JP2013184564A - 船舶推進機 - Google Patents
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- B63H11/10—Marine propulsion by water jets the propulsive medium being ambient water having means for deflecting jet or influencing cross-section thereof
- B63H11/107—Direction control of propulsive fluid
- B63H11/11—Direction control of propulsive fluid with bucket or clamshell-type reversing means
Abstract
【課題】ジェットポンプが1機であっても、操舵方向と船舶の旋回方向との関係が前進時と後進時とで変わらず、後進時の操船性が高い船舶推進機を提供すること。
【解決手段】船舶推進機は、ノズル18と、デフレクタ19と、リバースバケット24(「Rバケット」という。)と、ガイド59とを含む。ガイドは、Rバケットが閉位置に配置されており、デフレクタが直進位置に配置されている状態で、ノズルからデフレクタ内に流入した水を等しい流量で左右に分けて、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とを形成する。ガイドは、Rバケットが閉位置に配置されており、デフレクタが右側に配置されている状態で、右分流よりも流量が大きい左分流を形成する。ガイドは、Rバケットが閉位置に配置され、デフレクタが左側に配置されている状態で、左分流よりも流量が大きい右分流を形成する。
【選択図】図7A
【解決手段】船舶推進機は、ノズル18と、デフレクタ19と、リバースバケット24(「Rバケット」という。)と、ガイド59とを含む。ガイドは、Rバケットが閉位置に配置されており、デフレクタが直進位置に配置されている状態で、ノズルからデフレクタ内に流入した水を等しい流量で左右に分けて、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とを形成する。ガイドは、Rバケットが閉位置に配置されており、デフレクタが右側に配置されている状態で、右分流よりも流量が大きい左分流を形成する。ガイドは、Rバケットが閉位置に配置され、デフレクタが左側に配置されている状態で、左分流よりも流量が大きい右分流を形成する。
【選択図】図7A
Description
本発明は、船舶推進機に関する。
特許文献1には、ノズル(discharge nozzle)に対して左右に回転するデフレクタ(steering nozzle)と、デフレクタに保持され上下に回転するリバースバケット(reverse thrust bucket)とを備えるジェット推進機が開示されている。
特許文献2には、ノズル(nozzle)に対して左右に回転するデフレクタ(rudder)と、ノズルに保持され上下に回転するリバースバケット(reverse gate)とを備えるジェット推進機が開示されている。
特許文献2には、ノズル(nozzle)に対して左右に回転するデフレクタ(rudder)と、ノズルに保持され上下に回転するリバースバケット(reverse gate)とを備えるジェット推進機が開示されている。
特許文献3には、2機のジェット推進機を備える船舶が記載されている。各ジェット推進機は、ノズルに対して左右に回転するデフレクタと、ノズルに保持され上下に回転するリバースバケットとを備えている。
特許文献1では、リバースバケットが下ろされており、デフレクタが左右に傾いている状態で、ノズルから後方に水が噴射される。この状態では、デフレクタ内に流入した水が、デフレクタから右斜め前または左斜め前に噴射される。これにより、船舶が、右斜め後ろまたは左斜め後ろに推進される。しかしながら、特許文献1のジェット推進機は、ノズルに対するデフレクタの最大回転角より外側に傾いた水流を形成できないので、推力の左右方向成分をさらに増加させる場合には、エンジンなどの動力源の出力を増加させなければならない。
特許文献2では、リバースバケットが下ろされており、デフレクタが右に傾いている状態で、ノズルから後方に水が噴射される。デフレクタ内に流入した水は、デフレクタから右斜め後ろに噴射される。特許文献2の図7に示すように、デフレクタから噴射された水は、リバースバケットによって前方に案内され、リバースバケットから右斜め前に噴射される。これにより、船舶が、左斜め後ろに推進される。一方、リバースバケットが上げられており、デフレクタが右に傾いている状態では、デフレクタから噴射された水が、リバースバケットに遮られず、右斜め後ろに流れる。そのため、船舶が、右斜め前に推進される。すなわち、リバースバケットが下ろされている場合とは反対の方向に船舶が旋回する。
特許文献2のジェット推進機は、デフレクタの最大回転角より外側に水流を傾けることができる。しかしながら、デフレクタの傾き方向が同じであっても、リバースバケットが下げられている状態では、リバースバケットが上げられている状態とは反対の方向に船舶が旋回する。そのため、操舵方向(ステアリングハンドルの操作方向)と船舶の旋回方向との関係が、前進時と後進時とで異なる。
特許文献3では、一対のリバースバケットが下げられており、一対のデフレクタが右に傾いている状態で、一対のノズルから後方に水が噴射される。特許文献3の図21に示すように、右側のデフレクタ内に流入した水は、前方向と、左斜め後ろ方向に噴射され、左側のデフレクタ内に流入した水は、左斜め前方向に噴射される。これにより、船舶が右斜め後ろに推進される。特許文献3の図22に示すように、一対のデフレクタが左に傾いている状態では、右側のデフレクタ内に流入した水は、右斜め前方向に噴射され、左側のデフレクタ内に流入した水は、前方向と、右斜め後ろ方向に噴射される。これにより、船舶が左斜め後ろに推進される。
特許文献3の2機のジェット推進機は、デフレクタの最大回転角より外側に水流を傾けることができる。さらに、操舵方向と船舶の旋回方向との関係が、前進時と後進時とで一致している。しかしながら、特許文献3では、2機のジェット推進機が発生する推力の合力によって、船舶が、右斜め後ろおよび左斜め後ろに推進されるので、ジェット推進機(ジェットポンプ)が2機必要である。
そこで、本発明の目的は、ジェットポンプが1機であっても、操舵方向と船舶の旋回方向との関係が前進時と後進時とで変わらず、後進時の操船性が高い船舶推進機を提供することである。
本発明の一実施形態は、ノズルと、デフレクタと、リバースバケット(以下では、「Rバケット」という。)と、ガイドとを含む、船舶推進機を提供する。前記ノズルは、水を後方に噴射する。前記デフレクタは、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線まわりに左右に回転可能である。前記デフレクタは、前記ノズルから噴射された水を後ろ方向または後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向に噴射する噴射口を形成している。前記Rバケットは、背面視において前記噴射口の少なくとも一部を覆う閉位置と、前記噴射口を覆わない開位置との間で、略水平なR軸線まわりに上下に回転可能である。前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記右最大転舵位置と前記左最大転舵位置との間の直進位置に配置されている状態で前記ノズルから前記デフレクタ内に流入した水を等しい流量で左右に分ける。これにより、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とが、前記ガイドによって形成される。さらに、前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置よりも右側に配置されている状態で、前記右分流よりも流量が大きい前記左分流を形成する。さらに、前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置され、かつ、前記デフレクタが前記直進位置よりも左側に配置されている状態で、前記左分流よりも流量が大きい前記右分流を形成する。
本発明の一実施形態は、ノズルと、デフレクタと、リバースバケット(以下では、「Rバケット」という。)と、ガイドとを含む、船舶推進機を提供する。前記ノズルは、水を後方に噴射する。前記デフレクタは、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線まわりに左右に回転可能である。前記デフレクタは、前記ノズルから噴射された水を後ろ方向または後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向に噴射する噴射口を形成している。前記Rバケットは、背面視において前記噴射口の少なくとも一部を覆う閉位置と、前記噴射口を覆わない開位置との間で、略水平なR軸線まわりに上下に回転可能である。前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記右最大転舵位置と前記左最大転舵位置との間の直進位置に配置されている状態で前記ノズルから前記デフレクタ内に流入した水を等しい流量で左右に分ける。これにより、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とが、前記ガイドによって形成される。さらに、前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置よりも右側に配置されている状態で、前記右分流よりも流量が大きい前記左分流を形成する。さらに、前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置され、かつ、前記デフレクタが前記直進位置よりも左側に配置されている状態で、前記左分流よりも流量が大きい前記右分流を形成する。
この構成によれば、ノズルから後方に噴射された水が、デフレクタ内を通ってデフレクタの噴射口から後方に噴射される。Rバケットは、背面視において前記噴射口の少なくとも一部を覆う閉位置と、前記噴射口を覆わない開位置との間で、略水平なR軸線まわりに上下に回転可能である。
Rバケットが開位置に配置されている状態では、前記噴射口が覆われていないので、前記噴射口から噴射された水は、Rバケットに遮られることなく後方に流れる。デフレクタは、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線まわりに左右に回転可能である。右最大転舵位置および左最大転舵位置は、後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向に前記噴射口から水が噴射される位置である。右最大転舵位置と左最大転舵位置との間の直進位置は、前記噴射口から後ろ方向に水が噴射される位置である。前記噴射口からの水の噴射方向は、D軸線まわりのデフレクタの移動に伴って変化する。したがって、ノズルから後方に流れる水流は、デフレクタによって左右に傾けられる。
Rバケットが開位置に配置されている状態では、前記噴射口が覆われていないので、前記噴射口から噴射された水は、Rバケットに遮られることなく後方に流れる。デフレクタは、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線まわりに左右に回転可能である。右最大転舵位置および左最大転舵位置は、後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向に前記噴射口から水が噴射される位置である。右最大転舵位置と左最大転舵位置との間の直進位置は、前記噴射口から後ろ方向に水が噴射される位置である。前記噴射口からの水の噴射方向は、D軸線まわりのデフレクタの移動に伴って変化する。したがって、ノズルから後方に流れる水流は、デフレクタによって左右に傾けられる。
一方、Rバケットが閉位置に配置されており、かつ、デフレクタが直進位置よりも右側に配置されている状態では、前記デフレクタにより右斜め後ろに案内された水が、ガイドによって左斜め前方向に案内される。これにより、左斜め前方向に流れる左分流が形成され、船舶が、右斜め後ろ推進される。また、Rバケットが閉位置に配置されており、かつ、デフレクタが直進位置よりも左側に配置されている状態では、前記デフレクタにより左斜め後ろに案内された水が、ガイドによって右斜め前方向に案内される。これにより、右斜め前方向に流れる右分流が形成され、船舶が、左斜め後ろ推進される。
このように、デフレクタによって右斜め後ろに案内された水流は、ガイドによって左斜め前方向に案内され、デフレクタによって左斜め後ろに案内された水流は、ガイドによって右斜め前方向に案内される。そのため、操舵方向(ステアリングハンドルの操作方向)と船舶の旋回方向との関係が、前進時と後進時とで変わらない。さらに、右斜め前方向および左斜め前方向は、最大転舵位置での前記噴射口からの水の噴射方向よりも左右に傾いた方向である。したがって、船舶推進機は、デフレクタの最大回転角より外側に水流を傾けることができる。そのため、船舶推進機は、後進状態の船舶を旋回させる力を大きくすることができる。
前記R軸線は、前記デフレクタに対して固定された軸線であってもよい。前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線より左を流れる水流によって前記左分流を形成してもよい。さらに、この状態で、前記ガイドは、前記デフレクタの中心軸線より右を流れる水流によって前記右分流を形成してもよい。
また、前記Rバケットは、前記閉位置で前記噴射口を覆う蓋部を含んでいてもよい。前記ガイドは、前記Rバケットの一部であり、前記蓋部から前方に延びる板状部材を含んでいてもよい。
前記デフレクタは、前記ノズルから噴射された水を前記噴射口へ向けて後方へ導く主流路と、前記主流路から右噴射口まで右斜め前下方に延びる右流路と、前記主流路から左噴射口まで左斜め前下方に延びる左流路とを含んでいてもよい。この場合、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記主流路の前記板状部材より右側の部分と前記蓋部の前記板状部材より右側の部分と前記右流路とにより形成される流路を流れる前記右分流を形成してもよい。同様に、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記主流路の前記板状部材より左側の部分と前記蓋部の前記板状部材より左側の部分と前記左流路とにより形成される流路を流れる前記左分流を形成してもよい。
前記デフレクタは、前記ノズルから噴射された水を前記噴射口へ向けて後方へ導く主流路と、前記主流路から右噴射口まで右斜め前下方に延びる右流路と、前記主流路から左噴射口まで左斜め前下方に延びる左流路とを含んでいてもよい。この場合、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記主流路の前記板状部材より右側の部分と前記蓋部の前記板状部材より右側の部分と前記右流路とにより形成される流路を流れる前記右分流を形成してもよい。同様に、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記主流路の前記板状部材より左側の部分と前記蓋部の前記板状部材より左側の部分と前記左流路とにより形成される流路を流れる前記左分流を形成してもよい。
また、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記噴射口を通る前記右分流を形成してもよい。同様に、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記噴射口を通る前記左分流を形成してもよい。
また、前記デフレクタはスリットを有していてもよい。この場合、前記板状部材は、前記スリットを通じて前記デフレクタの内部に進入するように構成されていてもよい。
また、前記デフレクタはスリットを有していてもよい。この場合、前記板状部材は、前記スリットを通じて前記デフレクタの内部に進入するように構成されていてもよい。
また、前記ガイドは、前記Rバケットの一部であり、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を左斜め前方向と右斜め前方向とに導いてもよい。
また、前記ガイドは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線上に配置された頂部を含んでいてもよい。この場合、前記ガイドは、前記頂部から右斜め後ろに延び右斜め前に方向転換するU字状の右ガイドと、前記頂部から左斜め後ろに延び左斜め前に方向転換するU字状の左ガイドとを含んでいてもよい。
また、前記ガイドは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線上に配置された頂部を含んでいてもよい。この場合、前記ガイドは、前記頂部から右斜め後ろに延び右斜め前に方向転換するU字状の右ガイドと、前記頂部から左斜め後ろに延び左斜め前に方向転換するU字状の左ガイドとを含んでいてもよい。
また、前記R軸線は、前記ノズルに対して固定された軸線であってもよい。前記ガイドは、前記Rバケットの一部であり、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線より右を流れる水流によって前記左分流を形成してもよい。さらに、この状態で、前記ガイドは、前記デフレクタの中心軸線より左を流れる水流によって前記右分流を形成してもよい。
また、前記ガイドは、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を左斜め前方向と右斜め前方向とに導いてもよい。
前記ガイドは、上下に交差した右流路および左流路を含んでいてもよい。前記右流路は、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を前記デフレクタの中心軸線の左側から右側に導いてもよい。前記左流路は、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を前記デフレクタの中心軸線の右側から左側に導いてもよい。
前記ガイドは、上下に交差した右流路および左流路を含んでいてもよい。前記右流路は、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を前記デフレクタの中心軸線の左側から右側に導いてもよい。前記左流路は、前記Rバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を前記デフレクタの中心軸線の右側から左側に導いてもよい。
また、前記ガイドの前端は、前記D軸線よりも後方に配置されていてもよい。
また、前記ガイドの前端は、前記ノズルの後端よりも後方に配置されていてもよい。
また、前記ガイドの前端は、前記ノズルの後端よりも後方に配置されていてもよい。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
各図では、水上で静止している静止状態の船舶が示されている。以下の説明における「前後方向」「左右方向」および「上下方向」は、静止状態の船体を基準とする方向である。さらに、以下では、「リバース」および「フォワード」をそれぞれ「R」および「F」と表記している。たとえば「Rバケット」は、「リバースバケット」を意味する。
各図では、水上で静止している静止状態の船舶が示されている。以下の説明における「前後方向」「左右方向」および「上下方向」は、静止状態の船体を基準とする方向である。さらに、以下では、「リバース」および「フォワード」をそれぞれ「R」および「F」と表記している。たとえば「Rバケット」は、「リバースバケット」を意味する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る船舶1の模式的な平面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る船舶推進機3の部分断面図である。図3は、Rバケット24およびFバケット25の模式的な側面図であり、図4は、Rバケット24およびFバケット25の模式的な背面図である。図2では、Rバケット24およびFバケット25の図示を省略している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る船舶1の模式的な平面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る船舶推進機3の部分断面図である。図3は、Rバケット24およびFバケット25の模式的な側面図であり、図4は、Rバケット24およびFバケット25の模式的な背面図である。図2では、Rバケット24およびFバケット25の図示を省略している。
図1に示すように、船舶1は、船体2と、船体2を前進および後進させる船舶推進機3と、船舶推進機3を制御するECU4(Electronic control unit)とを含む。さらに、船舶1は、船舶1の旋回角度を変更するために操船者によって操作されるハンドル5と、船舶推進機3の出力を変更するために操船者によって操作されるレバー6とを含む。
図1に示すように、船舶推進機3は、船体2の後部中央部に設けられている。左右方向への船舶推進機3の中心は、船体中心C1(船体2の幅方向中央を通る鉛直な平面)と一致している。船舶推進機3は、前方または後方に水を噴射するジェット推進機である。ハンドル5は、ステアリングケーブル7によって船舶推進機3に連結されている。ハンドル5は、右最大操舵位置と左最大操舵位置との間で移動可能である。前後方向に対する水流の傾き角度は、ハンドル5の操作によって変更される。また、レバー6の位置は、レバー位置検出装置8によって検出される。ECU4は、レバー位置検出装置8の検出値に基づいて船舶推進機3(エンジン10)の出力を変更する。
図1に示すように、船舶推進機3は、船体2の後部中央部に設けられている。左右方向への船舶推進機3の中心は、船体中心C1(船体2の幅方向中央を通る鉛直な平面)と一致している。船舶推進機3は、前方または後方に水を噴射するジェット推進機である。ハンドル5は、ステアリングケーブル7によって船舶推進機3に連結されている。ハンドル5は、右最大操舵位置と左最大操舵位置との間で移動可能である。前後方向に対する水流の傾き角度は、ハンドル5の操作によって変更される。また、レバー6の位置は、レバー位置検出装置8によって検出される。ECU4は、レバー位置検出装置8の検出値に基づいて船舶推進機3(エンジン10)の出力を変更する。
図1に示すように、レバー6は、その下端部を中心に前後に回動可能である。レバー6は、操船者によって、略垂直な位置を中心に前後に傾けられる。中立位置(neutral position)Nは、たとえば、レバー6が略垂直な位置である。レバー6が中立位置Nからシフト切替位置Fin(前進シフト切替位置)まで前に傾けられると、船舶推進機3は、前進方向の推力を発生するように切り替えられる。また、レバー6が中立位置Nからシフト切替位置Rin(後進シフト切替位置)まで後ろに傾けられると、船舶推進機3は、後進方向の推力を発生するように切り替えられる。シフト切替位置Finとシフト切替位置Rinとの間の領域は、ECU4が船舶推進機3の出力を一定に維持するN領域である。
図1に示すように、レバー6がシフト切替位置Finから全開位置Ffull(前進全開位置)の方にさらに前に傾けられると、ECU4は、レバー6の傾き量に応じて船舶推進機3に出力を上昇させる。同様に、レバー6がシフト切替位置Rinから全開位置Rfull(後進全開位置)の方にさらに後ろに傾けられると、ECU4は、レバー6の傾き量に応じて船舶推進機3に出力を上昇させる。シフト切替位置Finから全開位置Ffullまでの領域は、ECU4が船舶推進機3に前進方向の推力を発生させるF領域である。また、シフト切替位置Rinから全開位置Rfullまでの領域は、ECU4が船舶推進機3に後進方向の推力を発生させるR領域である。
図2に示すように、船舶推進機3は、船底から吸い込んだ水を後方に噴射するジェットポンプ9と、ジェットポンプ9を駆動するエンジン10とを含む。エンジン10は、ジェットポンプ9を駆動する動力源の一例である。ジェットポンプ9は、電動モータによって駆動されてもよいし、エンジン10および電動モータによって駆動されてもよいし、エンジン10および電動モータ以外の装置によって駆動されてもよい。エンジン10は、船体2の内部に配置されている。エンジン10は、ECU4によって制御される。ジェットポンプ9は、エンジン10の後方に配置されている。
図2に示すように、ジェットポンプ9は、船底で開口する吸水口11と、吸水口11よりも後方で後ろ向きに開口する噴射口12と、吸水口11と噴射口12とを接続する流路13とを形成している。ジェットポンプ9は、吸水口11と流路13の一部とを形成するダクト14と、流路13に配置された動翼15および静翼16と、動翼15に連結されたドライブシャフト17とを含む。さらに、ジェットポンプ9は、噴射口12を形成するノズル18と、ノズル18から後方に流れる水流の方向を左右に傾けるデフレクタ19とを含む。ノズル18は、船体中心C1に沿って前後方向に延びている。
図2に示すように、ドライブシャフト17は、前後方向に延びている。ドライブシャフト17の前端部は、カップリング20を介してエンジン10に連結されており、ドライブシャフト17の後端部は、複数の軸受21を介して回転可能に支持されている。動翼15は、ドライブシャフト17に連結されている。静翼16は、動翼15の後方に配置されており、ノズル18は、静翼16の後方に配置されている。動翼15は、回転軸線L1(ドライブシャフト17の中心軸線)を取り囲むように配置された複数の羽根を含む。同様に、静翼16は、回転軸線L1を取り囲むように配置された複数の羽根を含む。動翼15は、流路13に対して回転軸線L1まわりに回転可能であり、静翼16は、流路13に対して固定されている。
動翼15は、エンジン10によって、ドライブシャフト17と共に回転軸線L1まわりに駆動される。動翼15が回転駆動されると、吸水口11から流路13内に水が吸い込まれ、流路13内に吸い込まれた水が、動翼15から静翼16に送られる。動翼15によって送られた水が静翼16を通過することにより、動翼15の回転によって生じた水流のねじれが低減され、水流が整えられる。したがって、整流された水が、静翼16から噴射口12に送られる。ノズル18は、前後方向に延びる筒状であり、ノズル18の後端部の内径は、ノズル18の前端部の内径よりも小さい。噴射口12は、ノズル18の後端部によって形成されている。したがって、ノズル18に送られた水は、ノズル18によって加速された後、噴射口12から後方に噴射される。
図2に示すように、デフレクタ19は、ノズル18から後方に延びる筒状である。デフレクタ19の中心軸線Ad1は、ノズル18の中心軸線An1と同じ高さに配置されている。デフレクタ19は、後ろ向きに開口したF噴射口22と、右斜め前向きに開口したR右噴射口68と、左斜め前向きに開口したR左噴射口69とを形成している。F噴射口22は、噴射口12の後方に配置されており、R右噴射口68およびR左噴射口69は、F噴射口22よりも前方に配置されている。R右噴射口68およびR左噴射口69は、デフレクタ19の中心軸線Ad1に関して左右対称に配置されている。R右噴射口68は、右斜め前方向に水を噴射し、R左噴射口69は、左斜め前方向に水を噴射する。右斜め前方向は、左斜め前方向を左右に反転させた方向である。
F噴射口22は、後述するRバケット24によって開閉される。F噴射口22が開かれている状態でノズル18から後方に水が噴射されると、デフレクタ19内に流入した水は、F噴射口22から後方に噴射される。これにより、前進方向の推力が発生する。一方、F噴射口22が閉じられている状態でノズル18から後方に水が噴射されると、デフレクタ19内に流入した水は、Rバケット24によってR右噴射口68およびR左噴射口69の少なくとも一方に案内され、R右噴射口68およびR左噴射口69の少なくとも一方から前方に噴射される。これにより、後進方向の推力が発生する。
図2に示すように、デフレクタ19は、上下方向に延びる略鉛直なD軸線D1まわりに左右に回転可能にノズル18に連結されている。ノズル18は、船体2に固定されており、船体2に対して動かない。したがって、デフレクタ19は、ノズル18に対してD軸線D1まわりに回転可能である。デフレクタ19は、操船者によるハンドル5の操作に伴って、D軸線D1まわりに左右に回動する。デフレクタ19がD軸線D1まわりに左右に回動すると、デフレクタ19から噴射される水の噴射方向が左右に変更される。
デフレクタ19は、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間でD軸線D1まわりに回転可能である。右最大転舵位置は、デフレクタ19からの水の噴射方向が最も右に傾く位置であり、左最大転舵位置は、デフレクタ19からの水の噴射方向が最も左に傾く位置である。右最大転舵位置と左最大転舵位置とは、左右対称な位置関係にある。デフレクタ19は、右最大転舵位置と左最大転舵位置との中間の直進位置を中心にノズル18に対して左右に回動可能である。直進位置は、デフレクタ19の中心軸線Ad1が平面視において前後方向に延び、F噴射口22が平面視において後ろ方向に水を噴射する位置である。デフレクタ19は、ステアリングケーブル7を介してハンドル5に連結されている。デフレクタ19の位置は、ハンドル5の位置に対応付けられている。たとえば、ハンドル5が右最大操舵位置に配置されると、デフレクタ19は、右最大転舵位置に配置される。デフレクタ19が最大転舵位置に配置されているときのノズル18の中心軸線An1に対する噴射方向の傾き角度(平面視での角度)は、たとえば、約30度である。
図1に示すように、船舶推進機3は、さらに、デフレクタ19内を後方に流れる水を前方に案内するRバケット24と、デフレクタ19から後方に流れる水流を左右に傾けるFバケット25とを含む。
図1に示すように、Rバケット24は、Fバケット25の前方に配置されている。Rバケット24は、デフレクタ19に連結されている。Rバケット24は、デフレクタ19と共にD軸線D1まわりに左右に回動する。Rバケット24は、略水平な回動軸線Ad2まわりにデフレクタ19に対して上下に回転可能である。回動軸線Ad2は、デフレクタ19の中心軸線Ad1に直交する、デフレクタ19に対して固定された軸線である。
図1に示すように、Rバケット24は、Fバケット25の前方に配置されている。Rバケット24は、デフレクタ19に連結されている。Rバケット24は、デフレクタ19と共にD軸線D1まわりに左右に回動する。Rバケット24は、略水平な回動軸線Ad2まわりにデフレクタ19に対して上下に回転可能である。回動軸線Ad2は、デフレクタ19の中心軸線Ad1に直交する、デフレクタ19に対して固定された軸線である。
また、図1に示すように、Fバケット25は、船体2に連結されている。Fバケット25は、船体2に直接連結されていてもよいし、船体2に固定された部材に連結されていてもよい。Fバケット25は、左右方向に延びる略水平な回動軸線An2まわりに、船体2に対して上下に回転可能である。ノズル18は、船体2に固定されている。したがって、Fバケット25は、ノズル18に対して上下に回転可能である。回動軸線An2は、ノズル18に対して固定された軸線である。
図1に示すように、船舶推進機3は、Rバケット24を回動軸線Ad2まわりに回転させるRアクチュエータ28と、Rアクチュエータ28の動力をRバケット24に伝達するRケーブル29とを含む。さらに、船舶推進機3は、Fバケット25を回動軸線An2まわりに回転させるFアクチュエータ30と、Fアクチュエータ30の動力をFバケット25に伝達するFケーブル31とを含む。Rアクチュエータ28は、ロッド、ギヤ、および巻掛伝動(wrapping transmission)などのRケーブル29以外の伝達部材を介してRバケット24を駆動してもよいし、Rバケット24を直接駆動してもよい。すなわち、Rアクチュエータ28は、回動軸線Ad2上に配置されており、Rバケット24を直接駆動するアクチュエータであってもよい。同様に、Fアクチュエータ30は、Fバケット25以外の伝達部材を介してFバケット25を駆動してもよいし、Fバケット25を直接駆動してもよい。ECU4は、レバー位置検出装置8の検出値に基づいてRアクチュエータ28およびFアクチュエータ30を制御する。したがって、Rバケット24およびFバケット25は、レバー6の位置に応じた位置に配置される。
図3および図4に示すように、Rバケット24は、閉位置(図4の二点鎖線の位置)と開位置(実線の位置)との間で、回動軸線Ad2まわりに上下に回転可能である。閉位置は、背面視においてRバケット24がF噴射口22の全体を覆う位置であり、開位置は、背面視においてRバケット24がF噴射口22を覆わない位置である。したがって、Rバケット24が閉位置に配置されると、F噴射口22が閉じられ、Rバケット24が開位置に配置されると、F噴射口22が開かれる。Rバケット24は、レバー6の操作によって、閉位置から開位置までのいずれかの位置に配置される。たとえば、Rバケット24は、レバー6の操作によって、閉位置および開位置の間の中間位置(intermediate position図11B参照)に配置される。中間位置は、背面視においてRバケット24がF噴射口22の一部だけを覆う位置である。
また、図3および図4に示すように、Fバケット25は、閉位置(実線の位置)と開位置(図4の二点鎖線の位置)との間で、回動軸線An2まわりに上下に回転可能である。閉位置は、背面視においてFバケット25がF噴射口22の全体を覆う位置であり、開位置は、背面視においてFバケット25がF噴射口22を覆わない位置である。Fバケット25の閉位置は、Rバケット24の閉位置よりも後方の位置である。したがって、Fバケット25が閉位置に配置されても、Fバケット25が前後方向に間隔を空けてF噴射口22に対向するだけで、F噴射口22は塞がれない。Fバケット25は、レバー6の操作によって、閉位置から開位置までのいずれかの位置に配置される。たとえば、Fバケット25は、レバー6の操作によって、閉位置および開位置の間の中間位置(図11D参照)に配置される。中間位置は、背面視においてFバケット25がF噴射口22の一部だけを覆う位置である。
図5Aは、デフレクタ19の模式的な平面図である。図5Bは、デフレクタ19の模式的な側面図である。図5Cは、デフレクタ19の模式的な背面図である。
図5Aに示すように、デフレクタ19は、ノズル18から噴射された水をF噴射口22へ向けて後方へ導く主流路70を含む。さらに、デフレクタ19は、主流路70からR右噴射口68まで右斜め前下方に延びる右流路71と、主流路70からR左噴射口69まで左斜め前下方に延びる左流路72とを含む。デフレクタ19は、デフレクタ19の中心軸線Ad1に沿って延びる中心筒状部73と、中心筒状部73よりも右側に配置された右筒状部74と、中心筒状部73よりも左側に配置された左筒状部75とを含む。主流路70、右流路71、および左流路72は、それぞれ、中心筒状部73、右筒状部74、および左筒状部75によって形成されている。
図5Aに示すように、デフレクタ19は、ノズル18から噴射された水をF噴射口22へ向けて後方へ導く主流路70を含む。さらに、デフレクタ19は、主流路70からR右噴射口68まで右斜め前下方に延びる右流路71と、主流路70からR左噴射口69まで左斜め前下方に延びる左流路72とを含む。デフレクタ19は、デフレクタ19の中心軸線Ad1に沿って延びる中心筒状部73と、中心筒状部73よりも右側に配置された右筒状部74と、中心筒状部73よりも左側に配置された左筒状部75とを含む。主流路70、右流路71、および左流路72は、それぞれ、中心筒状部73、右筒状部74、および左筒状部75によって形成されている。
図5Aに示すように、主流路70は、左右対称である。右流路71は、左流路72を左右に反転させた形状を有しており、右流路71および左流路72は、主流路70の左右両側で左右対称に配置されている。右流路71および左流路72は、平面視において、主流路70の後端から前方に広がるようにV字状に延びている。右流路71は、主流路70から分岐した流路であってもよいし、主流路70とは独立した流路(主流路70に連続していない流路)であってもよい。左流路72についても同様である。
図5Aに示すように、中心筒状部73は、ノズル18から後方に延びている。中心筒状部73は、スリット76を有する上壁を含む。スリット76は、中心筒状部73の後端から前方に延びている。スリット76は、平面視においてデフレクタ19の中心軸線Ad1に沿って延びている。中心筒状部73の前端部は、ノズル18に連結されている。中心筒状部73の前端部は、D軸線D1まわりにノズル18に対して左右に回転可能である。右筒状部74および左筒状部75は、中心筒状部73と共にD軸線D1まわりに左右に回転する。右筒状部74は、中心筒状部73と一体の部材であってもよいし、中心筒状部73に固定された中心筒状部73とは別の部材であってもよい。左筒状部75についても同様である。
図5Aおよび図5Cに示すように、中心筒状部73は、左右対称である。右筒状部74は、左筒状部75を左右に反転させた形状を有しており、右筒状部74および左筒状部75は、中心筒状部73の左右両側で左右対称に配置されている。図5Aに示すように、右筒状部74は、中心筒状部73の後端部の右側から右斜め前下方に延びている。右筒状部74の前端は、中心筒状部73の前端より後方に配置されている。同様に、左筒状部75は、中心筒状部73の後端部の左側から左斜め前下方に延びている。左筒状部75の前端は、中心筒状部73の前端より後方に配置されている。
図5Aに示すように、中心筒状部73の前端および後端は、開口している。ノズル18の噴射口12は、中心筒状部73内に配置されている。図5Cに示すように、右筒状部74の後端は、F噴射口22の右側方で開口しており、左筒状部75の後端は、F噴射口22の左側方で開口している。右筒状部74の後端は、F噴射口22の右側方で後ろ向きに開口した右流入口78を形成しており、左筒状部75の後端は、F噴射口22の左側方で後ろ向きに開口した左流入口79を形成している。
また、図5Aに示すように、右筒状部74の前端は、中心筒状部73の後端よりも前方で開口しており、左筒状部75の前端は、中心筒状部73の後端よりも前方で開口している。右筒状部74の前端は、R右噴射口68を形成しており、左筒状部75の前端は、R左噴射口69を形成している。中心筒状部73の後端は、F噴射口22を形成している。図5Bに示すように、F噴射口22の上端は、R右噴射口68およびR左噴射口69よりも上方に配置されており、F噴射口22の下端は、R右噴射口68およびR左噴射口69の上端と下端との間の高さに配置されている。
図6Aは、Rバケット24の模式的な平面図である。図6Bは、Rバケット24の模式的な側面図である。図6Cは、Rバケット24の模式的な背面図である。
Rバケット24は、Fバケット25の前方に配置されている(図1参照)。図6Aに示すように、Rバケット24は、デフレクタ19に連結されている。Rバケット24は、デフレクタ19と共にD軸線D1まわりに左右に回動する。Rバケット24は、左右対称である。Rバケット24は、F噴射口22を開閉する蓋部26と、蓋部26を支持する左右一対のRアーム27と、蓋部26から前方に延びる板状のRガイド59とを含む。
Rバケット24は、Fバケット25の前方に配置されている(図1参照)。図6Aに示すように、Rバケット24は、デフレクタ19に連結されている。Rバケット24は、デフレクタ19と共にD軸線D1まわりに左右に回動する。Rバケット24は、左右対称である。Rバケット24は、F噴射口22を開閉する蓋部26と、蓋部26を支持する左右一対のRアーム27と、蓋部26から前方に延びる板状のRガイド59とを含む。
図6Aに示すように、蓋部26は、F噴射口22の後方に配置されている。一対のRアーム27は、左右方向に間隔を空けて配置されている。一対のRアーム27は、蓋部26の右端部および左端部から前方に延びている。各Rアーム27の前端部は、デフレクタ19に連結されている。各Rアーム27の前端部は、回動軸線Ad2まわりに、デフレクタ19に対して上下に回転可能である。したがって、Rバケット24は、デフレクタ19に対して回動軸線Ad2まわりに上下に回転可能である。回動軸線Ad2は、デフレクタ19に対して固定された軸線である。
Rバケット24は、閉位置と開位置との間で回動軸線Ad2まわりにデフレクタ19に対して上下に回転可能である。図6Cに示すように、Rバケット24が閉位置に配置されている状態では、F噴射口22の全体が、蓋部26に覆われている。さらに、この状態では、右流入口78および左流入口79の全体も蓋部26に覆われている。その一方で、Rバケット24が開位置に配置されている状態では、蓋部26の全体が、F噴射口22、右流入口78、および左流入口79の上方に配置されている(図11E参照)。そのため、F噴射口22、右流入口78、および左流入口79の全体が開かれる。
図6Aに示すように、Rガイド59は、蓋部26から前方に延びる板状部材である。Rガイド59は、Rバケット24の一部である。Rガイド59は、蓋部26と共に回動軸線Ad2まわりに上下に回転する。Rガイド59は、蓋部26と一体であってもよいし、蓋部26に固定された蓋部26とは別の部材であってもよい。また、Rガイド59は、Rバケット24の一部でなくてもよい。たとえば、Rガイド59は、デフレクタ19に固定されており、蓋部26と共に回動軸線Ad2まわりに上下に回転しなくてもよい。
図6Aに示すように、Rガイド59は、蓋部26の前面の幅方向中央から前方に延びている。Rガイド59は、平面視において、デフレクタ19の中心軸線Ad1上に配置されている。Rガイド59の前端は、D軸線D1およびノズル18よりも後方に配置されている。Rガイド59は、上下方向に延びている。したがって、Rガイド59は、蓋部26によって直立姿勢で支持されている。Rガイド59は、F噴射口22を通じて中心筒状部73の内部(主流路70)に進入している。さらに、Rガイド59は、スリット76を通じて中心筒状部73の内部に進入している。Rガイド59は、F噴射口22および主流路70を左右に等分割している。
図6Bに示すように、Rガイド59は、スリット76内を上下に移動可能である。Rガイド59は、スリット76を通じて主流路70に出入りする(図11C〜図11E参照)。すなわち、Rバケット24が開位置側に移動すると、Rガイド59が上側に移動し、主流路70内に進入している部分(Rガイド59の一部)の体積が減少する。そして、Rバケット24が開位置に配置されると、Rガイド59の全て又は殆ど全てが主流路70の外に配置される。
図7Aは、Rバケット24が閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図7Bは、Rバケット24が閉位置に配置されており、デフレクタ19が左側に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図7A〜図7Bでは、船舶推進機3を透視した状態が示されている。図7A〜図7Bに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
図7Aに示すように、Rバケット24が閉位置に配置されている状態では、F噴射口22、右流入口78、および左流入口79の全体がRバケット24に覆われている。さらに、この状態では、Rガイド59がデフレクタ19内に進入しており、デフレクタ19の内部がRガイド59によって左右に仕切られている。そのため、ノズル18から後方に水が噴射されると、デフレクタ19内を流れる水が、Rガイド59によって等しい流量で左右に分けられる。そして、Rガイド59の右側を流れる水は、F噴射口22から後方に噴射された後、蓋部26によって右流入口78に案内される。これにより、右流路71に水が流入し、R右噴射口68から右斜め前に向けて下方に水が噴射される。同様に、Rガイド59の左側を流れる水は、F噴射口22を通って左流路72に流入し、R左噴射口69から左斜め前に向けて下方に噴射される。
このように、Rバケット24が閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態では、Rガイド59が、ノズル18からデフレクタ19内に流入した水を等しい流量で左右に分ける。これにより、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とが、Rバケット24によって形成される。Rガイド59は、平面視において、デフレクタ19の中心軸線Ad1上に配置されている。したがって、Rガイド59は、デフレクタ19の中心軸線Ad1より左側を流れる水流によって左分流を形成し、デフレクタ19の中心軸線Ad1より右側を流れる水流によって右分流を形成する。右斜め前方向は、左斜め前方向を左右に反転させた方向であり、前述の状態では、右分流および左分流の流量が互いに等しい。そのため、この状態では、推力の右方向成分と左方向成分とが打ち消し合い、後ろ方向成分だけが残る。
一方、図7Bに示すように、Rバケット24が閉位置に配置されており、デフレクタ19が左側に配置されている状態では、Rガイド59の前端がノズル18の中心軸線An1より左側に配置されている。したがって、ノズル18の噴射口12の半分以上の領域が、Rガイド59の前端より右側に配置されている。そのため、この状態でノズル18から後方に水が噴射されると、ノズル18からデフレクタ19内に流入した水の大部分が、Rガイド59によってRガイド59よりも右側に案内される。そして、Rガイド59の右側を流れる水は、F噴射口22を通って右流路71に流入し、R右噴射口68から右斜め前に向けて下方に噴射される。
このように、Rバケット24が閉位置に配置されており、デフレクタ19が左側に配置されている状態では、ノズル18からデフレクタ19内に流入した水の大部分が、R右噴射口68から右斜め前方向に噴射される。したがって、左分流よりも流量が大きい右分流が形成される。そのため、船体2を右まわりに旋回させる後進方向の推力が発生する。これとは反対に、デフレクタ19が右側に配置されている状態では、右分流よりも流量が大きい左分流が形成される。そのため、船体2を左まわりに旋回させる後進方向の推力が発生する。
Rバケット24は、デフレクタ19内を後方に流れる水を前方に方向転換させた後、右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に噴射する。右斜め前方向および左斜め前方向は、デフレクタ19の中心軸線Ad1に関して対称な方向である。ノズル18の中心軸線An1に対する右斜め前方向および左斜め前方向の傾き角度は、D軸線D1まわりのデフレクタ19の移動に伴って変化する。しかし、いずれの転舵位置においても、右斜め前方向および左斜め前方向の傾き角度は、ノズル18の中心軸線An1に対するデフレクタ19の中心軸線Ad1の傾き角度よりも大きい。したがって、より大きな左右方向成分を有する推力が発生する。そのため、後進状態の船舶1を旋回させる力を大きくすることができる。
図8Aは、左斜め後ろ上方から見たFバケット25の斜視図である。図8Bは、Fバケット25の平面図である。
図8Bに示すように、Fバケット25は、前向きに開いた平面視U字状である。Fバケット25は、左右対称である。Fバケット25は、平面視においてデフレクタ19を取り囲んでいる。Fバケット25は、デフレクタ19の後方に配置されたFガイド32と、Fガイド32を支持する左右一対のFアーム33とを含む。Fガイド32は、Rバケット24の閉位置よりも後方に配置されている。一対のFアーム33は、左右方向に間隔を空けて配置されている。デフレクタ19は、平面視において一対のFアーム33の間に配置されている。左右方向への一対のFアーム33の間隔は、デフレクタ19がいずれの転舵位置に配置されている状態でもデフレクタ19およびRバケット24が一対のFアーム33に接触しないように設定されている(図9B参照)。
図8Bに示すように、Fバケット25は、前向きに開いた平面視U字状である。Fバケット25は、左右対称である。Fバケット25は、平面視においてデフレクタ19を取り囲んでいる。Fバケット25は、デフレクタ19の後方に配置されたFガイド32と、Fガイド32を支持する左右一対のFアーム33とを含む。Fガイド32は、Rバケット24の閉位置よりも後方に配置されている。一対のFアーム33は、左右方向に間隔を空けて配置されている。デフレクタ19は、平面視において一対のFアーム33の間に配置されている。左右方向への一対のFアーム33の間隔は、デフレクタ19がいずれの転舵位置に配置されている状態でもデフレクタ19およびRバケット24が一対のFアーム33に接触しないように設定されている(図9B参照)。
図8Bに示すように、Fガイド32は、平面視において後ろ向きに開いた左右対称なV字状である。Fガイド32は、直進位置に位置するデフレクタ19の中心軸線Ad1上に配置されたF頂部34と、F頂部34から右斜め後ろに延びるF右ガイド35と、F頂部34から左斜め後ろに延びるF左ガイド36とを含む。Fガイド32の前端(F頂部34の前端)は、D軸線D1およびノズル18よりも後方に配置されている。F右ガイド35は、F左ガイド36を左右に反転させた形状を有しており、F右ガイド35およびF左ガイド36は、左右対称に配置されている。
図8Aに示すように、右側のFアーム33は、F右ガイド35の右端部から前方に延びており、左側のFアーム33は、F左ガイド36の左端部から前方に延びている。各Fアーム33の前端部は、船体2に連結されている。各Fアーム33の前端部は、船体2に対して回動軸線An2まわりに上下に回転可能である。図8Bに示すように、右側のFアーム33とF右ガイド35の右端部とは、右向きに開いたF右噴射口37を形成しており、左側のFアーム33とF左ガイド36の左端部とは、左向きに開いたF左噴射口38を形成している。
図8Bに示すように、F右ガイド35は、デフレクタ19(F噴射口22)から後方に噴射された水を右案内方向(右向きの太線の矢印の方向)に案内する。右案内方向は、右最大転舵位置でのF噴射口22からの水の噴射方向よりも右に傾いた方向である。右案内方向は、右斜め後ろ方向であってもよいし、右方向であってもよい。図8Bでは、右案内方向が、右斜め後ろ方向である場合が示されている。F右ガイド35によって案内された水流は、F右噴射口37から右案内方向に噴射される。すなわち、F噴射口22から噴射された水は、F噴射口22からの水の噴射方向よりも右に傾いた方向に噴射される。
同様に、図8Bに示すように、F左ガイド36は、デフレクタ19(F噴射口22)から後方に噴射された水を左案内方向(左向きの太線の矢印の方向)に案内する。左案内方向は、右案内方向を左右に反転させた方向である。左案内方向は、左最大転舵位置でのF噴射口22からの水の噴射方向よりも左に傾いた方向である。左案内方向は、左斜め後ろ方向であってもよいし、左方向であってもよい。図8Bでは、左案内方向が、左斜め後ろ方向である場合が示されている。F左ガイド36によって案内された水流は、F左噴射口38から左案内方向に噴射される。すなわち、F噴射口22から噴射された水は、F噴射口22からの水の噴射方向よりも左に傾いた方向に噴射される。
右案内方向および左案内方向は、最大転舵位置でのF噴射口22からの水の噴射方向よりも左右に傾いた方向である。Fバケット25が閉位置または中間位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置よりも右側または左側に配置されている状態では、船体2を右または左まわりに旋回させる前進方向の推力が発生する。この推力の左右方向成分は、Fバケット25が用いられていない場合よりも大きく、この推力の前後方向成分は、Fバケット25が用いられていない場合よりも小さい。
図9Aは、Fバケット25が閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図9Bは、Fバケット25が閉位置に配置されており、デフレクタ19が左最大転舵位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図9Cは、Fバケット25が中間位置に配置されており、デフレクタ19が左最大転舵位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図9A〜図9Cでは、船舶推進機3を透視した状態が示されている。図9A〜図9Cに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
図9Aに示すように、Fバケット25が閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態では、Fガイド32は、F噴射口22から後方に噴射された水を等しい流量で左右に分ける。具体的には、F頂部34よりも右側を流れる水は、F右ガイド35によって右案内方向に案内され、F頂部34よりも左側を流れる水は、F左ガイド36によって左案内方向に案内される。これにより、右案内方向に流れる右分流と、左案内方向に流れる左分流とが、Fバケット25によって形成される。この状態での右分流および左分流の流量は、互いに等しい。したがって、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の前方向成分だけが残る。そのため、船体2を前方向に直進させる前進方向の推力が発生する。
一方、図9Bに示すように、Fバケット25が閉位置に配置されており、デフレクタ19が左側(直進位置よりも左側)に配置されている状態では、F頂部34よりも左側を流れる水の流量が、F頂部34よりも右側を流れる水の流量よりも多い。したがって、この状態では、Fガイド32は、右分流よりも流量が大きい左分流を形成する。特に、デフレクタ19が左最大転舵位置に配置されている状態(図9Bに示す状態)では、F噴射口22から噴射された全ての水が、F頂部34よりも左側を流れる。したがって、この状態では、左分流だけが形成される。そのため、船体2を左まわりに旋回させる前進方向の推力が発生する。これとは反対に、デフレクタ19が右側(直進位置よりも右側)に配置されている状態では、左分流よりも流量が大きい右分流が形成される。そのため、船体2を右まわりに旋回させる前進方向の推力が発生する。
また、図9Cに示すように、Fバケット25が中間位置に配置されている状態では、F噴射口22から後方に噴射された水の一部だけが、Fガイド32によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。そして、残りの一部は、Fバケット25に遮られることなくFバケット25の下方を通過し、F噴射口22からの水の噴射方向に流れる後分流を形成する(図11D参照)。したがって、Fバケット25が中間位置に配置されている状態では、右分流および左分流の少なくとも一方に加えて、後分流が形成される。そのため、Fバケット25が閉位置に配置されているときよりも大きな前方向成分を有する前進方向の推力が発生する。
図10は、シフト切替位置Finからのレバー6の移動量とFバケット25の位置との関係の一例を示すグラフである。
ECU4は、たとえば、シフト切替位置Finから全開位置Ffull側へのレバー6の移動量に基づいてFアクチュエータ30を制御し、Fバケット25を回動軸線An2まわりに上下に回転させる。
ECU4は、たとえば、シフト切替位置Finから全開位置Ffull側へのレバー6の移動量に基づいてFアクチュエータ30を制御し、Fバケット25を回動軸線An2まわりに上下に回転させる。
具体的には、図10に示すように、低速領域(シフト切替位置Finからのレバー6の移動量が小さいF領域内の領域)では、操船者がレバー6を移動させたとしても、ECU4は、Fバケット25を移動させずに閉位置に保持する。中速領域(シフト切替位置Finからのレバー6の移動量が低速領域よりも大きいF領域内の領域)では、ECU4は、レバー6の移動量に応じてFバケット25を上昇させる。中速領域でのFバケット25の移動割合は、一定であってもよいし、図10に示すように変化してもよい。高速領域(シフト切替位置Finからのレバー6の移動量が中速領域よりも大きいF領域内の領域)では、低速領域と同様に、操船者がレバー6を移動させたとしても、ECU4は、Fバケット25を移動させずに開位置に保持する。
ECU4は、レバー6の位置に限らず、レバー6の位置以外のエンジン10の運転に関するパラメータに基づいてFアクチュエータ30を制御してもよい。具体的には、ECU4は、吸気の供給流量を変更するスロットルバルブ39(図1参照)の開度に基づいてFアクチュエータ30を制御してもよい。また、ECU4は、回転速度検出装置40(図1参照)の検出値、すなわち、エンジン10の回転速度に基づいてFアクチュエータ30を制御してもよい。
シフト切替位置Finでのエンジン10の回転速度は、たとえば1300rpm(アイドリング速度)であり、低速領域と中速領域との境界位置(低・中境界位置)でのエンジン10の回転速度は、たとえば2000rpmである。中速領域と高速領域との境界位置(中・高境界位置)でのエンジン10の回転速度は、たとえば4000rpmであり、全開位置Ffullでのエンジン10の回転速度は、たとえば7000rpmである。したがって、ECU4は、これらの数値に基づいてFバケット25を移動させてもよい。
図11A〜図11Eは、レバー6の位置とRバケット24およびFバケット25の位置との関係の一例について説明するための模式な側面図である。図11A〜図11Eでは、船舶推進機3を透視した状態が示されている。図11A〜図11Eに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
レバー6がR領域に配置されている状態では、図11Aに示すように、ECU4は、Rバケット24およびFバケット25の両方を閉位置に位置させる。Rバケット24が閉位置に配置されているときには、デフレクタ19のF噴射口22が閉じられているので、ノズル18からデフレクタ19内に流入した水は、R右噴射口68およびR左噴射口69の少なくとも一方から斜め下に向けて前方に噴射される。これにより、後進方向の推力が発生する。
レバー6がR領域に配置されている状態では、図11Aに示すように、ECU4は、Rバケット24およびFバケット25の両方を閉位置に位置させる。Rバケット24が閉位置に配置されているときには、デフレクタ19のF噴射口22が閉じられているので、ノズル18からデフレクタ19内に流入した水は、R右噴射口68およびR左噴射口69の少なくとも一方から斜め下に向けて前方に噴射される。これにより、後進方向の推力が発生する。
図11Bに示すように、レバー6がN領域に配置されている状態では、ECU4は、開位置と閉位置との間の中間位置にRバケット24を位置させ、Fバケット25を閉位置に位置させる。Rバケット24が中間位置に配置されているときには、F噴射口22の一部だけが閉じられている。そのため、ノズル18からデフレクタ19内に流入した水の一部は、R右噴射口68およびR左噴射口69の少なくとも一方から斜め下に向けて前方に噴射される。そして、残りの一部は、Fバケット25によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。
Rバケット24およびFバケット25がそれぞれ中間位置および閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態では、Rバケット24から右斜め方向および左斜め方向に流れる右分流および左分流が形成される。この状態では、右分流および左分流の流量が互いに等しいので、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の後ろ方向成分だけが残る。
同様に、Rバケット24およびFバケット25がそれぞれ中間位置および閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態では、Fバケット25から右案内方向および左案内方向に流れる右分流および左分流が形成される。この状態では、右分流および左分流の流量が互いに等しいので、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の前方向成分だけが残る。
レバー6がN領域に配置されている状態でのRバケット24の位置は、デフレクタ19が直進位置に配置されているときに、推力の前方向成分と推力の後ろ方向成分とが打ち消し合うように設定されている。したがって、Rバケット24およびFバケット25がそれぞれ中間位置および閉位置に配置されており、デフレクタ19が直進位置に配置されている状態では、いずれの方向の推力(合力)も発生しない。その一方で、デフレクタ19が右側または左側に配置されている状態では、右方向成分または左方向成分を有する推力が発生する。そのため、この状態では、船体2を通る鉛直な軸線まわりに船体2を回転させる力が発生し、船舶1がその場で旋回する。
図11Cに示すように、レバー6が低速領域(F領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、Rバケット24を開位置に位置させ、Fバケット25を閉位置に位置させる。Rバケット24が開位置に配置されているときには、デフレクタ19のF噴射口22の全体が開かれているので、F噴射口22から噴射された全ての水が、Fバケット25によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。これにより、前進方向の推力が発生する。
図11Dに示すように、レバー6が中速領域(F領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、Rバケット24を開位置に位置させ、Fバケット25を中間位置に位置させる。したがって、デフレクタ19から後方に噴射された水の一部は、Fバケット25によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。そして、残りの一部は、Fバケット25の下方を通過し、後方に流れる。そのため、レバー6が低速領域に配置されているときよりも大きな後ろ方向成分を有する前進方向の推力が発生する。
図11Eに示すように、レバー6が高速領域(F領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、Rバケット24およびFバケット25の両方を開位置に位置させる。したがって、デフレクタ19から後方に噴射された全ての水が、Fバケット25の下方を通過し、後方に流れる。そのため、レバー6が中速領域に配置されているときよりも大きな後ろ方向成分を有する前進方向の推力が発生する。
以上のように第1実施形態では、ノズル18から後方に噴射された水が、デフレクタ19内を通ってデフレクタ19の噴射口から後方に噴射される。Rバケット24は、背面視においてF噴射口22の少なくとも一部を覆う閉位置と、F噴射口22を覆わない開位置との間で、略水平な回動軸線Ad2まわりに上下に回転可能である。
Rバケット24が開位置に配置されている状態では、F噴射口22が覆われていないので、F噴射口22から噴射された水は、Rバケット24に遮られることなく後方に流れる。デフレクタ19は、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線D1まわりに左右に回転可能である。右最大転舵位置および左最大転舵位置は、後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向にF噴射口22から水が噴射される位置である。右最大転舵位置と左最大転舵位置との間の直進位置は、F噴射口22から後ろ方向に水が噴射される位置である。F噴射口22からの水の噴射方向は、D軸線D1まわりのデフレクタ19の移動に伴って変化する。したがって、ノズル18から後方に流れる水流は、デフレクタ19によって左右に傾けられる。
Rバケット24が開位置に配置されている状態では、F噴射口22が覆われていないので、F噴射口22から噴射された水は、Rバケット24に遮られることなく後方に流れる。デフレクタ19は、右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線D1まわりに左右に回転可能である。右最大転舵位置および左最大転舵位置は、後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向にF噴射口22から水が噴射される位置である。右最大転舵位置と左最大転舵位置との間の直進位置は、F噴射口22から後ろ方向に水が噴射される位置である。F噴射口22からの水の噴射方向は、D軸線D1まわりのデフレクタ19の移動に伴って変化する。したがって、ノズル18から後方に流れる水流は、デフレクタ19によって左右に傾けられる。
一方、Rバケット24が閉位置に配置されており、かつ、デフレクタ19が直進位置よりも右側に配置されている状態では、F噴射口22から右斜め後ろに噴射された水が、Rバケット24によって左斜め前方向に案内される。これにより、左斜め前方向に流れる左分流が形成され、船舶1が、右斜め後ろ推進される。また、Rバケット24が閉位置に配置されており、かつ、デフレクタ19が直進位置よりも左側に配置されている状態では、F噴射口22から左斜め後ろに噴射された水が、Rバケット24によって右斜め前方向に案内される。これにより、右斜め前方向に流れる右分流が形成され、船舶1が、左斜め後ろ推進される。
このように、デフレクタ19によって右斜め後ろに案内された水流は、Rバケット24によって左斜め前方向に案内され、デフレクタ19によって左斜め後ろに案内された水流は、Rバケット24によって右斜め前方向に案内される。そのため、操舵方向(ハンドル5の操作方向)と船舶1の旋回方向との関係が、前進の場合と後進の場合とで変わらない。さらに、右斜め前方向および左斜め前方向は、最大転舵位置でのノズル18の中心軸線An1に対するデフレクタ19の中心軸線Ad1の傾き角度よりも左右に傾いた方向である。したがって、船舶推進機3は、デフレクタ19の最大回転角より外側に水流を傾けることができる。そのため、船舶推進機3は、後進時に船舶1を素早く旋回させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の図12A〜図14Dにおいて、前述の図1〜図11Eに示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図12Aは、Rバケット224が閉位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図12Bは、Rバケット224が閉位置に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図12A〜図12Bでは、船舶推進機203を透視した状態が示されている。図12A〜図12Bに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の図12A〜図14Dにおいて、前述の図1〜図11Eに示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図12Aは、Rバケット224が閉位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図12Bは、Rバケット224が閉位置に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図12A〜図12Bでは、船舶推進機203を透視した状態が示されている。図12A〜図12Bに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
第2実施形態に係る船舶推進機203は、デフレクタ、Rバケット、およびFバケットを除き、第1実施形態に係る船舶推進機3と同様の構成を備えている。すなわち、船舶推進機203は、第1実施形態に係るデフレクタ19、Rバケット24、およびFバケット25に代えて、デフレクタ219、Rバケット224およびFバケット225を含む。デフレクタ219は、第1実施形態に係るR右噴射口68およびR左噴射口69が設けられていない点で、第1実施形態に係るデフレクタ19と異なる。
Rバケット224は、デフレクタ219に連結されている。Rバケット224は、Fバケット225の前方に配置されている。Rバケット224は、デフレクタ219と共にD軸線D1まわりに左右に回動する。Rバケット224は、デフレクタ219に対して回動軸線Ad2まわりに上下に回転可能である。Rバケット224は、閉位置と開位置との間で、回動軸線Ad2まわりに上下に回転可能である。
Rバケット224は、デフレクタ219の後方に配置されたRガイド259と、Rガイド259を支持する左右一対のRアーム27とを含む。Rガイド259は、F噴射口22の後方に配置されている。Rバケット224の閉位置は、Rガイド259が前後方向に間隔を空けてF噴射口22に対向する位置である。一対のRアーム27は、左右方向に間隔を空けて配置されている。デフレクタ219は、平面視において一対のRアーム27の間に配置されている。
Rガイド259は、平面視において前向きに開いた左右対称なW状である。Rガイド259は、デフレクタ219の中心軸線Ad1上に配置されたR頂部260を含む。さらに、Rガイド259は、R頂部260から右斜め後ろに延び、右斜め前に方向転換するU字状のR右ガイド261と、R頂部260から左斜め後ろに延び、左斜め前に方向転換するU字状のR左ガイド262とを含む。R右ガイド261は、R左ガイド262を左右に反転させた形状を有しており、R右ガイド261およびR左ガイド262は、左右対称に配置されている。
図12Aに示すように、Rバケット224が閉位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、Rガイド259は、F噴射口22から後方に噴射された水を等しい流量で左右に分ける。具体的には、R頂部260よりも右側を流れる水は、R右ガイド261によって右斜め前方向に案内され、R頂部260よりも左側を流れる水は、R左ガイド262によって左斜め前方向に案内される。これにより、右斜め前方向に流れる右分流と、左斜め前方向に流れる左分流とが、Rバケット224によって形成される。右斜め前方向および左斜め前方向は、デフレクタ219の中心軸線Ad1に関して対称な方向である。さらに、この状態での右分流および左分流の流量は、互いに等しい。したがって、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の後ろ方向成分だけが残る。そのため、船体2を後ろ方向に直進させる後進方向の推力が発生する。
また、図12Bに示すように、Rバケット224が閉位置に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態では、R頂部260よりも右側を流れる水の流量が、R頂部260よりも左側を流れる水の流量よりも多い。したがって、Rガイド259は、左分流よりも流量が大きい右分流を形成する。そのため、船体2を右まわりに旋回させる後進方向の推力が発生する。これとは反対に、デフレクタ219が右側に配置されている状態では、右分流よりも流量が大きい左分流が形成される。そのため、船体2を左まわりに旋回させる後進方向の推力が発生する。
このように、Rバケット224は、デフレクタ219から後方に噴射された水を前方に方向転換させた後、右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に噴射する。ノズル18の中心軸線An1に対する右斜め前方向および左斜め前方向の傾き角度は、D軸線D1まわりのデフレクタ219の移動に伴って変化する。しかし、いずれの転舵位置においても、右斜め前方向および左斜め前方向の傾き角度は、ノズル18の中心軸線An1に対するデフレクタ219の中心軸線Ad1の傾き角度よりも大きい。したがって、より大きな左右方向成分を有する推力が発生する。そのため、後進状態の船舶1を旋回させる力を大きくすることができる。
図13Aは、Fバケット225が閉位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図13Bは、Fバケット225が閉位置に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図13A〜図13Bでは、船舶推進機203を透視した状態が示されている。図13A〜図13Bに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
Fバケット225は、船体2に連結されている。Fバケット225は、回動軸線An2まわりに船体2に対して上下に回転可能である。Fバケット225は、閉位置と開位置との間で、回動軸線An2まわりに上下に回転可能である。
Fバケット225は、前向きに開いた平面視U字状である。Fバケット225は、左右対称である。Fバケット225は、平面視においてデフレクタ219およびRバケット224を取り囲んでいる(図12A参照)。Fバケット225は、デフレクタ219の後方に配置されたFガイド232と、Fガイド232を支持する左右一対のFアーム33とを含む。Fガイド232は、Rバケット224の閉位置よりも後方に配置されている。一対のFアーム33は、左右方向に間隔を空けて配置されている。デフレクタ219およびRバケット224は、平面視において一対のFアーム33の間に配置されている。左右方向への一対のFアーム33の間隔は、デフレクタ219がいずれの転舵位置に配置されている状態でもデフレクタ219およびRバケット224が一対のFアーム33に接触しないように設定されている(図12B参照)。
Fバケット225は、前向きに開いた平面視U字状である。Fバケット225は、左右対称である。Fバケット225は、平面視においてデフレクタ219およびRバケット224を取り囲んでいる(図12A参照)。Fバケット225は、デフレクタ219の後方に配置されたFガイド232と、Fガイド232を支持する左右一対のFアーム33とを含む。Fガイド232は、Rバケット224の閉位置よりも後方に配置されている。一対のFアーム33は、左右方向に間隔を空けて配置されている。デフレクタ219およびRバケット224は、平面視において一対のFアーム33の間に配置されている。左右方向への一対のFアーム33の間隔は、デフレクタ219がいずれの転舵位置に配置されている状態でもデフレクタ219およびRバケット224が一対のFアーム33に接触しないように設定されている(図12B参照)。
Fガイド232は、平面視において後ろ向きに開いた左右対称なV字状である。Fガイド232は、直進位置に位置するデフレクタ219の中心軸線Ad1上に配置されたF頂部234と、F頂部234から右斜め後ろに延びるF右ガイド235と、F頂部234から左斜め後ろに延びるF左ガイド236とを含む。F右ガイド235は、F左ガイド236を左右に反転させた形状を有しており、F右ガイド235およびF左ガイド236は、左右対称に配置されている。右側のFアーム33は、F右ガイド235から前方に延びており、左側のFアーム33は、F左ガイド236から前方に延びている。各Fアーム33の前端部は、船体2に連結されている。各Fアーム33の前端部は、船体2に対して回動軸線An2まわりに上下に回転可能である。
F右ガイド235は、デフレクタ219から後方に噴射された水を右案内方向に案内する。F右ガイド235によって案内された水は、Fバケット225から右案内方向に噴射される。同様に、F左ガイド236は、デフレクタ219から後方に噴射された水を左案内方向に案内する。F左ガイド236によって案内された水は、Fバケット225から左案内方向に噴射される。図13Aでは、右案内方向が、右方向であり、左案内方向が、左方向である場合が示されている。したがって、デフレクタ219から後方に噴射された水は、Fバケット225によって案内され、Fバケット225から真横に噴射される。
図13Aに示すように、Fバケット225が閉位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、Fガイド232は、F噴射口22から後方に噴射された水を等しい流量で左右に分ける。具体的には、F頂部234よりも右側を流れる水は、F右ガイド235によって右案内方向に案内され、F頂部234よりも左側を流れる水は、F左ガイド236によって左案内方向に案内される。これにより、右案内方向に流れる右分流と、左案内方向に流れる左分流とが、Fバケット225によって形成される。この状態での右分流および左分流の流量は、互いに等しい。したがって、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合う。そのため、この状態では、いずれの方向の推力(合力)も発生しない。
また、図13Bに示すように、Fバケット225が閉位置に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態では、F頂部234よりも左側を流れる水の流量が、F頂部234よりも右側を流れる水の流量よりも多い。したがって、Fガイド232は、右分流よりも流量が大きい左分流を形成する。特に、デフレクタ219が左最大転舵位置に配置されている状態(図13Bに示す状態)では、F噴射口22から噴射された全ての水が、F頂部234よりも左側を流れる。したがって、この状態では、左分流だけが形成される。これとは反対に、デフレクタ219が右側に配置されている状態では、左分流よりも流量が大きい右分流が形成される。そのため、船体2を右回りに回転させる推力が発生し、船舶1はその場で右回りに旋回する。
また、Fバケット225が閉位置と開位置との間の中間位置に配置されている状態(図14C参照)では、F噴射口22から後方に噴射された水の一部だけが、Fガイド232によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。そして、残りの一部は、Fバケット225に遮られることなくFバケット225の下方を通過し、F噴射口22からの水の噴射方向に流れる後分流を形成する。したがって、Fバケット225が中間位置に配置されている状態で、F噴射口22から後方に水が噴射されると、右分流および左分流の少なくとも一方に加えて、後分流が形成される。
図14A〜図14Dは、レバー6の位置とRバケット224およびFバケット225の位置との関係の一例について説明するための模式な側面図である。図14A〜図14Dでは、船舶推進機203を透視した状態が示されている。図14A〜図14Dに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
レバー6(図1参照)がR領域に配置されている状態では、図14Aに示すように、ECU4(図1参照)は、Rバケット224およびFバケット225の両方を閉位置に位置させる。Rバケット224が閉位置に配置されているときには、Rガイド259がF噴射口22の後方に配置されているので、F噴射口22から噴射された全ての水が、Rバケット224によって右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に案内される。これにより、後進方向の推力が発生する。
レバー6(図1参照)がR領域に配置されている状態では、図14Aに示すように、ECU4(図1参照)は、Rバケット224およびFバケット225の両方を閉位置に位置させる。Rバケット224が閉位置に配置されているときには、Rガイド259がF噴射口22の後方に配置されているので、F噴射口22から噴射された全ての水が、Rバケット224によって右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に案内される。これにより、後進方向の推力が発生する。
図14Bに示すように、レバー6がN領域に配置されている状態では、ECU4は、Rバケット224を開位置に位置させ、Fバケット225を閉位置に位置させる。Fバケット225が閉位置に配置されているときには、Fガイド232がF噴射口22の後方に配置されているので、F噴射口22から噴射された全ての水が、Fバケット225によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。
図14Cに示すように、レバー6が低速領域(F領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、Rバケット224を開位置に位置させ、Fバケット225を中間位置に位置させる。Fバケット225が中間位置に配置されている状態では、F噴射口22から後方に水が噴射された水の一部だけが、Fガイド232によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。そして、残りの一部は、Fバケット225に遮られることなくFバケット225の下方を通過し、F噴射口22からの水の噴射方向に流れる後分流を形成する。
図14Dに示すように、レバー6が高速領域(第2実施形態では、低速領域よりもレバー6の移動量が大きいF領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、Rバケット224およびFバケット225の両方を開位置に位置させる。したがって、デフレクタ219から後方に噴射された全ての水が、Fバケット225の下方を通過し、後方に流れる。そのため、レバー6が低速領域に配置されているときよりも大きな後ろ方向成分を有する前進方向の推力が発生する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の図15〜図19Dにおいて、前述の図1〜図14Eに示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図15は、本発明の第3実施形態に係る船舶推進機303の模式的な平面図である。図16Aは、バケット363の模式的な正面図である。図16Bは、Rバケット324の中央部の模式的な斜視図である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の図15〜図19Dにおいて、前述の図1〜図14Eに示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図15は、本発明の第3実施形態に係る船舶推進機303の模式的な平面図である。図16Aは、バケット363の模式的な正面図である。図16Bは、Rバケット324の中央部の模式的な斜視図である。
第3実施形態に係る船舶推進機303は、デフレクタ、Rバケット、およびFバケットを除き、第1実施形態に係る船舶推進機3と同様の構成を備えている。すなわち、図16Aに示すように、船舶推進機303は、第1実施形態に係るRバケット24およびFバケット25に代えて、バケット363を含む。さらに、船舶推進機303は、第1実施形態に係るデフレクタ19に代えて、第2実施形態に係るデフレクタ219を含む。
図15に示すように、バケット363は、船体2に連結されている。バケット363は、回動軸線An2まわりに船体2に対して上下に回転可能である。バケット363は、背面視においてバケット363がF噴射口22の全体を覆う閉位置と、背面視においてバケット363がF噴射口22を覆わない開位置との間で、回動軸線An2まわりに上下に回転可能である。バケット363は、Fケーブル31(図1参照)に連結されている。ECU4(図1参照)は、Fケーブル31に連結されたFアクチュエータ30(図1参照)を制御することにより、バケット363を回動軸線An2まわりに上下に回転させる。
図16Aに示すように、バケット363は、デフレクタ219から後方に流れる水を前方に案内するRバケット324と、デフレクタ219から後方に流れる水流を左右に傾けるFバケット325とを含む。Rバケット324は、Fバケット325の上方に配置されている。Rバケット324は、Fバケット325と共に回動軸線An2まわりに上下に回転する。Fバケット325は、Rバケット324と一体であってもよいし、Rバケット324に固定されたRバケット324とは別の部材であってもよい。
図15に示すように、バケット363は、さらに、Rバケット324およびFバケット325を支持する左右一対のFアーム33を含む。一対のFアーム33は、左右方向に間隔を空けて配置されている。一対のFアーム33は、Rバケット324の右端部および左端部から前方に延びている。各Fアーム33の前端部は、船体2に連結されている。各Fアーム33の前端部は、船体2に対して回動軸線An2まわりに上下に回転可能である。デフレクタ219は、平面視において一対のFアーム33の間に配置されている。左右方向への一対のFアーム33の間隔は、デフレクタ219がいずれの転舵位置に配置されている状態でもデフレクタ219が一対のFアーム33に接触しないように設定されている。
図15に示すように、Rバケット324は、デフレクタ219から後方に噴射された水を右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に案内するRガイド359を含む。Rガイド359は、D軸線D1およびノズル18よりも後方に配置されている。Rガイド359は、左右非対称である。Rガイド359は、水が流入する右流入口379および左流入口378と、水を噴射するR右噴射口368およびR左噴射口369とを含む。さらに、Rガイド359は、左流入口378とR右噴射口368とを接続する右流路380と、右流入口379とR左噴射口369とを接続する左流路381とを含む。図16Aに示すように、Rガイド359は、さらに、前向きに開いたC字状の縦断面を有するハウジング382と、ハウジング382の内部を仕切る仕切板383と、ハウジング382の内部を左右に等間隔で仕切るR分離部360とをさらに含む。
図16Bに示すように、R分離部360は、直立姿勢で保持された板状部材である。図15に示すように、R分離部360は、直進位置に位置するデフレクタ219の中心軸線Ad1上に配置されている。左流入口378は、R分離部360の左側に配置されており、右流入口379は、R分離部360の右側に配置されている。左流入口378および右流入口379は、前向きに開口している。R右噴射口368は、ハウジング382の右端部で右斜め前向きに開口しており、R左噴射口369は、ハウジング382の左端部で左斜め前向きに開口している。右流路380は、左流入口378よからR右噴射口368まで延びており、左流路381は、右流入口379からR左噴射口369まで延びている。したがって、右流路380は、R分離部360の左側からR分離部360の右側に延びており、左流路381は、R分離部360の右側からR分離部360の左側に延びている。
図16Bに示すように、右流路380は、R分離部360の後方で左向きに開口する上中間口384を含む。同様に、左流路381は、R分離部360の後方で右向きに開口する下中間口385を含む。上中間口384および下中間口385は、上下に並んでいる。したがって、右流路380および左流路381は、上下に交差している。右流路380および左流路381は、互いに独立しており、繋がっていない。すなわち、右流路380および左流路381は、仕切板383およびR分離部360によって仕切られている。したがって、右流路380および左流路381の一方に流入した水は、右流路380および左流路381の他方に流入しない。
図17Aは、Rバケット324がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図17Bは、Rバケット324がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図17A〜図17Bでは、船舶推進機303を透視した状態が示されている。図17A〜図17Bに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
図17Aに示すように、Rバケット324がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、デフレクタ219から後方に噴射された水が、R分離部360によって等しい流量で左右に分けられる。これにより、互いに等しい流量の水が、左流入口378および右流入口379に流入する。左流入口378に流入した水は、右流路380によってR右噴射口368に案内され、R右噴射口368から右斜め前方向に噴射される。同様に、右流入口379に流入した水は、左流路381によってR左噴射口369に案内され、R左噴射口369から左斜め前方向に噴射される。
このように、Rバケット324がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、Rガイド359が、ノズル18からデフレクタ219内に流入した水を等しい流量で左右に分ける。これにより、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とが、Rバケット324によって形成される。R分離部360は、平面視において、直進位置に位置するデフレクタ219の中心軸線Ad1上に配置されている。したがって、R分離部360は、デフレクタ219の中心軸線Ad1より左側を流れる水流によって右分流を形成し、デフレクタ219の中心軸線Ad1より右側を流れる水流によって左分流を形成する。右斜め前方向は、左斜め前方向を左右に反転させた方向であり、前述の状態では、右分流および左分流の流量が互いに等しい。そのため、この状態では、推力の右方向成分と左方向成分とが打ち消し合い、後ろ方向成分だけが残る。
一方、図17Bに示すように、Rバケット324がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態では、R分離部360の前端がデフレクタ219の中心軸線Ad1より右側に配置されている。したがって、この状態でノズル18から後方に水が噴射されると、ノズル18からデフレクタ219内に流入した水の大部分が、右流路380によってR右噴射口368に案内される。そして、R右噴射口368に達した水は、R右噴射口368から右斜め前方向に噴射される。
このように、Rバケット324がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態では、ノズル18からデフレクタ219内に流入した水の大部分が、R右噴射口368から右斜め前方向に噴射される。したがって、左分流よりも流量が大きい右分流が形成される。そのため、船体2を右まわりに旋回させる後進方向の推力が発生する。これとは反対に、デフレクタ219が右側に配置されている状態では、右分流よりも流量が大きい左分流が形成される。そのため、船体2を左まわりに旋回させる後進方向の推力が発生する。
右斜め前方向および左斜め前方向は、ノズル18の中心軸線An1に関して左右対称な方向である。ノズル18の中心軸線An1に対する右斜め前方向および左斜め前方向の傾き角度は、デフレクタ219の転舵位置に拘わらず一定である。これに対して、ノズル18の中心軸線An1に対するデフレクタ219の中心軸線Ad1の傾き角度は、D軸線D1まわりのデフレクタ219の移動に伴って変化する。しかし、いずれの転舵位置においても、右斜め前方向および左斜め前方向の傾き角度は、デフレクタ219の中心軸線Ad1の傾き角度よりも大きい。したがって、より大きな左右方向成分を有する推力が発生する。そのため、後進状態の船舶1を旋回させる力を大きくすることができる。
図18Aは、Fバケット325がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図18Bは、Fバケット325がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態での水の流れについて説明するための模式的な平面図である。図18A〜図18Bでは、船舶推進機303を透視した状態が示されている。図18A〜図18Bに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。
Fバケット325は、平面視において後ろ向きに開いたV字状のFガイド332を含む。Fガイド332は、左右対称である。図18Aに示すように、Fガイド332は、直進位置に位置するデフレクタ219の中心軸線Ad1上に配置されたF頂部334と、F頂部334から右斜め後ろに延びるF右ガイド335と、F頂部334から左斜め後ろに延びるF左ガイド336とを含む。F右ガイド335は、F左ガイド336を左右に反転させた形状を有しており、F右ガイド335およびF左ガイド336は、左右対称に配置されている。F右ガイド335の右方は開放されており、F左ガイド336の左方は開放されている。
バケット363が閉位置と開位置との間に配置されている状態では、Fガイド332の少なくとも一部が、F噴射口22に対向する。F右ガイド335は、この状態でF噴射口22から後方に噴射された水を右案内方向に案内する。そして、F右ガイド335によって案内された水は、バケット363から右案内方向に噴射される。同様に、F左ガイド336は、この状態でF噴射口22から後方に噴射された水を左案内方向に案内する。そして、F左ガイド336によって案内された水は、バケット363から左案内方向に噴射される。図18Aでは、右案内方向が、右斜め後ろ方向であり、左案内方向が、左斜め後ろ方向である場合が示されている。
図18Aに示すように、Fバケット325がデフレクタ219の後方に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、Fガイド332は、F噴射口22から後方に噴射された水を等しい流量で左右に分ける。具体的には、F頂部334よりも右側を流れる水は、F右ガイド335によって右案内方向に案内され、F頂部334よりも左側を流れる水は、F左ガイド336によって左案内方向に案内される。これにより、右案内方向に流れる右分流と、左案内方向に流れる左分流とが、Fバケット325によって形成される。この状態での右分流および左分流の流量は、互いに等しい。したがって、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の前方向成分だけが残る。そのため、船体2を前方向に直進させる前進方向の推力が発生する。
一方、図18Bに示すように、Fバケット325が閉位置に配置されており、デフレクタ219が左側に配置されている状態では、F頂部334よりも左側を流れる水の流量が、F頂部334よりも右側を流れる水の流量よりも多い。したがって、この状態では、Fガイド332は、右分流よりも流量が大きい左分流を形成する。特に、デフレクタ219が左最大転舵位置に配置されている状態では、F噴射口22から噴射された全ての水が、F頂部334よりも左側を流れる。したがって、この状態では、左分流だけが形成される。そのため、船体2を左まわりに旋回させる前進方向の推力が発生する。これとは反対に、デフレクタ219が右側に配置されている状態では、左分流よりも流量が大きい右分流が形成される。そのため、船体2を右まわりに旋回させる前進方向の推力が発生する。
図19A〜図19Dは、レバー6の位置とRバケット324およびFバケット325の位置との関係の一例について説明するための模式な側面図である。図19A〜図19Dでは、船舶推進機303を透視した状態が示されている。図19A〜図19Dに示す太線の矢印は、水流の方向を示している。図19Aに示すRバケット324の位置は、Rバケット324の閉位置であり、図19Cに示すRバケット324の位置は、Rバケット324の開位置である。図19Cに示すFバケット325の位置は、Fバケット325の閉位置であり、図19Dに示すFバケット325の位置は、Fバケット325の開位置である。
レバー6(図1参照)がR領域に配置されている状態では、図19Aに示すように、ECU4(図1参照)は、バケット363をリバース位置(閉位置に相当)に位置させる。リバース位置は、Rバケット324が前後方向に間隔を空けてF噴射口22に対向し、F噴射口22の全体が、背面視においてRバケット324に覆われる位置である。したがって、この状態では、ノズル18からデフレクタ219内に流入した全ての水が、F噴射口22から後方に噴射され、Rバケット324によって右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に案内される。これにより、後進方向の推力が発生する。
図19Bに示すように、レバー6がN領域に配置されている状態では、ECU4は、バケット363を中立位置に位置させる。中立位置は、リバース位置よりも開位置側の位置であり、この位置では、F噴射口22の一部だけがRバケット324に対向し、F噴射口22の残りの部分がFバケット325に対向する。したがって、この状態では、ノズル18からデフレクタ219内に流入した全ての水が、F噴射口22から後方に噴射され、噴射された水の一部が、Rバケット324によって右斜め前方向および左斜め前方向の少なくとも一方に案内される。そして、残りの一部が、Fバケット325によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。
バケット363が中立位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、Rバケット324から右斜め方向および左斜め方向に流れる右分流および左分流が形成される。この状態では、右分流および左分流の流量が互いに等しいので、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の後ろ方向成分だけが残る。
同様に、バケット363が中立位置に配置されており、デフレクタ219が直進位置に配置されている状態では、Fバケット325から右案内方向および左案内方向に流れる右分流および左分流が形成される。この状態では、右分流および左分流の流量が互いに等しいので、推力の右方向成分と推力の左方向成分とが打ち消し合い、推力の前方向成分だけが残る。
レバー6がN領域に配置されている状態でのバケット363の位置は、デフレクタ219が直進位置に配置されているときに、推力の前方向成分と推力の後ろ方向成分とが打ち消し合うように設定されている。したがって、この状態では、いずれの方向の推力(合力)も発生しない。その一方で、デフレクタ219が右側または左側に配置されている状態では、右方向成分または左方向成分を有する推力が発生する。そのため、この状態では、この状態では、船体2を通る鉛直な軸線まわりに船体2を回転させる力が発生し、船舶1がその場で旋回する。
図19Cに示すように、レバー6が低速領域(F領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、バケット363を低速位置に位置させる。低速位置は、中立位置よりも開位置側の位置であり、この位置では、Rバケット324がF噴射口22に対向しておらず、Fバケット325がF噴射口22の一部だけに対向している。したがって、この状態では、ノズル18からデフレクタ219内に流入した全ての水が、F噴射口22から後方に噴射され、噴射された水の一部が、Fバケット325によって右案内方向および左案内方向の少なくとも一方に案内される。そして、残りの一部は、バケット363の下方を通過する。そのため、レバー6がN領域に配置されているときよりも大きな推力の前方向成分を有する推力が発生する。
図19Dに示すように、レバー6が高速領域(第3実施形態では、低速領域よりもレバー6の移動量が大きいF領域内の位置)に配置されている状態では、ECU4は、バケット363を高速位置(開位置に相当)に位置させる。高速位置では、バケット363がF噴射口22より上方に配置され、F噴射口22の全体が開放される。したがって、ノズル18からデフレクタ219内に流入した全ての水が、バケット363の下方を通過する。そのため、レバー6が低速領域に配置されているときよりも大きな推力の前方向成分を有する推力が発生する。
[他の実施形態]
本発明の実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の第1〜第3実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の第1〜第3実施形態では、RバケットおよびFバケットが、船舶推進機に備えられている場合について説明した。しかし、Rバケットだけが、船舶推進機に備えられており、Fバケットが船舶推進機に備えられていなくてもよい。
本発明の実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の第1〜第3実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の第1〜第3実施形態では、RバケットおよびFバケットが、船舶推進機に備えられている場合について説明した。しかし、Rバケットだけが、船舶推進機に備えられており、Fバケットが船舶推進機に備えられていなくてもよい。
また、前述の第1〜第3実施形態では、船舶推進機の出力調整と、RバケットおよびFバケットの移動とが、共通のレバーの操作に伴って行われる場合について説明した。しかし、専用の2つのレバーが設けられていてもよい。すなわち、船舶推進機の出力を調整するために操作されるスロットルレバーと、RバケットおよびFバケットの位置を調整するために操作されるシフトレバーとが設けられていてもよい。当然、Rバケットの位置を調整するために操作されるRシフトレバーと、Fバケットの位置を調整するために操作されるFシフトレバーと、が設けられていてもよい。
また、前述の第1〜第3実施形態では、船舶推進機に備えられているジェットポンプの数が、1機である場合について説明した。しかし、船舶推進機は、複数機のジェットポンプを備えていてもよい。
また、前述の実施形態では、船舶がボートである場合について説明した。しかし、船舶は、鞍型のシートを備えるパーソナルウォータークラフトであってもよい。
また、前述の実施形態では、船舶がボートである場合について説明した。しかし、船舶は、鞍型のシートを備えるパーソナルウォータークラフトであってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
3 :船舶推進機
18 :ノズル
19 :デフレクタ
22 :F噴射口
24 :Rバケット
26 :蓋部
59 :Rガイド
68 :R右噴射口
69 :R左噴射口
70 :主流路
71 :右流路
72 :左流路
203 :船舶推進機
219 :デフレクタ
224 :Rバケット
259 :Rガイド
303 :船舶推進機
324 :Rバケット
359 :Rガイド
380 :右流路
381 :左流路
Ad1 :デフレクタの中心軸線
Ad2 :回動軸線
An2 :回動軸線
D1 :D軸線
18 :ノズル
19 :デフレクタ
22 :F噴射口
24 :Rバケット
26 :蓋部
59 :Rガイド
68 :R右噴射口
69 :R左噴射口
70 :主流路
71 :右流路
72 :左流路
203 :船舶推進機
219 :デフレクタ
224 :Rバケット
259 :Rガイド
303 :船舶推進機
324 :Rバケット
359 :Rガイド
380 :右流路
381 :左流路
Ad1 :デフレクタの中心軸線
Ad2 :回動軸線
An2 :回動軸線
D1 :D軸線
Claims (13)
- 水を後方に噴射するノズルと、
右最大転舵位置と左最大転舵位置との間で略鉛直なD軸線まわりに左右に回転可能であり、前記ノズルから噴射された水を後ろ方向または後ろ方向に対して左右に傾いた斜め後ろ方向に噴射する噴射口を形成するデフレクタと、
背面視において前記噴射口の少なくとも一部を覆う閉位置と、前記噴射口を覆わない開位置との間で、略水平なR軸線まわりに上下に回転可能なリバースバケットと、
前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記右最大転舵位置と前記左最大転舵位置との間の直進位置に配置されている状態で、前記ノズルから前記デフレクタ内に流入した水を等しい流量で左右に分けて、右斜め前方向に流れる右分流と左斜め前方向に流れる左分流とを形成し、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置よりも右側に配置されている状態で、前記右分流よりも流量が大きい前記左分流を形成し、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置よりも左側に配置されている状態で、前記左分流よりも流量が大きい前記右分流を形成するガイドとを含む、船舶推進機。 - 前記R軸線は、前記デフレクタに対して固定された軸線であり、
前記ガイドは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線より左を流れる水流によって前記左分流を形成し、前記デフレクタの中心軸線より右を流れる水流によって前記右分流を形成する、請求項1に記載の船舶推進機。 - 前記リバースバケットは、前記閉位置で前記噴射口を覆う蓋部を含み、
前記ガイドは、前記リバースバケットの一部であり、前記蓋部から前方に延びる板状部材を含む、請求項1または2に記載の船舶推進機。 - 前記デフレクタは、前記ノズルから噴射された水を前記噴射口へ向けて後方へ導く主流路と、前記主流路から右噴射口まで右斜め前下方に延びる右流路と、前記主流路から左噴射口まで左斜め前下方に延びる左流路とを含み、
前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記主流路の前記板状部材より右側の部分と前記蓋部の前記板状部材より右側の部分と前記右流路とにより形成される流路を流れる前記右分流を形成し、前記主流路の前記板状部材より左側の部分と前記蓋部の前記板状部材より左側の部分と前記左流路とにより形成される流路を流れる前記左分流を形成する、請求項3に記載の船舶推進機。 - 前記リバースバケットが前記閉位置に配置されている状態で、前記デフレクタおよび前記リバースバケットは、前記噴射口を通る前記右分流を形成し、前記噴射口を通る前記左分流を形成する、請求項4に記載の船舶推進機。
- 前記デフレクタはスリットを有し、前記板状部材は前記スリットを通じて前記デフレクタの内部に進入する、請求項3〜5のいずれか一項に記載の船舶推進機。
- 前記ガイドは、前記リバースバケットの一部であり、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を左斜め前方向と右斜め前方向とに導く、請求項1または2に記載の船舶推進機。
- 前記ガイドは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線上に配置された頂部と、前記頂部から右斜め後ろに延び右斜め前に方向転換するU字状の右ガイドと、前記頂部から左斜め後ろに延び左斜め前に方向転換するU字状の左ガイドとを含む、請求項7に記載の船舶推進機。
- 前記R軸線は、前記ノズルに対して固定された軸線であり、
前記ガイドは、前記リバースバケットの一部であり、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタの中心軸線より右を流れる水流によって前記左分流を形成し、前記デフレクタの中心軸線より左を流れる水流によって前記右分流を形成する、請求項1に記載の船舶推進機。 - 前記ガイドは、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を左斜め前方向と右斜め前方向とに導く、請求項9に記載の船舶推進機。
- 前記ガイドは、上下に交差した右流路および左流路を含み、
前記右流路は、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を前記デフレクタの中心軸線の左側から右側に導き、
前記左流路は、前記リバースバケットが前記閉位置に配置されており、かつ、前記デフレクタが前記直進位置に配置されている状態で、前記デフレクタから後方に噴射された水を前記デフレクタの中心軸線の右側から左側に導く、請求項9または10に記載の船舶推進機。 - 前記ガイドの前端は、前記D軸線よりも後方に配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の船舶推進機。
- 前記ガイドの前端は、前記ノズルの後端よりも後方に配置されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の船舶推進機。
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