品の着脱容易性により、洗管用や臨時の消火栓として利用する際にも簡単に口金を装着でき、口金装着後には内部流路を確保してスムーズに流体を流すことができる。このように、口金を取付けて洗管用や臨時の消火栓用として利用可能に設けているにもかかわらず、空気弁及び通水の双方の機能を十分に発揮できる。内部部品が着脱可能であることから固定用ボルトが不要となり、内部の腐食を抑えることもできることに加えて、組立ても簡単におこなえる。
請求項2に係る発明によると、固定蓋に着脱自在に着脱蓋を取付けていることで、スムーズに着脱蓋を着脱して内部部品を取付けたり取り外しでき、空気弁機能、或は洗管用や臨時の消火栓用としての通気及び通水機能を発揮させるために容易に組み替えることができる。連通部が複数個の切欠き部になっていることで、空気弁として使用するときにはフロート弁体と遊動弁体とを所定の状態に確実に動作させて急速排気や急速吸気、並びに充水時の圧力下排気をおこなって管内の空気を排出でき、洗管用や臨時の消火栓として利用するときには、大流量を確保しながらスムーズに流体を流して優れた通水機能を発揮できる。
請求項3に係る発明によると、側面ガイドにより弁箱に対して案内筒体を芯出ししながら取付けでき、この案内筒体内に配設されたフロート弁体と遊動弁体とを正確に作動させて流体内に混入する空気を確実に排出できる。側面ガイドの案内筒体を位置決め保持可能な位置、すなわち収納室の中部に設け、上下左右をなだらかに内周側部でつなぐことによって弁箱を塗装するときの垂れを防止できる。このため不良品の発生も回避できる。
請求項4に係る発明によると、空気弁として使用する際に、比率の下限を略0.12とすることで多量の排気量を確保しながら空気を排出でき、比率の上限を0.35とすることで所定の差圧に達するまで大空気孔の閉塞を確実に防ぎながら、確実に本体及び管路内への水の充満を完了でき、外部への流出を確実に防止できる。これにより、製品に多少のばらつき等が生じていても、水道用の空気弁として管路に設けた場合に優れた空気の排出性能を確保できる。
請求項5に係る発明によると、弁箱の下部に落下防止用突起を設けていることで、誤ってフロート弁体や遊動弁体を弁内に落としたとしてもこの落下防止用突起に引っ掛かり、これらが本管などの接続配管内に落下することを防止する。
請求項6に係る発明によると、補修弁を取付けてこの補修弁の噴流が起こる向きに案内台座を配置してこれに当たるようにすることで、町野式口金等の口金を装着した場合に補修弁からの噴流が直接弁外に噴出することを防止することができる。
本発明の空気弁の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1の弁箱に口金と補修弁とを取付けた状態を示す断面図である。 図1の空気弁の分離斜視図である。 弁箱の一部切欠き概略平面図である。 弁箱の一部切欠き概略模式図である。 図1のF−F概略端面図である 弁箱の一部切欠き斜視図である。 固定蓋と着脱蓋との取付け状態を示す概略平面図である。 カバーを示す平面図である。 本発明の空気弁の第2実施形態を示す縦断面図である。 本発明の空気弁の第3実施形態を示す縦断面図である。 本発明の空気弁の第4実施形態を示す縦断面図である。 排気性能試験結果を示した図である。
以下に、本発明における空気弁の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1においては、本発明の空気弁の一実施形態を示しており、図2においては、弁箱に口金と補修弁とを取付けて、洗管用や臨時の消火栓用として通水可能に設けた状態を示している。
図1に示すように、本発明の空気弁は、弁箱1、蓋2、案内筒体4、フロート弁体5、遊動弁体6を有し、例えば、図示しない水道本管の配管路などに設けられ、水道水に含まれる空気泡や空気溜まりによる空気を外部に排出するようにしたものである。この場合、特に好ましい空気弁の設置場所としては、管路の敷設勾配が変化するときの最頂部、直線状の水平管路に対して一定間隔(例えば、300〜500m)ごと、水管路の中央部、管路の主弁前後の空気の供給や排気の必要な箇所などがある。
弁箱1は、略筒状に形成され、この弁箱1の上面1aはカバー55で包囲されている。弁箱1の上部開口部1aには蓋2が取付けられており、この蓋2は、固定蓋12と着脱蓋13とからなっている。後述するように、固定蓋12は、弁箱1上部に取付けられ、この固定蓋12に大空気孔26を有する着脱蓋13が着脱自在に取付けられて蓋2が構成されている。
図4、図7に示すように、弁箱1の後述の収納室15の下部には、案内筒体4を載置する案内台座7が設けられ、かつ、この下部に流体流入口8が形成されている。この流体流入口8は、図4のクロスハッチングに示すように、必要流体流入面積Aを有している。案内台座7は、略90°の間隔で弁箱1の内方に向けて突出形成されている。
弁箱1の下部には、必要流体流入面積Aを確保しつつ、略90°の間隔で落下防止用突起9が内方に突出形成して設けられている。この落下防止用突起9は、図5に示すように、フロート弁体5、遊動弁体6の直径よりも内径側に案内弁座7と交互に設けられ、この落下防止用突起9にフロート弁体5、遊動弁体6が係止することでこれらの落下が防がれている。さらに、弁箱1の下部にはフランジ10が設けられ、このフランジ10には後述する補修弁11を取付け可能になっている。
図6に示すように、弁箱1の内部には収納室15が設けられ、この収納室15に案内筒体4を収納可能になっている。収納室15の内周側部15aには、側面ガイド16が突出して形成され、この側面ガイド16により案内筒体4を芯出ししながらガイドして位置決め保持することが可能になっている。このとき、側面ガイド16と案内筒体4の外周囲との間には空隙Sが設けられている。これにより、案内筒体4が側面ガイド16により縮径方向に変形することはない。側面ガイド16は、収納室15の中部側に設けられているが、収納室15の何れの位置に設けるようにしてもよい。側面ガイド16は、鋭利な部分がないように滑らかな形状に形成され、この形状によって塗装の垂れによる不良も防がれている。さらに、弁箱内部の形状が円周形状であることによっても、塗装の垂れやムラが抑えられている。
図3に示すように、弁箱1の上面開口側には嵌合穴17が形成され、この嵌合穴17に着脱蓋13の下方部位が嵌入可能になっている。嵌合穴17の上部側には環状凹溝18が形成され、この環状凹溝18にパッキン19が装着されている。パッキン19は、例えば、シリンダ用の材料で設けられ、このパッキン19により弁箱1と着脱蓋13とがシールされてこれらの間からの漏れが防がれる。嵌合穴17の上端側には段部20が形成され、この段部20にスラストリング21が装着されている。
図3において、弁箱1の側面には弁箱内部と連通する開閉用コック23が設けられている。コック23は、空気弁の分解時においてこの空気弁内の残圧を抜くために設けられている。更に、このコック23により、遊動弁体6に形成される後述の小空気孔24の開口状態も確認可能になっている。例えば、小空気孔24がゴミなどで詰まっている異常な場合(小空気孔24が閉塞している場合)には、この小空気孔24から空気が排出されずに弁内に空気が溜まるため、コック23を開けたときに空気が出ることでこの異常を確認できる。一方、小空気孔24が詰まっていない正常な場合(小空気孔24が閉塞していない場合)には、弁内が充水されて正常に働いていることで、コック23を開けたときに水が出ることでこの正常な状態を確認できる。
弁箱1において、案内台座7、側面ガイド16、嵌合穴17と、固定蓋12を取付けるための取付ボルト25の位置は芯出し加工されている。そのため、弁箱1に対して、固定蓋12、案内筒体4、着脱蓋13を芯ずれさせることなく取付けできる。この構造により、案内筒体4をボルト等で固定する必要がなく、この案内筒体4の着脱が容易になる。
図1に示した着脱蓋13は、短円柱状の形状を有する本体部位を有しており、この本体部位が弁箱1の嵌合穴17に回動自在の状態で嵌合可能になっている。着脱蓋13の中央には上下に貫通する大空気孔26が形成され、この大空気孔26を通って弁箱1内に空気等の流体が吸入排出される。
着脱蓋13の側面には3個のアーム係合片27が等間隔に突出形成されている。着脱蓋13を弁箱1に取付ける際には、このアーム係合片27が弁箱1の段部20に当接した状態でスラストリング21により支持された状態になる。着脱蓋13は、このスラストリング21を介してスムーズに回動可能となる。アーム係合片27の前後側の傾斜角度は異なっており、一方側に緩傾斜面28、他方側に急傾斜面29が形成されている。これらの異なる角度の傾斜により、緩傾斜面28においては、後述する固定蓋12のロックピン装置(ロックピン)30を没入方向に移動させながら着脱蓋13の回動が可能になり、一方、急傾斜面29においては、ロックピン30が完全に内周側に突出して両者が係合することで着脱蓋13の回動ができなくなる。着脱蓋13の上面には2本の支柱32、32が立設形成され、これらの支柱32、32の間には取っ手33が取付けられている。この取っ手33を把持して回転することで着脱蓋13を着脱可能になっている。
案内筒体4は、上方が開口され、この上部には流体を連通させる複数の連通部35が設けられている。案内筒体4の下面側には所定径の孔34が設けられている。この案内筒体4の上部は着脱蓋13の下面13aに係合され、下部側が案内台座7に載置可能になっている。このように、案内筒体4は、案内台座7と着脱蓋13の下面13aとの間に挟み込まれるようにして収納室15に収納される。
案内筒体4の内部には、フロート弁体5とその上方に遊動弁体6を上下に着脱可能に配した状態になっており、これらにより後述のように水道水に含まれる空気を排出できるようになっている。案内筒体4は、着脱蓋13と案内台座7との間の高さ方向に遊びGを設けた状態で装着される。
案内筒体4の連通部35は、複数の切欠き部よりなっており、図3に示すように、本実施形態においては、この切欠き部35は案内筒体4の上部に等間隔で形成され、この切欠き部35により流体が通過するときの面積が決定される。図1において、クロスハッチングに示した切欠き部35の総和の面積である流体通過面積Bと、前記の流体流入口8の必要流体流入面積Aとを比率は、略0.12〜0.35になっている。必要流体流入面積Aを後述する町野式口金40の図示しない通水面積よりも大きくした場合、例えば、0.75MPa以上の圧力では通水時に遊動弁体6が浮上せずに大空気孔26から水が止まらなくなるおそれがある。本実施形態では、止水不良をなくすために必要流体流入面積Aを町野式口金40の通水面積と同程度に抑えた形状とした。これにより、通水時の止水不良が改善される。
フロート弁体5と、遊動弁体6とは、それぞれ弁箱1内の水位に応じて浮力を受けて案内筒体4に案内されつつ、この案内筒体4内をスムーズに上下移動可能になっている。遊動弁体6には小空気孔24が偏芯位置に貫通して形成され、また、この遊動弁体6の上面側にはシールリング41が装着されている。
図8において、固定蓋12は、弁箱1の上面1aのフランジ部分と略同形状に形成され、このフランジ部分に固定ボルト25により固着されている。固定蓋12の中央には中央穴部45が形成され、この中央穴部45は、着脱蓋13を挿入可能な穴径に形成され、この中央穴部45を介して着脱蓋13が挿脱可能に設けられている。さらに、中央穴部45は、着脱蓋13を出入りさせるためにこの着脱蓋13の平面形状に合致するように形成され、この中央穴部45の一部に着脱蓋13のアーム係合片27が通過するための切欠き状の案内部46が形成されている。
この案内部46に続けて、下方に突出するストッパ47が形成されており、このストッパ47は着脱蓋13の回動範囲を設定するために設けられる。ストッパ47には前面部47aと側面部47bとが形成されている。前面部47aは、アーム係合片27の急傾斜面29と衝突可能になっており、この衝突時に固定蓋12を弁箱1から抜き取り可能になっている。側面部47bは、他のアーム係合片27の緩傾斜面28と衝突可能になっており、この衝突位置が、着脱蓋13が正しく装着されるセット位置となる。これらの両方の間において、本実施形態では着脱蓋13を約60°の範囲で回動させることが可能になっている。
本実施形態において、前記ストッパ47を3つの案内部46の全てに設けているが、このストッパ47を案内部46のうちの1箇所だけに形成するようにしてもよい。この場合、その他の2箇所のストッパ47は、前面部47aを形成するだけの小さいものとしてもよい。小さいストッパ47を設けた場合、着脱蓋13の抜き取り時に、アーム係合片27の急傾斜面29が案内部46の縁部位と引っ掛かることがなく、スムーズに抜き取りを実施可能になる。
固定蓋12は、弁箱1の上面1aに載置された状態で固定ボルト25で固定される。固定蓋12の周縁側には垂下状の突出壁50が設けられ、この突出壁50は弁箱1の案内部1cに嵌入可能になっている。突出壁50にはロックピン装置30が設けられ、着脱蓋13はこのロックピン装置30を介して弁箱1に位置決め状態でロックされる。
ロックピン装置30は、図示しないスプリングの付勢力で内方側に向けて突出しており、このロックピン30が着脱蓋13に係合してこの着脱蓋13を所定の状態に位置決め可能になっている。ロックピン30は手指で把持しながら外方向に引っ張ることで着脱蓋13への係止を外すことができ、この係止を解いた状態で着脱蓋13が回動可能になる。
通常時において固定蓋12に着脱蓋13を挿入すると、ロックピン装置30によるロックが作動可能になっている。すなわち、着脱蓋13を挿入して取付け方向に回転させると、この回転に伴ってロックピン30が緩傾斜面28により徐々に押し込まれる。この回転角度が60°に達して急傾斜面29の位置まできたときには、ロックピン30が突出して急傾斜面29に係止してそれ以上の着脱蓋13の回転ができなくなる。従って、このセット位置において、アーム係合片27がストッパ47の側面部47bとロックピン30とにより回動規制を受けてこの位置で固定保持される。
固定蓋12の下面には、着脱蓋13の回動係止用の図8に示す突起部52が形成されている。アーム係合片27は、弁箱1の段部20のスラストリング21と固定蓋12との間に挟まれており、この隙間にはある程度のあそびが設けられている。このため、着脱蓋13を押し下げて回転させると突起部52と衝突することがなく自由に回転できる。一方、水圧を受けて押し上げられた状態で着脱蓋13を回転させようとしても、この着脱蓋13が突起部52と衝突することで回転させることはできない。突起部52は、着脱蓋13がロックピン装置30により回り止めされた状態でアーム係合片27に対向する位置に設けられ、内圧の作用下では着脱蓋13が押し上げられることでセット位置において突起部52と当接状態になる。このとき、着脱蓋13が確実に回動不能になることで安全が図られている。
図8に示すように、固定蓋12と着脱蓋13との各表面側には、位置決め用の表示部53、54が設けられている。この表示部53、54を確認することで、固定蓋12に対する着脱蓋13の固定位置が正しいか否かを判断できる。
図1に示すように、弁箱1にはカバー55が取付けられ、このカバー55は、弁箱上部を覆うような形状に形成され、固定蓋12、着脱蓋13が取付けられた弁箱1の上方側から取付け可能に設けられている。これにより、弁箱1の上部はこのカバー55で着脱自在に包囲されている。カバー55の内面側には、図9に示した位置決めピン56が天面から垂下するように取付けられている。このピン56は、着脱蓋13の正常な取付け状態ではカバー55取付け時にその下端が固定蓋12の案内部46を通ってアーム係合片27の無い箇所に嵌り込み、一方、着脱蓋13が正常でない取付け状態ではこのピン56が前記位置に嵌り込まない位置に設けられている。これにより、カバー55は、着脱蓋13が正常に取付けられているときにのみ装着可能になり、このカバー55を装着するときに着脱蓋13が正しいセット状態であるか否かを判断可能になっている。
図9に示したカバー55の天面には、取っ手33へのボルト57止め用のボルト孔部58が形成され、このボルト孔部58にはやや小径の案内孔部59が連設されている。カバー55の取付け時には、先ずボルト57を少し緩めた状態にし、このボルト57の位置にボルト孔部58を合わせながらカバー55を取っ手33の上面側に載置し、続いてこのカバー55を所定角度で回転させてボルト57を案内孔部59に案内させた状態でボルト57を締付けて固定する。一方、カバー55の取り外し時においても、ボルト57を少し緩めた状態にし、カバー55を回転させてボルト57にボルト孔部58を合わせることで容易に実施できる。このように、ボルト57を完全に取り外すことなくカバー55を着脱でき構造であるため、作業が簡単でありボルト57を紛失するおそれもない。カバー55の回転時には位置決めピン56も回転するが、この位置決めピン56の回転は案内部46内におさまるようになっている。
図2においては、空気弁の弁箱1に補修弁としてボール弁11を取付けながら、通水機能を発揮させた状態を示している。補修弁11は一般に用いられているものであればよく、この補修弁11をボール弁とした場合、ボール弁11のステム60の90°の回動による開閉が可能になる。ボール弁11は、フランジ61を介して図示しない取付ボルトで弁箱1に取付けられているが、フランジ61以外の取付け構造により、ボール弁11を弁箱1に取付けてもよい。ボール弁11を使用する場合、そのボール口径Dを空気弁の内部流路の口径Eと略同じにすることが望ましい。図2では、空気弁の内部部品である案内筒体4、フロート弁体5、遊動弁体6を取り外して、口金40を取付けた状態を示している。この補修弁11で空気弁への水道水の流れを開閉操作可能になっている。補修弁11を開けた状態で前述のコック23を開けることにより、空気弁での作動確認をおこなうことができる。
続いて、上述した第1実施形態における空気弁の動作並びに作用を説明する。
図1において、弁箱1内に水が無いときには、フロート弁体5、遊動弁体6はともに降下して、大空気孔26が開放した状態になる。この状態から急速排気や急速吸気の動作が可能になっている。
急速排気は、図示しない水道本管の管路に充水するときに、管路内の空気を大空気孔26を介して急速に大量に排気するときの動作となる。この急速排気時には、遊動弁体6、フロート弁体5はともに浮き上がることなく案内筒体4の下方に位置するため、大空気孔26が全開状態になる。これにより、管路内の空気が空気弁を介して効率的に外部に排出される。厳密には、この急速排気時に、フロート弁体5、遊動弁体6、案内筒体5の総重量を超える力を流体流入口8側から受けると、遊びBの分上昇することになる。
急速吸気は、管路内の水を排出するときに、空気弁を介して急速に管路内に大量の吸気をおこなうときの動作である。急速吸気時には、遊動弁体6、フロート弁体5が降下した状態となる。これにより、大空気孔26が開口し、この大空気孔26から効率的に吸気することで管路内の排水が迅速におこなわれる。このとき、孔34から案内筒体4内に蓄積した水も排水される。この急速吸気時には、フロート弁体5、遊動弁体6、案内筒体5が遊びBにより上昇することはない。
これらの急速排気、急速吸気により、水道本管への最初の送水や、水道本管からの排水などの作業を短時間でおこなうことができる。
空気弁内への充水が完了し、管路内が満水状態になって弁箱1内が水で満たされているときには、フロート弁体5、遊動弁体6が浮力によって上昇し、遊動弁体6が着脱蓋13の下面13aに密着して大空気孔26を塞ぎ、かつ、フロート弁体5が遊動弁体6の小空気孔24を塞ぐ。これにより、弁箱1内が完全に遮蔽された状態になり、外部への水の流出が防がれる。このとき、案内筒体4の高さ方向に遊びG、外周囲方向に空隙Sを設けていることで案内筒体4は収納室15内を上下動可能になっていることから、着脱蓋13の着脱を容易に行うことができる。
この充水時の圧力下において、水道本管内に混入している空気は徐々に空気弁に集まり、弁箱1内に溜まっていく。この空気量が一定に達すると、先ずフロート弁体5のみが降下し、遊動弁体6の小空気孔24が開いた状態になる。これは、大空気孔26と小空気孔24とにおける孔径の大小関係により、遊動弁体6が大空気孔26を有する着脱蓋13の下面13aから離れないためであり、その結果、フロート弁体5のみが自重により降下する。その際、前記のように小空気孔24が偏芯状態で形成されているため、フロート弁体5の降下が確実におこるようになっている。そして、開口状態の小空気孔24から空気弁内の空気が外部に排出される。空気の排出により弁箱1内の空気量が少なくなると、フロート弁体5が上昇して再び小空気孔24を塞ぐことになる。以上の動作を繰り返すことにより、空気弁を介して本管内に溜まった空気を自動的に弁外に排出することができる。
これらの場合、前述したように案内筒体4が、案内台座7、側面ガイド16及び着脱蓋13で上下左右が取り囲まれた状態で装着されていることにより、弁箱1の中心からずれることがない。円筒部分の上部で均等に力を受けるため、例えば、上部側に挟着用の鍔部を設けた案内筒と比較した場合、曲げ応力が加わりにくく、水撃などによる衝撃荷重に対して非常に強い形状になっている。
空気弁を清掃やメンテナンス等の実施により分解する際には、先ず、図2のボール弁11を全閉状態にして流水路からの流路を遮断する。このとき、空気弁内には残圧がある状態になっている。弁内に残圧があると図1において着脱蓋13が押し上げられて固定蓋12の底面側に密着した状態になり、固定蓋12の底面に設けた圧力下での分解防止用の図7の突起部52により、着脱蓋13の回動が阻止された状態になる。そのため、残圧がある状態では分解できない構造になっている。コック23を開操作することで空気弁内の残圧を抜くことが可能になり、残圧を抜くことで着脱蓋13への押し上げ力が開放されて分解が可能になる。
次いで、カバー55を取り外す。カバー55の取り外し時には、前記したようにボルト57を少し緩め、その状態でカバー55を回転させてボルト57にボルト孔部58を合わせることでカバー55のみの取り外しが可能になる。
続いて、着脱蓋13を取り外す。着脱蓋13の取り外し時には、ロックピン装置30のロックピン30を把持して引っ張ることで急傾斜面29への係止を外しながら、取っ手33を持って着脱蓋13を取り出し可能な方向に所定角度回転させる。弁内が高圧下の場合、着脱蓋13が押し上げられて突起部52に当接することでこの着脱蓋13の回動は阻止されるが、弁内圧力は低下状態にあるため回動に支障はなく、スラストリング21の作用によってスムーズに着脱蓋を回転できる。
着脱蓋13を所定角度にて回転させると、アーム係合片27の急傾斜面29が固定蓋12のストッパ47に当接する。この当接位置において着脱蓋13を引き上げることで抜き取りが可能になる。着脱蓋13を抜き取ることで、遊動弁体6、フロート弁体5、案内筒体4を弁箱1から取り外すことが可能になる。このとき、弁箱1から抜き出すだけで容易に取り外し可能となる。特に、案内筒体4は、パッキン19よりも小さい外径で形成されていることで、この案内筒体4を弁箱1から抜き出すときに引っ掛かることなくスムーズに取り外しできる。このようにして弁体の部品を極めて簡単に分解でき、短時間でこの分解作業を行うことができる。分解作業の所要時間を測定したところ約15秒程度に抑えることができた。
この状態において、分解した部品のゴミなどを取り除いたり、清掃や点検などが可能になっている。なお、清掃や点検時において、固定蓋12を取り外す必要はない。
次に、清掃、点検後に各部品を組付ける場合には、フロート弁体5、遊動弁体6を案内筒体4内に戻した後に着脱蓋13を嵌め込む。着脱蓋13の嵌め込み時には、アーム係合片27と案内部46との位置を合わせながら着脱蓋13を差し込み、この状態から所定角度回転させる。この回転により、ロックピン30がアーム係合片27の緩傾斜面28により自動的に没入方向に移動する。着脱蓋13がセット位置まで達すると、急傾斜面29がロックピン装置30の位置に到達することでロックピン30がスプリングの付勢力で突出して、急傾斜面29側に係合する。このとき、緩傾斜面28がストッパ47の側面部47bに衝突することから、アーム係合片27が両側から挟まれて固定保持される。
この状態でカバー55を取付ける。カバー55の取付け時には、位置決めピン56を所定位置に合わせる必要があり、このピン56を固定蓋12の案内部46の位置に合わせ、かつ、ボルト孔部58の位置を取っ手33のボルト57に合わせて上方から装着する。このようにピン56と案内部46、ボルト57とボルト孔部58の位置を合致させることで、カバー55が着脱蓋13に対して所定の向きに取付けられる。この場合、着脱蓋13が固定蓋12の正確なセット位置まで締め込まれていれば、ピン56の先端側がアーム係合片27に衝突することがない。これにより、カバー55の装着時に着脱蓋13の取付け状態を自然に確認でき、仮に、着脱蓋13の締め込みが不十分である場合には、ピン56がアーム係合片27に衝突してカバー55を所定の状態に装着できなくなることから、容易に着脱蓋13の取付け状態の正否を判断できる。
内部部品の組み込み後には、ボール弁11を全開状態にする。これによって本管より水道水が空気弁内に流入してこの弁内を満たすことで、フロート弁体5と遊動弁体6とが浮上して大空気孔26、小空気孔24を閉塞することが可能になり、空気弁としての機能を発揮できる。
以上のように、本発明の空気弁において、極めて簡単に分解や組立てを実施でき、しかも短時間で迅速におこなうことが可能になっている。
一方、空気弁を洗管用や臨時の消火栓として利用する場合には、上記の分解作業により、内部部品を取り外し、その後、弁箱1に口金40を取付けるようにする。口金40は着脱蓋13の場合と同様に取付け可能であり、その取付け後には口金40に形成した図示しないアーム係合片がストッパ47の側面部47bとロックピン30とにより回動規制を受けることで、所定の取付け位置に固定保持される。口金40の開口側には、図示しないホース等を接続可能になっており、ホースを介して管路内を洗管したり臨時の消火栓として利用できる。更に、管路内の水圧測定や臨時給水口などの各種の用途にも利用することもできる。
内部部品を取り外した状態で町野式口金40を取付けたときには、例えば、口径65Aの流量を確保できる。このように、案内筒体4をボルト止めしていないことで容易に取り外しすることができ、ボルト止めに起因する腐食の発生もなくなり、組立コストも削減される。
この場合、図2に示したように弁箱1の下部に設けたフランジ61にボール弁11が取付けられている。このように弁箱1の内部流路と同じ口径の補修弁11を取付けることで、この補修弁11の開閉により、流路を確保しながら弁箱1を洗管用や臨時の消火栓として用いることができる。このとき、弁箱1の下部に案内台座7を設けていることで、補修弁11を介して流れ込む噴流をこの案内台座7に当たるようにして噴流が直接弁外に噴出することを防止している。
なお、上記実施形態においては、空気弁を水道本管の配管路に設けて水道水内に含まれる空気を排出するようにしたが、対象となる流体を水道水以外の液体としてもよく、また、対象流体を気体とし、この気体に含まれる余分な空気などを排出することもできる。
本発明の空気弁は、上面1aがカバー55で包囲された弁箱1の下部に流体流入口8が形成され、弁箱1の上部開口部1bに大空気孔26を有する蓋2を取付け、弁箱1の収納室15の下部に形成した案内台座7と蓋の下面13aとの間に上方を開口した案内筒体4を挟み込んで弁箱1内の収納室15に案内筒体4を収納し、案内筒体4の内部には、フロート弁体5とその上方に遊動弁体6を上下に配すると共に、案内筒体4の上部に流体を連通させる連通部35を設けているので、カバー55、着脱蓋13の簡単な着脱により、遊動弁体6、フロート弁体5、案内筒体4を着脱し、口金40を取付けることで洗管用や臨時の消火栓として簡単に使用できる。
空気弁として使用する際には、案内筒体4をボルト等で固定することなく着脱蓋13と案内台座7との間に側面ガイド16により芯ずれを防ぎながら保持して取付けでき、遊動弁体6やフロート弁体5を正確に動作させて通水弁としての機能を確実に発揮できる。
蓋2が弁箱1の上部に取付けた固定蓋12とこの固定蓋12に大空気孔26を有する着脱蓋13を着脱自在に取付けて構成しているため着脱蓋13を容易に着脱でき、連通部35を複数個の切欠き部としているので、空気弁として使用するときにはフロート弁体5と遊動弁体6とを確実に作動させることができ、洗管用や臨時の消化栓として使用するときには大流量を確保しながらスムーズに流体を流すことができる。
流体流入口8は必要流体流入面積Aを有し、連通部35を切欠き部としてこの切欠き部35の総和の面積である流体通過面積Bと前記流体流入口8の必要流体流入面積Aとの比率B/Aを略0.12〜0.35としているので、例えば、水道施設の技術的基準である日本水道協会規格 JWWA B 137(水道用急速空気弁)の規格の性能基準値の性能を十分に満たしながら空気を排出でき、かつ、町野式口金等の口金の装着時にはその流量を大きく確保しながら洗管や臨時の消火栓として使用できる。
弁箱1の下部に設けた補修弁11がわずかに開いて噴流が流れるときには、この噴流が案内台座7に当たることで、口金40装着時に噴流が直接弁外に噴出することが防がれる。また、噴流の角度が変わっても、流体が案内台座7又は弁箱1内部又は弁箱口金40内部にあたり、線状に噴出する水が分散されて安全性が確保される。このため、流体が目などに入ることがない。
図10においては、本発明の空気弁の第2実施形態を示している。なお、この実施形態以降の実施形態において、前記実施形態と同一箇所は同一符号によって表し、その説明を省略する。
この実施形態では、流体流入口8の必要流体流入面積Aを小さくし、切欠き部35の総和の面積である流体通過面積Bと流体流入口8の必要流体流入面積Aとの比率B/Aを0.12〜0.35以外の範囲内に設定したものである。このように、流体流入口8を小さくして任意の比率B/Aにすることもできる。この場合、流体流入口8の小径化に伴って落下防止用突起は不要になる。
また、この空気弁の弁箱1の下部にめねじ71を形成し、このめねじ71に補修弁であるボール弁11に形成したおねじ73を螺着して弁箱1とボール弁11とを一体化している。このように、空気弁と補修弁とをフランジ接続以外の接続構造により取付けてもよく、弁箱の流入側の形状の変更などに応じて、各種の接続構造により補修弁を設けることができる。
図11においては、本発明の空気弁の第3実施形態を示している。この実施形態では、一体化した蓋2を設け、この蓋2を固定ボルト25により弁箱1に着脱自在に取付け、カバー55をボルト57で蓋2に着脱自在に取付けたものである。このように、着脱蓋と固定蓋とを分けることなく一体化した蓋2を直接弁箱1に固着し、この蓋2の上からカバー55を取付けることもできる。
図12においては、本発明の空気弁の第4実施形態を示している。この実施形態では、図11に示したような一体化した蓋2の着脱構造を有する空気弁に対して、図10の場合と同様に、弁箱1の下部にめねじ71を形成し、このめねじ71に補修弁であるボール弁11のおねじ73を螺着して弁箱1とボール弁11とを一体化したものである。
更に、本発明の空気弁を上記以外の蓋の着脱構造や補修弁の取付け構造に設けることも可能である。
次に、上述した第1実施形態の空気弁において、弁箱1を図13に示した供試品1〜8までの形状にそれぞれ形成し、排気性能試験を実施した。また、これらの供試品1〜8までと比較するために、図示しない弁箱を比較品として設け、この比較品についても同様に排気性能試験をおこなった。ここで、図13における必要流体流入面積Aは、図4に示した略十字形状のクロスハッチング部分の面積であり、流体通過面積Bは、図1に示したクロスハッチング部分(切欠き部(連通部)35)の総和の面積である。比率Cは、流体通過面積Bを必要流体流入面積Aで除した値である。供試品1〜5は、図1に示した断面形状の弁箱1であり、供試品6〜8は、図1の弁箱1の落下防止用突起の上方側に溝状の切欠き部位を設けて下部からの流体の通過量を増やしたものである。
図13の排気性能試験の結果において、空気弁として使用したときに、規格値(差圧10kPa)に達するまでに大空気孔26が閉塞することがなく、規格値の最小排気量を満足し、かつ通水時に水が止まることの3つの条件を満足したものを試験合否の項目において合格とした。この場合、供試品1、供試品2、供試品4、供試品6、供試品7については、試験可否は合格とするが、判定としては条件付きで良判定とした。その理由としては、供試品1、2については排気量が少なくなり、供試品4については案内筒体が閉塞形状に近づくためである。供試品6、7については、供試品1〜5の形状の弁箱から上述のように下部の流体の通過量を増やしたものであるが、それによる効果が認められなかったからである。これらは前記条件以外の結果については、合格品である供試品3と同様に空気弁としての機能を十分に発揮できた。
比率Cに関して、供試品1、供試品6では0.12になっている。JWWA B 137(水道用急速空気弁)の呼び径25の場合、多量排気量の最小値が1.3(m/min)に対して供試品1では1.461と小さく、これ以上比率Cを下げると、製品のばらつき等で最小値を下回る可能性がある。そのため、比率Cの下限を略0.12とする。
一方、比率Cを0.35よりも上げた場合、供試品5、供試品8の結果より大空気孔26を閉塞する結果となった。そのため比率Cの上限を0.35とする。
以上のことから、良判定の供試品の比率Cは、略0.12〜0.35までの範囲であるとよいことが確認された。
一方、良判定になった急速弁箱(比較品)においては、この急速弁箱の必要流体流入面積Aは491mmであったため、比率Cが3.80と他の良判定に比較して大きくなって前記空気弁の比率Cの範囲外になっている。本発明の空気弁では、水量を確保するために入口面積(必要流体流入面積A)を大きくすることが前提であり、このときの弁体上部の流体通過面積Bの絞りの比率が重要になっている。そのため、比較品の急速弁箱は、本発明の空気弁の技術的思想の対象外といえる。
1 弁箱
1a 上面
1b 上部開口部
2 蓋
4 案内筒体
5 フロート弁体
6 遊動弁体
7 案内台座
8 流体流入口
9 落下防止用突起
11 ボール弁(補修弁)
12 固定蓋
13 着脱蓋
13a 下面
15 収納室
15a 内周側部
16 側面ガイド
26 大空気孔
35 連通部(切欠き部)
55 カバー
61 フランジ
A 必要流体流入面積
B 流体通過面積

Claims (6)

  1. 上面をカバーで包囲した弁箱の下部に流体流入口を形成し、弁箱の上部開口部に大空気孔を有する蓋を取付け、前記弁箱の収納室の下部に形成した案内台座と前記蓋の下面との間に上方を開口した案内筒体を挟み込んで前記弁箱内の収納室に前記案内筒体を収納し、前記案内筒体の内部には、フロート弁体とその上方に遊動弁体を上下に配すると共に、前記案内筒体の上部に流体を連通させる連通部を設けたことを特徴とする空気弁。
  2. 前記蓋は、前記弁箱の上部に取付けた固定蓋とこの固定蓋に大空気孔を有する着脱蓋を着脱自在に取付けて構成し、前記連通部は、複数個の切欠き部とした請求項1に記載の空気弁。
  3. 前記収納室の内周側部に、前記案内筒体を位置決め保持する側面ガイドを形成した請求項1又は2に記載の空気弁。
  4. 前記流体流入口は、必要流体流入面積を有し、前記切欠き部の総和の面積である流体通過面積Bと前記流体流入口の必要流体流入面積Aとの比率B/Aを略0.12〜0.35とした請求項2又は3に記載の空気弁。
  5. 前記必要流体流入面積を確保しつつ、弁箱の下部に落下防止用突起を設けた請求項1乃至4の何れか1項に記載の空気弁。
  6. 前記弁箱の下部に設けたフランジに補修弁を取付け、この補修弁の噴流を前記案内台座に当たるようにして噴流が直接弁外に噴出することを防止した請求項1乃至5の何れか1項に記載の空気弁。
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