JP2013188445A - 吸収性物品、及びおむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸収性物品1は、表面シート10と、表面シート10と間隔を隔てて並設された裏面シート20と、表面シート10と裏面シート20との相互間に設けられた吸収体30と、を備え、吸収体30を当該吸収体30の最も近傍に設けられた表面シート10と裏面シート20と直接的に重ね合わせており、表面シート10及び裏面シート20を、坪量が16〜50g/m2となるように形成している。
【選択図】図2
Description
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、相互に間隔を隔てて並設された2枚の不織布シートの相互間に、1枚の吸収体を設けた形態である。
実施の形態1に係る吸収性物品の適用対象は任意である。例えば、吸収性物品の適用対象としては、幼児用の吸収性物品、大人用の吸収性物品等が挙げられるが、装着する対象者を大人として、排泄物を捕捉するために着用される大人用吸収性物品(以下、吸収性物品と称す)に適用した場合を例として説明を行う。
表面シート10は、液状の排泄物を透過する不織布シートである。この表面シート10は、平面形状を長方形状とするシート状体であり、例えば親水性を有する不織布にて形成されている(後述する裏面シート20も同様とする)。
裏面シート20は、液状の排泄物を透過する不織布シートである。この裏面シート20は、平面形状を長方形状とするシート状体であり、平面形状が表面シート10と略同一の形状であると共に、厚みも表面シート10と略同一の厚さで形成されている。
吸収体30は、表面シート10を透過した液状の排泄物を吸収するものである。この吸収体30は、平面形状を略方形状とする板状体であり(ここでは、平面形状が表面シート10よりも小さな形状である吸収体30について説明する)、液状の排泄物を吸収する材質、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維、又は、高分子材料を原料とする親水性化学繊維、又は、前記親水性繊維と粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))等の高吸収性材料とを組み合わせたもので形成されている。
次に、上述した吸収性物品1の装着方法について説明する。図3は、おむつ50に取り付けられた吸収性物品1を示す図である。図3に示すように、この吸収性物品1の装着方法としては、最初に、吸収性物品1をおむつ50に取り付ける。
次に、上述した吸収性物品1の製造方法について説明する。この吸収性物品1の製造方法については、裏面シート20、吸収体30、表面シート10の順に、これら部材を重ね合わせていく。また、これと併せて、裏面シート20と吸収体30、吸収体30と表面シート10、そして裏面シート20と表面シート10を、接着剤又は溶着等によって順次接続していく。これにて、図1、図2に示す吸収性物品1が製造される。
このように実施の形態1によれば、吸収体30を吸収体30の最も近傍に設けられた表面シート10及び裏面シート20と直接的に重ね合わせたので、従来の吸収性物品に比べて濾過性能を維持することができる。そのため、ウェットバックやスキントラブルが生じにくくなるので、装着感を維持することができ、また、軟便や水様便中の固形物と水分の分離ができることにより、漏れを防止することができる。
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、相互に間隔を隔てて並設された4枚の不織布シートのうち、2枚目と3枚目の不織布シートの相互間に、2枚の吸収体を設けた形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素、装着方法、及び製造方法については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
図4は、実施の形態2に係る吸収性物品の構成を示す平面図である。図5は、図4のB−B矢視断面図である。図4に示すように、吸収性物品101は、表面シート10と、裏面シート20と、吸収体30とを備えて構成されている。また、図5に示すように、吸収体30は、表面シート10と裏面シート20との相互間に設けられている。
表面シート10は、第1の表面シート10aと、第2の表面シート10bとを備えている。
裏面シート20は、第1の裏面シート20aと、第2の裏面シート20bとを備えている。
吸収体は、第1の吸収体30aと、第2の吸収体30bとを備えている。これら第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bは、平面形状を略方形状とする板状体であり、同一の形状及び厚さにて形成されている(ここでは、平面形状が第2の表面シート10bよりもやや大きめの形状である吸収体30について説明する)。また、図5に示すように、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとは、第2の表面シート10bと第1の裏面シート20aとの相互間に設けられている。
次に、上述した吸収性物品101の装着方法について説明する。ただし、実施の形態2における吸収性物品101をおむつ50に取り付ける作業以降の作業は、実施の形態1の装着方法と同様であるため、説明を省略する。
次に、上述した吸収性物品101の製造方法について説明する。この吸収性物品101の製造方法については、第2の裏面シート20b、第2の吸収体30b、第1の吸収体30a、第2の表面シート10b、第1の裏面シート20a、第1の表面シート10aの順に、これら部材を重ね合わせていく。また、これと併せて、第2の裏面シート20bと第2の吸収体30b、第2の吸収体30bと第1の吸収体30a、第1の吸収体30aと第2の表面シート10b、第1の裏面シート20aと第2の吸収体30b、そして第2の表面シート10bと第1の表面シート10aを、接着剤又は溶着等によって順次接続していく。これにて、図4、図5に示す吸収性物品101が製造される。
次に、上述した吸収性物品101に関する水様便の漏れ実験の実験結果について説明する。この水様便の漏れ実験とは、吸収性物品101を上述した図示しない尿パッドの上に取り付け、この図示しない尿パッドをテープ式のおむつ50に取り付け、これに人工水様便を吸収させ、このおむつ50から人工水様便が漏れるまでの吸収量を検証するものである。また、この人工水様便とは、人工的に作られたゲル状又は液状の人工便のことであり、例えば、5Lの人工尿(具体的には、塩分濃度0.9%の食塩水)と、13gの米みそと、15gのトロミ粉とが配合されている。
人工水様便タンク61は、人工水様便を貯蔵する貯蔵手段であり、公知の給水タンクにて構成されている。
ポンプ62は、人工水様便タンク61から配管65aを介して人工水様便を外部に送り出す送出手段であり、例えば公知のロータリーポンプにて構成されている。
マネキン63は、おむつ50を装着するための装着体である。具体的には、図6に示すように、マネキン63は人の股下部分の形状にて形成されており、ポンプ62から送り出された人工水様便をおむつ50に供給するために、配管65bを介してポンプ62と接続されている。なお、この配管65bの配置については、例えば、配管65bにおける長手方向の端部のうちマネキン63側の端部がマネキン63の肛門部分に位置するように、配管65bが配置されている。
続いて、おむつ50から人工水様便の漏れが確認された場合に、ポンプ62の動作を停止する。そして、マネキン63からおむつ50を脱着して、おむつ50や図示しない尿パッド、吸収性物品の人工水様便の吸収量を測定する。これにて、この実験を終了する。
このように実施の形態2によれば、表面シート10と裏面シート20のうち、少なくとも表面シート10が、第1の表面シート10aと、第2の表面シート10bと、を備え、第2の表面シート10bを第1の吸収体30aと直接的に重ね合わせ、第1の表面シート10aを第2の表面シート10bよりも吸収体30側とは反対側に位置するように配置すると共に、第1の表面シート10aを第2の表面シート10bと直接的に重ね合わせたので、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができ、濾過性能を向上させることができる。
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、2枚の吸収体との相互間に不織布シートを設けた形態である。なお、実施の形態3と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態2で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
図9は、実施の形態3に係る吸収性物品のB−B矢視断面図である。図9に示すように、実施の形態3に係る吸収性物品201は、実施の形態2の吸収性物品101の構成要素に対して、さらに中間シート40を加えて構成されている。
中間シート40は、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bのよれを抑制するための第5の不織布シートであり、平面形状を長方形状とするシート状体にて形成されている(ここでは、平面形状が第2の表面シート10bと同一の形状及び厚さである中間シート40について説明する)。また、図9に示すように、中間シート40は、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとの相互間に設けられている。
次に、上述した吸収性物品201の製造方法について説明する。この吸収性物品201の製造方法については、第1の裏面シート20a、第2の吸収体30b、中間シート40、第1の吸収体30a、第2の表面シート10b、第2の裏面シート20b、第1の表面シート10aの順に、これら部材を重ね合わせていく。また、これと併せて、第1の裏面シート20aと第2の吸収体30b、第2の吸収体30bと中間シート40、中間シート40と第1の吸収体30a、第1の吸収体30aと第2の表面シート10b、第2の裏面シート20bと第2の吸収体30b、そして第2の表面シート10bと第1の表面シート10aを、接着剤又は溶着等によって順次接続していく。これにて、図9に示す吸収性物品201が製造される。
このように実施の形態3によれば、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとの相互間に、中間シート40を設け、中間シート40を、第1の吸収体30aと直接的に重ね合わせると共に、第2の吸収体30bと直接的に重ね合わせたので、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bをよれにくくすることができ、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bの吸収性能を十分に発揮させることができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
実施の形態2、3では、表面シート10は第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの2層構造であり、裏面シート20は第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bとの2層構造であると説明したが、これに限られない。例えば、排泄物中の固形分のほとんどが表面シート10に留まることから、表面シート10は第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの2層構造であり、裏面シート20は1層構造であってもよい。
実施の形態2、3では、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bの坪量が異なるように、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとが形成されてもよい(具体的には、第1の表面シート10aの坪量を25g/m2とし、第2の表面シート10bの坪量を35g/m2とする)と説明したが、これに限られない。例えば、表面シート10の製造コストを低減するために、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bの坪量が同一となるように、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとが形成されてもよい(具体的には、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bの坪量を25g/m2とする。なお、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bの坪量についても同様にしてもよい)。
実施の形態2では、第2の表面シート10bのX方向の長さが第1の表面シート10aのX方向の長さよりも短くなるように、且つ、第2の表面シート10bのY方向の長さが第1の表面シート10aのY方向の長さよりも短くなるように、第2の表面シート10bが形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第1の表面シート10a及び第2の表面シート10bの加工の手間を省くため、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとを同一形状にて形成されてもよい(なお、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bの形状についても同様にしてもよい)。
実施の形態1では、吸収体30は、1層構造の表面シート10及び1層構造の裏面シート20に対して1層構造であると説明したが、これに限られない。例えば、吸収体30は、1層構造の表面シート10及び1層構造の裏面シート20に対して、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bを備える2層構造であってもよい。この場合において、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとのよれを抑制するために、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとの相互間に、中間シート40が設けてられてもよい。
実施の形態2、3では、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bは、平面形状を略方形状とする板状体であり、同一の形状にて形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第2の表面シート10bによって拡散された排泄物中の水分を効果的に吸収できるように、例えば、第2の吸収体30bの形状が第1の吸収体30aよりも大きくなるように、第2の吸収体30bが形成されてもよい。
その他、吸収性物品の構造、装着方法、及び製造方法については、上記説明した技術的思想に逸脱しない範囲で、任意に変更することが可能である。
10 表面シート
10a 第1の表面シート
10b 第2の表面シート
20 裏面シート
20a 第1の裏面シート
20b 第2の裏面シート
30、320a、320b 吸収体
30a 第1の吸収体
30b 第2の吸収体
40 中間シート
50 おむつ
51 おむつ本体
51a 前側胴周り部
51b 後側胴周り部
51c 股下部
52 ファスナー部材
53 裏面材
54 表面材
55 おむつ吸収体
56 立体ギャザー
57 ターゲットゾーン
60 実験設備
61 人工水様便タンク
62 ポンプ
63 マネキン
65a、65b 配管
310a、310b 不織布シート
330a、330b、330c 吸水紙
Claims (7)
- 相互に間隔を隔てて並設された複数の不織布シートと、
前記複数の不織布シートの相互間に設けられた吸収体と、を備え、
前記吸収体を前記複数の不織布シートのうち当該吸収体の最も近傍に設けられた不織布シートと直接的に重ね合わせた、
吸収性物品。 - 前記複数の不織布シートのうち、前記並設方向における最外側の少なくとも一方に設けられる不織布シートは、第1の不織布シートと、第2の不織布シートと、を備え、
前記第2の不織布シートを前記吸収体と直接的に重ね合わせ、
前記第1の不織布シートを前記第2の不織布シートよりも前記吸収体側とは反対側に位置するように配置すると共に、前記第1の不織布シートを前記第2の不織布シートと直接的に重ね合わせた、
請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記複数の不織布シートは、
前記第1の不織布シートと、
前記第2の不織布シートと、
前記吸収体よりも前記第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第3の不織布シートと、
前記第3の不織布シートよりも前記第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第4の不織布シートであって、前記第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた前記第4の不織布シートと、を備え、
前記吸収体は、
前記第2の不織布シートと直接的に重ね合わせた第1の吸収体と、
前記第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた第2の吸収体と、を備えた、
請求項2に記載の吸収性物品。 - 前記第1の吸収体と前記第2の吸収体との相互間に、第5の不織布シートを設け、
前記第5の不織布シートを、前記第1の吸収体と直接的に重ね合わせると共に、前記第2の吸収体と直接的に重ね合わせた、
請求項3に記載の吸収性物品。 - 前記第2の不織布シートの短手方向の長さが前記第1の不織布シートの短手方向の長さよりも短くなるように、あるいは、前記第2の不織布シートの長手方向の長さが前記第1の不織布シートの長手方向の長さよりも短くなるように、前記第2の不織布シートを形成した、
請求項2から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。 - 前記不織布シートを、坪量が16〜50g/m2となるように形成した、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
- 前記請求項1から6いずれか一項に記載の吸収性物品を備えたおむつ。
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