JP2013189574A - 樹脂組成物および樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セルロースと、樹脂粒子と、前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒と、を含み、且つ粘度が500Pa・s以上である樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
近年地球規模での環境問題に対して、植物由来の樹脂の利用は、温室効果ガス排出量の低減し得る材料として大きな期待が寄せられている。従来から知られている植物由来の樹脂の一つに、セルロースがある。セルロースは、従来、塗料としての用途や、繊維としての用途では広く利用されているが、セルロースの樹脂成形体への利用に際しては、まだ用いられている例は少ない。
即ち、請求項1に係る発明は、
セルロースと、樹脂粒子と、前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒と、を含み、且つ粘度が500Pa・s以上である樹脂組成物である。
前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒が、水と粘度調整剤とを含む請求項1に記載の樹脂組成物である。
前記セルロースとして、アスペクト比が50以上のセルロースをセルロース全量に対し10質量%以上含む請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物である。
前記セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物である。
前記樹脂粒子としてポリカーボネートを含む請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の樹脂組成物である。
前記ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである請求項5に記載の樹脂組成物である。
前記樹脂粒子の体積平均粒子径が、前記セルロースの長手方向の平均長さ以下である請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項1に記載の樹脂組成物が成形されてなる樹脂成形体である。
請求項1に記載の樹脂組成物が射出成形されてなる請求項7に記載の樹脂成形体である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロースと、樹脂粒子と、前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒(以下単に「不溶溶媒」と称す)と、を含み、且つ粘度が500Pa・s以上である。
これは、セルロースと樹脂粒子とが溶媒中に溶解しない状態で存在しているため、金型表面に対し粘着性が低減されて滑りの発生が起こり、そのため金型への充填性に優れ、その結果射出成形等の方法によっても良好に形成し得るものと推察される。
また、セルロースと樹脂粒子とが溶媒中に溶解しない状態で存在しているため、粘度を500Pa・s以上にすることにより濃度勾配が生じることが抑制され、セルロースが分散性良く存在していることからセルロース同士の絡み合いが良好に発生した状態で成形され、その結果耐衝撃性に優れるものと推察される。
本実施形態におけるセルロースとは、多数のβ−グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然高分子化合物を指し、構成単位であるグルコースとは異なる性質を示す高分子化合物である。いわゆるベータグルカンの一種で、下記構造式(1)で表される繰り返し単位を有する。
本実施形態においては、セルロースとして、アスペクト比が50以上のセルロースを含有することが好ましく、更にはアスペクト比が100以上のセルロースを含有することがより好ましく、アスペクト比が500以上のセルロースを含有することが更に好ましい。
特にアスペクト比が上記範囲であるセルロースを含むことで、セルロース同士の絡み合いがより良好に形成されるため、耐衝撃性に優れた樹脂成型体が得られる。
本実施形態においては以下の方法により、樹脂組成物中または樹脂成形体中に含まれるセルロースのアスペクト比が測定される。樹脂組成物または樹脂成形体を200℃でプレスして厚み500μm以下のフィルムを作製し、顕微鏡観察により1視野内の繊維状のセルロース50個を計測し3視野の平均を求めて算出される。
特にアスペクト比が上記範囲であるセルロースを上記の比率で含有することで、セルロース同士の絡み合いが更に良好に形成されるため、耐衝撃性に優れた樹脂成型体が得られる。
本実施形態における樹脂粒子としては、従来公知の樹脂が用いられる。具体的には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリーレン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリビニルアセタール、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールケトン、ポリエーテルニトリル、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール、ポリパラバン酸等が挙げられ、また芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
また、生分解性樹脂も好ましく用いられ、例えばポリブチレンサクシネート、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、デンプン変性樹脂、セルロース変性樹脂等が用いられる。
尚、樹脂粒子としては特にポリカーボネートが好適に用いられる。ポリカーボネートの溶融温度は一般的に高く、セルロースとポリカーボネートとを含む樹脂組成物を用いて例えば射出成形等の方法により成形する場合に、前記溶融温度にまで昇温するとセルロースは分解してしまう。しかし、本実施形態に係る樹脂組成物ではセルロースと樹脂粒子とをこの両者を溶解しない溶媒中に含むため、粘度が高いまま射出成形等の方法によって成形し得るものであり、つまりセルロースが分解しない温度での成形が行える。また、ポリカーボネートを含むことで難燃性や耐熱性に優れた樹脂成形体が得られる。
尚、上記メルトボリュームフローレイトはメルトインデックサF−F01((株)東洋精機製作所製)を用いて、ISO1133に従い300℃,荷重1.2kgfの条件で測定される。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)などが挙げられる。上記の中でも、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が望ましい。
前記樹脂粒子の体積平均粒子径としては、0.01μm以上1000μm以下であることが好ましく、更には0.05μm以上500μm以下であることがより好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒子径がセルロースの長手方向の平均長さ以下であることにより、セルロースが樹脂組成物中において分散性良く存在し、セルロース同士の絡み合いがより良好に形成されるため、耐衝撃性に優れた樹脂成型体が得られる。
(アパーチャー径(μm):測定レンジ(μm))
20μm:0.4μmから12μm
30μm:0.6μmから18μm
50μm:1.0μmから3.0μm
70μm:1.4μmから42μm
100μm:2.0μmから60μm
140μm:2.8μmから84μm
200μm:4.0μmから120μm
280μm:5.6μmから168μm
400μm:8.0μmから240μm
560μm:11.2μmから336μm
1000μm:20μmから600μm
2000μm:40μmから1200μm
本実施形態におけるセルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒(不溶溶媒)としては樹脂粒子の種類によって選択されるが、例えば水、メタノール、エタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールなどのアルコール類や、これらの混合物等が挙げられ、これらの中でも特に水が好ましい。
尚、上記粘度調整剤は、最終的な樹脂組成物が求められる粘度となる量で用いられる。
セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒(不溶溶媒/例えば、水や、水と粘度調整剤との混合溶媒等)に対する、セルロースと樹脂粒子との総含有量としては、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
・難燃剤
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに難燃剤を添加してもよい。
上記難燃剤としては、例えば、リン系、シリコーン系、含窒素系、硫酸系、無機水酸化物系等の難燃剤が用いられる。
上記リン系難燃剤としては、縮合リン酸エステル、リン酸メラミン、リン酸アンモニウム、リン酸アルミニウムなどが、上記シリコーン系難燃剤としては、ジメチルシロキサン、ナノシリカ、シリコーン変性ポリカーボネートなどが、上記含窒素系難燃剤としては、メラミン化合物、トリアジン化合物などが、上記硫酸系難燃剤としては、硫酸メラミン、硫酸グアニジンなどが、上記無機水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの中でも、特に縮合リン酸エステルがポリカーボネートへの流動性付与および難燃効果の高さから好適に用いられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、効果を損なわない範囲で上記以外の他の成分を含んでもよい。該他の成分としては、例えば、ドリップ防止剤(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、可塑剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等が挙げられる。
上記他の成分の配合比は、樹脂組成物における固形分中0質量%以上10質量%以下であることが望ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより望ましい。ここで、「0質量%」とは上記他の成分を含まない形態を意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、水や、水と粘度調整剤との混合溶媒等の不溶溶媒に対し、前述のセルロースや樹脂粒子、その他の成分を添加し混練することにより製造される。ここで、上記混練の手段としては公知の手段を用いられ、例えば、ベンチニーダー、双腕型ニーダー、二軸押出機、高速ミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、遊星ボールミル等が挙げられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物はその粘度が500Pa・s以上であり、更には800Pa・s以上であることが好ましく、1000Pa・s以上であることがより好ましい。
上記範囲のごとく粘度が高い樹脂組成物であることにより、固液分離がなく、セルロース繊維と樹脂粒子とが溶媒中に溶解しない状態で存在し、濃度勾配が生じることが抑制され、セルロース繊維が分散性良く存在していることから絡み合いが良好に発生した状態で簡易に樹脂成形体が製造される。
本実施形態に係る樹脂成形体は、前述の本実施形態に係る樹脂組成物が成形されてなる。尚、例えば射出成形、押し出し成形、熱プレス成形、カレンダ成形、トランスファ成形などの成形方法により本実施形態に係る樹脂組成物が成形され、中でも射出成形によって成形されてなることが好ましい。
この際、シリンダ温度としては、20℃以上120℃以下とすることが望ましく、50℃以上100℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、不溶溶媒の沸点以上の温度で、樹脂粒子の軟化温度以上溶融温度以下が望ましい。具体的には100℃以上220℃以下とすることが望ましく、110℃以上200℃以下とすることがより望ましい。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(回収コピー用紙解砕品、アスペクト比:50(長軸長さ1000μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート(非晶性PC)、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径105μm、MVR11cm3/10min) 40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
上記水とポリビニルアルコール(粘度調整剤)との混合溶媒(不溶溶媒)に、上記の成分を添加(固形分50質量%)し、5lの混合槽および2枚のスクリュー型羽根を備えるベンチニーダーを用いて回転数60rpmで20min混練を行い、樹脂組成物を作製した。
尚、得られた樹脂組成物の粘度は5400Pa・sであった。
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を80℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定して水分をキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
・セルロース繊維(ダイセルファインケム社製、商品名:セリッシュKY−100G、アスペクト比(測定値):760(長軸長さ380μm、短軸長さ0.5μm))20部
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 30部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径105μm、MVR:11cm3/10min)
40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(ダイセルファインケム社製、商品名:セリッシュKY−100G、アスペクト比:760(長軸長さ380μm、短軸長さ0.5μm)) 10部
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 40部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径105μm、MVR:11cm3/10min)
40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(ダイセルファインケム社製、商品名:セリッシュKY−100G、アスペクト比:760(長軸長さ380μm、短軸長さ0.5μm)) 10部
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 40部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径105μm、MVR:11cm3/10min)
40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径105μm、MVR:11cm3/10min)
40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径105μm、MVR:11cm3/10min)
40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(回収コピー用紙解砕品、アスペクト比:50(長軸長さ1000μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性スチレン−ブタジエン共重合体(非晶性SB)、日本ゼオン(株)社製、商品名:Niplo LX433C、体積平均粒子径0.1μm) 40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート(結晶性PC)、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化し分級、体積平均粒子径75μm、MVR:11cm3/10min) 40部
・ポリN−イソプルピルアクリルアミド(分子量Mw:7.5万) 10部
・メタノール 100部
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を60℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定してメタノールをキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BWW40、アスペクト比:10(長軸長さ200μm、短軸長さ20μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化し分級、体積平均粒子径350μm、MVR:11cm3/10min) 40部
・ポリビニルアルコール(和光純薬社製、重合度1500) 10部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例1に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・成形状態
以下の評価基準により成形された試験片の成形状態を評価した。
○:エッジまで充填されヒケがない
△:エッジまで充填されずにショートしている
×:射出成形機で成形し得なかった
セルロースの熱分解による着色の発生の有無を、試験片を目視することで評価した。
試験片を用い、以下の方法により耐衝撃性の指標であるフラットワイズ試験を行った。
厚さ2mm、幅13mmの短冊状サンプルをJIS K7111(2006年)に従ってデジタル衝撃試験機DG−UB型 ((株)東洋精機製作所製)を用いてフラットワイズ式にて測定を行った。
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 30部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート(非晶性PC)、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径28μm、MVR:11cm3/10min) 53部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・ポリアクリルアミド(東京化成社製、Mw60万から100万) 5部
・水 100部
上記水とポリアクリルアミド(粘度調整剤)との混合溶媒(不溶溶媒)に、上記の成分を添加(固形分50質量%)し、5lの混合槽および2枚のスクリュー型羽根を備えるベンチニーダーを用いて回転数60rpmで20min混練を行い、樹脂組成物を作製した。
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)に金型温度調整機を取り付け、型内圧ガス抜きライン付専用金型を用い、シリンダ温度を80℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を180℃に設定して水分をキャビティー内で蒸発・乾燥させて定められた圧力を印加し試験片を作製した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 30部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート(結晶性PC)、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化し分級、体積平均粒子径28μm、MVR:11cm3/10min) 53部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・ポリアクリルアミド(東京化成社製、Mw60万から100万) 5部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例10に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを粉砕、分級品、体積平均粒子径28μm、MVR:11cm3/10min) 33部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・ポリアクリルアミド(東京化成社製、Mw60万から100万) 5部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例10に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(結晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Yを結晶化および微粒子化し分級、体積平均粒子径28μm、MVR:11cm3/10min) 33部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
・ポリアクリルアミド(東京化成社製、Mw60万から100万) 5部
・水 100部
組成を上記の通り変更した以外は、実施例10に記載の方法により樹脂組成物を作製し、樹脂成形体(試験片)を形成した。
−樹脂組成物の作製−
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 30部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Y、MVR:11cm3/10min) 53部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
上記の成分を、2軸押し出し機を用いて250℃で溶融混練しペレット化した。この段階でセルロースの分解によると思われる焦げ臭と褐色の着色が起こった。
射出成型機(日精樹脂社製、商品名:NEX15)を用い、シリンダ温度を250℃に設定して上記樹脂組成物を金型内に充填して形状を付与し、金型温度を80℃に設定して試験片を作製した。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 30部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Y、MVR:11cm3/10min) 53部
上記の成分を、2軸押し出し機を用いて250℃で溶融混練しペレット化した。ペレット化したものをアセトンに浸漬攪拌してポリカーボネートの結晶化を行った。次に、以下の難燃剤をドライブレンドした。
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
次いで、比較例1に記載の方法により樹脂成形体(試験片)を形成しようとしたが、溶融粘度が高いため射出圧力が高くなり射出成形し得なかった。また計量搬送時のスクリューの異音が発生し、セルロース繊維の分解によると思われる焦げ臭の発生などがあった。
・セルロース繊維(レッテンマイヤー社製、商品名:ARBOCEL BE600−30、アスペクト比:1.7(長軸長さ30μm、短軸長さ18μm)) 50部
・熱可塑性樹脂(非晶性ポリカーボネート、帝人化成社製、商品名:パンライトL−1225Y、MVR:11cm3/10min) 33部
・難燃剤(リン系難燃剤、大八化学社製、PX200) 17部
組成を上記の通り変更した以外は、比較例1に記載の方法により樹脂組成物を作製した。
次いで、比較例1に記載の方法により樹脂成形体(試験片)を形成しようとしたが、溶融粘度が高いため射出圧力が高くなり射出成形し得なかった。また計量搬送時のスクリューの異音が発生し、セルロース繊維の分解によると思われる焦げ臭の発生などがあった。
UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ2mm)を用いて、UL−94の垂直燃焼試験を行い、UL−94規格の判定基準に従って、難燃性が高い方から順にV−0、V−1、V−2、HBおよび燃焼(NG)の5つのランクで判定した。
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体
Claims (9)
- セルロースと、樹脂粒子と、前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒と、を含み、且つ粘度が500Pa・s以上である樹脂組成物。
- 前記セルロースおよび樹脂粒子を溶解しない溶媒が、水と粘度調整剤とを含む請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記セルロースとして、アスペクト比が50以上のセルロースをセルロース全量に対し10質量%以上含む請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記セルロースと樹脂粒子との総量に対する前記セルロースの含有量が25質量%以上である請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂粒子としてポリカーボネートを含む請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリカーボネートが結晶性ポリカーボネートである請求項5に記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂粒子の体積平均粒子径が、前記セルロースの長手方向の平均長さ以下である請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1に記載の樹脂組成物が成形されてなる樹脂成形体。
- 請求項1に記載の樹脂組成物が射出成形されてなる請求項7に記載の樹脂成形体。
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