JP2013185470A - ロッカーアームクリップおよび動弁機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができるロッカーアームクリップまたは動弁機構を提供する。
【解決手段】ロッカーアームクリップ(70)は、第1壁部(71)と、第1壁部との間に所定距離を有して配置された第2壁部(72)と、第1壁部と第2壁部とを連結する第3壁部(73)と、を備え、第3壁部は穴(74)を有し、穴の大きさは、ロッカーアームクリップが動弁機構(5)に配備された場合にプランジャ(61)の先端部が挿入可能でありボディ(62)が挿入不能な大きさに設定され、第1壁部と第2壁部と間の所定距離は、穴にプランジャの先端部が挿入された場合にロッカーアーム(50)の長手方向に延びた外側壁(56)を第1壁部と第2壁部とによって挟持可能な大きさに設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロッカーアームクリップおよび動弁機構に関する。
従来、内燃機関の機関弁を駆動する動弁機構として、カムの動作をロッカーアームを介して機関弁に伝達するロッカーアーム式の動弁機構が知られている。例えば特許文献1には、プランジャとプランジャの先端部を露出させつつプランジャを移動可能に収容するボディとを有するラッシュアジャスタと、長手方向の一端側に内燃機関の機関弁に当接する第1当接部を有し、長手方向の他端側にプランジャに当接する第2当接部を有し、長手方向の第1当接部と第2当接部との間の部位にカムが当接するロッカーアームと、を備える動弁機構が開示されている。この動弁機構によれば、カムが回転した場合、ロッカーアームは第2当接部がプランジャに支持されることで第2当接部を支点として揺動する。ロッカーアームが揺動することで、ロッカーアームの第1当接部に当接した機関弁は駆動する。このようにしてロッカーアームは、カムの動作を機関弁に伝達している。
ところで、従来のロッカーアームはプランジャと機関弁とによって支持される構成を有するが、この構成だけでは、ロッカーアームが、ロッカーアームの長手方向に延びた外側壁(以下、ロッカーアームの外側壁と称する場合がある)に垂直な方向に傾斜するおそれがある。そこで、特許文献1には、このロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を抑制する部材として、ロッカーアームクリップが開示されている。
特許文献1に係るロッカーアームクリップは、U字状の挟持部と、U字状の挟持部に対して垂直に起立するとともに窓枠状の穴が形成された垂直壁部とを備えている。特許文献1に係るロッカーアームクリップは、U字状の挟持部がラッシュアジャスタのプランジャに設けられた溝に嵌め込まれる形でラッシュアジャスタに係合し、窓枠状の穴がロッカーアームの端部に設けられた突起部に嵌め込まれる形でロッカーアームに係合している。このように特許文献1に係るロッカーアームクリップはラッシュアジャスタとロッカーアームとに係合することで、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜の抑制を図っている。
特開2010−275920号公報
しかしながら、特許文献1に係るU字状の挟持部の剛性は高いとはいえない。このようなU字状の挟持部でプランジャに係合している特許文献1に係るロッカーアームクリップでは、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を十分抑制できるとはいえない。さらに特許文献1に係るロッカーアームクリップは、ロッカーアームの外側壁を支える構造がない点においても、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を十分に抑制しているとはいえない。
本発明は、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができるロッカーアームクリップまたは動弁機構を提供することを目的とする。
本発明に係るロッカーアームクリップは、プランジャと前記プランジャの先端部を露出させつつ前記プランジャを移動可能に収容したボディとを有するラッシュアジャスタと、長手方向の一端側に内燃機関の機関弁に当接する第1当接部を有し、前記長手方向の他端側に前記プランジャに当接する第2当接部を有し、前記長手方向の前記第1当接部と前記第2当接部との間の部位にカムが当接するロッカーアームと、を備える動弁機構に配備されて使用されるロッカーアームクリップであって、第1壁部と、前記第1壁部との間に所定距離を有して配置された第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第3壁部と、を備え、前記第3壁部は穴を有し、前記穴の大きさは、前記ロッカーアームクリップが前記動弁機構に配備された場合に前記プランジャの前記先端部が挿入可能であり前記ボディが挿入不能な大きさに設定され、前記第1壁部と前記第2壁部と間の前記所定距離は、前記穴に前記プランジャの前記先端部が挿入された場合に前記ロッカーアームの前記長手方向に延びた外側壁を前記第1壁部と前記第2壁部とによって挟持可能な大きさに設定されている。
本発明に係るロッカーアームクリップによれば、プランジャの先端部が第3壁部の穴に挿入される形でラッシュアジャスタに係合し、第1壁部と第2壁部とでロッカーアームの外側壁を挟持する形でロッカーアームに係合することで、動弁機構に配備することができる。ここで穴が形成された第3壁部は、穴の周囲全体に第3壁部が存在している点において、特許文献1に係るU字状の挟持部に比較して剛性が高い。したがって、このようなロッカーアームが動弁機構に配備された場合、高い剛性を有する第3壁部がプランジャの先端部に係合し、高い剛性を有する第3壁部によって支持された第1壁部と第2壁部とによってロッカーアームの外側壁を挟持できることから、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができる。
上記構成において、前記第3壁部の前記穴は円形状であり、前記穴の径は、前記プランジャの前記先端部が前記穴に挿入された場合に前記プランジャの前記先端部が前記穴に緩く嵌るように、前記プランジャの前記先端部の径より所定距離大きく設定されていてもよい。
特許文献1のようにU字状の挟持部がプランジャを挟持した場合、U字状の挟持部によってプランジャがプランジャの軸回りに回転することが拘束されてしまう。この場合、プランジャとロッカーアームとの当接部分が偏磨耗するおそれがある。これに対して、本構成に係るロッカーアームクリップによれば、第3壁部の穴の径は、プランジャの先端部が穴に挿入された場合にプランジャの先端部が穴に緩く嵌るように、プランジャの先端部の径より所定距離大きく設定されていることから、プランジャの回転は拘束されない。その結果、プランジャとロッカーアームとの当接部分に偏磨耗が生じることを抑制することができる。また、第3壁部の穴が円形状であることから、寸法精度の高い穴を容易に加工することができる。その結果、ロッカーアームクリップを容易に製造することができる。
上記構成において、前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部は、前記第1壁部の端部および前記第2壁部の端部を前記第3壁部が連結することでコ字状の断面形状を有していてもよい。この構成によれば、ロッカーアームクリップを容易に製造することができる。
上記構成において、前記第3壁部の少なくとも前記穴の周縁部の厚みは、前記第1壁部および前記第2壁部の厚みよりも厚く設定されていてもよい。この構成によれば、第3壁部の剛性をより向上させることができる。その結果、このようなロッカーアームクリップが動弁機構に配備された場合、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜をより効果的に抑制することができる。
本発明に係る動弁機構は、プランジャと前記プランジャの先端部を露出させつつ前記プランジャを移動可能に収容したボディとを有するラッシュアジャスタと、長手方向の一端側に内燃機関の機関弁に当接する第1当接部を有し、前記長手方向の他端側に前記プランジャに当接する第2当接部を有するロッカーアームと、開弁特性の互いに異なる第1カムおよび第2カムが配置されたカム軸を備えるとともに、前記ロッカーアームの前記長手方向の前記第1当接部と前記第2当接部との間の部位に前記第1カムが当接した状態と該部位に前記第2カムが当接した状態とを前記カム軸を前記カム軸の軸線方向に変位させることで切り替える可変動弁装置と、第1壁部と、第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第3壁部と、を有するロッカーアームクリップと、を備え、前記ロッカーアームは、前記ロッカーアームの前記長手方向に延びた外側壁に垂直な方向が前記カム軸の前記軸線方向と同じ方向になるように配置され、前記ロッカーアームクリップの前記第3壁部は、前記プランジャの前記先端部が挿入可能であり前記ボディが挿入不能な大きさの穴を有し、前記穴には前記プランジャの前記先端部が挿入されており、前記第1壁部および前記第2壁部は、前記ロッカーアームの前記外側壁を挟持している。
穴が形成された第3壁部は、穴の周囲全体に第3壁部が存在する点において、特許文献1に係るU字状の挟持部に比較して剛性が高い。したがって本発明に係る動弁機構によれば、高い剛性を有する第3壁部がプランジャの先端部に係合し、高い剛性を有する第3壁部によって支持された第1壁部と第2壁部とによって、ロッカーアームの外側壁を挟持していることから、ロッカーアームが外側壁に垂直な方向に傾斜することを効果的に抑制することができる。また可変動弁装置がロッカーアームに当接するカムの種類を切り替える際に、ロッカーアームがロッカーアームの外側壁に垂直な方向の力(カム軸の軸線方向の力)をカムから受けた場合であっても、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができる。
本発明によれば、ロッカーアームの外側壁に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができるロッカーアームクリップまたは動弁機構を提供することができる。
図1(a)は、実施例1に係るロッカーアームクリップが適用された動弁機構を示す模式図である。図1(b)は第1カムおよび第2カムを示す模式図である。図1(c)はアクチュエータを示す模式図である。 図2(a)はロッカーアームおよび機関弁を示す模式図である。図2(b)は、ロッカーアーム50を長手方向の他端側から見た模式的断面図である。図2(c)はラッシュアジャスタを示す模式図である。図2(d)はロッカーアームクリップを示す模式的斜視図である。 図3(a)は、ロッカーアーム、ラッシュアジャスタおよびロッカーアームクリップが組み合わされた状態を示す模式図である。図3(b)は、図3(a)のロッカーアーム、ラッシュアジャスタおよびロッカーアームクリップを、ロッカーアームの端部側から見た模式的断面図である。 図4(a)は比較例に係る動弁機構を示す模式図である。図4(b)は実施例1に係る動弁機構において、可変動弁装置が第1カムがロッカーアームに当接するようにカム軸をカム軸の軸線方向に変位させた状態を示す模式図である。 図5(a)は、実施例1の変形例1に係るロッカーアームクリップを示す模式的断面図である。図5(b)は、変形例1に係るロッカーアームクリップ、ロッカーアームおよびラッシュアジャスタが組み合わされた状態を示す模式的断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の実施例1に係るロッカーアームクリップ70およびこれが適用された動弁機構5について説明する。図1(a)は、ロッカーアームクリップ70が適用された動弁機構5を示す模式図である。図1(a)に示す動弁機構5は、内燃機関に配備されているものとする。動弁機構5は、可変動弁装置10と、ロッカーアーム50と、ラッシュアジャスタ60と、ロッカーアームクリップ70とを備えている。
可変動弁装置10は、機関弁のバルブタイミングを変更することができる動弁装置である。本実施例に係る可変動弁装置10は一例として、吸気弁のバルブタイミングを変更する。但し可変動弁装置10がバルブタイミングを変更する機関弁は吸気弁に限定されるものではない。可変動弁装置10は、吸気弁に代えて排気弁のバルブタイミングを変更してもよく、吸気弁および排気弁の両方のバルブタイミングを変更してもよい。
本実施例に係る可変動弁装置10は、開弁特性の互いに異なる複数種類のカムを備えている。本実施例においては、開弁特性の互いに異なるカムの種類は2種類である。具体的には可変動弁装置10は、開弁特性の互いに異なる第1カム20および第2カム21を備えている。また可変動弁装置10は、第1カム20および第2カム21が配置されたカム軸30と、カム軸30をカム軸30の軸線方向(図1においては横方向)に変位させる変位機構40とを備えている。なお、開弁特性の互いに異なるカムの種類は2種類に限定されるものではなく、3種類以上であってもよい。
ここで、本実施例に係る動弁機構5が配備されている内燃機関は複数の気筒を備えている。気筒の数は特に限定されるものではないが、本実施例においては2つである。内燃機関の2つの気筒を、それぞれ#1気筒および#2気筒と称する。この場合、各々の気筒には、機関弁として、2つの吸気弁(第1の吸気弁および第2の吸気弁)と2つの排気弁(第1の排気弁および第2の排気弁)とが配置されている。
その結果、本実施例に係る可変動弁装置10は、それぞれの気筒の各吸気弁に対応して、複数の第1カム20および第2カム21を備えている。具体的には可変動弁装置10は、#1気筒の第1の吸気弁用の第1カム20と、#1気筒の第2の吸気弁用の第1カム20と、#2気筒の第1の吸気弁用の第1カム20と、#2気筒の第2の吸気弁用の第1カム20とを備えている。また可変動弁装置10は、#1気筒の第1の吸気弁用の第2カム21と、#1気筒の第2の吸気弁用の第2カム21と、#2気筒の第1の吸気弁用の第2カム21と、#2気筒の第2の吸気弁用の第2カム21とを備えている。
図1(b)は、第1カム20および第2カム21を示す模式図である。具体的には図1(b)は、図1(a)のカム軸30を、カム軸30の#1気筒側の端部(図1(a)において左側の端部)側から視認した模式図となっている。第1カム20および第2カム21は、円弧形状部分であるカムヒール22と突出形状部分であるカムノーズ23とが滑らかに接続したカムプロフィールを有している。
第1カム20および第2カム21のカムプロフィールは、第1カム20と第2カム21との間で開弁特性が互いに異なるように設定されているのであれば、特に限定されるものではない。本実施例においては、一例として、第2カム21の方が第1カム20よりもカムノーズ23の突出量が大きく設定されている。それにより、第1カム20および第2カム21は、第2カム21の方が第1カム20よりも、カムが適用される機関弁のリフト量が大きくなるような開弁特性を有している。
また本実施例において、#1気筒に対応した2つの第1カム20は、互いに同じ開弁特性に設定されている。#1気筒に対応した2つの第2カム21の位相も互いに同じ開弁特性に設定されている。#2気筒に対応した2つの第1カム20も互いに同じ開弁特性に設定されており、#2気筒に対応した2つの第2カム21も互いに同じ開弁特性に設定されている。また、#1気筒の第1カム20と#2気筒の第1カム20との間では、開弁時期がずれている。同様に#1気筒の第2カム21と#2気筒の第2カム21との間でも開弁時期がずれている。但し、第1カム20および第2カム21の開弁特性は、これに限定されるものではない。
図1(a)に示すように、可変動弁装置10の変位機構40は、溝部41とアクチュエータ44とを備えている。溝部41はカム軸30に設けられている。溝部41は、第1溝42と第2溝43とを有している。図1(c)はアクチュエータ44を示す模式図である。アクチュエータ44は、第1ピン45および第2ピン46と、第1ピン45および第2ピン46を駆動する機構を備えた部分である本体部47とを備えている。アクチュエータ44は、CPU、ROM、RAM等を備える制御装置(図示せず)によって制御されることで、第1ピン45および第2ピン46のいずれか一方を溝部41に向けて突出させる。本体部47の第1ピン45および第2ピン46を駆動する機構の具体的構成は特に限定されるものではなく、一例としてソレノイド機構を用いることができる。
第1ピン45および第2ピン46は、本体部47から突出した場合、それぞれ第1溝42および第2溝43に挿入される。このように各々のピンが各々の溝に挿入されるように、アクチュエータ44と溝部41との位置は調整されている。第1ピン45が第1溝42に挿入された場合、カム軸30は、カム軸30の回転に伴って第1溝42が第1ピン45から受ける抗力を利用して、カム軸30の軸線方向に移動する。具体的には第1ピン45が第1溝42に挿入された場合、カム軸30はその軸線方向に移動して、第1カム20がロッカーアーム50に当接するようになる。このようにカム軸30が移動するように、第1溝42の形状は設定されている。
第2ピン46が第2溝43に挿入された場合、カム軸30は、カム軸30の回転に伴って第2溝43が第2ピン46から受ける抗力を利用してカム軸30の軸線方向に移動する。具体的には第2ピン46が第2溝43に挿入された場合、カム軸30はその軸線方向に移動して、第2カム21がロッカーアーム50に当接するようになる。このようにカム軸30が移動するように、第2溝43は設定されている。このようにカム軸30が軸線方向に移動し、その結果、ロッカーアーム50に当接するカムの種類が変更されることで、機関弁のバルブタイミングは変更される。
以上のように本実施例に係る変位機構40は、カム軸30の外周面に形成された第1溝42と第2溝43を有する溝部41と、第1溝42および第2溝43にそれぞれ挿脱される第1ピン45および第2ピン46を有するアクチュエータ44と、を備え、アクチュエータ44は、カム軸30の回転中において第1ピン45および第2ピン46のいずれか一方を溝部41に挿入させることで、カム軸30をその軸線方向に変位させる変位機構となっている。
但し、変位機構40の構成は、カム軸30をカム軸30の軸線方向に変位させることができる機構であれば、上記構成に限定されるものではなく、例えばカム切替式可変動弁装置に用いられる公知の変位機構または公知の変位機構を応用したものを用いることができる。変位機構40の他の構成の一例を挙げると、例えば溝部41は、2種類の溝(第1溝42および第2溝43)を備えるのではなく、1つの溝を備えていてもよい。この場合、アクチュエータ44は、この溝に挿入される1つのピンを備えている。この溝は、ピンが溝に挿入された状態でカム軸30が回転した場合に、カム軸30が左右に移動して第1カム20がロッカーアーム50に当接する状態と第2カム21がロッカーアーム50に当接する状態とを切り替えるようにカム軸30の周方向に形成されている。変位機構40がこのような構成であっても、可変動弁装置10は、ロッカーアーム50に当接するカムの種類を切り替えることができる。
図2(a)は、ロッカーアーム50および機関弁100を示す模式図である。なお図2(a)において、ロッカーアーム50は断面図示されている。機関弁100は、内燃機関のシリンダヘッドに形成された気体通過用の穴であるポートを開閉する傘部101と、傘部101を支持する軸部102とを備えている。なお、図2(a)に図示されている機関弁100の種類は、吸気弁および排気弁のいずれでもよい。本実施例においては、機関弁100は吸気弁である。
ロッカーアーム50は、アーム部51と、アーム部51に配置されたローラ軸52と、ローラ軸52に軸支されたローラ53とを備えている。アーム部51は、ロッカーアーム50の骨格を成す部材である。本実施例に係るアーム部51は、横方向に長い形状を有している。なお図2(a)において、アーム部51の長手方向が図示されている。アーム部51は、長手方向の一端側に第1当接部54を有し、長手方向の他端側に第2当接部55を有している。図2(b)は、ロッカーアーム50を長手方向の他端側から見た模式的断面図である。アーム部51は、長手方向に延びた一対の外側壁56を有している。第1当接部54および第2当接部55は、アーム部51の一対の外側壁56の間に位置している。
図2(a)を参照して、第1当接部54は、アーム部51の機関弁100に当接する部位である。本実施例に係る第1当接部54は、機関弁100の軸部102の端部に直接当接している。但し、第1当接部54の機関弁100への当接態様はこれに限定されるものではなく、第1当接部54は、機関弁100の軸部102の端部に他の部材を介して間接的に当接してもよい。第2当接部55は、アーム部51のラッシュアジャスタ60に当接する部位である。具体的には第2当接部55は、ラッシュアジャスタ60の後述するプランジャ61に当接する。本実施例においては第2当接部55はプランジャ61に直接当接するが、これに限定されるものではなく、他の部材を介してプランジャ61に間接的に当接してもよい。
第1当接部54および第2当接部55の形状は、特に限定されるものではない。本実施例に係る第1当接部54は、一例として、機関弁100に向けて半球状に突出した半球凸面形状を有している。また第2当接部55は、一例として、プランジャ61の形状に沿う形状を有している。具体的には第2当接部55は、半球状に凹んだ半球凹面形状を有している。
ローラ軸52は、ローラ53を軸支する軸である。ローラ53はローラ軸52によって軸支されることで、ローラ軸52の回りを回転する。ローラ53には、可変動弁装置10のカム(第1カム20または第2カム21)が当接する。すなわち、本実施例に係るロッカーアーム50は、長手方向の一端側に内燃機関の機関弁100に当接する第1当接部54を有し、長手方向の他端側にプランジャ61に当接する第2当接部55を有し、長手方向の第1当接部54と第2当接部55との間の部位にカムが当接する部位(ローラ53)を有するロッカーアームとなっている。なお、図1(a)に示すように、ロッカーアーム50は、外側壁56に垂直な方向(これはローラ軸52の軸線方向でもある)が可変動弁装置10のカム軸30の軸線方向と同じ方向になるように内燃機関に配置されている。
図2(c)はラッシュアジャスタ60を示す模式図である。ラッシュアジャスタ60は、プランジャ61と、プランジャ61の先端部を露出させつつプランジャ61をその軸線の方向に移動可能に収容するボディ62とを備えている。プランジャ61の形状は特に限定されるものではないが、本実施例においては、プランジャ61の先端部は、外形が円柱形状を有する円柱部63と、外形が半球凸面形状を有する球部64とによって構成されている。プランジャ61の球部64は、ロッカーアーム50の第2当接部55に当接する。ボディ62の形状は特に限定されるものではないが、本実施例においては円柱形状である。内燃機関(具体的にはシリンダヘッド)にはボディ62が嵌合するための穴が設けられており、ボディ62は、この内燃機関の穴に嵌合することで、内燃機関によって支持される。
本実施例に係るラッシュアジャスタ60は、油圧によって駆動するハイドロラッシュアジャスタである。ラッシュアジャスタ60のプランジャ61はボディ62内部の油圧によってボディ62から突出するように付勢されている。ボディ62が内燃機関によって支持され、プランジャ61がロッカーアーム50の第2当接部55を支持することで、ラッシュアジャスタ60は機関弁100のバルブクリアランスを調整している。なおハイドロラッシュアジャスタの具体的な動作メカニズムは、公知のハイドロラッシュアジャスタと同様のため、これ以上詳細は説明は省略する。また、ラッシュアジャスタ60は、ロッカーアーム50に適用でき且つ機関弁100のバルブクリアランスの調整ができるものであれば、上述した構成に限定されるものではない。
図2(d)はロッカーアームクリップ70を示す模式的斜視図である。ロッカーアームクリップ70は、第1壁部71と、第1壁部71との間に所定距離を有して配置された第2壁部72と、第1壁部71と第2壁部72とを連結する第3壁部73とを有している。第3壁部73は、穴74を有している。穴74は、第3壁部73を貫通するように形成されている。穴74の形成位置は、穴74の周囲に第3壁部73が存在するような位置であれば特に限定されるものではないが、本実施例においては、一例として第3壁部73の中央に形成されている。
穴74の大きさは、プランジャ61の先端部が挿入可能であり且つボディ62が挿入不能な大きさに設定されている。具体的には本実施例において穴74の径は、プランジャ61の先端部の径(球部64および円柱部63の径)以上の値、且つボディ62の径より小さい値に設定されている。
穴74の形状は特に限定されるものではなく、円形状(真円形状および楕円形状を含む)、矩形形状等、種々の形状を用いることができる。本実施例においては、穴74の形状の一例として円形状を用いる。より具体的には穴74の形状として、真円形状を用いる。穴74の形状として円形状を用いることにより、穴74の形状として例えば矩形形状を用いる場合よりも、寸法精度の高い穴74を容易に加工することができる。それにより、ロッカーアームクリップ70を容易に製造することができる。また穴74の形状として真円形状を用いることで、穴74の形状として例えば楕円形状を用いる場合に比較して、寸法精度の高い穴74をさらに容易に加工することができる。それによりロッカーアームクリップ70をさらに容易に製造することができる。
また本実施例に係る穴74の径は、プランジャ61の先端部が穴74に緩く嵌るように、プランジャ61の先端部の径より所定距離大きく設定されている。具体的には本実施例において、プランジャ61の先端部のうち円柱部63は、球部64より大きな径に設定されている。そのため、穴74の径は、円柱部63が穴74に緩く嵌るように円柱部63の径より所定距離大きく設定されている。所定距離の具体的数値は特に限定されるものではなく、例えば穴と軸との嵌めあい状態を規定したJIS規格に規定されている緩みばめの規格を参考にして適宜設定すればよい。
また本実施例に係る第1壁部71、第2壁部72および第3壁部73は、第1壁部71の端部および第2壁部72の端部を第3壁部73の端部が連結することで、コ字状の断面形状を有している。図2(d)に示すように、本実施例においては、第1壁部71の壁面と第2壁部72の壁面とは互いに平行である。また第1壁部71の壁面および第2壁部72の壁面は、第3壁部73の壁面に対して垂直になっている。
また第1壁部71と第2壁部72との間の距離(所定距離)は、穴74にプランジャ61の先端部が挿入された場合にロッカーアーム50の外側壁56を第1壁部71と第2壁部72とによって挟持可能な大きさに設定されている。図2(d)の形状の場合、第1壁部71と第2壁部72との間の距離は、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の長さ(すなわち図2(b)におけるアーム部51の横方向の長さ)と等しいか、この長さよりも若干小さく設定されていることが好ましい。この場合、穴74にプランジャ61の先端部が挿入された場合において、ロッカーアーム50の外側壁56を第1壁部71と第2壁部72とによって確実に挟持することができる。
なお、ロッカーアーム50の形状は、第1壁部71および第2壁部72によってロッカーアーム50の外側壁56を挟持可能であれば、図2(d)の形状に限定されるものではない。例えばロッカーアーム50は、第1壁部71および第2壁部72によってロッカーアーム50の外側壁56を挟持可能であれば、第1壁部71および第2壁部72の壁面と第3壁部73の壁面とのなす角度が90°より小さいまたは90°より大きく設定されていてもよく、第1壁部71の壁面と第2壁部72の壁面とが互いに平行でなくてもよい。
ロッカーアームクリップ70の製造方法は、特に限定されるものはない。例えばロッカーアームクリップ70は、第1壁部71、第2壁部72および第3壁部73に対応する板部材をそれぞれ接合することによって製造することができる。またロッカーアームクリップ70は、一枚の板部材をプレス等によってコ字状に成型することによっても製造することができる。本実施例においては、ロッカーアームクリップ70は、一枚の板部材から成型されている。具体的には、ロッカーアームクリップ70は、一枚の板部材をプレス加工することで、一枚の板部材をコ字状の断面形状を有する中間体に成型し、この中間体の第3壁部73に相当する部分に穴74を形成することによって、製造されている。この製造方法によれば、ロッカーアームクリップ70を容易に製造することができる。なお穴74の形成は、中間体の成型後に限定されるものではない。穴74の形成は、中間体の成型前に行ってもよく、中間体の成型と同時(プレス加工時)に行ってもよい。
また本実施例に係る第3壁部73は、少なくとも穴74の周縁部の厚みが、第1壁部71の厚み(t)および第2壁部72の厚み(t)よりも厚く設定されている。具体的には、本実施例に係る第3壁部73の全体の厚み(t)は一様であり、また第1壁部71の厚みは第2壁部72の厚みと同じである。そして、第3壁部73の全体の厚みが第1壁部71の厚みおよび第2壁部72の厚みよりも厚く設定されている。なお、第1壁部71の厚みは第2壁部72の厚みと同じである必要はなく、異なる厚みであってもよい。但し、第1壁部71の厚みと第2壁部72の厚みとが同じである場合の方が、異なる場合に比較してロッカーアームクリップ70の製造を容易にできる点で好ましい。
なお、本実施例のように、第3壁部73の全体の厚みが第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定されたロッカーアームクリップ70をプレス加工によって一体成型する場合、一枚の板部材(プレス加工前)の将来第1壁部71および第2壁部72になる部分をプレス加工で減厚してから、プレス加工でコ字状の断面形状を有する中間体を成型する手法を用いることが好ましい。この場合、切削加工等によって第1壁部71および第2壁部72の厚みを薄くすることで第3壁部73の厚みを第1壁部71および第2壁部72の厚みより厚くする場合に比較して、ロッカーアームクリップ70の製造時間を短縮することができ、その結果、製造コストを低減させることができる。
図3(a)は、ロッカーアーム50、ラッシュアジャスタ60およびロッカーアームクリップ70が組み合わされた状態を示す模式図である。図3(b)は、図3(a)のロッカーアーム50、ラッシュアジャスタ60およびロッカーアームクリップ70を、ロッカーアーム50の端部側から見た模式的断面図である。図3(a)に示すようにロッカーアーム50の第1当接部54は、機関弁100の軸部102の傘部101とは反対側の端部に当接している。図3(a)および図3(b)に示すように、ラッシュアジャスタ60のプランジャ61の先端部は、ロッカーアームクリップ70の穴74に挿入されている。ロッカーアームクリップ70は、第3壁部73がラッシュアジャスタ60のボディ62の先端部の上面に配置される形で、ラッシュアジャスタ60によって支持されている。プランジャ61の先端部は、ロッカーアーム50の第2当接部55に当接している。ロッカーアームクリップ70の第1壁部71および第2壁部72は、ロッカーアーム50の外側壁56を挟持している。
このように本実施例に係るロッカーアームクリップ70が動弁機構5に配備された場合、ロッカーアームクリップ70は、プランジャ61の先端部が第3壁部73の穴74に挿入される形でラッシュアジャスタ60に係合し、第1壁部71と第2壁部72とでロッカーアーム50の外側壁56を挟持することでロッカーアーム50に係合する。
続いて本実施例に係るロッカーアームクリップ70および動弁機構5の作用効果を、比較例に係る動弁機構200と比較しつつ説明する。図4(a)は、比較例に係る動弁機構200を示す模式図である。具体的には図4(a)は、動弁機構200の可変動弁装置10が第1カム20がロッカーアーム50に当接するようにカム軸30をカム軸30の軸線方向に変位させた状態を図示している。図4(b)は本実施例に係る動弁機構5において、可変動弁装置10が第1カム20がロッカーアーム50に当接するようにカム軸30をカム軸30の軸線方向に変位させた状態を示す模式図である。
図4(a)を参照して、比較例に係る動弁機構200は、本実施例に係るロッカーアームクリップ70に代えて、ロッカーアームクリップ210を備えている点において、本実施例に係る動弁機構5と異なっている。比較例に係るロッカーアームクリップ210は、特許文献1に係るロッカーアームクリップと同様の構成を有している。具体的にはロッカーアームクリップ210は、本実施例に係る第1壁部71、第2壁部72および第3壁部73を備える代わりに、U字状挟持部211を備えている。またロッカーアームクリップ210は、U字状挟持部211に対して垂直に起立するとともに窓枠状の穴が形成された垂直壁部(図示せず)を備えている。
ロッカーアームクリップ210は、U字状挟持部211がラッシュアジャスタ60の円柱部63に形成された溝に嵌る形でラッシュアジャスタ60に係合している。またロッカーアームクリップ210は、窓枠状の穴がロッカーアーム50の端部に設けられた突起部に嵌め込まれる形でロッカーアームに係合している。
比較例に係るロッカーアームクリップ210において、U字状挟持部211はU字状の切り欠き部が形成された構成を有していることから、U字状挟持部211の剛性は高いとはいえない。このような剛性が高いとはいえないU字状挟持部211でプランジャ61に係合している比較例に係るロッカーアームクリップ210では、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜(すなわちロッカーアーム50の倒れ)を十分抑制できるとはいえない。さらにロッカーアームクリップ210は、ロッカーアーム50の外側壁56を支える構造がない点においても、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜を十分に抑制できるとはいえない。したがって比較例に係るロッカーアームクリップ210では、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制できるとはいえない。
特に可変動弁装置10がロッカーアーム50に当接するカムの種類を切り替える際に、ロッカーアーム50はロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の力(カム軸30の軸線方向の力)をカムから受けるが、このような場合に、比較例に係るロッカーアームクリップ210では、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜を抑制することが困難なため、図4(a)に示すように、ロッカーアーム50は傾斜してしまっている。
これに対して本実施例に係るロッカーアームクリップ70および動弁機構5によれば、穴74が形成された第3壁部73は、穴74の周囲全体に第3壁部73が存在している点において、比較例に係るU字状挟持部211に比較して剛性が高い。したがってロッカーアームクリップ70は、動弁機構5に配備された場合に、高い剛性を有する第3壁部73がプランジャ61の先端部に係合し、高い剛性を有する第3壁部73によって支持された第1壁部71と第2壁部72とによってロッカーアーム50の外側壁56を挟持できることから、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができる。また第3壁部73の剛性が高いことから、第3壁部73の厚みを薄くすることもできる。その結果、ロッカーアームクリップ70をコンパクトにすることもできる。
また図4(b)に示すように、本実施例に係るロッカーアームクリップ70および動弁機構5によれば、可変動弁装置10がロッカーアーム50に当接するカムの種類を切り替える際に、ロッカーアーム50が外側壁56に垂直な方向の力(カム軸30の軸線方向の力)をカムから受けた場合であっても、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制している。
なお、本実施例に係るロッカーアームクリップ70において、ロッカーアーム50の外側壁56を挟持している第1壁部71および第2壁部72には、穴が形成されていないが、この構成に限定されるものではない。例えば第1壁部71および第2壁部72にも穴が形成されており、この穴に係合するような突起部がロッカーアーム50の外側壁56に形成されていてもよい。しかしながら、本実施例のように第1壁部71および第2壁部72に穴が形成されていない方が、穴が形成されている場合に比較して第1壁部71および第2壁部72の剛性を高くすることができる。この点においても、本実施例に係るロッカーアームクリップ70は、垂直壁部に設けられた窓枠状の穴がロッカーアーム50の端部に設けられた突起部に嵌め込まれる形でロッカーアームに係合する比較例に係るロッカーアームクリップ210に比較して、高い剛性を有しているといえる。
また、本実施例に係る第1壁部71と第2壁部72との間の距離(所定距離)はロッカーアーム50の外側壁56を挟持可能な大きさに設定されているが、この所定距離を実現するための加工は、比較例に係るロッカーアームクリップ210が有する垂直壁部の窓枠状の穴の加工に比較して容易である。この点においても本実施例に係るロッカーアームクリップ70および動弁機構5の製造は、比較例に係るロッカーアームクリップ210および動弁機構200に比較して容易といえる。
また、比較例に係るロッカーアームクリップ210のようにU字状挟持部211がプランジャ61を挟持した場合、U字状挟持部211によってプランジャ61がプランジャ61の軸回り回転することが拘束されてしまう。この場合、プランジャ61とロッカーアーム50との当接部分が偏磨耗するおそれがある。またU字状挟持部211がプランジャ61の軸方向の移動も拘束してしまうおそれがある点においても、プランジャ61とロッカーアーム50との当接部分が偏磨耗するおそれが高い。これに対して、本実施例に係るロッカーアームクリップ70によれば、第3壁部73の穴74の径は、プランジャ61の先端部が穴74に挿入された場合にプランジャ61の先端部が穴74に緩く嵌るように設定されていることから、プランジャ61の回転は拘束されない。さらにプランジャ61の軸方向の移動も拘束されない。その結果、プランジャ61とロッカーアーム50との当接部分に偏磨耗が生じることを効果的に抑制することができる。また、第3壁部73の穴74が円形状であることから、寸法精度の高い穴を容易に加工することができる。その結果、ロッカーアームクリップ70を容易に製造することができる。
またロッカーアームクリップ70において、第1壁部71、第2壁部72および第3壁部73は、第1壁部71の端部および第2壁部72の端部を第3壁部73が連結することでコ字状の断面形状を有していることから、ロッカーアームクリップ70を容易に製造することができる。
またロッカーアームクリップ70において、第3壁部73の少なくとも穴74の周縁部の厚みは、第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定されている。具体的には本実施例においては、第3壁部73の全体の厚みが第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定されている。この構成によれば、第3壁部73の少なくとも穴74の周縁部の厚みが第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定されていない場合に比較して、第3壁部73の剛性をより向上させることができる。その結果、このような剛性の高い第3壁部73を有するロッカーアームクリップ70が動弁機構5に配備されることで、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜をより効果的に抑制することができる。
(変形例1)
なお、第3壁部73の少なくとも穴74の周縁部の厚みを第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定するにあたり、第3壁部73の穴74の周縁部の厚みのみを第1壁部71および第2壁部72よりも厚く設定してもよい。図5(a)は、実施例1の変形例1に係るロッカーアームクリップ70aを示す模式的断面図である。図5(b)は、ロッカーアームクリップ70a、ロッカーアーム50およびラッシュアジャスタ60が組み合わされた状態を示す模式的断面図である。なお図5(b)の視認方向は、図3(b)の場合と同じ方向である。
図5(a)に示すように、ロッカーアームクリップ70aは、第3壁部73に代えて第3壁部73aを備えている点において、実施例1に係るロッカーアームクリップ70と異なっている。第3壁部73aは、穴74の周縁部に肉厚部75を備えている点と、肉厚部75以外の部分の厚み(t)が第1壁部71の厚み(t)および第2壁部72の厚み(t)よりも厚く設定されていない点とにおいて、実施例1に係る第3壁部73と異なっている。
第3壁部73の肉厚部75の厚み(t+△t)は、第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定されている。それにより、ロッカーアームクリップ70aは、第3壁部73aの穴74の周縁部の厚みのみが第1壁部71および第2壁部72よりも厚く設定されている。なお本変形例において、第3壁部73aの肉厚部75以外の部分の厚み(t)は、第1壁部71の厚み(t)および第2壁部72の厚み(t)と同じに設定されている。
図5(b)に示すように、ロッカーアームクリップ70aが動弁機構5に配備された場合、ロッカーアームクリップ70aの第3壁部73aの肉厚部75がボディ62の先端部の上面に配置される形で、ロッカーアームクリップ70aはラッシュアジャスタ60によって支持される。なお、肉厚部75の外径は、特に限定されるものではないが、本実施例においては、ラッシュアジャスタ60のボディ62の外径と同じに設定されている。
本変形例に係るロッカーアームクリップ70aにおいても、第3壁部73aの穴74の周縁部の厚みが第1壁部71および第2壁部72の厚みよりも厚く設定されていることから、第3壁部73aの剛性を向上させることができる。その結果、このようなロッカーアームクリップ70aが動弁機構5に配備されることで、ロッカーアーム50の外側壁56に垂直な方向の傾斜を効果的に抑制することができる。
なお肉厚部75の形成手法は、特に限定されるものではない。肉厚部75の形成手法の一例として、バーリング加工を用いることができる。この場合、ロッカーアームクリップ70aの穴74をプレス加工で開ける際に、穴74の回りにバーリング加工(立ち上がり加工と称される場合もある)をすることで、ロッカーアームクリップ70aを容易に製造することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
5 動弁機構
10 可変動弁装置
20 第1カム
21 第2カム
30 カム軸
50 ロッカーアーム
51 アーム部
54 第1当接部
55 第2当接部
60 ラッシュアジャスタ
61 プランジャ
62 ボディ
70 ロッカーアームクリップ
71 第1壁部
72 第2壁部
73 第3壁部
74 穴
75 肉厚部
100 機関弁

Claims (5)

  1. プランジャと前記プランジャの先端部を露出させつつ前記プランジャを移動可能に収容したボディとを有するラッシュアジャスタと、長手方向の一端側に内燃機関の機関弁に当接する第1当接部を有し、前記長手方向の他端側に前記プランジャに当接する第2当接部を有し、前記長手方向の前記第1当接部と前記第2当接部との間の部位にカムが当接するロッカーアームと、を備える動弁機構に配備されて使用されるロッカーアームクリップであって、
    第1壁部と、前記第1壁部との間に所定距離を有して配置された第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第3壁部と、を備え、
    前記第3壁部は穴を有し、前記穴の大きさは、前記ロッカーアームクリップが前記動弁機構に配備された場合に前記プランジャの前記先端部が挿入可能であり前記ボディが挿入不能な大きさに設定され、
    前記第1壁部と前記第2壁部と間の前記所定距離は、前記穴に前記プランジャの前記先端部が挿入された場合に前記ロッカーアームの前記長手方向に延びた外側壁を前記第1壁部と前記第2壁部とによって挟持可能な大きさに設定されているロッカーアームクリップ。
  2. 前記第3壁部の前記穴は円形状であり、
    前記穴の径は、前記プランジャの前記先端部が前記穴に挿入された場合に前記プランジャの前記先端部が前記穴に緩く嵌るように、前記プランジャの前記先端部の径より所定距離大きく設定されている請求項1記載のロッカーアームクリップ。
  3. 前記第1壁部、前記第2壁部および前記第3壁部は、前記第1壁部の端部および前記第2壁部の端部を前記第3壁部が連結することでコ字状の断面形状を有している請求項1または2に記載のロッカーアームクリップ。
  4. 前記第3壁部の少なくとも前記穴の周縁部の厚みは、前記第1壁部および前記第2壁部の厚みよりも厚く設定されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のロッカーアームクリップ。
  5. プランジャと前記プランジャの先端部を露出させつつ前記プランジャを移動可能に収容したボディとを有するラッシュアジャスタと、
    長手方向の一端側に内燃機関の機関弁に当接する第1当接部を有し、前記長手方向の他端側に前記プランジャに当接する第2当接部を有するロッカーアームと、
    開弁特性の互いに異なる第1カムおよび第2カムが配置されたカム軸を備えるとともに、前記ロッカーアームの前記長手方向の前記第1当接部と前記第2当接部との間の部位に前記第1カムが当接した状態と該部位に前記第2カムが当接した状態とを前記カム軸を前記カム軸の軸線方向に変位させることで切り替える可変動弁装置と、
    第1壁部と、第2壁部と、前記第1壁部と前記第2壁部とを連結する第3壁部と、を有するロッカーアームクリップと、を備え、
    前記ロッカーアームは、前記ロッカーアームの前記長手方向に延びた外側壁に垂直な方向が前記カム軸の前記軸線方向と同じ方向になるように配置され、
    前記ロッカーアームクリップの前記第3壁部は、前記プランジャの前記先端部が挿入可能であり前記ボディが挿入不能な大きさの穴を有し、前記穴には前記プランジャの前記先端部が挿入されており、前記第1壁部および前記第2壁部は、前記ロッカーアームの前記外側壁を挟持している動弁機構。
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