JP2013185058A - ゴム組成物、及び、前記ゴム組成物を有するタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができるゴム組成物、及び、前記ゴム組成物を有するタイヤを提供する。
【解決手段】本発明のゴム組成物は、ゴム成分を含み、前記ゴム成分が、合成ポリイソプレン又はイソプレン共重合体であって、ゲル分率が20%以下である重合体を少なくとも含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、及び、前記ゴム組成物を有するタイヤに関し、特に、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができるゴム組成物、及び、前記ゴム組成物を有するタイヤに関する。
近年、省エネルギー、省資源の社会的要請のもと、タイヤの高い耐久性が要求されている。斯かる要求に伴い、耐破壊特性及び耐摩耗性の優れたゴム材料も多く望まれるようになってきた。また、天然ゴムの値段が高騰しており、天然ゴムと同等の耐久性を有する合成ゴムの開発が必要とされている。
そこで、従来より、耐久性を向上させるために、合成ポリイソプレンの高シス化による伸長結晶性の改良が行われてきた(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、従来の合成ポリイソプレンを用いて得られた架橋ゴム組成物の耐久性が十分でないという問題がある。
特表2006−503935号公報 特開昭53−90391号公報
そこで、本発明の目的は、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができるゴム組成物、及び、前記ゴム組成物を有するタイヤを提供することにある。
従来の合成ポリイソプレンから得られた架橋ゴム組成物の耐久性が十分でないのは、高次元に高分子量化したゲルが従来の合成ポリイソプレンに含まれることによるものと本発明者らは考えた。
本発明者らは、ゴム組成物が、ゴム成分を含み、前記ゴム成分が、合成ポリイソプレン又はイソプレン共重合体であって、ゲル分率が20%以下である重合体を少なくとも含むことにより、従来の合成ゴムよりも耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、合成ポリイソプレンのゲル量を低減させる検討がなされているが(例えば、米国特許第5919876号明細書参照)、ゲル量が低減した合成ポリイソプレンを含むゴム組成物については、未だ検討されていないのが現状である。
即ち、本発明のゴム組成物は、ゴム組成物が、ゴム成分を含み、前記ゴム成分が、合成ポリイソプレン又はイソプレン共重合体であって、ゲル分率が20%以下である重合体を少なくとも含むことを特徴とする。
前記ゴム組成物は、ゴム成分を含み、前記ゴム成分が、合成ポリイソプレン又はイソプレン共重合体であって、ゲル分率が20%以下である重合体を少なくとも含むと、伸長結晶性が増加し、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができる。
なお、「重合体を少なくとも含む」とは、前記合成ポリイソプレン及び前記イソプレン共重合体の少なくともいずれかを含むことを意味する。
本明細書において、「合成ポリイソプレン」とは、イソプレンを単量体(モノマー)として重合(合成)されたイソプレンの単独重合体(ホモポリマー)を意味する。また、本明細書において、「イソプレン共重合体」とは、イソプレン及びイソプレン以外の化合物を単量体(モノマー)として重合(合成)されたイソプレンとイソプレン以外の化合物との共重合体(コポリマー)を意味する。「合成ポリイソプレン」及び「イソプレン共重合体」のいずれも、重合体の高分子鎖の一部を変性したものも含む。
なお、本明細書において、ゲル分率(単位:%)とは、重合体のTHF溶液をGPCの0.45μm孔のフィルターに通した濾液を標準サンプル(ゲル分率=0%)とし、示差屈折率(RI)Ss(単位:m秒)を測定し、横軸をTHF(テトラヒドロフラン)溶液における重合体の濃度(単位:mg/g)、縦軸を示差屈折率(RI)Ss(単位:m秒)として作成した検量線を用いて求めることができる値を意味する。すなわち、(i)ゲル分率を求める重合体のTHF溶液を上記フィルターに通して、示差屈折率(RI)Sx(単位:m秒)を測定し、(ii)かかるTHF溶液における重合体の濃度(単位:mg/g)の標準サンプル(ゲル分率=0%)の示差屈折率(RI)Ss(単位:m秒)を予め作成した検量線を用いて算出し、(iii)測定したSx及び算出したSsを下記式(X)に代入することによってゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)={(Ss−Sx)/Ss}×100・・・(X)
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分中における前記重合体の合計配合量が15質量%〜100質量%であることが好ましい。
前記ゴム成分中における前記重合体の合計配合量が15質量%〜100質量%であると、重合体の特性を十分に発揮することができる。
本発明のゴム組成物は、前記重合体のイソプレン由来部分の3,4−ビニル結合量が5%以下であることが好ましい。
前記重合体のイソプレン由来部分の3,4−ビニル結合量が5%以下であると、重合体の配向性が増すことで伸長結晶性を向上することができる。
なお、本明細書において、「3,4−ビニル結合量」とは、前記重合体のイソプレン部分全体に対する3,4−ビニル構造が占める割合を意味する。
本明細書における、「シス−1,4結合量」、「トランス−1,4結合量」、「1,2−ビニル結合量」についても、同様である。
本発明のゴム組成物は、前記重合体中における触媒の残渣量が300ppm以下であることが好ましい。
前記重合体中における触媒の残渣量が300ppm以下であると、ゴム組成物の加硫時に網目構造をより確実に形成することができる。
本発明のゴム組成物は、前記重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が150万以上であることが好ましい。
前記重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が150万以上であると、ゴム組成物に混合したときに、十分な伸長結晶性を発現でき、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)がより向上した架橋ゴム組成物を得ることができる。
本発明のゴム組成物は、前記重合体中における窒素含有量が0.02質量%未満であることが好ましい。
前記重合体中における窒素含有量が0.02質量%未満であると、ゲルの生成をより確実に抑制することができる。
本発明のゴム組成物は、充填剤をさらに含み、前記充填剤の配合量が前記ゴム成分100質量部に対して10質量部〜75質量部であることが好ましい。
前記充填剤の配合量が前記ゴム成分100質量部に対して10質量部〜75質量部であると、前記充填剤を入れる効果が得られ、且つ、前記ゴム成分に前記充填剤を確実に混ぜ込むことができる。
前記充填剤の配合量が前記ゴム成分100質量部に対して75質量部超であると、作業性が悪化することがある。
架橋ゴム組成物は、本発明のゴム組成物を架橋して得られたことを特徴とする。
前記架橋ゴム組成物が、前記ゴム組成物を架橋して得られたものであると、架橋ゴム組成物の耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)を向上させることができる。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を有することを特徴とする。
前記タイヤが、前記ゴム組成物を有するものであると、タイヤの耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)を向上させることができる。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を有するトレッド部材を備えることを特徴とする。
前記タイヤが、前記ゴム組成物を有するトレッド部材を備えるものであると、トレッド部材の耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)を向上させることができる。
本発明によれば、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができるゴム組成物、及び、前記ゴム組成物を有するタイヤを提供することができる。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、少なくとも、ゴム成分を含み、さらに必要に応じて、充填剤、架橋剤、その他の成分を含む。
<ゴム成分>
前記ゴム成分は、少なくとも、重合体を含み、さらに必要に応じて、その他のゴム成分を含む。
<<重合体>>
前記重合体は、合成ポリイソプレン又はイソプレン共重合体である。
前記重合体中におけるゲル分率としては、20%以下である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10%以下が好ましく、5%以下より好ましい。
前記重合体中におけるゲル分率が20%以下であると、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができる。
なお、重合体中におけるゲル分率が20%以下の重合体は、例えば、後述する第一、第二、若しくは、第三の重合触媒組成物を用いて、低温(−50℃〜100℃)で、所定時間(30分間〜2日間)重合することによって、得ることができる。
前記重合体中における触媒の残渣量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300ppm(重量比)以下が好ましく、200ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましい。
前記重合体中における触媒の残渣量が300ppm以下であると、前記重合体が含まれるゴム組成物の加硫時に網目構造の形成が阻害されるのを防止すると共に、伸長結晶性及び耐久性が低下するのを防止することができる。
前記重合体中における触媒の残渣量が、前記より好ましい範囲内であると、有効な架橋網目を形成する点で有利である。
前記触媒の残渣量は、例えば、元素分析を用いて重合体中の残存金属(例えば、アルミニウム、ガドリニウム)を元素分析することにより測定することができる。
前記触媒については、前記重合体の製造方法を説明する際に、詳述する。
前記重合体の数平均分子量(Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、150万以上が好ましく、150万〜200万がより好ましく、150万〜180万が特に好ましい。前記数平均分子量(Mn)が、150万以上であると、十分耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができる。一方、前記数平均分子量(Mn)が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、耐久性と加工性の両立の点で有利である。
ここで、前記数平均分子量(Mn)は、測定温度を140℃とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質としたポリスチレン換算平均分子量として求める。
なお、数平均分子量(Mn)が150万以上の重合体は、例えば、後述する第一、第二、若しくは、第三の重合触媒組成物を用いて、低温(−50℃〜100℃)で、所定時間(30分間〜2日間)重合することによって、得ることができる。
また、前記重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。前記分子量分布(Mw/Mn)が4.0以下であると、物性を均質にすることができる。一方、前記より好ましい範囲内であると、低発熱性の点で有利である。ここで、分子量分布(Mw/Mn)は、測定温度を140℃とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレンを標準物質としたポリスチレン換算平均分子量として、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とを求め、求めた重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)から算出する。
前記重合体中における窒素含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.02質量%未満が好ましく、0質量%であることがより好ましい。
前記重合体中における窒素含有量が0.02質量%未満であれば、前記重合体中における蛋白質由来の窒素含有量も0.02質量%未満となるので、蛋白質に起因するゲルの発生を抑制することができ、もってゲル分率を低減することができる。
なお、前記窒素含有量は、例えば、元素分析することにより測定することができる。
<<<合成ポリイソプレン>>>
−シス−1,4結合量−
前記合成ポリイソプレンのシス−1,4結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上が特に好ましい。
前記シス−1,4結合量が、90%以上であると、十分な伸長結晶性を発現することができる。
一方、前記シス−1,4結合量が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、伸長結晶性による耐久性の向上の点で有利である。
−トランス−1,4結合量−
前記合成ポリイソプレンのトランス−1,4結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
前記トランス−1,4結合量が、10%以下であると、十分な伸長結晶性を発現できる。
一方、前記トランス−1,4結合量が、前記より好ましい範囲内であると、伸長結晶性による耐久性の向上の点で有利である。
−3,4−ビニル結合量−
前記合成ポリイソプレンの3,4−ビニル結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。
前記3,4−ビニル結合量が、5%以下であると、十分な伸長結晶性を発現できる。
一方、前記3,4−ビニル結合量が、前記より好ましい範囲内であると、伸長結晶性による耐久性の向上の点で有利である。
−合成ポリイソプレンの製造方法−
次に、前記合成ポリイソプレンを製造することができる製造方法を詳細に説明する。但し、以下に詳述する製造方法は、あくまで例示に過ぎない。前記合成ポリイソプレンは、重合触媒組成物の存在下、単量体としてのイソプレンを重合させることにより製造することができる。
前記合成ポリイソプレンの製造方法は、少なくとも、重合工程を含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を含む。
−−重合工程−−
前記重合工程は、イソプレン単量体を重合する工程である。
前記重合工程においては、後述する第一、第二、若しくは第三の重合触媒組成物を用いること以外は、通常の配位イオン重合触媒による重合体の製造方法と同様にして、単量体であるイソプレンを重合させることができる。本発明において、使用される重合触媒組成物については、後に詳述する。
前記重合工程における触媒としては、後述する第一、第二、若しくは第三の重合触媒組成物を用いることができる。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、またそれらの混合物等が挙げられる。
前記重合工程は、重合触媒組成物を使用する場合、例えば、(1)単量体としてイソプレンを含む重合反応系中に、重合触媒組成物の構成成分を別個に提供し、該反応系中において重合触媒組成物としてもよいし、(2)予め調製された重合触媒組成物を重合反応系中に提供してもよい。また、(2)においては、助触媒によって活性化されたメタロセン錯体(活性種)を提供することも含まれる。
また、前記重合工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
前記重合工程において、イソプレンの重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。上記重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例えば、−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、重合温度を上げると、重合反応のシス−1,4選択性が低下することがある。また、上記重合反応の圧力は、イソプレンを十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、上記重合反応の反応時間も特に制限がなく、例えば、1秒〜10日の範囲が好ましいが、触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
−−−第一の重合触媒組成物−−−
前記第一の重合触媒組成物(以下、第一重合触媒組成物ともいう)としては、下記一般式(I):
Figure 2013185058
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、Ra〜Rfは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、及び下記一般式(II):
Figure 2013185058
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、X'は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体、並びに下記一般式(III):
Figure 2013185058
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR’’は、無置換もしくは置換シクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示し、[B]-は、非配位性アニオンを示す)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体からる群より選択される少なくとも1種類の錯体を含む重合触媒組成物が挙げられる。
第一重合触媒組成物は、更に、通常のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含んでいてもよい。ここで、メタロセン錯体は、一つ又は二つ以上のシクロペンタジエニル又はその誘導体が中心金属に結合した錯体化合物であり、特に、中心金属に結合したシクロペンタジエニル又はその誘導体が一つであるメタロセン錯体を、ハーフメタロセン錯体と称することがある。
なお、重合反応系において、第一重合触媒組成物に含まれる錯体の濃度は0.1〜0.0001mol/Lの範囲であることが好ましい。
上記一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体において、式中のCpRは、無置換インデニル又は置換インデニルである。インデニル環を基本骨格とするCpRは、C97-XX又はC911-XXで示され得る。ここで、Xは0〜7又は0〜11の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。置換インデニルとして、具体的には、2−フェニルインデニル、2−メチルインデニル等が挙げられる。なお、一般式(I)及び式(II)における二つのCpRは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体において、式中のCpR’は、無置換もしくは置換のシクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルであり、これらの中でも、無置換もしくは置換のインデニルであることが好ましい。シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCpR’は、C55-XXで示される。ここで、Xは0〜5の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。シクロペンタジエニル環を基本骨格とするCpR’として、具体的には、以下のものが例示される。
Figure 2013185058
(式中、Rは水素原子、メチル基又はエチル基を示す。)
一般式(III)において、上記インデニル環を基本骨格とするCpR’は、一般式(I)のCpRと同様に定義され、好ましい例も同様である。
一般式(III)において、上記フルオレニル環を基本骨格とするCpR’は、C139-XX又はC1317-XXで示され得る。ここで、Xは0〜9又は0〜17の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
一般式(I)、式(II)及び式(III)における中心金属Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムである。ランタノイド元素には、原子番号57〜71の15元素が含まれ、これらのいずれでもよい。中心金属Mとしては、サマリウムSm、ネオジムNd、プラセオジムPr、ガドリニウムGd、セリウムCe、ホルミウムHo、スカンジウムSc及びイットリウムYが好適に挙げられる。
一般式(I)で表されるメタロセン錯体は、シリルアミド配位子[−N(SiR32]を含む。シリルアミド配位子に含まれるR基(一般式(I)におけるRa〜Rf)は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。また、Ra〜Rfのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましい。Ra〜Rfのうち少なくとも一つを水素原子にすることで、触媒の合成が容易になり、また、ケイ素まわりのかさ高さが低くなるため、非共役オレフィンが導入され易くなる。同様の観点から、Ra〜Rcのうち少なくとも一つが水素原子であり、Rd〜Rfのうち少なくとも一つが水素原子であることが更に好ましい。更に、アルキル基としては、メチル基が好ましい。
一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、シリル配位子[−SiX'3]を含む。シリル配位子[−SiX'3]に含まれるX'は、下記で説明される一般式(III)のXと同様に定義される基であり、好ましい基も同様である。
一般式(III)において、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基及び炭素数1〜20の炭化水素基からなる群より選択される基である。ここで、上記アルコキシド基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシド基が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、これらの中でも、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すシリル基としては、トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基等が挙げられ、これらの中でも、トリス(トリメチルシリル)シリル基が好ましい。
一般式(III)において、Xが表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子のいずれでもよいが、塩素原子又は臭素原子が好ましい。また、Xが表す炭素数1〜20の炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等の他;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基等が好ましい。
一般式(III)において、Xとしては、ビストリメチルシリルアミド基又は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。
一般式(III)において、[B]-で示される非配位性アニオンとしては、例えば、4価のホウ素アニオンが挙げられる。該4価のホウ素アニオンとして、具体的には、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル、ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)、フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
上記一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、更に0〜3個、好ましくは0〜1個の中性ルイス塩基Lを含む。ここで、中性ルイス塩基Lとしては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。ここで、上記錯体が複数の中性ルイス塩基Lを含む場合、中性ルイス塩基Lは、同一であっても異なっていてもよい。
また、上記一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、単量体として存在していてもよく、二量体又はそれ以上の多量体として存在していてもよい。
上記一般式(I)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でランタノイドトリスハライド、スカンジウムトリスハライド又はイットリウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びビス(トリアルキルシリル)アミドの塩(例えば、カリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(I)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
Figure 2013185058
(式中、X''はハライドを示す。)
上記一般式(II)で表されるメタロセン錯体は、例えば、溶媒中でランタノイドトリスハライド、スカンジウムトリスハライド又はイットリウムトリスハライドを、インデニルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)及びシリルの塩(例えばカリウム塩やリチウム塩)と反応させることで得ることができる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンを用いればよい。以下に、一般式(II)で表されるメタロセン錯体を得るための反応例を示す。
Figure 2013185058
(式中、X''はハライドを示す。)
上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体は、例えば、次の反応により得ることができる。
Figure 2013185058
ここで、一般式(IV)で表される化合物において、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpR'は、それぞれ独立して無置換もしくは置換シクロペンタジエニル、インデニル又はフルオレニルを示し、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す。また、一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物において、[A]+は、カチオンを示し、[B]-は、非配位性アニオンを示す。
[A]+で表されるカチオンとしては、例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アミンカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等が挙げられる。カルボニウムカチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アミンカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらカチオンの中でも、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオン又はカルボニウムカチオンが好ましく、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオンが特に好ましい。
上記反応に用いる一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物としては、上記の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物であって、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物は、メタロセン錯体に対して0.1〜10倍モル加えることが好ましく、約1倍モル加えることが更に好ましい。なお、一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を重合反応に用いる場合、一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体をそのまま重合反応系中に提供してもよいし、上記反応に用いる一般式(IV)で表される化合物と一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物を別個に重合反応系中に提供し、反応系中で一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を形成させてもよい。また、一般式(I)又は式(II)で表されるメタロセン錯体と一般式[A]+[B]-で表されるイオン性化合物とを組み合わせて使用することにより、反応系中で一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体を形成させることもできる。
一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体の構造は、X線構造解析により決定することが好ましい。
上記第一重合触媒組成物に用いることができる助触媒は、通常のメタロセン錯体を含む重合触媒組成物の助触媒として用いられる成分から任意に選択され得る。該助触媒としては、例えば、アルミノキサン、有機アルミニウム化合物、上記のイオン性化合物等が好適に挙げられる。これら助触媒は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルミノキサンとしては、アルキルアミノキサンが好ましく、例えば、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン等が挙げられる。また、修飾メチルアルミノキサンとしては、MMAO−3A(東ソーファインケム社製)等が好ましい。なお、上記第一重合触媒組成物におけるアルミノキサンの含有量は、メタロセン錯体の中心金属Mと、アルミノキサンのアルミニウム元素Alとの元素比率Al/Mが、10〜1000程度、好ましくは100程度となるようにすることが好ましい。
一方、上記有機アルミニウム化合物としては、一般式AlRR'R''(式中、R及びR'はそれぞれ独立してC1〜C10の炭化水素基又は水素原子であり、R''はC1〜C10の炭化水素基である)で表される有機アルミニウム化合物が好ましい。上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリアルキルアルミニウムが好ましい。また、トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等が挙げられる。なお、上記重合触媒組成物における有機アルミニウム化合物の含有量は、メタロセン錯体に対して1〜50倍モルでであることが好ましく、約10倍モルであることが更に好ましい。
更に、上記重合触媒組成物においては、一般式(I)及び式(II)で表されるメタロセン錯体、並びに上記一般式(III)で表されるハーフメタロセンカチオン錯体をそれぞれ、適切な助触媒と組み合わせることで、シス−1,4結合量や得られる重合体の分子量を増大できる。
−−−第二の重合触媒組成物−−−
次に、前記第二の重合触媒組成物(以下、第二重合触媒組成物ともいう)について説明する。
また、前記第二の重合触媒組成物としては、
(A)成分:希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物であって、希土類元素と炭素との結合を有さない該希土類元素化合物又は反応物と、
(B)成分:非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(B−1)、アルミノキサン(B−2)、並びにルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種のハロゲン化合物(B−3)よりなる群から選択される少なくとも一種とを含む重合触媒組成物(以下、第二重合触媒組成物ともいう)を好適に挙げることができる。
第二重合触媒組成物が、イオン性化合物(B−1)及びハロゲン化合物(B−3)の少なくとも一種を含む場合、該重合触媒組成物は、更に、
(C)成分:下記一般式(X):
YR1 a2 b3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物を含む。
前記製造方法に用いる第二重合触媒組成物は、上記(A)成分及び(B)成分を含むことを要し、ここで、該重合触媒組成物が、上記イオン性化合物(B−1)及び上記ハロゲン化合物(B−3)の少なくとも一種を含む場合には、更に、
(C)成分:下記一般式(X):
YR1 a2 b3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物を含むことを要する。
上記イオン性化合物(B−1)及び上記ハロゲン化合物(B−3)は、(A)成分へ供給するための炭素原子が存在しないため、該(A)成分への炭素供給源として、上記(C)成分が必要となる。なお、上記重合触媒組成物が上記アルミノキサン(B−2)を含む場合であっても、該重合触媒組成物は、上記(C)成分を含むことができる。また、上記第二重合触媒組成物は、通常の希土類元素化合物系の重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含んでいてもよい。
なお、重合反応系において、第二重合触媒組成物に含まれる(A)成分の濃度は0.1〜0.0001mol/lの範囲であることが好ましい。
上記第二重合触媒組成物に用いる(A)成分は、希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物であり、ここで、希土類元素化合物及び該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物は、希土類元素と炭素との結合を有さない。該希土類元素化合物及び反応物が希土類元素−炭素結合を有さない場合、化合物が安定であり、取り扱いやすい。ここで、希土類元素化合物とは、周期律表中の原子番号57〜71の元素から構成されるランタノイド元素又はスカンジウムもしくはイットリウムを含有する化合物である。
なお、ランタノイド元素の具体例としては、ランタニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムを挙げることができる。なお、上記(A)成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記希土類元素化合物は、希土類金属が2価もしくは3価の塩又は錯体化合物であることが好ましく、水素原子、ハロゲン原子及び有機化合物残基から選択される1種又は2種以上の配位子を含有する希土類元素化合物であることが更に好ましい。更に、上記希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物は、下記一般式(XI)又は(XII):
1111 2・L11w ・・・ (XI)
1111 3・L11w ・・・ (XII)
[式中、M11は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、X11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基、アルデヒド残基、ケトン残基、カルボン酸残基、チオカルボン酸残基又はリン化合物残基を示し、L11は、ルイス塩基を示し、wは、0〜3を示す]で表されることができる。
上記希土類元素化合物の希土類元素に結合する基(配位子)として、具体的には、水素原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基;チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−チオネオペンチルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基;ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基;トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、ビス(トリメチルシリル)メチルシリル基、トリメチルシリル(ジメチル)シリル基、トリイソプロピルシリル(ビストリメチルシリル)シリル基等のシリル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。更には、サリチルアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−3−ナフトアルデヒド等のアルデヒドの残基;2'−ヒドロキシアセトフェノン、2'−ヒドロキシブチロフェノン、2'−ヒドロキシプロピオフェノン等のヒドロキシフェノンの残基;アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニルアセトン、イソブチルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン等のジケトンの残基;イソ吉草酸、カプリル酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、シクロペンタンカルボン酸、ナフテン酸、エチルヘキサン酸、ビバール酸、バーサチック酸[シェル化学(株)製の商品名、C10モノカルボン酸の異性体の混合物から構成される合成酸]、フェニル酢酸、安息香酸、2−ナフトエ酸、マレイン酸、コハク酸等のカルボン酸の残基;ヘキサンチオ酸、2,2−ジメチルブタンチオ酸、デカンチオ酸、チオ安息香酸等のチオカルボン酸の残基、リン酸ジブチル、リン酸ジペンチル、リン酸ジヘキシル、リン酸ジヘプチル、リン酸ジオクチル、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ジラウリル、リン酸ジオレイル、リン酸ジフェニル、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(ブチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)等のリン酸エステルの残基;2−エチルヘキシルホスホン酸モノブチル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、フェニルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ホスホン酸モノ−1−メチルヘプチル、ホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル等のホスホン酸エステルの残基、ジブチルホスフィン酸、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ジラウリルホスフィン酸、ジオレイルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチル(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、2−エチルヘキシルホスフィン酸、1−メチルヘプチルホスフィン酸、オレイルホスフィン酸、ラウリルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p−ノニルフェニルホスフィン酸等のホスフィン酸の残基を挙げることもできる。なお、これらの配位子は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記第二重合触媒組成物に用いる(A)成分において、上記希土類元素化合物と反応するルイス塩基としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。ここで、上記希土類元素化合物が複数のルイス塩基と反応する場合(式(XI)及び(XII)においては、wが2又は3である場合)、ルイス塩基L11は、同一であっても異なっていてもよい。
上記第二重合触媒組成物に用いる(B)成分は、イオン性化合物(B−1)、アルミノキサン(B−2)及びハロゲン化合物(B−3)よりなる群から選択される少なくとも一種の化合物である。なお、上記第二重合触媒組成物における(B)成分の合計の含有量は、(A)成分に対して0.1〜50倍モルであることが好ましい。
上記(B−1)で表されるイオン性化合物は、非配位性アニオンとカチオンとからなり、上記(A)成分である希土類元素化合物又はそのルイス塩基との反応物と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン性化合物等を挙げることができる。ここで、非配位性アニオンとしては、例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル、ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)、フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられる。一方、カチオンとしては、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等を挙げることができる。カルボニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、より具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン(例えば、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン)等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。従って、イオン性化合物としては、上述の非配位性アニオン及びカチオンからそれぞれ選択し組み合わせた化合物が好ましく、具体的には、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。また、これらのイオン性化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記第二重合触媒組成物におけるイオン性化合物の含有量は、(A)成分に対して0.1〜10倍モルであることが好ましく、約1倍モルであることが更に好ましい。
上記(B−2)で表されるアルミノキサンは、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる化合物であり、例えば、一般式:(−Al(R')O−)で示される繰り返し単位を有する鎖状アルミノキサン又は環状アルミノキサン(式中、R'は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部の炭化水素基はハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されてもよく、繰り返し単位の重合度は、5以上が好ましく、10以上が更に好ましい)を挙げることができる。ここで、R'として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基が好ましい。また、アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム及びその混合物等が挙げられ、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。例えば、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムとの混合物を原料として用いたアルミノキサンを好適に用いることができる。なお、上記第二重合触媒組成物におけるアルミノキサンの含有量は、(A)成分を構成する希土類元素Mと、アルミノキサンのアルミニウム元素Alとの元素比率Al/Mが、10〜1000程度となるようにすることが好ましい。
上記(B−3)で表されるハロゲン化合物は、ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも一種からなり、例えば、上記(A)成分である希土類元素化合物又はそのルイス塩基との反応物と反応して、カチオン性遷移金属化合物やハロゲン化遷移金属化合物や遷移金属中心が電荷不足の化合物を生成することができる。なお、上記第二重合触媒組成物におけるハロゲン化合物の合計の含有量は、(A)成分に対して1〜5倍モルであることが好ましい。
上記ルイス酸としては、B(C653等のホウ素含有ハロゲン化合物、Al(C653等のアルミニウム含有ハロゲン化合物を使用できる他、周期律表中の第III,IV,V,VI又はVIII族に属する元素を含有するハロゲン化合物を用いることもできる。好ましくはアルミニウムハロゲン化物又は有機金属ハロゲン化物が挙げられる。また、ハロゲン元素としては、塩素又は臭素が好ましい。上記ルイス酸として、具体的には、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジブチル錫ジクロライド、アルミニウムトリブロマイド、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三塩化リン、五塩化リン、四塩化錫、四塩化チタン、六塩化タングステン等が挙げられ、これらの中でも、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムジブロマイドが特に好ましい。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅が特に好ましい。
また、上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成するルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等が好ましい。具体的には、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、これらの中でも、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基は、上記金属ハロゲン化物1モル当り、0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
上記第二重合触媒組成物に用いる(C)成分は、下記一般式(X):
YR1 a2 b3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物であり、下記一般式(Xa):
AlR123 ・・・ (Xa)
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。一般式(X)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(C)成分としての有機アルミニウム化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記第二重合触媒組成物における有機アルミニウム化合物の含有量は、(A)成分に対して1〜50倍モルであることが好ましく、約10倍モルであることが更に好ましい。
−−−第三の重合触媒組成物−−−
また、前記第三の重合触媒組成物(以下、第三重合触媒組成物ともいう)は、下記メタロセン系複合触媒と、ホウ素アニオンとを含むことを特徴とし、更に、通常のメタロセン系触媒を含む重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含むことが好ましい。なお、上記メタロセン系複合触媒とホウ素アニオンとを合わせて2成分触媒ともいう。前記第三重合触媒組成物によれば、上記メタロセン系複合触媒と同様に、更にホウ素アニオンを含有するため、各単量体成分の重合体中での含有量を任意に制御することが可能となる。
−−−−メタロセン系触媒−−−−
前記メタロセン系触媒は、下記式(A):
aMXbQYb・・・(A)
[式中、Rはそれぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、該RはMに配位しており、Mはランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Xはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該XはM及びQにμ配位しており、Qは周期律表第13族元素を示し、Yはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示し、該YはQに配位しており、a及びbは2である]で表されるメタロセン系複合触媒が挙げられる。
上記メタロセン系複合触媒の好適例においては、下記式(XV):
Figure 2013185058
[式中、M1は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、RA及びRBは、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該RA及びRBは、M1及びAlにμ配位しており、RC及びRDは、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示す]で表されるメタロセン系複合触媒が挙げられる。
上記メタロセン系重合触媒を用いることで、重合体を製造することができる。また、上記メタロセン系複合触媒、例えば予めアルミニウム触媒と複合させてなる触媒を用いることで、重合体合成時に使用されるアルキルアルミニウムの量を低減したり、無くしたりすることが可能となる。なお、従来の触媒系を用いると、重合体合成時に大量のアルキルアルミニウムを用いる必要がある。例えば、従来の触媒系では、金属触媒に対して10当量以上のアルキルアルミニウムを用いる必要があるところ、上記メタロセン系複合触媒であれば、5当量程度のアルキルアルミニウムを加えることで、優れた触媒作用が発揮される。
上記メタロセン系複合触媒において、上記式(A)中の金属Mは、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムである。ランタノイド元素には、原子番号57〜71の15元素が含まれ、これらのいずれでもよい。金属Mとしては、サマリウムSm、ネオジムNd、プラセオジムPr、ガドリニウムGd、セリウムCe、ホルミウムHo、スカンジウムSc及びイットリウムYが好適に挙げられる。
上記式(A)において、Rは、それぞれ独立して無置換インデニル又は置換インデニルであり、該Rは上記金属Mに配位している。なお、置換インデニル基の具体例としては、例えば、1,2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル基等が挙げられる。
上記式(A)において、Qは、周期律表第13族元素を示し、具体的には、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等が挙げられる。
上記式(A)において、Xはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該XはM及びQにμ配位している。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。なお、μ配位とは、架橋構造をとる配位様式のことである。
上記式(A)において、Yはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示し、該YはQに配位している。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
上記式(XV)において、金属M1は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムである。ランタノイド元素には、原子番号57〜71の15元素が含まれ、これらのいずれでもよい。金属M1としては、サマリウムSm、ネオジムNd、プラセオジムPr、ガドリニウムGd、セリウムCe、ホルミウムHo、スカンジウムSc及びイットリウムYが好適に挙げられる。
上記式(XV)において、CpRは、無置換インデニル又は置換インデニルである。インデニル環を基本骨格とするCpRは、C97-XX又はC911-XXで示され得る。ここで、Xは0〜7又は0〜11の整数である。また、Rはそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
置換インデニルとして、具体的には、2−フェニルインデニル、2−メチルインデニル等が挙げられる。なお、式(XV)における二つのCpRは、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(XV)において、RA及びRBは、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該RA及びRBは、M1及Alにμ配位している。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。なお、μ配位とは、架橋構造をとる配位様式のことである。
上記式(XV)において、RC及びRDは、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子である。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
なお、上記メタロセン系複合触媒は、例えば、溶媒中で、下記式(XVI):
Figure 2013185058
(式中、M2は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、CpRは、それぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、RE〜RJは、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子を示し、Lは、中性ルイス塩基を示し、wは、0〜3の整数を示す)で表されるメタロセン錯体を、AlRKLMで表される有機アルミニウム化合物と反応させることで得られる。なお、反応温度は室温程度にすればよいので、温和な条件で製造することができる。また、反応時間は任意であるが、数時間〜数十時間程度である。反応溶媒は特に限定されないが、原料及び生成物を溶解する溶媒であることが好ましく、例えばトルエンやヘキサンを用いればよい。なお、上記メタロセン系複合触媒の構造は、1H−NMRやX線構造解析により決定することが好ましい。
上記式(XVI)で表されるメタロセン錯体において、CpRは、無置換インデニル又は置換インデニルであり、上記式(XV)中のCpRと同義である。また、上記式(XVI)において、金属M2は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムであり、上記式(XV)中の金属M1と同義である。
上記式(XVI)で表されるメタロセン錯体は、シリルアミド配位子[−N(SiR32]を含む。シリルアミド配位子に含まれるR基(RE〜RJ基)は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。また、RE〜RJのうち少なくとも一つが水素原子であることが好ましい。RE〜RJのうち少なくとも一つを水素原子にすることで、触媒の合成が容易になる。更に、アルキル基としては、メチル基が好ましい。
上記式(XVI)で表されるメタロセン錯体は、更に0〜3個、好ましくは0〜1個の中性ルイス塩基Lを含む。ここで、中性ルイス塩基Lとしては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン類、中性のジオレフィン類等が挙げられる。ここで、上記錯体が複数の中性ルイス塩基Lを含む場合、中性ルイス塩基Lは、同一であっても異なっていてもよい。
また、上記式(XVI)で表されるメタロセン錯体は、単量体として存在していてもよく、二量体又はそれ以上の多量体として存在していてもよい。
一方、上記メタロセン系複合触媒の生成に用いる有機アルミニウム化合物は、AlRKLMで表され、ここで、RK及びRLは、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は水素原子で、RMは炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、但し、RMは上記RK又はRLと同一でも異なっていてもよい。炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
上記有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。また、これら有機アルミニウム化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記メタロセン系複合触媒の生成に用いる有機アルミニウム化合物の量は、メタロセン錯体に対して1〜50倍モルであることが好ましく、約10倍モルであることが更に好ましい。
上記第三重合触媒組成物において、2成分触媒を構成するホウ素アニオンとして、具体的には、4価のホウ素アニオンが挙げられる。例えば、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル、ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル)、フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート等が挙げられ、これらの中でも、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが好ましい。
なお、上記ホウ素アニオンは、カチオンと組み合わされたイオン性化合物として使用することができる。上記カチオンとしては、例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アミンカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等が挙げられる。カルボニウムカチオンとしては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(置換フェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボニウムカチオン等が挙げられ、トリ(置換フェニル)カルボニルカチオンとして、具体的には、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン等が挙げられる。アミンカチオンとしては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン等のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン;ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等のジアルキルアンモニウムカチオン等が挙げられる。ホスホニウムカチオンとしては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリールホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらカチオンの中でも、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオン又はカルボニウムカチオンが好ましく、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオンが特に好ましい。従って、上記イオン性化合物としては、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が好ましい。なお、ホウ素アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物は、上記メタロセン系複合触媒に対して0.1〜10倍モル加えることが好ましく、約1倍モル加えることが更に好ましい。
なお、上記第三重合触媒組成物においては、上記メタロセン系複合触媒と上記ホウ素アニオンとを用いる必要があるが、上記式(XVI)で表されるメタロセン触媒と有機アルミニウム化合物を反応させる反応系に、ホウ素アニオンが存在していると、上記式(XV)のメタロセン系複合触媒を合成することができない。従って、上記第三重合触媒組成物の調製には、該メタロセン系複合触媒を予め合成し、該メタロセン系複合触媒を単離精製してからホウ素アニオンと組み合わせる必要がある。
上記第三重合触媒組成物に用いることができる助触媒としては、例えば、上述のAlRKLMで表される有機アルミニウム化合物の他、アルミノキサン等が好適に挙げられる。上記アルミノキサンとしては、アルキルアミノキサンが好ましく、例えば、メチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン等が挙げられる。また、修飾メチルアルミノキサンとしては、MMAO−3A(東ソーファインケム社製)等が好ましい。なお、これらアルミノキサンは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
−−カップリング工程−−
前記カップリング工程は、前記重合工程において得られた合成ポリイソプレンの高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)の重合体同士をカップリング反応させる工程である。
前記カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応(高分子鎖の末端を変性する反応)を行うことが好ましい。
前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物、(ii)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、(iii)グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、高分子鎖同士を結合させて高分子量化を図ることができ、また、加水分解以外の分解を阻害して、数平均分子量(Mn)が低下するのを抑制することができる。
前記カップリング反応における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃〜100℃が好ましく、20℃〜80℃がより好ましい。
前記反応温度が、10℃以上であると、反応速度が著しく低下するのを防止することができ、100℃以下であると、ポリマーがゲル化するのを防止することができる。
前記カップリング反応における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜1時間が好ましい。
前記反応時間が、10分間以上であると、反応を十分に行うことができ、1時間以下であると、ポリマーがゲル化するのを防止することができる。
−−洗浄工程−−
前記洗浄工程は、前記重合工程において得られたポリイソプレンを洗浄する工程である。なお、洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、などが挙げられる。
<<イソプレン共重合体>>
−イソプレン以外の化合物−
イソプレンと共重合させる前記イソプレン以外の化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等の共役ジエン化合物;スチレン等の芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン等の非共役オレフィン化合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、1,3−ブタジエン、スチレンが、分子量制御の容易性の点で、好ましい。
−シス−1,4結合量−
前記イソプレン共重合体におけるイソプレン由来部分のシス−1,4結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上が特に好ましい。
前記シス−1,4結合量が、90%以上であると、十分な伸張結晶性を発現することができる。
一方、前記シス−1,4結合量が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、伸張結晶性による耐久性の向上の点で有利である。
なお、前記シス−1,4結合量(後述するトランス−1,4結合量、3,4−ビニル結合量も同様)は、前記イソプレン由来部分中の量であって、イソプレン共重合体全体に対する割合ではない。
−トランス−1,4結合量−
前記イソプレン共重合体のトランス−1,4結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
前記トランス−1,4結合量が、10%以下であると、十分な伸張結晶性を発現することができる。
一方、前記トランス−1,4結合量が、前記より好ましい範囲内であると、伸張結晶性による耐久性の向上の点で有利である。
−3,4−ビニル結合量−
前記イソプレン共重合体におけるイソプレン由来部分のイソプレンの3,4−ビニル結合量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。
前記3,4−ビニル結合量が、5%以下であると、十分な伸張結晶性を発現することができる。
一方、前記3,4−ビニル結合量が、前記より好ましい範囲内であると、伸張結晶性による耐久性の向上の点で有利である。
なお、前記3,4−ビニル結合量が5%以下のイソプレン由来部分を有するイソプレン共重合体は、例えば、前述した第一、第二、若しくは第三の重合触媒組成物を用いて、低温(−100℃)で、重合を所定時間(30分間〜2日間)行うことによって、得ることができる。
−前記イソプレン共重合体におけるイソプレン由来部分の含有量−
前記イソプレン共重合体におけるイソプレン由来部分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mol%〜95mol%が好ましい。
前記イソプレン共重合体におけるイソプレン由来部分の含有量が、5mol%以上であると、イソプレンの特性を十分に発揮できるので好ましく、95mol%以下であると、イソプレン以外の共重合成分の特性を十分に発揮できるので好ましい。
−連鎖構造−
前記連鎖構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、テーパー共重合体、交互共重合体などが挙げられる。
−−ブロック共重合体−−
前記ブロック共重合体の構造は、(A−B)、A−(B−A)及びB−(A−B)(ここで、Aは、イソプレンの単量体単位からなるブロック部分であり、Bは、イソプレン以外の化合物の単量体単位からなるブロック部分であり、xは1以上の整数である)のいずれかである。なお、(A−B)又は(B−A)の構造を複数備えるブロック共重合体をマルチブロック共重合体と称する。
−−ランダム共重合体−−
前記ランダム共重合体の構造は、イソプレンの単量体単位とイソプレン以外の化合物の単量体単位とがランダムに配列する構造である。
−−テーパー共重合体−−
前記テーパー共重合体とは、ランダム共重合体とブロック共重合体とが混在してなる共重合体であり、イソプレンの単量体単位からなるブロック部分及びイソプレン以外の化合物の単量体単位からなるブロック部分のうち少なくとも一方のブロック部分(ブロック構造ともいう)と、イソプレン及びイソプレン以外の化合物の単量体単位が不規則に配列してなるランダム部分(ランダム構造という)とから構成される共重合体である。
前記テーパー共重合体の構造は、イソプレン成分とイソプレン以外の化合物成分との組成が連続的又は不連続的に分布があることを示す。
−−交互共重合体−−
前記交互共重合体は、イソプレンとイソプレン以外の化合物とが交互に配列する構造(イソプレンの単量体単位をAと、イソプレン以外の化合物の単量体単位をBとした場合の、−ABABABAB−の分子鎖構造)を有する重合体である。
−イソプレン共重合体の製造方法−
次に、前記イソプレン共重合体を製造することができる製造方法を詳細に説明する。但し、以下に詳述する製造方法は、あくまで例示に過ぎない。前記イソプレン共重合体は、重合触媒組成物の存在下、単量体としての、イソプレンとイソプレン以外の化合物とを重合させることができる。
本発明のイソプレン共重合体の製造方法は、少なくとも、重合工程を含み、さらに、必要に応じて適宜選択した、カップリング工程、洗浄工程、その他の工程を含む。
−−重合工程−−
前記重合工程は、単量体としてのイソプレン及びイソプレン以外の化合物を共重合する工程である。
前記重合工程においては、前述の、第一、第二、若しくは第三重合触媒組成物を用いること以外は、通常の配位イオン重合触媒による重合体の製造方法と同様にして、単量体であるイソプレンとイソプレン以外の化合物とを共重合させることができる。本発明において、使用される重合触媒組成物については、前述した通りである。
前記重合工程における触媒としては、前述した第一、第二、若しくは、第三の重合触媒組成物を用いることができる。
重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、またそれらの混合物等が挙げられる。
前記重合工程は、重合触媒組成物を使用する場合、例えば、(1)単量体としてイソプレン及びイソプレン以外の化合物を含む重合反応系中に、重合触媒組成物の構成成分を別個に提供し、該反応系中において重合触媒組成物としてもよいし、(2)予め調製された重合触媒組成物を重合反応系中に提供してもよい。また、(2)においては、助触媒によって活性化されたメタロセン錯体(活性種)を提供することも含まれる。
また、前記重合工程においては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の重合停止剤を用いて、重合を停止させてもよい。
前記重合工程において、イソプレン及びイソプレン以外の化合物の重合反応は、不活性ガス、好ましくは窒素ガスやアルゴンガスの雰囲気下において行われることが好ましい。上記重合反応の重合温度は、特に制限されないが、例えば−100℃〜200℃の範囲が好ましく、室温程度とすることもできる。なお、重合温度を上げると、重合反応のシス−1,4選択性が低下することがある。また、上記重合反応の圧力は、イソプレン及びイソプレン以外の化合物を十分に重合反応系中に取り込むため、0.1〜10.0MPaの範囲が好ましい。また、上記重合反応の反応時間も特に制限されず、例えば1秒〜10日の範囲が好ましいが、重合される単量体の種類、触媒の種類、重合温度等の条件によって適宜選択することができる。
−−カップリング工程−−
前記カップリング工程は、前記重合工程において得られたイソプレン共重合体の高分子鎖の少なくとも一部(例えば、末端)の重合体同士をカップリング反応させる工程である。
前記カップリング工程において、重合反応が100%に達した際にカップリング反応(高分子鎖の末端を変性する反応)を行うことが好ましい。
前記カップリング反応に用いるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)等のスズ含有化合物、(ii)4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、(iii)グリシジルプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ビス(マレイン酸−1−オクタデシル)ジオクチルスズ(IV)が、
反応効率と低ゲル生成の点で、好ましい。
なお、カップリング反応を行うことにより、高分子鎖同士を結合させて高分子量化を図ることができ、また、加水分解以外の分解を阻害して、数平均分子量(Mn)が低下するのを抑制することができる。
前記カップリング反応における反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10℃〜100℃が好ましく、20℃〜80℃がより好ましい。
前記反応温度が、10℃以上であると、反応速度が著しく低下するのを防止することができ、100℃以下であると、ポリマーがゲル化するのを防止することができる。
前記カップリング反応における反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜1時間が好ましい。
前記反応時間が、10分間以上であると、反応を十分行うことができ、1時間以下であると、ポリマーがゲル化するのを防止することができる。
−−洗浄工程−−
前記洗浄工程は、前記重合工程において得られたイソプレン共重合体を洗浄する工程である。なお、洗浄に用いる媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、などが挙げられる。
前記合成ポリイソプレン及び前記イソプレン共重合体は、前述した通りである。
前記ゴム成分中における前記重合体(前記合成ポリイソプレン、前記イソプレン共重合体、又は、前記合成ポリイソプレン及び前記イソプレン共重合体)の合計配合量(含有量)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15質量%〜100質量%が好ましい。
前記ゴム成分中における前記重合体の合計配合量が、15質量%以上であると、前記重合体の特性を十分に発揮することができる。
<<その他のゴム成分>>
前記その他のゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EPDM)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<充填剤>
前記充填剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、無機充填剤、などを挙げることができ、カーボンブラック及び無機充填剤から選択される少なくとも一種が好ましい。ここで、前記ゴム組成物には、カーボンブラックが含まれることがより好ましい。なお、前記充填剤は、補強性などを向上させるためにゴム組成物に配合するものである。
前記充填剤の配合量(含有量)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、10質量部〜75質量部が好ましく、
20質量部〜75質量部がより好ましく、30質量部〜60質量部が特に好ましい。
前記充填剤の配合量が、10質量部以上であると、充填剤を入れる効果がみられ、75質量部以下であると、前記ゴム成分に充填剤を混ぜ込むことができ、ゴム組成物としての性能を向上させることができる。
一方、前記充填剤の配合量が、前記より好ましい範囲、又は、前記特に好ましい範囲内であると、加工性と低ロス性・耐久性のバランスの点で有利である。
−カーボンブラック−
前記カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FEF、GPF、SRF、HAF、N339、IISAF、ISAF、SAF、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m/g〜150m/gが好ましく、35m/g〜145m/gがより好ましい。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)が20m/g以上であると、得られたゴムの耐久性が悪化するのを防止して、十分な耐亀裂成長性を得ることができ、100m/g以下であると、低ロス性を向上し、また、作業性を向上することができる。
前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量部〜100質量部が好ましく、10質量部〜70質量部がより好ましく、20質量部〜60質量部が特に好ましい。
前記カーボンブラックの含有量が、10質量部以上であると、補強性が不十分で耐破壊性が悪化するのを防止することができ、100質量部以下であると、加工性および低ロス性が悪化するのを防止することができる。
一方、前記カーボンブラックの含有量が、前記より好ましい範囲内、又は、前記特に好ましい範囲内であると、各性能のバランスの点で有利である。
−無機充填剤−
前記無機充填剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、無機充填剤を用いる時は適宜シランカップリング剤を使用してもよい。
<架橋剤>
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤硫黄、などが挙げられるが、これらの中でもタイヤ用ゴム組成物としては硫黄系架橋剤がより好ましい。
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部〜20質量部が好ましい。
前記架橋剤の含有量が、0.1質量部以上であると、架橋を進行させることができ、20質量部以下であって、一部の架橋剤により混練り中に架橋が進むのを防止したり、加硫物の物性が損なわれるのを防止することができる。
<その他の成分>
その他に加硫促進剤を併用することも可能であり、加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が使用できる。
また必要に応じて、軟化剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤など公知のものをその使用目的に応じて使用することができる。
(架橋ゴム組成物)
前記架橋ゴム組成物は、本発明のゴム組成物を架橋して得られたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記架橋の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度120℃〜200℃、加温時間1分間〜900分間が好ましい。
(タイヤ)
本発明のタイヤは、本発明の架橋ゴム組成物を有するものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の架橋ゴム組成物のタイヤにおける適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラーなどが挙げられる。
これらの中でも、前記適用部位をトレッドとすることが、耐久性の点で有利である。
前記タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫ゴム及び/又はコードからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)を製造することができる。
(タイヤ以外の用途)
タイヤ用途以外にも、防振ゴム、免震ゴム、ベルト(コンベアベルト)、ゴムクローラ、各種ホースなどに本発明の架橋ゴム組成物を使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1:重合体Aの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で1L耐圧ガラス反応器に、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウム[(CpGd(μ−Me)AlMe](Cp:ペンタメチルシクロペンタジエニル配位子)を150μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)150μmol、及びトリイソブチルアルミニウム21.0mmolを仕込み、トルエン250gに溶解させて触媒溶液とした。30分後グローブボックスから反応器を取り出し、イソプレン50.0gを添加し−40℃で60時間重合を行った。重合後、2,2’‐メチレン−ビス(4‐エチル−6‐t‐ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体Aを得た。得られた重合体Aの収量は43.1gであった。
(製造例2:重合体Bの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で1L耐圧ガラス反応器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウムGd[N(SiMe6.2μmol、トリイソブチルアルミニウム3.22mmol、トルエン5.0gを仕込んだのち30分間熟成を行った。その後、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)を6.2μmol、及びシクロヘキサン472.0gを仕込みさらに30分間熟成を行った。その後、グローブボックスから反応器を取り出し、イソプレン120.0gを添加し、室温で12時間重合を行った。重合後、2,2’‐メチレン−ビス(4‐エチル−6‐t‐ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体Bを得た。得られた重合体Bの収量は103.0gであった。
(製造例3:重合体Cの製造方法)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で1L耐圧ガラス反応器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウムGd[N(SiMe4.65μmol、ジイソブチルアルミニウムハイドライド0.70mmol、トルエン5.0gを仕込んだのち30分間熟成を行った。その後、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(PhCB(C)を4.65μmol、及びシクロヘキサン378.0gを仕込みさらに30分間熟成を行った。その後、グローブボックスから反応器を取り出し、イソプレン127.5gを添加し、室温で3時間重合を行った。重合後、2,2’‐メチレン−ビス(4‐エチル−6‐t‐ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体Cを得た。得られた重合体Cの収量は99.0gであった。
(製造例4:重合体Dの製造方法)
<触媒の調製>
乾燥・窒素置換された、ゴム詮付容積100mLのガラスびんに、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2重量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56M)0.59mL、メチルアルミノキサンMAO(東ソ−アクゾ製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32mL、水素化ジイソブチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77mLを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.95M)1.57mLを加え室温で、時折攪拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.010M(mol/L)であった。
<重合体Dの調製>
約1L容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのシクロヘキサン溶液および乾燥シクロヘキサンを各々投入し、イソプレン12.5%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、前記調製した触媒溶液1.24mL(ネオジム換算0.015mmol)を投入し、25℃水浴中で3.0時間重合を行った。その後、ネオジム対比15等量のジオクチルスズオクタノマレートを25℃にて1時間反応させ、老化防止剤2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2mLを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥することでほぼ100%の収率で重合体Dを得た。
上記のようにして調製した重合体A〜D及びポリイソプレンゴム(商品名:IR2200、JSR株式会社製)について、ミクロ構造(シス−1,4結合量)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を下記の方法で測定・評価した。結果を表1に示す。
さらに、上記のようにして調製した重合体A〜D及びポリイソプレンゴム(商品名:IR2200、JSR株式会社製)のゲル分率を下記の方法で測定・評価した。結果を表1に示す。
<合成ポリイソプレンの分析方法>
(1)ミクロ構造(シス−1,4結合量)
H−NMRおよび13C−NMRにより得られたピーク[H−NMR:δ4.6−4.8(3,4−ビニルユニットの=CH)、5.0−5.2(1,4−ユニットの−CH=)、13C−NMR:[δ23.4(1,4−シスユニット)、15.9(1,4−トランスユニット)、18.6(3,4−ユニット)]の積分比からそれぞれ算出した。また、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、GPCによりポリスチレンを標準物質として用い求めた。
(2)数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー製、HLC−8020]により検出器として屈折計を用いて測定し、単分散ポリスチレンを標準としたポリスチレン換算で示した。なお、カラムはGMHXL[東ソー製]で、溶離液はテトラヒドロフラン、測定温度は40℃である。
(3)ゲル分率
サンプルポリマー12mgを5ccのテトラヒドロフランが入ったサンプル瓶に入れ、一晩放置した。PTFE0.45μmのフィルターに通し、GPCを測定した。GPC測定の結果得られたRIのサンプル面積(mV)を用いたサンプル重量で割り、割合を算出した。
(4)触媒残渣量
触媒残渣量(残存金属量)については、元素分析を行うことにより測定した。
Figure 2013185058
<ゴム組成物の評価方法>
表2に示す配合処方のゴム配合物を調製し、加硫して得た加硫ゴムに対し、下記の方法に従って、(1)耐破壊性、(2)耐摩耗性、を測定した。測定結果を表3に示す。
(1)耐破壊性(指数)
JIS K 6301−1995に準拠して室温で引張試験を行い、加硫したゴム組成物の引張り強さ(Tb)を測定し、比較例1の引張り強さを100とした場合の指数を表3に示す。指数値が大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
(2)耐摩耗性(指数)
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%で摩耗量を測定し、比較例1の逆数を100とする指数で表示した。数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
Figure 2013185058
*1:重合体A〜D及びポリイソプレンゴム(商品名:IR2200、JSR株式会社製)
*2:RSS #3
*3:シースト6(東海カーボン株式会社製)
*4:マイクロクリスタリンワックス:オゾエース0280(日本精蝋製)
*5:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−p−フェニレンジアミン、大内新興化学(株)製、ノックラック6C
*6:大内新興化学工業株式会社製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
Figure 2013185058
表2及び表3より、ゴム組成物が、ゲル分率が20%以下の合成ポリイソプレンを含むことにより、耐久性(耐破壊特性及び耐摩耗性)が向上した架橋ゴム組成物を得ることができる。
本発明の重合体及び前記重合体を含むゴム組成物は、例えば、タイヤ部材(特に、タイヤのトレッド部材)に好適に利用可能である。

Claims (8)

  1. ゴム成分を含み、
    前記ゴム成分が、合成ポリイソプレン又はイソプレン共重合体であって、ゲル分率が20%以下である重合体を少なくとも含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分中における前記重合体の合計配合量が、15質量%〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記重合体中における触媒の残渣量が、300ppm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による数平均分子量(Mn)が150万以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記重合体中における窒素含有量が、0.02質量%未満であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 充填剤をさらに含み、
    前記充填剤の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して10質量部〜75質量部であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 請求項6に記載のゴム組成物を有することを特徴とするタイヤ。
  8. 請求項6に記載のゴム組成物を有するトレッド部材を備えることを特徴とするタイヤ。
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