JP2013184983A - 化学処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な化学処理剤を提供する。さらに、この化学処理剤を使用する方法を提供する。
【解決手段】水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素と、酵母溶解酵素と、グリセリンと、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸とを含有する化学処理剤およびこの処理剤を用いた廃水処理方法、土壌、地下水等の浄化処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は化学処理剤に関する。より詳細には、本発明は、重金属、有機化合物、COD成分その他の水質汚濁成分を含む水、土壌等を処理するための化学処理剤に関する。
カドミウム、クロム、砒素、銅、鉛等の重金属や、ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の有機ハロゲン化合物;チウラム、シマジン、ダイアジノン等の農薬;シアン化物イオンおよびシアノ錯体;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等の高分子;硫化物イオン、亜硫酸イオン、シアン化物イオン、シアノ錯イオン等の無機COD成分;などの有機化合物またはCOD成分は、活性汚泥法のような生物学的廃水処理技術によっては汚染物質の除去が困難なことがある。
重金属の処理方法としては、重金属イオンを強磁性のフェライトにして不溶化する空気酸化フェライト法(単に「フェライト法」ともいう。)がある。複数種類の重金属を同時に処理できることや、フェライト化した後、磁気で分離除去することが可能で、重金属の除去が容易である(非特許文献1)。
しかし、空気酸化フェライト法では、混合水酸化物の空気酸化を、水溶液を60〜70℃に加熱をして行わなければならず、設備やコストがかかるという問題があった。
一方、有機化合物またはCOD成分を酸化分解する技術としては、スーパーオキシドアニオンラジカル(・O )、過酸化水素(H)、オゾン(O)等の活性酸素種を用いた酸化法や、活性酸素種のひとつであるヒドロキシラジカル(・OH)の酸化力を利用した促進酸化法がある。ヒドロキシラジカルを発生させる方法としては、例えば、オゾンまたは過酸化水素に紫外線を照射する方法がある(非特許文献2)。
しかし、ヒドロキシラジカルの寿命が約100万分の1秒と短いことから、紫外線を連続的に照射しなければならないという問題がある。
また、促進酸化法ヒドロキシラジカルを発生させる別の方法として、酸性pH域(pH2〜4、pH2.8)で、過酸化水素および鉄(II)塩(「フェントン試薬」という場合がある。)を用いてヒドロキシラジカルを発生させるフェントン酸化処理法(以下、単に「フェントン法」ともいう。)がある(非特許文献3)。
しかし、フェントン法では、廃水処理後に残留する余剰の過酸化水素を処理しなければならないという問題があった(非特許文献4)。
特許庁ホームページ、資料室(その他参考情報)、標準技術集、水処理技術、"1−4−1−1 フェライト法"、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/mizushori/mokuji.htm> 特許庁ホームページ、資料室(その他参考情報)、標準技術集、水処理技術、"1−7−4−2 オゾン、紫外線、過酸化水素法"、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/mizushori/mokuji.htm> 特許庁ホームページ、資料室(その他参考情報)、標準技術集、水処理技術、"1−7−4−1 フェントン法"、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/mizushori/mokuji.htm> 伊田健司、外4名,「メッキ工場廃液のフェントン酸化処理」,埼玉県公害センター研究報告,埼玉県公害センター,1995年,第22号,p.33−36
そこで、本発明は、有機化合物等もしくは重金属を含有する廃水の廃水処理または有機化合物等もしくは重金属で汚染された土壌、地下水等の浄化処理のために有用な化学処理剤を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねたところ、水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素と、酵母溶解酵素と、グリセリンと、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸とを含有する水系組成物が有機化合物等もしくは重金属を含有する廃水の廃水処理または有機化合物等もしくは重金属で汚染された土壌、地下水等の浄化処理のために有用な化学処理剤であることを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に掲げる(1)〜(36)を提供する。
[化学処理剤]
(1)水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素と、酵母溶解酵素と、グリセリンと、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸とを含有する化学処理剤。
(2)水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素とを混合し、混合液(A)を製造する工程と、
上記混合液(A)と、酵母溶解酵素と、グリセリンとを混合し、混合液(B)を製造する工程と、
上記混合液(B)と、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸と、水とを混合し、混合液(C)を製造する工程と
を備える、上記(1)に記載の化学処理剤の製造方法。
[重金属を含有する廃水の廃水処理方法]
(3)重金属を含有する廃水に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属を含有する廃水の廃水処理方法。
(4)重金属を含有する廃水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の廃水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属を含有する廃水の廃水処理方法。
(5)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から、上記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程と
を備える、上記(3)または(4)に記載の廃水処理方法。
(6)上記重金属が、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびこれらの化合物、錯体ならびにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、上記(3)〜(5)のいずれかに記載の廃水処理方法。
[重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法]
(7)重金属で汚染された土壌または底質と当該土壌または底質から当該重金属を溶出するための溶出液とを含む懸濁液に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
(8)重金属で汚染された土壌または底質と、当該土壌から当該重金属と溶出するための溶出液とを混合し、撹拌する懸濁工程と、
上記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
(9)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から、上記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程と
を備える、上記(7)または(8)に記載の浄化処理方法。
(10)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から固形分を分離する固形分分離工程と
を備える、上記(7)または(8)に記載の浄化処理方法。
(11)上記重金属が、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびこれらの化合物、錯体ならびにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、上記(7)〜(10)のいずれかに記載の浄化処理方法。
[重金属で汚染された地下水等の浄化処理方法]
(12)重金属で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の地下水または環境水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属を含有する地下水または環境水の浄化処理方法。
(13)上記pH調節工程の前に、さらに、
上記重金属で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程
を備える、上記(12)に記載の浄化処理方法。
(14)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から上記フェライト生成工程で生成したフェライトを分離し、回収するフェライト回収工程と
を備える、上記(12)または(13)に記載の浄化処理方法。
(15)上記重金属が、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびこれらの化合物、錯体ならびにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、上記(12〜14のいずれかに記載の浄化処理方法。
[有機化合物等を含有する廃水の廃水処理方法(I)]
(16)有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程
を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
(17)上記廃水が、さらに、鉄(II)イオンまたは銅(II)イオンを含有する、上記(16)に記載の廃水処理方法。
(18)上記有機化合物および/またはCOD成分が、シアン化合物、シアン化物イオン、シアノ錯体およびシアノ錯イオンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、上記(16)または(17)に記載の廃水処理方法。
[有機化合物等を含有する廃水の廃水処理方法(II)]
(19)有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
(20)有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の混合液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
(21)上記酸化分解工程の後に、さらに、
上記酸化分解工程で得られた処理水のpHを排出可能pH域に調節する中和工程
を備える、上記(19)または(20)に記載の廃水処理方法。
(22)上記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、上記(19)〜(21)のいずれかに記載の廃水処理方法。
[有機化合物等で汚染された土壌等の浄化処理方法]
(23)有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質と、当該有機化合物および/またはCOD成分を溶出するための溶出液とを混合し、懸濁する懸濁工程と、
上記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた懸濁液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌の浄化処理方法。
(24)上記酸化分解工程の後に、さらに、
上記酸化分解工程で得られた懸濁液のpHを排出可能pH域に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた懸濁液から固形分を分離し、回収する固形分回収工程と
を備える上記(23)に記載の浄化処理方法。
(25)上記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、上記(23)または(24)に記載の廃水処理方法。
[有機化合物等で汚染された地下水等の浄化処理方法]
(26)有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の水溶液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた水溶液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法。
(27)上記pH調節工程の前に、さらに、
上記有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程
を備える、上記(26)に記載の浄化処理方法。
(28)上記酸化分解工程の後に、さらに、
上記酸化分解工程で得られた処理水のpHを排出可能pH域に調節する中和工程
を備える、上記(26)または(27)に記載の浄化処理方法。
(29)上記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、上記(26)〜(28)のいずれかに記載の廃水処理方法。
[有機化合物等と重金属とを含有する廃水の廃水処理方法]
(30)有機化合物および/またはCOD成分と重金属とを含有する廃水の廃水処理のための、上記(16)〜(22)のいずれかに記載の廃水処理方法と上記(3)〜(6)のいずれかに記載の廃水処理方法との組合せ。
[有機化合物等と重金属とで汚染された土壌等の浄化処理方法]
(31)有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された土壌または底質の浄化処理のための、上記(23)〜(25)のいずれかに記載の浄化処理方法と上記(7)〜(11)のいずれかに記載の浄化処理方法との組合せ。
[有機化合物等と重金属とで汚染された地下水等の浄化処理方法]
(32)有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された地下水または環境水の浄化処理のための、上記(26)〜(29)のいずれかに記載の浄化処理方法と上記(12)〜(15)のいずれかに記載の浄化処理方法との組合せ。
[化学処理剤の殺菌剤・洗浄剤としての用途]
(33)上記(1)に記載の化学処理剤の殺菌剤または洗浄剤としての使用。
(34)上記(1)に記載の化学処理剤を循環水に添加する工程
を備える、循環水中での微生物の増殖を防止する方法。
(35)微生物が付着した物品と上記(1)に記載の化学処理剤とを接触させる工程
を備える、微生物が付着した物品の殺菌方法または洗浄方法。
(36)上記接触させる工程において、上記微生物が付着した物品を、上記化学処理剤を含有する水溶液に浸漬する、上記(35)に記載の殺菌方法または洗浄方法。
本発明によれば、有機化合物等もしくは重金属を含有する廃水の廃水処理または有機化合物等もしくは重金属で汚染された土壌、地下水等の浄化処理のために有用な化学処理剤を提供することができる。
本発明の化学処理剤を使用すると、重金属を含有する廃水の廃水処理、または重金属で汚染された土壌、地下水等の浄化処理を化学処理(フェライト法)によって行う場合に、水酸化物を酸化する工程において、空気酸化フェライト法のような加熱処理を必要としない。このため、加熱に係るエネルギーコストを削減でき、さらに加熱のための設備が不要であるので、その設備自体のコストも削減することができる。
本発明の化学処理剤を使用すると、有機化合物等を含有する廃水の廃水処理、または有機化合物等で汚染された土壌、地下水等の浄化処理を化学処理(酸化分解法)によって行う場合に、フェントン法のような過酸化水素の添加を必要としない。このため、過酸化水素に係る処理剤コストを削減でき、しかも余剰の過酸化水素が発生しないので、その処理コストも削減することができる。
[化学処理剤およびその製造方法]
本発明の化学処理剤は、水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素と、酵母溶解酵素と、グリセリンと、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸とを含有する水系組成物である。
上記化学処理剤は、水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素とを混合し、混合液(A)を調製する工程、前記混合液(A)と、酵母溶解酵素と、グリセリンとを混合し、混合液(B)を調製する工程、および前記混合液(B)と、水と、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸とを混合し、混合液(C)を調製する工程、を含む製造方法によって製造することができる。
上記混合液(C)は、そのまま本発明の化学処理剤として使用してもよいし、水その他の希釈剤で希釈して、本発明の化学処理剤として使用してもよい。
以下、本発明の化学処理剤およびその製造方法について詳細に説明する。
〈混合液(A)〉
上記混合液(A)は、水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素とを混合し、調製することができる。所望により、さらにインキュベートしてもよい。
上記混合液(A)の調製後、直ちに混合液(B)を調製する工程を行うことが望ましいが、すぐに混合液(B)を調製する工程を行わないときは、調製した混合液(A)を、紫外線を避けて0〜5℃で保存してもよい。
《水》
上記水は、特に限定されないが、電気抵抗率1MΩ・cm(25℃)以上、すなわち電気伝導率1μS/cm(25℃)以下であるものが好ましく、電気抵抗率10MΩ・cm(25℃)以上、すなわち電気伝導率0.1μS/cm(25℃)以下であるものがより好ましい。
上記水としては、例えば、日本薬局方精製水、滅菌精製水、注射用水等、JIS K 0557:1998 A2〜A4の水を使用することができ、いわゆる工業用精製水を使用することもできる。また、上記水としては、例えば、水道水、井戸水、地下水等をそのまま、またはそれらを、蒸留、ろ過および/またはイオン交換等の手法で精製した精製水を使用することもできる。
《ヘキサメタリン酸塩》
上記ヘキサメタリン酸塩は、水溶性のものであれば特に限定されないが、水溶性の金属塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩またはカリウム塩がさらに好ましく、ナトリウム塩がいっそう好ましい。
上記ヘキサメタリン酸塩としてヘキサメタリン酸ナトリウムを使用する場合、ヘキサメタリン酸ナトリウムは、組成式(NaPOで表されるヘキサメタリン酸ナトリウム(CAS# 10124−56−8)のみに限定されず、化学式(NaPOで表されるものの混合物であってもよい(好ましいn=5.8〜6.2)。また、グレードは特に限定されず、工業用、食品用、試薬用その他各種のグレードのものを使用することができる。
上記ヘキサメタリン酸塩の配合量は、特に限定されないが、上記ヘキサメタリン酸塩としてヘキサメタリン酸ナトリウムを使用する場合には、上記混合液(A)中で、上記水4000質量部に対して、好ましくは800〜1600質量部、より好ましくは900〜1500質量部、さらに好ましくは1000〜1400質量部、いっそう好ましくは1100〜1300質量部である。
上記ヘキサメタリン酸塩として、ヘキサメタリン酸ナトリウム以外のヘキサメタリン酸塩を使用する場合は、モル数が同程度となるように、分子量に基づいて、配合量を調節することが望ましい。
《グルタチオン還元型》
上記グルタチオン還元型は、特に限定されず、CAS# 70−18−8のものを使用することができる。
上記グルタチオン還元型の配合量は、特に限定されないが、上記混合液(A)中で、上記水4000質量部に対して、好ましくは0.010〜1.000質量部、より好ましくは0.050〜0.400質量部、さらに好ましくは0.100〜0.400質量部、いっそう好ましくは0.150〜0.350質量部である。
《グリセロール脱水素酵素》
上記グリセロール脱水素酵素(グリセロール:NAD 2−オキシドレダクターゼ)は、特に限定されず、EC 1.1.1.6のものを使用することができる。
上記グリセロール脱水素酵素の配合量は、特に限定されないが、上記グリセロール脱水素酵素として単位質量あたりの酵素活性が50U/mgのものを使用する場合には、上記混合液(A)中で、上記水4000質量部に対して、好ましくは0.001〜0.050質量部、より好ましくは0.001〜0.030質量部、さらに好ましくは0.005〜0.020質量部、いっそう好ましくは0.008〜0.015質量部である。
上記グリセロール脱水素酵素として、単位質量あたりの酵素活性(U/mg)が異なるものを使用する場合には、酵素活性が全体として同程度となるように配合量(mg)を調節することが望ましい。
《混合》
各成分は、2回以上に分けて、他の成分と混合してもよい。
各成分の混合は、ビーカー、三角フラスコ等のガラス製容器、ポリビン等のポリ容器、その他従来公知の容器を使用して行うことができる。
各成分の混合中の温度は、特に限定されず、室温(例えば、20±15℃)であってもよいが、15℃以下が好ましく、0〜10℃がより好ましい。
《インキュベート》
さらにインキュベートする場合は、インキュベーション温度は、特に限定されず、作業環境温度または室温(例えば、20±15℃)であってもよいが、0〜8℃が好ましく、0〜5℃がより好ましい。温度の調節は、従来公知の方法により行うことができるが、温度調節機能付きのインキュベーター、恒温槽、冷蔵庫等を使用することが望ましい。
インキュベートする時間は、特に限定されず、混合後、次の工程に進むまでの間に不可避的に発生する短時間であってもよいが、5日間以上が好ましく、7日間以上がより好ましく、7〜10日間がさらに好ましい。
インキュベートする際の他の条件は、特に限定されないが、大気中で行い、直射日光および紫外線を避け、撹拌を行わず、静置することが好ましい。インキュベートする場合には、暗所でインキュベートすることが望ましい。暗所でインキュベートすると、混合液の安定性が向上し、インキュベート時間を概ね半分まで短縮することができる。
〈混合液(B)〉
上記混合液(B)は、上記混合液(A)と、酵母溶解酵素と、グリセリンとを混合し、調製することができる。所望により、さらにインキュベートしてもよい。
上記混合液(B)の調製後、直ちに混合液(C)を調製する工程を行うことが望ましいが、すぐに混合液(C)を調製する工程を行わないときは、紫外線を避けて0〜10℃で保存してもよい。
《酵母溶解酵素》
上記酵母溶解酵素は、酵母細胞壁の(1→3)−β−D−グルカンの(1→3)−β−D−グルコシド結合を加水分解するβ−1,3−グルカナーゼ(EC 3.2.1.39)活性等の酵母細胞壁溶解活性を有するものであれば、特に限定されず使用することができる。
上記酵母溶解酵素の配合量は、特に限定されないが、上記酵母溶解酵素として単位質量あたりの酵素活性が5000U/gのものを使用する場合には、上記混合液(B)中で、上記混合液(A)5200質量部に対して、好ましくは10〜300質量部、より好ましくは30〜250質量部、さらに好ましくは50〜200質量部、いっそう好ましくは80〜170質量部である。
上記酵母溶解酵素として、単位質量あたりの酵素活性(U/g)が異なるものを使用する場合には、酵素活性が全体として同程度となるように配合量(g)を調節することが望ましい。
上記酵母溶解酵素としては、具体的には、例えば、酵母溶解酵素(関東化学社製,5000U/g)、Zymolyase−20T(MPバイオメディカルズ社製,20000U/g)、Westase(タカラバイオ社製,35000U/g)等を使用することができる。
《グリセリン》
上記グリセリンは、特に限定されず、CAS# 56−81−5のものを使用することができる。また、上記グリセリンは、試薬グレードのものに限定されず、工業用、食品(添加)用等も使用することができる。
上記グリセリンの配合量は、特に限定されないが、上記混合液(B)中で、上記混合液(A)5200質量部に対して、好ましくは500〜1600質量部、より好ましくは700〜1400質量部、さらに好ましくは800〜1200質量部、いっそう好ましくは900〜1100質量部である。
《混合》
各成分は、2回以上に分けて、他の成分と混合してもよい。
各成分の混合は、ビーカー、三角フラスコ等のガラス製容器、ポリビン等のポリ容器、その他従来公知の容器を使用して行うことができる。
各成分の混合中の温度は、特に限定されないが、室温(例えば、20±15℃)であってもよいし、0〜10℃もしくは0〜5℃の低温であってもよい。
《インキュベート》
さらにインキュベートする場合は、インキュベーション温度は、特に限定されず、作業環境温度または室温(例えば、20±15℃)であってもよいが、35〜42℃が好ましく、37〜40℃がより好ましい。温度の調節は、従来公知の方法により行うことができるが、温度調節機能付きのインキュベーター、恒温槽、冷蔵庫等を使用することが望ましい。
インキュベートする時間は、特に限定されず、混合後、次の工程に進むまでの間に不可避的に発生する短時間であってもよいが、3日間以上が好ましく、5日間以上がより好ましく、5〜7日間がさらに好ましい。
インキュベートする際の他の条件は、特に限定されないが、大気中で行い、直射日光および紫外線を避け、撹拌を行わず、静置することが好ましい。
〈混合液(C)〉
上記混合液(C)は、上記混合液(B)と、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸と、水とを混合し、調製することができる。所望により、さらにインキュベートしてもよい。
上記混合液(C)は、原液のまま、または水で希釈して、本発明の化学処理剤として使用することができる。また、本発明の化学処理剤は、さらに希釈して使用することもできる。
上記混合液(C)を水で希釈する場合は、上記混合液(C)の調製後、直ちに希釈することが望ましいが、すぐに希釈をしないときは、原液のまま、紫外線を避け、常温(20±15℃)で保管することが望ましい。
上記混合液(C)を原液のまま本発明の化学処理剤として使用する場合は、速やかに使用することが望ましいが、紫外線を避け、常温(20±15℃)保管してもよい。
上記混合液(C)を希釈して本発明の化学処理剤として使用する場合は、速やかに使用することが望ましいが、紫外線を避け、常温(20±15℃)保管してもよい。
《ペルオキソ二硫酸塩》
上記ペルオキソ二硫酸塩は、水溶性の塩であれば特に限定されないが、水溶性の金属塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩またはカリウム塩がさらに好ましく、ナトリウム塩がいっそう好ましい。
上記ペルオキソ二硫酸塩として、ペルオキソ二硫酸ナトリウムを使用する場合は、ペルオキソ二硫酸ナトリウムは、CAS# 7775−27−1のものが好ましい。また、ペルオキソ二硫酸ナトリウムのグレードは、特に限定されず、各種のグレードのものを使用することができる。
上記ペルオキソ二硫酸塩としてペルオキソ二硫酸ナトリウムを使用する場合、その配合量は、特に限定されないが、上記混合液(C)中で、上記混合液(B)800質量部に対して、好ましくは1000〜4000質量部、より好ましくは1500〜3500質量部、さらに好ましくは1750〜3250質量部、いっそう好ましくは2000〜3000質量部である。
上記ペルオキソ二硫酸塩として、ペルオキソ二硫酸ナトリウムに代えて、ペルオキソ二硫酸カリウム等、ペルオキソ二硫酸ナトリウム以外の水溶性金属塩を使用するときは、分子量に基づいて配合量を調節することが望ましい。
《エチレンジアミン四酢酸》
上記エチレンジアミン四酢酸は、特に限定されず、CAS# 60−00−4のものを使用することができる。
上記エチレンジアミン四酢酸の配合量は、特に限定されないが、上記混合液(C)中で、上記混合液(B)800質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜90質量部、さらに好ましくは30〜80質量部、いっそう好ましくは30〜60質量部である。
上記エチレンジアミン四酢酸として、エチレンジアミン四酢酸に代えて、エチレンジアミン四酢酸の水溶性塩を使用してもよく、具体的には、例えば、エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム二水和物、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムマグネシウム水和物等の金属塩(水和物を含む)を使用することができる。
上記エチレンジアミン四酢酸として、エチレンジアミン四酢酸の水溶性塩を使用する場合は、全体的なモル数が同程度となるように、分子量に基づいて、配合量を調節することが望ましい。
《水》
上記水は、特に限定されないが、電気抵抗率1MΩ・cm(25℃)以上、すなわち電気伝導率1μS/cm(25℃)以下であるものが好ましく、電気抵抗率10MΩ・cm(25℃)以上、すなわち電気伝導率0.1μS/cm(25℃)以下であるものがより好ましい。
上記水としては、例えば、日本薬局方精製水、滅菌精製水、注射用水等、JIS K 0557:1998 A2〜A4の水を使用することができ、いわゆる工業用精製水を使用することもできる。また、上記水としては、例えば、水道水、井戸水、地下水等をそのまま、またはそれらを、蒸留、ろ過および/またはイオン交換等の手法で精製した精製水を使用することもできる。
上記水の配合量は、特に限定されず、上記混合液(B)、上記ペルオキソ二硫酸塩、および上記エチレンジアミン四酢酸を溶解できる量であればよい。混合液(C)の全量は、溶質が沈殿しない量であれば特に限定されないが、上記混合液(B)600質量部に対して、好ましくは10000〜100000質量部、より好ましくは10000〜40000質量部、さらに好ましくは10000〜20000質量部となる量である。
《混合》
各成分は、2回以上に分けて、他の成分と混合してもよい。
各成分の混合は、ビーカー、三角フラスコ等のガラス製容器、ポリビン等のポリ容器、その他従来公知の容器を使用して行うことができる。
各成分を混合中の温度は、特に限定されないが、室温(例えば、20±15℃)であってもよいし、0〜10℃もしくは0〜5℃の低温であってもよい。
《インキュベート》
インキュベートする場合は、インキュベーション温度は、特に限定されないが、作業環境温度または室温(例えば、20±15℃)が好ましい。温度の調節は、行わなくてもよいが、従来公知の方法により行ってもよく、温度調節機能付きのインキュベーター、恒温槽、冷蔵庫等を使用することが望ましい。
インキュベートする時間は、特に限定されず、混合後、使用するまでの間であってもよいが、5日間以上が好ましく、7日間以上がより好ましく、7〜14日間がさらに好ましい。
インキュベートする際の他の条件は、特に限定されないが、大気中で行い、直射日光および紫外線を避け、撹拌を行わず、静置することが好ましい。インキュベートする場合には、暗所でインキュベートすることが望ましい。暗所でインキュベートすると、混合液の安定性が向上し、インキュベート時間を概ね半分まで短縮することができる。
なお、本明細書において、精製水4000gに、ヘキサメタリン酸ナトリウム1200gと、グルタチオン還元型200mgと、グリセロール脱水素酵素10mgとを添加して撹拌・混合し、さらに0〜5℃、常圧(概ね1013hPa)で、7日間、インキュベートして混合液(A)を調製し、当該混合液(A)5200gに、酵母溶解酵素100gと、グリセリン1020gとを添加して撹拌・混合し、さらに、37〜40℃、常圧(概ね1013hPa)で、5日間、インキュベートして混合液(B)を調製し、精製水10000gに、当該混合液(B)600gと、ペルオキソ二硫酸ナトリウム2500gと、エチレンジアミン四酢酸40gとを添加して撹拌・混合し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、紫外線を避け、インキュベートして混合液(C)を調製し、当該混合液(C)の全量を水で20000質量部として製造される化学処理剤を、特に、「標準化学処理剤」という場合がある。
[重金属の処理方法および有機化合物等の処理方法]
I.重金属の処理方法および有機化合物等の処理方法に共通の項目
1.化学処理剤
化学処理剤の使用方法において、本発明の化学処理剤の添加濃度または添加量に関する記載は、特に断りのない限り、標準化学処理剤を用いるときの添加濃度または添加量をいうものとする。
本発明の重金属の処理方法(常温酸化フェライト法)においては、本発明の化学処理剤の添加量は、特に限定されず、フェライト化する重金属の種類、量等によって適宜設定することが好ましく、処理対象に含有される重金属を十分にフェライト化することができる添加量とすることがさらに好ましい。
上記化学処理剤の添加量は、例えば、標準化学処理剤を用いるときの添加濃度で、好ましくは100〜10000ppm、より好ましくは100〜5000ppm、さらに好ましくは500〜2000ppmとすることができるが、これらに限定されない。
上記化学処理剤を添加し、混合する方法は、特に限定されない。混合方法としては、例えば、撹拌、拡散、振盪、振盪等が挙げられ、これらの混合方法を対象混合液が十分に混合されるまで行うことが望ましい。
本発明の有機化合物等の処理方法(酸化分解法)においては、本発明の化学処理剤の添加量は、特に限定されず、酸化分解する有機化合物等の種類、量等によって適宜設定することが好ましく、処理対象に含有される有機化合物等を十分に酸化処理することができる添加量とすることがさらに好ましい。
上記化学処理剤の添加量は、例えば、標準化学処理剤を用いるときの添加濃度で、好ましくは10〜10000ppm、より好ましくは10〜5000ppmとすることが、さらに好ましくは10〜1000ppm、いっそう好ましくは10〜100ppmとすることができるが、これらに限定されない。
上記化学処理剤を添加し、混合する方法は、特に限定されない。混合方法としては、例えば、撹拌、拡散、振盪、浸透等が挙げられ、これらの混合方法を対象混合液が十分に混合されるまで行うことが望ましい。
2.重金属
重金属は、特に限定はされないが、従来のフェライト法(空気酸化フェライト法)によって金属フェライト化が可能な重金属が好ましい。
上記重金属としては、例えば、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、As(砒素)、Mo(モリブデン)、Zr(ジルコニウム)、Ag(銀)、Cd(カドミウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)等が挙げられ、これらからなる群から選択される少なくとも1つの重金属が好ましい。
上記重金属は、廃液、土壌溶出液または地下水等においては、概ね、解離状態で含有され、土壌においては、非解離状態でも含有される。例えば、重金属がクロム(Cr)である場合には、解離状態としては、Cr3+、Cr6+、CrO 2−、Cr 2−、[Cr(OH)]等が挙げられ、非解離状態としては、Cr、PbCrO等が挙げられる。
3.有機化合物等
本発明において、「有機化合物等」とは、「有機化合物および/またはCOD成分」をいう。
(1)有機化合物
有機化合物とは、炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物(一酸化炭素、二酸化炭素、金属炭酸塩、青酸、金属青酸塩、金属シアン酸塩、金属チオシアン酸塩その他の歴史的に無機化合物として扱われるものを除く。)をいう。
(2)COD成分
COD成分とは、JIS K 0102:2008 17(100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)、19(アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)または20(二クロム酸カリウムによる酸素消費量)に定める測定方法によって、CODMn、CODOHまたはCODCrとして測定されるものをいう。COD成分は、特に限定されないが、COD成分であって上記有機化合物に含まれないもの(「無機系COD成分」という。)が好ましい。無機系COD成分としては、特に限定されないが、シアン化物イオン、シアン化水素、無機シアン化物、金属シアン酸塩、チオシアン酸イオン、金属チオシアン酸塩、硫化水素、硫化物イオン、チオ硫酸イオン等が挙げられる。
(3)有機化合物および/またはCOD成分
上記有機化合物および/またはCOD成分としては、具体的には、例えば、デンプン、ショ糖、ブドウ糖等の糖類;エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性合成ポリマー;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール等の水溶性ビニル系モノマー;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド等の飽和脂肪族含酸素化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の界面活性剤;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン等の有機ハロゲン化合物;ベンゼン、フェノール等の芳香族化合物;チウラム、シマジン、チオベンカルブ等の農薬;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄、カドミウム等のシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオン、過酸化水素等の無機COD成分;などが挙げられ、これらから選択される少なくとも1つが好ましい。
4.廃水
本発明において「廃水」は、工場廃水(工場排水)、家庭廃水(家庭排水)、下水等を含む。
重金属を含有する廃水としては、例えば、化学系の実験室、研究所等から排出される実験廃液、鉱山からの廃液、めっき工場、製錬工場、製鉄工場等から排出される産業廃水等のほか、重金属を含有する下水道水、重金属で汚染された土壌等から溶出した重金属を含有する溶出液等も挙げられる。
有機化合物等を含有する廃水としては、例えば、化学系の実験室、研究所等から排出される実験廃液、染色工場、製紙工場、めっき工場、食品工場等から排出される産業廃水等のほか、有機化合物等を含有する下水道水、有機化合物等で汚染された土壌等から溶出した有機化合物等を含有する溶出液等も挙げられる。
廃水処理は、反応器を用いる場合には、連続式、回分式(バッチ式)等の方法を用いてすることができる。
5.土壌等
本発明において、「土壌等」とは、土壌または底質をいう。
重金属で汚染された土壌等としては、例えば、精錬工場跡地、めっき工場跡地等の土壌、重金属を含有する廃水が流入した河川、湖沼等の底質などが挙げられる。
有機化合物等で汚染された土壌等としては、例えば、機械工場跡地、クリーニング工場跡地、燃料流出事故現場等の土壌、有機化合物等を含有する廃水が流入した河川、湖沼等の底質などが挙げられる。
浄化処理は、反応器を用いる場合には、連続式、回分式(バッチ式)等の方法を用いてすることができる。また、反応器を用いずに、土壌に水、pH調節剤(土壌のpHを調節するためのアルカリまたは酸)、鉄(II)塩の水溶液、本発明の化学処理剤その他必要な試薬等を直接注入してもよい。この場合、土壌は、土地から掘り起こしたものであってもよいし、土地そのものであってもよい。本発明の化学処理剤等を土地に直接注入するときは、周囲の土地と隔離するため、地中に堰、ダム等を設けることが望ましい。
6.地下水等
本発明において、「地下水等」とは、地下水または環境水下をいう。
上記環境水は、公共用水域(河川、湖沼、港湾、沿岸海域、公共溝渠、かんがい用水路、その他公共の用に供される水域や水路(下水道を除く))の水をいう。
重金属で汚染された地下水等としては、例えば、重金属で汚染された土壌から溶出した重金属で汚染された地下水、重金属を含有する廃水が流入した公共用水域の水などが挙げられる。
浄化処理は、採取(流路を分岐し、一時的に貯留することを含む)した地下水等を処理対象とする場合には、連続式、回分式(バッチ式)等の方法を用いてすることができる。また、原位置で地下水等を処理対象とする場合は、本発明の化学処理剤等の流失を防止するため、堰、ダム(地下に設置するものを含む。)等を用いて閉鎖水域を形成し、浄化処理を行うことが望ましい。
7.鉄(II)塩
鉄(II)塩は、水溶性の鉄(II)塩であれば特に限定されないが、硫酸第一鉄または塩化第一鉄が好ましく、硫酸第一鉄がより好ましい。
上記鉄(II)塩は、結晶のまま添加してもよいし、水溶液として添加してもよい。結晶のまま添加する場合には、無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
上記鉄(II)塩の水溶液は、鉄(III)化合物または鉄(III)イオンを還元して得られる鉄(II)化合物および/または鉄(II)イオンを含有するものであってもよい。
鉄(II)塩としては、特に、硫酸第一鉄・七水和物が好ましい。
(重金属の処理方法)
本発明の重金属の処理方法(常温酸化フェライト法)においては、鉄(II)塩の添加量は、重金属の種類、量その他の諸条件によって変動するため、一律に決定することはできない。
一応の基準としては、例えば、鉄(II)塩として、硫酸鉄(II)・七水和物(FeSO・7HO)1.4kgを使用して、フェライト化可能な重金属の量は、Zn 2000mg、Cu 2000mg、Ni 2000mg、Mn 1000mg、Pb 800mg、Cd 600mg、Cr 1000mg、As 1000mg、Fe 2000mg程度を基準として、これを基に必要量を計算により求めることが望ましい。ただし、これらに限定されるものではない。
(有機化合物等の処理方法)
本発明の有機化合物等の処理方法(酸化分解法)においては、鉄(II)塩の添加量は、有機化合物の種類、量その他の諸条件によって変動するため、一律に決定することはできない。
一応の基準としては、例えば、廃水1000gに対して、硫酸第一鉄・七水和物で、0.5〜50.0gとすることが好ましく、0.5〜10.0gとすることがより好ましく、0.5〜5.0gとすることがさらに好ましい。ただし、これらに限定されるものではない。
(全有機体炭素(TOC))
本発明の有機化合物の処理方法(酸化分解法)では、COD濃度を低減した方法を何ら改変することなく、全有機体炭素(TOC)濃度を低減することもできる。TOC濃度測定の方法は、特に限定されないが、例えば、有機体炭素(TOC)自動計測器を用いて全有機体炭素(TOC)濃度を測定することができる。
8.銅(II)塩
銅(II)塩は、水溶性の銅(II)塩であれば特に限定されないが、硫酸第二銅または塩化第二銅が好ましく、硫酸第二銅がより好ましい。
上記銅(II)塩は、結晶のまま添加してもよいし、水溶液として添加してもよい。結晶のまま添加する場合には、無水物であってもよいし、水和物であってもよい。
銅(II)塩としては、特に、硫酸第二銅・五水和物が好ましい。
本発明の有機化合物等の処理方法(酸化分解法)においては、銅(II)塩の添加量は特に限定されないが、銅(II)イオンとして、好ましくは1ppm以上、より好ましくは5ppm以上である。
9.pH調節工程
本発明において、pH調節工程は、水溶液、混合液、懸濁液等のpHをpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上に調節する工程をいう。
pHの調節は、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、水溶液、混合液、懸濁液等に、水酸化ナトリウム(固体、水溶液)および/または硫酸、塩酸等の酸(水溶液)を添加することにより、所定のpHに調節することができる。pHを調節する際には、pHメーター等を用いて、pHを測定しながら行うことが望ましい。
10.中和工程
本発明において、中和工程は、重金属のフェライト化処理または有機化合物等の酸化分解処理を行った後の水溶液、混合液、懸濁液等のpHを排出可能pH域に調節する工程をいう。
上記排出可能pH域は、下水道や公共用水域に排出することができるpH域であれば特に限定されないが、好ましくはpH5.0〜9.0、より好ましくはpH5.8〜8.6、さらに好ましくはpH6.0〜8.0である。
11.フェライト回収工程
本発明において、フェライト回収工程は、生成したフェライトを含む混合液(懸濁液)から、当該フェライトを分離し、回収する工程をいう。フェライトは再資源化可能な重金属を含有するため、省資源化の観点からフェライトを回収することが望ましい。
フェライトを分離し、回収する方法は、特に限定されず、例えば、脱水、遠心分離、ろ過、沈降等従来公知の方法を用いることができる。フェライトの分離・回収方法としては、フェライトが磁性をもつことを利用する方法が好ましく、具体的には、例えば、磁選機器を用いる方法が好ましい。
ここで、上記磁選機器としては、特に限定されず、例えば、各社から販売されている永久磁石式または電磁石式のものを使用することができる。
II.重金属の処理方法
1.従来のフェライト法
従来のフェライト法(空気酸化フェライト法)は、重金属を強磁性のフェライトにした後、磁気等を用いて分離除去する処理技術であり、化学的な処理で重金属をフェライト化するところに特徴がある。
空気酸化フェライト法の原理は、重金属イオンを含む廃液中に硫酸第一鉄を適当量加え、アルカリを添加してpH9〜10にした後、60〜70℃に加熱しながら空気酸化を行うと、重金属イオンを含む強磁性スピネルフェライトの結晶が生成するというものである。この結晶は磁気によって分離回収することができる。
スピネルフェライトとは、安定なスピネル形結晶構造を有する亜鉄酸塩の総称であり、MO・Fe(Mは2価金属を表す)と表される。
2価の鉄イオンFe2+と、2価の金属イオンM2+との混合水溶液に、当量以上のアルカリを添加すると、次式により混合水酸化物またはこれらの固溶体が生成する。
xM2++(3−x)Fe2++6OH → MFe(3−x)(OH)
ついで、この懸濁水溶液を特定の条件下で空気酸化すると、次式によって、フェライトが生成する。
Fe(3−x)(OH)+1/2O → MFe(3−x)+3H
この空気酸化フェライト化法によってスピネルフェライト化できる重金属として、Mg、Al、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、As、Mo、Zr、Ag、Cd、Sn、Pbなどがあげられている。
一方、フェライト化できない金属として、Hg、Be、Tlがあげられる。
フェライト化法の特徴は、多種類の金属を同時に除去できる点にあり、また、フェライト沈殿物が容易に水から分離できることも利点の一つである。
このような特性を利用して、例えば、研究所の実験廃液の処理に用いられている。
2.本発明のフェライト法
本発明のフェライト法は、本発明の化学処理剤を用いて混合水酸化物またはその固溶体の酸化を行うことを特徴とする。この際、空気酸化フェライト法では、混合水酸化物を含む溶液を60〜70℃で20〜30分間加熱する必要があるが、本発明の方法では、加熱する必要がなく、常温(20±15℃、概ね20℃が好ましい。)で、重金属の種類や、溶液中の有機物によっても異なるが、概ね、20〜480分間撹拌することによって酸化を行うことができる。これにより、加熱のためのコストが不要になるとともに、フェライト法を行うための処理設備を簡略化することができ、設置も容易になる。廃水の処理や、土壌の処理のために、現場に設置することも容易である。
なお、本発明のフェライト法は、常温で水酸化物を酸化してフェライト化を行うという特徴があるため、「常温酸化フェライト法」という場合がある。
(1)重金属を含有する廃水の廃水処理方法
本発明の重金属を含有する廃水の廃水処理方法は、重金属を含有する廃水に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程とを備えることを特徴とする。
なお、特に断りがない限り、本浄化処理方法の各工程は、常温(20±15℃、好ましくは概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)の条件下で行われることが望ましい。
上記水酸化物生成工程は、重金属を含有する廃水に、pH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する工程である。
本工程では、重金属と鉄との混合水酸化物またはその固溶体が形成される。
混合は撹拌によってもよく、撹拌をする場合の撹拌時間は、特に制限されないが、混合水酸化物またはその固溶体を十分に生成させるため、10分間以上撹拌をすることが望ましい。
上記フェライト生成工程は、水酸化物生成工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、混合する工程である。
水酸化物生成工程で得られる混合水酸化物またはその固溶体を含有する懸濁水溶液(混合液)に、本発明の化学処理剤を添加し、混合すると、空気酸化フェライト法のような加熱処理の必要がなく、上記混合水酸化物またはその固溶体がスピネルフェライト化され、フェライトの沈殿が形成される。
また、本発明の重金属を含有する廃水の廃水処理方法は、上記水酸化物生成工程の前に、さらに、重金属を含有する廃水のpHをpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上に調節するpH調節工程を備えてもよい。
また、本発明の重金属を含有する廃水の廃水処理方法は、上記フェライト生成工程の後に、さらに、上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程を備えてもよい。
また、本発明の重金属を含有する廃水の廃水処理方法は、上記中和工程の後に、さらに、上記中和工程で得られた混合液から、上記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程を備えてもよい。
なお、上記水酸化物生成工程は、上記廃水に、上記鉄(II)塩を添加し、溶解した後(または、上記鉄(II)塩の水溶液を添加し、混合した後)、pHをpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上に調節する鉄(II)塩添加・pH調節工程としてもよい。この場合には、当該鉄(II)塩添加・pH調節工程の前に、上記pH調節工程を行わなくてよい。
(2)重金属で汚染された土壌等の浄化処理方法
本発明の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法は、重金属で汚染された土壌または底質と、当該土壌または底質から当該重金属を溶出するための溶出液とを含む懸濁液に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程とを備えることを特徴とする。
なお、特に断りがない限り、本浄化処理方法の各工程は、常温(20±15℃、好ましくは概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)の条件下で行われることが望ましい。
上記水酸化物生成工程は、重金属で汚染された土壌または底質と当該土壌または底質から当該重金属を溶出するための溶出液とを含む懸濁液に、pH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する工程である。
本工程では、土壌から溶出された重金属と鉄との混合水産物またはその固溶体が形成される。
本発明の重金属の処理方法では、「溶出液」は、重金属を溶出するための液、または重金属を溶出した液をいい、工程によって異なる意味を持つ。特に区別する必要があるときは、「重金属を溶出するための溶出液」、「重金属を溶出した溶出液」等と表記する。
重金属を溶出するための溶出液は、土壌等から重金属を溶出することができる水系溶媒であれば特に限定されず、例えば、水(水道水、河川水、湖沼水、海水等を含む。)、酸(希塩酸、希硫酸等を含む。)、緩衝液等(塩酸−塩化カリウム緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液等を含む。)が挙げられる。溶出液のpHは特に限定されないが、酸性pH域のものが好ましく、pH3以下のものがより好ましく、pH1以下のものがさらに好ましい。
上記懸濁液は、重金属を溶出した溶出液に、固形分である土壌が分散されているものである。
上記懸濁液は、下記「懸濁工程」で、重金属で汚染された土壌または底質と溶出液とを混合し、調製することが望ましい。
上記フェライト生成工程は、水酸化物生成工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、混合する工程である。
本発明の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法は、上記水酸化物生成工程の前に、さらに、重金属で汚染された土壌または底質と、当該土壌から当該重金属と溶出するための溶出液とを混合し、撹拌する懸濁工程を備えてもよい。
上記懸濁工程において、土壌または底質から重金属を溶出するための溶出液は、特に限定されないが、pHを酸性域に調節した水または緩衝液が好ましく、pHを酸性域に調節した水がより好ましい。溶出液のpHを酸性域とすることで、土壌からの重金属が溶出しやすくなるからである。
溶出液と土壌または底質とを混合する方法および溶出液と土壌または底質との混合液を撹拌する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いて行うことができる。土壌または底質から十分に重金属を溶出するため、十分に撹拌することが望ましい。
本発明の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法は、上記懸濁工程の後、かつ、上記水酸化物形成工程の前に、上記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程を備えてもよい。
本発明の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法は、上記フェライト生成工程の後に、さらに、上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程を備えてもよい。
本発明の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法は、上記中和工程の後に、さらに、上記中和工程で得られた混合液から、上記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程、または上記中和工程で得られた混合液から固形分を分離する固形分分離工程を備えてもよい。
固形分分離工程について、以下に説明する。
重金属はフェライト化されて不溶化されているため、土壌とフェライトとを分離せず、土壌およびフェライトを含む固形分を混合液から分離し、回収してもよい。液状分を除去するだけで固形分を分離し、回収できるため、簡便である。
なお、上記水酸化物生成工程は、上記懸濁液に、上記鉄(II)塩を添加し、溶解した後(または、上記鉄(II)塩の水溶液を添加し、混合した後)、pHをpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上に調節する鉄(II)塩添加・pH調節工程としてもよい。この場合には、当該鉄(II)塩添加・pH調節工程の前に、上記pH調節工程を行わなくてよい。
(3)重金属で汚染された地下水等の浄化処理方法
本発明の重金属で汚染され地下水または環境水(「地下水等」という。)の浄化方法は、重金属で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、上記pH調節工程で得られたpH10以上の地下水または環境水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程とを備えることを特徴とする。
なお、特に断りがない限り、本浄化処理方法の各工程は、常温(20±15℃、好ましくは概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)の条件下で行うことが望ましい。
上記pH調節工程は、重金属で汚染された地下等のpHをpH10以上、好ましくはpH12以上に調節する工程である。
上記地下水等は、採取したもの(流路を分岐する等により、滞留させたものを含む。)であってもよいし、原位置のものであってもよい。
上記水酸化物生成工程は、上記pH調節工程で得られたpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上の地下水または環境水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する工程である。
上記フェライト生成工程は、水酸化物生成工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、混合する工程である。
本発明の重金属で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法は、上記pH調節工程の前に、さらに、上記重金属で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程を備えてもよい。
地下水または環境水を採取する方法は特に限定されない。
採取した地下水または環境水は、浄化処理後に、採取した場所に戻してもよい。
本発明の重金属で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法は、上記フェライト生成工程の後に、さらに、上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程を備えてもよい。
本発明の重金属で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法は、上記中和工程で得られた混合液から上記フェライト生成工程で生成したフェライトを分離し、回収するフェライト回収工程を備えてもよい。
なお、上記水酸化物生成工程は、上記地下水等に、上記鉄(II)塩を添加し、溶解した後(または、上記鉄(II)塩の水溶液を添加し、混合した後)、pHをpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上に調節する鉄(II)塩添加・pH調節工程としてもよい。この場合には、当該鉄(II)塩添加・pH調節工程の前に、上記pH調節工程を行わなくてよい。
III.有機化合物等の処理方法
1.従来の酸化分解法
従来の有機化合物および/またはCOD成分の処理方法としては、活性酸素を利用した酸化分解法が挙げられ、さらには、下位概念として、ヒドロキシラジカルを利用する促進酸化法が挙げられ、さらにその下位概念として、ヒドロキシラジカルを過酸化水素と鉄(II)塩を用いて発生させるフェントン法が挙げられる。
(酸化分解法)
有機化合物および/またはCOD成分を分解する技術としては、活性酸素種を利用した酸化分解法(酸化法)がある。活性酸素種としては、ヒドロキシラジカル(・OH)、スーパーオキシドアニオンラジカル(・O )、ヒドロペルオキシドラジカル(・OH)、一重項酸素()、過酸化水素(HOOH)等の狭義の活性酸素、オゾン(O)、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)等の広義の活性酸素などがある。促進酸化法がある。活性酸素を利用した酸化法の中でも、ヒドロキシラジカルを酸化剤として利用するものを促進酸化法という。
(促進酸化法)
促進酸化法では、オゾン(酸化還元電位2.07V)や過酸化水素(酸化還元電位1.77V)を酸化剤として直接利用するのではなく、それらの分解過程で生成される・OH(酸化還元電位2.85V)を利用する。
主な促進酸化法としては、過酸化水素を添加してのオゾン処理(O/H)、紫外線照射下でのオゾン処理(O/UV)、放射線や超音波照射下でのオゾン処理、電解下でのオゾン処理、高pH下でのオゾン処理などが提案されている。これらの方法の中で、O/Hは・OHの発生効率が高く、実際の水処理プラント設計に対して適合性があり、コスト的に優位であると言われている。また、これら以外の方法として、フェントン酸化、光触媒存在下での紫外線照射なども知られている。
(フェントン酸化処理法)
フェントン酸化処理法(単に「フェントン法」ともいう。)は、フェントン反応を廃水処理に応用した処理技術である。フェントン反応とは、酸性のpH域で過酸化水素に鉄(II)が触媒的に反応して複雑な連鎖反応が起こり、酸化力の強いヒドロキシラジカル(・OH)を発生させる方法で、反応式は次のようになる。
Fe2++H → Fe2++OH+・OH
ヒドロキシラジカルを発生させる方法は多々あるが、本反応はもっとも基本的な方法である。このヒドロキシラジカルは、酸化作用があることが重要なポイントである。フェントン反応で発生したヒドロキシラジカルの寿命は、わずか100万分の1秒程度であり、その酸化力は、スーパーオキシド(・O )やオゾン(O)をも凌ぎ、活性酸素種の中でも最強といえる。
フェントン酸化処理法の用途としては、有機化合物および/またはCOD成分の処理をはじめ、染色廃水の高度脱色処理、塗装業界での廃水処理、地下水汚染の浄化などがある。また、従来、土壌の原位置での汚染除去には、酸性pH条件を設定する必要があるため、フェントン酸化処理法を適用することが困難であったが、今日では、中性域でのフェントン反応を行う技術が提案され、フェントン酸化処理法は土壌中の有機化合物の化学分解処理にも利用されている。
2.本発明の酸化分解法
一方、本発明の酸化処理方法は、本発明の化学処理剤を使用することにより、強力な酸化力を提供し、その酸化力で有機化合物および/またはCOD成分を酸化分解するものである。
(1)有機化合物等を含有する廃水の廃水処理方法(A)
本発明の有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法は、有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、本発明の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程を備えることを特徴とする。
なお、特に断りがない限り、本浄化処理方法の各工程は、常温(20±15℃、好ましくは概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)の条件下で行われることが望ましい。
上記酸化分解工程は、廃水中の有機化合物等(「有機化合物および/またはCOD成分」をいう。)を、本発明の化学処理剤が提供する酸化力によって酸化分解する工程である。
上記有機化合物等は、特に限定されないが、シアン化合物、シアン化物イオン、シアノ錯体およびシアノ錯イオンからなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
上記廃水は、さらに、鉄(II)イオンまたは銅(II)イオンを含有することが好ましい。これらの金属イオンが触媒となり、酸化分解反応がいっそう速く進行するからである。
(2)有機化合物等を含有する廃水の廃水処理方法(B)
本発明の有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法は、また、有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、上記触媒添加工程で得られた混合液に、本発明の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程とを備えることを特徴とする。
なお、特に断りがない限り、本浄化処理方法の各工程は、常温(20±15℃、好ましくは概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)の条件下で行われることが望ましい。
上記触媒添加工程においては、撹拌をすることが望ましい。混合が促進されるからである。
上記酸化分解工程においては、撹拌をする時間は、特に限定されないが、有機化合物および/またはCOD成分が十分に酸化されるまで行うことが望ましい。溶存酸素量を測定することにより、反応の進行をみてもよい。
上記触媒添加工程の前に、さらに、有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水のpHをpH10以上、好ましくはpH11以上、より好ましくはpH12以上に調節するpH調節工程を備えてもよい。
上記酸化分解工程の後に、さらに、上記酸化分解工程で得られた処理水のpHを排出可能pH域に調節する中和工程を備えてもよい。
(3)有機化合物等で汚染された土壌等の浄化処理方法
本発明の有機化合物等で汚染された土壌等の浄化処理方法は、有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質と、当該有機化合物および/またはCOD成分を溶出するための溶出液とを混合し、懸濁する懸濁工程と、上記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、上記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、上記触媒添加工程で得られた懸濁液に、本発明の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程とを備えることを特徴とする。
本発明の有機化合物等の処理方法では、「溶出液」は、有機化合物等を溶出するための液、または有機化合物等を溶出した液をいい、工程によって異なる意味を持つ。特に区別する必要があるときは、「有機化合物等を溶出するための溶出液」、「有機化合物等を溶出した溶出液」等と表記する。
有機化合物等(「有機化合物および/またはCOD成分」をいう。)を溶出するための溶出液は、土壌等から有機化合物等を溶出することができる水系溶媒であれば特に限定されず、例えば、水(水道水、河川水、湖沼水、海水等を含む。)、緩衝液等(塩酸−塩化カリウム緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液等を含む。)またはこれらに界面活性剤(アニオン系、カチオン系、両性、ノニオン系など)を配合したもの等が挙げられる。pHは特に限定されず、有機化合物等の種類、土壌等その他の条件に合わせて適宜選択すればよい。
上記懸濁液は、有機化合物等を溶出した溶出液に、固形分である土壌が分散されているものである。
本発明の有機化合物等で汚染された土壌等の浄化処理方法は、上記酸化分解工程の後に、さらに、上記酸化分解工程で得られた懸濁液のpHを排出可能pH域に調節する中和工程を備えてもよい。
本発明の有機化合物等で汚染された土壌等の浄化処理方法は、上記中和工程の後に、さらに、上記中和工程で得られた懸濁液から固形分を分離し、回収する固形分回収工程を備えてもよい。
(4)有機化合物等で汚染された地下水等の浄化処理方法
本発明の有機化合物等で汚染された地下水等の浄化処理方法は、有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、上記pH調節工程で得られたpH10以上の水溶液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、上記触媒添加工程で得られた水溶液に、本発明の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程とを備えることを特徴とする。
なお、特に断りがない限り、本浄化処理方法の各工程は、常温(20±15℃、好ましくは概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)の条件下で行われることが望ましい。
本発明の有機化合物等で汚染された地下水等の浄化処理方法は、上記pH調節工程の前に、さらに、上記有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程を備えてもよい。
本発明の有機化合物等で汚染された地下水等の浄化処理方法は、上記酸化分解工程の後に、さらに、上記酸化分解工程で得られた処理水のpHを排出可能pH域に調節する中和工程を備えてもよい。
(5)有機化合物等と重金属とを含有する廃水の廃水処理方法
有機化合物等と重金属とを含有する廃水は、本発明の有機化合物および/またはCOD成分含有する廃水の廃水処理方法と、本発明の重金属を含有する廃水の廃水処理方法とを組み合わせることにより、その廃水処理をすることができる。
(6)有機化合物等と重金属とで汚染された土壌等の浄化処理方法
有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された土壌または底質は、本発明の有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質の浄化処理方法と、本発明の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法とを組み合わせることにより、その浄化処理をすることができる。
(7)有機化合物等と重金属とで汚染された地下水等の浄化処理方法
有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された地下水または環境水は、本発明の有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法と、本発明の重金属で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法とを組み合わせることにより、その浄化処理をすることができる。
[殺菌剤・洗浄剤]
本発明の化学処理剤は、殺菌剤または洗浄剤としても使用することができる。
本発明の化学処理剤を含有する水は、微生物の増殖を防止することができる。例えば、微生物が増殖することが望ましくない水、または微生物が増殖してはならない水に本発明の化学処理剤を添加すると、微生物の増殖を防止することができる。特に、循環使用する水(循環水)に適用すると、頻繁に水を交換する必要がなくなり、メンテナンスコストの圧縮をすることができるとともに、循環水が微生物で汚染されなくなるため、微生物汚染に起因する事象の発生がなくなる。
上記水中の本発明の化学処理剤の濃度は、特に限定されないが、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましく、50ppm以上がいっそう好ましい。
本発明の化学処理剤は、その殺菌力を活かし、微生物が付着した物品の洗浄のために使用することができる。具体的には、微生物が付着した物品と、本発明の化学処理剤とを接触させることにより、好ましくは、微生物が付着した物品を、本発明の化学処理剤を含有する水溶液に浸漬することにより、付着した微生物を殺菌し、物品の洗浄をすることができる。本発明の化学処理剤は、微生物の代謝産物である多糖類等も分解できるため、物品の表面を清浄な状態にすることができる。
上記水溶液中の本発明の化学処理剤の濃度は、特に限定されないが、5ppm以上が好ましく、15ppm以上がより好ましく、30ppm以上がさらに好ましく、50ppm以上がいっそう好ましく、100ppm以上がよりいっそう好ましい。
上記微生物は、細菌、ウイルス、カビ、酵母、原生動物等をいい、好ましくは細菌である。
上記細菌は、真正細菌(バクテリア)および古細菌(アーキア)を含み、特に限定されないが、好ましくは、大腸菌、大腸菌群、一般細菌および/または従属栄養細菌である。
大腸菌とは、EC培地において44.5℃で増殖し、乳糖を分解してガスを産生するグラム染色陰性、無芽胞の桿菌をいう。いわゆる糞便性大腸菌群である。
大腸菌数の測定方法は、特に限定されないが、例えば、平成15年厚生労働省告示第261号の別表第二に定める方法が挙げられる。
大腸菌群とは、グラム陰性の無芽胞桿菌で35℃、48時間以内に乳糖を分解して酸とガスを産生する好気性または通性嫌気性菌をいう。
大腸菌群数の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS K 0350−20−10:2001に定める方法が挙げられる。
一般細菌とは、標準寒天培地を用いて36±1℃で24時間培養したときに集落を形成する細菌をいう(平成15年厚生労働省告示第261号)。
一般細菌は、ヒトや動物の腸内に近い環境である、豊富な栄養分が存在する36℃の条件で繁殖する細菌ということもできる。したがって、一般細菌数を測定することにより、ヒトの体内で増殖する可能性のある細菌の存在量を確認することができる。例えば、水質基準では、「水道水1mL中に100個以下であること」と決められている。
一般細菌数の測定方法は、特に限定されないが、例えば、JIS K 0350−10−10:2002に定める方法や、平成15年厚生労働省告示第261号の別表第一に定める方法が挙げられる。
従属栄養細菌とは、有機栄養物を比較的低濃度に含む培地(例えば、R2A培地等)を用いて低温(例えば、20〜28℃)で長時間培養したとき、培地に集落を形成するすべての菌をいう。本来、水中には、自然の水環境を生息場所としている多数の細菌が存在し、これらは有機炭素濃度が数mg/L以下といった低有機栄養環境下で生息しているため、それらの環境に適応して微量の有機物を利用できる能力を獲得している。したがって、一般細菌試験で用いられる標準寒天のような高濃度の有機栄養を含む培地では増殖できないか、あるいは増殖できたとしても集落を形成するほどには増殖できないものが多い。
従属栄養細菌数の測定方法は、特に限定されないが、JIS K 0350−10−30:2002に定める方法が好ましい。
以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明する。本発明の範囲は実施例に限定されないことを確認的に記載しておく。
[化学処理剤の製造]
1.原材料
(1)ヘキサメタリン酸ナトリウム(CAS# 10124−56−8)
(2)グルタチオン還元型(CAS# 70‐18‐8)
(3)グリセロール脱水素酵素(EC 1.1.1.6;50U/mg)
(4)酵母溶解酵素(5000U/g;関東化学社製,#360954−N)
(5)グリセリン(CAS# 56−81−5)
(6)ペルオキソ二硫酸ナトリウム(CAS# 7775−27−1)
(7)エチレンジアミン四酢酸(CAS# 60−00−4)
(8)精製水(イオン交換水、電気抵抗率1MΩ・cm)
2.製造方法
(1)精製水4000gに、ヘキサメタリン酸ナトリウム1200gと、グルタチオン還元型200mgと、グリセロール脱水素酵素10mgとを添加して撹拌・混合し、さらに0〜5℃、常圧(概ね1013hPa)で、7日間、インキュベートした。この混合液を混合液(A)とした(表1の「混合液(A)」の欄を参照)。
(2)その後、混合液(A)5200gに、酵母溶解酵素100gと、グリセリン1020gとを添加して撹拌・混合し、さらに、37〜40℃、常圧(概ね1013hPa)で、5日間、インキュベートした。この混合液を混合液(B)とした(表1の「混合液(B)」の欄を参照)。
(3)その後、精製水16860gに、混合液(B)600gと、ペルオキソ二硫酸ナトリウム2500gと、エチレンジアミン四酢酸40gとを添加して撹拌・混合し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、紫外線を避け、インキュベートした。この混合液を混合液(C)とした(表1の「混合液(C)」の欄を参照)。
(4)混合液(C)を、そのまま、化学処理剤とした。以下の実施例では、この化学処理剤を「化学処理剤Y」ということとする。
Figure 2013184983
[重金属含有廃液のフェライト化処理]
重金属等の有害物質による環境汚染は、かつては大きな社会問題であった。このため、排水を規制する法律(水質汚濁防止法;昭和45年法律第138号)が誕生し、排水基準が設けられ、特定事業所から公共水域に排出される排水については規制が行われるようになった。
一律排水基準(昭和46年総理府令第35号)には、「人の健康に係る環境項目」に対応する有害物質の排水基準と「生活環境項目」に対応する排水基準が設けられている。例えば、「人の健康に係る環境項目」では、カドミウム及びその化合物、鉛及びその化合物、六価クロム化合物、砒素及びその化合物、水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物、アルキル水銀化合物等について、「生活関連項目」では、銅含有量、亜鉛含有量、溶解性鉄含有量、溶解性マンガン含有量、クロム含有量等について、排出基準が設けられている。
本実施例では、複数種類の重金属を含有する廃液について、本発明の化学処理剤を用いて、重金属のフェライト化を行い、除去することにより、一律排水基準を満たすように処理を行った。
1.試料、処理剤等
(1)廃液試料
銅、クロムおよび六価クロムを含有する廃液
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/w)
2.測定方法
重金属含有量の測定方法
廃液試料中の重金属含有量の測定は、昭和49年環境庁告示第64号に定める排出基準に係る検定方法により行った。すなわち、以下のとおりである。
(1)銅含有量
JIS K 0102 52.4に定める方法
(2)クロム含有量
JIS K 0102:2008 65.1.4に定める方法
(3)六価クロム化合物
JIS K 0102:2008 65.2.4に定める方法
3.試験方法
3−1.処理前の重金属含有量の測定
処理前の廃液試料中の銅含有量、クロム含有量および六価クロム化合物を上記測定方法により測定した。
3−2.重金属のフェライト化処理
(1)廃液試料1000gに、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHをpH12以上に調節した。
(2)硫酸第一鉄(結晶)10gを添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で撹拌・混合した。
(3)化学処理剤Yを、2000ppmの濃度となるように添加して、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、2時間、撹拌・混合を行い、重金属のフェライト化を行った。
(4)硫酸水溶液を加えてpHをpH7.5〜8.0にした。
(5)生成したフェライトを含む廃液試料を磁気分離機(ネオジム磁石使用、7500ガウス)にかけて固液分離し、フェライトを除去した。
3−3.処理後の重金属含有量の測定
処理前の廃液試料(固液分離した液相)中の銅含有量、クロム含有量および六価クロム化合物を上記測定方法により測定した。
4.試験結果
フェライト化処理前後の銅含有量、クロム含有量および六価クロムについての測定結果を、表2に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
(1)銅含有量
一律排水基準(許容限度)は、3mg/Lである。
銅含有量は、処理前には8.5mg/Lであったが、処理後には0.02mg/Lとなった。
よって、処理後の廃液は、一律排出基準を満たしている。
(2)クロム含有量
一律排水基準(許容限度)は、2mg/Lである。
クロム含有量は、処理前には72.0mg/Lであったが、処理後には0.01mg/L未満(検出限界未満)となった。
よって、処理後の廃液は、一律排出基準を満たしている。
(3)六価クロム化合物
一律排水基準(許容限度)は、0.5mg/Lである。
六価クロム化合物は、処理前には7.0mg/Lであったが、処理後には0.01mg/L未満(検出限界未満)となった。
よって、処理後の廃液は、一律排出基準を満たしている。
複数種類の重金属のフェライト化処理を同時にすることができ、しかも、一律排水基準を大きく下回ることができた。
[鉛で汚染された土壌の浄化処理]
土壌が有害物質により汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取したり、汚染された土壌から有害物質が溶け出した地下水を飲用すること等により人の健康に影響を及ぼすおそれがある。こうした土壌汚染は、これまで明らかになることが少なかったが、近年、企業の工場跡地等の再開発等に伴い、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化してきている。特に最近における汚染事例の判明件数の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した土壌汚染の事例数は、高い水準で推移してきている。これらの有害物質による土壌汚染は、放置すれば人の健康に影響を及ぼすことが懸念される。
しかし、土壌汚染対策に関する法制度がなかったことから、土壌汚染による人の健康への影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まっていた。
そこで、土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的として、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)が制定、施行された。
規制の対象となる特定有害物質には、重金属化合物、揮発性有機化合物等25物質が定められており(土壌汚染対策法施行令;平成14年政令第336号)、これらについて、健康被害は、土壌の直接摂取によるものと地下水汚染経由によるものを考慮した汚染判断の基準値(指定基準)(土壌汚染法施行規則;平成14年環境省令第29号)が定められている。
本実施例では、本発明の化学処理剤を用いて、土壌中の鉛及びその化合物をフェライト化して不溶化し、生成したフェライトを磁選して土壌中から除去した。
1.試料、処理剤等
(1)土壌試料
工場跡地で採取した鉛で汚染された土壌
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/w)
2.測定方法
土壌含有量調査に係る測定方法を定める件(平成15年環境省告示第19号)に規定された方法によって、土壌試料から検液を作成し、検液中の鉛及びその化合物を定量し、土壌試料1kgあたりに換算して土壌含有量を算出した。
(1)検液の作成
1.1)採取した土壌を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合した。
1.2)検液の作成
ア)試料6g以上を量り採り、試料(単位:g)と溶媒(純水に塩酸を加え塩酸が1mol/lとなるようにしたもの)(単位:ml)とを重量体積比3%の割合で混合した。
イ)調製した試料液を室温(概ね25℃)常圧(概ね1013hPa)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、2時間連続して振とうした。振とう容器は、ポリエチレン製容器又は測定の対象とする物質が吸着若しくは溶出しない容器であって、溶媒の1.5倍以上の容積を持つものを用いた。
ウ)イの振とうにより得られた試料液を10分から30分程度静置後、必要に応じ遠心分離し、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を採り、定量に必要な量を正確に量り採って、これを検液とした。
(2)検液中の鉛及びその化合物の定量
検液中の鉛及びその化合物の定量は、JIS K 0102:2008 54.1に定める方法(フレーム原子吸光法)によって行った。
(3)鉛及びその化合物の土壌含有量の算出
検液中の鉛及びその化合物を定量した値から、土壌試料1kgあたりの鉛及びその化合物の含有量を算出した。
3.試験方法
3−1.処理前の鉛及びその化合物の土壌含有量の測定
処理前の土壌試料について、上記測定方法によって、鉛及びその化合物の土壌含有量を測定した。
3−2.土壌試料の浄化処理
(1)土壌試料1000gに、水1500mLを加え、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で混合撹拌を5分間行った。撹拌後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、土壌試料懸濁液のpHをpH12以上に調節した。
(2)次いで、硫酸第一鉄・七水和物850gを添加して撹拌・混合した。
(3)混合した後、化学処理剤Yを、2000ppmの終濃度となるように添加して、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、3時間、撹拌・混合を行い、鉛をフェライト化した。
(4)生成したフェライトを磁気分離機(ネオジム磁石使用、7500ガウス)にかけて土壌と分離し、フェライトを除去した。
3−3.処理後の鉛及びその化合物の土壌含有量の測定
処理後の土壌試料について、上記測定方法により、土壌含有量を測定した。
4.試験結果
浄化処理前後の土壌試料の鉛及びその化合物の土壌含有量の測定結果を、表3に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
鉛及びその化合物の土壌含有量基準は、土壌について、150mg/kgである。
本実施例において、鉛及びその化合物の含有量は、処理前には600mg/kgであったが、処理後には50mg/kgまで低減された。
よって、処理後の土壌試料は、鉛及びその化合物について、土壌含有量基準を下回っている。
本発明の化学処理剤を用いて、土壌に含有される鉛及びその化合物のフェライト化処理をすることができ、土壌を浄化できることがわかった。
[砒素で汚染された土壌の浄化処理]
土壌が有害物質により汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取したり、汚染された土壌から有害物質が溶け出した地下水を飲用すること等により人の健康に影響を及ぼすおそれがある。こうした土壌汚染は、これまで明らかになることが少なかったが、近年、企業の工場跡地等の再開発等に伴い、重金属、揮発性有機化合物等による土壌汚染が顕在化してきている。特に最近における汚染事例の判明件数の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した土壌汚染の事例数は、高い水準で推移してきている。これらの有害物質による土壌汚染は、放置すれば人の健康に影響を及ぼすことが懸念される。
しかし、土壌汚染対策に関する法制度がなかったことから、土壌汚染による人の健康への影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まっていた。
そこで、土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的として、土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)が制定、施行された。
規制の対象となる特定有害物質には、重金属化合物、揮発性有機化合物等25物質が定められており(土壌汚染対策法施行令;平成14年政令第336号)、これらについて、健康被害は、土壌の直接摂取によるものと地下水汚染経由によるものを考慮した汚染判断の基準値(指定基準)(土壌汚染法施行規則;平成14年環境省令第29号)が定められている。
本実施例では、本発明の化学処理剤を用いて、土壌中の砒素及びその化合物をフェライト化して不溶化し、無害化したものである。
1.試料、処理剤等
(1)土壌試料
工場跡地で採取した砒素で汚染された土壌(同一敷地内の場所1〜場所6の6カ所で採取したもの)
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(濃度48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/w)
2.測定方法
土壌の汚染に係る環境基準(平成3年8月環境庁告示第46号)に定める方法により、土壌試料から検液を作成し、検液中の砒素及びその化合物を測定した。
(1)検液の作成
1.1)採取した土壌試料を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合した。
1.2)試料(単位:g)と溶媒(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位:ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにした。
1.3)調製した試料液を常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうした。
1.4)上記1.1)から1.3)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とした。
(2)検液中の砒素及びその化合物の定量
検液中の砒素及びその化合物の定量は、JIS K 0102:2008 61.2に定める方法(水素化物発生原子吸光法)によって行った。
3.試験方法
3−1.処理前の土壌試料の溶出量の測定
処理前の土壌試料について、上記測定方法によって、砒素及びその化合物の溶出量を測定した。
3−2.土壌試料の浄化処理
(1)各土壌試料1000gに、それぞれ、水1500mLを加え、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で混合撹拌を5分間行った。撹拌後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、土壌試料懸濁液のpHをpH12以上に調節した。
(2)次いで、それぞれに、硫酸第一鉄850gを添加して撹拌・混合した。
(3)混合した後、化学処理剤Yを、それぞれ、1500ppmの終濃度となるように添加して、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、3時間、撹拌・混合を行い、砒素をフェライト化し、不溶化した。
3−3.処理後の土壌試料の溶出量の測定
処理後の土壌試料について、上記測定方法によって、砒素及びその化合物の溶出量を測定した。
4.試験結果
浄化処理前後の土壌試料の砒素及びその化合物の土壌溶出量の測定結果を、表4に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
砒素及びその化合物の土壌溶出量基準は、検液について、0.01mg/Lである。
本実施例において、砒素及びその化合物の溶出量は、処理前には0.013〜0.024mg/Lであったが、処理後には0.001〜0.009mg/Lまで低減された。
よって、処理後の土壌試料は、砒素及びその化合物について、土壌溶出量基準を下回っている。
本発明の化学処理剤を用いて、土壌に含有される砒素及びその化合物のフェライト化処理をすることができ、土壌を浄化できることがわかった。
[シアン含有排水のリサイクル処理]
近年では、水資源の有効利用と合理化を目的として、工業用水の回収利用(リサイクル)が広く行われている。
本実施例では、本発明の化学処理剤を用いて、シアン含有排水に含まれるシアン化合物の酸化分解を行った。
1.試料、処理剤等
(1)排水試料
シアン含有排水(めっき工場排水)
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
2.測定方法
工業用水試験方法(JIS K 0101:1998、本実施例において、以下「規格」という。)に定められたシアン化合物の測定方法に従って、排水中の全シアンおよび遊離シアンの含有量をそれぞれ測定した。
(1)全シアン
1.1)前処理
規格35.1.2に定める方法で前処理を行った。
1.2)シアン化物イオンの定量
規格35.2に定める方法(4−ピリジンカルボン酸−ピラゾロン吸光光度法)でシアン化物イオンの定量を行った。
(2)遊離シアン
2.1)前処理
規格35.1.1.1に定める方法(通気法)で前処理を行った。
2.2)シアン化物イオンの定量
規格35.2に定める方法(4−ピリジンカルボン酸−ピラゾロン吸光光度法)でシアン化物イオンの定量を行った。
3.試験方法
3−1.処理前の排水試料中のシアン化合物の測定
処理前の排水試料について、上記測定方法によって、全シアンおよび遊離シアンの含有量を測定した。
3−2.廃水試料中のシアンの分解処理
(1)例1
排水試料1000gに、化学処理剤Yを20ppmの濃度となるように添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、1時間、撹拌・混合を行い、シアン化合物を分解処理した。
(2)例2
排水試料1000gに、化学処理剤Yを15ppmの濃度となるように添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、1時間、撹拌・混合を行い、シアン化合物を分解処理した。
(3)例3
排水試料1000gに、化学処理剤Yを10ppmの濃度となるように添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、1時間、撹拌・混合を行い、シアン化合物を分解処理した。
3−3.処理後の排水試料中のシアン化合物の測定
処理後の排水試料について、上記測定方法によって、全シアンおよび遊離シアンの含有量を測定した。
4.試験結果
シアン化合物の分解処理後の全シアンおよび遊離シアンについての測定結果を、表5に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
リサイクル水中のシアン化合物の基準値は、人の健康の保護を考慮して、「水質汚濁に係る環境基準」(昭和46年環境庁告示第59号)と同値に設定した。
すなわち、全シアンおよび遊離シアンについて、検出されないこと(0.1mg/L未満)とした。
処理前においては、全シアンおよび遊離シアンがともに基準値を超えていたが、処理後には、例1〜例3のすべてで、基準値を満たすことができた。
化学処理剤Yは、10ppmの添加量でも十分にシアン化合物を酸化分解することができることがわかる。
[シアンで汚染された土壌の浄化処理]
土壌環境基準(土壌の汚染に係る環境基準;平成3年環境庁告示第46号)は、公害対策基本法(昭和42年法律第132号)、環境基本法(平成5年法律第91号)に基づいて、人の健康保護と生活環境保全のために維持することが望ましい基準(環境基準)として定められたものである。
汚染された土壌から地下水等への溶出の観点、いわゆる溶出基準項目として26項目、農作物(米)に対する影響及び農作物(米)に蓄積して人の健康に対する影響の観点から3項目の計27項目(うち、2項目は溶出基準と農作物影響等の観点の両方の観点から2つの基準が定められている)について基準が設定されている。
シアン化合物については、全シアンとして、「検液中に検出されないこと」、すなわち、測定方法の欄に掲げる方法により測定した場合において、その結果が当該方法の定量限界を下回ることと定められている。
本実施例では、本発明の化学処理剤を鉄(II)イオン存在下で用いて、シアン化合物を分解した(例1)。また、鉄(II)イオンを添加しなかった場合(例2)の結果と比較した。
1.試料、処理剤等
(1)土壌試料
シアン化合物で汚染された土壌
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/w)
2.測定方法
土壌の汚染に係る環境基準(平成3年8月環境庁告示第46号)に定める方法により、土壌試料から検液を作成し、検液中の全シアンの含有量を測定した。
(1)検液の作成
1.1)採取した土壌試料を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合した。
1.2)試料(単位:g)と溶媒(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位:ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにした。
1.3)調製した試料液を常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうした。
1.4)上記1.1)から1.3)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とした。
(2)検液中の全シアンの測定
2.1)前処理
JIS K 0102:2008(本実施例において、以下「規格」という。) 38.1.2に定める方法で前処理を行った。
2.2)シアン化物イオンの定量
規格38.3に定める方法(4−ピリジンカルボン酸−ピラゾロン吸光光度法)でシアン化物イオンの定量を行った。
3.試験方法
3−1.処理前の土壌試料からの全シアン溶出量の測定
処理前の土壌試料について、上記測定方法によって、全シアンの溶出量を測定した。
3−2.土壌試料中のシアン化合物の分解処理
(1)例1
1.1)前処理
土壌試料1000gに、蒸留水2000mLを加え、常温常圧で混合撹拌を5分間行った。撹拌後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、土壌試料懸濁液のpHをpH11.5に調節した。
1.2)酸化分解処理
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12以上に調節し、硫酸第一鉄・七水和物(FeSO・7HO)を、FeSOとして15ppmの終濃度となるように添加し、さらに、化学処理剤Yを終濃度150ppmとなるように添加して、90〜300分間撹拌した。
撹拌後、硫酸水溶液を加えてpHをpH7.5〜8.0にした。
(2)例2
2.1)前処理
土壌試料1000gに、蒸留水2000mLを加え、常温常圧で混合撹拌を5分間行った。撹拌後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、土壌試料懸濁液のpHをpH11.5に調節した。
2.2)酸化分解処理
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12以上に調節し、さらに、化学処理剤Yを終濃度100ppmとなるように添加して、90〜300分間撹拌した。
撹拌後、硫酸水溶液を加えてpHをpH7.5〜8.0にした。
3−3.処理後の土壌試料からの全シアン溶出量の測定
処理後の土壌試料について、上記測定方法によって、全シアンの溶出量を測定した。
4.試験結果
例1および例2について、浄化処理前後の土壌からの全シアンの溶出量の測定結果を、表6に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
土壌環境基準(平成3年8月環境庁告示第46号)では、全シアンの基準値は、「検液中に検出されないこと」、すなわち「0.1mg/L未満」である。
本実施例では、浄化処理前の土壌試料では、全シアンは6.0mg/Lであり、土壌環境基準を満たしていなかった。
浄化処理後の例1では、全シアンが0.01mg/Lであり、検出限界である0.1mg/Lを下回っていた。よって、例1に係る浄化処理後の土壌試料は、環境基準を満たすようになった。
浄化処理後の例2では、全シアンが0.24mg/Lでり、検出限界である0.1mg/Lを下回らなかった。よって、例2に係る浄化処置後の土壌試料は、環境基準を満たすようにはならなかった。
[シアン(ニッケル錯体)で汚染された土壌の浄化処理]
一般的には、シアンは、酸化剤を用いて、アルカリ性の状態で無害な炭酸塩と窒素とに酸化分解させることができる。
NaCN + NaClO → NaOCN + NaCl
2NaOCN + 3NaClO + HO → 2NaHCO + 3NaCl + N
ところが、[Fe(CN)4−(フェロシアンイオン)、[Ni(CN)2+(ニッケルシアノイオン)、[Ag(CN)(銀シアノイオン)など、鉄、ニッケル、銀等の安定なシアノ錯体は、NaClOのような酸化剤では酸化分解することができない。
本実施例では、本発明の化学処理剤を銅(II)イオン存在下で用いて、土壌に含まれる難分解性のニッケルシアノイオンを分解し、次いで、ニッケルをフェライト化して不溶化した(例1)。また、銅(II)イオンを添加しなかった場合(例2)の結果と比較した。
1.試料、処理剤等
(1)試料
シアン(ニッケル錯体)で汚染された土壌(全シアン:4.4mg/L)
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第二銅・五水和物
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/w)
2.測定方法
土壌の汚染に係る環境基準(平成3年8月環境庁告示第46号)に定める方法により、土壌試料から検液を作成し、検液中のシアン化合物を測定した。
(1)検液の作成
1.1)採取した土壌試料を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合した。
1.2)試料(単位:g)と溶媒(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位:ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml以上となるようにした。
1.3)調製した試料液を常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうした。
1.4)上記1.1)から1.3)の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とした。
(2)検液中のシアン化合物の定量
2.1)全シアン
全シアンの定量は、JIS K 0102:2008 38.1.2に定める方法によって前処理を行い、同規格38.3に定める方法(4−ピリジンカルボン酸−ピラゾロン吸光光度法)によってシアン化物イオンを定量することにより行った。
2.2)遊離シアン
検液中の遊離シアンの定量は、JIS K 0102:2008 38.1.1.1に定める方法によって前処理を行い、同規格38.3に定める方法(4−ピリジンカルボン酸−ピラゾロン吸光光度法)によってシアン化物イオンを定量することにより行った。
3.試験方法
3−1.処理前の土壌試料からの全シアン溶出量の測定
処理前の土壌試料について、上記測定方法によって、全シアンの溶出量を測定した。
3−2.土壌試料中のシアン化合物の分解処理
(1)例1
1.1)前処理
土壌試料1000gに、蒸留水1500mLを加え、常温常圧で混合撹拌を5分間行った。撹拌後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、土壌試料懸濁液のpHをpH11.5に調節した。
1.2)酸化分解処理
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12以上に調節し、第二硫酸銅・五水和物(CuSO・5HO)を、Cu2+イオンとして1ppmの終濃度となるように添加し、さらに、化学処理剤Yを終濃度500ppmとなるように添加して、90〜300分間撹拌した。
1.3)フェライト化処理
撹拌後、pHがpH10.0以上となるように調節した。
撹拌しながら、第一硫酸鉄・七水和物(FeSO・7HO)を、終濃度250mg/Lとなるように添加し、化学処理剤Yを終濃度200ppmとなるように添加し、その後、硫酸水溶液を加えてpHをpH7.5〜8.0にした。
(2)例2
2.1)前処理
土壌試料1000gに、蒸留水1500mLを加え、常温常圧で混合撹拌を5分間行った。撹拌後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて、土壌試料懸濁液のpHをpH11.5に調節した。
2.2)酸化分解処理
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12以上に調節し、さらに、化学処理剤Yを終濃度500ppmとなるように添加して、90〜300分間撹拌した。
2.3)フェライト化処理
撹拌後、pHがpH10.0以上となるように調節した。
撹拌しながら、第一硫酸鉄・七水和物(FeSO・7HO)を、FeSOとして終濃度250mg/Lとなるように添加し、次いで、化学処理剤Yを終濃度200ppmとなるように添加し、その後、硫酸水溶液を加えてpHをpH7.5〜8.0にした。
3−3.処理後の土壌試料からの全シアンおよび遊離シアンの溶出量の測定
処理後の各土壌試料について、それぞれ、上記測定方法によって、全シアンおよび遊離シアンの溶出量を測定した。
4.試験結果
例1および例2について、浄化処理前の土壌からの全シアンの溶出量の測定結果と、浄化処理後の土壌の全シアンおよび遊離シアンの溶出量の測定結果とを、表7に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
土壌環境基準(平成3年8月環境庁告示第46号)では、全シアンの基準値は、「検液中に検出されないこと」、すなわち「0.1mg/L未満」である。
本実施例では、浄化処理前の土壌試料では、全シアンは4.4mg/Lであり、土壌環境基準を満たしていなかった。
浄化処理後の例1では、全シアンおよび遊離シアンがともに0mg/Lであり、検出限界である0.1mg/Lを下回っていた。よって、例1に係る浄化処理後の土壌試料は、環境基準を満たすようになった。
浄化処理後の例2では、全シアン0.1mg/L、遊離シアン0.2mg/Lであり、検出限界である0.1mg/Lを下回らなかった。よって、例2に係る浄化処理後の土壌試料は、環境基準を満たすようにはならなかった。
なお、土壌溶出量基準(土壌汚染対策法実施規則;平成14年12月環境省令第29号)では、シアン化合物の基準値は、「検液中に検出されないこと。」であり、定量方法は同一であるから、例1はこの基準も満たしている。
[硫化水素含有海水の処理]
硫化水素を含有する海水がタンク等の閉鎖空間に溜まっている場合、そこに人が足を踏み入れたときに窒息するおそれがある。また、硫化水素を含有する海水を未処理のまま排出すると、化学的酸素要求量(COD)が水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)に基づく一律排水基準(日平均120mg/L;昭和46年総理府令第35号)を満たさない場合や、硫化水素濃度が悪臭防止法(昭和46年法律第91号)に基づく臭気指数規制に違反する場合が生ずる可能性も考えられる。
本実施例では、本発明の化学処理剤を鉄(II)イオン存在下で用いて、海水に含まれる硫化物イオンを酸化し、硫化水素の発生をなくした。
1.試料、処理剤等
(1)試料
硫化水素を含有する海水
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/v)
2.測定方法
JIS K 0102:2008 39.2に定める方法(よう素滴定法)により、海水試料中の硫化物イオン(S2−)の測定を行った。
3.試験方法
3−1.処理前の海水試料中の硫化物イオンの測定
処理前の海水試料中の硫化物イオンを、上記した方法により測定した。
3−2.海水試料中の硫化水素の酸化処理
(1)例1
1.1)海水試料500gに、硫酸第一鉄・七水和物0.5gを添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で撹拌・混合した。
1.2)次に、この混合液に、化学処理剤Yを、添加濃度1000ppmとなるように添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、30分間撹拌した。
2.3)撹拌後、この混合液のpHを、硫酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH7〜8に調節した。
(2)例2
2.1)海水試料500gに、水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHをpH12以上に調節した。
2.2)pHを調節した海水試料に硫酸第一鉄(結晶)1.2gを添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で撹拌・混合した。
2.3)次に、この混合液に、化学処理剤Yを、添加濃度2000ppmとなるように添加し、常常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で30分間撹拌した。
2.4)撹拌後、この混合液のpHを、硫酸水溶液および水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pH7〜8に調節した。
3−3.処理後の海水試料中の硫化物イオンの測定
処理後の海水試料中の硫化物イオンを、上記した方法により測定した。
3−4.処理後の海水試料からの硫化水素の発生
処理後の海水試料のpHを、硫酸水溶液を加えてpH2以下にまで下げ、直後に、硫化水素が発生するか否かを嗅覚により確認した。
4.処理結果
4−1.硫化物イオンの測定結果
処理前後の海水試料中の硫化物イオンの測定値を表8に示す。
Figure 2013184983
4−2.硫化水素の発生
pH2以下にまでpHを下げても硫化水素は検出されなかった。
5.まとめ
硫化水素含有海水中の硫化物は、本発明の化学処理剤を用いて酸化処理され、硫化水素を発生することがなくなった。
[硫化水素含有海水の処理(鉄リサイクル方式)]
本実施例では、本発明の化学処理剤を鉄(II)イオン存在下で用いて、海水に含まれる硫化物イオンを酸化し、硫化水素の発生をなくした。この際、鉄(III)イオンを硫化水素で還元することによって鉄(II)イオンを再生し、リサイクルすることによって、硫酸第一鉄を追加することなく、連続バッチ処理を行った。
1.試料、処理剤等
(1)試料
硫化水素を含有する海水
(2)処理剤等
・化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)
・硫酸第一鉄・七水和物
・水酸化ナトリウム水溶液(48%w/v)
・硫酸水溶液(50%w/v)
2.測定方法
JIS K 0102:2008 39.2に定める方法(よう素滴定法)により、海水試料中の硫化物イオン(S2−)の測定を行った。
3.試験方法
3−1.処理前の海水試料中の硫化物イオンの測定
処理前の海水試料中の硫化物イオンを、上記した方法により測定した。
3−2.海水試料中の硫化水素の酸化処理
(1)バッチ1
1.1)回分式容器に、海水試料500gを入れた。
1.2)これに硫酸第一鉄・七水和物0.5gを添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で撹拌・混合した。
1.3)次に、この混合液に、化学処理剤Yを、添加濃度1000ppmとなるように添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、30分間撹拌した。
1.4)撹拌後、静置し、処理済の海水試料450gを抜き取った。
(2)バッチ2〜5
2.1)処理済の海水試料の一部と鉄(III)化合物の沈殿が残った上記回分式容器に、新しい海水試料450gを入れた。
2.2)これに硫酸第一鉄・七水和物0.5gを添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で撹拌・混合した。
2.3)次に、この混合液に、化学処理剤Yを、添加濃度1000ppmとなるように添加し、常温(概ね20℃)常圧(概ね1013hPa)で、30分間撹拌した。
2.4)撹拌後、静置し、処理済の海水試料450gを抜き取った。
2.5)上記工程2.1〜2.4をさらに3セット繰り返した。
3−3.処理後の海水試料中の硫化物イオンの測定
抜き取った海水試料中の硫化物イオンを、上記した方法により測定した。
3−4.処理後の海水試料からの硫化水素の発生
抜き取った海水試料のpHを、硫酸水溶液を加えてpH2以下にまで下げ、硫化水素が発生するか否かを嗅覚により確認した。
4.試験結果
4−1.硫化物イオンの測定結果
バッチ1〜5の処理前後の海水試料中の硫化物イオンの測定値を表8に示す。
Figure 2013184983
4−2.硫化水素の発生
pH2以下にまでpHを下げても硫化水素は検出されなかった。
5.まとめ
硫化水素含有海水中の硫化物は、本発明の化学処理剤を用いて酸化処理され、硫化水素を発生することがなくなった。
硫酸第一鉄をバッチごとに追加する必要がなく、廃棄物の削減、薬剤コストの低減が可能である。
[殺菌剤用途]
本発明の化学処理剤は、強力な酸化力を発揮するため、殺菌剤としての効能もある。さらに、多糖類等の微生物の代謝産物を分解できるので、微生物が付着した物品を洗浄するための洗浄剤としても使用することができる。
1.試料、薬剤等
(1)試料
・循環水A(冷却水)
・循環水B(冷却水)
(2)薬剤等
・標準寒天培地(べクトン・ディッキンソン)
・R2A寒天培地(ベクトン・ディッキンソン)
2.測定方法
(1)一般細菌数
標準寒天培地を用いて、JIS K 0350−10−10:2002に定める方法により一般細菌数の測定を行う。
(2)従属栄養細菌数
R2A寒天培地を用いて、JIS K 0350−30−10:2002に定める方法により従属栄養細菌数の測定を行う。
3.試験方法
(1)例1
循環水Aに20mg/Lの濃度となるように化学処理剤Yを添加して検水として用いて、一般細菌数および従属栄養細菌数を測定する。
(2)例2
循環水Aを検水として用いて、一般細菌数および従属栄養細菌数を測定する。
(3)例3
循環水Bに20mg/Lの濃度となるように化学処理剤Yを添加して検水として用いて、一般細菌数および従属栄養細菌数を測定する。
(4)例4
循環水Bを検水として用いて、一般細菌数および従属栄養細菌数を測定する。
4.結果
測定される生菌数を表10に示す。
Figure 2013184983
5.まとめ
本発明の化学処理剤を添加しない例2、4では、基準(一般細菌数 100個/mL、従属栄養細菌数 2000個/mL)を大きく超えるが、本発明の化学処理剤を添加する例1、3では、生菌数が0となり、基準を大きく下回る。
本実施例では、化学処理剤Xから各成分の配合量を変更して製造した化学処理剤を用いて、エタノール含有廃液の全有機炭素濃度(TOC)を低減する試験を行った。
1.化学処理剤の製造
実施例1の表1において、ヘキサメタリン酸ナトリウム、グルタチオン還元型、グリセロール脱水素酵素、酵母溶解酵素、グリセリン、ペルオキソ二硫酸ナトリウムまたはエチレンジアミン四酢酸の配合量を、それぞれ、表11〜17に示す量に変更して製造した。
2.試験方法・評価方法
(1)酸化分解処理
エタノール含有廃液(TOC 3830mg/L)に、硫酸第一鉄を25ppmの濃度となるように添加し、次いで、化学処理剤Y(実施例1で製造したもの)を100ppmの濃度となるように添加し、その後、360分間撹拌した。撹拌後、TOC濃度測定のため、酸化分解処理後の廃水試料を採取した。
(2)TOC濃度測定
有機体炭素(TOC)自動計測器(JIS K 0805:1988)によって、酸化分解処理後の廃水試料中のTOC濃度を測定した。
(3)評価
TOCを50mg/L未満にまで低減できれば特優(S)、50mg/L以上100mg/L未満にまで低減できれば優(A)、100mg/L以上200mg/L未満にまで低減できれば良(B)、200mg/L以上300mg/L未満にまで低減できれば可(C)、300mg/L以上にまでしか低減できなければ不可(D)と評価した。TOC濃度をより低くまで低減できるものが優れている。
4.試験結果・評価結果
(1)ヘキサメタリン酸ナトリウムの配合量を変更した例
ヘキサメタリン酸ナトリウムの配合量が1200gである化学処理剤Yは、TOC濃度を3830mg/Lから34mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、ヘキサメタリン酸ナトリウムの配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは800〜1600g、より好ましくは900〜1500g、さらに好ましくは1000〜1400g、いっそう好ましくは1100〜1300gであることがわかる。
(2)グルタチオン還元型の配合量を変更した例
グルタチオン還元型の配合量が200mgである化学処理剤Yは、TOC濃度を3830mg/Lから28mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、グルタチオン還元型の配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは10〜1000mg、より好ましくは50〜400mg、さらに好ましくは100〜400mg、いっそう好ましくは150〜350mgであることがわかる。
(3)グリセロール脱水素酵素の配合量を変更した例
グリセロール脱水素酵素の配合量が15mgである化学処理剤3−2は、TOC濃度を3830mg/Lから22mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、グリセロール脱水素酵素の配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは1〜50mg、より好ましくは1〜30mg、さらに好ましくは5〜20mg、いっそう好ましくは8〜15mgであることがわかる。
(4)酵母溶解酵素の配合量を変更した例
酵母溶解酵素の配合量が100gである化学処理剤Yは、TOC濃度を3830mg/Lから28mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、酵母溶解酵素の配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは10〜300g、より好ましくは30〜250g、さらに好ましくは50〜200g、いっそう好ましくは80〜170gであることがわかる。
(5)グリセリンの配合量を変更した例
グリセリンの配合量が1020gである化学処理剤Yは、TOC濃度を3830mg/Lから28mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、グリセリンの配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは500〜1600g、より好ましくは700〜1400g、さらに好ましくは800〜1200g、いっそう好ましくは900〜1100gであることがわかる。
(6)ペルオキソ二硫酸ナトリウムの配合量を変更した例
ペルオキソ二硫酸ナトリウムの配合量が2500gである化学処理剤Yは、TOC濃度を3830mg/Lから34mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは1000〜4000g、より好ましくは1500〜3500g、さらに好ましくは1750〜3250g、いっそう好ましくは2000〜3000gであることがわかる。
(7)エチレンジアミン四酢酸の配合量を変更した例
エチレンジアミン四酢酸の配合量が40gである化学処理剤Yは、TOC濃度を3830mg/Lから38mg/Lまで低減し、評価は「S」と最も高かった。
Figure 2013184983
以上の結果から、エチレンジアミン四酢酸の配合量は、実施例1の表1に表された配合において、好ましくは10〜100g、より好ましくは20〜90g、さらに好ましくは30〜80g、いっそう好ましくは30〜60gであることがわかる。
[化学処理剤]
(1)水4000質量部と、ヘキサメタリン酸ナトリウム800〜1600質量部と、グルタチオン還元型0.010〜1.000質量部と、50U/mgのグリセロール脱水素酵素0.001〜0.050質量部に相当するユニット数のグリセロール脱水素酵素とを混合し、さらに5日間以上インキュベートして混合液(A)を調製し、調製した混合液(A)5200質量部と、5000U/gの酵母溶解酵素10〜300質量部に相当するユニット数の酵母溶解酵素と、グリセリン500〜1600質量部を混合し、さらに3日間以上インキュベートして混合液(B)を調製し調製した混合液(B)800質量部と、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1000〜4000質量部と、エチレンジアミン四酢酸10〜100質量部に相当するモル数のエチレンジアミン四酢酸および/またはその水溶性塩、前記ペルオキソ二硫酸ナトリウムならびに前記エチレンジアミン四酢酸および/またはその水溶性塩を溶解できる量の水とを混合し、さらに5日間以上インキュベートして混合液(C)を調製し、調製した混合液(C)をそのままで、または水で希釈して得られる化学処理剤。
(2)水4000質量部と、ヘキサメタリン酸ナトリウム800〜1600質量部と、グルタチオン還元型0.010〜1.000質量部と、50U/mgのグリセロール脱水素酵素0.001〜0.050質量部に相当するユニット数のグリセロール脱水素酵素とを混合し、さらに5日間以上インキュベートして混合液(A)を製造する工程と、
前記混合液(A)5200質量部と、5000U/gの酵母溶解酵素10〜300質量部に相当するユニット数の酵母溶解酵素と、グリセリン500〜1600質量部とを混合し、さらに3日間以上インキュベートして混合液(B)を製造する工程と、
前記混合液(B)800質量部と、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1000〜4000質量部と、エチレンジアミン四酢酸10〜100質量部に相当するモル数のエチレンジアミン四酢酸および/またはその水溶性塩と、前記ペルオキソ二硫酸ナトリウムならびに前記エチレンジアミン四酢酸および/またはその水溶性塩を溶解できる量の水とを混合し、さらに5日間以上インキュベートして混合液(C)を製造する工程と
を備える、化学処理剤の製造方法。
[重金属を含有する廃水の廃水処理方法]
(3)クロム(Cr)、銅(Cu)、砒素(As)および鉛(Pb)からなる群から選択される少なくとも1つの重金属を含有する廃水に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
前記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属を含有する廃水の廃水処理方法。
(4)クロム(Cr)、銅(Cu)、砒素(As)および鉛(Pb)からなる群から選択される少なくとも1つの重金属を含有する廃水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の廃水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属を含有する廃水の廃水処理方法。
(5)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、pH5.0〜9.0に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から、上記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程と
を備える、上記(3)または(4)に記載の廃水処理方法。
[重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法]
クロム(Cr)、銅(Cu)、砒素(As)および鉛(Pb)からなる群から選択される少なくとも1つの重金属で汚染された土壌または底質と当該土壌または底質から当該重金属を溶出するための溶出液とを含む懸濁液に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
クロム(Cr)、銅(Cu)、砒素(As)および鉛(Pb)からなる群から選択される少なくとも1つの重金属で汚染された土壌または底質と、当該土壌から当該重金属と溶出するための溶出液とを混合し、撹拌する懸濁工程と、
上記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、pH5.0〜9.0に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から、上記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程と
を備える、上記()または()に記載の浄化処理方法。
)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、pH5.0〜9.0に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から固形分を分離する固形分分離工程と
を備える、上記()または()に記載の浄化処理方法。
[重金属で汚染された地下水等の浄化処理方法]
10クロム(Cr)、銅(Cu)、砒素(As)および鉛(Pb)からなる群から選択される少なくとも1つの重金属で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の地下水または環境水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
上記水酸化物生成工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
を備える重金属を含有する地下水または環境水の浄化処理方法。
11)上記pH調節工程の前に、さらに、
上記重金属で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程
を備える、上記(10)に記載の浄化処理方法。
12)上記フェライト生成工程の後に、さらに、
上記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、pH5.0〜9.0に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた混合液から上記フェライト生成工程で生成したフェライトを分離し、回収するフェライト回収工程と
を備える、上記(10)または(11)に記載の浄化処理方法。
[有機化合物等を含有する廃水の廃水処理方法(I)]
13)有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程
を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
14)上記廃水が、さらに、鉄(II)イオンまたは銅(II)イオンを含有する、上記(13)に記載の廃水処理方法。
15)上記有機化合物および/またはCOD成分が、シアン化合物、シアン化物イオン、シアノ錯体およびシアノ錯イオンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、上記(13)または(14)に記載の廃水処理方法。
[有機化合物等を含有する廃水の廃水処理方法(II)]
16)有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
17)有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の混合液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた混合液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
18)上記酸化分解工程の後に、さらに、
上記酸化分解工程で得られた処理水のpHをpH5.0〜9.0に調節する中和工程
を備える、上記(16)または(17)に記載の廃水処理方法。
19)上記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、上記(16)〜(18)のいずれかに記載の廃水処理方法。
[有機化合物等で汚染された土壌等の浄化処理方法]
20)有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質と、当該有機化合物および/またはCOD成分を溶出するための溶出液とを混合し、懸濁する懸濁工程と、
上記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた懸濁液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
21)上記酸化分解工程の後に、さらに、
上記酸化分解工程で得られた懸濁液のpHをpH5.0〜9.0に調節する中和工程と、
上記中和工程で得られた懸濁液から固形分を分離し、回収する固形分回収工程と
を備える上記(20)に記載の浄化処理方法。
22)上記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、上記(20)または(21)に記載の浄化処理方法。
[有機化合物等で汚染された地下水等の浄化処理方法]
23)有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
上記pH調節工程で得られたpH10以上の水溶液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
上記触媒添加工程で得られた水溶液に、上記(1)に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
を備える有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法。
24)上記pH調節工程の前に、さらに、
上記有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程
を備える、上記(23)に記載の浄化処理方法。
25)上記酸化分解工程の後に、さらに、
上記酸化分解工程で得られた処理水のpHをpH5.0〜9.0に調節する中和工程
を備える、上記(23)または(24)に記載の浄化処理方法。
26)上記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、上記(26)〜(28)のいずれかに記載の浄化処理方法。
[有機化合物等と重金属とを含有する廃水の廃水処理方法]
27上記(13)〜(19)のいずれかに記載の有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法と上記(3)〜(5)のいずれかに記載の重金属を含有する廃水の廃水処理方法とを組み合わせた、有機化合物および/またはCOD成分と重金属とを含有する廃水の廃水処理方法
[有機化合物等と重金属とで汚染された土壌等の浄化処理方法]
28上記(20)〜(22)のいずれかに記載の有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質の浄化処理方法と上記(6)〜(9)のいずれかに記載の重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法とを組み合わせた、有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された土壌または底質の浄化処理方法
[有機化合物等と重金属とで汚染された地下水等の浄化処理方法]
29上記(23)〜(26)のいずれかに記載の有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法と上記(10)〜(12)のいずれかに記載の重金属を含有する地下水または環境水の浄化処理方法とを組み合わせた、有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された地下水または環境水の浄化処理方法
[化学処理剤の殺菌剤・洗浄剤としての用途]
30)上記(1)に記載の化学処理剤の殺菌剤または洗浄剤としての使用。
31)上記(1)に記載の化学処理剤を循環水に添加する工程
を備える、循環水中での微生物の増殖を防止する方法。
(32)上記(1)に記載の化学処理剤の、微生物が付着した物品用の殺菌剤または洗浄剤としての使用。
33)微生物が付着した物品と上記(1)に記載の化学処理剤とを接触させる工程
を備える、微生物が付着した物品の殺菌方法または洗浄方法。
34)上記接触させる工程において、上記微生物が付着した物品を、上記化学処理剤を含有する水溶液に浸漬する、上記(33)に記載の殺菌方法または洗浄方法。

Claims (36)

  1. 水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素と、酵母溶解酵素と、グリセリンと、ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸とを含有する化学処理剤。
  2. 水と、ヘキサメタリン酸塩と、グルタチオン還元型と、グリセロール脱水素酵素とを混合し、混合液(A)を製造する工程と、
    前記混合液(A)と、酵母溶解酵素と、グリセリンとを混合し、混合液(B)を製造する工程と、
    ペルオキソ二硫酸塩と、エチレンジアミン四酢酸と、前記混合液(B)と、水とを混合し、混合液(C)を製造する工程と
    を備える、請求項1に記載の化学処理剤の製造方法。
  3. 重金属を含有する廃水に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
    前記水酸化物生成工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
    を備える重金属を含有する廃水の廃水処理方法。
  4. 重金属を含有する廃水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
    前記pH調節工程で得られたpH10以上の廃水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
    前記水酸化物生成工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
    を備える重金属を含有する廃水の廃水処理方法。
  5. 前記フェライト生成工程の後に、さらに、
    前記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
    前記中和工程で得られた混合液から、前記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程と
    を備える、請求項3または4に記載の廃水処理方法。
  6. 前記重金属が、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびこれらの化合物、錯体ならびにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項3〜5のいずれかに記載の廃水処理方法。
  7. 重金属で汚染された土壌または底質と該土壌から該重金属を溶出するための溶出液とを含む懸濁液に、pH10以上で、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
    前記水酸化物生成工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
    を備える重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
  8. 重金属で汚染された土壌または底質と、該土壌から該重金属と溶出するための溶出液とを混合し、撹拌する懸濁工程と、
    前記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
    前記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
    前記水酸化物生成工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
    を備える重金属で汚染された土壌または底質の浄化処理方法。
  9. 前記フェライト生成工程の後に、さらに、
    前記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
    前記中和工程で得られた混合液から、前記フェライト生成工程において生成したフェライトを分離、回収するフェライト回収工程と
    を備える、請求項7または8に記載の浄化処理方法。
  10. 前記フェライト生成工程の後に、さらに、
    前記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
    前記中和工程で得られた混合液から固形分を分離する固形分分離工程と
    を備える、請求項7または8に記載の浄化処理方法。
  11. 前記重金属が、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびこれらの化合物、錯体ならびにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項7〜10のいずれかに記載の浄化処理方法。
  12. 重金属で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
    前記pH調節工程で得られたpH10以上の地下水または環境水に、鉄(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する水酸化物生成工程と、
    前記水酸化物生成工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、混合するフェライト生成工程と
    を備える重金属を含有する地下水または環境水の浄化処理方法。
  13. 前記pH調節工程の前に、さらに、
    前記重金属で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程
    を備える、請求項12に記載の浄化処理方法。
  14. 前記フェライト生成工程の後に、さらに、
    前記フェライト生成工程で得られた混合液のpHを、排出可能pH域に調節する中和工程と、
    前記中和工程で得られた混合液から前記フェライト生成工程で生成したフェライトを分離し、回収するフェライト回収工程と
    を備える、請求項12または13に記載の浄化処理方法。
  15. 前記重金属が、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、砒素(As)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)およびこれらの化合物、錯体ならびにこれらのイオンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項12〜14のいずれかに記載の浄化処理方法。
  16. 有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程
    を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
  17. 前記廃水が、さらに、鉄(II)イオンまたは銅(II)イオンを含有する、請求項16に記載の廃水処理方法。
  18. 前記有機化合物および/またはCOD成分が、シアン化合物、シアン化物イオン、シアノ錯体およびシアノ錯イオンからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項16または17に記載の廃水処理方法。
  19. 有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
    前記触媒添加工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
    を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
  20. 有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
    前記pH調節工程で得られたpH10以上の混合液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
    前記触媒添加工程で得られた混合液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
    を備える有機化合物および/またはCOD成分を含有する廃水の廃水処理方法。
  21. 前記酸化分解工程の後に、さらに、
    前記酸化分解工程で得られた処理水のpHを排出可能pH域に調節する中和工程
    を備える、請求項19または20に記載の廃水処理方法。
  22. 前記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項19〜21のいずれかに記載の廃水処理方法。
  23. 有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌または底質と、該有機化合物および/またはCOD成分を溶出するための溶出液とを混合し、懸濁する懸濁工程と、
    前記懸濁工程で得られた懸濁液のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
    前記pH調節工程で得られたpH10以上の懸濁液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
    前記触媒添加工程で得られた懸濁液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
    を備える有機化合物および/またはCOD成分で汚染された土壌の浄化処理方法。
  24. 前記酸化分解工程の後に、さらに、
    前記酸化分解工程で得られた懸濁液のpHを排出可能pH域に調節する中和工程と、
    前記中和工程で得られた懸濁液から固形分を分離し、回収する固形分回収工程と
    を備える請求項23に記載の浄化処理方法。
  25. 前記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項23または24に記載の廃水処理方法。
  26. 有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水のpHをpH10以上に調節するpH調節工程と、
    前記pH調節工程で得られたpH10以上の水溶液に、鉄(II)塩もしくは銅(II)塩またはその水溶液を添加し、混合する触媒添加工程と、
    前記触媒添加工程で得られた水溶液に、請求項1に記載の化学処理剤を添加し、撹拌する酸化分解工程と
    を備える有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水の浄化処理方法。
  27. 前記pH調節工程の前に、さらに、
    前記有機化合物および/またはCOD成分で汚染された地下水または環境水を採取する採水工程
    を備える、請求項26に記載の浄化処理方法。
  28. 前記酸化分解工程の後に、さらに、
    前記酸化分解工程で得られた処理水のpHを排出可能pH域に調節する中和工程
    を備える、請求項26または27に記載の浄化処理方法。
  29. 前記有機化合物および/またはCOD成分が、デンプン、ショ糖、ブドウ糖;エチレングリコール、グリセリン;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム;アクリル酸、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール;イソプロピルアルコール、エタノール、ホルムアルデヒド;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル;PCB、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン;チウラム、シマジン、チオベンカルブ;シアン化合物イオン、銅、ニッケル、鉄もしくはカドミウムのシアノ錯イオン、チオシアン酸イオン、硫化物イオン、チオ硫酸イオン、ジチオン酸イオンおよび過酸化水素からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項26〜28のいずれかに記載の廃水処理方法。
  30. 有機化合物および/またはCOD成分と重金属とを含有する廃水の廃水処理のための、請求項16〜22のいずれかに記載の廃水処理方法と請求項3〜6のいずれかに記載の廃水処理方法との組合せ。
  31. 有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された土壌の浄化処理のための、請求項23〜25のいずれかに記載の浄化処理方法と請求項7〜11のいずれかに記載の浄化処理方法との組合せ。
  32. 有機化合物および/またはCOD成分と重金属とで汚染された地下水または環境水の浄化処理のための、請求項26〜29のいずれかに記載の浄化処理方法と請求項12〜15のいずれかに記載の浄化処理方法との組合せ。
  33. 請求項1に記載の化学処理剤の殺菌剤または洗浄剤としての使用。
  34. 請求項1に記載の化学処理剤を循環水に添加する工程
    を備える、循環水中での微生物の増殖を防止する方法。
  35. 微生物が付着した物品と請求項1に記載の化学処理剤とを接触させる工程
    を備える、微生物が付着した物品の殺菌方法または洗浄方法。
  36. 前記接触させる工程において、前記微生物が付着した物品を、前記化学処理剤を含有する水溶液に浸漬する、請求項35に記載の殺菌方法または洗浄方法。
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