JP2013184115A - バイオマスミル - Google Patents

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Abstract

【課題】木質系バイオマスのミル外への排出を促進することで、粉砕容量の増大を図るバイオマスミルを提供する。
【解決手段】分級室17を形成するハウジング3と、該ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置7によって駆動される粉砕テーブル5と、該粉砕テーブルの上面に設けられた断面円弧状の粉砕溝と、該粉砕溝に押圧される加圧ローラ12を有する複数の加圧ローラユニット11と、前記ハウジングの前記加圧ローラユニット間に設けられ前記粉砕溝の外縁よりも中心側に突出する分級絞り28と、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を噴出す吹出し口19と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュート22とを具備し、前記分級絞りにより前記分級室内に屈曲した1次空気の流路が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、木質系バイオマスをボイラ燃料とする為に粉砕するバイオマスミル、特に木質ペレットを粉砕するバイオマスミルに関するものである。
現在、ボイラの固形燃料として使用されているのは、主に石炭であるが、CO2 の削減対策として、再生可能で環境負荷の少ない木質系バイオマスを燃料とすることが検討されている。
木質系バイオマスをボイラの燃料とするには、木質チップ、木質ペレット等の木質系バイオマスをバーナ燃焼可能な様に粉砕する必要がある。
石炭に木質系バイオマスを混合して燃料とする場合、木質系バイオマスの混合量が少なければ既存の石炭ミルにより混合粉砕することも可能であるが、木質系バイオマスの使用量が多くなると、石炭との混合粉砕を行うことができず、木質系バイオマス単独で粉砕する必要がある。
又、木質系バイオマスを粉砕する装置として石炭粉砕用の石炭ローラミルを基本とした粉砕装置とすることが、大きな改良、大きな設備変更をすることなく低コストで可能となる。
石炭ローラミルを用いて石炭の粉砕を行う際には、石炭供給装置から塊状の石炭が粉砕テーブルの中央に投下され、テーブル駆動装置によって前記粉砕テーブルが回転され、該粉砕テーブルの回転によって外周方向に移動した石炭が、回転自在に設けられた加圧ローラに噛込まれることで粉砕される。
粉砕された石炭粒は、前記粉砕テーブルの回転により更に外周方向へと移動され、吹出し口より高速で噴出される1次空気によって上方へと吹上げられ、微粉炭管よりバーナに送給される。
従来の石炭ローラミルの場合、1次空気の吹出し口は、粉砕テーブルの周囲に周方向に傾斜して設けられ、粉砕テーブルの周囲から1次空気が噴出す様になっており、1次空気に吹上げられた石炭粒はミル内を旋回しながら上昇する。
然し乍ら、木質系バイオマスを単独で粉砕する場合、木質系バイオマスは軽量であると共に繊維質で互いに絡み合う為、前記粉砕テーブルの回転遠心力による移動が石炭に比べて円滑に行われない。
又、1次空気に吹上げられる木質系バイオマスは、ミル内を旋回しながら上昇する為、流路が長くなることで木質系バイオマスがミル外に排出され難くなり、ミル内に滞留してミルの差圧上昇の原因となり、送風動力が増大すると共に前記テーブル駆動装置の動力が増大する。ミル差圧の上昇と該テーブル駆動装置の動力増大により、木質系バイオマスの粉砕容量は石炭の粉砕容量の10%程度迄制限されることになる。
上記した様に、竪型ミル、又は同等の構造を有するミルに木質系バイオマスを供給して粉砕した場合、木質系バイオマスが石炭とは異なった挙動を呈し、充分な粉砕効率、粉砕容量が得られないという問題があった。
尚、特許文献1には、空気案内リングの上方のケーシング内面に断面三角状の偏流板を設け、該偏流板に微粉原料を同伴した空気流を衝突させることで、粗大粒子を回転テーブル上へと落下させる1次分級を行う竪型ローラミルが開示されている。
特開2007−209838号公報
本発明は斯かる実情に鑑み、木質系バイオマスのミル外への排出を促進することで、粉砕容量の増大を図るバイオマスミルを提供するものである。
本発明は、分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって駆動される粉砕テーブルと、該粉砕テーブルの上面に設けられた断面円弧状の粉砕溝と、該粉砕溝に押圧される加圧ローラを有する複数の加圧ローラユニットと、前記ハウジングの前記加圧ローラユニット間に設けられ前記粉砕溝の外縁よりも中心側に突出する分級絞りと、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を噴出す吹出し口と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記分級絞りにより前記分級室内に屈曲した1次空気の流路が形成されるバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記シュートの周囲を覆う縮流筒を更に具備し、該縮流筒は円筒部を有し、該円筒部と前記ハウジングとで前記吹出し口より噴出された1次空気の流路断面積を減少させる縮流流路が形成されたバイオマスミルに係り、又前記縮流筒は前記円筒部の下端より下方に延出する倒立円錐台部を有し、該倒立円錐台部は前記分級絞りの傾斜と対峙する倒立円錐曲面を有するバイオマスミルに係り、又前記縮流筒は前記円筒部の上端より上方に延出する円錐台部を有し、該円錐台部が円錐曲面を有するバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記分級絞りの上面の傾斜角が前記倒立円錐台部の傾斜角よりも大きく、前記分級絞りと前記倒立円錐台部との間に上方に向って漸次断面積が減少する加速流路が形成されたバイオマスミルに係るものである。
又本発明は、前記ハウジングの上部に収納される分級機を更に具備し、該分級機は倒立円錐曲面上に円周方向に所定角度ピッチで配設されたブレードを有し、該ブレードの平面は前記シュートを中心とする半径に対して1次空気を吸引する方向に傾斜しているバイオマスミルに係るものである。
更に又本発明は、前記縮流筒の上方に設けられ前記シュートを支持するシュート支持部を更に具備し、該シュート支持部は1次空気の流れを円滑にする倒立円錐曲面を有するバイオマスミルに係るものである。
本発明によれば、分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって駆動される粉砕テーブルと、該粉砕テーブルの上面に設けられた断面円弧状の粉砕溝と、該粉砕溝に押圧される加圧ローラを有する複数の加圧ローラユニットと、前記ハウジングの前記加圧ローラユニット間に設けられ前記粉砕溝の外縁よりも中心側に突出する分級絞りと、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を噴出す吹出し口と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記分級絞りにより前記分級室内に屈曲した1次空気の流路が形成されるので、1次空気に乗って上昇する木質系バイオマスに対して慣性力を作用させ、粒径の大きい粉体や未粉砕の木質系バイオマスを分離させることができ、粒径の大きい粉体や未粉砕の木質系バイオマスが吹上げられるのを防止できるという優れた効果を発揮する。
本発明の第1の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。 本発明の第2の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。 本発明の第3の実施例に係る竪型ミルの概略立断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
先ず、図1に於いて、本発明の第1の実施例に係る竪型ミル1について説明する。
中空構造又は脚構造の基台2に筒状のハウジング3が立設され、該ハウジング3によって密閉された空間が形成される。該空間の下部には減速機4を介して粉砕テーブル5が設けられ、該粉砕テーブル5は前記減速機4を介してテーブル駆動モータ6によって駆動回転される。前記粉砕テーブル5は前記テーブル駆動モータ6によって定速又は可変速で回転される様になっており、該減速機4と前記テーブル駆動モータ6とによりテーブル駆動装置7が構成される。
前記粉砕テーブル5の上面には、断面が円弧状の凹溝8を有するテーブルセグメント9が設けられ、該テーブルセグメント9がリング状に連設され、前記凹溝8によって前記粉砕テーブル5の回転中心を中心とするリング状の粉砕溝が形成される。
前記粉砕テーブル5の回転中心から放射状に所要組数、例えば3組の加圧ローラユニット11が120°間隔で設けられている。該加圧ローラユニット11は加圧ローラ12を有し、ピボット軸13を中心に傾動自在となっている。又、前記ハウジング3の下部には、該ハウジング3を放射状に貫通する3組のローラ加圧装置14が設けられている。該ローラ加圧装置14は、アクチュエータ、例えば油圧シリンダ15を具備し、該油圧シリンダ15によって前記加圧ローラ12を前記凹溝8に押圧する様になっている。
前記粉砕テーブル5の下方には1次空気室16が形成され、前記ハウジング3内部の前記粉砕テーブル5より上方は、分級室17となっている。
前記ハウジング3の下部には1次空気供給口18が取付けられ、該1次空気供給口18は図示しない送風機に接続されると共に、前記1次空気室16に連通している。前記粉砕テーブル5の周囲には、1次空気が前記ハウジング3の内壁に沿って吹上がる様、1次空気の吹出し口19が全周に設けられている。尚、該吹出し口19は垂直又は略垂直であり、或は前記粉砕テーブル5の中心方向に0°以上5°以下、該粉砕テーブル5の回転方向に−5°以上0°以下の範囲で傾斜する様形成してもよい。
前記ハウジング3の上側には燃料給排部21が設けられており、該燃料給排部21の中心部を貫通する様にパイプ状のシュート22が設けられている。該シュート22は前記ハウジング3の内部に延出し、下端が前記粉砕テーブル5の中央上方に位置している。前記シュート22には木質系バイオマス、例えば木質ペレットが供給され、供給された木質ペレットは前記粉砕テーブル5の中心部に落下する様になっている。
前記シュート22には、該シュート22の中途部から下端部迄を覆う縮流筒23が縮流筒支持部24を介して取付けられている。前記縮流筒23は中空構造であり、該縮流筒23の下部は下端から上端に向って前記シュート22から離反する様傾斜した倒立円錐曲面を有する倒立円錐台形状の倒立円錐台部25となっており、上部は上端が開放された円筒形状の円筒部26となっている。
該円筒部26の径は、前記ハウジング3の内径よりも小さくなっており、該ハウジング3と前記円筒部26との間には円筒状の縮流流路27が形成される。該縮流流路27の断面積は前記ハウジング3の断面積の1/15倍以上1/10倍以下となっており、前記縮流流路27を上昇する1次空気の流速は縮流作用で約10倍以上15倍以下となる様になっている。又、前記倒立円錐台部25の下端の内径は前記シュート22の外径よりも大きく、前記倒立円錐台部25の下端と前記シュート22との間に所定の隙間が形成される。
前記吹出し口19と前記縮流筒23との間であり、隣接する前記加圧ローラユニット11,11間の前記ハウジング3の内壁には、前記分級室17の中心に向って突出する分級絞り28が設けられている。該分級絞り28は断面三角形状の部材であり、三角形状の頂点は中心に向って突出し、三角形状の上辺を母線として凹円錐曲面が形成され、該凹円錐曲面は前記倒立円錐台部25と所定の間隙で対峙し、又該倒立円錐台部25と平行に形成されている。又、前記分級絞り28の頂点、即ち該分級絞り28の最も前記分級室17の中心に近い点は、少なくとも前記凹溝8の外縁、好ましくは前記リング状の粉砕溝の中心円よりも内側に突出している。又、前記分級絞り28の下面は三角形状の下辺を母線とし、前記ハウジング3の中心線を中心とする凸円錐曲面となっている。
前記シュート22には回転管29が外嵌され、該回転管29は回転管支持部31に軸受け32を介して回転自在に支持されている。前記回転管29には、プーリ33が設けられ、該プーリ33とプーリ34との間にはベルト35が掛回され、前記プーリ34は減速機36の出力軸に嵌着されており、該減速機36には分級機モータ37が連結されている。而して、前記回転管29は前記減速機36、前記プーリ34、前記ベルト35、前記プーリ33を介して前記分級機モータ37によって回転される様になっている。
又、前記回転管29にはブレード38が取付けられ、前記回転管29、前記プーリ33、前記プーリ34、前記ベルト35、前記減速機36、前記分級機モータ37、前記ブレード38によって分級機39が構成されている。
前記ブレード38は短冊状であり、倒立円錐曲面上に円周方向に所定角度ピッチで配設される。又、該ブレード38は下端から上端に向って前記回転管29から離反する様に傾斜しており、ブレード支持部40を介して前記回転管29に取付けられている。又、前記ブレード38の平面は前記シュート22を中心とする半径に対して傾斜し、前記ブレード38の回転で1次空気が中心部に呼込まれる様になっている。
前記燃料給排部21には、粉砕された木質ペレットを送給する粉砕物送給管41が設けられ、該粉砕物送給管41はボイラのバーナ(図示せず)に接続されている。前記粉砕物送給管41の基端部には粉砕物送給口42が形成され、該粉砕物送給口42を介して前記分級室17と前記粉砕物送給管41とが連通する様になっている。
次に、前記竪型ミル1に於ける木質ペレットの粉砕について説明する。尚、木質ペレットは、おがくず等の1mm以上2mm以下の木粉が直径φ6mm以上10mm以下で長さL20mm以上30mm以下程度に押し固められた物体である。
図中、実線は1次空気の流れを示しており、点線は木質ペレット或は粉砕物の流れを示している。
前記粉砕テーブル5が、前記減速機4を介して前記テーブル駆動モータ6により回転され、前記1次空気供給口18より200℃前後の1次空気が前記1次空気室16に導入された状態で、前記シュート22より木質ペレットが投入される。木質ペレットは、前記シュート22の下端より前記粉砕テーブル5の中心部に流落し、該粉砕テーブル5上に供給される。
該粉砕テーブル5上の木質ペレットは、該粉砕テーブル5の回転による遠心力で外周方向に移動し、前記加圧ローラ12に噛込まれて粉砕される。粉砕された粉体は、更に遠心力によって外周に移動する。
前記1次空気供給口18より前記1次空気室16に導入された1次空気は、前記粉砕テーブル5の周囲に垂直又は略垂直に形成された前記吹出し口19より垂直又は略垂直に吹上げられる。前記粉砕テーブル5の回転による遠心力によって前記テーブルセグメント9を乗越えた粉体は、前記吹出し口19から吹上がった1次空気に乗り、粉体流として前記ハウジング3の内壁面に沿って垂直又は略垂直に上昇する。
前記ハウジング3の内壁面を上昇する粉体流は、前記分級絞り28の下面に到達し、該分級絞り28に粉体流が衝突することで粉体の分級が行われる。
該分級絞り28の下面に衝突した粉体流の内、粒径の大きい粗粉体は前記粉砕テーブル5上に落下し、粒径の小さい細粉体は1次空気と共に前記分級絞り28の傾斜に沿って前記分級室17の中心方向へと偏向される。偏向された粉体流が前記分級絞り28の頂点へと到達すると、粉体流は上方へと偏向される。次いで、前記倒立円錐台部25の傾斜に沿って前記ハウジング3に向って偏向され、粉体流は前記倒立円錐台部25の傾斜、前記分級絞り28の上面の傾斜に沿って上昇する。
而して、前記分級絞り28により屈曲した粉体流の流路が形成されると共に、前記倒立円錐台部25の傾斜、前記分級絞り28の上面及び下面の傾斜により、く字状に屈曲した粉体流の流路が形成される。
この時、粉体流が前記分級絞り28の頂点で偏向される過程で、粉体流中の粉体に対して慣性力が作用し、分級作用が発揮される。作用する慣性力の大きさは、粉体の粒径が大きい程大きくなるので、粒径の大きい粗粉体、或は前記加圧ローラ12により噛込まれることなく該加圧ローラ12,12間を通り抜けた木質ペレットは、粉体流が偏向される際に慣性力により粉体流から分離され、前記粉砕テーブル5上へと落下する。
又、前記分級室17を上昇する粉体流中の粉体には重力が作用しているので、粗粉体や未粉砕の木質ペレットは自重によっても粉体流から分離され、前記分級絞り28による偏向の際の慣性力及び自重により粉体の分級が行われる。
分級により粗粉体及び未粉砕の木質ペレットが分離された粉体流は、前記倒立円錐台部25の傾斜、前記分級絞り28の上面の傾斜に沿って上昇し、前記倒立円錐台部25の上端にて垂直方向へと偏向され、前記縮流流路27内に流入する。該縮流流路27は流路断面が小さくなっているので、該縮流流路27を通過する過程で粉体流が縮流され、増速される。
該縮流流路27を通過した粉体流は、前記分級機39に到達し、該分級機39により分級される。粉体流は、前記ブレード38の回転により増速されつつ該分級機39内に流入し、前記粉砕物送給口42を介して前記粉砕物送給管41より送出され、図示しないボイラのバーナに供給される。又、粉体流の内、前記分級絞り28にて分級仕切れなかった粗粉体は前記ブレード38によって弾かれ、前記円筒部26内に落下し、前記倒立円錐台部25の下端より前記粉砕テーブル5上に落下する。
この時、粉体流は旋回することなく前記分級室17内を上昇することで、該分級室17内を大きく旋回しながら上昇していた従来の竪型ミルと比較すると、前記1次空気供給口18から前記粉砕物送給管41迄の流路が短くなっていると共に、前記縮流流路27を通過する過程で粉体流が増速されているので、粉体流の前記粉砕物送給管41への到達時間も短くなっている。
又、前記分級絞り28及び前記分級機39により分級され、落下した粗粉体及び未粉砕の木質ペレットは、前記粉砕テーブル5の回転遠心力によって前記凹溝8迄移動し、前記加圧ローラ12によって再度粉砕され、1次空気により吹上げられる。
上述の様に、第1の実施例では、前記加圧ローラユニット11,11間に、例えば断面三角形状の前記分級絞り28をそれぞれ設けたので、該分級絞り28の下面に衝突させることで分級し、更に粉体流を該分級絞り28下面の傾斜に沿って偏向させ、又該分級絞り28の頂点で再度上方に偏向させる過程で粉体流中の粉体を分級し、粒径の大きい粗粉体や未粉砕の木質ペレットを粉体流から分離させることができ、粗粉体や未粉砕の木質ペレットが吹上げられ、前記粉砕物送給管41より送出されるのを防止することができる。
又、前記分級絞り28の中心側の頂点は、前記凹溝8の中心よりも内側に突出しているので、流路が大きく曲げられ、大きな偏向力が生じ、微粉炭よりも軽量な粉体であっても充分な慣性力を作用させることができ、分級性能を向上させることができる。
又、第1の実施例では、前記シュート22に該シュート22の下端部を覆う前記縮流筒23を設けている。該縮流筒23の前記倒立円錐台部25が所定の角度で傾斜しており、粉体流は該倒立円錐台部25の傾斜に沿って前記ハウジング3の内壁に向ってガイドされる様になっているので、前記分級絞り28と前記倒立円錐台部25とでく字状に屈曲した粉体流の流路が形成され、粉体流中の粉体に作用する慣性力をより大きくすることができる。
又、前記縮流筒23の前記円筒部26と前記ハウジング3との間に、例えば該ハウジング3の断面積の1/15倍以上1/10倍以下の断面積を有する円筒状の前記縮流流路27を形成したので、該縮流流路27を通過する粉体流を増速させる。即ち粉体が前記粉砕物送給管41へと到達する迄の時間を早め、粉体が前記竪型ミル1内に滞留する時間を短縮させ粉体を前記竪型ミル1外へと積極的に排出させることができ、粉砕容量の増大を図ることができる。
又、前記分級機39に配設された前記ブレード38の平面が、前記シュート22を中心とする半径に対して傾斜しているので、前記ブレード38の回転により粉体流が増速され、粉体流の流れを促進できると共に、分級性能を向上させることができる。
更に、前記吹出し口19の傾斜を垂直又は略垂直としたことで、該吹出し口19から噴出される1次空気の上昇流を垂直又は略垂直とし、該吹出し口19から前記粉砕物送給管41迄の粉体流の流路を短くしたので、粉体が前記竪型ミル1内に滞留する時間を短縮することができ、粉砕容量の増大を図ることができる。
尚、前記分級絞り28は粉体流を偏向させ、屈曲した流路を形成できればよいので、前記分級絞り28の断面形状は、頂部を円弧状としてもよく、又半円状等、三角形状以外の形状であってもよい。
次に、図2に於いて、本発明の第2の実施例について説明する。尚、図2中、図1中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施例に於ける竪型ミル1は、第1の実施例に於ける分級機39(図1参照)が省略されている。
又、木質ペレットを粉砕テーブル5上に供給するシュート22は、燃料給排部21に設けられたシュート支持部43によって支持されている。該シュート支持部43は下端から上端に向って前記シュート22から離反する様傾斜した倒立円錐曲面を有する倒立円錐台形状となっており、上端は粉砕物送給口42の上端と同位置となっている。
又、縮流筒支持部24により前記シュート22に支持される縮流筒23は、円筒部26と該円筒部26の下端より下方に延出する倒立円錐台部25を有し、該倒立円錐台部25の下端と前記シュート22との間には隙間が形成されない。又、前記縮流筒23は前記円筒部26の上端より上方に延出する円錐台部44を有し、該円錐台部44は上端から下端に向って前記シュート22から離反する様傾斜した円錐曲面を有し、又前記円錐台部44の上端の内径は前記シュート22の外径と略同径となっており、前記円錐台部44の上端と前記シュート22との間には隙間が形成されない。
木質ペレットの粉砕処理が行われる際には、縮流流路27を通過した粉体流は、前記シュート支持部43によって偏向され、該シュート支持部43の傾斜に沿って外周方向にガイドされながら、円滑に前記粉砕物送給口42へと送られ、該粉砕物送給口42より粉砕物送給管41へと送給される。又、粉体流より分離した粉体は、前記円錐台部44の傾斜に沿って滑落し、滑落した粉体が上昇する粉体流によって再度吹上げられることで、粉体が前記縮流筒23に堆積することなく前記粉砕物送給管41へと送給される。
上述の様に、第2の実施例では、分級機39(図1参照)を省略しているので、前記竪型ミル1の構成を簡略化できると共に、コストの低減を図ることができる。
又、前記縮流筒23に円錐曲面を有する円錐台部44を形成しているので、前記縮流流路27を通過した粉体流が前記粉砕物送給管41へと送給される過程で、粉体流より分離された粉体は前記円錐台部44上を滑落し、前記縮流流路27を通過した粉体流に再度吹上げられることで粉体は円滑に流出し、前記縮流筒23上に堆積するのを防止することができる。
更に、前記シュート22を支持する前記シュート支持部43が倒立円錐曲面を有しているので、前記縮流流路27を通過した粉体流を前記粉砕物送給管41へとガイドすることができ、粉体が前記縮流筒23の上方で滞留し、ミル差圧が上昇するのを防止することができる。
次に、図3に於いて、本発明の第3の実施例について説明する。尚、図3中、図2中と同等のものには同符号を付し、その説明を省略する。
第3の実施例に於ける竪型ミル1は、分級絞り45の上面の傾斜角が縮流筒23の倒立円錐台部25の傾斜角よりも大きくなっており、前記分級絞り45以外の構成については第2の実施例に於ける竪型ミル(図2参照)と同様である。
前記分級絞り45の傾斜角が、前記倒立円錐台部25の傾斜角よりも大きくなっているので、該倒立円錐台部25と前記分級絞り45との間には、上方に向って流路の断面積が漸次小さくなる加速流路46が形成される。
木質ペレットの粉砕処理が行われる際には、前記分級絞り45によって粉体流の分級が行われた後、前記加速流路46内を上昇する過程で粉体流が縮流されると共に加速され、上方に向って偏向されつつ縮流流路27に流入する。
従って、第3の実施例では、前記分級絞り45の上面の傾斜角を前記倒立円錐台部25の傾斜角よりも大きくしたので、粉体流が前記加速流路46内を通過する過程で円滑に増速され、粉体をより積極的に前記竪型ミル1外へと排出できると共に、前記加速流路46から前記縮流流路27へと粉体が流入する際の圧力損失を低減でき、より粉砕容量の増大を図ることができる。
尚、図1に示す第1の実施例に於いて、分級絞り28の代りに第3の実施例に於ける前記分級絞り45(図3参照)を設けてもよいのは言う迄もない。
又、第2の実施例及び第3の実施例に於いて、円錐台部44と対峙する円錐曲面を有する偏流筒を燃料給排部21の下端と前記ハウジング3上端との隅部に設けてもよい。前記円錐台部44と対峙する偏流筒を設けることで、前記縮流流路27通過後から前記粉砕物送給管41に送給する迄の粉体流の流れをよりスムーズにすることができ、より粉体の前記竪型ミル1外への排出を促進できる。
1 竪型ミル
3 ハウジング
5 粉砕テーブル
7 テーブル駆動装置
8 凹溝
9 テーブルセグメント
11 加圧ローラユニット
12 加圧ローラ
16 1次空気室
17 分級室
19 吹出し口
21 燃料給排部
22 シュート
23 縮流筒
25 倒立円錐台部
26 円筒部
27 縮流流路
28 分級絞り
38 ブレード
39 分級機
43 シュート支持部
44 円錐台部
45 分級絞り
46 加速流路

Claims (7)

  1. 分級室を形成するハウジングと、該ハウジングの下部に収納され、テーブル駆動装置によって駆動される粉砕テーブルと、該粉砕テーブルの上面に設けられた断面円弧状の粉砕溝と、該粉砕溝に押圧される加圧ローラを有する複数の加圧ローラユニットと、前記ハウジングの前記加圧ローラユニット間に設けられ前記粉砕溝の外縁よりも中心側に突出する分級絞りと、前記粉砕テーブルの周囲から1次空気を噴出す吹出し口と、前記粉砕テーブルの中心に木質系バイオマスを供給するシュートとを具備し、前記分級絞りにより前記分級室内に屈曲した1次空気の流路が形成されることを特徴とするバイオマスミル。
  2. 前記シュートの周囲を覆う縮流筒を更に具備し、該縮流筒は円筒部を有し、該円筒部と前記ハウジングとで前記吹出し口より噴出された1次空気の流路断面積を減少させる縮流流路が形成された請求項1のバイオマスミル。
  3. 前記縮流筒は前記円筒部の下端より下方に延出する倒立円錐台部を有し、該倒立円錐台部は前記分級絞りの傾斜と対峙する倒立円錐曲面を有する請求項2のバイオマスミル。
  4. 前記縮流筒は前記円筒部の上端より上方に延出する円錐台部を有し、該円錐台部が円錐曲面を有する請求項2又は請求項3のバイオマスミル。
  5. 前記分級絞りの上面の傾斜角が前記倒立円錐台部の傾斜角よりも大きく、前記分級絞りと前記倒立円錐台部との間に上方に向って漸次断面積が減少する加速流路が形成された請求項3又は請求項4のバイオマスミル。
  6. 前記ハウジングの上部に収納される分級機を更に具備し、該分級機は倒立円錐曲面上に円周方向に所定角度ピッチで配設されたブレードを有し、該ブレードの平面は前記シュートを中心とする半径に対して1次空気を吸引する方向に傾斜している請求項1〜請求項3又は請求項5のうちいずれかのバイオマスミル。
  7. 前記縮流筒の上方に設けられ前記シュートを支持するシュート支持部を更に具備し、該シュート支持部は1次空気の流れを円滑にする倒立円錐曲面を有する請求項2〜請求項5のうちいずれかのバイオマスミル。
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