JP2005327810A - 順メサ型受光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 メサ側面近傍の暗電流を抑制すると共に、受光感度および素子の信頼性を向上することが可能な順メサ型受光素子を提供すること。
【解決手段】 バッファ層2、光吸収層3、電界緩和層4および増倍層5が半導体基板上に積層されている順メサ型受光素子12において、増倍層5は、半導体基板1から最も離れて対向する面である最離面の近傍の領域における、順メサ構造部の側面近傍を除く中央領域に、オーミック接触をとるための不純物がドープされたコンタクト領域6と、順メサ構造部の側面近傍の領域に、コンタクト領域6の不純物濃度より低い濃度で不純物がドープされたディープガードリング7とを有し、ディープガードリング7がコンタクト領域6に比して増倍層5の最離面より深く電界緩和層4側に及んでいる構成を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、順メサ型受光素子に関し、特に、光通信ネットワーク等で光信号を電気信号に変換するための順メサ型受光素子に関する。
近年、光ファイバ伝送システムにおいて、光信号の伝送の高速化および大容量化への要請がますます高まっている。この高速化および大容量化の要請に応えるべく、光ファイバ伝送システムにおいて用いられる受光素子にも、動作の高速化が必要となってきた。ここで、中遠距離用の光通信の光受信機には、微弱な光信号をも検出できるようにするため、検出感度の高いアバランシェフォトダイオードが広く用いられる。
アバランシェフォトダイオードは、大別して、基板面上に素子がほぼ平坦に形成されるプレーナ型と、メサ構造を有する素子が基板上に形成されるメサ型とに分けられる。プレーナ型は、素子の周囲に誘電率の高い媒質(半導体部分)が存在し、この媒質による静電容量の影響を受けるため、メサ型と比べて、一般に、素子の静電容量が大きく、動作速度が遅い。このような理由から、高速動作を用する受光素子としては、メサ型のアバランシェフォトダイオードが用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
一方、メサ型のアバランシェフォトダイオードでは、メサ側面が存在することによって、暗電流が高く、受光感度や素子の信頼性が低いため、側面を経由する暗電流の影響を低減するため、ガードリングを設けていた(例えば、特許文献2、非特許文献1参照。)。暗電流は、メサ側面近傍に存在する、本来、バルクの結晶では存在しない局在したエネルギー準位によるものである。この「バルクの結晶では存在しない局在したエネルギー準位」は、メサ側面近傍で結晶構造の連続性が途絶えることや、エッチングの際にメサ側面近傍に発生する多数の結晶欠陥などによる。暗電流は、メサの中央部に比べてメサ側面で流れやすく、受光感度や素子の信頼性を低下させる重要な要因である。
特開平8−181349号公報 特開平5−21830号公報 ヒロアキ アンドウ ら著、「InP中の亜鉛とカドミウムの低温拡散プロファイル、および、InPアバランシェフォトダイオード中のガードリングの形成」、IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, ED−29巻 9号(H.ANDO et.al.,"Low−Temperature Zn− and Cd−Diffusion Profiles in InP and Formation of Gaurd Ring in InP Avalanche Photodiodes", IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL.ED−29 No.9)
しかし、このような従来のメサ型のアバランシェフォトダイオードでは、ガードリングがオーミック接触を取るための不純物領域に比して、浅くまたは同程度の深さで形成されているため、暗電流を充分に抑制することができないという問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を効果的に抑制すると共に、受光感度および素子の信頼性を向上することが可能な順メサ型受光素子を提供するものである。
以上の点を考慮して、請求項1に係る発明は、半導体基板上に形成された順メサ構造部内に、入射された光を吸収してキャリアを生成する光吸収層と、前記光吸収層が生成したキャリアのうちの少なくとも一方のキャリアを増倍してメインキャリアとする増倍層と、前記増倍層と前記光吸収層との間に設けられ、前記増倍層から前記光吸収層方向への電界強度を低下させる電界緩和層とを含む複数の半導体層が積層されている順メサ型受光素子において、前記増倍層は、前記半導体基板から最も離れ前記半導体基板に対向する面である最離面の近傍の領域における、前記順メサ構造部の側面近傍を除く中央領域に、オーミック接触をとるための不純物がドープされたコンタクト領域と、前記順メサ構造部の側面近傍の領域に、前記コンタクト領域の不純物濃度より低い濃度で不純物がドープされたディープガードリングとを有し、前記ディープガードリングが前記コンタクト領域に比して前記増倍層の最離面より深く前記電界緩和層側に及んでいる構成を有している。
この構成により、ディープガードリングがコンタクト領域に比して増倍層の最離面より深く電界緩和層側に及んでいるため、順メサ構造部の側面近傍の電界強度を電界緩和層側に従来より深い領域にわたって低減でき、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を効果的に抑制し、受光感度および素子の信頼性を向上することが可能な順メサ型受光素子を実現することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、前記光吸収層で生成された電子正孔対のうちの正孔がメインキャリアとなり、前記増倍層で増倍されるようにした構成を有している。
この構成により、請求項1の効果に加え、光吸収層で生成された電子正孔対のうちの正孔がメインキャリアとすることにより、電子をメインキャリアとしたときのように増倍層を超格子構造にする必要がなくなることから、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を抑制すると共に、受光感度および素子の信頼性をさらに向上することが可能な順メサ型受光素子を実現することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1において、前記光吸収層に入射する光信号は、前記半導体基板における、前記半導体層が形成された面の反対側の面である裏面側から入射するようにした構成を有している。
この構成により、請求項1の効果に加え、光吸収層に裏面側から光信号が入射するようにしたため、入射した光は、光吸収層で吸収され、光吸収層を透過した後に、光信号が入射した面と対向する面に位置する電極で反射され、光吸収層で再度吸収されるため、光吸収層の厚さを実効的に厚くしたことと等価な効果を得ることが可能である。その結果、同一の光吸収層の厚さを有していながらも受光感度の向上が可能な順メサ型受光素子を実現することができる。
本発明は、ディープガードリングがコンタクト領域に比して増倍層の最離面より深く電界緩和層側に及んでいるため、順メサ構造部の側面近傍の電界強度を電界緩和層側に従来より深い領域にわたって低減でき、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を効果的に抑制し、受光感度および素子の信頼性を向上できるという効果を有する順メサ型受光素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る順メサ型受光素子の一例を示す断面図であり、図2は、図1に示す順メサ型受光素子の外観斜視図である。
図1および図2において、順メサ型受光素子12は、n−InPからなる半導体基板1上に、n−InPからなるバッファ層2、i−InGaAsからなる光吸収層3、n−InPからなる電界緩和層4、および、InPからなる増倍層5が、この順番に積層された層構成を有する。
ここで、順メサ型受光素子12は、光吸収層3で生成された電子正孔対のうちの正孔がメインキャリアとなり、増倍層5で増倍されるように構成されている。また、上記では、増倍層5をInPの層としたが、増倍層5のうち領域6と領域7はp型の不純物がドープされ、その他の領域は、意図的に不純物をドープしないi−InPの領域である。増倍層5のi−InPの領域は、低濃度のn型になることが知られており、このi−InPの領域と領域6および領域7とでpn接合が形成されるようになっている。
各層2〜5用の半導体膜(以下、エピタキシャル膜という。)は、例えば、MOVPE(MetalOrganic Vapor Phase Epitaxy)、MBE(Molecular Beam Epitaxy)等の技術を用いて形成される。また、n型の不純物として、例えば、Si、S等を用いるのでもよい。
各層2〜5用のエピタキシャル膜の厚さは、例えば、半導体基板1側から、それぞれ、0.5〜1μm、1μm程度、0.01〜0.1μm、および、1μm程度とする。また、バッファ層2および電界緩和層4のn型不純物の濃度は、それぞれ、1×1018(cm−3)および5×1017(cm−3)程度とする。なお、これらの層厚および不純物濃度の値は、一例であり、これらに限定されるものではない。
増倍層5の領域6上には、p電極8が形成される。増倍層5のp電極8が形成される面、すなわち、半導体基板1から最も離れ半導体基板1に対向する面(以下、最離面という。)の近傍に設けられた領域6および領域7は、それぞれ、オーミック接触をとるためにp型不純物が高濃度にドープされたp−InPの領域(以下、領域6をコンタクト領域6という。)と、コンタクト領域6に比して低濃度にドープされたp−InPの領域(以下、領域7をディープガードリング7という。)である。
増倍層5のコンタクト領域6は、図1に示すように、上記の最離面の近傍の領域であって、順メサ構造の側面近傍を除く中央領域である。また、ディープガードリング7は、コンタクト領域6の不純物濃度より低い濃度で不純物がドープされた順メサ構造部の側面近傍の領域であり、順メサ構造の中央領域を取り囲む領域である。ここで、コンタクト領域6とディープガードリング7との境界は、必ずしも明瞭である必要はない。また、p型の不純物として、例えば、Zn等を用いるのでもよい。
以下では、電界緩和層4、増倍層5のi−InPの領域およびコンタクト領域6によって形成されるpn接合の空乏層のことを中央領域空乏層といい、電界緩和層4、増倍層5のi−InPの領域およびディープガードリング7によって形成されるpn接合の空乏層のことをメサ側面空乏層という。コンタクト領域6の不純物分布は、さらに、中央領域空乏層の動作時の厚さが、メサ側面空乏層の動作時の厚さより薄くなるようになっている。以下では、コンタクト領域6を得るための不純物分布を第1の不純物分布といい、ディープガードリング7を得るための不純物分布を第2の不純物分布という。
なお、増倍層5の最離面は、例えば直径30〜40μm程度の円形であるのに対して、増倍層5の厚さは上記の例では1μm程度である。このため、最離面の7割程度の直径のコンタクト領域6が得られるように最離面側から不純物を例えば拡散させた場合、コンタクト領域6の直径は増倍層5の厚さより十分大きいことから、横方向への拡散は事実上無視することができるので、ドープした領域の殆どが上記のコンタクト領域6となる。
上記の不純物分布を実現するためのドーピングの方法は問わないが、熱拡散法を用いる方が簡易に行うことができるので好適である。第1の不純物分布としては、例えば、順メサ構造の中心軸近傍において、上記最離面の位置で1×1018(cm−3)程度またはそれ以上とし、最離面から0.1〜0.2μm程度の深さで1×1017(cm−3)程度とするのでもよい。但し、この不純物分布に限られるものではなく、最離面近傍で不純物濃度がさらに高い不純物分布でも、その他の分布でもよい。
また、p−InPのディープガードリング7における不純物分布である第2の不純物分布としては、例えば、順メサ構造の側面近傍において、上記最離面の位置で1×1017(cm−3)程度とし、最離面から0.3〜0.4μm程度の深さで1×1016(cm−3)程度とするのでもよい。ここで、第2の不純物分布は、上記の中央領域空乏層の動作時の厚さが、メサ側面空乏層の動作時の厚さより薄くなるように第1の不純物分布に対して相対的に決められる。
ここで、増倍層5のi−InPの領域が、例えば、1×1015(cm−3)程度の低濃度のn型の不純物の領域であるのに対して、増倍層5のコンタクト領域6が上記で説明したように高濃度の不純物の層であるため、pn接合に印加される電界強度は、コンタクト領域6と増倍層5との界面で高くなるようになっており、ディープガードリング7と増倍層5との界面での電界強度よりも高い。
上記の最離面におけるコンタクト領域6および順メサの形状は、所定の形状に限定されるものではないが、以下では略円形として、コンタクト領域6およびディープガードリング7の形成方法についての説明を行う。図3(a)および図3(b)は、コンタクト領域6およびディープガードリング7の形成方法を説明するための断面図である。
ディープガードリング7の形成は、以下のように行う。初めに、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の技術を用いてSiNxの膜を増倍層5用のエピタキシャル膜L5上に形成する。次に、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術等を用いて、上記のSiNxの膜がエッチングされたリング状の帯の領域(以下、リング状帯領域といい、その内径をd、外形をdとする。)を有するマスク31、32を形成する。
ここで、図3(a)に示すように、リング状帯領域の内径dは、最離面の位置における順メサ構造の直径(d。符号33は、順メサ構造の側面となる部分。)よりも小さく、例えば、形成しようとするコンタクト領域の直径程度とする。次に、上記のSiNxのマスク31、32を用いて、上記の第2の不純物分布(例えば、順メサ構造の側面近傍において、上記最離面の位置で1×1017(cm−3)程度で、最離面から0.3〜0.4μm程度の深さで1×1016(cm−3)程度の分布。)となるように不純物を熱拡散させる。図3(a)および図3(b)において、符号34は、不純物濃度が例えば1×1016(cm−3)となる位置を示す等濃度線を表す。
次に、上記のSiNxのマスク31、32を除去し、コンタクト領域6を形成する。コンタクト領域6の形成は、以下のように行う。初めに、CVD等の技術を用いてSiNxの膜を増倍層5用のエピタキシャル膜L5上に形成する。次に、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術等を用いて、上記のSiNxの膜がエッチングされた円形状の領域を有するマスク35を形成する。
ここで、図3(b)に示すように、マスク35の円形状の領域の直径dを、最離面の位置におけるコンタクト領域6の直径よりも小さくする。上記の不純物分布の例では、ディープガードリング7の不純物濃度が1×1016(cm−3)の等濃度線によって囲まれる領域の内径程度とする。次に、上記のSiNxのマスク35を用いて、上記の第1の不純物分布(例えば、順メサ構造の側面近傍において、上記最離面の位置で1×1018(cm−3)程度またはそれ以上で、最離面から0.1〜0.2μm程度の深さで1×1017(cm−3)程度の分布。)となるように不純物を熱拡散させる。図3(b)において、符号36は、不純物濃度が例えば1×1017(cm−3)となる位置を示す等濃度線を表す。第1の不純物分布となるように不純物をドープしたら、マスク35を除去する。
コンタクト領域6およびディープガードリング7を形成した後、順メサ構造を形成するために各エピタキシャル膜2〜5をエッチングする。順メサ構造の形成は、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて行われる。まず、増倍層5上にマスクを形成する。このマスクは、上記最離面におけるコンタクト領域6とディープガードリング7とを含むように形成される。
半導体基板1上に形成された各エピタキシャル膜2〜5は、このマスクを用いて、半導体基板1が現れるまでウェットエッチングされ、円錐台型の順メサ構造を有する部分が得られる。以下、この順メサ構造を有する部分を順メサ構造部という。順メサ構造部は、円錐台型の側面と、コンタクト領域6とディープガードリング7とが形成された平坦部とを有する。
エッチングにより順メサ構造部を形成した後、半導体基板1の順メサ構造部を有する面にSiNxからなる保護膜9を形成する。次に、増倍層5のコンタクト領域6上の保護膜9にコンタクトホールを開口する。コンタクトホールは、フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術とを用いて形成される。次に、p電極8を、増倍層5のコンタクト領域6上の保護膜9に設けられたコンタクトホールを介して、例えば、真空蒸着法によってコンタクト領域6上に形成する。
次に、半導体基板1上の保護膜9にコンタクトホールを開口する。なお、このコンタクトホールは、上記のコンタクト領域6上の保護膜9にコンタクトホールを設ける際に設けるのでもよい。n電極10a、10bは、半導体基板1上の保護膜9に設けられたコンタクトホールを介して、例えば、真空蒸着法によって半導体基板1上に形成される。p電極8およびn電極10a、10bには、それぞれ、増倍層5および半導体基板1とオーミック接触が得られる材料を用いた。ここで、p電極8およびn電極10a、10bに接続する配線を設ける方法については、本発明の趣旨の外にあるため、その説明を省略する。
次に、順メサ型受光素子12の動作について説明する。ここで、p電極8とn電極10a、10bとの間には、p電極8が負電位で、増倍層5に正孔がアバランシェ効果によって増倍される大きさの電圧が予め印加されているものとする。以下、アバランシェ効果によって増倍されることを、アバランシェ増倍という。また、光信号は、半導体基板1におけるエピタキシャル膜2〜5が形成された面と反対の面(以下、半導体基板の裏面という。)側から入射するものとする。
半導体基板1の裏面側から入射した光信号は、InPのエネルギーギャップが光信号のエネルギーより大きいため、n−InPからなる半導体基板1、n−InPからなるバッファ層2、を透過し、i−InGaAsからなる光吸収層3に到達する。InGaAsのエネルギーギャップは、光信号の波長に応じて決まるエネルギー(以下、光信号のエネルギーという。)より小さいため、光信号は、i−InGaAsからなる光吸収層3で電子正孔対を形成して吸収される。
i−InGaAsからなる光吸収層3で形成された電子正孔対のうちの正孔は、電界緩和層4を通過して増倍層5に移動していく。増倍層5には、アバランシェ増倍が発生する所定の電圧が印加されているため、増倍層5に入ってきた正孔は、増倍され、コンタクト領域6に流れ込んでいく。
ここで、p−InPのコンタクト領域6とp−InPのディープガードリング7とが存在することによって、増倍層5のi−InPの領域、p−InPのコンタクト領域6、および、p−InPのディープガードリング7内に生ずる空乏層の振舞いを、図4を用いて説明する。
図4において、符号Aを付した曲線は、印加電圧が小さいときの、p−InPのコンタクト領域6、p−InPのディープガードリング7、および、電界緩和層4内に生ずる空乏層の端の位置を表す。同様に、符号Bを付した曲線は、印加電圧を大きくしたときの、p−InPのコンタクト領域6、p−InPのディープガードリング7、および、電界緩和層4内に生ずる空乏層の端の位置を表す。
増倍層5のi−InPの領域にアバランシェ増倍が発生する電圧が印加されている状態では、空乏層の端の位置は、ほぼ符号Bを付した曲線で示すようになっている。そのため、順メサ構造部の中央領域の空乏層が側面近傍の空乏層より短くなり、増倍層5の中央領域における内部電界強度は、側面近傍における内部電界強度よりも高くなる。
その結果、増倍層5のi−InPの領域に入ってきた正孔や、増倍層5のi−InPの領域でアバランシェ増倍により発生した正孔は、順メサ構造部の中央部に向かって移動するようになる。逆に、増倍層5に入ってきた正孔や、増倍層5でアバランシェ増倍により発生した正孔は、順メサ構造部の側面周辺の内部電界強度が低くなっているため、順メサ構造部の側面周辺に移動し難くなっている。
上記では、コンタクト領域6を介してp電極8とInPからなる増倍層5との間でオーミック接触を得る構成について説明したが、図5に示す構成の順メサ型受光素子13のように、p−InGaAsからなるコンタクト層11を介して行うのでもよい。p−InGaAsは、InPよりもオーミックコンタクトが得やすいため、有効である。この場合、p−InGaAsからなる層の不純物は、コンタクト領域6およびディープガードリング7を形成するのに用いる不純物と異なるのでもよい。また、空乏層がp−InGaAsからなるコンタクト層11に伸びることを防ぐため、p−InGaAsからなるコンタクト層11とInPからなる増倍層5との間にp−InGaAsPの層を形成してもよい。
コンタクト層11の形成は、上記の他の層と同様の方法で行うのでもよい。コンタクト層11の厚さを、例えば、0.1μm程度とし、不純物濃度を、1×1018(cm−3)程度またはそれ以上とするとする。コンタクト領域6およびディープガードリング7を形成するための不純物の拡散は、p−InGaAsからなる層を上記の増倍層5の最離面の近傍の領域とみなした場合と同様である。したがって、p−InGaAsからなる層の外側から不純物を熱拡散等によってドープする。不純物をドープしてコンタクト領域6およびディープガードリング7を形成した後、コンタクト領域6以外の領域上のp−InGaAsの層を除き、コンタクト層11を形成する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る順メサ型受光素子は、ディープガードリングがコンタクト領域に比して増倍層の最離面より深く電界緩和層側に及んでいるため、順メサ構造部の側面近傍の電界強度を電界緩和層側に従来より深い領域にわたって低減でき、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を効果的に抑制し、受光感度および素子の信頼性を向上することができる。
また、光吸収層で生成された電子正孔対のうちの正孔がメインキャリアとすることにより、電子をメインキャリアとしたときのように増倍層を超格子構造にする必要がなくなることから、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を抑制すると共に、受光感度および素子の信頼性をさらに向上することができる。
さらに、光吸収層に裏面側から光信号が入射するようにしたため、入射した光は、光吸収層で吸収され、光吸収層を透過した後に、光信号が入射した面と対向する面に位置する電極で反射され、光吸収層で再度吸収されるため、光吸収層の厚さを実効的に厚くしたことと等価な効果を得ることが可能である。その結果、同一の光吸収層の厚さを有していながらも受光感度を向上できる。
なお、上記では、メインキャリアが正孔である場合について説明したが、メインキャリアが電子である場合にも、同様の効果を得ることができる。ここで、メインキャリアが電子である場合の素子は、従来の技術と上記の記載とに基づいて容易に形成できるため、その説明を省略する。
本発明に係る順メサ型受光素子は、順メサ構造部の側面近傍における暗電流を効果的に抑制すると共に、受光感度および素子の信頼性を向上することができるという効果が有用な順メサ型受光素子等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態に係る順メサ型受光素子の一例を示す断面図 図1に示す順メサ型受光素子の外観斜視図 コンタクト領域およびディープガードリングの形成方法を説明するための説明図 光吸収層、電界緩和層および増倍層によって形成されるpn接合の空乏層について説明するための順メサ構造部の一部を拡大した断面図 コンタクト層を有する構成の順メサ型受光素子の一例を示す断面図
符号の説明
1 半導体基板
2 バッファ層
3 光吸収層
4 電界緩和層
5 増倍層
6 コンタクト領域
7 ディープガードリング
8 p電極
9 保護膜
10a、10b n電極
11 コンタクト層
12、13 順メサ型受光素子
31、32、35 エッチング用のマスク
33 順メサ構造の側面となる部分
34 不純物濃度が例えば1×1016(cm−3)となる位置を示す等濃度線
36 不純物濃度が例えば1×1017(cm−3)となる位置を示す等濃度線
A 電圧が印加されないときの空乏層の端の位置
B 動作電圧が印加されたときの空乏層の端の位置
マスク31の直径
マスク32の内径
最離面の位置における順メサ構造の直径
マスク35の円形状の領域の直径

Claims (3)

  1. 半導体基板(1)上に形成された順メサ構造部内に、入射された光を吸収してキャリアを生成する光吸収層(3)と、前記光吸収層が生成したキャリアのうちの少なくとも一方のキャリアを増倍してメインキャリアとする増倍層(5)と、前記増倍層と前記光吸収層との間に設けられ、前記増倍層から前記光吸収層方向への電界強度を低下させる電界緩和層(4)とを含む複数の半導体層が積層されている順メサ型受光素子(12)において、
    前記増倍層は、前記半導体基板から最も離れ前記半導体基板に対向する面である最離面の近傍の領域における、前記順メサ構造部の側面近傍を除く中央領域に、オーミック接触をとるための不純物がドープされたコンタクト領域と、前記順メサ構造部の側面近傍の領域に、前記コンタクト領域の不純物濃度より低い濃度で不純物がドープされたディープガードリングとを有し、
    前記ディープガードリングが前記コンタクト領域に比して前記増倍層の最離面より深く前記電界緩和層側に及んでいることを特徴とする順メサ型受光素子。
  2. 前記光吸収層で生成された電子正孔対のうちの正孔がメインキャリアとなり、前記増倍層で増倍されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の順メサ型受光素子。
  3. 前記光吸収層に入射する光信号は、前記半導体基板における、前記半導体層が形成された面の反対側の面である裏面側から入射するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の順メサ型受光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018147940A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 受光素子の製造方法
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CN116504866A (zh) * 2023-06-29 2023-07-28 北京邮电大学 高时间分辨率单光子探测器及其制备方法
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