JP2002136961A - 土壌又は地下水の浄化処理方法 - Google Patents

土壌又は地下水の浄化処理方法

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正治 田野
Masaki Takahashi
正樹 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素を含有する揮発性有機化合物や芳香族系
化合物などの有害な有機化合物で汚染された土壌または
地下水中からこれら有害有機化合物を効率的に分解して
浄化することができる土壌及び地下水の浄化処理方法を
提供する。 【解決手段】 有害有機化合物で汚染された土壌又は地
下水を含む区域を区画し、この区画内に直接過硫酸塩を
添加する。この硫酸塩としては、硫酸カリウム又は過硫
酸ナトリウムを使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化有機化合物
や芳香族化合物などの有害な有機化合物で汚染された土
壌又は地下水からこれらの有機化合物を効率よく分解し
て浄化する方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】トリクロロエチレンや
テトラクロロエチレン等の塩素を含む揮発性有機化合物
(VOC)は、優れた溶解力を有する溶剤として使用さ
れてきたが、近年その発ガン性が指摘され、環境への放
出が制限されている。しかしながら、これら揮発性有機
化合物による汚染は依然として深刻であり、生活環境で
ある土壌や地下水の汚染が大きな社会問題となってい
る。
【0003】このような揮発性有機化合物の処理方法と
しては、環境庁水質保全局通知(平成6年11月11日
環水管第205号有機塩素系化合物に係る土壌・地下水
汚染調査・対策指針)では、土壌ガス吸引法及び地下水
揚水法が例示されている。土壌ガス吸引法及び地下水揚
水法は、揮発性有機化合物を土壌中から吸引するか、あ
るいは地下水を一旦揚水してから曝気処理し、気液分離
後活性炭等の吸着剤で処理する方法である。また、その
他の活性炭による吸着処理方法として、地下水を地下か
ら汲み上げて直接活性炭により処理し、固液分離する方
法もある。
【0004】しかしながら、これらの処理方法は、いず
れも揮発性有機化合物を吸着した活性炭を処理しなけれ
ばならないが、この活性炭は、そのままでは最終処分で
きないため焼却処分しなければならず、さらに地下水や
揮発性有機化合物の地下から地上への移送設備及びこれ
に伴うエネルギー消費等も考慮すると処理効率及び処理
コストの点で問題があった。
【0005】また、活性炭を用いずに地下水中に含まれ
る揮発性有機化合物を処理する方法として、二酸化チタ
ン等の光酸化触媒、過酸化水素、オゾン及び紫外線照射
等で構成する光化学分解リアクターを用いる促進酸化光
化学分解法が知られている。この促進酸化光化学分解法
は、土壌ガス吸引法及び地下水揚水法等と同様に、トリ
クロロエチレンなどの揮発性有機化合物を地下から地上
に移送し、この揮発性塩素化有機化合物をリアクター内
に導入して直接酸化分解する方法である。この方法によ
れば、活性炭の焼却処理は必要ないが、地下水あるいは
揮発性有機化合物を地下から地上に移送する設備、光化
学分解リアクターの設備及びその運転エネルギーが必要
であり、活性炭による処理方法と同様に処理効率及び処
理コストの点で問題があった。
【0006】また、近年、これら脂肪族系の塩素化有機
化合物のみならずベンゼンなどの芳香族系の揮発性有機
化合物による土壌や地下水の汚染も指摘されており、こ
れら芳香族系化合物は環境ホルモンや発ガン性などが懸
念され、これらも浄化できるのが望ましい。
【0007】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、塩素を含有する揮発性有機化合物や芳香族系化合
物などの有害な有機化合物で汚染された土壌または地下
水中からこれら有害有機化合物を効率的に分解して浄化
することができる土壌及び地下水の浄化処理方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、トリクロロエチレンなどの揮発
性有機化合物による土壌・地下水汚染場所を必要に応じ
て区画した後、直接過硫酸カリウムなどの過硫酸塩を添
加すれば、揮発性有機化合物を地上に移送しなくとも酸
化分解して無害化することが可能であり、また、これら
の過硫酸塩は処理後は硫酸塩となるので環境に対する負
荷も少ないことを見出した。さらに、これら過硫酸塩
は、ベンゼン、クロロベンゼンなどの芳香族化合物を分
解することも可能であることを見出した。これらに基づ
き本発明に想到した。
【0009】本発明の請求項1記載の土壌又は地下水の
浄化処理方法は、有害有機化合物で汚染された土壌又は
地下水に過硫酸塩を添加する方法である。
【0010】また、請求項2記載の土壌又は地下水の浄
化処理方法は、前記請求項1において、前記過硫酸塩が
過硫酸カリウム又は過硫酸ナトリウムである方法であ
る。
【0011】さらに、請求項3記載の土壌又は地下水の
浄化処理方法は、前記請求項1又は2において、有害有
機化合物で汚染された土壌又は地下水を含む区域を区画
し、この区画内に直接過硫酸塩を添加する方法である。
【0012】
【発明の実施形態】以下、本発明の土壌又は地下水の浄
化処理方法について詳細に説明する。本発明において浄
化対象となる有害な有機化合物は、基本的には、揮発性
有機化合物であり、塩素を含む脂肪族系有機化合物や芳
香族系化合物などが挙げられる。上記塩素を含む脂肪族
系有機化合物(以下、塩素化有機化合物という)として
は、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、トランス1,3−ジクロロプロペン、シ
ス1,3−ジクロロプロペンなどの塩素化脂肪族炭化水
素などの有機溶剤であり、トリクロロエチレンの場合、
汚染濃度が0.03mg/リットル以下の土壌環境基準
が設けられている。また、芳香族系化合物としては、ベ
ンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼンあるいはそ
の他の塩素化物などの揮発性有機化合物が挙げられる。
【0013】本発明は、このような有害な有機化合物を
酸化反応により分解する方法であるが、その酸化剤とし
ては、酸化力及び環境負荷の点で過硫酸塩を使用する。
上記過硫酸塩としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウムなどを用いることができる。
【0014】以下、本発明の土壌又は地下水の浄化処理
方法について、土壌又は地下水の汚染が最も問題となっ
ている塩素化有機化合物の場合を例に説明する。
【0015】塩素化有機化合物で汚染された土壌又は地
下水に過硫酸塩を添加すると、過硫酸塩の有する強力な
酸化力により塩素化有機化合物に含まれている塩素が除
去され、例えば、トリクロロエチレンの場合には、二酸
化炭素と塩酸と水とに分解される。また、過剰な過硫酸
塩は、土壌などに含まれる還元性の物質と反応して硫酸
カリウム、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩として土壌又は
地下水に残存することになるが、これらは特に毒性等や
化学反応性も低く環境負荷が少ないため二次汚染を引き
起こす可能性もなく、この点においても本発明の方法は
優れている。
【0016】このような塩素化有機化合物を分解するた
めの過硫酸塩の添加量については特に制限はないが、土
壌又は地下水中に残留する塩素化有機化合物をほぼ完全
に分解するに必要な最少添加量以上であればよい。した
がって、この添加量は土壌又は地下水中に残留する塩素
化有機化合物の濃度を基準として、土壌又は地下水の総
量からその全量を計算し、これを分解するに必要な理論
量を求めて、それ以上の量とすればよい。また、この過
硫酸塩はそのままあるいは水溶液として土壌又は地下水
に添加すればよい。具体的には、土壌又は地下水の汚染
の程度によっても異なるが、土壌又は地下水中に含まれ
る浄化対象となる塩素化有機化合物の総量を分解するの
に必要な理論値に対して等量以上、好ましくは2倍量以
上、特に好ましくは5倍量以上とする。具体的には、ト
リクロロエチレンの場合、土壌又は地下水中のトリクロ
ロエチレンの濃度2.0ppmの場合には、土壌又は地
下水に対して過硫酸カリウムが20ppm以上、好まし
くは40ppm以上、特に100ppm以上となるよう
に添加する。なお、上限については特に制限はないが、
あまり添加量を多くしすぎてもそれに見合う塩素化有機
化合物の分解速度の向上が得られなくなるばかりか、添
加する過硫酸塩の量が多くなりすぎるので、トリクロロ
エチレンの濃度2.0ppmの場合、過硫酸カリウムを
200ppm以下、特に100ppm以下程度添加すれ
ばよい。
【0017】また、本発明の方法によれば、土壌又は地
下水に含まれる塩素化有機化合物の完全な浄化には、あ
る程度の日数を要する。すなわち、十分な過硫酸塩の量
であれば、24時間で0.1ppm以下の濃度にまで低
下し、その後、数日をかけて徐々に塩素化有機化合物を
分解して浄化が進行していくことになる。それでも、最
終的には、ほぼ完全に塩素化有機化合物を分解できるの
で問題はなく、適宜塩素化有機化合物の濃度を監視する
などして浄化の度合いを確認すればよい。
【0018】上述したような本発明の方法は、土壌又は
地下水が汚染されているエリアにおいて、地下水を汲み
上げたり土壌を掘り起こしたりすることなく直接行うこ
とができる。
【0019】すなわち、地下水を浄化する場合には、ま
ず、井戸を掘削して地下水脈の深さを測定し、浄化した
いエリアを矢板などで区画して地下水の流れを止める。
そして、地下水を検査することにより塩素化有機化合物
の濃度を測定し、その濃度と浄化する地下水の量とから
添加する過硫酸塩の量を決定する。そして、決定量の過
硫酸塩をそのままあるいは水に溶解して井戸に投入して
注入してやればよい。その後、定期的に地下水を採取し
て塩素化有機化合物の濃度を計測し、少なくとも環境基
準値以下、例えばトリクロロエチレンの場合その濃度が
0.03mg/リットル以下となったら、処理を終了
し、矢板などの区画を解放すればよい。なお、区画せず
に過硫酸塩を地下水にそのまま流してもよい。
【0020】また、土壌を浄化する場合には、汚染され
ている土壌の深さ及びエリアを測定し、このエリアを区
画して土壌を検査することにより塩素化有機化合物の濃
度を測定し、その濃度と土壌の量とから添加する過硫酸
塩の量を決定する。そして、この決定量の過硫酸塩をそ
のままあるいは水に溶解して土中などに打ち込んだ管材
などから汚染土壌に対して直接、過硫酸塩(又はその水
溶液)を投入してやればよい。そして、定期的に土壌を
採取して塩素化有機化合物の濃度を計測し、少なくとも
環境基準値以下、例えばトリクロロエチレンの場合その
濃度が0.03mg/リットル以下となったら、処理を
終了する。なお、区画せずに過硫酸塩を土壌にそのまま
投入してもよい。
【0021】このような浄化処理において、浄化対象と
なる区域が限定されている場合は、過流酸塩による処理
を1回行うだけで十分な浄化効果を得ることができる
が、地下水などのように他の区域から汚染物質が拡散し
てきているような場合には、汚染源を突き止めることが
重要であるのはもちろんのこと、定期的に浄化対象区域
の塩素化有機化合物濃度を測定して、その濃度が環境基
準値を上回ったら、もしくは環境基準値を上回らなくと
もある程度上昇したら過硫酸塩を添加する浄化処理を繰
り返せば良い。
【0022】以上、本発明の土壌又は地下水の浄化処理
方法について、塩素化有機化合物の場合を例に説明して
きたが、ベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン
などの芳香族化合物により汚染された土壌あるいは地下
水を浄化する場合にも基本的には前述した塩素化有機化
合物の場合と同じであり、その芳香族化合物の酸化分解
に要する過硫酸塩の化学当量及び濃度に応じて、その添
加量を決定し、同様の処理を行えばよい。
【0023】上述したような本発明の土壌又は地下水の
浄化処理方法は、従来の土壌ガス吸引法及び地下水揚水
法ような特別な設備を必要とせず、浄化処理を行いたい
場所で直接処理することができるものであり、大幅にコ
スト及び効率が良い方法となっている。しかも、土壌又
は地下水を移送することなく直接処理するので、有害有
機化合物をほとんど完全に分解することができるという
効果も奏する。さらに、使用する過硫酸塩は、処理後は
害のない硫酸塩となるので、二次汚染の問題もなく、環
境負荷的にも優れている。なお、土壌を掘り返したり地
下水を汲み上げたりした場合にも本発明の方法を適用す
ることができることはいうまでもない。
【0024】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をより詳細
に説明する。実施例1及び比較例1 表1に示す8類の揮発性有機化合物(VOC)を0.2
0ppm(ただし、フルオロベンゼンは0.04pp
m)含有する水に対し過硫酸塩として過硫酸カリウム
(K228)水溶液を100ppm(過硫酸カリウム
換算、以下同じ)添加して3日間放置した後のこれらV
OCの濃度を測定した結果を表1に示す。また、比較の
ために何も添加しなかった場合(酸化剤なし)及び過硫
酸カリウムの代わりに一般的な酸化剤である過マンガン
酸カリウム(KMnO4)を100ppm添加した場合
(比較例1)について同様の試験を行った結果を表1に
合わせて示す。
【0025】
【表1】 表1から明らかなように過硫酸カリウムは、8種類の揮
発性有機化合物(VOC)全てに対して分解能力を発揮
しているのがわかる。特に過マンガン酸カリウムでは分
解できない芳香族系有機化合物であるベンゼン及びフル
オロベンゼンについても過硫酸カリウムは分解できるこ
とがわかる。実施例2〜5 トリクロロエチレンを0.20ppm含有する水に対し
過硫酸カリウムを100ppm、50ppm及び20p
pmそれぞれ添加し、トリクロロエチレンの濃度を10
日間にわたって測定した。結果を表2に示す。また、過
硫酸塩として過硫酸ナトリウム(Na228)を10
0ppm添加した場合について同様の試験を行った。結
果を表2に合わせて示す。さらに、比較のために何も添
加しなかった場合(酸化剤なし)について同様の試験を
行った結果を表2に合わせて示す。
【0026】
【表2】 表2から明らかなように過硫酸ナトリウムは、100p
pmの濃度で5日でトリクロロエチレンをほぼ完全に分
解することができ、過硫酸カリウムとほぼ同程度の分解
能を発揮することがわかる。また、過硫酸カリウムは5
0ppm、20ppmの低濃度でもある程度トリクロロ
エチレンを分解できることがわかる。実施例6〜9 トリクロロエチレンを0.20ppm含有する水に対し
過硫酸カリウムを100ppm添加し、トリクロロエチ
レンの濃度を17日間にわたって測定した。結果を表3
に示す。また、トリクロロエチレンの濃度を10倍であ
る2.0ppm含有する水に対し過硫酸カリウムを10
0ppm、40ppm及び20ppmそれぞれ添加し、
トリクロロエチレンの濃度を17日間にわたって測定し
た。結果を表3に合わせて示す。さらに、比較のために
何も添加しなかった場合(酸化剤なし)について同様の
試験を行った結果を表3に合わせて示す。
【0027】
【表3】 表3から明らかなように過硫酸カリウムは、2.0pp
mと非常に高濃度のトリクロロエチレンであっても、時
間をかければ100ppm及び40ppmの濃度でも分
解できることがわかる。また、20ppmと低い濃度で
も減少化傾向が認められた。なお、過硫酸カリウムの濃
度20ppmは、トリクロロエチレン2.0ppmの分
解反応に必要な理論量とほぼ等量であり、40ppm、
100ppmは、それぞれ約2倍量及び約5倍量に相当
する。実施例10、11 ベンゼンを0.20ppm及び2.0ppm含有する水
に対し過硫酸カリウムを100ppm添加し、ベンゼン
の濃度を17日間にわたって測定した。結果を表4に示
す。また、比較のために何も添加しなかった場合(酸化
剤なし)について同様の試験を行った結果を表4に合わ
せて示す。
【0028】
【表4】 表4から明らかなように過硫酸カリウムは、0.20p
pmの濃度のベンゼンは3日でほぼ分解できるだけでな
く、2.0ppmと非常に高濃度のベンゼンも分解でき
ることがわかる。実施例12、13 クロロベンゼンであるp−ジクロロベンゼンを0.2p
pm及び2.0ppm含有する水に対し過硫酸カリウム
を100ppm添加し、p−ジクロロベンゼンの濃度を
17日間にわたって測定した。結果を表5に示す。ま
た、比較のために何も添加しなかった場合(酸化剤な
し)について同様の試験を行った結果を表5に合わせて
示す。
【0029】
【表5】 表5から明らかなように過硫酸カリウムは、0.20p
pmの濃度のp−ジクロロベンゼンは7日でほぼ分解で
きるだけでなく、2.0ppmと非常に高濃度のp−ジ
クロロベンゼンも分解できることがわかる。
【0030】これらの実施例1〜13及び比較例1から、
過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムは、低濃度のトリ
クロロエチレンを迅速に分解できるのみならず高濃度の
トリクロロエチレンであっても時間をかければほぼ完全
に分解でき、この点で過マンガン酸塩と遜色なく、ま
た、酸化力が強いので過マンガン酸塩では分解できない
ベンゼンなどの芳香族化合物も分解可能であることがわ
かる。また、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムは、
分解後は硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムとして残存す
るため環境に対する負荷が少ないため、土壌や地下水に
直接投与可能であり、さらに、過マンガン酸カリウムよ
りも安価であるという利点も有する。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の土壌又は地下水
の浄化処理方法は、有害有機化合物で汚染された土壌又
は地下水に過硫酸塩を添加する方法であるので、土壌又
は地下水中の有害有機化合物を効率的に分解して浄化す
ることができる。また、従来の土壌ガス吸引法及び地下
水揚水法のような特別な設備を必要とせず、浄化処理を
行いたい場所で直接処理することができ、大幅にコスト
及び効率が良い。しかも、土壌又は地下水を直接処理す
るので、有害有機化合物をほとんど完全に分解すること
ができる。その上、使用する過硫酸塩は、処理後は害の
ない硫酸塩となるので、二次汚染の問題もなく、環境負
荷的にも優れている。
【0032】また、請求項2記載の土壌又は地下水の浄
化処理方法は、前記請求項1において、前記過硫酸塩が
過硫酸カリウム又は過硫酸ナトリウムである方法である
ので、土壌又は地下水中の有害有機化合物を効率的に分
解して浄化することができる。また、過硫酸カリウム又
は過硫酸ナトリウムは、処理後は害のない硫酸カリウム
又は硫酸ナトリウムとなるので、二次汚染の問題もな
く、環境負荷的にも優れている。
【0033】さらに、請求項3記載の土壌又は地下水の
浄化処理方法は、前記請求項1又は2において、有害有
機化合物で汚染された土壌又は地下水を含む区域を区画
し、この区画内に直接過硫酸塩を添加する方法であるの
で、土壌を掘り返したり地下水を汲み上げたりすること
なく浄化処理を行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E191 BA11 BA12 BA15 BB01 BC01 BD11 4D004 AA41 AB05 AB06 AC07 CA01 CA36 CC11 4D050 AA02 AB12 AB19 BB13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害有機化合物で汚染された土壌又は地
    下水に過硫酸塩を添加することを特徴とする土壌又は地
    下水の浄化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記過硫酸塩が過硫酸カリウム又は過硫
    酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1記載の土
    壌又は地下水の浄化処理方法。
  3. 【請求項3】 有害有機化合物で汚染された土壌又は地
    下水を含む区域を区画し、この区画内に直接過硫酸塩を
    添加することを特徴とする請求項1又は2記載の土壌又
    は地下水の浄化処理方法。
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