JP2013187252A - アバランシェフォトダイオード及びその製造方法 - Google Patents

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晋 庵原
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Abstract

【課題】光電流が最大となる位置に基づいて受光部の中心に光軸を調整することが可能なアバランシェフォトダイオードを提供する。
【解決手段】アバランシェフォトダイオード100は、n型AlInAs半導体層102とp型AlInAs増倍層103とn型InGaAs光吸収層104とn型InP光透過層105とをn型InP基板101上に順に備える。n型InP光透過層105は受光部109が形成されるp型選択拡散領域107を含む。p型選択拡散領域107の厚さは、Z正方向から見た受光部109の中心で最もく、その中心から受光部109の端部へ向かって次第にくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アバランシェフォトダイオード及びその製造方法に関する。
光通信システムにおいて高速動作が可能なアバランシェフォトダイオード(APD)が実用に供されており、その製造方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
APDでは所定値以上の逆バイアスの電圧を印加した状態で受光部に光が入射すると、電流値が雪崩的に増大するアバランシェ増倍と呼ばれる現象が発生する。アバランシェ増倍により増幅された電流がAPDのアノード電極から取り出される。
光通信システムにAPDを適用する場合、APDはレンズキャップなどの光学部品とともに組み立てられモジュール化される。このとき、光ファイバから出射された光をAPDの受光部に照射させる必要がある。そのため、光ファイバの光軸は例えば、APDに降伏電圧以上の大きさの電圧を印加しながら、アノード電極から取り出される光電流が最大となるように調整される。
特開昭62−193183号公報
しかしながら、従来のAPDでは、その製造工程でのばらつき等のために、受光部内の端部近傍に光が照射された場合に光電流が最大となることがある。これでは、光ファイバの光軸が受光部の端部近傍に位置付けられるように調整されてしまい、組み立て時の応力により光軸がずれる、経年劣化で光軸がずれるなどによって受光部に光が当たらなくなる可能性がある。
そこで、光電流が最大となる位置を検出した後に、例えば直交する2軸方向に数十μmの範囲内で光を照射する位置とアノード電極から取り出される光電流との関係を示すトレランスカーブを測定することがある。このトレランスカーブに基づいて受光部の中心を求め、受光部の中心に光軸を調整することができる。
しかしながら、トレランスカーブを用いて光軸を調整する場合、トレランスカーブを測定して受光部の中心を算出するには数分程度の時間を要することがあり、モジュールを製造する際のスループットが低下する。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたもので、光電流が最大となる位置に基づいて受光部の中心に光軸を調整することが可能なアバランシェフォトダイオードなどを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るアバランシェフォトダイオードは、
第1型導電型層と、増倍層と、光吸収層と、少なくとも一部に受光部が形成される第2型導電型領域を含む光透過層とが半導体基板上に順に設けられており、
前記光透過層の厚さが、積層方向から見た前記受光部の中心で最も薄く、当該中心から前記受光部の端部へ向かって次第に厚くなることを特徴とする。
本発明によれば、光透過層の厚さが、積層方向から見た受光部の中心で最も薄く、その中心から受光部の端部へ向かって次第に厚くなる。これにより、受光部の中心に光が照射された場合の降伏電圧は、受光部の中心以外に光が照射された場合の降伏電圧よりも小さくなる。一般に降伏電圧が小さいほど増倍率は大きくなる。したがって、受光部の中心に光が照射された場合に増倍率が最大となって光電流が最大となるので、光電流が最大となる位置に基づいて受光部の中心に光軸を調整することが可能になる。
本発明の実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの斜視図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの製造工程における第1の状態を示す断面図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの製造工程における第2の状態を示す断面図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの製造工程における第3の状態を示す断面図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの製造工程における第4の状態を示す断面図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの製造工程における第5の状態を示す断面図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードに電圧を印加した場合の受光部の中心及び端におけるZ方向の電界強度の分布を示す図である。 p型選択拡散領域の底面が平らである一般的なAPDにおいて、印加する電圧と電流との関係を示す図である。 降伏電圧が異なる場合の印加電圧と増倍率との関係を示す図である。 実施形態1に係るアバランシェフォトダイオードの受光部の中心及び端におけるZ方向の電界強度の積分値の差の一例を示す図である。 受光部に光が照射される位置と規格化した増倍率との関係の一例を示す図である。 本発明の実施形態2に係るアバランシェフォトダイオードの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施形態1.
(APDの構成)
本発明の実施形態1に係るアバランシェフォトダイオード(APD)100は、図1の斜視図に含まれる断面に示すように、n型InP基板101を備え、そのn型InP基板101上に順に、n型AlInAs半導体層102とp型AlInAs増倍層103とn型InGaAs光吸収層104とn型InP光透過層105とを備える。APD100は、さらに、p型選択拡散領域107と、p型選択拡散領域107上の受光部109及びアノード(p型)電極111と、溝113と、絶縁膜115と、カソード(n型)電極117とを備える。
なお、図1に矢印で示すように、n型InP基板101上に各層102〜105が積層される方向をZ正方向とし、図1の左から右へ向かう方向をX正方向とし、図1の後方から前方へ向かう方向をY正方向として説明する。これらの方向は、説明のために用いるものであって、本発明を限定する趣旨ではない。
p型選択拡散領域107は、n型InP光透過層105内において、その上面がn型InP光透過層105から露出するように形成されている。p型選択拡散領域107のn型InP光透過層105から露出した部分は受光部109を形成する。受光部109は、Z正方向から見て例えば、X方向の両端を切り欠いた円の形状である。
p型選択拡散領域107は、同図に示すように、Z方向の長さ(厚さ)が受光部109の中心において最も厚く、受光部109の端部へ向かうに従って次第に薄くなるように、その底面が湾曲している。
なお、同図はAPD100のXZ面での受光部109の中心を含む断面を示すが、受光部109の中心を含む任意の断面において同様である。すなわち、受光部109の中心を含む任意の断面において、p型選択拡散領域107の厚さは、受光部109の中心において最も厚く、受光部109の端部へ向かうに従って次第に薄くなる。
アノード電極111は、p型選択拡散領域107の上面のうちX方向の両端に設けられている。これにより、アノード電極111が、受光部109のX方向の両端を画することになる。
溝113は、各層102〜105を介してn型InP基板101まで通じるZ方向の長さ(深さ)を有し、Z正方向から見て受光部109を中心に位置付けた島を形成するように設けられている。
絶縁膜115は、反射防止と表面保護とを兼ねた膜であって、例えばSiNなどを材料とする。絶縁膜115は、アノード電極111を除くAPD100の上面、すなわち受光部109、n型InP光透過層105及び溝113の上面に設けられている。
カソード電極117は、APD100の下面に設けられている。
(APDの製造方法)
APD100の製造方法について、図を参照して説明する。
図2Aに示すように、n型InP基板101上に、n型AlInAs半導体層102とP型AlInAs増倍層103とn型InGaAs光吸収層104とn型InP光透過層105とが順に形成される。
図2Bに示すように、n型InP光透過層105上にp型ドーパント源121がほぼ一定の厚さで配置される。p型ドーパント源121の材料は例えばホウ素である。ここで、p型ドーパント源121が配置される領域は、n型InP光透過層105の上面において受光部109が形成される領域とアノード電極111が設けられる領域とを含む領域であって、Z正方向から見て例えば円形をなす。
図2Cに示すように、カバレッジ膜122が、p型ドーパント源121が配設されていないn型InP光透過層105上とp型ドーパント源121上とに設けられる。
ここで、カバレッジ膜122は、同図に示すように、p型ドーパント源121上では受光部109の中心で最も厚く、受光部109の端部へ向かって次第に薄くなるように設けられる。このようなカバレッジ膜122は、受光部109の中心付近をマスクして受光部109の端部からサイドエッチングする、カバレッジ膜122の製膜時に膜厚条件を最適化するなどの方法によって形成することができる。
なお、n型InP光透過層105上ではカバレッジ膜122は、概ね均一な厚さになるように設けられるとよい。
熱拡散によって、p型ドーパント源121からその下方のn型InP光透過層105へp型ドーパントを拡散させる。
p型ドーパントの拡散にはカバレッジ膜122の厚さが影響する。一般的には、カバレッジ膜122が厚いほど、n型InP光透過層105へのP圧が大きくなり、Pに置換されるドーパントの拡散速度は速くなる。そのため、カバレッジ膜122が厚いほど、p型ドーパントが拡散する領域は厚くなる。
本実施形態では、p型ドーパント源121上のカバレッジ膜122の厚さは、上述のように、受光部109の中心において最も厚く、受光部109の端部へ向かって次第に薄くなる。その結果、図2Dに示すように、受光部109の中心において最も厚く、受光部109の端部へ向かうに従って次第に薄くなるように底面が湾曲したp型選択拡散領域107が形成される。
この製造方法によれば、p型選択拡散領域107の上面はn型InP光透過層105の上面と一致する。そのため、上述のようにp型選択拡散領域107の底面が湾曲する結果、n型InP光透過層105の厚さは、受光部109の中心において最も薄く、受光部109の端部へ向かうに従って次第に厚くなる。
エッチングによって、カバレッジ膜122とp型ドーパント源121とを除去した後に、溝113が形成される(図2E参照)。その後に例えば、p型選択拡散領域107の上面のうちX方向の両端にアノード電極111を設け、絶縁膜115を全体の表面上に形成し、アノード電極111上の絶縁膜115をエッチングし、カソード電極117を設けることによって、図1に示すように、APD100を製造することができる。
(APDの動作)
APD100の動作について、図を参照して説明する。
APD100には、逆バイアス、すなわちアノード電極111の電位がカソード電極117の電位より低くなる電圧Vapd[V]が印加される。電圧Vapdの大きさは、例えば15〜60V程度であればよく、APD100の降伏電圧Vbrより大きい。詳細には後述するように、APD100では受光部109の中心に光が照射された時の降伏電圧Vbr1が、受光部109の端に光が照射された時の降伏電圧Vbr2より小さい。
APD100をモジュール化する際の光軸調整の際に印加される電圧Vapdの大きさは降伏電圧Vbr1より大きければよく、望ましくは降伏電圧Vbr2より大きい。
APD100に電圧Vapd[V]が印加されると、受光部109の中心及び端のそれぞれにおけるZ方向の電界強度E[kV/cm]の分布は図3に示すようになる。
すなわち、Z正方向に向かって電界強度Eの変化を見ると、同図に示すように、電界強度Eはn型AlInAs半導体層102では急激に増加し、p型AlInAs増倍層103では低下する。電界強度Eがp型AlInAs増倍層103で低下することによって、n型InGaAs光吸収層104に大きな電界が印加されないように設計されている。
n型InGaAs光吸収層104はn型にドーピングされているため、同層104では電界強度Eは緩やかに増加する。n型InP光透過層105もn型にドーピングされているため、同層105でも電界強度Eは増加する。p型選択拡散領域107では電界強度Eは急激に低下する。
図4に示すような電流が急激に流れ始める降伏電圧Vbrは、一般に電界強度Eの分布をZ方向で積分した値で決まる。そのため、p型選択拡散領域107が最も厚い、すなわち受光部109の下方でn型InP光透過層105が最も薄い箇所の上方に位置する受光部109の中心に光が照射された場合に、降伏電圧Vbr1は最も小さくなる。これに対して、p型選択拡散領域107が最も薄い、すなわち受光部109の下方でn型InP光透過層105が最も厚い箇所の上方に位置する受光部109の端部に光が照射された場合に、降伏電圧Vbr2が最も大きくなる。降伏電圧の差ΔV(=Vbr1−Vbr2)[V]は、図3の電界強度EのZ方向の分布を示す図に斜線を施した領域125の面積に相当する。
絶縁膜115を透過して受光部109に光が照射されると、その光は、n型InP光透過層105を通って、n型InGaAs光吸収層104へ入射して吸収される。光を吸収したn型InGaAs光吸収層104では、電子と正孔のキャリアが発生する。このとき、n型InGaAs光吸収層104は逆バイアスによって空乏層化しており、上述のような電界がかかっている。そのため、電子と正孔とはそれぞれ、カソード電極117の側とアノード電極111の側とへ流れる。
電圧Vapdは少なくとも降伏電圧Vbr1以上であるため、受光部109の中心に光が照射されると、正孔がn型InP光透過層105へ流れ込むとともに、電子がp型AlInAs増倍層103を通過してn型AlInAs半導体層102に流れ込む間に、p型AlInAs増倍層103の高い電界強度によってアバランシェ増倍が発生する。その結果電流が増幅され、増幅した電流はアノード電極111から取り出される。
電流が増幅される割合(増倍率)Mは、光が照射された受光部109の下方に位置するn型InP光透過層105に印加される電界と、その位置のn型InP光透過層105の厚さとにより定まる。n型InP光透過層105に印加される電界はAPD100に印加する電圧Vapdにより定まるので、電圧Vapdが一定であれば、増倍率Mはn型InP光透過層105の厚さで定まることになる。
図5は、受光部109の異なる部分に光が照射された場合に、APD100に印加される電圧Vapd[V]と増倍率Mとの関係を示す。同図は、受光部109の中心に光を照射した場合のグラフ127と、受光部109の端に光を照射した場合のグラフ128と、受光部109の中心と端との中間に光を照射した場合のグラフ129とを含む。
同図から分かるように、印加される電圧Vapd[V]が一定、例えば28[V]であるとすると、受光部109の中心に光を照射した場合の方が、それ以外に光を照射した場合よりも増倍率Mが大きくなる。
この理由は次のように説明することができる。上述のように、降伏電圧Vbrは電界強度EのZ方向の積分値と等しく、受光部109の中心ではn型InP光透過層105が薄いため、受光部109の中心に光を照射した場合の降伏電圧Vbr1がそれ以外に光を照射した場合の降伏電圧Vbr2よりも小さくなる。そのため、受光部109の中心に光を照射した場合、アバランシェ増倍が小さい電圧で発生し始めて、n型InP光透過層105で増倍する電流量が増える。その結果、増倍率Mはn型InP光透過層105の厚さが薄い方が大きくなる。
APD100では、受光部109の中心でp型選択拡散領域107を最も厚くすることで、その下方におけるn型InP光透過層105が薄くなる。そのため、一定の電圧Vapdを印加した場合、受光部109の中心に光が照射されたときにAPD100の増倍率は最大となる。
以上、本発明の実施形態1に係るAPD100について説明した。本実施形態によれば、光電流が最大となる位置に基づいて受光部の中心に光軸を調整することが可能になる。
例えば、Z正方向から見た場合に受光部109の直径が30[μm]であり、受光部109の中心におけるn型InP光透過層105の厚さが0.2[μm]であり、受光部109の端におけるn型InP光透過層105の厚さが0.3[μm]であるとする。
n型InGaAs光吸収層104とn型InP光透過層105との境界での電界強度Ea=100[kV/cm]、n型InP光透過層105でのキャリア濃度N=1.0×1016[cm−3]とする。p型AlInAs増倍層103とn型InGaAs光吸収層104とのそれぞれに印加される電界強度EのZ方向の分布は、受光部109の中心と端とで同じである。
一般に、1電子当たりの単位電荷をq[c]、真空中の誘電率をε[F/cm]、InPの比誘電率をκ、n型InP光透過層105でのキャリア濃度をN[cm−3]、n型InGaAs光吸収層104とn型InP光透過層105との境界での電界強度をEa[kV/cm]とすると、n型InP光透過層105のZ方向の位置z[cm]における電界強度E(z)[kV/cm]は、次式(1)により表される。
Figure 2013187252
式(1)から、上述の例の場合に、受光部109の中心の下方に位置するp型選択拡散領域107の底面での電界強度Ebは、では128[kV/cm]と算出される。受光部109の端の下方に位置するp型選択拡散領域107の底面での電界強度Ecは、式(1)から141[kV/cm]と算出される。
受光部109の中心と端とでの降伏電圧の差ΔV[V]は、図6の斜線を施した領域131の面積に相当するので、ΔV=1.345[V]となる。受光部109の中心と端とでの降伏電圧の差ΔVが1.345[V]である場合に、受光部109の中心と端とでの増倍率Mの差が3〜4であるという条件下で、受光部109に光が照射される位置と増倍率Mnとの関係を計算すると図7に示すようになる。
同図に示す増倍率Mnは、受光部109の中心に光を照射した場合の増倍率Mによって、受光部109の中心からXの正方向及び負方向の各位置における増倍率Mを規格化した値である。各位置における増倍率Mは、図5に示す関係に基づいて得られる降伏電圧Vbrと増倍率Mの関係にフィッティングすることにより算出される。上述の条件の例では、図7に示すように、受光部109の中心に光を照射した場合の増倍率Mを受光部109の端に光を照射した場合の増倍率Mよりも40%程度大きな最大値とすることが可能になる。
したがって、受光部109の中心に光が照射された場合にアノード電極111から取り出される光電流が最大となるので、APD100によれば、光電流が最大となる位置に基づいて受光部の中心に光軸を調整することが可能になる。
なお、降伏電圧Vbrは、上述のように電界強度EのZ方向の分布の積分値で定まる。そのため、式(1)から分かるように、n型InP光透過層105のキャリア濃度Nを高めることで、受光部109の中心と端とでの降伏電圧の差ΔVは大きくなる。したがって、p型選択拡散領域107を形成するプロセスでのばらつきを考慮して、n型InP光透過層105でのキャリア濃度Nを設計されることが望ましい。これにより、上記のプロセスのばらつきが発生しても受光部109の中心に光が照射したときに増倍率Mが最大となるAPD100を実現することが可能になる。
また、p型ドーパントの拡散によって、p型選択拡散領域107に曲率半径が小さい部分が生じると、その部分で電界集中が生じて増倍が起きることがある。APD100では、p型選択拡散領域107では電界強度Eが十分に小さくなるようにしているため、増倍はn型AlInAs半導体層102とp型AlInAs増倍層103で主に発生する。したがって、p型選択拡散領域107の曲率半径が小さいことに起因する電界集中による増倍をほとんど無視することができる程度にすることができる。
実施形態2.
本発明の実施形態2に係るAPD200は、pin型のAlInAs−APDであって、図8のXZ面での断面図に示すように、実施形態1に係るAPD100と概ね同様の構造を備える。実施形態1に係るAPD100との違いは、APD200が、APD100のp型AlInAs増倍層103に代えて、i−AlInAs増倍層241とp型電界緩和層242とを備えることにある。すなわち、APD200は、n型AlInAs半導体層102の上に、i−AlInAs増倍層241とp型電界緩和層242とを順に備え、その上にn型InGaAs光吸収層104を備える。
このようなAPD200は、実施形態1に係るAPD100と概ね同様の方法により製造される。すなわち、n型InP基板101上に、n型AlInAs半導体層102とi−AlInAs増倍層241とp型電界緩和層242とn型InGaAs光吸収層104とn型InP光透過層105とが順に形成される。その後、実施形態1に係るAPD100と同様の方法により、p型選択拡散領域107が形成されて、APD200が製造される。
すなわち、n型InP光透過層105上にp型ドーパント源121がほぼ一定の厚さで配置され、カバレッジ膜122が、p型ドーパント源121が配設されていないn型InP光透過層105上とp型ドーパント源121上とに設けられる。ここで、カバレッジ膜122は、実施形態1と同様に、p型ドーパント源121上では受光部109の中心で最も厚く、受光部109の端部へ向かって次第に薄くなるように設けられる。n型InP光透過層105上ではカバレッジ膜122は、概ね均一な厚さになるように設けられるとよい。
熱拡散によって、p型ドーパント源121からその下方のn型InP光透過層105へp型ドーパントを拡散させる。これによって、受光部109の中心において最も厚く、受光部109の端部へ向かうに従って次第に薄くなるように底面が湾曲したp型選択拡散領域107(図8参照)が形成される。
エッチングによって、カバレッジ膜122とp型ドーパント源121とを除去した後に、溝113が形成される。p型選択拡散領域107の上面のうちX方向の両端にアノード電極111が設けられ、絶縁膜115が全体の表面上に形成される。アノード電極111上の絶縁膜115をエッチングすることによって、APD200を製造することができる。
本実施形態に係るAPD200は、実施形態1に係るAPD100と概ね同様に動作する。そのため、受光部109の中心に光が照射された場合にアノード電極111から取り出される光電流が最大となる。したがって、APD100によれば、光電流が最大となる位置に基づいて受光部の中心に光軸を調整することが可能になる。
また、APD200では、i−AlInAs増倍層241と高濃度にドーピングされたp型電界緩和層242とを適用することによって、i−AlInAs増倍層241での電界強度EのZ方向分布の積分値を小さくすることができる。そのため、APD200の降伏電圧Vbrを小さくすることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、実施形態に種々の変更を加えた態様やそれらと均等な技術的範囲をも含む。
100,200 アバランシェフォトダイ
オード
101 n型InP基板
102 n型AlInAs半導体層
103 p型AlInAs増倍層
104 n型InGaAs光吸収層
105 n型InP光透過層
107 p型選択拡散領域
109 受光部
111 アノード電極
113 溝
115 絶縁膜
117 カソード電極
121 p型ドーパント源
122 カバレッジ膜
241 i−AlInAs増倍層
242 p型電界緩和層

Claims (4)

  1. 第1型導電型層と、増倍層と、光吸収層と、少なくとも一部に受光部が形成される第2型導電型領域を含む光透過層とが半導体基板上に順に設けられており、
    前記光透過層の厚さが、積層方向から見た前記受光部の中心で最も薄く、当該中心から前記受光部の端部へ向かって次第に厚くなる
    ことを特徴とするアバランシェフォトダイオード。
  2. 前記増倍層と前記光吸収層との間に、電界緩和層が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアバランシェフォトダイオード。
  3. 半導体基板上に、第1型導電型層と、増倍層と、光吸収層と、光透過層とを順に形成し、
    前記光透過層上の所定の領域に第2型ドーパント源を形成し、
    積層方向から見た場合に、前記第2型ドーパント源の中心で最も厚く、当該中心から前記第2型ドーパント源の端部へ向かって次第に薄くなるカバレッジ膜を前記第2型ドーパント源上に形成し、
    熱拡散によって、第2型ドーパント源から前記光透過層へ第2型ドーパントを拡散させる
    ことを特徴とするアバランシェフォトダイオードの製造方法。
  4. 前記増倍層と前記光吸収層との間に、電界緩和層が形成される
    ことを特徴とする請求項3に記載のアバランシェフォトダイオードの製造方法。
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