JP2013189261A - 紙葉類収納繰出装置及び紙葉類取扱装置 - Google Patents

紙葉類収納繰出装置及び紙葉類取扱装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも最後の1枚まで的確に繰り出す。
【解決手段】本発明は、複数の紙葉類を重ねて収納する紙幣類収納部と、複数の紙葉類を一方の端に位置する紙葉類から順に1枚ずつ繰出側へ送り出すための送出ローラと、複数の紙葉類の他方の端側から一方の端側へ移動可能に設けられ、一面に1枚の他端紙葉類を接触させて一方の端側へ移動して当該一方の端の1枚の紙葉類を送出ローラに押し付けるようにして複数の紙葉類を付勢する付勢部と、付勢部の一面の材質を部分的に変更する材質変更部とを設けることにより、紙葉類収納部により、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも、材質変更部による付勢部の一面の材質の部分的な変更によって他端紙葉類に繰出用に最適な摩擦力を作用させることができ、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも最後の1枚まで的確に繰り出することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は紙葉類収納繰出装置及び紙葉類取扱装置に関し、例えば、紙幣の入金及び出金の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)、及び当該現金自動預払機に設けられた紙幣収納繰出庫に適用して好適なものである。
従来の現金自動預払機には、それぞれ金類別の紙幣を収納し、当該紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す同様構成の複数の紙幣収納繰出庫が設けられていた。
そして、このような現金自動預払機に設けられる複数の紙幣収納繰出庫としては、例えば、図31に示すように構成されたものがある。
図31に示すように、紙幣収納繰出庫200は、略箱型の紙幣収納部201を有している。因みに、以下の説明では、図中に矢印a10で示す方向(すなわち、紙面左側)を左方向とも呼び、これとは逆の方向を、右方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、図中に矢印b10で示す方向(すなわち、紙面上側)を上方向とも呼び、これとは逆の方向を、下方向とも呼び、さらに矢印c10で示す方向(すなわち、紙面手前側)を前方向とも呼び、これとは逆の方向を、後方向とも呼ぶ。
そして紙幣収納繰出庫200は、図示しない昇降機構を介して紙幣収納部201内にビルプレス202が昇降可能に設けられ、当該紙幣収納部201内においてビルプレス202と収納部底板201Aとの間に複数の紙幣203を積層するように収納している。
また紙幣収納繰出庫200は、紙幣収納部201の下側に、前方向と平行な図示しない回転軸に取り付けられた複数の送出ローラ(以下、これをピックアップローラとも呼ぶ)204が、それぞれ周側面の一部を収納部底板201Aに穿設された孔部を介して当該紙幣収納部201内に入り込ませるようにして配置されている。
さらに紙幣収納繰出庫200は、紙幣収納部201の下左縁の近傍に、前方向と平行な図示しない回転軸に取り付けられた円筒状のフィードローラ205が配置されている。そしてフィードローラ205は、例えば、中央部に周側面の一周に亘る凹部が形成されている。
さらに紙幣収納繰出庫200は、フィードローラ205のほぼ真上に、前方向と平行な図示しない回転軸に取り付けられた円筒状の分離ローラ206が配置されている。
そして分離ローラ206は、例えば、一端部及び他端部にそれぞれ周側面の一周に亘る凹部が形成され、当該分離ローラ206の周側面の凹部及び凸部を、フィードローラ205の周側面の対向する凸部及び凹部と僅かにかみ合わせている。
さらにまた紙幣収納繰出庫200は、フィードローラ205の左斜上に、前方向と平行な図示しない回転軸に取り付けられた2つの従動ローラ207が、その周側面の一部をフィードローラ205の周側面の凸部の一部(すなわち、一端側部び他端部)に押し付けるようにして配置されている。
これにより紙幣収納繰出庫200は、紙幣203の繰出時、昇降機構を介してビルプレス202を下降させて複数の紙幣203全体を下方向に付勢した状態で、当該複数の紙幣203のうち最も下の紙幣203を複数のピックアップローラ204の周側面に押し付ける。
この状態で紙幣収納繰出庫200は、分離ローラ206を回転させないようにしたまま、図示しないモータの駆動に応じてフィードローラ205を、その回転軸を中心にして矢印d10に示す反時計回方向へ回転させると共に、これに連動させて複数の従動ローラ207を、その回転軸を中心にして時計回方向へ回転させる。
また紙幣収納繰出庫200は、係るモータの駆動に応じて複数のピックアップローラ204も、その回転軸を中心にして反時計回方向へ回転させる。
これにより紙幣収納繰出庫200は、複数のピックアップローラ204により、紙幣収納部201の収納部底板201とビルプレス202との間の複数の紙幣203を下から順に取り出すようにしてフィードローラ205及び分離ローラ206の間に送り出す。
そして紙幣収納繰出庫200は、複数のピックアップローラ204によって取り出された紙幣203をフィードローラ205及び分離ローラ206の間に挟み込みながら送り出し、引き続き当該フィードローラ205及び複数の従動ローラ207の間に挟み込みながら送り出す。
ただし、紙幣収納繰出庫200は、この際、何ら回転させない分離ローラ206により、その周側面に接触する紙幣203に対し、フィードローラ205が当該紙幣203に従動ローラ207側へ送り出すように加える所定の外力よりも小さい所定の摩擦力(すなわち、紙幣203を分離ローラ206の周側面に接触したままにしようとする摩擦力)を作用させている。
よって紙幣収納繰出庫200は、複数のピックアップローラ204により、収納部底板201A上から一度に例えば2枚の紙幣203をフィードローラ205及び分離ローラ206側に送り出したとしても、当該分離ローラ206によって分離するようにして、フィードローラ205及び複数の従動ローラ207の間に1枚ずつ通している。
このようにして紙幣収納繰出庫200は、紙幣収納部201内の複数の紙幣203を下から順に1枚ずつ分離して外部に繰り出していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−44708公報(第3頁、第4頁、図1、図2)
ところで、係る構成の現金自動預払機では、例えば、上述の紙幣203として日本の円紙幣を扱うようになされており、その円紙幣の材質(すなわち、和紙)に応じて、ビルプレス202の材質がプラスチックのように適宜選定されている。
これにより現金自動預払機では、紙幣収納繰出庫200から紙幣収納部201内の複数の円紙幣を下から順に繰り出す際、ビルプレス202の一面に接触している1枚の円紙幣に、当該ビルプレス202の一面との接触に応じた繰出用に最適な摩擦力を作用させている。
因みに、ビルプレス202の一面に直に接触している1枚の円紙幣は、紙幣収納繰出庫200から最終的(すなわち、最後)に繰り出される1枚の円紙幣であり、以下、これを最終円紙幣とも呼ぶ。
また、最終円紙幣にビルプレス202の一面との接触に応じて作用する摩擦力は、当該最終円紙幣をビルプレス202の一面に接触させたままにしようとする摩擦力であり、以下、これを円紙幣摩擦力とも呼ぶ。
よって現金自動預払機は、紙幣収納繰出庫200からの円紙幣の繰出時、最終円紙幣よりも下側の円紙幣に複数のピックアップローラ204の回転によって送出用の所定の外力を加えても、当該最終円紙幣をビルプレス202の一面に対して何ら滑らせることなく、その下側の複数の円紙幣を順に1枚ずつフィードローラ205側へ送り出している。
また現金自動預払機は、最終円紙幣については、ビルプレス202を介して複数のピックアップローラ204に押し付けながら、当該複数のピックアップローラ204の回転によって送出用の外力を直接加えることで、ビルプレス202の一面上で滑らせるようにしてフィードローラ205側へ送り出している。
ところが、現金自動預払機では、例えば、複数の紙幣収納繰出庫200の構成を変えずに各国の紙幣(因みに、以下の説明では、各国の紙幣のうち、円紙幣を除く紙幣を、海外紙幣とも呼ぶ)を扱うような場合、複数の紙幣収納繰出庫200により円紙幣とは材質の異なる海外紙幣を収納し、また繰り出すことになる。
すなわち、紙幣の材質は、例えば、上述のように円紙幣であれば和紙であるものの、米国のドル紙幣であれば綿及び麻であり、また豪州のドル紙幣であればプラスチックであるように、その紙幣を発行している国によって異なっている。
そして現金自動預払機では、紙幣収納繰出庫200から紙幣収納部201内の複数の海外紙幣を下から順に繰り出すような場合、プラスチックのビルプレス202の一面に接触している1枚の海外紙幣に、当該ビルプレス202の一面との接触に応じて、上述の円紙幣摩擦力とは大きさの異なる摩擦力が作用する。
因みに、ビルプレス202の一面に接触している1枚の海外紙幣は、紙幣収納繰出庫200から最終的(すなわち、最後)に繰り出される1枚の海外紙幣であり、以下、これを最終海外紙幣とも呼ぶ。
また、最終海外紙幣とビルプレス202の一面との接触に応じて作用する摩擦力は、当該最終海外紙幣をビルプレス202の一面に接触させたままにしようとする摩擦力であり、以下、これを海外紙幣摩擦力とも呼ぶ。
そして現金自動預払機では、例えば、複数のピックアップローラ204の回転によって海外紙幣に加える送出用の外力よりも海外紙幣摩擦力が比較的大きいと、複数のピックアップローラ204により最終海外紙幣を複数のフィードローラ205側へ送り出そうとしても、当該最終海外紙幣がビルプレス202の一面に貼り付いたようになりフィードローラ205側へは送り出せなくなる。
また現金自動預払機では、例えば、複数のピックアップローラ204の回転によって海外紙幣に加える送出用の外力よりも海外紙幣摩擦力が比較的小さいと、複数のピックアップローラ204により最終海外紙幣よりも数枚下の海外紙幣を送り出す際、当該数枚下の海外紙幣から最終海外紙幣までを束にして複数のフィードローラ205側へ送り出し、当該複数のフィードローラ205及び分離ローラ207の間に詰まらせることになる。
このように現金自動預払機では、材質の異なる各国の紙幣を扱う場合、その紙幣の材質によっては、紙幣収納繰出庫200から最後の1枚又は数枚を的確には繰り出し難いという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも最後の1枚まで的確に繰り出し得る紙葉類収納繰出装置及び紙葉類取扱装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、複数の紙葉類を積層するように重ねて収納する紙幣類収納部と、紙葉類繰出時、紙葉類収納部に重ねて収納された複数の紙葉類を一方の端に位置する紙葉類から順に1枚ずつ繰出側へ送り出すための送出ローラと、重ねられた複数の紙葉類の他方の端側から一方の端側へ移動可能に設けられ、紙葉類繰出時、一面に複数の紙葉類のうち他方の端の1枚の他端紙葉類を接触させて一方の端側へ移動することにより当該一方の端の1枚の紙葉類を送出ローラに押し付けるようにして複数の紙葉類を付勢する付勢部と、付勢部の一面の材質を部分的に変更する材質変更部とを設けるようにした。
従って本発明では、紙葉類収納部により、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも、紙葉類繰出時、材質変更部による付勢部の一面の材質の部分的な変更によって他端紙葉類に繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
本発明によれば、複数の紙葉類を積層するように重ねて収納する紙幣類収納部と、紙葉類繰出時、紙葉類収納部に重ねて収納された複数の紙葉類を一方の端に位置する紙葉類から順に1枚ずつ繰出側へ送り出すための送出ローラと、重ねられた複数の紙葉類の他方の端側から一方の端側へ移動可能に設けられ、紙葉類繰出時、一面に複数の紙葉類のうち他方の端の1枚の他端紙葉類を接触させて一方の端側へ移動することにより当該一方の端の1枚の紙葉類を送出ローラに押し付けるようにして複数の紙葉類を付勢する付勢部と、付勢部の一面の材質を部分的に変更する材質変更部とを設けるようにしたことにより、紙葉類収納部により、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも、紙葉類繰出時、材質変更部による付勢部の一面の材質の部分的な変更によって他端紙葉類に繰出用に最適な摩擦力を作用させることができ、かくして、どのような材質の紙葉類を扱う場合でも最後の1枚まで的確に繰り出し得る紙葉類収納繰出装置及び紙葉類取扱装置を実現することができる。
本発明による現金自動預払機の外観構成の第1の実施の形態を示す略線的斜視図である。 第1の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。 第1の実施の形態による紙幣収納繰出庫の外観構成を示す略線的斜視図である。 紙幣収納繰出庫内のステージ及び昇降駆動部の構成を示す略線的斜視図である。 第1の実施の形態による材質変更部の構成を示す略線的側面図である。 材質変更部による材質変更板の切り換えの説明に供する略線的上面図である。 第1摩擦力変更処理手順を示すフローチャートである。 紙幣収納繰出庫への紙幣の収納の説明に供する略線的側面図である。 紙幣収納繰出庫からの紙幣の繰り出しの説明に供する略線的側面図である。 第2の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。 第2の実施の形態による材質変更部の構成を示す略線的側面図である。 材質変更部による材質変更板の切り換えの説明に供する略線的上面図である。 第3の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。 第3の実施の形態による材質変更部の構成(1)を示す略線的側面図である。 第3の実施の形態による材質変更部の構成(2)を示す略線的上面図である。 物体同士の接触によって作用する摩擦力の特性を示す略線図である。 左摩擦力変更ローラ及び右摩擦力変更ローラの紙幣接触部分の面積の変更(1)の説明に供する略線的上面図である。 左摩擦力変更ローラ及び右摩擦力変更ローラの紙幣接触部分の面積の変更(2)の説明に供する略線的上面図である。 第2摩擦力変更処理手順を示すフローチャートである。 第4の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。 第4の実施の形態による材質変更部の構成(1)を示す略線的側面図である。 第4の実施の形態による材質変更部の構成(2)を示す略線的上面図である。 第3摩擦力変更処理手順を示すフローチャートである。 第5の実施の形態による現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。 第5の実施の形態による材質変更部の構成(1)を示す略線的側面図である。 第5の実施の形態による材質変更部の構成(2)を示す略線的上面図である。 第4摩擦力変更処理手順を示すフローチャートである。 他の実施の形態による第5摩擦力変更処理手順を示すフローチャートである。 他の実施の形態による材質変更部の構成を示す略線的斜視図である。 他の実施の形態による材質変更板の変更の説明に供する略線的斜視図である。 従来の紙幣収納繰出庫の構成を示す略線的側面図である。
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)第1の実施の形態
(2)第2の実施の形態
(3)第3の実施の形態
(4)第4の実施の形態
(5)第5の実施の形態
(6)他の実施の形態
(1)第1の実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した、各国の紙幣(すなわち、材質の異なる種々の紙幣)を扱うことのできる現金自動預払機の外観構成を示す。かかる現金自動預払機1は、略箱型の筐体(以下、これを預払機筐体とも呼ぶ)2を有している。
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す左の方向を、左方向とも呼び、当該左方向とは逆の方向を、右方向とも呼ぶ。
また、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す上の方向を、上方向とも呼び、当該上方向とは逆の方向を、下方向とも呼ぶ。
さらに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す手前の方向を、前方向とも呼び、当該前方向とは逆の方向を、後方向とも呼ぶ。
預払機筐体2の前側上端部には、前面2Aよりも後面2B側に凹むように略L字状に形成されたフロントパネル3が設けられている。
フロントパネル3において上方向に向くほぼ水平な上向パネル3Aには、例えば、左寄りに、種々の操作画像の表示及び表面へのタッチ操作が可能なタッチスクリーン4が設けられている。
またフロントパネル3の上向パネル3Aには、例えば、右寄りに、長方形の紙幣を投入し、また取り出すための紙幣投入取出部5が設けられている。
一方、フロントパネル3において前方向に向くほぼ垂直な前向パネル3Bには、例えば、左寄りに、取引の際に通帳を挿入し、また当該通帳や取引明細書を排出するための通帳挿入排出口7が設けられている。
またフロントパネル3において前向パネル3Bには、例えば、右寄りに、取引の際にキャッシュカードやクレジットカード等の種々のカードを挿入及び排出するためのカード挿入排出口8も設けられている。
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン4に操作画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン4の表面へのタッチ操作に応じて操作画像を適宜切り換えて表示する。
これにより現金自動預払機1は、顧客に操作画像を介して、現金の預け入れのような入金や払い出しのような出金等の所望の取引の手順を案内する。
そして現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8に通帳やカードを挿入させ、また紙幣投入取出部5に入金用の紙幣を投入させる。
また現金自動預払機1は、顧客に、その案内に従って通帳挿入排出口7やカード挿入排出口8から排出した通帳や取引明細書、カードを受け取らせ、紙幣投入取出部5から出金用の紙幣を取り出させる。このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する紙幣の入金や出金等の取引を行うことができる。
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、現金自動預払機1の内部構成について説明する。図2に示すように、現金自動預払機1の預払機筐体2内には、上述の紙幣投入取出部5が上向パネル3Aに対応させて配置されている。
また預払機筐体2内には、紙幣投入取出部5の後斜下に、紙幣鑑別用の各種センサを有する鑑別部10が配置されると共に、当該紙幣投入取出部5及び鑑別部10の後側に紙幣を一時的に保持する一時保留部11が配置されている。
さらに預払機筐体2内には、鑑別部10の下側に、それぞれ紙幣を種類別(すなわち、日本の1万円紙幣や米国の1ドル紙幣等のように発行国及び金類別)に収納する(すなわち、それぞれ特定の1種類の紙幣のみを収納する)複数の紙幣収納繰出庫12乃至15が、前から後へ順に並べて配置されている。
さらに預払機筐体2内には、一時保留部11の下に、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15に紙幣を補充し、また複数の紙幣収納繰出庫12乃至15から紙幣を回収するための補充回収庫16が着脱可能に装着されている。
さらに預払機筐体2内には、補充回収庫16の下に、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣(以下、これを特にリジェクト紙幣とも呼ぶ)を収納するためのリジェクト庫17が着脱可能に装着されている。
さらにまた預払機筐体2内には、これら紙幣投入取出部5、鑑別部10、一時保留部11、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15、補充回収庫16及びリジェクト庫17の間に図示しない複数の搬送部が順に接続されて配置されている。
これにより預払機筐体2内には、これら複数の搬送部により、紙幣投入取出部5、鑑別部10、一時保留部11、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15、補充回収庫16及びリジェクト庫17の間で紙幣を搬送する搬送路18が形成されている。
因みに、預払機筐体2では、例えば、搬送路18を介して長方形の紙幣を、一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させて(すなわち、紙幣の長手方向を左方向とほぼ平行にして)一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送する。
なお、以下の説明では、紙幣の長手方向を、紙幣長手方向とも呼び、当該紙幣の短手方向を、紙幣短手方向とも呼ぶ。
よって預払機筐体2では、紙幣投入取出部5、鑑別部10、一時保留部11、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15、補充回収庫16及びリジェクト庫17において紙幣を、その搬送姿勢に応じて一方の短辺を左側に位置させ、かつ他方の短辺を右側に位置させた(すなわち、紙幣長手方向を左方向とほぼ平行にした)姿勢で取り扱っている。
実際、預払機筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御して紙幣の入金処理及び出金処理等を実行するマイクロプロセッサ構成の制御部19が設けられている。
因みに、制御部19は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、入金処理や出金処理等の種々の処理を実行するための各種プログラムと共に、これら種々の処理に用いる各種情報を記憶するメモリとを有している。
これにより制御部19は、紙幣の入金時、顧客により紙幣投入取出部5に入金用の1又は複数の紙幣が投入されると、当該紙幣投入取出部5から1又は複数の紙幣を1枚ずつ繰り出し搬送路18を介して鑑別部10へ搬送する。
ここで、制御部19のメモリには、例えば、現金自動預払機1で扱うことが想定される、各国の紙幣に関する発行国や金種等の各種情報がデータベース(以下、これを紙幣データベースとも呼ぶ)化されて予め記憶されている。
そして鑑別部10は、搬送路18を介して搬送された紙幣を1枚ずつ内部に通しながら、紙幣鑑別用の各種センサを介して種々の情報を得る。
このようにして鑑別部10は、内部に紙幣を1枚ずつ通す毎に各種センサから得られる情報を、制御部19のメモリ内の紙幣データベースと照合して当該紙幣の種類(すなわち、日本の1万円紙幣や米国の1ドル紙幣等のような紙幣の発行国及び金種)を鑑別する。
また鑑別部10は、このとき各種センサから得られる情報に基づき、紙幣の状態(すなわち、破損の有無や折れの有無等)も鑑別して、これら紙幣の種類及び状態の鑑別結果を制御部19に通知する。
よって制御部19は、この際、鑑別部10から与えられる紙幣の鑑別結果に応じて、当該鑑別部10によって鑑別された紙幣の種類及び状態を認識する。
その結果、制御部19は、鑑別部10から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、搬送路18を介して一時保留部11へ搬送して一時的に保持させることにより、当該紙幣の入金を保留する。
また制御部19は、鑑別部10から破損や折れ等により異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として搬送路18を介して紙幣投入取出部5へ搬送することにより、顧客に当該紙幣投入取出部5から取り出させるようにして返却する。
このようにして制御部19は、鑑別部10において、紙幣投入取出部5内に投入された入金用の紙幣が全て鑑別されると、正常であると鑑別された紙幣の総額(すなわち、入金の金額)を、タッチスクリーン4を介して顧客に提示する。
その結果、制御部19は、入金の金額を確認した顧客によりタッチスクリーン4を介して紙幣の入金が指示されると、一時保留部11から一時的に保持していた紙幣を1枚ずつ繰り出し搬送路18を介して鑑別部10へ搬送して、当該鑑別部10において再び上述と同様に紙幣の種類及び状態を鑑別させる。
そして制御部19は、鑑別部10から種類が鑑別され、かつ正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、搬送路18を介して、その鑑別された種類に応じた紙幣収納繰出庫12乃至15へ搬送して収納する。
ただし、制御部19は、この際、鑑別部10から種類が鑑別され、かつ異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として搬送路18を介してリジェクト庫17へ搬送して収納することにより、その後、出金には用いないようにする。制御部19は、このようにして入金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の入金を行うことができる。
一方、制御部19は、紙幣の出金時、例えば、顧客によりタッチスクリーン4を介して出金の金額が指定されると、紙幣収納繰出庫12乃至15から、当該顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出し搬送路18を介して鑑別部10へ搬送して、当該鑑別部10において上述と同様に紙幣の種類及び状態を鑑別させる。
その結果、制御部19は、鑑別部10から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、搬送路18を介して紙幣投入取出部5へ搬送する。
ただし、制御部19は、この際、鑑別部10から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として搬送路18を介して一時保留部11へ搬送して一時的に保持させる。
そして制御部19は、紙幣投入取出部5に、出金用に指定された金額分の紙幣を搬送し終えると、顧客に当該紙幣投入取出部5から、その出金用に指定された金額分の紙幣を取り出させるようにして引き渡す。
因みに、制御部19は、この際、一時保留部11にリジェクト紙幣を保持していると、出金の終了後(すなわち、紙幣を顧客に引き渡した後)、一時保留部11から一時的に保持していたリジェクト紙幣を1枚ずつ繰り出し搬送路18を介してリジェクト庫17へ搬送して収納することにより、その後、出金には用いないようにする。制御部19は、このようにして出金処理を実行して、顧客の所望する取引としての紙幣の出金を行うことができる。
また制御部19は、紙幣の補充時、補充回収庫16から紙幣を1枚ずつ繰り出し搬送路18を介して鑑別部10へ搬送して、当該鑑別部10において上述と同様に紙幣の種類及び状態を鑑別させる。
その結果、制御部19は、鑑別部10から種類が鑑別され、かつ正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、搬送路18を介して、その鑑別された種類に応じた紙幣収納繰出庫12乃至15へ搬送して収納する。
ただし、制御部19は、この際、鑑別部10から種類が鑑別され、かつ異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として搬送路18を介してリジェクト庫17へ搬送して収納する。制御部19は、このようにして補充処理を実行して、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15に出金処理に用いる紙幣を補充することができる。
さらに制御部19は、紙幣の回収時、紙幣収納繰出庫12乃至15から紙幣を1枚ずつ繰り出し搬送路18を介して鑑別部10へ搬送して、当該鑑別部10において上述と同様に紙幣の種類及び状態を鑑別させる。
その結果、制御部19は、鑑別部10から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、搬送路18を介して補充回収庫16へ搬送して収納する。
ただし、制御部19は、この際、鑑別部10から種類が鑑別され、かつ異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として搬送路18を介してリジェクト庫17へ搬送して収納する。制御部19は、このようにして回収処理を実行して、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15から入金処理によって収納していた紙幣を回収することができる。
(1−3)紙幣収納繰出庫の構成
次いで、複数の紙幣収納繰出庫12乃至15の構成について説明する。ただし、これら複数の紙幣収納繰出庫12乃至15は、同様に構成されているため、1つの紙幣収納繰出庫12の構成についてのみ説明し、他の紙幣収納繰出庫13乃至15の構成については説明を省略する。
図3に示すように、紙幣収納繰出庫12は、例えば、6枚の金属板を組み合わせるようにして上下に長い箱型に形成された外装ケース20を有し、当該外装ケース20の天板20A前寄りに、左方向と平行なスリット状の紙幣取込繰出口20AXが形成されている。
また図4に示すように、紙幣収納繰出庫12の外装ケース20には、上下に長い略箱型の紙幣収納部22が収納されると共に、当該紙幣収納部22の左側壁22A及び右側壁22Bに設けられた昇降駆動部23が収納されている。
さらに紙幣収納部22内には、一面25Aを上に向けて当該一面25Aに複数の紙幣を積層するように載上するための長方形の平板状のステージ25が設けられている。因みに、以下の説明では、ステージ25の一面25Aを、紙幣載上面25Aとも呼ぶ。
ステージ25は、その長手方向(以下、これをステージ長手方向とも呼ぶ)の一端の中央部に短冊状の支持アーム(以下、これを一端支持アームとも呼ぶ)25Bが紙幣載上面25Aに垂直に設けられ、当該一端支持アーム25Bの先端部を紙幣載上面25Aの上側に突出させている。
またステージ25は、一端支持アーム25Bに対向させてステージ長手方向の他端の中央部にも短冊状の支持アーム(以下、これを他端支持アームとも呼ぶ)25Cが紙幣載上面25Aに垂直に設けられ、当該他端支持アーム25Cの先端部を紙幣載上面25Aの上側に突出させている。
さらに一端支持アーム25B及び他端支持アーム25Cの外面には、それぞれ直径の等しい2本のガイド軸が、紙幣載上面25Aと垂直な方向に沿って所定の間隔で植設されている。
そして、これら複数のガイド軸には、それぞれ直径の等しいガイドローラ26乃至28(右側は1つのみ図示し、他の1つは図示せず)が、当該ガイド軸を中心にして回動可能に取り付けられている。
一方、紙幣収納部22の左側壁22Aには、外面中央部に上端近傍から下端近傍に亘る上方向と平行な細長い昇降ガイド孔部(以下、これを左昇降ガイド孔部とも呼ぶ)22AXが穿設されている。
また紙幣収納部22の右側壁22Bには、左昇降ガイド孔部22AXと対向させて、外面中央部に上端近傍から下端近傍に亘る上方向と平行な細長い昇降ガイド孔部(以下、これを右昇降ガイド孔部とも呼ぶ)22BXが穿設されている。
因みに、左昇降ガイド孔部22AX及び右昇降ガイド孔部22BXの幅は、共にガイドローラ26乃至28の直径とほぼ等しく選定されている。
そしてステージ25は、紙幣載上面25Aを上方向に向け、かつステージ長手方向を左方向と平行にした姿勢で、一端支持アーム25B側の2つのガイドローラ26、27が、紙幣収納部22の左昇降ガイド孔部22AXに係合されている。
またステージ25は、係る姿勢で、他端支持アーム25C側の2つのガイドローラ28が、紙幣収納部22の右昇降ガイド孔部22BXに係合されている。
これにより紙幣収納部22は、左側壁22A及び右側壁22Bの左昇降ガイド孔部22AX及び右昇降ガイド孔部22BXを介して内部にステージ25を、紙幣載上面25Aを上に向けたまま、上方向及び下方向に移動可能(すなわち、昇降可能)に支持している。
また昇降駆動部23は、等しい直径及び幅を有する4つのプーリ30乃至33と、当該プーリ30乃至33の幅よりも僅かに長い2本のプーリ支持軸34、35と、紙幣収納部22の左右の幅よりも長い1本のプーリ駆動軸36とを有している。
この場合、昇降駆動部23の一方のプーリ支持軸34は、左方向と平行な姿勢で、紙幣収納部22の左側壁22Aの外面において例えば、左昇降ガイド孔部22AXの上端部の前側に植設されている。
そして一方のプーリ支持軸34は、紙幣収納部22の左側壁22Aの外面から左側に突出している先端部をプーリ30の中心に穿設された孔部に挿入するようにして、当該プーリ30を矢印d1で示す一回転方向及びこれとは逆の他回転方向へ回動可能に支持している。
また昇降駆動部23の他方のプーリ支持軸35は、左方向と平行な姿勢で、紙幣収納部22の右側壁22Bの外面において例えば、一方のプーリ支持軸34の植設位置と対向する右昇降ガイド孔部22BXの上端部の前側に植設されている。
そして他方のプーリ支持軸35は、紙幣収納部22の右側壁22Bの外面から右側に突出している先端部をプーリ31の中心に穿設された孔部に挿入するようにして、当該プーリ31を一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
因みに、以下の説明では、紙幣収納部22の左昇降ガイド孔部22AXの上端部の前側に位置するプーリ30を、左上プーリ30とも呼び、当該紙幣収納部22の右昇降ガイド孔部22BXの上端部の前側に位置するプーリ31を、右上プーリ31とも呼ぶ。
さらに紙幣収納部22の左側壁22A及び右側壁22Bは、一対のプーリ支持軸34、35の真下となる左昇降ガイド孔部22AXの下端部の前側及び右昇降ガイド孔部22BXの下端部の前側に軸支持孔部が対向させて穿設されている。
そして昇降駆動部23のプーリ駆動軸36は、左方向と平行にして紙幣収納部22の左側壁22Aの軸支持孔部及び右側壁22Bの軸支持孔部に順に通されて、当該紙幣収納部22に一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持されている。
またプーリ駆動軸36は、紙幣収納部22の左側壁22Aの外面から左側に突出している一端部にプーリ32が、当該プーリ32の中心に穿設された孔部を介して取り付けられている。
因みに、以下の説明では、プーリ駆動軸36の一端部に取り付けられ、紙幣収納部22の左昇降ガイド孔部22AXの下端部の前側に位置するプーリ32を、左下プーリ32とも呼ぶ。
さらにプーリ駆動軸36は、紙幣収納部22の右側壁22Bの外面から右側に突出している他端部にプーリ33が、当該プーリ33の中心に穿設された孔部を介して取り付けられている。
因みに、以下の説明では、プーリ駆動軸36の他端部に取り付けられ、紙幣収納部22の右昇降ガイド孔部22BXの下端部の前側に位置するプーリ33を、右下プーリ33とも呼ぶ。
そして昇降駆動部23は、左上プーリ30から左下プーリ32に亘り無端状のベルト(以下、これを左ベルトとも呼ぶ)37が、当該左上プーリ30及び左下プーリ32間の一対の直線状の部分を上方向と平行にしてかけられている。
また昇降駆動部23は、右上プーリ31から右下プーリ33に亘っても同様に無端状のベルト(以下、これを右ベルトとも呼ぶ)38が、当該右上プーリ31及び右下プーリ33間の一対の直線状の部分を上方向と平行にしてかけられている。
さらにステージ25は、一端支持アーム25Bに左ベルト係止部25BXが植設され、当該左ベルト係止部25BXを紙幣収納部22の左昇降ガイド孔部22AXに通して左側壁22Aの外面から左側に突出させている。
さらにまたステージ25は、他端支持アーム25Cに右ベルト係止部25CXが植設され、当該右ベルト係止部25CXを紙幣収納部22の右昇降ガイド孔部22BXに通して右側壁22Bの外面から右側に突出させている。
そして昇降駆動部23は、左ベルト37において上方向と平行な前後2箇所の直線状の部分うち後側の直線状の部分の所定位置に、ステージ25の左ベルト係止部25BXが係止されている。
また昇降駆動部23は、右ベルト38において上方向と平行な前後2箇所の直線状の部分うち後側の直線状の部分の所定位置に、ステージ25の右ベルト係止部25CXが係止されている。
さらに昇降駆動部23は、プーリ駆動軸36の他端(すなわち、他端部に取り付けられた右下プーリ33よりも右側)に駆動ギア39が取り付けられている。
さらにまた昇降駆動部23は、例えば、紙幣収納部22の右側壁22Bの右側に配置されたプーリ駆動モータ40を有し、当該プーリ駆動モータ40の出力軸に取り付けられたモータギア41を駆動ギア39に歯合させている。
よって昇降駆動部23は、制御部19によるプーリ駆動モータ40の駆動に応じてプーリ駆動軸36を一回転方向及び他回転方向へ回転させることができる。
そして昇降駆動部23は、制御部19によるプーリ駆動モータ40の駆動に応じてプーリ駆動軸36を一回転方向へ回転させると、これに連動させて左下プーリ32及び左上プーリ30と共に左ベルト37を一回転方向に回転させる。
また昇降駆動部23は、この際、プーリ駆動軸36の一回転方向への回転に連動させて右下プーリ33及び右上プーリ31と共に右ベルト38も一回転方向に回転させる。
これにより昇降駆動部23は、左ベルト37及び右ベルト38を介してステージ25を、紙幣載上面25Aを上方向に向けて水平にしたまま上昇させる(すなわち、上方向へ移動させる)ことができる。
これに対し昇降駆動部23は、制御部19によるプーリ駆動モータ40の駆動に応じてプーリ駆動軸36を他回転方向へ回転させると、これに連動させて左下プーリ32及び左上プーリ30と共に左ベルト37を他回転方向に回転させる。
また昇降駆動部23は、この際、プーリ駆動軸36の他回転方向への回転に連動させて右下プーリ33及び右上プーリ31と共に右ベルト38も他回転方向に回転させる。
これにより昇降駆動部23は、左ベルト37及び右ベルト38を介してステージ25を、紙幣載上面25Aを上方向に向けて水平にしたまま下降させる(すなわち、下方向へ移動させる)ことができる。
ところで、図5に示すように、紙幣収納部22の左側壁22A及び右側壁22Bは、共に前端部全体をステージ25の前縁よりも前に突出させている。
また紙幣収納部22の前壁22Cは、例えば、下端部は平坦に形成されているものの、上端部が緩やかなS字を描くように屈曲されて当該下端部よりも前側にせりだすように形成されている。
そして紙幣収納部22の前壁22Cは、左側壁22A及び右側壁22Bの間に例えば、下端部を上方向と平行にして当該左側壁22A及び右側壁22Bの前縁よりも後側に位置させ、上端を左側壁22A及び右側壁22Bの前上隅に一致させるようにして設けられている。
さらに紙幣収納部22の上壁22Dは、例えば、後端部は平坦に形成されるものの、前端部が前壁22Cの上端部の屈曲形状に沿って上側へ屈曲するような弓形状に形成されている。
そして紙幣収納部22の上壁22Dは、左側壁22A及び右側壁22Bの間に例えば、後端部を前方向と平行にして当該左側壁22A及び右側壁22Bの上縁よりも下側に位置させ、前端部を前壁22Cの上端部と所定の隙間を空けて近接させるようにして設けられている。
これにより紙幣収納部22は、前壁22Cの下端部、左側壁22A、右側壁22B、後壁(図示せず)及び上壁22Dの後端部により、ステージ25の昇降させ、また当該ステージ25の紙幣載上面25Aに積層するように載上される複数の紙幣45を収納する紙幣収納空間を形成している。
また紙幣収納部22は、前壁22Cの上端部、左側壁22Aの上前端部、右側壁22Bの上前端部及び上壁22Dの前端部により、紙幣収納空間と外装ケース20の紙幣取込繰出口20AXとを繋いで紙幣45を取込及び繰出用に通すための紙幣取込繰出路を形成している。
さらに紙幣収納部22は、左側壁22A及び右側壁22Bにおいて上壁22Dの平坦な後端部と屈曲された前端部との境界部分の後斜め上に、ローラ回動軸46を左方向と平行にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
そしてローラ回動軸46には、略円筒状のフィードローラ47が、その中心に穿設された孔部を介して取り付けられている。
この場合、フィードローラ47は、例えば、その長手方向の中央部に周側面の一周に亘る凹部が形成されており、当該周側面において下側の所定部分を紙幣収納部22の上壁22Dに穿設された対向する孔部を介して紙幣取込繰出路内に入り込ませている。
また紙幣収納部22は、左側壁22A及び右側壁22Bにおいてフィードローラ47のほぼ真上となる、前壁22Cの平坦な下端部と屈曲された上端部との境界部分の下側に、ローラ回動軸48を左方向と平行にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
そしてローラ回動軸48には、略円筒状の分離ローラ49が、その中心に穿設された孔部を介して取り付けられている。
この場合、分離ローラ49は、例えば、その長手方向の一端部及び他端部にそれぞれ周側面の一周に亘る凹部が形成されており、当該周側面において後斜上側の所定部分を紙幣収納部22の前壁22Cに穿設された対向する孔部を介して紙幣取込繰出路内に入り込ませている。
これにより紙幣収納部22は、紙幣取込繰出路内で、フィードローラ47の周側面の凹部及び凸部を、分離ローラ49の周側面の対向する凸部及び凹部と僅かにかみ合わせている。
さらに紙幣収納部22は、左側壁22A及び右側壁22Bにおいてフィードローラ47の前斜下となる、前壁22Cの上端部の下側に、ローラ回動軸50を左方向と平行にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
そしてローラ回動軸50には、例えば、2つのプレッシャローラ51(1つのみ図示して他は図示せず)が、これらの中心に穿設された孔部を介して所定の間隔で取り付けられている。
この場合、2つのプレッシャローラ51は、それぞれ周側面において後斜上側の所定部分を、紙幣収納部22の前壁22Cに穿設された対向する孔部を介して紙幣取込繰出路内に入り込ませている。
これにより紙幣収納部22は、紙幣取込繰出路内で、2つのプレッシャローラ51の周側面の一部を、フィードローラ47の周側面の対向する凸部の一部(すなわち、一端部及び他端部)に押し付けている。
そして紙幣収納部22には、図示しない取込繰出用モータが設けられており、当該取込繰出用モータの出力軸が図示しない複数のギアを介してフィードローラ47のローラ回動軸46に連結されている。
これにより紙幣収納部22は、制御部19による取込繰出用モータの駆動に応じてフィードローラ47を、ローラ回動軸46を中心にして一回転方向及び他回転方向へ回転させると共に、これに連動させて2つのプレッシャローラ51を、ローラ回動軸50を中心にして逆の他回転方向及び一回転方向へ回転させることができる。
また紙幣収納部22には、図示しない取込分離用モータが設けられており、当該取込分離用モータの出力軸が図示しない複数のギアを介して分離ローラ49のローラ回動軸48に連結されている。
これにより紙幣収納部22は、制御部19による取込分離用モータの駆動に応じて分離ローラ49を、ローラ回動軸48を中心にして他回転方向へ回転させることができる。
さらに紙幣収納部22は、左側壁22A及び右側壁22Bにおいてステージ25の紙幣載上面25Aの前端部のほぼ真上となる上壁22Dのさらに上側に、ローラ回動軸52を左方向と平行にして一回転方向及び他回転方向へ回動可能に支持している。
そしてローラ回動軸52には、複数(例えば、4つ)の送出ローラ(以下、これをピックアップローラとも呼び、1つのみ図示して他は図示せず)53が、それぞれ中心に穿設された孔部を介して、所定の間隔で取り付けられている。
この場合、複数のピックアップローラ53は、所定個数(例えば、2つ)毎に、フィードローラ47の周側面の一方又は他方の凸部(すなわち、一端部及び他端部)の後側に所定の間隔を空けて位置し、それぞれ周側面において下側の所定部分を、紙幣収納部22の上壁22Dに穿設された対向する孔部を介して紙幣収納空間に入り込ませている。
すなわち、ピックアップローラ53は、例えば、4つの場合、そのうちの2つが共に紙幣収納部22の左側壁22A側に位置してフィードローラ47の周側面の一方の凸部(すなわち、一端部)と対向し、残りの2つが共に紙幣収納部22の右側壁22B側に位置して当該フィードローラ47の他方の凸部(すなわち、他端部)と対向している。
そして紙幣収納部22は、図示しない送出用モータが設けられており、当該送出用モータの出力軸が図示しない複数のギアを介して複数のピックアップローラ53のローラ回動軸52に連結されている。
これにより紙幣収納部22は、制御部19による送出用モータの駆動に応じて複数のピックアップローラ53を、ローラ回動軸52を中心にして一回転方向及び他回転方向へ回転させることができる。
ここで、複数のピックアップローラ53は、後述するように紙幣繰出時、送出用モータの駆動に応じて他回転方向へ回転することで、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている紙幣45をフィードローラ47及び分離ローラ49側(すなわち、紙幣45の繰出側)へ送り出すためのものである。
そして複数のピックアップローラ53は、フィードローラ47及び分離ローラ49から比較的離れていると、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている紙幣45の状態によっては、当該紙幣45を送り出し途中に大きくそらせる等してフィードローラ47及び分離ローラ49の間へ的確には送り出し難い場合がある。
このため複数のピックアップローラ53は、フィードローラ47及び分離ローラ49に極力近づけられて、ステージ25の紙幣載上面25Aの前側の端部と対向させて配置されている。
これにより複数のピックアップローラ53は、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている紙幣45をフィードローラ47及び分離ローラ49の間へ的確に送り出すことができる。
ところで、紙幣収納部22では、複数のピックアップローラ53から、例えば、紙幣45を数十枚程度重ねた場合の全体の厚みに相当する所定距離だけ下側の位置が、紙幣45の取込用にステージ25の紙幣載上面25Aや当該紙幣載上面25Aに載っている1又は複数の紙幣45のうち最も上の紙幣45を位置させる紙幣取込位置に選定されている。
因みに、以下の説明では、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている1又は複数の紙幣45のうち最も上に位置する紙幣45を、最上位紙幣45とも呼ぶ。
そして図4に示すように、紙幣収納部22の左側壁22A及び右側壁22Bには、複数のピックアップローラ53よりも下の紙幣取込位置に光ビーム通過孔部が対向させて穿設されている。
そのうえで紙幣収納部22の左側壁22Aの外面には、例えば、紙幣45の取込用にステージ25の位置を制御するために用いられる取込位置センサの発光素子55が発光面を当該左側壁22Aの光ビーム通過孔部と対向させて配置されている。
また紙幣収納部22の右側壁22Bの外面には、係る取込位置センサの受光素子56が受光面を当該右側壁22Bの光ビーム通過孔部と対向させて(すなわち、光ビーム通過孔部を介して発光素子55の発光面と対向させて)配置されている。
そして取込位置センサは、例えば、紙幣収納繰出庫12の紙幣収納時、制御部19の制御のもと、発光素子55の発光面から光ビームを連続的に発射しており、当該光ビームがステージ25や紙幣載上面25A上の紙幣45によって遮られない場合、受光素子56の受光面で光ビームを受光することができる。
また取込位置センサは、発光素子55の発光面から発射する光ビームがステージ25や紙幣載上面25Aに載っている紙幣45によって遮られた場合、受光素子56の受光面で光ビームを受光することはできない。
よって取込位置センサの受光素子56は、光ビームの受光の有無を信号レベルの変化で示す受光有無信号を、紙幣載上面25Aに紙幣45が1枚も載っていない場合はステージ25の当該紙幣載上面25Aが、また紙幣載上面25Aに1又は複数の紙幣45が載っている場合は最上位紙幣45が紙幣取込位置に到達したか否かを示す取込位置到達有無信号として制御部19に送出する。
これにより制御部19は、例えば、紙幣載上面25Aに紙幣45が全く載っていない状態でプーリ駆動モータ40を駆動してステージ25を上昇又は下降させた場合は、取込位置到達有無信号に基づき、紙幣載上面25Aが紙幣取込位置に到達したか否かを検出することができる。
また制御部19は、例えば、紙幣載上面25Aに1又は複数の紙幣45が載っている状態でプーリ駆動モータ40を駆動してステージ25を上昇又は下降させた場合は、取込位置到達有無信号に基づき、紙幣載上面25A上の最上位紙幣45が紙幣取込位置に到達したか否かを検出することができる。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫12の紙幣収納時、取込位置到達有無信号に基づいてプーリ駆動モータ40を駆動制御して、紙幣載上面25Aや最上位紙幣45を紙幣取込位置に位置させるようにステージ25を上昇又は下降させている。
また図4に示すように、ステージ25の左ベルト係止部25BX(図4)は、先端部に短冊状の下降位置検出アーム25BYが後方向へ突設されられている。
また昇降駆動部23は、ステージ25が紙幣取込位置よりも下で、かつプーリ駆動軸36よりもある程度上の(すなわち、ステージ25をプーリ駆動軸36からある程度離すような)所定のステージ下限位置まで下降したか否かを検出するための下限位置センサ58を有している。
下限位置センサ58は、例えば、平板状の台座の一面に、一対のセンサアームが、下降位置検出アーム25BYの厚みよりも広い所定の隙間を空けて対向配置されている。
また下限位置センサ58は、一方のセンサアームに発光素子が、その発光面を他方のセンサアームに向けて取り付けられると共に、他方のセンサアームに受光素子が、その受光面を発光素子の発光面と対向させて取り付けられている。
そして下限位置センサ58は、紙幣収納部22の左側壁22Aの外面のステージ下限位置に、一対のセンサアームの隙間を、下降位置検出アーム25BYと対向させて配置されている。
よって下限位置センサ58は、ステージ25がステージ下限位置まで下降した場合、一対のセンサアームの隙間に下降位置検出アーム25BYを入り込ませ、また当該ステージ25がステージ下限位置よりも上昇した場合は、一対のセンサアームの隙間から下降位置検出アーム25BYを引き抜かせるようにしている。
そして下限位置センサ58は、紙幣収納繰出庫12の紙幣収納時及び紙幣繰出時、発光素子の発光面から光ビームを連続的に発射しており、一対のセンサアームの隙間に下降位置検出アーム25BYが入り込んでいない場合、その光ビームを受光素子の受光面で受光することができる。
また下限位置センサ58は、一対のセンサアームの隙間に下降位置検出アーム25BYが入り込んだ場合、発光素子の発光面から発射された光ビームが当該下降位置検出アーム25BYによって遮られて受光素子の受光面で受光することはできない。
よって下限位置センサ58の受光素子は、光ビームの受光の有無を信号レベルの変化で示す受光有無信号を、ステージ25がステージ下限位置まで下降したか否かを示す下限位置到達有無信号として制御部19に送出する。
これにより制御部19は、上述のようにプーリ駆動モータ40を駆動してステージ25を上昇及び下降させるものの、当該ステージ25を下降させた場合は、下限位置到達有無信号に基づき、ステージ25がステージ下限位置まで下降したか否かを検出することができる。
また制御部19は、下限位置到達有無信号に基づき、ステージ25がステージ下限位置まで下降したことを検出したときには、プーリ駆動モータ40の駆動を適宜停止して、ステージ25をステージ下限位置に停止させておくことができる。
このようにして紙幣収納繰出庫12では、紙幣収納部22内でステージ25を上昇させると、これに応じてプーリ駆動軸36との間の距離を大きくするものの、当該ステージ25を下降させたときには、その下降をステージ下限位置で制限することでプーリ駆動軸36から、ある程度離すようにしている。
ところで、ステージ25の材質は、例えば、現金自動預払機1で扱うことが想定される、種々の材質の紙幣(すなわち、各国の紙幣)のうち、任意に選定された紙幣(以下、これを選定紙幣とも呼ぶ)の材質に応じて選定されている。
よってステージ25は、例えば、紙幣収納繰出庫12に選定紙幣を収納している場合、紙幣繰出時、紙幣載上面25Aに直に接触する1枚の選定紙幣に、繰出用に最適な(すなわち、紙幣載上面25Aに張り付くことなく、また他の選定紙幣と重なったまま繰り出されることがないような)摩擦力を作用させることができる。
ただし,ステージ25は、その材質が選定紙幣の材質に応じて選定されているため、紙幣収納繰出庫12に選定紙幣とは材質の異なる他の紙幣(以下、これを他紙幣とも呼ぶ)を収納している場合、紙幣繰出時、紙幣載上面25Aに直に接触する1枚の他紙幣に、その接触に応じて、選定紙幣の場合とは異なる摩擦力を作用させることになる。
このため、図5及び図6に示すように、ステージ25は、下降してもプーリ駆動軸36との間にある程度の距離が確保されることを利用して、他面25Dに、紙幣載上面25Aの材質を部分的に適宜変更する材質変更部60が配置されている。
すなわち、ステージ25の他面25Dには、紙幣載上面25Aの材質を部分的に適宜変更することにより、当該紙幣載上面25Aに直に接触する1枚の紙幣45に、その材質の変更部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させる材質変更部60が配置されている。
因みに、ステージ25の紙幣載上面25Aに直に接触する1枚の紙幣45は、当該紙幣載上面25Aに載上された1又は複数の紙幣45のうち最も下に位置することで、後述するように紙幣繰出時、紙幣収納繰出庫12から最終的(すなわち、最後)に繰り出される1枚の紙幣45でもある。
よって、以下の説明では、ステージ25の紙幣載上面25Aに直に接触する1枚の紙幣45を、最終紙幣45とも呼ぶ。また、以下の説明では、ステージ25において材質変更部60が配置される他面25Dを、変更部配置面25Dとも呼ぶ。
材質変更部60は、一対の変更板切換部61、62を有している。一方の変更板切換部61は、例えば、複数の三角板の斜辺を順に接合するようにして略笠(すなわち、かぶりがさ)状に形成されている。
また、一方の変更板切換部61は、外面(すなわち、全体が凸状になっている面)に所定の間隔で、それぞれ材質の異なる略台形状の複数の材質変更板63乃至65が貼着されている。
すなわち、一方の変更板切換部61は、これを形成する複数の三角板の平坦な一面を利用して、全ての三角板の一面、又は所定個数おきの三角板の一面にそれぞれ材質変更板63乃至65が貼着されている。
ここで、複数の材質変更板63乃至65の材質は、それぞれ現金自動預払機1で扱うことが想定される材質の異なる紙幣45に応じて、当該材質変更板63乃至65に接触する紙幣45に、繰出用に最適な摩擦力を作用させ得るものに選定されている。
よって一方の変更板切換部61を形成する複数の三角板の個数や、これらに貼着される材質変更板63乃至65の枚数は、現金自動預払機1で扱うことが想定される各国の紙幣の材質の種類(すなわち、数)に応じて適宜選定されている。
因みに、複数の材質変更板63乃至65は、例えば、表面にニッケルめっきを施した鋼板や、板状のコルク、プラスチック板等であり、何れか1つは、ステージ25の材質と同一の材質のものである。
そして、一方の変更板切換部61は、内面(すなわち、全体が凹状になっている面)の中心に、さしがさの柄のように円柱状の回転軸66が、当該変更板切換部61の中心軸に一致させて設けられている。
また、他方の変更板切換部62は、一方の変更板切換部61と同様に形成されている。すなわち、他方の変更板切換部62は、複数の三角板の斜辺を順に接合するようにして略笠状に形成されている。
また、他方の変更板切換部62の外面には、一方の変更板切換部61に貼着された複数の材質変更板63乃至65と同一(すなわち、同一の材質及び形状)の複数の材質変更板63乃至65が、同一の並び及び間隔で貼着されている。
さらに、他方の変更板切換部62にも、内面の中心に図示しない円柱状の回転軸が、当該変更板切換部62の中心軸に一致させて設けられている。
ここで、ステージ25の紙幣載上面25Aには、紙幣収納部22の左側壁22A側に位置する複数のフィードローラ47と対向する(すなわち、真下となる)前端部左寄りに、材質変更板63乃至65よりも大きい開口部(以下、これを左開口部とも呼ぶ)25AXが穿設されている。
またステージ25の紙幣載上面25Aには、紙幣収納部22の右側壁22B側に位置する複数のフィードローラ47と対向する(すなわち、ほぼ真下となる)前端部右寄りにも、材質変更板63乃至65よりも大きい開口部(以下、これを右開口部とも呼ぶ)25AYが穿設されている。
そして、一方の変更板切換部61は、1つの三角板の一面を、ステージ25の変更部配置面25Dと所定の間隙を介して平行にした状態で左開口部25AXと対向させることで、後斜上方向と平行になった回転軸66を介して図示しない軸支持部に、当該回転軸66を中心にして矢印e1示す変更板切換方向へ回転可能に支持されている。
また、他方の変更板切換部62は、1つの三角板の一面を、ステージ25の変更部配置面25Dと所定の間隙を介して平行にした状態で右開口部25AYと対向させることで、後斜上方向と平行になった回転軸を介して軸支持部に、当該回転軸を中心にして変更板切換方向へ回転可能に支持されている。
因みに、以下説明では、材質変更部60において左側に位置する一方の変更板切換部61を、左変更板切換部61とも呼び、右側に位置する他方の変更板切換部62を、右変更板切換部62とも呼ぶ。
このようにして材質変更部60は、左変更板切換部61をステージ25の変更部配置面25Dにおいて中心よりも左半分の部分と対向させている。
また材質変更部60は、右変更板切換部62を、複数の材質変更板63乃至65とステージ25の前後左右の縁との位置関係を、左変更板切換部61の複数の材質変更板63乃至65とステージ25の前後左右の縁との位置関係と等しくして、当該ステージ25の変更部配置面25Dにおいて中心よりも右半分の部分と対向させている。
さらに材質変更部60は、例えば、上述の図示しない軸支持部の近傍に配置された図示しない変更板切換用モータを有している。
そして材質変更部60は、変更板切換用モータの出力軸が複数のギアを介して左変更板切換部61の回転軸66の先端部及び右変更板切換部62の回転軸の先端部に、当該左変更板切換部61及び右変更板切換部62を同一の変更板切換方向に同期させて回転させるように連結されている。
これにより制御部19は、係る材質変更部60を制御してステージ25の紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更する場合、変更板切換用モータを駆動して左変更板切換部61及び右変更板切換部62を共に変更板切換方向へ回転させる。
これにより制御部19は、左変更板切換部61の複数の材質変更板63乃至65のうち、何れか1つの材質変更板63乃至65をステージ25の変更部配置面25D側から左開口部25AXに通して、当該材質変更板63乃至65の表面を紙幣載上面25Aから僅かに突出させる。
また制御部19は、この際、右変更板切換部62の複数の材質変更板63乃至65のうち、左開口部25AXから突出させたものと同一の材質の材質変更板63乃至65をステージ25の変更部配置面25D側から右開口部25AYに通して、当該材質変更板63乃至65の表面を紙幣載上面25Aから僅かに突出させる。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫12で扱う紙幣45の材質に応じて、材質変更部60において左変更板切換部61及び右変更板切換部62を適宜回転させることにより、ステージ25の紙幣載上面25Aから表面を突出させる材質変更板63乃至65を切り換えることができる。
すなわち、制御部19は、紙幣収納繰出庫12で扱う紙幣45の材質に応じて、材質変更部60によりステージ25の紙幣載上面25Aから、当該ステージ25とは材質の異なる材質変更板63乃至65の表面を突出させ、又はステージ25と同一の材質の材質変更板63乃至65の表面を突出させることができる。
ところで、現金自動預払機1では、このような紙幣収納繰出庫12において最終紙幣45にステージ25の紙幣載上面25Aとの接触によって作用する摩擦力を、材質変更板63乃至65の切り換えによって変更するような摩擦力変更処理を、例えば、制御部19が、空の状態(すなわち、紙幣45が全く収納されていない状態)の紙幣収納繰出庫12に紙幣45を収納する際に実行している。
すなわち、制御部19は、例えば、現金自動預払機1が銀行内や、コンビニエンスストアのような小売店舗等に設置されたとき、作業者により当該現金自動預払機1に補充回収庫16が装填されたうえで、紙幣収納繰出庫12への紙幣45の収納が指示されると、摩擦力変更処理を実行する。
また制御部19は、例えば、現金自動預払機1の運用途中に扱う紙幣45を変更するため、紙幣収納繰出庫12内の紙幣45を全て繰り出して補充回収庫16に移しかえた(すなわち、収納した)うえで、その紙幣収納繰出庫12への新たな紙幣45の収納が指示されたときも、摩擦力変更処理を実行する。
実際に制御部19は、作業者により例えば、タッチスクリーン4を介して、空の状態の紙幣収納繰出庫12に対する紙幣45の収納が指示されると、メモリに予め記憶している摩擦力変更プログラムに従って図7に示す第1摩擦力変更処理手順RT1を開始する。
制御部19は、係る第1摩擦力変更処理手順RT1を開始すると、ステップSP1においてタッチスクリーン4を介して作業者に、紙幣45を収納する(すなわち、空の状態の)紙幣収納繰出庫12と、当該紙幣収納繰出庫12に収納する紙幣の種類とを指定するように案内する。
これにより制御部19は、作業者によりタッチスクリーン4を介して、紙幣45を収納する紙幣収納繰出庫12と、当該紙幣収納繰出庫12に収納する紙幣の種類とが指定されることを待ち受ける。
そして制御部19は、作業者によりタッチスクリーン4を介して、紙幣45を収納する紙幣収納繰出庫12が指定されると共に、その指定された紙幣収納繰出庫12に収納する紙幣の種類が例えば、発行国及び金種で指定されると、次のステップSP2に移る。
ここで、制御部19は、例えば、メモリに構築した上述の紙幣データベースに、各国の紙幣45に関する各種情報として、当該紙幣45の材質や、その材質に対応する(すなわち、紙幣45が最終紙幣45の場合に、当該紙幣45の材質に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させ得る)材質変更板63乃至65を示す情報も格納している。
また制御部19は、例えば、紙幣収納繰出庫12乃至15各々においてステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる材質変更板63乃至65を切り換える毎に、切換後の材質変更板63乃至65を示す情報を生成する。
そして制御部19は、その切換後の材質変更板63乃至65を示す情報を、この際、材質変更板63乃至65を切り換えた紙幣収納繰出庫12乃至15を示す情報と対応付けて変更板切換履歴情報を生成し、当該生成した更板切換履歴情報をメモリに記憶している。
よってステップSP2において制御部19は、作業者により指定された紙幣収納繰出庫12及び紙幣45の種類(以下、これを指定種類とも呼ぶ)をもとに、メモリ内の紙幣データベース、及び当該紙幣収納繰出庫12に対応する変更板切換履歴情報を参照する。
そして制御部19は、その参照結果をもとに、紙幣収納繰出庫12において、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる材質変更板63乃至65を切り換えるか否かを判別する。
このステップSP2において肯定結果が得られると、このことは、紙幣収納繰出庫12において現在、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させている材質変更板63乃至65が、当該紙幣収納繰出庫12に今から収納する紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させ得るものとは異なることを表している。
すなわち、係る肯定結果は、紙幣収納繰出庫12において、今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時に繰出用に最適な摩擦力を作用させるには、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させている材質変更板63乃至65を切り換える必要があることを表している。そしてステップSP2において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP3に移る。
ステップSP3において制御部19は、紙幣45の指定種類(すなわち、指定種類の紙幣45の材質)に応じて紙幣収納繰出庫12内で材質変更部60の変更板切換用モータを駆動する。
これにより制御部19は、紙幣収納繰出庫12内の材質変更部60において左変更板切換部61及び右変更板切換部62を回転させて、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる材質変更板63乃至65を切り換える。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫12内での材質変更板63乃至65の切り換えに応じて、その切換後の材質変更板63乃至65を示す変更板切換履歴情報を生成してメモリに記憶した後、次のステップSP4に移る。
ただし、ステップSP2において否定結果が得られると、このことは、紙幣収納繰出庫12において現在、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させている材質変更板63乃至65が、当該紙幣収納繰出庫12に今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時には繰出用に最適な摩擦力を作用させ得るものであることを表している。
すなわち、係る否定結果は、紙幣収納繰出庫12においてステージ25の紙幣載上面25Aから突出させている材質変更板63乃至65を切り換えなくても、今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時には繰出用に最適な摩擦力を作用させ得ることを表している。
そしてステップSP2において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP3の処理は実行せずにステップSP4に移る。
ステップSP4において制御部19は、紙幣収納繰出庫12への紙幣45の収納処理を開始する。これにより制御部19は、上述した補充回収庫16を利用する紙幣収納繰出庫12乃至15への紙幣45の補充時と同様に補充回収庫16、鑑別部10及び紙幣収納繰出庫12を動作させて、当該補充回収庫16から紙幣45を1枚ずつ繰り出し、次のステップSP5に移る。
ステップSP5において制御部19は、鑑別部10から1枚目の紙幣45の種類及び状態の鑑別結果が通知されると、その鑑別結果をもとに、当該紙幣45の種類が、作業者の指定通りであるか(すなわち、指定種類と一致するか)否かを判別する。
このステップSP5において肯定結果が得られると、このことは、このとき紙幣収納繰出庫12への収納用に補充回収庫16から繰り出し始めた紙幣45の種類が、作業者の指定通りであるため、当該紙幣収納繰出庫12において材質変更板63乃至65を切り換え直す必要がないことを表している。
そしてステップSP5において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP6に移り、当該ステップSP6において、紙幣収納繰出庫12への紙幣45の収納を継続しながらも、第1摩擦力変更処理手順RT1については終了する。
これに対しステップSP5において否定結果が得られると、このことは、このとき紙幣収納繰出庫12への収納用に補充回収庫16から繰り出し始めた紙幣45の種類を、作業者が誤って指定していたため、当該紙幣収納繰出庫12において材質変更板63乃至65を切り換え直さなければならない可能性があることを表している。そしてステップSP5において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP7に移る。
この際、ステップSP7において制御部19は、鑑別部10から通知された1枚目の紙幣45の鑑別結果をもとに、メモリ内の紙幣データベース、及び紙幣収納繰出庫12に対応する変更板切換履歴情報を参照する。
そして制御部19は、その参照結果をもとに、紙幣収納繰出庫12において、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる材質変更板63乃至65を切り換えるか否かを改めて判別する。
このステップSP7において肯定結果が得られると、このことは、この際、鑑別部10で鑑別された紙幣45の材質と、指定種類の紙幣45の材質とが異なっていたため、紙幣収納繰出庫12内でステージ25の紙幣載上面25Aから突出させている材質変更板63乃至65を切り換える必要があることを表している。そしてステップSP7において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP8に移る。
ステップSP8において制御部19は、鑑別部10から通知された1枚目の紙幣45の鑑別結果をもとに(すなわち、実際に鑑別された紙幣45の材質に応じて)、紙幣収納繰出庫12内で材質変更部60の変更板切換用モータを駆動する。
これにより制御部19は、上述と同様に紙幣収納繰出庫12内の材質変更部60において左変更板切換部61及び右変更板切換部62を回転させて、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる材質変更板63乃至65を切り換える。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫12内での材質変更板63乃至65の切り換えに応じて、その切換後の材質変更板63乃至65を示す変更板切換履歴情報を生成してメモリに記憶した後、次のステップSP6に移る。
これによりステップSP6において制御部19は、紙幣収納繰出庫12への紙幣45の収納を継続しながらも、第1摩擦力変更処理手順RT1については終了する。
ただし、ステップSP7において否定結果が得られると、このことは、この際、鑑別部10で鑑別された紙幣45と、指定種類の紙幣45とは例えば、金種が異なるだけで互いの材質は同一であるため(すなわち、作業者が紙幣45の金種を誤って指定していただけであるため)、紙幣収納繰出庫12内でステージ25の紙幣載上面25Aから突出させている材質変更板63乃至65を切り換える必要がないことを表している。
そしてステップSP7において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP8の処理は実行せずにステップSP6に移り、当該ステップSP6において、紙幣収納繰出庫12への紙幣45の収納を継続しながらも、第1摩擦力変更処理手順RT1については終了する。
このようにして制御部19は、現金自動預払機1の設置時や運用途中の取扱紙幣の変更に応じて、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる一対の材質変更板63乃至65を適宜切り換えるようにして、当該ステージ25の紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更することができる。
そして図8に示すように、制御部19は、摩擦力変更処理と共に実行する紙幣収納処理や上述の入金処理及び補充処理における紙幣収納繰出庫12の紙幣収納時、例えば、ステージ25を上昇させていた状態からプーリ駆動モータ40を駆動して左ベルト37及び右ベルト38を他回転方向へ回転させることにより、当該ステージ25を下降させる。
また制御部19は、この際、ステージ25を下降させながら、取込位置センサの受光素子56から与えられる取込位置到達有無信号の信号レベルの変化を監視する。
ここで、制御部19は、ステージ25の紙幣載上面25Aに紙幣45が1枚も載っていないと、取込位置到達有無信号の信号レベルが、光ビームを受光し得ていない状態から受光し得たことを示すように変化した時点で、当該ステージ25の紙幣載上面25Aが紙幣取込位置に到達したと判断する。
また制御部19は、ステージ25の紙幣載上面25Aに1又は複数の紙幣45が載っていると、取込位置到達有無信号の信号レベルが、光ビームを受光し得ていない状態から受光し得たことを示すように変化した時点で、当該紙幣載上面25A上の最上位紙幣45が紙幣取込位置に到達したと判断する。
そして制御部19は、このようにステージ25の紙幣載上面25A又は最上位紙幣45が紙幣取込位置に到達したと判断すると、プーリ駆動モータ40の駆動を停止して左ベルト37及び右ベルト38の他回転方向への回転と共に当該ステージ25の下降を停止させる。
これにより制御部19は、複数のピックアップローラ53と、ステージ25の紙幣載上面25A又は最上位紙幣45との間に、紙幣収納部22内への紙幣45の取り込みに最適な、当該紙幣45の所定枚数分の厚みに相当する高さの紙幣取込空間を形成する。
この状態で制御部19は、取込繰出用モータを駆動してフィードローラ47を一回転方向へ回転させると共に、これに連動させて複数のプレッシャローラ51を他回転方向へ回転させる。
また制御部19は、取込分離用モータを駆動して分離ローラ49を他回転方向へ回転させる。そして制御部19は、搬送路18を介して紙幣45を紙幣収納繰出庫12へ搬送する。
よって紙幣収納繰出庫12は、搬送路18を介して搬送された紙幣45を、紙幣取込繰出口20AXから紙幣収納部22の紙幣取込繰出路内に入り込ませて、互いに逆回転しているフィードローラ47及び複数のプレッシャローラ51の間と、当該フィードローラ47及び分離ローラ49の間とに順次通して紙幣取込空間に取り込む。
これにより紙幣収納繰出庫12は、紙幣収納部22において紙幣取込空間に取り込んだ紙幣45を、ステージ25の紙幣載上面25A又は最上位紙幣45に載せる。
このようにして制御部19は、搬送路18を介して紙幣45を紙幣収納繰出庫12へ順次搬送する毎に、当該紙幣収納繰出庫12において同様に、その紙幣45を紙幣収納部22内に取り込んでステージ25の紙幣載上面25Aに順に積層するようにして収納する。
ただし、制御部19は、この際、紙幣収納部22内に新たに1枚の紙幣45を取り込む毎に、取込位置到達有無信号の信号レベルの変化に応じてプーリ駆動モータ40を間欠的に駆動して左ベルト37及び右ベルト38を他回転方向へ回転させてステージ25を僅かに下降させる。
これにより制御部19は、紙幣収納繰出庫12において紙幣収納部22内に新たに1枚の紙幣45を取り込む毎に、ステージ25の紙幣載上面25A上の新たな最上位紙幣45(すなわち、このとき取り込んだ紙幣45)を紙幣取込位置に位置させる。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫12の紙幣収納部22内に複数の紙幣45を常に同一の取込条件で取り込ませている。
従って制御部19は、紙幣収納繰出庫12の紙幣収納部22内に複数の紙幣45を順次、紙幣取込繰出路内や、複数のピックアップローラ53と最上位紙幣45との間等で詰まらせることなく取り込んでステージ25の紙幣載上面25Aに順に積層するようにして収納することができる。
一方、図9に示すように、制御部19は、上述の出金処理及び回収処理における紙幣収納繰出庫12の紙幣繰出時、プーリ駆動モータ40を駆動して左ベルト37及び右ベルト38を一回転方向へ回転させることにより、当該ステージ25を上昇させる。
また制御部19は、この際、ステージ25を上昇させながら、取込位置センサの受光素子56から与えられる取込位置到達有無信号の信号レベルの変化を監視する。
そして制御部19は、取込位置到達有無信号の信号レベルが、光ビームを受光している状態から受光し得ないことを示すように変化すると、その時点からプーリ駆動モータ40をさらに一定の間、駆動して左ベルト37及び右ベルト38を一回転方向へ回転させてステージ25を上昇させた後、その駆動を停止する。
これにより制御部19は、紙幣収納部22内でステージ25の紙幣載上面25A上の最上位紙幣45(すなわち、最上位紙幣45の一面)を、複数のピックアップローラ53の周側面の下側に所定の押圧力で押し付ける。
そして制御部19は、取込繰出用モータを駆動してフィードローラ47を他回転方向に回転させると共に、これに連動させて複数のプレッシャローラ51を一回転方向へ回転させる。
また制御部19は、この際、取込分離用モータは駆動せず、よって分離ローラ49を、回転を停止させたままにする。この状態で制御部19は、送出用モータを駆動して、最上位紙幣45が押し付けられたままの複数のピックアップローラ53を他回転方向へ回転させる。
ここで、紙幣収納繰出庫12では、回転する複数のピックアップローラ53の周側面に押し付けられる最上位紙幣45に、当該最上位紙幣45よりも1枚下の紙幣45との接触に応じた摩擦力(すなわち、最上位紙幣45に1枚下の紙幣45と接触した状態を維持しようとする静止摩擦力)が作用する。
このため複数のピックアップローラ53は、他回転方向へ回転しながら最上位紙幣45に、これに作用する静止摩擦力(すなわち、最大摩擦力)よりも十分に大きい、紙幣取込繰出口20AX側への送出用の外力を加えることができるように、材質等が適宜選定されて形成されている。
また紙幣収納繰出庫12では、仮に上下に重なった2枚の紙幣45のうち上側の紙幣45が、他回転方向へ回転しているフィードローラ47の周側面に接触すると、当該上側の紙幣45に、下側の紙幣45との接触に応じた摩擦力(すなわち、上側の紙幣45に下側の紙幣45と接触した状態を維持しようとする静止摩擦力)が作用する。
このためフィードローラ47は、このような場合に他回転方向へ回転しながら、上側の紙幣45に、これに作用する摩擦力(すなわち、静止摩擦力の最大値)よりも十分に大きい、紙幣取込繰出口20AX側への送出用の外力を加えることができるように、材質等が適宜選定されて形成されている。
さらに紙幣収納繰出庫12では、このようにフィードローラ47の周側面に、上下に重なった2枚の紙幣45のうち上側の紙幣45が接触した場合、回転を停止させたままの分離ローラ49の周側面には下側の紙幣45が接触する。
よって分離ローラ49は、このような場合には周側面に接触する下側の紙幣45に対し、フィードローラ47が上側の紙幣45に加える外力よりは小さいものの、当該上側の紙幣45に下側の紙幣45との接触に応じて作用する摩擦力よりも大きい摩擦力(すなわち、周側面に接触した状態を維持しようとする摩擦力)を作用させ得るように、材質等が適宜選定されて形成されている。
これにより紙幣収納繰出庫12は、複数のピックアップローラ53により、ステージ25の紙幣載上面25A上に集積されている複数の紙幣45を上から順に1枚ずつフィードローラ47及び分離ローラ49の間(すなわち、繰出側)へ送り出す。
また紙幣収納繰出庫12は、このように複数のピックアップローラ53によって順次繰出側へ送り出された紙幣45を、フィードローラ47及び分離ローラ49の間と、互いに逆回転している当該フィードローラ47及び複数のプレッシャローラ51の間とに順に通すようにして紙幣取込繰出口20AXから搬送路18へと繰り出す。
そして紙幣収納繰出庫12は、複数のピックアップローラ53によりステージ25の紙幣載上面25Aから仮に2枚の紙幣45が上下に重なったまま繰出側へ送り出されても、下側の紙幣45を分離ローラ49が作用させる摩擦力によって一旦止めて上側の紙幣45のみをフィードローラ47により紙幣取込繰出口20AX側へ送る。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫12において複数のピックアップローラ53によりステージ25の紙幣載上面25Aから仮に2枚の紙幣45が上下に重なったまま繰出側へ送り出されても、これら2枚の紙幣45をフィードローラ47及び分離ローラ49の間で分離して紙幣取込繰出口20AXから搬送路18へと繰り出すことができる。
また紙幣収納部22には、例えば上端部の所定位置に、ステージ25の紙幣載上面25Aから最上位紙幣45がフィードローラ47及び分離ローラ49側へ送り出されたか否かを検出するための所定の送出センサ(図示せず)が設けられている。
よって制御部19は、この際、送出センサから与えられる出力信号により、ステージ25の紙幣載上面25A上から最上位紙幣45がフィードローラ47及び分離ローラ49側へ送り出されたか否かを検出する。
そして制御部19は、その検出結果をもとに、ステージ25の紙幣載上面25A上から1枚の最上位紙幣45がフィードローラ47及び分離ローラ49側へ送り出される毎に、プーリ駆動モータ40を間欠的に駆動して左ベルト37及び右ベルト38を一回転方向へ回転させてステージ25を僅かに上昇させる。
これにより制御部19は、紙幣収納繰出庫12から紙幣45を繰り出している間、ステージ25により、複数のピックアップローラ53の周側面の下側に最上位紙幣45を押し付けるようにして、紙幣載上面25A上の1又は複数の紙幣45を当該複数のピックアップローラ53側へ付勢している。
よって制御部19は、紙幣収納繰出庫12において、複数のピックアップローラ53の周側面の下側に最上位紙幣45を常に同一の押圧力で押し付けながら、当該複数のピックアップローラ53の回転によって最上位紙幣45を繰出側へ送り出すようにして紙幣取込繰出口20AXから繰り出させることができる。
これに加えて紙幣収納繰出庫12は、上述のようにステージ25の紙幣載上面25Aにおいて複数のピックアップローラ53と対向する部分に、材質変更部60の複数の材質変更板63乃至65のうち、当該紙幣収納繰出庫12で扱う紙幣45の材質に応じた材質変更板63乃至65を配置している。
すなわち、紙幣収納繰出庫12は、ステージ25の紙幣載上面25Aにおいて複数のピックアップローラ53と対向する部分に、最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させるための材質変更板63乃至65を配置している。
よって制御部19は、紙幣収納繰出庫12においてステージ25を上昇させて最上位紙幣45を複数のピックアップローラ53に押し付けた場合、当該ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている1又は複数の紙幣45を当該複数のピックアップローラ53と材質変更板63乃至65との間で最も強く挟持させることができる。
これにより制御部19は、ステージ25の紙幣載上面25A内に配置している材質変更板63乃至65に、最終紙幣45の対向部分を密着させることができる。
従って制御部19は、複数のピックアップローラ53が他回転方向へ回転して発生させる送出用の外力が、最終紙幣45に上側の1又は複数の紙幣45を介して伝達され、また直接加えられても、材質変更板63乃至65により当該最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を効率良く作用させることができる。
その結果、制御部19は、紙幣収納繰出庫12において複数のピックアップローラ53により、最終紙幣45よりも1又は複数枚上側の最上位紙幣45が送り出される際、当該最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25Aに対して滑り、最上位紙幣45から最終紙幣45までが重なったまま一度に繰出側へ送り出されることを防止することができる。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫12において複数のピックアップローラ53により、最終紙幣45が送り出される際、当該最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25Aに張り付いて送り出し難くなることも防止することができる。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫12からステージ25の紙幣載上面25A上の複数の紙幣45を上から順に最終紙幣45まで的確に搬送路18へ繰り出させることができる。
(1−4)第1の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、紙幣収納繰出庫12乃至15においてステージ25の変更部配置面25Dに、それぞれ材質の異なる複数の材質変更板63乃至65を有する材質変更部60を配置する。
そして現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12乃至15において材質変更部60によりステージ25の紙幣載上面25Aの一部から、当該紙幣収納繰出庫12乃至15で扱う紙幣45の材質に応じた材質変更板63乃至65の表面を突出させるようにして、当該紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更可能にした。
従って現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12乃至15において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている複数の紙幣45のうち最終紙幣45に、材質変更板63乃至65の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12乃至15においてステージ25の変更部配置面25Dにそれぞれ材質の異なる複数の材質変更板63乃至65を有する材質変更部60を配置し、当該ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から、紙幣収納繰出庫12乃至15で扱う紙幣45の材質に応じた材質変更板63乃至65の表面を突出させるようにして、当該紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更し得るようにした。
これにより現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12乃至15において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ25の紙幣載上面25A上の最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
よって現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12乃至15において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時に最後の1枚まで的確に繰り出すことができる。
また現金自動預払機1では、このように紙幣収納繰出庫12乃至15において材質変更部60によりステージ25の紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更可能にした。
従って現金自動預払機1は、扱う紙幣45の材質に応じて、その紙幣45に専用の紙幣収納繰出庫12乃至15を用意する必要がなく、これら紙幣収納繰出庫12乃至15を、材質の異なる紙幣45の何れの扱いにも兼用することができる。
よって現金自動預払機1は、各国の紙幣のように異なる材質の紙幣45の何れをも容易に扱うことができ、また運用途中に材質の異なる紙幣45を切り換えて扱うような場合でも、紙幣収納繰出庫12乃至15自体を交換するようなことなく、容易に対応することができる。
さらに現金自動預払機1は、ステージ25の紙幣載上面25Aにおいて複数のピックアップローラ53と対向する部分に、材質変更部60の複数の材質変更板63乃至65のうち、当該紙幣収納繰出庫12で扱う紙幣45の材質に応じた材質変更板63乃至65を配置するようにした。
従って現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12の紙幣繰出時、ステージ25を上昇させて最上位紙幣45を複数のピックアップローラ53に押し付けた場合、1又は複数の紙幣45を複数のピックアップローラ53と材質変更板63乃至65との間で最も強く挟持させて、材質変更板63乃至65に最終紙幣45の対向部分を密着させることができる。
これにより現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12の紙幣繰出時、材質変更板63乃至65により最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を効率良く作用させることができる。
その結果、現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12において複数のピックアップローラ53により、最終紙幣45よりも1又は複数枚上の最上位紙幣45が繰出側へ送り出される際、当該最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25Aに対して滑り、最上位紙幣45から最終紙幣45までが重なったまま一度に繰出側へ送り出されることを防止することができる。
また現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12において複数のピックアップローラ53により、最終紙幣45が送り出される際、当該最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25Aに張り付いて送り出し難くなることも防止することができる。
さらに現金自動預払機1では、紙幣収納繰出庫12の紙幣収納部22において複数のピックアップローラ53をステージ25の紙幣載上面25Aの中央部よりも紙幣45の繰出側へ配置し、これに応じてステージ25の紙幣載上面25Aでも中央部によりも紙幣45の繰出側に材質変更板63乃至65を配置するようにした。
従って現金自動預払機1は、紙幣収納繰出庫12の紙幣繰出時、複数のピックアップローラ53により、最終紙幣45よりも1又は複数枚上の最上位紙幣45が繰出側へ送り出される際、当該最終紙幣45が例えば、これに付いた折れ癖によって材質変更板63乃至65との密着性が低下していたために、ステージ25の紙幣載上面25A上を繰出側へ滑ったとしても、当該最終紙幣45の一方の短辺近傍から他方の短辺へかけて材質変更板63乃至65を相対的に徐々に変位させながら密着させることができる。
すなわち、現金自動預払機1は、このように最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25A上を繰出側へ滑ったとしても、当該最終紙幣45に材質変更板63乃至65を、順次接触位置を変えて接触させることができると共に、その接触位置の可変範囲を最終紙幣45の一方の短辺近傍から他方の短辺までと極力長くしている。
その結果、現金自動預払機1は、このように最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25A上を繰出側へ滑り当該最終紙幣45に対する材質変更板63乃至65の接触位置が変化しても、接触位置の変化途中に密着性を回復させ易くすることができる。
すなわち、現金自動預払機1は、最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25A上を滑っても、材質変更板63乃至65の接触位置を変化させることで、最終紙幣45が繰出側へ滑っている間に密着性が回復する可能性を高くすることができる。
また現金自動預払機1は、最終紙幣45に対する材質変更板63乃至65の接触位置の可変範囲を、当該最終紙幣45の一方の短辺近傍から他方の短辺までと極力長くすることで、最終紙幣45が繰出側へ滑っている間に密着性が回復する可能性をさらに高くすることができる。
実際、現金自動預払機1は、最終紙幣45がステージ25の紙幣載上面25A上を繰出側へ滑って材質変更板63乃至65との接触位置が変化しても、最終紙幣45において折れ癖等が無い平坦な部分まで材質変更板63乃至65の接触位置が変化すると密着性が回復し、その結果、繰出用に最適な摩擦力を作用させて最終紙幣45の滑りを停止させることができる。
これにより現金自動預払機1は、最終紙幣45が上に1又は複数枚の他の紙幣45を重ねたままフィードローラ47及び分離ローラ49の間に詰まることを防止することができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)現金自動預払機の外観構成
次いで、第2の実施の形態による現金自動預払機について説明する。第2の実施の形態による現金自動預払機は、第1の実施の形態による現金自動預払機1(図1)と同様の外観構成を有している。よって、第2の実施の形態による現金自動預払機の外観構成については、図1を参照することとし説明を省略する。
(2−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、第2の実施の形態による現金自動預払機の内部構成について説明する。図2との対応部分に同一符号を付した図10に示すように、第2の実施の形態による現金自動預払機70は、複数の紙幣収納繰出庫71乃至74の構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
よって、以下には、第2の実施の形態による現金自動預払機70に設けられた複数の紙幣収納繰出庫71乃至74の構成について説明する。
(2−3)紙幣収納繰出庫の構成
第2の実施の形態による現金自動預払機70の複数の紙幣収納繰出庫71乃至74は、それぞれ材質変更部の構成を除いて、図3乃至図9を用いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1の複数の紙幣収納繰出庫12乃至15と同様に構成されている。
よって、以下には、複数の紙幣収納繰出庫71乃至74に設けられた材質変更部の構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納繰出庫71乃至74は、同様に構成されているため、1つの紙幣収納繰出庫71の材質変更部の構成についてのみ説明し、他の紙幣収納繰出庫72乃至74の材質変更部の構成については説明を省略する。
図5及び図6との対応部分に同一符号を付した図11及び図12に示すように、紙幣収納繰出庫71において紙幣収納部22内には、上述した第1の実施の形態による紙幣収納繰出庫12乃至15の場合と同様にステージ25が上方向及び下方向へ移動可能(昇降可能)に設けられている。
そしてステージ25は、変更部配置面25Dに、紙幣載上面25Aの材質を部分的に適宜変更して、当該紙幣載上面25Aに接触する最終紙幣45に、その材質の変更部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させる材質変更部77が配置されている。
材質変更部77は、例えば、ステージ25の左開口部25AXの左縁から右開口部25AYの右縁までの長さ以上の所定長さの棒状の2本のプーリ駆動軸78、79を有している。
一方のプーリ駆動軸78は、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYの前斜下で、図示しない軸受部により、左方向と平行にして例えば、一回転方向へ回転可能に支持されている。
また他方のプーリ駆動軸79は、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYの後斜下で、図示しない軸受部により、左方向と平行にし、かつ一方のプーリ駆動軸78の真後で例えば、一回転方向へ回転可能に支持されている。
因みに、以下の説明では、一対のプーリ駆動軸78、79のうち前に位置する一方のプーリ駆動軸78を、前プーリ駆動軸78とも呼び、後に位置する他方のプーリ駆動軸79を、後プーリ駆動軸79とも呼ぶ。
そして材質変更部77は、前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79を介して、ステージ25の左開口部25AXと対向させるように左変更板切換部80が設けられている。
また材質変更部77は、前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79を介して、ステージ25の右開口部25AYと対向させるように右変更板切換部81が設けられている。
この場合、左変更板切換部80は、一対のプーリ82、83を有し、これら一対のプーリ82、83が、その中心に穿設された孔部を介して前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79に、前後に並ぶように取り付けられている。
また左変更板切換部80には、例えば、四角形状の昇降板84が、その一面を水平にしてステージ25の左開口部25AXと対向させた姿勢で、図示しない昇降板支持部により上方向及び下方向に移動可能に支持されている。
さらに左変更板切換部80は、一対のプーリ82、83から昇降板84に亘って無端状の変更板貼着ベルト(以下、これを左変更板貼着ベルトとも呼ぶ)85がかけられている。
そして左変更板貼着ベルト85の外面には、所定の間隔で、それぞれ材質の異なる四角形状の複数の材質変更板86乃至88が貼着されている。
一方、右変更板切換部81は、左変更板切換部80と同様に構成されている。すなわち、右変更板切換部81は、前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79に前後に並ぶように取り付けられた一対のプーリ(図示せず)を有している。
また右変更板切換部81は、一面を水平にしてステージ25の右開口部25AYと対向させた姿勢で、図示しない昇降板支持部により上方向及び下方向に移動可能に支持された、四角形状の昇降板(図示せず)も有している。
さらに右変更板切換部81は、一対のプーリから昇降板に亘って無端状の変更板貼着ベルト(以下、これを右変更板貼着ベルトとも呼ぶ)89がかけられている。
そして右変更板貼着ベルト89の外面には、左変更板切換部80の左変更板貼着ベルト85に貼着された複数の材質変更板86乃至88と同一の複数の材質変更板86乃至88が、同一の並び及び間隔で貼着されている。
すなわち、右変更板貼着ベルト89は、ステージ25の変更部配置面25D及び前後の縁に対する複数の材質変更板86乃至88(すなわち、右変更板貼着ベルト89の外面に貼着された複数の材質変更板86乃至88)の位置関係を、当該ステージ25の変更部配置面25D及び前後の縁に対する左変更板貼着ベルト85の複数の材質変更板86乃至88の位置関係と等しくした状態で、一対のプーリから昇降板に亘ってかけられている。
また材質変更部77は、例えば、前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79の間に配置された図示しない昇降駆動部を有している。
そして材質変更部77は、制御部19により昇降駆動部が駆動されると、これに応じて左変更板切換部80の昇降板84及び右変更板切換部81の昇降板を、互いの高さ位置を合わせた状態で上昇させ、また下降させることができる。
また材質変更部77は、例えば、前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79の間に配置された図示しない変更板切換用モータを有している。
そして材質変更部77は、変更板切換用モータの出力軸が複数のギアを介して前プーリ駆動軸78及び後プーリ駆動軸79の一方に連結されている。
これにより材質変更部77は、制御部19により変更板切換用モータが駆動されると、これに応じて左変更板切換部80及び右変更板切換部81において一対のプーリ82、83を介して左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を同期させて一回転方向へ回転させることができる。
ところで、左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89に貼着される複数の材質変更板86乃至88の材質は、現金自動預払機70で扱うことが想定される材質の異なる紙幣45に応じて、当該材質変更板86乃至88に接触する紙幣45に、繰出用に最適な摩擦力を作用させ得るものに選定されている。
よって、これら複数の材質変更板86乃至88の枚数や、これらが貼着される左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89の長さは、現金自動預払機70で扱うことが想定される各国の紙幣の材質の種類(すなわち、数)に応じて適宜選定されている。
ただし、複数の材質変更板86乃至88は、これらが貼着される左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89が回転によって変形することにより、その変形に合わせて変形可能なように(すなわち、撓むように)形成されている。
このため複数の材質変更板86乃至88は、例えば、ステンレス薄板や、人工皮革シート、プラスチックフィルム等である。
そして制御部19は、係る材質変更部77を制御してステージ25の紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更する場合、昇降駆動部を駆動して左変更板切換部80の昇降板84及び右変更板切換部81の昇降板を、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYからある程度離すように下降させる。
そのうえで制御部19は、変更板切換用モータを駆動して左変更板切換部80及び右変更板切換部81の左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を共に一回転方向へ回転させる。
これにより制御部19は、左変更板切換部80の複数の材質変更板86乃至88のうち、何れか1つの材質変更板86乃至88を昇降板84の一面上に位置させてステージ25の左開口部25AXと対向させる。
また制御部19は、この際、右変更板切換部81の複数の材質変更板86乃至88のうち、左開口部25AXと対向させたものと同一の材質の材質変更板86乃至88を昇降板の一面上に位置させてステージ25の右開口部25AYと対向させる。
この状態で、制御部19は、昇降駆動部を駆動して左変更板切換部80の昇降板84及び右変更板切換部81の昇降板を所定距離だけ上昇させる。
よって制御部19は、左変更板切換部80において昇降板84をステージ25の左開口部25AXに近接させるようにして、当該昇降板84の一面上に位置させていた1つの材質変更板86乃至88を、その左開口部25AXに通す。
これにより制御部19は、材質変更部77の左変更板切換部80において、昇降板84の一面上に位置させていた1つの材質変更板86乃至88の表面を、ステージ25の紙幣載上面25Aから僅かに突出させる。
また制御部19は、この際、右変更板切換部81において昇降板をステージ25の右開口部25AYに近接させるようにして、当該昇降板の一面上に位置させていた1つの材質変更板86乃至88を、その右開口部25AYに通す。
これにより制御部19は、材質変更部77の右変更板切換部81において、昇降板の一面上に位置させていた1つの材質変更板86乃至88の表面を、ステージ25の紙幣載上面25Aから僅かに突出させる。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫71で扱う紙幣45の材質に応じて、材質変更部77により左変更板切換部80及び右変更板切換部81の左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を適宜回転させて、ステージ25の紙幣載上面25Aから表面を突出させる材質変更板86乃至88を切り換えることができる。
すなわち、制御部19は、紙幣収納繰出庫71で扱う紙幣45の材質に応じて、材質変更部77によりステージ25の紙幣載上面25Aから、当該ステージ25とは材質の異なる材質変更板86乃至88の表面を突出させ、又はステージ25と同一の材質の材質変更板86乃至88の表面を突出させることができる。
そして制御部19は、このように材質変更部77により材質変更板86乃至88を切り換えるようにしてステージ25の紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更する処理を、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、空の状態の紙幣収納繰出庫71に紙幣45を収納する際、図7について上述した第1摩擦力変更処理手順RT1として実行している。
(2−4)第2の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機70では、紙幣収納繰出庫71乃至74においてステージ25の変更部配置面25Dに、それぞれ材質の異なる複数の材質変更板86乃至88が貼着された左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を有する材質変更部77を配置する。
そして現金自動預払機70は、紙幣収納繰出庫71乃至74において材質変更部77により左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を共に適宜回転させる。
これにより現金自動預払機70は、紙幣収納繰出庫71乃至74において、ステージ25の紙幣載上面25Aの左開口部25AX及び右開口部25AYから、当該紙幣収納繰出庫71乃至74で扱う紙幣45の材質に応じた材質変更板86乃至88の表面を突出させるようにして、当該紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更可能にした。
従って現金自動預払機70は、紙幣収納繰出庫71乃至74において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている複数の紙幣45のうち最終紙幣45に、材質変更板86乃至88の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機70は、紙幣収納繰出庫71乃至74においてステージ25の変更部配置面25Dに、それぞれ材質の異なる複数の材質変更板86乃至88が貼着された左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を有する材質変更部77を配置し、当該ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から、紙幣収納繰出庫71乃至74で扱う紙幣45の材質に応じた材質変更板86乃至88の表面を突出させるようにして、当該紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更するようにした。
これにより現金自動預払機70は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また現金自動預払機70は、係る効果に加えて、材質変更部77の左変更板切換部80及び右変更板切換部81に、複数の材質変更板86乃至88が貼着された左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を設けることで、当該左変更板切換部80及び右変更板切換部81を、上述した第1の実施の形態による材質変更部60の左変更板切換部61及び右変更板切換部62よりも小型化することができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)現金自動預払機の外観構成
次いで、第3の実施の形態による現金自動預払機について説明する。第3の実施の形態による現金自動預払機は、第1の実施の形態による現金自動預払機1(図1)と同様の外観構成を有している。よって、第3の実施の形態による現金自動預払機の外観構成についても、図1を参照することとし説明を省略する。
(3−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、第3の実施の形態による現金自動預払機の内部構成について説明する。図2との対応部分に同一符号を付した図13に示すように、第3の実施の形態による現金自動預払機100は、複数の紙幣収納繰出庫101乃至104の構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
よって、以下には、第3の実施の形態による現金自動預払機100に設けられた複数の紙幣収納繰出庫101乃至104の構成について説明する。
(3−3)紙幣収納繰出庫の構成
第3の実施の形態による現金自動預払機100の複数の紙幣収納繰出庫101乃至104は、それぞれ材質変更部の構成を除いて、図3乃至図9を用いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1の複数の紙幣収納繰出庫12乃至15と同様に構成されている。
よって、以下には、複数の紙幣収納繰出庫101乃至104に設けられた材質変更部の構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納繰出庫101乃至104は、同様に構成されているため、1つの紙幣収納繰出庫101の材質変更部の構成についてのみ説明し、他の紙幣収納繰出庫102乃至104の材質変更部の構成については説明を省略する。
図5及び図6との対応部分に同一符号を付した図14及び図15に示すように、紙幣収納繰出庫101において紙幣収納部22内には、上述した第1の実施の形態による紙幣収納繰出庫12乃至15の場合と同様にステージ25が上方向及び下方向へ移動可能(昇降可能)に設けられている。
そしてステージ25は、変更部配置面25Dに、紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更して、当該紙幣載上面25Aに接触する最終紙幣45に、その材質の変更部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させる材質変更部107が配置されている。
材質変更部107は、例えば、ステージ25の左開口部25AXの左縁から右開口部25AYの右縁までの長さ以上の所定長さの棒状のローラ駆動軸108を有している。
ローラ駆動軸108は、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYの前後の中心の真下で、図示しない軸受部により、左方向と平行にして例えば、一回転方向へ回転可能に支持されている。
そしてローラ駆動軸108は、ステージ25の左開口部25AXと対向する一端部に、ゴム製(材質がゴム)の摩擦力変更ローラ110が、その中心に穿設された孔部を介して取り付けられ、当該摩擦力変更ローラ110の周側面において上側の一部を、左開口部25AXを介して紙幣載上面25Aから僅かに上へ突出させている。
またローラ駆動軸108は、ステージ25の右開口部25AYと対向する他端部に、ゴム製(材質がゴム)の摩擦力変更ローラ111が、その中心に穿設された孔部を介して取り付けられ、当該摩擦力変更ローラ111の周側面において上側の一部を、右開口部25AYを介して紙幣載上面25Aから僅かに上へ突出させている。
これにより材質変更部107は、ステージ25の紙幣載上面25Aに1又は複数の紙幣45が積層するように重ねられて載せられた場合、最終紙幣45の一部(すなわち、下面の一部)に、摩擦力変更ローラ110、111各々の周側面において紙幣載上面25Aから突出する範囲の頂上部分(すなわち、摩擦力変更ローラ110、111の幅方向に沿った線状の頂上部分)を接触させることができる。
因みに、以下の説明では、摩擦力変更ローラ110、111の周側面において、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYを介して最終紙幣45の一部に接触させる線状の頂上部分を、紙幣接触部分とも呼ぶ。
また、以下の説明では、ローラ駆動軸108の一端部に取り付けられた摩擦力変更ローラ110を、左摩擦力変更ローラ110とも呼び、当該ローラ駆動軸108の他端部に取り付けられた摩擦力変更ローラ111を、右摩擦力変更ローラ111とも呼ぶ。
ここで、図16を用いて、接触する2つの物体の間に作用する摩擦力の特性について説明する。因みに図16には、例えば、縦軸に単位面積当りの摩擦力をとり、横軸に単位面積当りの接触圧力をとって、接触する2つの物体の間に作用する摩擦力の特性を示している。
なお、以下の説明では、2つの物体の間に作用する摩擦力を、そのまま摩擦力とも呼び、その摩擦力を単位面積当りの値として捉えた、当該単位面積当りの摩擦力を、特に単位面積摩擦力とも呼ぶ。
また、以下の説明では、2つの物体の接触圧力を、そのまま接触圧力とも呼び、その接触圧力を単位面積当りの値として捉えた、当該単位面積当りの接触圧力を、特に単位面積接触圧力とも呼ぶ。
この場合、図16に示す例えば、第1摩擦力特性曲線C1は、単位面積摩擦力が単位面積接触圧力に対し比例する場合を示しており、ゴム以外の材質で、互いに同一の材質、又は異なる材質の2つの物体が接触した場合の単位面積摩擦力と単位面積接触圧力との関係を示す。
因みに、以下の説明では、ゴム以外の材質の物体を、非ゴム物体とも呼び、材質がゴムの物体を、ゴム物体とも呼び、これら非ゴム物体及びゴム物体を特に区別する必要のない場合は、まとめて物体とも呼ぶ。
また図16に示す例えば、第2摩擦力特性曲線C2は、単位面積摩擦力が単位面積接触圧力に対し一定の場合を示しており、非ゴム物体とゴム物体、又は2つのゴム物体が接触した場合の単位面積摩擦力と単位面積接触圧力との関係に近似している。
因みに、図16に示す例えば、非線形な第3摩擦力特性曲線C3は、非ゴム物体とゴム物体、又は2つのゴム物体が接触した場合の単位面積摩擦力と単位面積接触圧力との関係を示す。
例えば、第1摩擦力特性曲線C1に示すように、2つの非ゴム物体が接触した場合、単位面積接触圧力が変化すると、これに比例して単位面積摩擦力も変化する。
すなわち、2つの非ゴム物体が接触した場合、単位面積接触圧力の変化に関わらず摩擦係数の値が一定となるため、このように単位面積接触圧力と単位面積摩擦力とが比例して変化するような特性が得られる。
因みに、摩擦係数は、接触する物体の材質や接触面の状態に応じて決まるものであり、接触圧力(すなわち、接触面積分の単位面積接触圧力全体)に乗算されると、これら2つの物体の間に作用する摩擦力を導き出すことを可能にするものでもある。
このため2つの非ゴム物体が接触した場合、例えば、互いの接触面積を一定にした状態で接触圧力を変化させると、摩擦係数の値が一定であることから、接触圧力の変化に比例して、これら2つの非ゴム物体の間に作用する摩擦力は変化する。
また2つの非ゴム物体が接触した場合、例えば、接触圧力を一定にした状態で互いの接触面積を変化させると、摩擦係数の値が一定であり、また単位面積接触圧力が変化しても、その変化分を相殺するように接触面積も変化して接触圧力は何ら変化していないため、これら2つの非ゴム物体の間に作用する摩擦力は一定になる。
よって2つの非ゴム物体を接触させた場合、互いの接触面積を変化させるか否かに関わらずに接触圧力を変化させることで、これら2つの非ゴム物体の間に作用する摩擦力を変化させることができる。
また例えば、第2摩擦力特性曲線C2に示すように、非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、単位面積接触圧力が変化しても単位面積摩擦力はほとんど変化しない(すなわち、単位面積摩擦力はほぼ一定となる)。
すなわち、非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、摩擦係数の値が、ゴム物体の変形可能な性質に起因して、単位面積接触圧力が大きいほど小さくなり、単位面積接触圧力が小さいほど大きくなるように変化するため、このように単位面積接触圧力が変化しても単位面積摩擦力がほとんど変化しないような特性が得られる。
このため非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、例えば、互いの接触面積を一定にした状態で接触圧力を変化させると、この際の接触圧力の変化の方向へ単位面積接触圧力も変化するものの、その変化の方向とは逆に摩擦係数の値が変化するため、これら非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力はほとんど変化しない。
すなわち、非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、例えば、互いの接触面積を一定にした状態で接触圧力を大きくすると、これに応じて単位面積接触圧力が大きくなって摩擦係数は小さくなるため、これら非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力はほとんど変化しない。
また非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、例えば、互いの接触面積を一定にした状態で接触圧力を小さくすると、これに応じて単位面積接触圧力が小さくなって摩擦係数は大きくなるため、この場合も非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力はほとんど変化しない。
ただし、非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、例えば、接触圧力を一定にした状態で互いの接触面積を変化させると、単位面積接触圧力が変化し、その変化分を相殺するように接触面積が変化して接触圧力は何ら変化しないものの、単位面積接触圧力の変化に応じて摩擦係数の値が変化するため、これら非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力は変化する。
すなわち、非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、例えば、接触圧力を一定にした状態で互いの接触面積を小さくすると、接触圧力が一定のまま、単位面積接触圧力が大きくなって摩擦係数は小さくなるため、これら非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力は小さくなる。
また非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、例えば、接触圧力を一定にした状態で互いの接触面積を大きくすると、接触圧力が一定のまま、単位面積接触圧力が小さくなって摩擦係数は大きくなるため、これら非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力は大きくなる。
よって非ゴム物体とゴム物体とが接触した場合、接触面積を変化させることで、これら非ゴム物体とゴム物体との間に作用する摩擦力を変化させることができる。
そしてステージ25の紙幣載上面25A上で重なるように接触した2枚の紙幣45の間や、第1及び第2の実施の形態について説明した最終紙幣45と、これに接触する材質変更板63乃至65、86乃至88との間には、第1摩擦力特性曲線C1をもとに説明した場合のように摩擦力が作用する。
また材質変更部107によりゴム製(材質がゴム)の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の周側面の一部を最終紙幣45と接触させた場合は、第2摩擦力特性曲線C2をもとに説明した場合のように摩擦力が作用する。
よって材質変更部107の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111は、周側面の幅が直径方向の一方の部分よりも他方の部分が広くなるように形成されている。
すなわち、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111は、周側面の幅が直径方向の一方の部分で最も狭くなり、当該一方の部分から他方の部分にかけて徐々に広くなり、当該他方の部分で最も広くなるように形成されている。
因みに、以下の説明では、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の周側面において最も幅の狭い部分を、最狭部分とも呼び、最も幅の広い部分を、最広部分とも呼ぶ。
そして左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111は、ステージ25の変更部配置面25D及び前後の縁に対する互いの最狭部分及び最広部分の位置関係を合わせてローラ駆動軸108に取り付けられている。
そのうえで材質変更部107は、ローラ駆動軸108の近傍に配置された図示しない摩擦力変更用モータの出力軸が、複数のギアを介して当該ローラ駆動軸108に連結されている。
これにより材質変更部107は、制御部19により摩擦力変更用モータが駆動されると、これに応じて左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を同期させて一回転方向へ回転させることができる。
そして図15と共に図17及び図18に示すように、制御部19は、係る材質変更部107を制御して、最終紙幣45にステージ25の紙幣載上面25Aとの接触によって作用する摩擦力を、繰出用に最適な摩擦力に変更する場合、摩擦力変更用モータを駆動して左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を共に一回転方向へ回転させる。
これにより制御部19は、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の周側面において、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる紙幣接触部分の幅を変更することができる。
すなわち、制御部19は、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の周側面において、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYを介して最終紙幣45(すなわち、最終紙幣45の下面の一部)に接触させる紙幣接触部分の面積を、当該紙幣接触部分の幅と共に変更することができる。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫101で扱う紙幣45の材質に応じて、ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から突出させる左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更して、最終紙幣45に当該面積を変更した紙幣接触部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
すなわち、仮に同一の紙幣45に左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分を、面積を変えて接触させたとすると、例えば、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を比較的小さくした場合は、紙幣45に、その紙幣接触部分の接触によって作用させる摩擦力を比較的小さくすることができる。
また左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を比較的大きくした場合は、紙幣45に、その紙幣接触部分の接触によって作用させる摩擦力を比較的大きくすることができる。
よって制御部19は、ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から突出させる左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を、このような左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積の変化に応じた摩擦力の変化の特性をもとに、紙幣収納繰出庫101で扱う紙幣45の材質に応じて選定された面積に設定している。
そして制御部19は、このように最終紙幣45にステージ25の紙幣載上面25Aとの接触によって作用する摩擦力を、繰出用に最適な摩擦力に変更するために、材質変更部107において左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を変更する処理を、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、空の状態の紙幣収納繰出庫101に紙幣45を収納する際に実行している。
すなわち、制御部19は、作業者により例えば、タッチスクリーン4を介して、空の状態の紙幣収納繰出庫12に対する紙幣45の収納が指示されると、メモリに予め記憶している摩擦力変更プログラムに従って、図7との対応部分に同一符号を付した図19に示す第2摩擦力変更処理手順RT2を開始する。
制御部19は、係る第2摩擦力変更処理手順RT2を開始すると、ステップSP1の処理を実行した後、次のステップSP11に移る。
ここで、制御部19は、例えば、メモリに構築した上述の紙幣データベースに、各国の紙幣45に関する各種情報として、当該紙幣45の材質を示す情報を格納している。
また制御部19は、例えば、メモリに構築した上述の紙幣データベースに、各国の紙幣45に関する各種情報として、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分を紙幣45の材質に対応する(すなわち、最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させる)面積にするための当該左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111に対する基準位置からの回転角度を示す情報も格納している。
さらに制御部19は、例えば、紙幣収納繰出庫101乃至104各々においてステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更する毎に、変更後の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111に対する基準位置からの回転角度を示す情報を生成する。
そして制御部19は、その回転角度を示す情報を、この際、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させた紙幣収納繰出庫101乃至104を示す情報と対応付けて回転履歴情報を生成し、当該生成した回転履歴情報をメモリに記憶している。
よってステップSP11において制御部19は、作業者により指定された紙幣収納繰出庫101及び紙幣45の指定種類をもとに、メモリ内の紙幣データベース、及び当該紙幣収納繰出庫101に対応する回転履歴情報を参照する。
そして制御部19は、その参照結果をもとに、紙幣収納繰出庫101において左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更するか否かを判別する。
このステップSP11において肯定結果が得られると、このことは、紙幣収納繰出庫101における現在の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積が、当該紙幣収納繰出庫101に今から収納する紙幣45に、繰出用に最適な摩擦力を作用させ得る面積とは異なることを表している。
すなわち、係る肯定結果は、紙幣収納繰出庫101において、今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時に繰出用に最適な摩擦力を作用させるには、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を変更する必要があることを表している。そしてステップSP11において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP12に移る。
ステップSP12において制御部19は、紙幣45の指定種類(すなわち、指定種類の紙幣45の材質)に応じて紙幣収納繰出庫101内で材質変更部107の摩擦力変更用モータを駆動する。
これにより制御部19は、紙幣収納繰出庫101内の材質変更部107において左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて、紙幣接触部分の面積を変更する。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫101内での左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積の変更に応じて、その面積の変更後の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111に対する基準位置からの回転角度を示す回転履歴情報を生成してメモリに記憶した後、次のステップSP4に移る。
ただし、ステップSP11において否定結果が得られると、このことは、紙幣収納繰出庫101における現在の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積が、当該紙幣収納繰出庫101に今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時には繰出用に最適な摩擦力を作用させ得る面積であることを表している。
すなわち、係る否定結果は、紙幣収納繰出庫101において左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を変更しなくても、今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時には繰出用に最適な摩擦力を作用させ得ることを表している。
そしてステップSP11において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP12の処理は実行せずにステップSP4に移る。
そして制御部19は、ステップSP4の処理を実行した後、次のステップSP5において、紙幣収納繰出庫101への収納用に補充回収庫16から繰り出し始めた紙幣45の種類が作業者の指定通りであり、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更し直す必要がないために肯定結果を得ると、次のステップSP13に移る。
これによりステップSP13において制御部19は、紙幣収納繰出庫101への紙幣45の収納を継続しながらも、第2摩擦力変更処理手順RT2については終了する。
これに対しステップSP5において否定結果が得られると、このことは、このとき紙幣収納繰出庫101への収納用に補充回収庫16から繰り出し始めた紙幣45の種類を作業者が誤って指定していたため、当該紙幣収納繰出庫101において左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を変更し直さなければならない可能性があることを表している。そしてステップSP5において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP14に移る。
この際、ステップSP14において制御部19は、鑑別部10から通知された1枚目の紙幣45の鑑別結果をもとに、メモリ内の紙幣データベース、及び紙幣収納繰出庫101に対応する回転履歴情報を参照する。
そして制御部19は、その参照結果をもとに、紙幣収納繰出庫101において、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更するか否かを改めて判別する。
このステップSP14において肯定結果が得られると、このことは、この際、鑑別部10で鑑別された紙幣45の材質と、指定種類の紙幣45の材質とが異なっていたため、紙幣収納繰出庫101内で左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を改めて変更する必要があることを表している。そしてステップSP14において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP15に移る。
ステップSP15において制御部19は、鑑別部10から通知された1枚目の紙幣45の鑑別結果をもとに(すなわち、実際に鑑別された紙幣45の材質に応じて)、紙幣収納繰出庫101内で材質変更部107の摩擦力変更用モータを駆動する。
これにより制御部19は、上述と同様に紙幣収納繰出庫101内の材質変更部107において左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を変更する。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫101内での左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積の変更に応じて、その面積の変更後の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111に対する基準位置からの回転角度を示す回転履歴情報を生成してメモリに記憶した後、次のステップSP13に移る。
これによりステップSP13において制御部19は、紙幣収納繰出庫101への紙幣45の収納を継続しながらも、第2摩擦力変更処理手順RT2については終了する。
ただし、ステップSP14において否定結果が得られると、このことは、この際、鑑別部10で鑑別された紙幣45と、指定種類の紙幣45とは例えば、金種が異なるだけで互いの材質は同一であるため(すなわち、作業者が紙幣45の金種を誤って指定していただけであるため)、紙幣収納繰出庫101内で左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更する必要がないことを表している。
そしてステップSP14において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP15の処理は実行せずにステップSP13に移り、当該ステップSP13において、紙幣収納繰出庫101への紙幣45の収納を継続しながらも、第2摩擦力変更処理手順RT2については終了する。
このようにして制御部19は、現金自動預払機100の設置時や運用途中の取扱紙幣の変更に応じて、ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から突出させる左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を適宜変更するようにして、最終紙幣45に当該紙幣接触部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させるように設定することができる。
(3−4)第3の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機100では、紙幣収納繰出庫101乃至104においてステージ25の変更部配置面25Dに、周側面の幅が部分的に異なるゴム製の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を有する材質変更部107を配置する。
そして現金自動預払機100は、紙幣収納繰出庫101乃至104で扱う紙幣45の材質に応じて、紙幣収納繰出庫101乃至104において材質変更部107により左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を共に適宜回転させる。
これにより現金自動預払機100は、紙幣収納繰出庫101乃至104において、ステージ25の紙幣載上面25Aから突出させる、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更するようにして、最終紙幣45に紙幣接触部分を接触させて作用させる摩擦力を、当該最終紙幣45の材質に応じて変更可能にした。
従って現金自動預払機100は、紙幣収納繰出庫101乃至104において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ25の紙幣載上面25Aに載っている複数の紙幣45のうち最終紙幣45に、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機100は、紙幣収納繰出庫101乃至104においてステージ25の変更部配置面25Dに、周側面の幅が部分的に異なるゴム製の左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を有する材質変更部107を配置し、紙幣収納繰出庫101乃至104で扱う紙幣45の材質に応じて、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて、ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から突出させる、当該左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更するようにして、最終紙幣45に紙幣接触部分を接触させて作用させる摩擦力を、当該最終紙幣45の材質に応じて変更し得るようにした。
これにより現金自動預払機100は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて材質変更部107を、上述した第1及び第2の実施の形態による材質変更部60、77に比して大幅に簡易化及び小型化することができる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)現金自動預払機の外観構成
次いで、第4の実施の形態による現金自動預払機について説明する。第4の実施の形態による現金自動預払機は、第1の実施の形態による現金自動預払機1(図1)と同様の外観構成を有している。よって、第4の実施の形態による現金自動預払機の外観構成についても、図1を参照することとし説明を省略する。
(4−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、第4の実施の形態による現金自動預払機の内部構成について説明する。図2との対応部分に同一符号を付した図20に示すように、第4の実施の形態による現金自動預払機120は、複数の紙幣収納繰出庫121乃至124の構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
よって、以下には、第4の実施の形態による現金自動預払機120に設けられた複数の紙幣収納繰出庫121乃至124の構成について説明する。
(4−3)紙幣収納繰出庫の構成
第4の実施の形態による現金自動預払機120の複数の紙幣収納繰出庫121乃至124は、それぞれステージ及び材質変更部の構成を除いて、図3乃至図9を用いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1の複数の紙幣収納繰出庫12乃至15と同様に構成されている。
よって、以下には、複数の紙幣収納繰出庫121乃至124に設けられたステージ及び材質変更部の構成について説明する。
ただし、複数の紙幣収納繰出庫121乃至124は、同様に構成されているため、1つの紙幣収納繰出庫121の材質変更部の構成についてのみ説明し、他の紙幣収納繰出庫122乃至124の材質変更部の構成については説明を省略する。
図5及び図6との対応部分に同一符号を付した図21及び図22に示すように、紙幣収納繰出庫121において紙幣収納部22内には、上述した第1の実施の形態による紙幣収納繰出庫12乃至15の場合と材質のみが異なるステージ126が上方向及び下方向へ移動可能(昇降可能)に設けられている。
この場合、ステージ126の材質は、現金自動預払機120で扱うことが想定される種々の材質の紙幣45の何れが最終紙幣45として紙幣載上面126Aに接触した場合でも、比較的小さい摩擦力を作用させるものに選定されている。
そしてステージ126の変更部配置面126Dには、紙幣載上面126Aの材質を部分的に変更して、当該紙幣載上面126Aに接触する最終紙幣45に、その材質の変更部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させる材質変更部127が配置されている。
材質変更部127は、例えば、一対の四角形状の昇降板128(1つのみ図示し残りの1つは図示せず)を有している。
一方の昇降板128は、その一面を水平にしてステージ126の左開口部126AXと対向させた姿勢で、図示しない昇降板支持部により上方向及び下方向に移動可能に支持されている。
また、他方の昇降板は、その一面を水平にしてステージ126の右開口部126AYと対向させた姿勢で、図示しない昇降板支持部により上方向及び下方向に移動可能に支持されている。
因みに、以下の説明では、ステージ126の左開口部126AXと対向配置された一方の昇降板128を、左昇降板128とも呼び、当該ステージ126の右開口部126AYと対向配置された他方の昇降板を、右昇降板とも呼ぶ。
さらに左昇降板128の一面及び右昇降板の一面には、それぞれ同一の材質の摩擦力変更板129、130が貼着されている。
因みに、以下の説明では、左昇降板128の一面に貼着された摩擦力変更板129を、左摩擦力変更板129とも呼び、右昇降板の一面に貼着された摩擦力変更板130を、右摩擦力変更板130とも呼ぶ。
ここで、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の材質は、現金自動預払機120で扱うことが想定される種々の材質の紙幣45の何れに接触した場合でも、ステージ126野紙幣載上面126Aが当該種々の材質の紙幣45に接触した場合に作用させる摩擦力よりも大きい摩擦力を作用させるように選定されている。
そして材質変更部127は、図示しない昇降駆動部を有し、制御部19により当該昇降駆動部が駆動されると、これに応じて左昇降板128及び右昇降板を、互いの高さ位置を合わせた状態で上昇させ、また下降させることができる。
これにより材質変更部127は、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130により最終紙幣45に対し、第3の実施の形態において図16に示す第1摩擦力特性曲線C1をもとに説明した場合のように摩擦力を作用させることができるようにしている。
すなわち、材質変更部127は、最終紙幣45に対する左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の接触圧力を変化させることで、当該最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させるように構成されている。
実際、制御部19は、係る材質変更部127を制御して、最終紙幣45にステージ126の紙幣載上面126Aとの接触によって作用する摩擦力を、繰出用に最適な摩擦力に変更する場合、昇降駆動部を駆動して左昇降板128及び右昇降板を共に上昇させる。
これにより制御部19は、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の表面を、ステージ126の左開口部126AX及び右開口部126AYを介して紙幣載上面126Aから突出させるようにして、当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130に対する紙幣載上面126Aからの突出量を変更することができる。
そして制御部19は、このように左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130に対するステージ126の紙幣載上面126Aからの突出量を変更することで、当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の表面を最終紙幣45の一部(すなわち、下面の一部)に押し付ける際の接触圧力を設定することができる。
すなわち、仮に同一の紙幣45に左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を、接触圧力を変更して接触させたとすると、紙幣45に対する左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の表面の接触圧力を比較的小さくした場合は、当該紙幣45に左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の接触によって作用させる摩擦力を比較的小さくすることができる。
また紙幣45に対する左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の表面の接触圧力を比較的大きくした場合は、当該紙幣45に左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の接触によって作用させる摩擦力を比較的大きくすることができる。
よって制御部19は、ステージ126の紙幣載上面126Aの一部から突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を、このような左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の接触圧力の変化に応じた摩擦力の変化の特性をもとに、紙幣収納繰出庫101で扱う紙幣45の材質に応じて選定された突出量に設定している。
このようにして制御部19は、紙幣収納繰出庫121で扱う紙幣45の材質に応じて、ステージ126の紙幣載上面126Aの一部から突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量と共に最終紙幣45に対する接触圧力を設定して、最終紙幣45に当該設定した接触圧力での左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
そして制御部19は、このように最終紙幣45にステージ126の紙幣載上面126Aとの接触によって作用する摩擦力を、繰出用に最適な摩擦力に変更するために、材質変更部127において左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を昇降させて最終紙幣45に対する接触圧力を変更する処理を、上述した第1の実施の形態の場合と同様に、空の状態の紙幣収納繰出庫121に紙幣45を収納する際に実行している。
すなわち、制御部19は、作業者により例えば、タッチスクリーン4を介して、空の状態の紙幣収納繰出庫12に対する紙幣45の収納が指示されると、メモリに予め記憶している摩擦力変更プログラムに従って、図7との対応部分に同一符号を付した図23に示す第3摩擦力変更処理手順RT3を開始する。
制御部19は、係る第3摩擦力変更処理手順RT3を開始すると、ステップSP1の処理を実行した後、次のステップSP21に移る。
ここで、制御部19は、例えば、メモリに構築した上述の紙幣データベースに、各国の紙幣45に関する各種情報として、当該紙幣45の材質を示す情報を格納している。
また制御部19は、例えば、メモリに構築した上述の紙幣データベースに、各国の紙幣45に関する各種情報として、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130をステージ126の紙幣載上面126Aから突出させて紙幣45の材質に対応する(すなわち、最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させる)接触圧力を得るための左昇降板128及び右昇降板の基準位置からの上昇距離を示す情報も格納している。
さらに制御部19は、例えば、紙幣収納繰出庫121乃至124各々において左昇降板128及び右昇降板を昇降させるようにして、ステージ126の紙幣載上面126Aから突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更する毎に、その変更後の左昇降板128及び右昇降板に対する基準位置からの上昇距離を示す情報を生成する。
そして制御部19は、その上昇距離を示す情報を、この際、左昇降板128及び右昇降板を昇降させた紙幣収納繰出庫121乃至124を示す情報と対応付けて昇降履歴情報を生成し、当該生成した昇降履歴情報をメモリに記憶している。
よってステップSP21において制御部19は、作業者により指定された紙幣収納繰出庫121及び紙幣45の指定種類をもとに、メモリ内の紙幣データベース、及び当該紙幣収納繰出庫121に対応する昇降履歴情報を参照する。
そして制御部19は、その参照結果をもとに、紙幣収納繰出庫121においてステージ126の紙幣載上面126Aから突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更するか否かを判別する。
このステップSP21において肯定結果が得られると、このことは、紙幣収納繰出庫121において現在、ステージ126の紙幣載上面126Aから突出させている左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量が、当該紙幣収納繰出庫121に今から収納する紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させ得る突出量とは異なることを表している。
すなわち、係る肯定結果は、紙幣収納繰出庫121において、今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時に繰出用に最適な摩擦力を作用させるには、左昇降板128及び右昇降板を昇降させてステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更する必要があることを表している。そしてステップSP21において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP22に移る。
ステップSP22において制御部19は、紙幣45の指定種類(すなわち、指定種類の紙幣45の材質)に応じて紙幣収納繰出庫121内で材質変更部127の昇降駆動部を駆動する。
これにより制御部19は、紙幣収納繰出庫121内の材質変更部127において左昇降板128及び右昇降板を昇降させて、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更する。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫121内で左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更するために左昇降板128及び右昇降板を昇降させたことに応じて、昇降後の左昇降板128及び右昇降板の基準位置からの上昇距離を示す昇降履歴情報を生成してメモリに記憶した後、次のステップSP4に移る。
ただし、ステップSP21において否定結果が得られると、このことは、紙幣収納繰出庫121におせる現在のステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量が、当該紙幣収納繰出庫121に今から収納する紙幣45に紙幣繰出時には繰出用に最適な摩擦力を作用させ得る突出量であることを表している。
すなわち、係る否定結果は、紙幣収納繰出庫121において左昇降板128及び右昇降板を昇降させて、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更しなくても、今から収納する紙幣45に対し、紙幣繰出時には繰出用に最適な摩擦力を作用させ得ることを表している。
そしてステップSP21において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP22の処理は実行せずにステップSP4に移る。
そして制御部19は、ステップSP4の処理を実行した後、次のステップSP5において、紙幣収納繰出庫121への収納用に補充回収庫16から繰り出し始めた紙幣45の種類が作業者の指定通りであり、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更し直す必要がないために肯定結果を得ると、次のステップSP23に移る。
これによりステップSP23において制御部19は、紙幣収納繰出庫121への紙幣45の収納を継続しながらも、第3摩擦力変更処理手順RT3については終了する。
これに対しステップSP5において否定結果が得られると、このことは、このとき紙幣収納繰出庫121への収納用に補充回収庫16から繰り出し始めた紙幣45の種類を作業者が誤って指定していたため、当該紙幣収納繰出庫121においてステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更し直さなければならない可能性があることを表している。そしてステップSP5において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP24に移る。
この際、ステップSP24において制御部19は、鑑別部10から通知された1枚目の紙幣45の鑑別結果をもとに、メモリ内の紙幣データベース、及び紙幣収納繰出庫121に対応する昇降履歴情報を参照する。
そして制御部19は、その参照結果をもとに、紙幣収納繰出庫121において、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更するか否かを改めて判別する。
このステップSP24において肯定結果が得られると、このことは、この際、鑑別部10で鑑別された紙幣45の材質と、指定種類の紙幣45の材質とが異なっていたため、紙幣収納繰出庫121内でステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を改めて変更する必要があることを表している。そしてステップSP24において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP25に移る。
ステップSP25において制御部19は、鑑別部10から通知された1枚目の紙幣45の鑑別結果をもとに(すなわち、実際に鑑別された紙幣45の材質に応じて)、紙幣収納繰出庫121内で材質変更部127の昇降駆動部を駆動する。
これにより制御部19は、上述と同様に紙幣収納繰出庫121内の材質変更部127において左昇降板128及び右昇降板を昇降させて、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更する。
また制御部19は、紙幣収納繰出庫121内で左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更するために左昇降板128及び右昇降板を昇降させたことに応じて、昇降後の左昇降板128及び右昇降板の基準位置からの上昇距離を示す昇降履歴情報を生成してメモリに記憶した後、次のステップSP23に移る。
これによりステップSP23において制御部19は、紙幣収納繰出庫121への紙幣45の収納を継続しながらも、第3摩擦力変更処理手順RT3については終了する。
ただし、ステップSP24において否定結果が得られると、このことは、この際、鑑別部10で鑑別された紙幣45と、指定種類の紙幣45とは例えば、金種が異なるだけで互いの材質は同一であるため(すなわち、作業者が紙幣45の金種を誤って指定していただけであるため)、紙幣収納繰出庫121内でステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更する必要がないことを表している。
そしてステップSP24において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP25の処理は実行せずにステップSP23に移り、当該ステップSP23において、紙幣収納繰出庫121への紙幣45の収納を継続しながらも、第3摩擦力変更処理手順RT3については終了する。
このようにして制御部19は、現金自動預払機100の設置時や運用途中の取扱紙幣の変更に応じて、ステージ126の紙幣載上面126Aの一部から突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を適宜変更するようにして、最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させるように、当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を最終紙幣45に押し付ける際の接触圧力を設定することができる。
(4−4)第4の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機120では、紙幣収納繰出庫121乃至124においてステージ126の変更部配置面126Dに、左昇降板128及び右昇降板を介して左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を昇降させる材質変更部127を配置する。
そして現金自動預払機120は、紙幣収納繰出庫121乃至124で扱う紙幣45の材質に応じて、紙幣収納繰出庫121乃至124において材質変更部127により左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を昇降させるようにした。
これにより現金自動預払機120は、紙幣収納繰出庫121乃至124において、ステージ126の紙幣載上面126Aの一部から突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更するようにして、最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させるように、当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を最終紙幣45に押し付ける際の接触圧力を設定する。
従って現金自動預払機120は、紙幣収納繰出庫121乃至124において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ126の紙幣載上面126Aに載っている複数の紙幣45のうち最終紙幣45に、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の接触圧力に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機120は、紙幣収納繰出庫121乃至124においてステージ126の変更部配置面126Dに、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を昇降させる材質変更部127を配置し、紙幣収納繰出庫121乃至124で扱う紙幣45の材質に応じて、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を昇降させてステージ126の紙幣載上面126Aの一部から突出させる当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更して、最終紙幣45に対し、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を繰出用に最適な摩擦力を作用させる接触圧力で接触させ得るようにした。
これにより現金自動預払機120は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて材質変更部127を、上述した第1及び第2の実施の形態による材質変更部60、77に比して大幅に簡易化及び小型化することができる。
(5)第5の実施の形態
(5−1)現金自動預払機の外観構成
次いで、第5の実施の形態による現金自動預払機について説明する。第5の実施の形態による現金自動預払機は、第1の実施の形態による現金自動預払機1(図1)と同様の外観構成を有している。よって、第5の実施の形態による現金自動預払機の外観構成についても、図1を参照することとし説明を省略する。
(5−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、第5の実施の形態による現金自動預払機の内部構成について説明する。図2との対応部分に同一符号を付した図24に示すように、第5の実施の形態による現金自動預払機140は、複数の紙幣収納繰出庫141乃至144の構成を除いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1と同様に構成されている。
よって、以下には、第5の実施の形態による現金自動預払機140に設けられた複数の紙幣収納繰出庫141乃至144の構成について説明する。
(5−3)紙幣収納繰出庫の構成
第5の実施の形態による現金自動預払機140の複数の紙幣収納繰出庫141乃至144は、それぞれ材質変更部の構成を除いて、図3乃至図9を用いて上述した第1の実施の形態による現金自動預払機1の複数の紙幣収納繰出庫12乃至15と同様に構成されている。
よって、以下には、複数の紙幣収納繰出庫141乃至144に設けられた材質変更部の構成について説明する。ただし、複数の紙幣収納繰出庫141乃至144は、同様に構成されているため、1つの紙幣収納繰出庫141の材質変更部の構成についてのみ説明し、他の紙幣収納繰出庫142乃至144の材質変更部の構成については説明を省略する。
図5及び図6との対応部分に同一符号を付した図25及び図26に示すように、紙幣収納繰出庫141において紙幣収納部22内には、上述した第1の実施の形態による紙幣収納繰出庫12乃至15の場合と同様にステージ25が上方向及び下方向へ移動可能(昇降可能)に設けられている。
そしてステージ25の変更部配置面25Dには、紙幣載上面25Aの材質を部分的に変更して、当該紙幣載上面25Aに接触する最終紙幣45に、その材質の変更部分の接触に応じて繰出用に最適な摩擦力を作用させる材質変更部147が配置されている。
材質変更部147は、例えば、ステージ25の左開口部25AXの左縁から右開口部25AYの右縁までの長さ以上の所定長さの棒状のローラ駆動軸148を有している。
ローラ駆動軸148は、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYの前後の中心の真下で、図示しない軸受部により、左方向と平行にして例えば、一回転方向及び他回転方向へ回転可能に支持されている。
そしてローラ駆動軸148は、ステージ25の左開口部25AXと対向する一端部に、摩擦力変更ローラ150が、その中心に穿設された孔部を介して取り付けられ、当該摩擦力変更ローラ150の周側面において上側の一部を、左開口部25AXを介して紙幣載上面25Aから僅かに上へ突出させている。
ここで、摩擦力変更ローラ150は、現金自動預払機140で扱うことが想定される種々の材質の紙幣(すなわち、各国の紙幣)の何れが周側面に接触した場合でも、当該周側面に対し紙幣45が滑らないような材質に選定されている。
またローラ駆動軸148は、ステージ25の右開口部25AYと対向する他端部に、摩擦力変更ローラ150と同一の材質の摩擦力変更ローラ151が、その中心に穿設された孔部を介して取り付けられ、当該摩擦力変更ローラ151の周側面において上側の一部を、右開口部25AYを介して紙幣載上面25Aから僅かに上へ突出させている。
これにより材質変更部147は、ステージ25の紙幣載上面25Aに1又は複数の紙幣45が積層するように重ねられて載せられた場合、最終紙幣45の一部(すなわち、下面の一部)に、摩擦力変更ローラ150、151各々の周側面において紙幣載上面25Aから突出する範囲の頂上部分を接触させることができる。
因みに、以下の説明では、ローラ駆動軸148の一端部に取り付けられた摩擦力変更ローラ150を、左摩擦力変更ローラ150とも呼び、当該ローラ駆動軸148の他端部に取り付けられた摩擦力変更ローラ151を、右摩擦力変更ローラ151とも呼ぶ。
さらに材質変更部147は、ローラ駆動軸148の近傍に配置された図示しない摩擦力変更用モータの出力軸が、複数のギアを介して当該ローラ駆動軸148に連結されている。
これにより材質変更部147は、制御部19により摩擦力変更用モータが駆動されると、これに応じて左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を同期させて一回転方向及び他回転方向へ回転させることができる。
また材質変更部147は、例えば、摩擦力変更用モータの出力軸に、当該出力軸の回転の有無と共に回転方向を検出するための図示しないエンコーダが取り付けられている。
そして材質変更部147のエンコーダは、紙幣収納繰出庫141の紙幣繰出時、摩擦力変更用モータの回転の有無及び回転方向を示す回転信号を制御部19に送出する。
これにより制御部19は、紙幣収納繰出庫141の紙幣繰出時、エンコーダから与えられる回転信号に基づき、摩擦力変更用モータの回転軸と共に、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が回転したか否か、及び回転した場合は回転方向(すなわち、一回転方向及び他回転方向)を検出する。
また制御部19は、例えば、紙幣45の入金処理や出金処理、補充処理、回収処理の際、鑑別部10の鑑別結果に基づき、紙幣収納繰出庫141において収納した紙幣45及び繰り出した紙幣45の枚数を係数するようにして、紙幣収納繰出庫141に対する紙幣45の収納枚数を常に管理している。
さらに制御部19は、紙幣繰出時、紙幣収納繰出庫141について管理している紙幣45の収納枚数と共に、上述の送出センサから与えられる出力信号に基づき、紙幣収納部22内で繰出側に送り出される最上位紙幣45が、最終紙幣45以外(すなわち、最終紙幣45よりも上側の紙幣45)であるか否かを検出している。
かかる構成のもと、制御部19は、紙幣収納繰出庫141の紙幣繰出時、材質変更部147の摩擦力変更用モータを何ら駆動せずに左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を自由に回転可能な状態にして、複数のピックアップローラ53によりステージ25の紙幣載上面25A上の複数の紙幣45を上から順次に繰出側へ送り出す。
また材質変更部147の左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151は、上述のように周側面の頂上部分が最終紙幣45に接触していると、当該周側面が最終紙幣45に対して滑らないような材質に選定されている。
このため材質変更部147では、複数のピックアップローラ53によりステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45よりも1又は複数枚上の最上位紙幣45を繰出側へ送り出す際、仮に最上位紙幣45から最終紙幣45までが重なったまま繰出側に移動すると、当該最終紙幣45の繰出側への移動に伴い左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が一回転方向へ回転することになる。
すなわち、材質変更部147では、この際、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が、繰出側へ移動する最終紙幣45に接触したまま、その繰出側への移動に従い一回転方向へ連れ回ることになる。
ただし、制御部19は、紙幣繰出時に左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が一回転方向へ回転すると、その回転を、エンコーダを介して検出する。
そして制御部19は、最終紙幣45よりも上側の紙幣45(最上位紙幣45)が繰出側に送り出されることを検出している状態で、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が一回転方向へ回転し始めたことを検出すると、摩擦力変更用モータに対し例えば、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に一回転転方向への回転を停止させるようなトルクをかけるための制動信号(電流)を送出する。
これにより制御部19は、制動信号により摩擦力変更用モータを介して左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151の一回転方向への回転を停止させる。
また制御部19は、このようにして左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に一回転転方向への回転を停止させるようなトルクをかけても、最終紙幣45の繰出側への移動に応じて当該左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が再び一回転方向へ回転し始めると、摩擦力変更用モータに与える制動信号の値(すなわち、電流値)を調整する。
従って制御部19は、制動信号により摩擦力変更用モータを介して左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151の一回転方向への回転を再び停止させる。
このようにして制御部19は、紙幣繰出時、紙幣収納部22において最終紙幣45と共に1又は複数枚の紙幣45が重なったまま繰出側へ送り出されそうになっても、最終紙幣45に接触している左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に所定のトルクをかけて回転を停止させる。
よって制御部19は、紙幣繰出時、複数のピックアップローラ53によりステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45よりも上側の紙幣45が繰出側へ送り出される際には、当該最終紙幣45に対し、回転を停止させるようにトルクをかけた左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151の接触に応じて、ステージ25の紙幣載上面25Aに留まらせるような繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
そして制御部19は、複数のピックアップローラ53によりステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45が繰出側へ送り出される際には、摩擦力変更用モータの駆動を停止して、再び左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を一回転方向へ自由に回転可能な状態にする。
これにより制御部19は、紙幣収納部22内で最終紙幣45が繰出側へ移動すると、その移動に応じて左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を一回転方向へ回転させることで、当該最終紙幣45をスムーズに繰出側へ送り出すことができる。
実際に制御部19は、紙幣収納繰出庫141の紙幣繰出時、メモリに予め記憶している摩擦力変更プログラムに従って、図27に示す第4摩擦力変更処理手順RT4を開始する。
制御部19は、係る第4摩擦力変更処理手順RT4を開始すると、ステップSP31において材質変更部147の摩擦力変更用モータを何ら駆動せずに左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を自由に回転可能な状態にして、次のステップSP32に移る。
ステップSP32において制御部19は、紙幣収納部22においてステージ25の紙幣載上面25A上から繰出側へ送り出す紙幣45(すなわち、最上位紙幣45)が最終紙幣45以外であるか否かを判別する。
このステップSP32において肯定結果が得られると、このことは、このときステージ25の紙幣載上面25A上から繰出側へ送り出す紙幣45が最終紙幣45以外であるため、その紙幣45が最終紙幣45と共に(すなわち、最終紙幣45に重なったまま)繰出側へ送り出される可能性があることを表している。ステップSP32において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP33に移る。
ステップSP33において制御部19は、紙幣45の繰出側への送り出しにより、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が一回転方向へ回転し始めたか否かを判別する。
このステップSP33において肯定結果が得られると、このことはステージ25の紙幣載上面25A上から繰出側へ送り出される紙幣45と共に最終紙幣45も繰出側へ移動し始めたことを表している。ステップSP33において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP34に移る。
ステップSP34において制御部19は、摩擦力変更用モータを介して左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に一回転転方向への回転を停止させるようなトルクをかけて、その一回転方向への回転を停止させることにより、最終紙幣45をステージ25の紙幣載上面25A上に留まらせる。
そして制御部19は、このようにして最終紙幣45をステージ25の紙幣載上面25A上に留まらせながら、当該最終紙幣45よりも上側の紙幣45を繰出側へ送り出し終えると、ステップSP31に戻る。
ところで、上述のステップSP33において否定結果が得られると、このことは、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に特にはトルクをかけなくても、ステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45以外の紙幣45のみが繰出側へ送り出されて、当該最終紙幣45は何ら移動せずに紙幣載上面25A上に留まっていることを表している。
ステップSP33において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP34の処理は実行せずに、ステップSP31に戻る。
このようにして制御部19は、ステップSP31において否定結果が得られるまでの間は、ステップSP31乃至ステップSP34の処理を循環的に繰り返し実行する。
これにより制御部19は、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を自由に回転可能な状態してステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45以外の紙幣45を繰出側へ順次送り出しながら、最終紙幣45に接触している左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が回転したか否かを監視する。
そして制御部19は、このように繰出側へ送り出す紙幣45と共に最終紙幣45も繰出側へ移動して左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が回転し始めたときには、その都度、最終紙幣45に接触している左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に回転を停止させるようなトルクをかけて、当該最終紙幣45に、紙幣載上面25Aに留まらせるような繰出用に最適な摩擦力を作用させる。
そして上述のステップSP32において否定結果が得られると、このことは、ステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45以外の紙幣45を全て繰出側へ送り出し終えたこと、すなわち、紙幣載上面25A上から次に繰出側へ送り出すのは最終紙幣45であることを表している。ステップSP32において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP35に移る。
ステップSP35において制御部19は、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を自由に回転可能な状態にしたまま、ステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45を繰出側へ送り出した後、次のステップSP36に移る。
これによりステップSP36において制御部19は、紙幣収納繰出庫141からの紙幣45の繰り出しと共に、第4摩擦力変更処理手順RT4を終了する。
(5−4)第5の実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機140では、紙幣収納繰出庫141乃至144においてステージ25の変更部配置面25Dに、何れの材質の紙幣45と接触しても滑らないような材質の左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を有する材質変更部147を配置する。
また現金自動預払機140は、材質変更部147において左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151の周側面の一部をステージ25の紙幣載上面25Aから突出させて最終紙幣45に接触させる。
そのうえで、現金自動預払機140は、紙幣収納繰出庫141乃至144の紙幣繰出時、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を自由に回転可能な状態にしてステージ25の紙幣載上面25A上から紙幣45を繰出側へ順次送り出す。
そして現金自動預払機140は、ステージ25の紙幣載上面25A上から繰出側へ送り出す紙幣45と共に最終紙幣45も繰出側へ移動して、当該最終紙幣45に接触している左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が回転し始めたときには、その都度、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に回転を停止させるようなトルクをかける。
従って現金自動預払機140は、紙幣収納繰出庫141乃至144において、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ25の紙幣載上面25A上から最終紙幣45以外の紙幣45を繰出側へ送り出そうとして最終紙幣45も一緒に繰出側へ移動し始めたときには、回転を停止させるようにトルクをかけた左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151によって最終紙幣45に、紙幣載上面25A上に留まらせるような繰出用に最適な摩擦力を作用させることができる。
以上の構成によれば、現金自動預払機140は、紙幣収納繰出庫141乃至144においてステージ25の変更部配置面25Dに、何れの材質の紙幣45と接触しても滑らないような材質の左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を有する材質変更部147を配置して、当該左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151の周側面の一部をステージ25の紙幣載上面25Aから突出させて最終紙幣45に接触させておき、左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151を自由に回転可能な状態にしてステージ25の紙幣載上面25A上から紙幣45を繰出側へ送り出すようにして、繰出側へ送り出す紙幣45と共に最終紙幣45も繰出側へ移動して左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151が回転し始めたときには、当該左摩擦力変更ローラ150及び右摩擦力変更ローラ151に回転を停止させるようなトルクをかけて、最終紙幣45に、紙幣載上面25Aに留まらせるような摩擦力を作用させるようにした。
これにより現金自動預払機140は、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができると共に、これに加えて材質変更部147を、上述した第1及び第2の実施の形態による材質変更部60、77に比して大幅に簡易化及び小型化することができる。
また現金自動預払機140は、最終紙幣45にステージ25の紙幣載上面25Aとの接触によって作用する摩擦力を変更するために、事前に、その変更用の設定や切り換え等を何ら行うことなく、ステージ25の紙幣載上面25A上から複数の紙幣45を繰出側へ順次繰り出しながら、当該最終紙幣45にステージ25の紙幣載上面25Aとの接触によって作用する摩擦力を、繰出用に最適な摩擦力に調整することができる。
(6)他の実施の形態
(6−1)他の実施の形態1
なお上述した第4の実施の形態においては、紙幣収納繰出庫121乃至124で扱う紙幣45の材質に応じて、ステージ126の紙幣載上面126Aから突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更して、当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の表面を最終紙幣45の一部に押し付ける際の接触圧力を設定するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙幣収納繰出庫121乃至124で、どのような材質の紙幣45を扱う場合でも、紙幣繰出時、ステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45以外の紙幣45を繰出側へ送り出す間は、当該ステージ126の紙幣載上面126Aから突出させる左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を比較的大きな一定量にする。
これにより本発明は、ステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45以外の紙幣45を繰出側へ送り出す間は、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の表面を最終紙幣45の一部に比較的大きな接触圧力で押し付けるようにして、当該最終紙幣45を紙幣載上面126Aと左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130とに対して滑らせないようにする。
そして本発明は、ステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45を繰出側へ送り出すときのみ、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を当該最終紙幣45から離隔させる。
本発明は、係る構成によっても、ステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45以外の紙幣45を繰出側へ送り出す間は、当該最終紙幣45にステージ126の紙幣載上面126Aに対して滑らないように摩擦力を作用させて、最終紙幣45が他の紙幣45と重なったまま繰出側へ送り出されることを防止することができる。
また本発明は、ステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45を繰出側へ送り出す際には、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を離隔させることで、当該最終紙幣45をステージ126の紙幣載上面126A上からスムーズに繰出側へ送り出すことができる。
ところで、本発明は、係る構成を、制御部19が実行する摩擦力変更処理によって実現することができる。すなわち、係る構成の場合、制御部19は、上述した第5の実施の形態の場合と同様に、紙幣収納繰出庫121乃至124に対する紙幣45の収納枚数を常に管理する。
そのうえで制御部19は、紙幣収納繰出庫121乃至124の紙幣繰出時、メモリに予め記憶している摩擦力変更プログラムに従って、図28に示す第5摩擦力変更処理手順RT5を開始する。
制御部19は、係る第5摩擦力変更処理手順RT5を開始すると、ステップSP41において左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を上昇させてステージ126の紙幣載上面126Aから突出させて最終紙幣45の一部に比較的大きな接触圧力で押し付けて、次のステップSP42に移る。
ステップSP42において制御部19は、紙幣収納繰出庫121乃至124について管理している紙幣45の収納枚数と共に、送出センサから与えられる出力信号に基づき、紙幣収納部22においてステージ126の紙幣載上面126A上から繰出側へ送り出す紙幣45(すなわち、最上位紙幣45)が最終紙幣45以外であるか否かを判別する。
このステップSP42において肯定結果が得られると、このことは、このときステージ126の紙幣載上面126A上から繰出側へ送り出す紙幣45が最終紙幣45以外であるため、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の下降させる必要がないことを表している。ステップSP42において制御部19は、係る肯定結果を得ると、次のステップSP43に移る。
よってステップSP43において制御部19は、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130に接触している最終紙幣45はステージ126の紙幣載上面126A上に留まらせたまま、当該最終紙幣45よりも上側の紙幣45を繰出側へ送り出した後、ステップSP42に戻る。
このようにして制御部19は、ステップSP42において否定結果が得られるまでの間は、ステップSP42及びステップSP43の処理を循環的に繰り返し実行する。
これにより制御部19は、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を最終紙幣45に所定の接触圧力で接触させたまま、当該最終紙幣45よりも上側の紙幣45を繰出側へ順次送り出す。
そして上述のステップSP42において否定結果が得られると、このことは、ステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45以外の紙幣45を全て繰出側へ送り出し終えたこと、すなわち、紙幣載上面126A上から次に繰出側へ送り出すのは最終紙幣45であることを表している。ステップSP42において制御部19は、係る否定結果を得ると、ステップSP44に移る。
ステップSP44において制御部19は、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を下降させて(すなわち、ステージ126の紙幣載上面126Aよりも下げて)最終紙幣45から離隔させた後、次のステップSP45に移る。
そしてステップSP45において制御部19は、この状態でステージ126の紙幣載上面126A上から最終紙幣45を繰出側へ送り出した後、次のステップSP46に移る。
これによりステップSP46において制御部19は、紙幣収納繰出庫121乃至124からの紙幣45の繰り出しと共に、第5摩擦力変更処理手順RT5を終了する。
このようにして本発明は、係る構成を容易に実現することができる。ただし、本発明は、最終紙幣45を繰り出すときには、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を必ず最終紙幣45から離隔させるのではなく、この際、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を、例えば、最終紙幣45以外の紙幣45を送り出すときと同じ接触圧力で最終紙幣45に接触させたままにする。
この状態で本発明は、複数のピックアップローラ53の回転に応じて最終紙幣45を繰出側へ送り出せたか否かを検出する。
そして本発明は、複数のピックアップローラ53を回転させても最終紙幣45が左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130から離れずに繰出側へ送り出すことができず送出エラーが発生した場合のみ、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を下降させて最終紙幣45から離隔させ、そのうえで最終紙幣45の繰出側への送り出しをリトライする(すなわち、改めて繰出側へ送り出す)ようにしても良い。
また本発明は、このように最終紙幣45の繰出側への送り出しのリトライを、当該最終紙幣45から左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を離隔させて実行するのではなく、左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130を下降させるものの接触させたままにして、最終紙幣45との接触圧力を小さくしたうえで実行するようにしても良い。
ところで、本発明は、このように複数のピックアップローラ53の回転に応じて最終紙幣45を繰出側へ送り出したか否かを検出するようにして、最終紙幣45の送出エラーが発生したときに、送り出しをリトライするような手法を例えば、上述した第1乃至第3の実施の形態に適用することもできる。
すなわち、本発明は、係るリトライの手法を第1及び第2の実施の形態に適用する場合、複数のピックアップローラ53を回転させても最終紙幣45を繰出側へ送り出すことができずに送出エラーが発生すると、ステージ25の左開口部25AX及び右開口部25AYから材質変更板63乃至65、86乃至88を引き抜くようにして当該最終紙幣45から離隔させたうえで、送り出しをリトライすることができる。
また本発明は、係るリトライの手法を第1及び第2の実施の形態に適用する場合、送出エラーの発生に応じて、最終紙幣45に接触させる材質変更板63乃至65、86乃至88を、それまでよりも小さい摩擦力を作用させるものに切り換えたうえで送り出しをリトライすることもできる。
さらに本発明は、係るリトライの手法を第3の実施の形態に適用する場合、複数のピックアップローラ53を回転させても最終紙幣45を繰出側へ送り出すことができずに送出エラーが発生すると、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて紙幣接触部分の面積を小さくしたうえで送り出しをリトライすることができる。
また本発明は、係るリトライの手法を第3の実施の形態に適用する場合、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を昇降可能に支持し、複数のピックアップローラ53を回転させても最終紙幣45を繰出側へ送り出すことができずに送出エラーが発生すると、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を下降させて最終紙幣45から離隔させたうえで、送り出しをリトライすることもできる。
(6−2)他の実施の形態2
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、材質変更部60、77によりステージ25の紙幣載上面25Aの一部から突出させる材質変更板63乃至65、86乃至88を自動的に切り換えるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、図29及び図30に示すように、ステージ160の紙幣載上面160Aに、複数のピックアップローラ53と対向させて凹部160AX、160AYを形成する。
また本発明は、ステージ160の凹部160AX、160AYに嵌合可能な、それぞれ材質の異なる複数の材質変更板161乃至163を用意する。
そして本発明は、例えば、作業者に紙幣収納繰出庫で扱う紙幣45の材質に応じて、ステージ160の凹部160AX、160AYに嵌合させる材質変更板161乃至163を選定させて、当該選定された材質変更板161乃至163をステージ160の凹部160AX、160AYに嵌合させるようにしても良い。
本発明は、係る構成によっても、上述した第1の実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また本発明は、上述した第1及び第2の実施の形態において例えば、材質変更部60、77に、左変更板切換部61及び右変更板切換部62や、左変更板切換部80及び右変更板切換部81の左変更板貼着ベルト85及び右変更板貼着ベルト89を手動で回転させるための操作ノブを設ける。
そして本発明は、作業者に、その操作ノブを操作させて、ステージ25の紙幣載上面25Aの一部から突出させる材質変更板63乃至65、86乃至88を手動で切り換えさせるようにしても良い。
これに加え本発明は、上述した第3の実施の形態において例えば、材質変更部107に、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を手動で回転させるための操作ノブを設ける。
そして本発明は、作業者に、その操作ノブを操作させることで、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111を回転させて、左摩擦力変更ローラ110及び右摩擦力変更ローラ111の紙幣接触部分の面積を変更させるようにしても良い。
また本発明は、上述した第4の実施の形態において例えば、材質変更部127に、左昇降板128及び右昇降板を手動で昇降させるための操作ノブを設ける。
そして本発明は、作業者に、その操作ノブを操作させることで、左昇降板128及び右昇降板を昇降させて、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更させるようにしても良い。
本発明は、第1乃至第4の実施の形態の構成に操作ノブを追加するようにしても、当該第1乃至第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(6−3)他の実施の形態3
さらに上述した第4の実施の形態においては、材質変更部127において左昇降板128及び右昇降板を昇降させて、ステージ126の紙幣載上面126Aからの左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130の突出量を変更して、当該左摩擦力変更板129及び右摩擦力変更板130が最終紙幣45に接触する際の接触圧力を設定することで、紙幣繰出時、最終紙幣45に繰出用に最適な摩擦力を作用させるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、材質変更部において、ゴム製の左摩擦力変更板及び右摩擦力変更板を、その表面が最終紙幣45に接触可能となるようにステージ126の紙幣載上面126Aから僅かに突出させて固定する。
また本発明は、ステージ126の紙幣載上面126Aに、左摩擦力変更板及び右摩擦力変更板の表面を露出及び隠蔽可能なシャッタを設ける。
そして本発明は、シャッタにより左摩擦力変更板及び右摩擦力変更板の表面の露出部分(すなわち、最終紙幣45の接触部分)の面積を可変して最終紙幣45に作用させる摩擦力を、繰出用に最適な摩擦力に変更するようにしても良い。本発明は、係る構成によっても、上述した第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(6−4)他の実施の形態4
さらに上述した第1乃至第3並びに第5の実施の形態においては、ステージ25の材質を、現金自動預払機1、70、100、140で扱うことが想定される、種々の材質の紙幣(すなわち、各国の紙幣)のうち、任意に選定された選定紙幣の材質に応じて選定するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、ステージの材質を、現金自動預払機で扱うことが想定される種々の材質の紙幣45の何れが最終紙幣45として紙幣載上面に接触した場合でも、比較的小さい摩擦力を作用させるように選定するようにしても良い。
(6−5)他の実施の形態5
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、現金自動預払機1、70、100、120、140の預払機筐体2内に設けられた紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144に、材質変更部60、77、107、127、147を設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、現金自動預払機1、70、100、120、140の預払機筐体2に着脱可能に装着される紙幣収納繰出庫に材質変更部60、77、107、127、147を設けるようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、紙幣収納繰出庫を、それぞれ異なる材質の紙幣を固定的に扱う複数の現金自動預払機に兼用することができる。
(6−6)他の実施の形態6
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、紙幣45を収納し、また繰り出す紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144に、材質変更部60、77、107、127、147を設けるようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙幣45を手作業で収納し、当該紙幣45の繰り出しを自動的に行う繰出専用の紙幣収納繰出庫に、材質変更部60、77、107、127、147を設けるようにしても良い。
(6−7)他の実施の形態7
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144で扱う紙幣45の材質に応じて、材質変更部60、77、107、127、147によりステージ25、126の紙幣載上面25A、126Aの材質を部分的に変更するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144で新券(すなわち、新札)と流通券(市場ですでに使用されている紙幣)とのように材質が同一でも状態が異なる紙幣45を扱う場合、その状態に応じても、材質変更部60、77、107、127、147によりステージ25、126の紙幣載上面25A、126Aの材質を部分的に変更するようにしても良い。
すなわち、本発明は、新券の状態に比して、流通券の状態が折れ癖や曲がり癖がついて、また表面のすり減り等によってわるいと、ステージ25、126の紙幣載上面25A、126Aに新券が接触している場合と、流通券が接触している場合とでは、これらが同一の材質であっても作用する摩擦力が異なるため、その状態に応じてステージ25、126の紙幣載上面25A、126Aの材質を部分的に変更するようにしても良い。
本発明は、係る構成によれば、紙幣収納繰出庫において、どのような状態の紙幣45を扱う場合でも最後の1枚まで的確に繰り出すことができる。そして本発明は、係る構成を、上述した他の実施の形態1乃至5の構成に適用することもできる。
(6−8)他の実施の形態8
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、現金自動預払機1、70、100、120、140内で搬送路18を介して長方形の紙幣を、紙幣長手方向を左方向とほぼ平行にして一方の長辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送して、紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144でも紙幣45を、その搬送姿勢に準じて紙幣長手方向を左方向とほぼ平行にして扱うようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動預払機1、70、100、120、140内で搬送路18を介して長方形の紙幣を、紙幣短手方向を左方向とほぼ平行にして一方の短辺を搬送方向に向けた搬送姿勢で搬送して、紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144でも紙幣45を、その搬送姿勢に準じて紙幣短手方向を左方向とほぼ平行にして扱うようにしても良い。
(6−9)他の実施の形態9
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、本発明による紙葉類収納繰出装置を、図1乃至図30について上述した現金自動預払機1、70、100、120、140に設けられた紙幣収納繰出庫12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)に固定的又は着脱可能に設けられた紙幣収納繰出庫や、切符、チケット、コピー用紙、葉書及び有価証券等の紙葉類を収納し、繰り出す紙葉類収納繰出庫等のように、この他種々の紙葉類収納繰出装置に広く適用することができる。
(6−10)他の実施の形態10
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、本発明による紙葉類取扱装置を、図1乃至図30について上述した現金自動預払機1、70、100、120、140に適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機や両替機、電車の切符や観劇のチケット等を販売する券売機、精算機、自動販売機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機、コピー機、葉書搬送装置等のように、この他種々の構成の紙葉類取扱装置に広く適用することができる。
(6−11)他の実施の形態11
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、紙幣類収納部に積層するように重ねて収納する複数の紙葉類として、図1乃至図30について上述した紙幣45を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等のように、この他種々の紙葉類を広く適用することができる。
(6−12)他の実施の形態12
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、複数の紙葉類を積層するように重ねて収納する紙幣類収納部として、図1乃至図30について上述した略箱型の紙幣収納部22を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、収納する紙葉類の種類に応じて、トレイ状の紙葉類収納部のように、この他種々の紙葉類収納部を広く適用することができる。
(6−13)他の実施の形態13
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、紙葉類繰出時、紙葉類収納部に重ねて収納された複数の紙葉類を一方の端に位置する紙葉類から順に1枚ずつ繰出側へ送り出すための送出ローラとして、図1乃至図30について上述した複数のピックアップローラ53を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、幅広な周側面の1又は複数の所定位置に一周に亘る凹部分が形成された送出ローラのように、この他種々の構成及び形状の送出ローラを広く適用することができる。
(6−14)他の実施の形態14
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、重ねられた複数の紙葉類の他方の端側から一方の端側へ移動可能に設けられ、紙葉類繰出時、一面に複数の紙葉類のうち他方の端の1枚の他端紙葉類を接触させて一方の端側へ移動することにより当該一方の端の1枚の紙葉類を送出ローラに押し付けるようにして複数の紙葉類を付勢する付勢部として、図1乃至図30について上述した紙幣載上面25A、126A、160Aに複数の紙幣45を積層するように重ねて載上されるステージ25、126、160を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、紙幣収納部に積層するように重ねて収納された複数の紙幣を上から押さえ付けるようにして付勢するビルプレスのように、この他種々の構成の付勢部を広く適用することができる。
(6−15)他の実施の形態15
さらに上述した第1乃至第5の実施の形態においては、付勢部の一面の材質を部分的に変更する材質変更部として、図1乃至図30について上述した材質変更部60、77、107、127、147及び材質変更板161乃至163を適用するようにした場合について述べた。
しかしながら本発明は、これに限らず、付勢部の一面の材質を部分的に変更することができれば、この他種々の構成の材質変更部を広く適用することができる。
本発明は、切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等の紙葉類を収納して繰り出す紙葉類収納繰出装置と、当該切符、チケット、コピー用紙、葉書、有価証券等の紙葉類を紙葉類収納繰出装置に収納し、また繰り出すようにして取り扱う紙葉類取扱装置とに利用することができる。
1、70、100、120、140……現金自動預払機、12乃至15、71乃至74、121乃至124、141乃至144……紙幣収納繰出庫、22……紙幣収納部、25、126、160……ステージ、25A、126A、160A……紙幣載上面、25AX、126AX……左開口部、25AY、126AY……左開口部、45……紙幣、47……フィードローラ、49……分離ローラ、53……ピックアップローラ、60、77、107、127、147……材質変更部、61、80……左変更板切換部、62、81……右変更板切換部、63乃至65、86乃至88、161乃至163……材質変更板、85……左変更板貼着ベルト、89……右変更板貼着ベルト、110、150……左摩擦力変更ローラ、111、151……右摩擦力変更ローラ、128……左昇降板、129……左摩擦力変更板、130……右摩擦力変更板、160AX、160AY……凹部、RT1……第1摩擦力変更処理手順、RT2……第2摩擦力変更処理手順、RT3……第3摩擦力変更処理手順、RT4……第4摩擦力変更処理手順、RT5……第5摩擦力変更処理手順。

Claims (14)

  1. 複数の紙葉類を積層するように重ねて収納する紙幣類収納部と、
    紙葉類繰出時、上記紙葉類収納部に重ねて収納された複数の上記紙葉類を一方の端に位置する上記紙葉類から順に1枚ずつ繰出側へ送り出すための送出ローラと、
    重ねられた複数の上記紙葉類の他方の端側から上記一方の端側へ移動可能に設けられ、上記紙葉類繰出時、一面に複数の上記紙葉類のうち上記他方の端の1枚の他端紙葉類を接触させて上記一方の端側へ移動することにより当該一方の端の1枚の上記紙葉類を上記送出ローラに押し付けるようにして複数の上記紙葉類を付勢する付勢部と、
    上記付勢部の上記一面の材質を部分的に変更する材質変更部と
    を具える紙葉類収納繰出装置。
  2. 上記付勢部は、
    上記一面の上記送出ローラと対向する部分に開口部が形成され、
    上記材質変更部は、
    上記付勢部の上記開口部を介して上記一面の材質を変更する
    請求項1に記載の紙葉類収納繰出装置。
  3. 上記材質変更部は、
    それぞれ材質の異なる複数の材質変更板を有し、上記紙葉類収納部に収納される上記紙葉類の材質に応じて、上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から表面を突出させる上記材質変更板を切り換える
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  4. 上記材質変更部は、
    部分的に幅の異なるゴム製の摩擦力変更ローラを有し、当該摩擦力変更ローラの周側面の一部を上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から突出させ、上記紙葉類収納部に収納される上記紙葉類の材質に応じて上記摩擦力変更ローラを回転させて、当該摩擦力変更ローラの上記周側面の上記他端紙葉類との接触部分の面積を変更する
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  5. 上記材質変更部は、
    所定の材質の材質変更板を有し、上記紙葉類収納部に収納される上記紙葉類の材質に応じて、上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から上記材質変更板の表面を突出させる突出量を変更する
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  6. 上記材質変更部は、
    所定の材質の摩擦力変更ローラを有し、当該摩擦力変更ローラの周側面の一部を上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から突出させて上記他端紙葉類に接触させ、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類以外が上記繰出側へ送り出されている間に上記他端紙葉類が上記繰出側へ移動して上記摩擦力変更ローラが回転すると、当該摩擦力変更ローラに上記回転を停止させるようにトルクをかける
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  7. 上記材質変更部は、
    所定の材質の材質変更板を有し、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類以外が上記繰出側へ送り出されている間は、上記材質変更板を上記付勢部の上記開口部に通して上記他端紙葉類に押し付け、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類が上記繰出側へ送り出されるときには、当該他端紙葉類から上記材質変更板を離隔させる
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  8. 上記材質変更部は、
    所定の材質の材質変更板を有し、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類以外が上記繰出側へ送り出されている間は、上記材質変更板を上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から所定の突出量だけ突出させて上記他端紙葉類に押し付け、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類が上記繰出側へ送り出されるときには、上記材質変更板に対する上記付勢部の上記一面からの突出量を小さくし、又は上記他端紙葉類から上記材質変更板を離隔させる
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  9. 上記材質変更部は、
    上記送出ローラを介して上記他端紙葉類を上記繰出側へ送り出す際に送出エラーが発生すると、上記材質変更板に対する上記付勢部の上記一面からの突出量を小さくし、又は上記他端紙葉類から上記材質変更板を離隔させて、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類の上記繰出側への送り出しをリトライさせる
    請求項8に記載の紙葉類収納繰出装置。
  10. 上記材質変更部は、
    それぞれ材質の異なる複数の材質変更板を有し、何れかの上記材質変更板を上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から突出させて上記他端紙葉類に押し付け、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類を上記繰出側へ送り出す際に送出エラーが発生すると、上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から突出させる上記材質変更板を切り換えて、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類の上記繰出側への送り出しをリトライさせる
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  11. 上記材質変更部は、
    部分的に幅の異なるゴム製の摩擦力変更ローラを有し、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類以外が上記繰出側へ送り出されている間は、当該摩擦力変更ローラの周側面の一部を上記付勢部の上記開口部に通して上記一面から突出させて上記他端紙葉類に所定の接触面積で接触させ、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類が上記繰出側へ送り出されるときには、上記摩擦力変更ローラを回転させて上記周側面の上記他端紙葉類に対する上記接触面積を小さくし、又は上記他端紙葉類から上記摩擦力変更ローラを離隔させる
    請求項2に記載の紙葉類収納繰出装置。
  12. 上記材質変更部は、
    上記送出ローラを介して上記他端紙葉類を上記繰出側へ送り出す際に送出エラーが発生すると、上記摩擦力変更ローラを回転させて上記周側面の上記他端紙葉類に対する上記接触面積を小さくし、又は上記他端紙葉類から上記摩擦力変更ローラを離隔させて、上記送出ローラを介して上記他端紙葉類の上記繰出側への送り出しをリトライさせる
    請求項11に記載の紙葉類収納繰出装置。
  13. 上記付勢部は、
    上記一面の上記送出ローラと対向する部分に凹部が形成され、
    上記材質変更部は、
    それぞれ材質が異なり、上記付勢部の上記一面から表面を突出させるようにして上記凹部に嵌合可能な複数の材質変更板である
    請求項1に記載の紙葉類収納繰出装置。
  14. 取扱対象の複数の紙葉類を積層するように重ねて収納する紙幣類収納部と、
    紙葉類繰出時、上記紙葉類収納部に重ねて収納された複数の上記紙葉類を一方の端に位置する上記紙葉類から順に1枚ずつ繰出側へ送り出すための送出ローラと、
    重ねられた複数の上記紙葉類の他方の端側から上記一方の端側へ移動可能に設けられ、上記紙葉類繰出時、一面に複数の上記紙葉類のうち上記他方の端の1枚の他端紙葉類を接触させて上記一方の端側へ移動することにより当該一方の端の1枚の上記紙葉類を上記送出ローラに押し付けるようにして複数の上記紙葉類を付勢する付勢部と、
    上記付勢部の上記一面の材質を部分的に変更する材質変更部と
    を具える紙葉類取扱装置。
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