JP2013186004A - 分光光度計および吸光光度測定法 - Google Patents

分光光度計および吸光光度測定法 Download PDF

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Abstract

【課題】セルの光路長を補正し、再現性の高い測定が可能な分光光度計および吸光光度測定法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明による分光光度計は、セルの光路長が既知である第一のセルにおける光路長測定用溶液の吸光度および前記第一のセルの光路長を用いて、セルの光路長が未知である第二のセルの光路長を求め、前記第一のセルの光路長の逆数から、前記第二のセルの光路長を補正するための係数である光路長補正係数を求め、前記光路長補正係数を用いて試料の吸光度を補正すること、を特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、分光光度計および吸光光度測定法に関する。
分光光度計は、光源の発する白色光をフィルターまたは分光器を用いて単色光化し、その単色光の波長を変化させながら試料に照射し、試料による単色光の反射や吸収を検知し、試料の定性および定量分析を行うものである。
分光光度計では、測定対象である試料を収容するセルを複数設置可能な多連装セルホルダが使用されている。この多連装セルホルダは、複数のセルが設置可能なため、分光光度計の自動測定機能と組み合わせることにより、迅速な測定が可能となる。
セルは一定の光路長を持っており、一般的には光路長が10mmの角セルが使用される。しかし、セルの光路長には個体差があり、同じロット内であってもわずかに異なる。複数のセルを用いて測定する場合、セルの光路長の個体差が、測定の再現性低下を引き起こしていた。
セルの光路長の個体差を補正する技術や複数のセルを用いて測定する技術については、次のようなものがある。
特許文献1においては、基準となるセルの光路長と使用するセルの光路長とを予め求めておき、基準となるセルの光路長に基づいて、使用するセルの光路長を補正する分光光度計が開示されている。
特許文献2においては、分光測定法において、各種出力変動を波長ごとに測定し、測定波長数の次元の空間におけるベクトルと考えて、全てのベクトルに直交する部分空間を求める分光測定法が開示されている。
特許文献3においては、複数のセルを用いて測定する光分析用多連装セルが開示されている。
特開昭64−53133号公報 特開平5−18823号公報 特開2003−121344号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている技術は、使用する全てのセルの光路長を正確に計測されている必要がある。しかし、セルの光路長を正確に計測することは容易ではない。そのため、分光光度計のユーザは、光路長が正確に計測されたセルを購入する必要があった。しかし、このセルは高価なため、コスト面で問題があった。
また、特許文献2に記載されている技術は、基準セル、測定セルおよびサンプルについて、複数の波長における測定が必要であり、更に、異なった複数のサンプルが必要であるため、溶液調製や測定準備の煩雑さが問題であった。
また、特許文献3に記載されている技術は、複数のセルを用いて測定するものであるが、複数のセルの光路長の個体差を補正する技術は開示されていない。
そこで、本発明は、セルの光路長を補正し、再現性の高い測定が可能な分光光度計および吸光光度測定法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明による分光光度計は、光源と、光源からの光を分光する分光器と、測定対象の試料を収容するセルと、前記試料を通過した光を検出する光検出器と、前記光検出器が検出したデータを処理および/または記憶するデータ処理・記憶部とを有する分光光度計であって、前記光検出器は、前記セルの光路長が既知である第一のセルおよび前記セルの光路長が未知である第二のセルを用いて、前記セルの光路長を吸光度から算出するための溶液である光路長測定用溶液の吸光度および試料溶液の吸光度を測定し、前記データ処理・記憶部は、前記第一のセルにおける前記光路長測定用溶液の吸光度および前記第一のセルの光路長を用いて、前記第二のセルの光路長を求め、前記第一のセルの光路長の逆数から、前記第二のセルの光路長を補正するための係数である光路長補正係数を求め、前記光路長補正係数を用いて前記試料の吸光度を補正すること、を特徴とする。
本発明によれば、セルの光路長を補正し、再現性の高い測定が可能な分光光度計および吸光光度測定法を提供することが可能になる。
分光光度計の光学系を概略的に示す図である。 多連装セルホルダ(ターレットタイプ)の一例を説明する図である。 多連装セルホルダ(ポジショナタイプ)の一例を説明する図である。 光路長補正係数を算出する手順を説明する図である。 試料の吸光度を測定して光路長補正係数により吸光度を補正する手順を説明する図である。
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」という)を、図等を参照しながら詳細に説明する。また、本実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<分光光度計の概略>
図1は、分光光度計の光学系を概略的に示す図である。
光源1を出射した光7は分光器であるグレーティング(回折格子)2により、単色光8(光量:I)に分光され、試料室内に設置されたセル3に照射される。このセル3には試料が収容されており、セル3を通過した光9(光量:I)は光検出器4に入射し、電気信号(データ)10に変換されてデータ処理・記憶部5によりデータが処理および記憶され、処理結果等が表示部6に表示される。
このとき、セルに収容された試料の透過率T(百分率)は、下記の式(1)で示される。
T=(I/I)×100 ・・・(1)
また、吸光度Aは、下記の式(2)で示される。
A=log10(I/I) ・・・(2)
なお、吸光度Aは、ランバート・ベールの法則(ブーケ・ベールの法則)に従うことが知られており、下記の式(3)で示される。
A=ε・c・l ・・・(3)
ここで、εはモル吸光係数、cは試料のモル濃度、lは光路長である。
<多連装セルホルダ>
複数の試料を測定する場合、図2および図3に示すような、多連装セルホルダが使用される。
図2は、多連装セルホルダ(ターレットタイプ)の一例を説明する図である。図2に示す多連装セルホルダ11aは複数のセル設置部12が円形に並んで設けられている。図中の符号13で示す矢印は、多連装セルホルダ11aの動作方向を示している。多連装セルホルダ11aは、多連装セルホルダ11aの中心を軸として時計回りおよび反時計回りの両方向に回転可能である。多連装セルホルダ11aを回転させることにより、セル設置部12に設置されたセルを順次測定することができる。
<多連装セルホルダ(ポジショナタイプ)>
図3は、多連装セルホルダ(ポジショナタイプ)の一例を説明する図である。図3に示す多連装セルホルダ11bは複数のセル設置部12が一列に並んで設けられている。図中の符号13bで示す矢印は、多連装セルホルダ11bの動作方向を示している。多連装セルホルダ11bは、多連装セルホルダ11bの長手方向に移動可能である。多連装セルホルダ11bを移動させることにより、セル設置部12に設置されたセルを順次測定することができる。
<セルの光路長の算出および光路長補正係数>
図2および図3に示したような多連装セルホルダ等を用いて複数の試料を測定する場合、複数のセルが用いられる。前記のように、セルの光路長には個体差があり、測定の再現性低下を引き起こしていた。前記した式(3)によれば、モル吸光係数およびモル濃度が既知である場合、吸光度を測定することでセルの光路長を算出することができる。しかし、モル吸光係数が既知である溶液を準備することは容易ではない。
そこで、本実施形態においては、分光光度計によって既知濃度の溶液の吸光度を測定し、各セルの光路長をランバート・ベールの法則(式(3))を用いて逆算する。そして、算出した各セルの光路長を用いて、試料の吸光度を所定の光路長の吸光度に補正する。
まず、分光光度計で測定可能な吸光度が得られる溶液(以下、光路長測定用溶液と呼ぶ)を調製する。そして、基準となる、光路長が既知であるセル(以下、基準セルと呼ぶ)に光路長測定用溶液を収容し、吸光度を測定する。得られた吸光度と基準セルの光路長から、ランバート・ベールの法則(式(3))を用いて、下記の式(4)に示すように、モル吸光係数とモル濃度との積を得ることができる。
ε・c=A/l ・・・(4)
また、光路長は、下記の式(5)で示される。
l=A/(ε・c) ・・・(5)
前記のように、セルの光路長には個体差があるため、光路長が10mmになるように製造されても、実際の光路長は10mmではないことがある。そこで、セルの実際の光路長(補正前の光路長)をlとし、このセルを用いて測定した光路長測定用溶液の吸光度(補正前の吸光度)をAとすると、前記した式(4)は、下記の式(6)で示される。
ε・c=A/l ・・・(6)
また、このセルの補正後の光路長をlとし、補正後の吸光度をAとすると、前記した式(4)は、下記の式(7)で示される。
ε・c=A/l ・・・(7)
前記した式(6)および式(7)より、補正前後の光路長および吸光度は、下記の式(8)の関係が成り立つ。
(A/l)=(A/l) ・・・(8)
前記した式(8)より、補正後の吸光度は、下記の式(9)で示される。
=(1/l)l ・・・(9)
この式(9)は、補正後の吸光度(A)は、補正前の光路長(l)の逆数と補正後の光路長(l)と補正前の吸光度(A)の積により算出することができることを示している。なお、(1/l)lを、光路長補正係数(F)と呼ぶ。
光路長補正係数(F)とは、補正前の光路長(l)を、補正後の光路長(l)に換算(補正)するための係数である。この光路長補正係数と補正前後の光路長には、下記の式(10)の関係が成り立つ。
=Fl ・・・(10)
前記した各式により、分光光度計において複数のセル(セルS、セル1〜セルn)を用いて吸光度を測定する場合について説明する。セルSは光路長が既知であり、基準セルである。セル1〜セルnは光路長が未知である。
吸光度を測定する手順の概略は、光路長補正係数を算出し、試料の吸光度を測定して光路長補正係数により吸光度を補正するというものであり、それぞれの手順について図を参照して説明する。
<光路長補正係数を算出する手順>
まず、図4を参照して、光路長補正係数を算出する手順について説明する。図4は、光路長補正係数を算出する手順を説明する図である。
ステップS401において、分光光度計のユーザは、光路長測定用溶液のブランク試料を、セルSおよびセル1〜セルnに収容し、多連装セルホルダにセットする。なお、ブランク試料とは、測定対象とする物質を含有しない、溶媒のみの試料である。
ステップS402において、分光光度計は、ステップS401においてセットした光路長測定用溶液のブランク試料の吸光度(Abs1)を測定し、データ処理・記憶部に記憶する。
ステップS403において、分光光度計のユーザは、光路長測定用溶液を、セルSおよびセル1〜セルnに収容し、多連装セルホルダにセットする。
光路長測定用溶液とは、前記したように、分光光度計で測定可能な吸光度が得られる溶液である。また、光路長測定用溶液とは、前記した各式によって、光路長を吸光度から算出するための溶液である。光路長測定用溶液は、分光光度計で測定可能な波長域に吸収のピークを持ち、溶媒に可溶であり、光に対して安定で、化学的および物理的にも安定な化合物の溶液である。光路長測定用溶液の一例としては、二クロム酸カリウム水溶液、二クロム酸カリウムの過塩素水溶液、無機塩類の水溶液、有機色素の水溶液などが挙げられる。
セル1〜セルnの光路長を正確に測定するためには、分光光度計で測定可能な波長域において、分光光度計の感度の高い波長域に吸収を持つ化合物を光路長測定用溶液として用いることが好ましい。
ステップS404において、分光光度計は、ステップS403においてセットした光路長測定用溶液の吸光度(Abs2)を測定し、データ処理・記憶部に記憶する。
ステップS405において、分光光度計のユーザは、基準セルであるセルSの光路長(Lcell)および補正後の光路長(L)を入力する。
ステップS406において、分光光度計は、データ処理・記憶部により、各セル(セルS、セル1〜セルn)の光路長補正係数Fを算出し、記憶する。
ここで、表1を参照して、図4において測定した吸光度や各セルの光路長補正係数Fについて説明する。
表1においては、ステップS402において測定した光路長測定用溶液のブランク試料の吸光度(Abs1)をZとし、ステップS404において測定した光路長測定用溶液の吸光度(Abs2)をCとし、セルSの光路長をLcellとし、換算したい(補正後の)光路長をLとする。なお、F、ZおよびCの添え字は、「s」がセルS、「1」がセル1、「n」がセルnを示す。
また、光路長測定用溶液の吸光度(Abs2)から光路長測定用溶液のブランク試料の吸光度(Abs1)を減算することによって、溶媒の影響を排除した吸光度を求めることができる。
Figure 2013186004
セルSの光路長補正係数Fは、前記した式(10)により、補正前の光路長(l)をLcellとし、補正後の光路長(l)をLとして、算出する。
セル1の光路長補正係数Fは、次のように算出する。まず、前記した式(8)により、セル1の光路長は、セル1の光路長をLとした場合、セルSの吸光度および光路長を用いて、下記の式(11)で示される。
(C−Zc1)/L=(C−Zcs)/Lcell
=Lcell(C−Zc1)/(C−Zcs) ・・・(11)
そして、前記した式(10)により、補正前の光路長(l)を式(11)により算出したLとし、補正後の光路長(l)をLとして、セル1の光路長補正係数を算出すると、下記の式(12)のようになる。
=L/{Lcell(C―Zc1)/(C―Zcs)}
={L(C―Zcs)}/{Lcell(C―Zc1)}
=(L/Lcell)(C―Zcs)/(C―Zc1) ・・・(12)
以降のセルも同様にして、光路長補正係数を算出する。
<試料の吸光度を測定して光路長補正係数により吸光度を補正する手順>
次に、図5を参照して、測定対象である試料の吸光度を測定して光路長補正係数により吸光度を補正する手順について説明する。図5は、試料の吸光度を測定して光路長補正係数により吸光度を補正する手順を説明する図である。
ステップS501において、分光光度計のユーザは、試料溶液のブランク試料を、セルSおよびセル1〜セルnに収容し、多連装セルホルダにセットする。なお、ブランク試料とは、測定対象とする物質を含有しない、溶媒のみの試料である。
ステップS502において、分光光度計は、ステップS501においてセットしたブランク試料の吸光度(Abs3)を測定し、データ処理・記憶部に記憶する。
ステップS503において、分光光度計のユーザは、試料溶液を、セルSおよびセル1〜セルnに収容し、多連装セルホルダにセットする。
ステップS504において、分光光度計は、ステップS503においてセットした試料溶液の吸光度(Abs4)を測定し、データ処理・記憶部に記憶する。
ステップS505において、分光光度計は、データ処理・記憶部により、光路長補正係数を用いて、補正後の吸光度(D)を算出し、データ処理・記憶部に記憶する。
ステップS506において、分光光度計は、ステップS505において算出した補正後の吸光度(D)を表示部に表示する。
ここで、表2を参照して、図5において測定した吸光度や吸光度の補正について説明する。
表2においては、ステップS502において測定した試料溶液のブランク試料の吸光度(Abs3)をZとし、ステップS504において測定した試料溶液の吸光度(Abs4)をMとし、補正後の試料の吸光度をDとする。なお、その他の記号や添え字については、表1と同様である。
また、試料溶液の吸光度(Abs4)から試料溶液のブランク試料の吸光度(Abs3)を減算することによって、溶媒の影響を排除した吸光度(試料の吸光度)を求めることができる。
Figure 2013186004
補正後の吸光度は、前記した式(9)により、光路長補正係数と補正前の吸光度との積で算出され、下記の式(13)で示される。
=FA ・・・(13)
セルSの補正後の吸光度は、前記した式(13)により、補正前の吸光度(A)を(M−Z)とし、光路長補正係数(F)を表1に記載の(L/Lcell)とし、補正後の吸光度(A)をDとして算出する。
セル1〜セルnも同様にして、補正後の吸光度を算出する。
以下、実施例に基づいて、より詳細に説明する。
光路長測定用溶液のブランク試料として純水、光路長測定用溶液として二クロム酸カリウム水溶液、セルSおよびセル1〜セル5を用いて、波長350.0nmにおいて吸光度を測定し、図4および表1に基づいて光路長補正係数を算出した。なお、セルSの光路長(Lcell)は9.870mm、補正後の光路長(L)は10.000mmとした。この結果を、表3に示す。
Figure 2013186004
ここで、算出したセルの光路長補正係数は、小数点以下3桁目で異なっている。これは、セルの光路長には個体差があることを示している。この光路長補正係数を用いて、図5および表2に基づいて補正後の吸光度を算出した。
表4は、試料溶液として赤色色素水溶液を用いて、波長507.5nmで測定した場合の吸光度である。
Figure 2013186004
セルSおよびセル1〜セル5の合計6つのセルを用いて波長507.5nmで測定した赤色色素水溶液の補正前の光路長における吸光度(補正前の吸光度)は、平均1.0928、標準偏差0.0011、相対標準偏差(%RSD)0.10であった。
一方、補正後の光路長における吸光度(補正後の吸光度)は、平均1.1053、標準偏差0.0004、相対標準偏差(%RSD)0.04であった。
表5は、試料溶液として紫外線吸収剤の水溶液を用いて、波長291.0nmで測定した場合の吸光度である。
Figure 2013186004
セルSおよびセル1〜セル5の合計6つのセルを用いて波長291.0nmで測定した紫外線吸収剤の水溶液の補正前の光路長における吸光度(補正前の吸光度)は、平均0.5505、標準偏差0.0008、相対標準偏差(%RSD)0.15であった。
一方、補正後の光路長における吸光度(補正後の吸光度)は、平均0.5568、標準偏差0.0005、相対標準偏差(%RSD)0.09であった。
表6は、試料溶液として紫外線吸収剤の水溶液を用いて、波長245.0nmで測定した場合の吸光度である。
Figure 2013186004
セルSおよびセル1〜セル5の合計6つのセルを用いて波長245.0nmで測定した紫外線吸収剤の水溶液の補正前の光路長における吸光度(補正前の吸光度)は、平均0.2412、標準偏差0.0006、相対標準偏差(%RSD)0.24であった。
一方、補正後の光路長における吸光度(補正後の吸光度)は、平均0.2440、標準偏差0.0004、相対標準偏差(%RSD)0.17であった。
以上の結果から、補正前の光路長における吸光度よりも、補正後の光路長における吸光度の方が、各セルによる吸光度のばらつきが小さく、再現性の高い測定値(吸光度)を得られることがわかった。
<まとめ>
本実施形態においては、分光光度計によって既知濃度の溶液の吸光度を測定し、各セルの光路長をランバート・ベールの法則(式(3))を用いて逆算する。そして、算出した各セルの光路長を用いて光路長補正係数を求め、当該光路長補正係数を用いて試料の吸光度を補正する。
セルの光路長の個体差を補正し、補正後の光路長における吸光度(補正後の吸光度)を求めることにより、再現性の高い測定が可能な分光光度計および吸光光度測定法を提供することが可能である。
なお、前記した実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更することが可能である。
例えば、図4のステップS402およびステップS404ならびに図5のステップS502およびS504において吸光度を測定する際、1つのセルに対して吸光度の測定を複数回行い、その平均値または中央値をデータ処理・記憶部5に記憶することとしてもよい。または、1つのセルに対して吸光度の測定を複数回行い、測定値の最小値および最大値を排除して、残りの測定値の平均値または中央値をデータ処理・記憶部に記憶することとしてもよい。
また、図4および図5に示す手順は一例であり、各ステップの順序はこれに限るものではない。例えば、図4のステップS402およびステップS404ならびに図5のステップS502およびS504における吸光度の測定を先に行い、これらの測定の後に、光路長補正係数を求め、当該光路長補正係数を用いて補正後の吸光度(D)を求めることとしてもよい。
光路長補正係数を求めて吸光度を補正する方法は、前記した分光光度計による吸光度測定のみならず、透過率の測定においても適用することが可能である。この場合、表1および表2で算出した値を、下記の式(14)および式(15)により、吸光度(A)を透過率(T)に変換したり、透過率(T)を吸光度(A)に変換したりする。これにより、透過率についても、再現性の高い測定が可能となる。
A=2−log10T ・・・(14)
T=10(2−A) ・・・(15)
また、この光路長補正係数を求めて吸光度を補正する方法は、単一の波長における吸光度測定のみならず、複数の波長における吸光度測定により得られた吸収スペクトルや透過スペクトルの測定、時間変化測定においても適用することが可能である。例えば、吸収スペクトルに適用する場合、各波長における吸光度を測定し、補正前の吸収スペクトルを求める。そして、光路長補正係数を求め、補正後の吸光度を求め、補正後の吸収スペクトルを求める(吸収スペクトルを補正する)。なお、光路長補正係数の算出の際、光路長測定用溶液の吸光度が安定して測定できる波長1つにおいて、光路長測定用溶液の吸光度を測定する。
前記した実施形態では、光路長が既知であるセルSを基準セルとしたが、セルSの正確な光路長が不明であっても、セルSの光路長の公称値を用いることにより、再現性の高い測定が可能となる。セルSの光路長の公称値とは、一般に公表されているセルの光路長であり、例えば、セルSを購入する際にカタログや包装容器に記載されている光路長である。
セルSの正確な光路長を用いる場合は、セルSの光路長の公称値を用いる場合と比べて、より正確な吸光度が得ることが可能となる。
1 光源
2 グレーティング(分光器)
3 セル
4 光検出器
5 データ処理・記憶部
6 表示部
7 光源を出射した光
8 単色光
9 セルを通過した光
10 電気信号
11 多連装セルホルダ
12 セル設置部
13 多連装セルホルダの動作方向

Claims (14)

  1. 光源と、光源からの光を分光する分光器と、測定対象の試料を収容するセルと、前記試料を通過した光を検出する光検出器と、前記光検出器が検出したデータを処理および/または記憶するデータ処理・記憶部とを有する分光光度計であって、
    前記光検出器は、
    前記セルの光路長が既知である第一のセルおよび前記セルの光路長が未知である第二のセルを用いて、前記セルの光路長を吸光度から算出するための溶液である光路長測定用溶液の吸光度および試料溶液の吸光度を測定し、
    前記データ処理・記憶部は、
    前記第一のセルにおける前記光路長測定用溶液の吸光度および前記第一のセルの光路長を用いて、前記第二のセルの光路長を求め、前記第一のセルの光路長の逆数から、前記第二のセルの光路長を補正するための係数である光路長補正係数を求め、
    前記光路長補正係数を用いて前記試料の吸光度を補正すること、
    を特徴とする、分光光度計。
  2. 前記光検出器は、
    前記光路長測定用溶液の溶媒のみの試料であるブランク試料の吸光度を測定し、
    前記データ処理・記憶部は、
    前記光路長測定用溶液の吸光度および前記光路長測定用溶液のブランク試料の吸光度の差分から、前記第二のセルの光路長を求めること、
    を特徴とする、請求項1に記載の分光光度計。
  3. 前記光検出器は、
    前記試料溶液の溶媒のみの試料であるブランク試料の吸光度を測定し、
    前記データ処理・記憶部は、
    前記試料溶液の吸光度および前記試料溶液のブランク試料の吸光度の差分から、前記試料の吸光度を求めること、
    を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の分光光度計。
  4. 前記第一のセルの光路長は、一般に公表されている値である公称値であること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の分光光度計。
  5. 前記光路長測定用溶液は、二クロム酸カリウム水溶液、二クロム酸カリウムの過塩素水溶液、無機塩類の水溶液および有機色素の水溶液から選ばれるいずれかであること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の分光光度計。
  6. 前記光検出器は、
    前記吸光度の測定において、複数波長において測定を行い、
    前記データ処理・記憶部は、
    前記複数波長における吸光度から、吸収スペクトルを求め、
    前記光路長補正係数を求め、当該光路長補正係数を用いて前記複数波長における波長ごとに、前記試料の吸光度を補正し、吸収スペクトルを補正すること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の分光光度計。
  7. 前記データ処理・記憶部は、
    補正後の前記試料の吸光度から透過率を求め、当該透過率から透過スペクトルを求めること、
    を特徴とする、請求項6に記載の分光光度計。
  8. 光源と、光源からの光を分光する分光器と、測定対象の試料を収容するセルと、前記試料を通過した光を検出する光検出器と、前記光検出器が検出したデータを処理および/または記憶するデータ処理・記憶部とを有する分光光度計の吸光光度測定法であって、
    前記分光光度計の光検出器は、
    前記セルの光路長が既知である第一のセルおよび前記セルの光路長が未知である第二のセルを用いて、前記セルの光路長を吸光度から算出するための溶液である光路長測定用溶液の吸光度および試料溶液の吸光度を測定し、
    前記データ処理・記憶部は、
    前記第一のセルにおける前記光路長測定用溶液の吸光度および前記第一のセルの光路長を用いて、前記第二のセルの光路長を求め、前記第一のセルの光路長の逆数から、前記第二のセルの光路長を補正するための係数である光路長補正係数を求め、
    前記光路長補正係数を用いて前記試料の吸光度を補正すること、
    を特徴とする、吸光光度測定法。
  9. 前記分光光度計の光検出器は、
    前記光路長測定用溶液の溶媒のみの試料であるブランク試料の吸光度を測定し、
    前記分光光度計のデータ処理・記憶部は、
    前記光路長測定用溶液の吸光度および前記光路長測定用溶液のブランク試料の吸光度の差分から、前記第二のセルの光路長を求めること、
    を特徴とする、請求項8に記載の吸光光度測定法。
  10. 前記分光光度計の光検出器は、
    前記試料溶液の溶媒のみの試料であるブランク試料の吸光度を測定し、
    前記分光光度計のデータ処理・記憶部は、
    前記試料溶液の吸光度および前記試料溶液のブランク試料の吸光度の差分から、前記試料の吸光度を求めること、
    を特徴とする、請求項8または請求項9に記載の吸光光度測定法。
  11. 前記第一のセルの光路長は、一般に公表されている値である公称値であること、
    を特徴とする、請求項8ないし請求項10のいずれか1項に記載の吸光光度測定法。
  12. 前記光路長測定用溶液は、二クロム酸カリウム水溶液、二クロム酸カリウムの過塩素水溶液、無機塩類の水溶液および有機色素の水溶液から選ばれるいずれかであること、
    を特徴とする、請求項8ないし請求項11のいずれか1項に記載の吸光光度測定法。
  13. 前記分光光度計の光検出器は、
    前記吸光度の測定において、複数波長において測定を行い、
    前記分光光度計のデータ処理・記憶部は、
    前記複数波長における吸光度から、吸収スペクトルを求め、
    前記光路長補正係数を求め、当該光路長補正係数を用いて前記複数波長における波長ごとに、前記試料の吸光度を補正し、吸収スペクトルを補正すること、
    を特徴とする、請求項8ないし請求項12のいずれか1項に記載の吸光光度測定法。
  14. 前記分光光度計のデータ処理・記憶部は、
    補正後の前記試料の吸光度から透過率を求め、当該透過率から透過スペクトルを求めること、
    を特徴とする、請求項13に記載の吸光光度測定法。
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