JP2013188445A - 吸収性物品、及びおむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】排泄物の濾過性能を維持することにより、装着感を維持することができる、吸収性物品、及びおむつを提供すること。
【解決手段】吸収性物品1は、表面シート10と、表面シート10と間隔を隔てて並設された裏面シート20と、表面シート10と裏面シート20との相互間に設けられた吸収体30と、を備え、吸収体30を当該吸収体30の最も近傍に設けられた表面シート10と裏面シート20と直接的に重ね合わせており、表面シート10及び裏面シート20を、坪量が16〜50g/m2となるように形成している。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品、及びおむつに関する。
従来から、装着者(例えば乳幼児、障害者、高齢者等)から排泄される排泄物(例えば尿や便等)を捕捉するために、おむつと組み合わせて着用する吸収性物品が用いられている。例えば、特許文献1には、排泄物を固形分と水分に分離し、水分のみを吸収体に吸収させる吸収性物品が開示されている。
また、従来から、液透過性の表面シートと、表面シートを通過した液を吸収する吸収コアと、吸収コアを透過した液を透過させる液透過性の裏面シートが配され、両面から尿の吸収が可能な吸収性物品が知られている。図10は、従来の吸収性物品の断面図を示す図である。具体的には、この吸収性物品301は、液透過性の不織布シート310a、310b(なお、不織布シート310aは上述した表面シートに相当し、不織布シート310bは上述した裏面シートに相当する)、不織布シート310a、310bとの相互間に設けられた吸収体320a、320bと、吸収体320aの不織布シート310a側の側面上に設けられた吸水紙330aと、吸収体320a、320bの相互間に設けられた吸水紙330bと、吸収体320a、320b及び吸水紙330a、330bを収容する吸水紙330cと(なお、吸収体320a、320b、及び吸水紙330a、330b、330cは、上述した吸収コアに相当する)、を備えて構成されている。
ここで、この吸収性物品301の図示しないおむつへの装着については、例えば、吸収性物品301の不織布シート310bと図示しないおむつの表面材とが当接するように設け、図示しないおむつと併用するタイプの吸収性物品である。
また、この吸収性物品301の機能については、具体的には、排泄物中の固形分は、不織布シート310aと吸水紙330aとの相互間で保持されると共に、排泄物中の水分は吸水紙330aによって透過される。これにより、排泄物中の水分のみを吸収体320a、320bに吸収させることができる。また、吸収体320a、320bが排泄物中の水分を吸収することによって飽和状態になった場合には、排泄物中の水分は吸水紙330b、330cによって透過される。これにより、吸収性物品310によって吸収されなかった排泄物中の水分を図示しないおむつに吸収させることができる。
特開2007−97643号公報
しかしながら、上述した従来の吸収性物品301は、装着感に関して改善の余地があった。例えば、排泄物中の固形分が当該吸水紙330aに付着した場合に、当該吸水紙330aに目詰まりが生じやすかった。これにより、吸水紙330aの濾過性能が低下するため、排泄物中の水分が不織布シート310aと吸水紙330aとの相互間に留められることから、ウェットバックやスキントラブルの発生によって当該吸収性物品301の装着感を低下させるおそれがあった。また、特に軟便や水様便では固形物を含むため、目詰まりによる濾過機能低下により、尿や便が漏れるケースもあり、これによるおむつや寝具の交換作業に手間がかかることが多くあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排泄物の濾過性能を維持することにより、装着感を維持することができる、吸収性物品、及びおむつを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の吸収性物品は、相互に間隔を隔てて並設された複数の不織布シートと、前記複数の不織布シートの相互間に設けられた吸収体と、を備え、前記吸収体を前記複数の不織布シートのうち当該吸収体の最も近傍に設けられた不織布シートと直接的に重ね合わせている。
また、請求項2に記載の吸収性物品は、請求項1に記載の吸収性物品において、前記複数の不織布シートのうち、前記並設方向における最外側の少なくとも一方に設けられる不織布シートは、第1の不織布シートと、第2の不織布シートと、を備え、前記第2の不織布シートを前記吸収体と直接的に重ね合わせ、前記第1の不織布シートを前記第2の不織布シートよりも前記吸収体側とは反対側に位置するように配置すると共に、前記第1の不織布シートを前記第2の不織布シートと直接的に重ね合わせている。
また、請求項3に記載の吸収性物品は、請求項2に記載の吸収性物品において、前記複数の不織布シートは、前記第1の不織布シートと、前記第2の不織布シートと、前記吸収体よりも前記第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第3の不織布シートと、前記第3の不織布シートよりも前記第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第4の不織布シートであって、前記第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた前記第4の不織布シートと、を備え、前記吸収体は、前記第2の不織布シートと直接的に重ね合わせた第1の吸収体と、前記第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた第2の吸収体と、を備えている。
また、請求項4に記載の吸収性物品は、請求項3に記載の吸収性物品において、前記第1の吸収体と前記第2の吸収体との相互間に、第5の不織布シートを設け、前記第5の不織布シートを、前記第1の吸収体と直接的に重ね合わせると共に、前記第2の吸収体と直接的に重ね合わせている。
また、請求項5に記載の吸収性物品は、請求項2から4のいずれか一項に記載の吸収性物品において、前記第2の不織布シートの短手方向の長さが前記第1の不織布シートの短手方向の長さよりも短くなるように、あるいは、前記第2の不織布シートの長手方向の長さが前記第1の不織布シートの長手方向の長さよりも短くなるように、前記第2の不織布シートを形成している。
また、請求項6に記載の吸収性物品は、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性物品において、前記不織布シートを、坪量が16〜50g/m2となるように形成している。
また、請求項7に記載のおむつは、前記請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性物品を備えている。
請求項1に記載の吸収性物品、及び請求項7に記載のおむつによれば、吸収体を複数の不織布シートのうち当該吸収体の最も近傍に設けられた不織布シートと直接的に重ね合わせたので、従来の吸収性物品に比べて濾過性能を維持することができる。そのため、ウェットバックやスキントラブルが生じにくくなり、装着感を維持することができ、また、尿や水様便のモレも低減することができる。
また、請求項2に記載の吸収性物品によれば、複数の不織布シートのうち、並設方向における最外側の少なくとも一方に設けられる不織布シートは、第1の不織布シートと、第2の不織布シートと、を備え、第2の不織布シートを吸収体と直接的に重ね合わせ、第1の不織布シートを第2の不織布シートよりも吸収体側とは反対側に位置するように配置すると共に、第1の不織布シートを第2の不織布シートと直接的に重ね合わせたので、第1の不織布シートと第2の不織布シートとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができ、濾過性能を向上させることができる。
また、請求項3に記載の吸収性物品によれば、複数の不織布シートは、第1の不織布シートと、第2の不織布シートと、吸収体よりも第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第3の不織布シートと、第3の不織布シートよりも第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第4の不織布シートであって、第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた第4の不織布シートと、を備え、吸収体は、第2の不織布シートと直接的に重ね合わせた第1の吸収体と、第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた第2の吸収体と、を備えたので、第1の不織布シートと第2の不織布シートとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができると共に、第3の不織布シートと第4の不織布シートとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができ、濾過性能を一層向上させることができる。
また、請求項4に記載の吸収性物品によれば、第1の吸収体と第2の吸収体との相互間に、第5の不織布シートを設け、第5の不織布シートを、第1の吸収体と直接的に重ね合わせると共に、第2の吸収体と直接的に重ね合わせたので、第1の吸収体及び第2の吸収体をよれにくくすることができ、第1の吸収体及び第2の吸収体の吸収性能を十分に発揮させることができる。
また、請求項5に記載の吸収性物品によれば、第2の不織布シートの短手方向の長さが第1の不織布シートの短手方向の長さよりも短くなるように、あるいは、第2の不織布シートの長手方向の長さが第1の不織布シートの長手方向の長さよりも短くなるように、第2の不織布シートを形成しているので、吸収体のうち必要とする部分の濾過性能を向上させ、且つ、不織布シートとホットメルトの使用量を減らし、製造コストを低減させることができる。
また、請求項6に記載の吸収性物品によれば、不織布シートを、坪量が16〜50g/m2となるように形成することで、より濾過性能が高く、また、吸収性物品の剛性が高くなりすぎず、装着感が低下することがない。
実施の形態1に係る吸収性物品の構成を示す平面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 おむつに取り付けられた吸収性物品を示す図である。 実施の形態2に係る吸収性物品の構成を示す平面図である。 図4のB−B矢視断面図である。 水様便の漏れ実験に用いられる実験設備の概要図を示す。 実験に用いられる吸収性物品の特性を示す図である。 従来の吸収性物品、比較用の吸収性物品、及び本願の吸収性物品の実験結果を示す図である。 実施の形態3に係る吸収性物品のB−B矢視断面図である。 従来の吸収性物品の断面図を示す図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る吸収性物品、及びおむつの各実施の形態を詳細に説明する。最初に、吸収性物品の全体構成を説明し、次に、吸収性物品の装着方法を説明し、次いで吸収性物品の製造方法について説明し、最後に各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、相互に間隔を隔てて並設された2枚の不織布シートの相互間に、1枚の吸収体を設けた形態である。
(構成)
実施の形態1に係る吸収性物品の適用対象は任意である。例えば、吸収性物品の適用対象としては、幼児用の吸収性物品、大人用の吸収性物品等が挙げられるが、装着する対象者を大人として、排泄物を捕捉するために着用される大人用吸収性物品(以下、吸収性物品と称す)に適用した場合を例として説明を行う。
図1は、実施の形態1に係る吸収性物品の構成を示す平面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。なお、以下の説明では、図1のX方向を幅方向、Y方向を長さ方向、図1に示す形状を平面形状とする。図1に示すように、吸収性物品1は、表面シート10と、裏面シート20と、吸収体30とを備えて構成されている。なお、表面シート10の側面のうち、装着者の肌面に対向する側の側面を物品内側の側面と称し、装着者の肌面に対向する側とは反対側の側面を物品外側の側面と称する(後述する裏面シート20の側面、吸収体30の側面も同様とする)。
(構成−表面シート)
表面シート10は、液状の排泄物を透過する不織布シートである。この表面シート10は、平面形状を長方形状とするシート状体であり、例えば親水性を有する不織布にて形成されている(後述する裏面シート20も同様とする)。
また、表面シート10の構成については、装着者が吸収性物品1を装着した際に、表面シート10が装着者の肌に当接することから、当該表面シート10は肌触りに優れた構成にすることが好ましく、例えば、表面シート10は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の単繊維、またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の複合繊維等の、より柔軟性の高い不織布にて形成されることが好ましい。
ここで、不織布の種類としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布−メルトブローン不織布−スパンボンド不織布、スパンボンド不織布−メルトブローン不織布−メルトブローン不織布−スパンボンド不織布、エアースルー不織布等、あるいは、これらを組み合わせた方法等の適宜の加工法によって加工したものが用いられることが好ましい。特に嵩が高く、濾過性に優れたエアースルー不織布が用いられることが、より効果的である。この「嵩の高い不織布」とは、具体的には、不織布の見かけ密度が0.02〜0.08g/m3となるように形成された不織布が該当する。なお、嵩の高い不織布以外の不織布、すなわち、不織布の見かけ密度が0.08g/m3以上にて形成された不織布においては、例えば、排泄物中の固形分に対する濾過性能が嵩の高い不織布に比べて低くなる。また、不織布の見かけ密度が0.02g/m3以下にて形成された不織布においては、例えば、当該不織布自体の強度不足によって使用時に破損したり、あるいは、後述する吸収体30中に含まれる高分子吸収ポリマーが当該不織布の内部を通過して脱落する等のトラブルが発生するおそれがある。
これらのことを踏まえると、具体的には、実施の形態1では、表面シート10は、ポリエチレンとポリエステルの複合繊維のエアースルー不織布であって、2.2dtex、25g/m2のエアースルー不織布にて形成されている。なお、表面シート10の坪量については、例えば、16〜50g/m2となるように、表面シート10が形成されることが好ましい(後述する裏面シート20も同様とする)。
(構成−裏面シート)
裏面シート20は、液状の排泄物を透過する不織布シートである。この裏面シート20は、平面形状を長方形状とするシート状体であり、平面形状が表面シート10と略同一の形状であると共に、厚みも表面シート10と略同一の厚さで形成されている。
また、図2に示すように、裏面シート20は、表面シート10の物品外側の側面と対向するように、表面シート10と間隔を隔てて並設されている(ただし、裏面シート20のX方向の両端部及びY方向の両端部は表面シート10と当接するように設けられている)。そして、これら裏面シート20のX方向の両端部及びY方向の両端部は、表面シート10に対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
(構成−吸収体)
吸収体30は、表面シート10を透過した液状の排泄物を吸収するものである。この吸収体30は、平面形状を略方形状とする板状体であり(ここでは、平面形状が表面シート10よりも小さな形状である吸収体30について説明する)、液状の排泄物を吸収する材質、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維、又は、高分子材料を原料とする親水性化学繊維、又は、前記親水性繊維と粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))等の高吸収性材料とを組み合わせたもので形成されている。
また、図2に示すように、この吸収体30は、表面シート10と裏面シート20との相互間に設けられており、表面シート10又は裏面シート20に対して接着剤又は溶着等により固定されている。
また、吸収体30の配置については、表面シート10又は裏面シート20の濾過性能を維持することが可能な配置が好ましく、具体的には、実施の形態1では、図2に示すように、吸収体30は、表面シート10と直接的に重ね合わせて配置されていると共に、裏面シート20と直接的に重ね合わせて配置されている。
ここで、「直接的に重ね合わせる」とは、吸収体30と、当該吸収体30の最も近傍に設けられた不織布シートとの相互間に他のものを介在させることなく(ただし、吸収体30と不織布シートを接続するための接着剤は除かれる)、これら吸収体30と不織布シートとを重ね合わせることを意味する。具体的には、実施の形態1では、図2に示すように、吸収体30と表面シート10(又は裏面シート20)とを直に重ね合わせることや、吸収体30と表面シート10(又は裏面シート20)とを隙間を介して重ね合わせること(ただし、吸収体30と表面シート10とが固定されている箇所は除かれる)を含む概念である。
(吸収性物品の装着方法)
次に、上述した吸収性物品1の装着方法について説明する。図3は、おむつ50に取り付けられた吸収性物品1を示す図である。図3に示すように、この吸収性物品1の装着方法としては、最初に、吸収性物品1をおむつ50に取り付ける。
ここで、おむつ50は、当該おむつ50を装着者に固定するための一対のファスナー部材52を、おむつ本体51に対して固定して構成されている。また、おむつ本体51は、液状の排泄物を透過しない裏面材53と、液状の排泄物を透過する表面材54と、裏面材53と表面材54との相互間に狭持されたおむつ吸収体55と、排泄物がおむつ本体51外に漏洩することを防止する立体ギャザー56と、ファスナー部材52をおむつ本体51に対して着脱自在に固定するためのターゲットゾーン57とを備えている。また、このおむつ本体51は、装着者の腹側を覆う前側胴周り部51aと、装着者の背側を覆う後側胴周り部51bと、前側胴周り部51aと後側胴周り部51bとの相互間に設けられた股下部51cであって、装着者の股下側を覆う股下部51cとに区分されている。
このようなおむつ50に対する吸収性物品1の取り付けについては、具体的には、実施の形態1では、裏面シート20が股下部51cにおける装着者の股下側の側面と当接するように、吸収性物品1を、股下部51cにおける装着者の股下側の側面上に設け、おむつ50と併用して使用している。あるいは、これに限られず、例えば、裏面シート20がおむつ50に設けられた図示しない尿パッドの表面シートと当接するように、吸収性物品1を、当該図示しない尿パッドの表面シート上に設け、おむつ50と併用して使用してもよい。
次に、装着者におむつ本体51をあてがうために、後側胴周り部51bを装着者の背側を覆うように当接するとともに、前側胴周り部51aを装着者の腹側を覆うように当接する。これと併せて、股下部51cに取り付けられた吸収性物品1を、装着者の股下側を覆うように当接する。
続いて、このおむつ50を装着者の胴周りで固定するために、後側胴周り部51bの両端部に取り付けられた一対のファスナー部材52を、前側胴周り部51aの外側面上に設けられたターゲットゾーン57に固定する。
このように、吸収性物品1が装着者に装着された場合に、装着者から排泄物が排泄されると、排泄物中の固形分は表面シート10の物品内側の側面上に留まり、排泄物中の水分は表面シート10によって透過されて吸収体30に吸収される。これにより、従来の吸収性物品のように表面シート10の濾過性能を低下させることなく、排泄物中の水分のみを吸収体30に吸収させることができる。
また、吸収体30が排泄物中の水分を吸収することによって飽和状態になった場合には、排泄物中の水分は裏面シート20によって透過される。これにより、吸収体30によって吸収されなかった排泄物中の水分を、表面材54を介しておむつ吸収体55に吸収させることができる。
なお、表面シート10と裏面シート20とは液透過性シートであるため、吸収性物品1を上述した図示しない尿パッドの表面シート上に重ねて使用しても上記と同様の効果が得られることから、おむつ50、上述した図示しない尿パッド、および吸収性物品1を併用してもよい。
(吸収性物品の製造方法)
次に、上述した吸収性物品1の製造方法について説明する。この吸収性物品1の製造方法については、裏面シート20、吸収体30、表面シート10の順に、これら部材を重ね合わせていく。また、これと併せて、裏面シート20と吸収体30、吸収体30と表面シート10、そして裏面シート20と表面シート10を、接着剤又は溶着等によって順次接続していく。これにて、図1、図2に示す吸収性物品1が製造される。
(効果)
このように実施の形態1によれば、吸収体30を吸収体30の最も近傍に設けられた表面シート10及び裏面シート20と直接的に重ね合わせたので、従来の吸収性物品に比べて濾過性能を維持することができる。そのため、ウェットバックやスキントラブルが生じにくくなるので、装着感を維持することができ、また、軟便や水様便中の固形物と水分の分離ができることにより、漏れを防止することができる。
また、表面シート10及び裏面シート20を、坪量が16〜50g/m2となるように形成したので、より濾過性能が高くなり、また、吸収性物品の剛性が高くなりすぎず、装着感が低下することがない。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、相互に間隔を隔てて並設された4枚の不織布シートのうち、2枚目と3枚目の不織布シートの相互間に、2枚の吸収体を設けた形態である。なお、実施の形態1と略同様の構成要素、装着方法、及び製造方法については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
(構成)
図4は、実施の形態2に係る吸収性物品の構成を示す平面図である。図5は、図4のB−B矢視断面図である。図4に示すように、吸収性物品101は、表面シート10と、裏面シート20と、吸収体30とを備えて構成されている。また、図5に示すように、吸収体30は、表面シート10と裏面シート20との相互間に設けられている。
(構成−表面シート)
表面シート10は、第1の表面シート10aと、第2の表面シート10bとを備えている。
第1の表面シート10aは、おむつ50が装着者に装着された場合に、装着者の股下側と当接する第1の不織布シートであり、平面形状を長方形状とするシート状体にて形成されている。
ここで、第1の表面シート10aの具体的な構成については任意であるが、装着者が吸収性物品101を装着した際に、第1の表面シート10aが装着者の肌に当接することから、当該第1の表面シート10aは肌触りに優れた構成にすることが好ましく、具体的には、実施の形態2では、第1の表面シート10aは、ポリエチレンとポリエステルの複合繊維のエアースルー不織布であって、2.2dtex、25g/m2のエアースルー不織布にて形成されている(後述する第2の裏面シート20bも同様とする)。
第2の表面シート10bは、第1の表面シート10aによって透過された排泄物中の水分をさらに濾過し、拡散させるための第2の不織布シートであり、平面形状を長方形状とするシート状体にて形成されている。また、図5に示すように、第2の表面シート10bは、第1の表面シート10aよりも吸収体30側に位置するように設けられている。
ここで、第2の表面シート10bの配置については、表面シート10の濾過性能を向上させることが可能な配置が好ましく、具体的には、実施の形態2では、図5に示すように、第2の表面シート10bは、第1の表面シート10aと直接的に重ね合わせて配置されている。これにより、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bと段階的に濾過することができると共に、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができる。なお、この場合において、第2の表面シート10bは、第1の表面シート10aに対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
また、第2の表面シート10bの具体的な構成については任意であるが、第1の表面シート10aによって透過された排泄物を第2の表面シート10bの物品内側の側面上に保持しやすい構成であることが好ましく、具体的には、実施の形態2では、第2の表面シート10bは、第1の表面シート10aよりも排泄物中に含まれる固形物を保持できるように、ポリエチレンとポリエステルの複合繊維のエアースルー不織布であって、5.6dtex、35g/m2のエアースルー不織布にて形成されている(このような第2の表面シート10bと第1の表面シート10aとの坪量の関係と同様に、後述する第1の裏面シート20aの坪量が後述する第2の裏面シート20bの坪量よりも大きくなるように、後述する第1の裏面シート20aが形成されてもよい)。
また、第2の表面シート10bの形状については、具体的には、実施の形態2では、図4、図5に示すように、第2の表面シート10bのX方向の長さが第1の表面シート10aのX方向の長さよりも短くなるように、且つ、第2の表面シート10bのY方向の長さが第1の表面シート10aのY方向の長さよりも短くなるように、第2の表面シート10bが形成されている(例えば、第2の表面シート10bの板面積が、第1の表面シート10aの面積の10〜80%程度になるように、第2の表面シート10bが形成されることが好ましい。なお、このような第2の表面シート10bと第1の表面シート10aとの形状の関係と同様に、後述する第1の裏面シート20aのX方向の長さが後述する第2の裏面シート20bのX方向の長さよりも短くなるように、且つ、後述する第1の裏面シート20aのY方向の長さが後述する第2の裏面シート20bのY方向の長さよりも短くなるように、後述する第1の裏面シート20aが形成されてもよい)。あるいは、これに限られず、第2の表面シート10bの短手方向の長さのみが第1の表面シート10aの短手方向の長さよりも短くなるように、又は、第2の表面シート10bの長手方向の長さのみが第1の表面シート10aの長手方向の長さよりも短くなるように、第2の表面シート10bが形成されてもよい。
(構成−裏面シート)
裏面シート20は、第1の裏面シート20aと、第2の裏面シート20bとを備えている。
第1の裏面シート20aは、第2の表面シート10bによって透過された排泄物中の水分を拡散させるための第3の不織布シートであり、平面形状を長方形状とするシート状体にて形成されている。また、図5に示すように、第1の裏面シート20aは、吸収体30よりも第2の表面シート10b側とは反対側に配置されている。
第2の裏面シート20bは、吸収性物品101がおむつ50に取り付けられた際に、おむつ50の表面材54と当接する第4の不織布シートであり、平面形状を長方形状とするシート状体にて形成されている。また、図5に示すように、第2の裏面シート20bは、第1の裏面シート20aよりも第2の表面シート10b側とは反対側に設けられていると共に、第2の裏面シート20bのX方向の両端部及びY方向の両端部が第1の表面シート10aと当接するように設けられている。そして、第1の裏面シート20aのX方向の両端部及びY方向の両端部は、第2の吸収体30bに対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
ここで、第2の裏面シート20bの配置については、裏面シート20の濾過性能を向上させることが可能な配置が好ましく、具体的には、実施の形態2では、図5に示すように、第2の裏面シート20bは、第1の裏面シート20aと直接的に重ね合わせて配置されている。これにより、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bとに段階的に濾過することができると共に、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができる。なお、この場合において、第2の裏面シート20bにおける第1の裏面シート20aの重合部分は、第1の裏面シート20aに対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
(構成−吸収体)
吸収体は、第1の吸収体30aと、第2の吸収体30bとを備えている。これら第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bは、平面形状を略方形状とする板状体であり、同一の形状及び厚さにて形成されている(ここでは、平面形状が第2の表面シート10bよりもやや大きめの形状である吸収体30について説明する)。また、図5に示すように、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとは、第2の表面シート10bと第1の裏面シート20aとの相互間に設けられている。
ここで、第1の吸収体30aの配置については、第1の吸収体30aがよれにくくなる配置が好ましく、具体的には、実施の形態2では、図5に示すように、第1の吸収体30aは、第2の表面シート10bの物品外側の側面と対向するように配置されると共に、第2の表面シート10bと直接的に重ね合わせて配置されている。この場合において、第1の吸収体30aは、第2の表面シート10bに対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
また、第2の吸収体30bの配置については、第2の吸収体30bがよれにくくなる配置が好ましく、具体的には、実施の形態2では、図5に示すように、第2の吸収体30bは、第1の吸収体30aと第1の裏面シート20aとの相互間に配置されると共に、第1の裏面シート20aと直接的に重ね合わせて配置されている。この場合において、第2の吸収体30bは、第1の裏面シート20aに対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
(吸収性物品の装着方法)
次に、上述した吸収性物品101の装着方法について説明する。ただし、実施の形態2における吸収性物品101をおむつ50に取り付ける作業以降の作業は、実施の形態1の装着方法と同様であるため、説明を省略する。
この吸収性物品101の装着方法としては、最初に、吸収性物品101をおむつ50に取り付ける。具体的には、実施の形態2では、第2の裏面シート20bが股下部51cにおける装着者の股下側の側面と当接するように、吸収性物品101を、股下部51cにおける装着者の股下側の側面上に設け、おむつ50と併用して使用する。
このように、吸収性物品101が装着者に装着された場合に、装着者から排泄物が排泄されると、排泄物中の固形分は第1の表面シート10aの物品内側の側面上、又は第2の表面シート10bの物品内側の側面上に留まり、排泄物中の水分は第1の表面シート10a及び第2の表面シート10bによって透過されて第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bに吸収される。
また、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bが排泄物中の水分を吸収することによって飽和状態になった場合には、排泄物中の水分は第1の裏面シート20a及び第2の裏面シート20bによって透過される。
(吸収性物品の製造方法)
次に、上述した吸収性物品101の製造方法について説明する。この吸収性物品101の製造方法については、第2の裏面シート20b、第2の吸収体30b、第1の吸収体30a、第2の表面シート10b、第1の裏面シート20a、第1の表面シート10aの順に、これら部材を重ね合わせていく。また、これと併せて、第2の裏面シート20bと第2の吸収体30b、第2の吸収体30bと第1の吸収体30a、第1の吸収体30aと第2の表面シート10b、第1の裏面シート20aと第2の吸収体30b、そして第2の表面シート10bと第1の表面シート10aを、接着剤又は溶着等によって順次接続していく。これにて、図4、図5に示す吸収性物品101が製造される。
(実験結果)
次に、上述した吸収性物品101に関する水様便の漏れ実験の実験結果について説明する。この水様便の漏れ実験とは、吸収性物品101を上述した図示しない尿パッドの上に取り付け、この図示しない尿パッドをテープ式のおむつ50に取り付け、これに人工水様便を吸収させ、このおむつ50から人工水様便が漏れるまでの吸収量を検証するものである。また、この人工水様便とは、人工的に作られたゲル状又は液状の人工便のことであり、例えば、5Lの人工尿(具体的には、塩分濃度0.9%の食塩水)と、13gの米みそと、15gのトロミ粉とが配合されている。
まず、この実験の概要について説明する。図6は、水様便の漏れ実験に用いられる実験設備の概要図を示す。図6に示すように、この実験設備60は、人工水様便タンク61と、ポンプ62と、マネキン63とを備えて構成されている。
人工水様便タンク61は、人工水様便を貯蔵する貯蔵手段であり、公知の給水タンクにて構成されている。
ポンプ62は、人工水様便タンク61から配管65aを介して人工水様便を外部に送り出す送出手段であり、例えば公知のロータリーポンプにて構成されている。
マネキン63は、おむつ50を装着するための装着体である。具体的には、図6に示すように、マネキン63は人の股下部分の形状にて形成されており、ポンプ62から送り出された人工水様便をおむつ50に供給するために、配管65bを介してポンプ62と接続されている。なお、この配管65bの配置については、例えば、配管65bにおける長手方向の端部のうちマネキン63側の端部がマネキン63の肛門部分に位置するように、配管65bが配置されている。
また、図7は、実験に用いられる吸収性物品101の特性を示す図である。図7に示すように、この実験の実験対象としては、従来の吸収性物品301と、吸水紙が用いられていない吸収性物品(以下、比較用の吸収性物品と称す)と、実施の形態2の吸収性物品(以下、本願の吸収性物品101と称す)との3種類としている。
ここで、従来の吸収性物品301の構成については、図7に示すように、不織布シート(坪量15g/m2)にて形成された第1の表面シート10aと、吸水紙(坪量13g/m2)にて形成された第2の表面シート10bと、パルプ繊維をシート状にしたもの(以下、パルプシートと称する)にて形成された第1の吸収体30aと、吸水紙(坪量13g/m2)にて形成された後述する中間シート40と、パルプシートにて形成された第2の吸収体30bと、吸水紙(坪量13g/m2)にて形成された第1の裏面シート20aと、不織布シート(坪量15g/m2)にて形成された第2の裏面シート20bと、を備えて構成されている。
また、比較用の吸収性物品の構成については、図7に示すように、不織布シート(坪量15g/m2)にて形成された第1の表面シート10aと、不織布シート(坪量15g/m2)にて形成された第2の表面シート10bと、パルプシートにて形成された第1の吸収体30aと、パルプシートにて形成された第2の吸収体30bと、不織布シート(坪量15g/m2)にて形成された第1の裏面シート20aと、不織布シート(坪量15g/m2)にて形成された第2の裏面シート20bと、を備えて構成されている。
また、本願の吸収性物品101の構成については、図7に示すように、不織布シート(坪量25g/m2)にて形成された第1の表面シート10aと、不織布シート(坪量35g/m2)にて形成された第2の表面シート10bと、パルプシートにて形成された第1の吸収体30aと、パルプシートにて形成された第2の吸収体30bと、不織布シート(坪量35g/m2)にて形成された第1の裏面シート20aと、不織布シート(坪量25g/m2)にて形成された第2の裏面シート20bと、を備えて構成されている。
次に、この実験の実験方法について説明する。まず、マネキン63に、上述した3つの吸収性物品のいずれか1つと図示しない尿パッドが取り付けられたおむつ50を装着する。具体的には、吸収性物品が取り付けられた図示しない尿パッドをおむつ50の立体ギャザー56の内側に設け、マネキン63と吸収性物品とを当接する。そして、おむつ50のファスナー部材52をおむつ本体51に対して止着することにより、マネキン63とおむつ50とを固定する。
次に、ポンプ62の電源をON状態にし、ポンプ62によって、人工水様便タンク61から配管65a、65bを介して人工水様便をマネキン63へ送り出す。具体的には、おむつ50から人工水様便が漏れるまで、ポンプ62による人工水様便の送り出しを行う(例えば、ポンプ62の単位時間当たりの送出量を10cc/秒として送り出す)。
続いて、おむつ50から人工水様便の漏れが確認された場合に、ポンプ62の動作を停止する。そして、マネキン63からおむつ50を脱着して、おむつ50や図示しない尿パッド、吸収性物品の人工水様便の吸収量を測定する。これにて、この実験を終了する。
次に、この実験の実験結果について説明する。図8は、従来の吸収性物品301、比較用の吸収性物品、及び本願の吸収性物品101の実験結果を示す図である。図8に示すように、この実験の結果のうち、おむつ50及び図示しない尿パッドと吸収性物品の人工水様便の吸収量を合計した吸収量(以下、全吸収量と称する。なお、全吸収量は、おむつ50から人工水様便が漏れるまでの時間(以下、モレ秒数と称する)×ポンプ62の単位時間当たりの送出量で算出される。)については、従来の吸収性物品301ものは1300ccであったのに対して、比較用の吸収性物品のものは1680ccであり、本願の吸収性物品101のものは1950ccであった。このことから、比較用の吸収性物品が取り付けられたおむつ50は、従来の吸収性物品301のものに比べて約1.29倍の人工水様便を吸収する吸収性能を有すると共に、ウェットバックを発生しにくくすることがわかった。さらに、本願の吸収性物品101が取り付けられたおむつ50は、比較用の吸収性物品のものに比べて約1.16倍の吸収性能を有すると共に、ウェットバックを一層発生しにくくすることがわかった。
また、図8に示すように、吸収性物品と図示しない尿パッドとの合計の吸収量については、従来の吸収性物品301のものは455gであったのに対して、比較用の吸収性物品のものは985gであり、本願の吸収性物品のものは1282gであった。このことから、比較用の吸収性物品と図示しない尿パッドとの合計の吸収量は、従来の吸収性物品301のものに比べて約2.16倍の吸収性能を有することがわかった。さらに、本願の吸収性物品101と図示しない尿パッドとの合計の吸収量は、比較用の吸収性物品のものに比べて約1.30倍の吸収性能を有することがわかった。
また、図8に示すように、おむつ50の吸収量のうち、人工水様便が吸収されていないおむつ50の腰周り部分の保持液(おむつ50のファスナー部材52を解放した際に溢れ出た人工水様便)の保持量については、従来の吸収性物品301のものは383gであったのに対して、比較用の吸収性物品のものは225gであり、本願の吸収性物品101のものは181gであった。また、おむつ50の吸収量については、従来の吸収性物品301のものは460gであったのに対して、比較用の吸収性物品のものは470gであり、本願の吸収性物品101のものは477gであった。これらのことから、吸収性物品と図示しない尿パッドとの合計の吸収量と、おむつ50の吸収量との比率(=吸収性物品と図示しない尿パッドとの合計の吸収量/(腰周り部分の吸収量+おむつ50の吸収量))については、従来の吸収性物品301のものは0.539(=455g/(383g+460g))であったのに対して、比較用の吸収性物品のものは1.41(=985g/(225g+470g))であり、本願の吸収性物品101のものは1.94(=1282g/(181g+477g))であったことがわかった。
以上のことから、比較用の吸収性物品は従来の吸収性物品301よりも濾過性能を維持することができるので(特に、第2の表面シート10bについては、比較用の吸収性物品の不織布シートは、従来の吸収性物品301の吸水紙よりも人工水様便中の固形分の目詰まりが生じにくいため、濾過性能を維持できる)、人工水様便中の固形分と水分とを効果的に分離して、当該人工水様便中の水分を吸収性物品の第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bに吸収させることができたものと考えられる。さらに、本願の吸収性物品101は、比較用の吸収性物品に比べて高い濾過性能を有しているので、吸収性能を一層向上させることができ、装着感を維持することができると共に、尿や水様便のモレも低減することができるものと考えられる。
(効果)
このように実施の形態2によれば、表面シート10と裏面シート20のうち、少なくとも表面シート10が、第1の表面シート10aと、第2の表面シート10bと、を備え、第2の表面シート10bを第1の吸収体30aと直接的に重ね合わせ、第1の表面シート10aを第2の表面シート10bよりも吸収体30側とは反対側に位置するように配置すると共に、第1の表面シート10aを第2の表面シート10bと直接的に重ね合わせたので、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができ、濾過性能を向上させることができる。
また、表面シート10は、第1の表面シート10aと、第2の表面シート10bとを備え、裏面シート20は、吸収体30よりも第2の表面シート10b側とは反対側に設けられた第1の裏面シート20aと、第1の裏面シート20aよりも第2の表面シート10b側とは反対側に設けられた第2の裏面シート20bであって、第1の裏面シート20aと直接的に重ね合わせた第2の裏面シート20bと、を備え、吸収体30は、第2の表面シート10bと直接的に重ね合わせた第1の吸収体30aと、第1の裏面シート20aと直接的に重ね合わせた第2の吸収体30bと、を備えたので、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができると共に、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bとの相互間において排泄物中の固形分を保持することができ、濾過性能を一層向上させることができる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、2枚の吸収体との相互間に不織布シートを設けた形態である。なお、実施の形態3と略同様の構成要素については、必要に応じて、実施の形態2で用いたのと同一の符号又は名称を付してその説明を省略する。
(構成)
図9は、実施の形態3に係る吸収性物品のB−B矢視断面図である。図9に示すように、実施の形態3に係る吸収性物品201は、実施の形態2の吸収性物品101の構成要素に対して、さらに中間シート40を加えて構成されている。
(構成−中間シート)
中間シート40は、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bのよれを抑制するための第5の不織布シートであり、平面形状を長方形状とするシート状体にて形成されている(ここでは、平面形状が第2の表面シート10bと同一の形状及び厚さである中間シート40について説明する)。また、図9に示すように、中間シート40は、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとの相互間に設けられている。
ここで、中間シート40の配置については、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとがよれにくくなる配置が好ましく、具体的には、実施の形態2では、図9に示すように、中間シート40は、第1の吸収体30aと直接的に重ね合わせると共に、第2の吸収体30bと直接的に重ね合わせて配置されている。この場合において、中間シート40は、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bに対して接着剤又は溶着等によって固定されている。
(吸収性物品の製造方法)
次に、上述した吸収性物品201の製造方法について説明する。この吸収性物品201の製造方法については、第1の裏面シート20a、第2の吸収体30b、中間シート40、第1の吸収体30a、第2の表面シート10b、第2の裏面シート20b、第1の表面シート10aの順に、これら部材を重ね合わせていく。また、これと併せて、第1の裏面シート20aと第2の吸収体30b、第2の吸収体30bと中間シート40、中間シート40と第1の吸収体30a、第1の吸収体30aと第2の表面シート10b、第2の裏面シート20bと第2の吸収体30b、そして第2の表面シート10bと第1の表面シート10aを、接着剤又は溶着等によって順次接続していく。これにて、図9に示す吸収性物品201が製造される。
(効果)
このように実施の形態3によれば、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとの相互間に、中間シート40を設け、中間シート40を、第1の吸収体30aと直接的に重ね合わせると共に、第2の吸収体30bと直接的に重ね合わせたので、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bをよれにくくすることができ、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bの吸収性能を十分に発揮させることができる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(表面シート、及び裏面シートの層数について)
実施の形態2、3では、表面シート10は第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの2層構造であり、裏面シート20は第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bとの2層構造であると説明したが、これに限られない。例えば、排泄物中の固形分のほとんどが表面シート10に留まることから、表面シート10は第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとの2層構造であり、裏面シート20は1層構造であってもよい。
(表面シート、及び裏面シートの坪量について)
実施の形態2、3では、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bの坪量が異なるように、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとが形成されてもよい(具体的には、第1の表面シート10aの坪量を25g/m2とし、第2の表面シート10bの坪量を35g/m2とする)と説明したが、これに限られない。例えば、表面シート10の製造コストを低減するために、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bの坪量が同一となるように、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとが形成されてもよい(具体的には、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bの坪量を25g/m2とする。なお、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bの坪量についても同様にしてもよい)。
(表面シート、及び裏面シートの形状について)
実施の形態2では、第2の表面シート10bのX方向の長さが第1の表面シート10aのX方向の長さよりも短くなるように、且つ、第2の表面シート10bのY方向の長さが第1の表面シート10aのY方向の長さよりも短くなるように、第2の表面シート10bが形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第1の表面シート10a及び第2の表面シート10bの加工の手間を省くため、第1の表面シート10aと第2の表面シート10bとを同一形状にて形成されてもよい(なお、第1の裏面シート20aと第2の裏面シート20bの形状についても同様にしてもよい)。
(吸収体の層数について)
実施の形態1では、吸収体30は、1層構造の表面シート10及び1層構造の裏面シート20に対して1層構造であると説明したが、これに限られない。例えば、吸収体30は、1層構造の表面シート10及び1層構造の裏面シート20に対して、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bを備える2層構造であってもよい。この場合において、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとのよれを抑制するために、第1の吸収体30aと第2の吸収体30bとの相互間に、中間シート40が設けてられてもよい。
(第1の吸収体、及び第2の吸収体の形状について)
実施の形態2、3では、第1の吸収体30a及び第2の吸収体30bは、平面形状を略方形状とする板状体であり、同一の形状にて形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、第2の表面シート10bによって拡散された排泄物中の水分を効果的に吸収できるように、例えば、第2の吸収体30bの形状が第1の吸収体30aよりも大きくなるように、第2の吸収体30bが形成されてもよい。
(その他の吸収性物品の構造、装着方法、及び製造方法について)
その他、吸収性物品の構造、装着方法、及び製造方法については、上記説明した技術的思想に逸脱しない範囲で、任意に変更することが可能である。
1、101、201、301 吸収性物品
10 表面シート
10a 第1の表面シート
10b 第2の表面シート
20 裏面シート
20a 第1の裏面シート
20b 第2の裏面シート
30、320a、320b 吸収体
30a 第1の吸収体
30b 第2の吸収体
40 中間シート
50 おむつ
51 おむつ本体
51a 前側胴周り部
51b 後側胴周り部
51c 股下部
52 ファスナー部材
53 裏面材
54 表面材
55 おむつ吸収体
56 立体ギャザー
57 ターゲットゾーン
60 実験設備
61 人工水様便タンク
62 ポンプ
63 マネキン
65a、65b 配管
310a、310b 不織布シート
330a、330b、330c 吸水紙

Claims (7)

  1. 相互に間隔を隔てて並設された複数の不織布シートと、
    前記複数の不織布シートの相互間に設けられた吸収体と、を備え、
    前記吸収体を前記複数の不織布シートのうち当該吸収体の最も近傍に設けられた不織布シートと直接的に重ね合わせた、
    吸収性物品。
  2. 前記複数の不織布シートのうち、前記並設方向における最外側の少なくとも一方に設けられる不織布シートは、第1の不織布シートと、第2の不織布シートと、を備え、
    前記第2の不織布シートを前記吸収体と直接的に重ね合わせ、
    前記第1の不織布シートを前記第2の不織布シートよりも前記吸収体側とは反対側に位置するように配置すると共に、前記第1の不織布シートを前記第2の不織布シートと直接的に重ね合わせた、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記複数の不織布シートは、
    前記第1の不織布シートと、
    前記第2の不織布シートと、
    前記吸収体よりも前記第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第3の不織布シートと、
    前記第3の不織布シートよりも前記第2の不織布シート側とは反対側に設けられた第4の不織布シートであって、前記第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた前記第4の不織布シートと、を備え、
    前記吸収体は、
    前記第2の不織布シートと直接的に重ね合わせた第1の吸収体と、
    前記第3の不織布シートと直接的に重ね合わせた第2の吸収体と、を備えた、
    請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第1の吸収体と前記第2の吸収体との相互間に、第5の不織布シートを設け、
    前記第5の不織布シートを、前記第1の吸収体と直接的に重ね合わせると共に、前記第2の吸収体と直接的に重ね合わせた、
    請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記第2の不織布シートの短手方向の長さが前記第1の不織布シートの短手方向の長さよりも短くなるように、あるいは、前記第2の不織布シートの長手方向の長さが前記第1の不織布シートの長手方向の長さよりも短くなるように、前記第2の不織布シートを形成した、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記不織布シートを、坪量が16〜50g/m2となるように形成した、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記請求項1から6いずれか一項に記載の吸収性物品を備えたおむつ。
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