JP2013183828A - 使い捨ておむつ及び使い捨ておむつの製造方法 - Google Patents

使い捨ておむつ及び使い捨ておむつの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】「フルート構造」を持つウエストギャザーを形成するにあたり、クッション形成シートが取り付けられたアウターシートを、適切な折り返し位置で折り返し易い構造を有する使い捨ておむつ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】「フルート構造」を持つウエストギャザー14を形成するにあたり、アウターシート11に対しクッション形成シート12が接合される領域11aと、アウターシートに対しウエスト伸縮部材13が接合される領域11bの間に、一又は複数の折返部23を並列して形成することで、クッション形成シートが接合されたアウターシートを、当該折返部23に沿って折り返し易くする。
【選択図】図4

Description

本発明は、使い捨ておむつ及び使い捨ておむつの製造方法に関するものである。具体的に説明すると、本発明は、伸長状態の弾性伸縮部材に接合された2層のシート間を、弾性伸縮部材の伸長方向に沿って間欠的に接合することにより、弾性伸縮部材が収縮した際に、この2層のシート間に空間が生じる「フルート構造」を持つ使い捨ておむつ、及びその製造方法に関する。
従来から、例えば乳幼児や高齢者用の使い捨てのおむつが知られている。使い捨ておむつの型には様々なものがあり、例えば、パンツ型の使い捨ておむつや、テープ型の使い捨ておむつが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3)。
パンツ型の使い捨ておむつは、前身頃と後身頃の両側部が予め接合されたタイプの使い捨ておむつである。パンツ型の使い捨ておむつとしては、吸収性本体が載置される外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型のもの(特許文献1)や、外装体が前身頃及び後身頃で分離され、前身頃外装体と後身頃外装体の間に吸収性本体が架橋された架橋型のもの(特許文献2)が知られている。
また、テープ型の使い捨ておむつは、前身頃又は後身頃の両側部に接着テープが取り付けられ、着用時に接着テープを利用して前身頃と後身頃を接着させるタイプの使い捨ておむつである(特許文献3)。
上記したタイプの使い捨ておむつは、一般的に、前身頃と後身頃におけるウエスト開口部の周縁に、複数のウエスト伸縮部材が、伸長状態で固定されている。使い捨ておむつの前身頃と後身頃の端部に沿って、複数の伸縮部材を伸長状態で固定しておくことにより、それらのウエスト伸縮部材が収縮した際に、ウエスト開口部の近傍にシワが生じる。このシワにより、ウエスト開口部の近傍にウエストギャザーが形成される。このウエストギャザーは、着用者の肌と使い捨ておむつの密着性を向上させる。このため、ウエストギャザーを形成することにより、おむつのフィット感が向上し、おむつのずれ下がりや、排泄物の漏れを防止できるとされていた。
ウエストギャザーを形成するウエスト伸縮部材は、不織布などのシートに、ホットメルトなどの接着手段で固定される。
例えば、ウエスト開口部を形成するシートにホットメルトを塗布し、ウエスト伸縮部材をそこに固定することができる。しかし、シートにホットメルトを直接塗布すると、ホットメルトが塗られる範囲が広くなるため、シートが硬くなって、不織布の風合いが悪くなってしまう。
一方、ホットメルトが塗られる範囲を小さくするために、ウエスト伸縮部材にホットメルトを直接塗布して、ウエスト開口部を形成するシートに固定することもできる。しかし、一般的に、伸縮弾性体の固定に適するホットメルトは、常温での変形性に乏しい硬いものが使用される傾向があるため、シート越しに伸縮弾性体に絡まったホットメルトの硬さが着用者に伝わり、不織布の風合いを損ねてしまいやすい。
そこで、ウエスト伸縮部材の固着によって不織布の風合いが損なわれることを防止するために、ウエスト開口部の周縁に、クッション形成シートを配置して、いわゆる「フルート構造」を形成する技術が提案されている(特許文献4)。この特許文献4に開示された技術では、ウエスト伸縮部材が固定されたウエスト端部に、クッション形成シート配置し、このクッション形成シートを、ウエストギャザーを構成するシートに対して間欠的に固定する。これにより、ウエスト伸縮部材が収縮すると、クッション形成シートが、固定されていない点に空間が生じて浮いた状態となる。このようにして、クッション形成シートと、ウエストギャザーを構成するシートの間に空間を形成することにより、ウエスト伸縮部材を挟んだシートの硬さが直接肌に伝わらず、かつ不織布の素材自身の柔らかさで肌に触れるようになる。
特開2009−254662号公報 特開2010−233733号公報 特開2005−323685号公報 特開2011−254996号公報
ところで、従来技術では、クッション形成シートを用いて「フルート構造」を形成する場合、例えば、おむつの外装体を形成するアウターシートやインナーシートに対し、クッション形成シートを間欠的に接合した後、これらのシートの間にウエスト伸縮部材が挟持されるように折り返すことが行われる。
図12は、従来の「フルート構造」を持つウエストギャザーの構造例を示す断面図である。図12(a)は、正常な位置で折り返された「フルート構造」の例を示し、図12(b)は、好ましくない位置において折り返された「フルート構造」の例を示している。
まず、図12(a)に示されるように、ウエスト開口部近傍には、外装体を形成するアウターシート11´とインナーシート15´が設けられる。アウターシート11´とインナーシート15´の間には複数のタミー伸縮部材16´が挟持固定されている。また、アウターシート11´は、インナーシート15´よりも長く、ウエスト開口部の方向に延びて形成されており、この長く延びたアウターシート11´の部分には、複数のウエスト伸縮部材13´が固定されている。また、アウターシート11´の長く延びた部分であって、複数のウエスト伸縮部材13´よりも先端方向に位置する部分には、クッション形成シート12´が取り付けられる。このとき、アウターシート11´の先端部分と、クッション形成シート12´は、ウエスト伸縮部材13´の伸長方向に沿って、接合部と非接合部が連続するように間欠的に接合されている。そして、図12(a)に示された折線F1の位置、すなわちアウターシート11´に固定された複数のウエスト伸縮部材13´とクッション形成シート12´の境界の位置で、クッション形成シート12´が取り付けられたアウターシート11´を肌当接面側に折り返す。そして、クッション形成シート12´を複数のウエスト伸縮部材13´の当接面側に接合する。このようにして、クッション形成シート12´によりウエスト開口部近傍に「フルート構造」を形成することができる。
しかしながら、おむつを高速で生産するような場合、図12(a)に示された好ましい位置(折線F1)において、クッション形成シート12´が取り付けられたアウターシート11´を肌当接面側に折り返すよう正確に制御することは、困難であった。このため、図12(a)に示された正常な位置(折線F1)ではなく、例えば、図12(b)に示された好ましくない位置(折線F2)で、アウターシート11´が折り返される恐れがあった。すなわち、図12(b)に示されるように、アウターシート11´の折り返し位置に誤差が生じると、例えば、アウターシート11´にクッション形成シート12´が接合された位置(折線F2)で、クッション形成シート12´及びアウターシート11´が肌当接面側に向かって折り返される可能性がある。このような場合、折返域Tにおいて、シートが、アウターシート11´とクッション形成シート12´を含め、4重に重なり合うという事態を招くものであった。
このように、図12(b)に示された好ましくない位置(F2)においてアウターシート11´が折り返された場合、図12(a)に示された正常な位置(F1)でアウターシート11´を折り返すことができた場合と比較し、折返域Tにおいて重なり合うシート材の枚数が増加し、結果として折返域Tにおける手触りが劣化するという問題があった。
また、このシートの折返域Tは、おむつのウエスト開口の端縁に相当する。このウエスト開口の端縁は、特に着用者の肌に触れる部分であり、必要以上にシート部材が重畳していると、着用者に対して不要な違和感を与えることがあった。
さらに、アウターシート11´とクッション形成シート12´の重複部分には、全体に亘って間欠的な接合が施されていることが好ましいが、アウターシート11´とクッション形成シート12´の全体を接合させると、好ましくない位置(F2)においてアウターシート11´が折り返された場合、その折返域Tにも接合部が位置することとなり、シートの風合いをより低下させてしまう要因となっていた。
このため、現在では、使い捨ておむつに、「フルート構造」を持つウエストギャザーを形成するにあたり、クッション形成シートが取り付けられたアウターシートを、適切な位置で折り返し易い構造を有する使い捨ておむつ、及びその製造方法が求められている。
そこで、本発明の発明者は、上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果、「フルート構造」を持つウエストギャザーを形成するにあたり、アウターシートに対しクッション形成シートが接合される領域と、アウターシートに対しウエスト伸縮部材が接合される領域の間に、一又は複数の折返部を並列して形成することで、クッション形成シートが接合されたアウターシートを、当該折返部に沿って折り返し易くなり、ウエストギャザーにおいてシート部材が不必要に重なり合うことを防止できるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば、従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。
具体的に本発明は、以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は、使い捨ておむつに関する。
本発明の使い捨ておむつは、前身頃1と、後身頃2と、前身頃1と後身頃2の間に位置する股下部3から構成される。
本発明の使い捨ておむつは、前身頃1及び後身頃2の両方又はいずれか一方に配置され、前身頃1側及び後身頃2側の両方又はいずれか一方の先端部分が肌当接面側に折り返されたアウターシート11を有する。
アウターシート11は、クッション形成領域11aと、伸縮部材接合領域11bと、折返領域11cを有する。
クッション形成領域11aは、アウターシート11の前身頃1側及び後身頃2側の両方又はいずれか一方の先端部分に位置し、クッション形成シート12が接合される領域である。伸縮部材接合領域11bは、クッション形成領域11aよりも股下部3寄りに位置し、一又は複数のウエスト伸縮部材13が固定される領域である。折返領域11cは、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置し、アウターシート11のクッション形成領域11aの折返線が形成される領域である。
ここで、クッション形成領域11aには、肌当接面側又は肌非当接面側に、クッション形成シート12が、おむつの幅方向に沿って接合部21と非接合部22が連続するように間欠的に接合されている。
また、伸縮部材接合領域11bには、肌当接面側に、一又は複数のウエスト伸縮部材13が、おむつの幅方向に沿って伸長状態で固定されている。
また、折返領域11cには、アウターシート11を厚み方向に押し込む、切り込む、又はその両方を行うことにより形成された一又は複数の折返部23が、おむつの幅方向に沿った直線上に並んで、連続的又は間欠的に設けられている。すなわち、折返部23は、アウターシート11を厚み方向に押し込むことによって形成された凹部であってもよいし、アウターシート11を厚み方向に切り込むことによって形成された切込部であってもよいし、凹部と切込部が同時に形成されたものであってもよい。
そして、アウターシート11は、折返領域11cに設けられた折返部23に沿って、肌当接面側に向かって折り返されている。
これにより、本発明の使い捨ておむつでは、間欠的に接合されたクッション形成領域11a及びクッション形成シート12と、伸縮部材接合領域11bとの間に、ウエスト伸縮部材13が挟持されている。
上記構成のように、本発明の使い捨ておむつでは、アウターシート11にクッション形成シート12が間欠的に接合される領域(クッション形成領域11a)と、アウターシート11にウエスト伸縮部材13が固定される領域(伸縮部材接合領域11b)の間に、折返領域11cを設ける。そして、この折返領域11cに、一又は複数の折返部23を、間欠的又は連続的に並列して形成する。これにより、クッション形成シート12が接合されたアウターシート11は、折返領域11cに形成された一又は複数の折返部23に沿って折り返し易くなる。このように、本発明においては、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する折返領域11cにおいて、適切に、アウターシート11を折り返すことが出来るため、例えば図12(b)に示されるように、ウエストギャザーにおいて、シート部材が不必要に重なり合う事態を防止できる。
本発明の使い捨ておむつにおいて、クッション形成領域11aの接合部21は、エンボス接合により形成されたものであることが好ましい。そして、折返領域11cに形成された折返部23は、接合部21が、折返領域11cにおける直線上まで延在することにより、接合部21の一部によって形成されたものであることが好ましい。
上記構成のように、接合部21をエンボス接合により形成することにより、アウターシート11のクッション形成領域11aとクッション形成シート12が、シート部材の厚み方向に押し込まれて接合される。このため、エンボス接合による接合部21は、折返領域11cに形成される凹部としても利用できる。また、エンボス接合によって接合部21を形成する際に、エンボスの端部を、シート部材の厚み方向に尖らせることにより、そのエンボスの端部によって、折返領域11cに切込部を形成することもできる。このように、接合部21を折返領域11にまで延在させて折返部23としても利用することで、接合部21と折返部23を同時に形成できる。従って、接合部21と折返部23を別々に形成した場合と比較し、使い捨ておむつの効率的に製造できる。さらに、接合部21を折返領域11にまで延在させることで、アウターシート11とクッション形成シート12の接合強度が向上し、「フルート構造」を持つウエストギャザーのクッション性を高めることもできる。
上記エンボス接合による接合部21を折返領域11にまで延在させる場合において、接合部21のそれぞれは、クッション形成領域11aにおける部分よりも、折返領域11cの直線上における部分の方が、おむつの幅方向に幅広となっていることが好ましい。
上記構成のように、折返部23として利用する接合部21を、クッション形成領域11aにおいて幅広とすることにより、アウターシート11を、その接合部21に沿ってさらに折り返し易くなる。
上記エンボス接合による接合部21を折返領域11にまで延在させる場合において、接合部21のそれぞれは、折返領域11cの直線上に底辺が位置し、クッション形成シート12上に頂角が位置する三角形状で形成されていることとしてもよい。
上記構成のように、折返部23として利用する接合部21を三角形状に形成することで、クッション形成領域11aから折返領域11cに向かうにつれて、徐々に接合部21を幅広とすることができる。このため、接合部21を三角形状とすることで、折返領域11cにおいてアウターシート11が折り返し易くなるとともに、「フルート構造」を形成されるシート部材のループ部分の手触りを良化することができる。
本発明の使い捨ておむつにおいて、折返部23は、接合部21とは別に形成されているものであってもよい。この場合、折返部23は、折返領域11cの直線上に並んで、ドット状に形成されていることが好ましい。
上記構成のように、アウターシート11を厚み方向に押し込む、切り込む、又はその両方を行うことにより形成された折返部23と、接合部21とを別に形成する場合にあっては、その折返部をドット状に形成することで、アウターシート11の折返線の手触りを柔軟にすることができる。
本発明の使い捨ておむつにおいて、折返部23と接合部21とを別に形成する場合にあっては、その折返部23は、折返領域11cの直線上に沿って、複数行で、間欠的に形成されていることとしてもよい。
上記構成のように、折返部23を折返領域11cの直線上に沿った複数行で形成し、かつ間欠的にすることにより、アウターシート11の折返線の手触りを柔軟に維持しつつ、かつ、折返領域11cにおいてアウターシート11が折り返し易くなる。
本発明の第2の側面は、使い捨ておむつの製造方法に関する。
本発明の製造方法では、前身頃1と、後身頃2と、前身頃1と前記後身頃2の間に位置する股下部3から構成され、前身頃1及び後身頃2の両方又はいずれか一方に配置されたアウターシート11を有し、アウターシート11が、前身頃1及び後身頃2の両方又はいずれか一方の先端部分に位置するクッション形成領域11aと、クッション形領域11aよりも股下部3寄りに位置する伸縮部材接合領域11bと、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する折返領域11cと、を有する使い捨ておむつを製造する。
本発明の製造方法においては、アウターシート11の折返領域11cにおけるおむつの幅方向に沿った直線上に、アウターシート11を厚み方向に対して間欠的又は連続的に、押し込む、切り込む、又はその両方を行うことにより一又は複数の折返部23を形成する工程を行う。
また、アウターシート1のクッション形成領域11aにおける肌当接面側又は肌非当接面側に、おむつの幅方向に沿って接合部21と非接合部22が連続するように、クッション形成シート12を、間欠的に接合する工程を行う。
また、アウターシート11の伸縮部材接合領域11bにおける肌当接面側に、おむつの幅方向に沿った伸長状態で、一又は複数のウエスト伸縮部材13を固定する工程を行う。
上記折返部23を形成する工程と、間欠的に接合する工程と、ウエスト伸縮部材13を固定する工程を行う順序は、特に限定されない。
そして、その後、クッション形成シート12が間欠的に接合されたアウターシート11を、折返領域11cに設けられた折返部23に沿って、肌当接面側に向かって折り返す工程を行う。
これにより、本発明の製造方法では、間欠的に接合された伸縮部材接合領域11b及びクッション形成シート12と、伸縮部材接合領域11bの間に、ウエスト伸縮部材13が挟持される。
本発明に係る使い捨ておむつの製造方法によれば、上記第1の側面に係る使い捨ておむつを製造することができる。すなわち、本発明の製造法では、アウターシート11を折り返す工程において、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する折返領域11cに折返部23を形成することで、クッション形成シート12が接合されたアウターシート11を、当該折返部23に沿って折り返し易くなっている。このため、本発明の製造方法では、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する折返領域11cにおいて、適切に、アウターシート11を折り返すことが出来るため、例えば図12(b)に示されるように、ウエストギャザーにおいて、シート部材が不必要に重なり合う事態を防止できる。
本発明において、間欠的に接合する工程は、エンボス装置により、アウターシート11のクッション形成領域11aとクッション形成シート12を間欠的にエンボス接合する工程であることが好ましい。
そして、折返部23を形成する工程は、間欠的に接合する工程と同時に、エンボス装置によって、アウターシート11の折返領域11cに、折返部23を形成する工程であることが好ましい。
上記工程のように、エンボス装置によって、アウターシート11とクッション形成シート12の間欠的な接合と、アウターシート11の折返領域11cに対する折返部23の形成を、同時に行うことにより、おむつの製造効率を向上させることができ、さらにおむつの製造装置のコストを削減することができる。また、間欠的な接合と折返部23の形成を同時に行うことで、接合部21と折返部23位置関係にズレが生じることを防止できるため、折返部23に沿って適切にアウターシート11を折り返し易くなると共に、「フルート構造」を持つウエストギャザーの外観が美麗になる。
本発明は、アウターシート11にクッション形成シート12が間欠的に接合される領域(クッション形成領域11a)と、アウターシート11にウエスト伸縮部材13が固定される領域(伸縮部材接合領域11b)の間に、折返領域11cを設け、この折返領域11cに、一又は複数の折返部23を、間欠的又は連続的に並列して形成する。この折返部23が位置する直線は、アウターシート11を折り返しやすくするための、折返線として機能する。これにより、クッション形成シート12が接合されたアウターシート11は、折返領域11cに形成された一又は複数の折返部23に沿って折り返し易くなる。従って、本発明によれば、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する折返領域11cにおいて、適切に、アウターシート11を折り返すことが出来るため、例えば図12(b)に示されるように、ウエストギャザーにおいてシート部材が不必要に重なり合う事態を防止できる
図1は、本発明の使い捨ておむつの例を示す外観斜視図である。 図2は、本発明の使い捨ておむつの例を示す展開図である。 図3は、図2に示されたY−Y線における断面形状を示す断面図である。 図4は、「フルート構造」を持つウエストギャザーが形成される工程を概念的に示したものである。図4(a)は、クッション形成シートが接合されたアウターシートが、折り返される前の状態を示したものである。図4(b)は、クッション形成シートが接合されたアウターシートが、折り返される後の状態を示したものである。 図5は、フルート構造を説明するための概念図である。 図6は、アウターシートのクッション形成領域に形成される接合部と、折返領域に形成される折返部のパターンの例を示した概念図である。 図7は、アウターシートのクッション形成領域に形成される接合部と、折返領域に形成される折返部のパターンの例を示した概念図である。 図8は、押し込みと切り込みを同時に施すことによって折返部が形成された形態を説明するための概念図である。 図9は、本発明の第2の実施形態を説明するための断面図であり、使い捨ておむつの前身頃側の断面を拡大して示している。 図10は、本発明に係る使い捨ておむつの製造工程の例を示した概念図である。 図11は、原アウターシートと原クッション形成シートを接合するためのエンボス装置の例を概念的に示した斜視図である。 図12は、従来のフルート構造を持つウエストギャザーの構造例を示す断面図である。図12(a)は、正常な位置で折り返されたフルート構造の例を示し、図12(b)は、好ましくない位置において折り返されたフルート構造の例を示している。
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
本願明細書において、「肌当接面側」とは、使い捨ておむつが組み上がった状態で、使い捨ておむつが着用者に装着された際に、着用者の肌に当接する面の方を意味する。また、「肌非当接面側」とは、使い捨ておむつが組み上がった状態で、使い捨ておむつが着用者に装着された際に、着用者の肌に当接しない面の方であり、「肌当接面側」の反対側の面を意味する。
また、本願明細書において、「A〜B」とは、「A以上B以下」であることを意味する。
(1.使い捨ておむつの全体構成)
本発明は、ウエスト端部にウエストギャザーが形成された使い捨ておむつに関する。本発明は、例えば、公知のパンツ型の使い捨ておむつや、テープ型の使い捨ておむつに広く適用可能である。パンツ型の使い捨ておむつは、前身頃と後身頃の両側部が予め接合されたタイプの使い捨ておむつである。パンツ型の使い捨ておむつとしては、吸収性本体が載置される外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型のものであってもよいし、外装体が前身頃及び後身頃で分離され、前身頃外装体と後身頃外装体の間に吸収性本体が架橋された架橋型のものであってもよい。また、テープ型の使い捨ておむつは、前身頃又は後身頃の両側部に接着テープが取り付けられ、着用時に接着テープを利用して前身頃と後身頃を接着させるタイプの使い捨ておむつである。
以下では、これらの種々のタイプの使い捨ておむつのうち、外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となった一体型のパンツ型の使い捨ておむつを例に挙げて、本発明の内容を具体的に説明する。
図1は、使い捨ておむつ100を前身頃1側からみた状態の例を示す斜視図である。また、図2は、使い捨ておむつの例を示す展開図であって、使い捨ておむつを肌当接面側からみた状態を示している。図2の展開図に示されるように、使い捨ておむつ100は、装着された際に、着用者の腹部に接する前身頃1と、着用者の背部に接する後身頃2と、着用者の股下にあてがわれる股下部3に区分される。使い捨ておむつ100は、前身頃1と後身頃2を結ぶ方向が「長手方向」となり、この長手方向と直交する方向が「幅方向」となる。
図1及び図2に示されるように、使い捨ておむつ100は、前身頃1から後身頃2にかけて形成された外装体10と、この外装体10の肌当接面側に股下部3を中心として固定された吸収性本体30を有する。図2の展開図に示されるように、外装体10は、装着時において着用者の両脚部が位置する股下部3の部分がくり抜かれた形状となっている。また、吸収性本体30は、股下部3を中心として前身頃1側から後身頃2側に掛けて延びる略矩形状に形成されている。吸収性本体30は、着用者の尿などの排泄物を吸収し保持するための各種吸収性部材によって構成される。
図2に示された展開状態から、外装体10における前身頃1と後身頃2の幅方向両端部を接合することにより、図1に示される状態に組み上がる。図1に示されるように、パンツ型の使い捨ておむつ100では、おむつの長手方向における前身頃1の端縁と後身頃2の端縁により、ウエスト開口部5が形成される。また、前身頃1と後身頃2の両端部同士が接合されることにより、装着時に着用者の脚部周りに位置する脚部周り開口部6が形成される。このため、着用者は、ウエスト開口部5から両脚部を入れ、各脚部を脚部周り開口部6から出すことで、パンツ型の使い捨ておむつ100を装着できる。
(2.使い捨ておむつの各部構成)
次に、使い捨ておむつ100の各部構成について説明する。
図3は、図2の展開図に示されたY−Y線において、使い捨ておむつ100を長手方向に切断した状態の例を示す断面図である。図3では、上下方向が、使い捨ておむつの長手方向となる。また、図3では、右側が肌当接面側であり、左側が肌非当接面側である。通常、使い捨ておむつを構成する各種シート部材は極めて薄いものであるが、図3の断面図においては、各種のシート部材に概念的な厚みを持たせて描画している。
(2−1.外装体)
使い捨ておむつ100の外装体10は、吸収性本体30を着用者の身体にあてがった状態で保持するための部材である。図2や図3に示されるように、外装体10は、基本的に、アウターシート11と、クッション形成シート12と、複数のウエスト伸縮部材13と、インナーシート15と、複数のタミー伸縮部材16と、複数のレッグ伸縮部材18とを有している。
アウターシート11は、前身頃1側と後身頃2側のウエスト開口部5を形成する両端縁に相当する位置において、肌当接面側に折り返されており、この折り返し線を含む折返領域11cが形成される。そして、この折返領域11cを境界として、肌当接面側にクッション形成領域11aが位置し、肌非当接面側に伸縮部材接合領域11bが位置する。このクッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間には、複数のウエスト伸縮部材13が、おむつの幅方向に沿って伸長状態で固定されている。また、アウターシート11には、複数のウエスト伸縮部材13が配置された位置において、複数のウエスト伸縮部材13とクッション形成領域11aの間に挟持されるように、クッション形成シート12が接合されている。このように、複数のウエスト伸縮部材13が、アウターシート11とクッション形成シート12の間に固定された状態で収縮することで、ウエスト開口部近傍のウエスト端部にウエストギャザー14が形成される。
また、アウターシート11の肌当接面側には、おむつの長手方向の長さがアウターシート11よりも短いインナーシート15が貼合されている。アウターシート11とインナーシート15の間には、複数のウエスト伸縮部材13よりもおむつの股下部3寄りの位置に、複数のタミー伸縮部材16が伸長状態で固定されている。複数のタミー伸縮部材16は、おむつの幅方向に沿って伸長状態で固定されており、この複数のタミー伸縮部材16が収縮することにより、前身頃1と後身頃2の腹周りにタミーギャザー17が形成される。
また、アウターシート11とインナーシート15の間には、装着時に着用者の両脚部が位置するくり抜かれた部分に沿って、複数のレッグ伸縮部材18が伸長状態で固定されている。レッグ伸縮部材18が収縮することにより、装着時における着用者の両脚部周りの位置に、レッグギャザー19が形成される。
(2−1−1.ウエストギャザーの構成:第1の実施形態)
ウエストギャザー14は、複数のウエスト伸縮部材13の収縮作用により、使い捨ておむつのウエスト開口部5近傍のウエスト端部に形成されるギャザーである。本実施の形態において、ウエストギャザー14は、前身頃1側と後身頃2側のそれぞれに形成される。ただし、ウエストギャザー14は、少なくとも、前身頃1側と後身頃2側のいずれか一方に形成されるものであればよい。
図3に示されるように、本実施の形態において、外装体10は、肌非当接面側の最外層にアウターシート11を備えている。アウターシート11を構成する材料としては、織布や不織布が用いることができ、特にポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布又は湿式不織布を用いることが好ましい。なお、本願明細書において、「アウターシート」とは、ウエスト伸縮部材13が固定されるシート材を意味する。このため、アウターシート11は、必ずしも使い捨ておむつの最外層に位置するものに限られない。例えば、アウターシート11の肌非当接面側を覆うように、さらに他のシート材をアウターシート11に対して接合することとしてもよい。
また、アウターシート11は、前身頃1側及び後身頃2側の端部が、肌当接面側に向かって折り返されている。このため、ウエストギャザー14を形成するアウターシート11の一部は、その性質上、クッション形成領域11aと、伸縮部材接合領域11bと、折返領域11cとに区分できる。クッション形成領域11aは、クッション形成シート12が接合される領域であり、アウターシート11の先端部分に形成される領域である。なお、アウターシート11の先端部分とは、例えばアウターシート11を折り返す前の状態において、アウターシート11の長手方向の端縁から所定幅を有する部分である。また、伸縮部材接合領域11bは、一又は複数のウエスト伸縮部材13が固定される領域であり、アウターシート11を折り返す前の状態において、クッション形領域11aよりも股下部3寄りに位置する。なお、図3に示されるように、アウターシート11が折り返された後の状態においては、伸縮部材接合領域11bは、クッション形成領域11aの肌非当接面側に位置する。また、折返領域11cは、クッション形領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する領域であり、アウターシート11の先端部分(クッション形成領域11a)を折り返すための折返線が形成される領域である。
アウターシート11の肌当接面側には、インナーシート15が配設される。インナーシート15は、アウターシート11との間において、例えば、複数のウエスト伸縮部材13の一部や、複数のタミー伸縮部材16、複数のレッグ伸縮部材18を挟持する。また、インナーシート15は、おむつの長手方向において、アウターシート11よりも短く形成されている。このため、アウターシート11は、インナーシート15よりも、おむつの長手方向に長く延出する。インナーシート15は、複数のウエスト伸縮部材13の全部を被覆するものではないが、複数のウエスト伸縮部材13の幾つかは、アウターシート11とインナーシート15の間に位置するものであってもよい。インナーシート15は、アウターシート11と同様に、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルのような熱可塑性樹脂からなる不織布等を用いることが好ましい。
図3に示されるように、アウターシート11が、インナーシート15よりもウエスト開口部5の方向に向かって延出した部分には、複数のウエスト伸縮部材13が、おむつの幅方向に沿って伸長状態で配置されている。ただし、複数のウエスト伸縮部材13の一部は、アウターシート11とインナーシート15の間に挟持されるものであってもよい。ウエスト伸縮部材13の数は、少なくとも1本あればよく、例えば、2本〜15本、4本〜12本、又は6本〜9本であることとしてもよい。ウエスト伸縮部材13は、図3及び図4に示されるように、使い捨ておむつの長手方向に所定間隔で配置されている。また、複数のウエスト伸縮部材13は、図2の展開図に示されるように、略平行に並置されていることが好ましい。図2に示されるように、複数のウエスト伸縮部材13は、その伸長状態において、前身頃外装体1aと後身頃外装体2aの幅方向のほぼ全域に延びて配置されていることが好ましく、例えば、複数のウエスト伸縮部材13は、前身頃1と後身頃2の幅方向の長さに対して、80%〜99%、又は85%〜95程度の領域に伸長状態で配置されていることが好ましい。
複数のウエスト伸縮部材13は、アウターシート11に固定される。複数のウエスト伸縮部材13は、着用者に対して過度の締め付け力を作用させることなく、十分な伸縮力を作用させることが出来る程度の伸張状態で、アウターシート11に固定されている。複数のウエスト伸縮部材13が固定される際の伸張率は、例えば、200〜400%であることが好ましく、250〜350%であることが特に好ましい。なお、「伸張率」とは、非伸張状態の伸縮部材の長さ(原寸)に対する伸張状態の伸縮部材の長さの百分率を示す。また、複数のウエスト伸縮部材13をシート材に固定する方法としては、公知の方法を適宜採用することができる。複数のウエスト伸縮部材13は、例えば。ホットメルト接着剤のような流動性の高い接着剤を塗工したり、噴霧することとしてもよいし、接着ヒートシールのような熱や超音波等による溶着によって固定することとしてもよい。
アウターシート11のクッション形成領域11aには、クッション形成シート12が接合されている。図3に示された実施形態においては、クッション形成シート12は、アウターシート11におけるクッション形成領域11aの肌非当接面側に接合されている。このため、図3に示されるように、クッション形成シート12は、アウターシート11のクッション形成領域11aと複数のウエスト伸縮部材13の間に配設される。クッション形成シート12は、複数のウエスト伸縮部材13に接合されつつ、複数のウエスト伸縮部材13の間の領域においては、アウターシート11に接合される。換言すると、複数のウエスト伸縮部材13は、アウターシート11のクッション形成領域11aとクッション形成シート12が重畳した部分と、伸縮部材接合領域11bとの間に挟持固定されるようになる。クッション形成シート12は、ウエストギャザー14のクッション性と柔軟性を高めることを目的として配置されるシート部材であることから、例えば不織布、親水性不織布、又は撥水性不織布で形成されることが好ましい。また、クッション形成シート12は、アウターシート11及びインナーシート15とは別体のシート部材によって形成されていることが好ましい。
また、クッション形成シート12は、おむつのウエスト開口部を形成する端部から、股下部3の方向に延びて形成されており、吸収性本体30の肌当接面(特にトップシート32)を被覆するように接合されるものであることが好ましい。また、クッション形成シート12は、おむつの長手方向の長さが、アウターシート11のクッション形成領域11aの長さよりも長く、クッション形成領域11aよりも股下部3の方向に延出することが好ましい。同時に、クッション形成シート12がアウターシート11のクッション形成領域11aの長さより長く延在している部分で、吸収性本体30の長さ方向の端部を覆って固定するのが好ましい。このように、クッション形成シート12を、吸収性本体30の肌当接面側に接合することにより、吸収性本体30に位置ずれが生じたり、長手方向の両端部分に剥がれが生じることを防止できる。また、吸収性本体30の端部から吸収体31に含まれる高吸収性ポリマーがこぼれたり、尿がしみだしたりするトラブルを防ぐことができる。
図3に示されるように、ウエストギャザー14においては、肌非当接面側に位置する部材から順に、アウターシート11の伸縮部材接合領域11b、ウエスト伸縮部材13、クッション形成シート12、及びアウターシート11のクッション形成領域11aが位置している。このため、ウエストギャザー14を構成するために積層されたシート部材の数は3枚となっている。
そして、アウターシート11のクッション形成領域11aと、クッション形成シート12は、ウエスト伸縮部材13の伸長方向に沿って、接合部と非接合部が交互に連続するように間欠的に接合される。これにより、ウエストギャザー14には、「フルート構造」が形成される。
(2−1−2.フルート構造)
続いて、本発明による「フルート構造」について、図面を参照して具体的に説明する。「フルート構造」とは、伸長状態の弾性伸縮部材に接合された2層のシート間を、弾性伸縮部材の伸長方向に沿って間欠的に接合することにより、弾性伸縮部材が収縮した際に、この2層のシート間に空間が生じる構造を意味する。
図4は、「フルート構造」を持つウエストギャザー14が形成される工程を概念的に示したものであり、前身頃1側のウエスト端部を、おむつが組み上がった状態における肌当接面側からみた状態を示している。
まず、図4(a)は、アウターシート11にクッション形成シート12が接合され、アウターシート11が折り返される前の状態を示したものである。
図4(a)に示されるように、おむつの肌非当接面側の最外層に位置するアウターシート11は、折り返される前の状態において、ウエスト開口部側の先端縁から順に、クッション形成領域11a、折返領域11c、及び伸縮部材接合領域11bを有している。クッション形成領域11aを形成する範囲は、おむつの長手方向において、少なくとも伸縮部材接合領域11bと同じ長さであり、好ましくは伸縮部材接合領域11bよりも長く形成する。例えば、クッション形成領域11aが形成される範囲は、20mm〜60mm、25mm〜55mm、30mm〜50mm、又は35mm〜45mmとすればよい。また、折返領域11cは、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に多少幅設けられればよく、例えば、0.5mm〜10mm、1mm〜8mm、2mm〜6mm、又は3mm〜4mmとすればよい。また、伸縮部材接合領域11bが形成される範囲は、ウエスト伸縮部材13を固定する本数やウエスト伸縮部材13を配置する間隔に応じて適宜設計でき、例えば20mm〜60mm、25mm〜55mm、30mm〜50mm、又は35mm〜45mmとすればよい。
アウターシート11のクッション形成領域11aには、おむつが組み上がった状態における肌非当接面側に、クッション形成シート12が重ね合わされる。「おむつが組み上がった状態における肌非当接面側」とは、すなわち、図4に示されるように、アウターシート11が折り返された後に、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bの間に位置する箇所を意味する。クッション形成シート12は、アウターシート11のクッション形成領域11aに重ね合わされつつも、クッション形成シート12の端部が、アウターシート11の端部より延出するものであることが好ましい。アウターシート11が延出する長さは、例えば、5mm〜70mm、10mm〜60mm、又は20mm〜50mmとすることができる。
そして、アウターシート11のクッション形成領域11aと、クッション形成シート12は、ウエスト伸縮部材13の伸長方向(おむつの幅方向)に、接合部21と非接合部23が連続するように、間欠的に接合される。本実施の形態において、各接合部21は、アウターシート11のクッション形成領域11aから折返領域11cにかけて、おむつの長手方向に延びて形成されている。具体的に説明すると、各接合部21は、二等辺三角形状で形成されている。各接合部21は、クッション形成シート12の端部近傍に頂角が位置し、折返領域11cに底辺が位置する形状となっており、頂角から底辺に向かうにつれて、徐々に幅広となる。例えば、ウエスト伸縮部材13の伸長方向における接合部21同士の間隔は、例えば2〜50mm間隔とすることが好ましく、5〜10mm間隔とすることが特に好ましい。
また、各接合部21は、エンボス接合によって、アウターシート11のクッション形成領域11aとクッション形成シート12に対し、シート部材の厚み方向に押圧力及び熱(摩擦熱を含む)を付与して、形成されたものであることが好ましい。エンボス接合の例は、超音波エンボス、加圧加熱エンボス、及び加圧エンボスである。アウターシート11のクッション形成領域11aとクッション形成シート12は、各接合部21において、ホットメルトのような接着剤を用いて接合されるものであってもよいが、接着剤を用いると不織布の風合いが劣化することが懸念されるため、不織布の手触りを良好に保つために、エンボス接合を採用することが好ましい。
アウターシート11の折返領域11cには、おむつの幅方向に沿った直線(折線F)上に、折返部23が形成される。折返部23は、アウターシート11を厚み方向に押し込む、切り込む、又はその両方を行うことにより形成することが可能である。本実施形態において、折返部23は、アウターシート11を厚み方向に押し込むことによって形成された凹部23である。凹部は、エンボス接合された接合部21よって形成されている。すなわち、シート部材の厚み方向に押し込まれることにより形成された接合部21のそれぞれは、三角形状となっており、その底辺が、直線(折線F)上に揃って並ぶ。このため、三角形状である接合部21の底辺が、凹部として機能する。
折返部23は、折返領域11cにおいて、アウターシート11を折り返し易くするために形成されるものである。本実施の形態において折返部23は、アウターシート11が厚み方向に押し込まれることにより形成された凹部であるため、この凹部の位置において、アウターシート11が屈折し易くなっている。従って、折返部23を形成することにより、折返部23を形成しない場合と比較して、アウターシート11は折り返し易くなる。折返領域11cに複数の折返部23が形成される場合においては、必ずしも、すべての折返部23が直線状に並んでいる必要はなく、少なくとも過半数以上の折返部23が、直線状に並んでいれば、アウターシート11を当該過半数以上の折返部23に沿って折り返し易くなる。
アウターシート11の伸縮部材接合領域11bには、一又は複数のウエスト伸縮部材13が、おむつ幅方向に沿って伸長状態で取り付けられる。ウエスト伸縮部材13は、例えば、コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布された上で、アウターシート11の伸縮部材接合領域12bに取り付けられていることが好ましい。複数のウエスト伸縮部材13は、おむつ長手方向に所定間隔毎に設けられ、各ウエスト伸縮部材13は平行に配置されることが好ましい。
そして、図4(a)に示された状態から、折返領域11cに形成された折返部23が並ぶ直線状(折返線F)に沿って、クッション形成シート12が取り付けられたアウターシート11を、肌当接面側に向かって折り返す。すると、図4(b)に示される状態となる。このアウターシート11が折り返された状態において、クッション形成シート12とウエスト伸縮部材13を、例えばホットメルト接着剤を用いて接合する。これにより、クッション形成シート12が、おむつの肌当接面側に位置するようになる。ウエスト伸縮部材13は、アウターシート11のクッション形成領域11a及びクッション形成シート12の重複部分と、アウターシート11の伸縮部材接合領域11bの間に、挟持固定される。
続いて、図5は、ウエスト伸縮部材13が、アウターシート11とクッション形成シート12の間に挟持固定された状態を示した概念図である。
まず、図5(a)は、ウエスト伸縮部材13が伸長状態にあり、アウターシート11及びクッション形成シート12が、張り詰めた状態の例を示している。図5(a)に示されるように、アウターシート11は、ウエスト開口端縁に相当する折返線Fにおいて折り返され、クッション形成領域11aと伸縮部材接合領域11bが形成されている。そして、図5(a)に示されるように、アウターシート11のクッション形成領域11aとクッションシート12は、ウエスト伸縮部材13の長手方向に沿って、間欠的に接合されている。すなわち、クッション形成領域11aとクッションシート12の間には、ウエスト伸縮部材13の伸長方向(おむつ幅方向)に沿って、接合部21と非接合部22が交互に連続して形成されている。
図5(b)は、図5(a)に示された状態から、ウエスト伸縮部材13が収縮し、アウターシート11及びクッション形成シート12が撓んだ状態の例を示している。図5(b)に示されるように、ウエスト伸縮部材13が収縮すると、アウターシート11とクッション形成シート12が撓む。そして、アウターシート11のクッション形成領域11aとクッションシート12は、接合部21において間欠的に接合されているため、ウエスト伸縮部材13が収縮すると、クッション形成領域11aとクッションシート12の非接合部22に、空間Sが形成される。このように、クッション形成領域11aとクッションシート12の間に形成された空間Sは、クッションの機能を果たし、ウエストギャザー14の手触りを柔軟にする。特に、空間Sが形成されることにより、ウエスト伸縮部材13に塗布された接合剤の硬さや、ウエスト伸縮部材13自体の硬さが、着用者の肌に直接伝わりにくくなるため、ウエストギャザーが、着用者の肌に与える刺激が低下する。従って、使い捨ておむつの着用感を良好なものとすることができる。
(2−1−3.接合部と折返部のパターン)
次に、図6及び図7を参照して、本発明における、アウターシート11のクッション形成領域11aに形成される接合部21と、折返領域11cに形成される折返部23のパターンについて説明する。図6及び図7では、アウターシート11のクッション形成領域11aにクッション形成シート12が接合され、アウターシート11が折り返される前の状態を示している。
図6は、基本的に、接合部21の一部が折返部23として機能する例を示しており、図7は、基本的に、接合部21と折返部23が別に設けられた例を示している。
図6(a)に示された例では、各接合部21が、アウターシート11のクッション形成領域11aから折返領域11cにかけて、おむつの長手方向に沿って直線的に形成されている。また、各接合部21の端部は、折返領域11cにおいて、直線(折線F)上に揃っており、各接合部21の端部が折返部23として機能する。各接合部21の端部は、アウターシート11を厚み方向に押し込むことによって形成された凹部であってもよいし、アウターシート11を厚み方向に切り込むことによって形成された切込部であってもよいし、凹部と切込部が同時に形成されたものであってもよい。このように、各接合部21を直線状に形成した場合であっても、その各接合部21を折返領域11cにまで延出させて、その端部を直線上に揃えることで、アウターシート11を折返領域11cにおける直線(折線F)に沿って折り返し易くなる。図6(a)に示された例は、接合部11の形状が比較的シンプルであるため、接合部11の設計が容易である。
図6(b)に示された例では、各接合部21が、クッション形成領域11aから折返領域11cにかけて、おむつの長手方向に沿って間欠的に形成されている。すなわち、各接合部21が、おむつの長手方向に延びる破線状に形成されている。また、各接合部21の端部は、折返領域11cにおいて、直線(折線F)上に揃っており、各接合部21の端部が折返部23として機能する。このように、各接合部21を破線状に形成することで、接合部21の手触りが比較的柔らかくなる。
図6(c)に示された例では、各接合部21が、アウターシート11のクッション形成領域11aから折返領域11cにかけて形成されており、クッション形成領域11における幅と、折返領域11cにおける幅が異なっている。すなわち、各接合部21は、クッション形成領域11aにおいては幅が一定の直線状で形成され、折返領域11cの折線Fに相当する位置において幅が広がるT字型となっている。そして、折返領域11cにおいて幅広となった部分が、直線(折線F)上に揃っており、折返部23として機能する。このように、各接合部21を、折返領域11cの直線(折線F)上において幅広に構成することにより、その幅広となった折返部23において、アウターシート11をより折り返し易くなる。
図6(d)に示された例では、各接合部21が、アウターシート11のクッション形成領域11aから折返領域11cにかけて形成されており、クッション形成領域11の中頃までは直線状であり、クッション形成領域11aの折返領域11c寄りの位置から、折返領域11cに向かって徐々に幅広となる形状で形成されている。そして、折返領域11cにおいて幅広となった部分が、直線(折線F)上に揃っており、折返部23として機能する。このように、クッション形成領域11の中頃と比較し、クッション形成領域11aと折返領域11cの境界の部分において、各接合部21を幅広とすることにより、クッション形成シート12がアウターシート11から剥がれにくくなり、両シート12、11の接合強度が向上する。また、各接合部21を、折返領域11cの直線(折線F)上において幅広に構成することにより、その幅広となった折返部23において、アウターシート11をより折り返し易くなる。
図7(a)に示された例では、折返領域11cにおける各折返部23が、ドット状(点状)に形成されている。ドット状に形成された各折返部23は、折返領域11cにおける直線(折線F)上に並んで配置されている。図7(a)に示す例のように、各折返部23をドット状に形成することで、アウターシート11の折返線の手触りが柔軟になる。
図7(a)に示された実施形態において、各折返部23は、アウターシート11を厚み方向に押し込むことによって形成された凹部であってもよいし、アウターシート11を厚み方向に切り込むことによって形成された切込部であってもよいし、凹部と切込部が同時に形成されたものであってもよい。
なお、クッション形成領域11aにおける各接合部21は、おむつの長手方向に沿った破線状である。また、各折返部23は、各接合部21と比較し、おむつの幅方向における間隔が狭くなっている。このため、図7(a)に示されるように、各接合部21が折返領域11cにまで多少延在している場合であっても、各接合部21の端部ではなく、幅方向の間隔が狭い各折返部23によって形成される折返線Fに沿って、アウターシート11が折り返し易くなっている。
図7(b)に示された例では、折返領域11cにおける折返部23が、破線状に形成されている。破線状に形成された折返部23は、折返領域11cにおける直線(折線F)上に並んで配置されている。すなわち、折返領域11cに形成された折返部23のそれぞれは、おむつの幅方向に延びる短線となっており、各短線の間には一定の間隔が設けられている。図7(a)に示す例のように、折返部23を破線状とすることにより、例えば図7(a)に示したドット状の凹部23と比較して、直線(折線F)上に沿って、アウターシート11を折り返し易くなる。
特に、図7(b)に示された実施形態において、折返部23は切込部であることが好ましい。そして、切込部としての折返部23は、幅方向に隣接する各接合部21の長手方向の延長線の間に位置するように、設けられていることが好ましい。このように、切込部としての折返部23を、各接合部21の長手方向の延長線の間に設けることにより、フルート構造のウエスト端部側の頂点部分において、通気孔として機能する。従って、この切込部を設けることにより、フルート構造内の空気がウエスト端部を上下に通気するようになるため、アウターシート11を折り返しやすくなるとともに、フルート構造を持つウエストギャザーの通気性を向上させることができる。
図7(c)に示された例では、折返領域11cにおける折返部23が、直線状に形成されている。すなわち、図7(c)に示された例では、折返領域11cには、直線(折線F)に沿って連続した一つの折返部23が形成されている。このように、直線(折線F)上に、連続した直線状の折返部23を形成することで、アウターシート11をより確実に折返部23に沿って折り返すことができる。ただし、図7(c)に示されるように、折返部23を連続した一つの直線として形成する場合には、折返部23を切込部とすることは好ましくない。このため、図7(c)の例では、においては、折線Fに沿って、アウターシート11を厚み方向に押し込むことで凹部を形成することが好ましい。
図7(d)に示された例では、折返領域11cにおける折返部23が、おむつの幅方向に沿って、複数行で、かつ、間欠的に形成されている。特に、折返部23の行は、おむつの幅方向に互いにズレており、言い換えると、折返部23はおむつの幅方向に沿って千鳥状に形成されている。このため、図7(d)に示された例によれば、図7(c)に示された直線のように、アウターシート11をより確実に折り返すことができるとともに、折返線の柔らかさを維持することができる。
以上に説明した、図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(b)に示された接合部21と折返部23パターンは一例であり、その他、上記の例に従って適宜設計を変更することも可能である。例えば、図6(a)〜(d)及び図7(a)〜(b)のパターンを組み合わせて、接合部21と折返部23を形成することとしてもよい。また、上記の例以外にも、接合部21と折返部23について幾何学的図形を適用することができる。
続いて、折返部23が、アウターシートの厚み方向に対する押し込みと切り込みを同時に施すことによって形成された場合の形態について説明する。図8は、例えば図7(b)に示されたパターンの折返部23を抽出し拡大して示したものである。
まず、図8(a)示された例において、折返部23は、アウターシートを厚み方向に押し込むことによって形成された凹部23aと、アウターシートを厚み方向に切り込むことによって形成された切込部23bを有している。凹部23aは、アウターシートが厚み方向に押圧されることにより窪んだ部分であり、例えば略矩形状に形成される。また、切込部23bは、略円形状の孔となっており、アウターシートの肌当接面側から肌非当接面側まで貫通して形成されている。切込部23bは、凹部23aが形成された領域内の中央に位置する。
また、図8(b)に示された例では、凹部23aが形成された領域内に、略矩形状に形成された切込部23bが形成されている。図8(b)に示された例において、凹部23aは、切込部23bよりも長くかつ幅広となっており、切込部23bの周囲を囲うように形成されている。
上記構成のように、凹部23aと切込部23bを有する折返部23は、例えばエンボス装置を用いて形成可能である。例えば、エンボス装置に、折返部23の凹部23aの形状に応じた凸部を設ける。また、このエンボス装置の凸部に、切込部23bの形状に応じてさらに突出した尖突部を設ける。このとき、尖突部は、アウターシートを厚み方向に貫通する程度の高さで設ける。これにより、エンボス装置を用いてアウターシートにエンボス加工を施すと、エンボス装置の凸部の形状に応じて凹部23aが形成され、これと同時に、凹部23aが形成された領域内に、エンボス装置の尖突部の形状に応じた切込部23bが形成される。このようにして、アウターシートの厚み方向に対する押し込みと切り込みの両方を同時に行うことにより、凹部23aと切込部23bを有する折返部23を形成可能である。
(2−1−4.ウエストギャザーの構成:第2の実施形態)
図9は、上記図3等に示された第1の実施形態とは異なる第2の実施形態を説明するための図である。図9は、使い捨ておむつの断面の前身頃側を拡大して示した拡大断面図である。図9に示された第2の実施形態では、例えば図3に示された第1の実施形態とは異なり、アウターシート11のクッション形成領域11aには、その肌当接面側に、クッション形成シート12が接合されている。クッション形成領域11aの肌当接面側と、クッション形成シート12は、ウエスト伸縮部材13の伸長方向に沿って接合部と非接合部が交互に連続するように、間欠的に接合される。また、アウターシート11の折返領域11cには、一又は複数の折返部23が、おむつの幅方向に沿った直線上に並んで、連続的又は間欠的に設けられている。
図9に示されるように、本発明は、アウターシート11におけるクッション形成領域11aの肌非当接面側に、クッション形成シート12を間欠的に接合する形態だけでなく、アウターシート11におけるクッション形成領域11aの肌当接面側に、クッション形成シート12を間欠的に接合する形態も含む。
(2−2.吸収性本体)
吸収性本体30は、外装体10の股下部3を中心に前身頃1及び後身頃2にかけて配置され、使い捨ておむつ100の着用時おいて、着用者の股下に当接して尿などの液体を吸収保持する。図2の展開図や図3の断面図に示されるように、吸収性本体30は、吸収体31と、トップシート32と、バックシート33と、立体ギャザー34を基本構成としている。
吸収体31は、尿などの液体を吸収し、吸収した液体を保持するための部材である。吸収体31は、液透過性のトップシート32と、液不透過性のバックシート33の間に配置される。吸収体31は、トップシート32を透過した液体を吸収する機能を有し、吸収性材料により構成される。吸収体31を構成する吸収性材料には、公知の材料を採用することができる。吸収性材料としては、例えば、フラッフパルプ、高吸収性ポリマー、又は親水性シートを用いることとしても良い。また、吸収性材料には、フラッフパルプ、高吸収性ポリマー、又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は、通常、単層又は複数層のマット状に形成され、用いられる。吸収性材料は、上側コアラップシート35と下側コアラップシート36によって、被包することが好ましい。上側コアラップシート35及び下側コアラップシート36は、肌当接面側及び肌非当接面側から、吸収性材料を被覆し、吸収性材料が外側へ漏出することを防止する。上側コアラップシート35及び下側コアラップシート36としては、ティシュペーパー、吸収紙、親水化処理を行った不織布等を適宜用いることができる。
トップシート32は、着用者の股下部の肌に直接接し、尿などの液体を吸収体31へ透過させるための部材である。このため、トップシート32は、柔軟性が高い液透過性材料で構成される。また、トップシート32は、吸収体31の肌当接面側を被覆するように配置される。トップシート32を構成する不透過性材料の例は、織布、不織布、又は多孔性フィルムである。また、例えばポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル、ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
バックシート33は、トップシート32を透過し吸収体31に吸収された液体が、おむつの外側へ漏出することを防止するための部材である。このため、バックシート33は、液不透過性材料によって構成される。そして、バックシート33は、吸収体31の底面からの液漏れを防止するため、吸収体31を肌非当接面側から被覆する。バックシート33を構成する不透過材料の例は、ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に、0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
立体ギャザー34は、吸収体31の両側縁部に沿って起立し、着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。一対の立体ギャザー34のそれぞれには、その先端部に、複数の立体ギャザー伸縮部材37が配置されており、立体ギャザー伸縮部材37が収縮した際に、着用者の肌当接方向に向かって立ち上がる。このため、一対の立体ギャザー34は、尿の防漏壁となり、トップシート32を透過しなかった尿や、吸収体31により吸収しきれなった尿が、使い捨ておむつの脚部周り開口部などから漏出する横漏れを防止する。立体ギャザー34は、従来の使い捨ておむつに用いられている公知の構成を採用することができる。立体ギャザー34は、例えば、撥水性シートの層間に伸張状態の立体ギャザー伸縮部材37を挟み込んで固定することにより、形成することができる。撥水性シートとしては、例えば、カードエンボスやスパンボンド等の製法により得られた不織布シートを使用することができ、特に防水性が高いSMSやSMMS等の不織布シートを用いることが好ましい。
(3.使い捨ておむつの製造方法)
続いて、本発明に係る使い捨ておむつの製造方法について、図10及び図11を参照して説明する。なお、以下では、例えば「原アウターシート」という表現を使用するが、この「原アウターシート」等は、使い捨ておむつの製造ラインにおいて切断加工されることにより、後に、使い捨ておむつのアウターシート等となる部材を意味する。
図10は、本発明に係る使い捨ておむつの製造工程を示した概念図である。図10では、矢印Aで示された方向が、おむつ製造工程の流れ方向となっている。
本発明の製造方法では、まず、図示しない原反ロールから原アウターシート111が繰り出されて、おむつの製造ラインに導入される(ステップS1)。原アウターシート111は、製造工程の流れ方向に沿う方向が長手方向となり、製造工程の流れ方向に直交する方向が幅方向となっている。原アウターシート111は、幅方向の一端側が、製造される使い捨ておむつの前身頃側に相当し、幅方向の他端側が、製造される使い捨ておむつの後身頃側に相当する。
原アウターシート111の上(肌当接面側)には、前身頃側の端部と後身頃側の端部のそれぞれに、クッション形成シート112が重ね合わされる(ステップS2)。すなわち、原アウターシート111とクッション形成シート112が重なり合う領域は、原アウターシート111の幅方向の両先端部分に位置しており、原アウターシート111のクッション形成領域に相当する。クッション形成シート112は、例えば、一つの原反ロールから繰り出された後に、スリッターによって前身頃側のクッション形成シートと後身頃側のクッション形成シートとに分断されて、原アウターシート111の前身頃側と後身頃側の端部のそれぞれに重ね合わされるものであってもよい。また、クッション形成シート112は、前身頃側のクッション形成シートと後身頃側のクッション形成シートとを別個に巻回する二つの原反ロールから繰り出されて、原アウターシート111の前身頃側と後身頃側の端部のそれぞれに重ね合わされるものであってもよい。
続いて、本実施形態においては、原アウターシート111と原クッション形成シート112を間欠的に接合する工程と、原アウターシート111に折返部123を設ける工程を同時に行う(ステップS3)。特に、本実施形態において、折返部123は、アウターシート11を厚み方向に押し込むことにより形成された凹部である。図10に示されるように、原アウターシート111と原クッション形成シート112は、シートの流れ方向に沿って、複数の接合部121が間欠的に形成されることにより、接合される。また、本実施の形態において、複数の接合部121は、原アウターシート111と原クッション形成シート112が重なり合った領域から、原アウターシート111の幅方向の中央に向かって多少の長さ延びており、接合部121の端部が、アウターシート111上において直線上に揃う。このため、原アウターシート111と原クッション形成シート112の接合部121は、原アウターシート111に設けられる折返部123としても機能する。この複数の折返部123がアウターシート111上で揃った直線が位置する領域が、原アウターシート111の折返領域に相当する。
ここで、図11を参照して、原アウターシート111と原クッション形成シート112とを間欠的に接合する工程について具体的に説明する。図11は、原アウターシート111と原クッション形成シート112を接合するためのエンボス装置200の例を概念的に示した斜視図である。エンボス装置200は、原アウターシート111と原クッション形成シート112を挟んで対向する位置に、エンボスロール210と、一対のソニックホーン220を有し、エンボスロール210とソニックホーン220の間に両シート111、112を挟み込みながら圧着させて超音波接合し、製造ラインの下流へと送り出す。
まず、エンボスロール210は、回転軸を持ち、図11に示す矢印Bの方向に回転する。エンボスロール210は、回転軸によって回転する円柱状のロール本体211と、ロール本体211の軸方向両端側おける周面に設けられたパターンブロック212と、パターンブロック212に所定のパターンで設けられた複数の凸部213を有する。
本実施の形態において、各凸部213の表面は三角形状となっており、ロール本体211の回転方向に沿って連続して設けられている。各凸部213の表面は、ロール本体211の軸方向内側に底辺が位置し、ロール本体211の軸方向外側に頂角が位置する二等辺三角形状で形成されており、各凸部213の底辺は、ロール本体211の回転方向に沿った直線上に揃っている。パターンブロック212上に設けられる複数の凸部213の間隔は、例えば2〜50mm間隔とすることが好ましく、5〜10mm間隔とすることが特に好ましい。パターンブロック212上に設けられる凸部213の間隔は、原アウターシート111と原クッション形成シート112の接合部121の間隔に相当する。
図11に示されるように、パターンブロック212は、ロール本体211に対して高さが一段高くなっており、例えば、パターンブロック212の高さは、3mm〜10mm、4mm〜8mm、又は5mm〜6mmで形成されることが好ましい。また、パターンブロック212に形成される各凸部213は、パターンブロック212に対して高さが一段高くなっており、例えば、各凸部213の高さは、0.5mm〜5mm、1mm〜4mm、又は2mm〜3mmで形成されることが好ましい。
なお、ここにいう「高さ」とは、ロール本体211の回転軸に直交する方向の高さを意味する。
他方、ソニックホーン220は、エンボスロール210のパターンブロック212に形成された凸部213との間で、原アウターシート111と原クッション形成シート112を挟み込み、両シート111、112に対し、超音波振動による摩擦熱を付与して溶着させる。図11に示されるように、ソニックホーン220は、エンボスロール210が有する2つのパターンブロック212のそれぞれに対向する位置に設けられる。具体的に説明すると、各ソニックホーン220は、摩擦対象のシートに接するフラット面を持つホーン部221と、ホーン部221に接続されたブースタ部(図示省略)と、ブースタ部に接続されたコンバータ部(図示省略)を備える。コンバータ部は、高周波電気信号を機械振動に変換し、ブースタ部に伝導する。ブースタ部は、コンバータ部が発生せた振動を増減し、ホーン部221を超音波振動させる。ホーン部221は、コンバータ部及びブースタ部の超音波振動に共鳴して振動し、振動エネルギーをフラット面から摩擦対象のシートに対して加え、摩擦熱を発生させる。
これらのエンボスロール210と各ソニックホーン220の間には、原アウターシート111と、原クッション形成シート112が導入される。エンボスロール210は、矢印Bの方向に回転し、各ソニックホーン220との間で、原アウターシート111と原クッション形成シート112を挟み込みながら、製造工程の下流側である矢印Aの方向へと送出する。なお、図11に示された矢印Aの方向は、図10に示された矢印Aの方向に一致する。ここで、原アウターシート111と原クッション形成シート112が挟み込まれるとき、エンボスロール210とソニックホーン220の間に、両シート111、112が重なり合った部分が接触し、両シート111、112は、エンボスロール210の複数の凸部213の形状に応じて厚み方向に押圧される。そして、ソニックホーン220の超音波振動により、原アウターシート111と原クッション形成シート112に対して摩擦熱が付与され、パターンブロック212に設けられた凸部213の形状とパターンに応じて、両シート111、112が間欠的に超音波溶着される。これにより、原アウターシート111と原クッション形成シート112の接合部121の間欠方向は、両シート111、112の流れ方向に一致する。このようにして、原アウターシート111と原クッション形成シート112に対して間欠的な接合を行うことができる。
また、エンボスロール210と各ソニックホーン220の間に原アウターシート111と原クッション形成シート112が導入される際には、原アウターシート111と原クッション形成シート112の重複部分だけでなく、当該重複部分よりも原アウターシート111の幅方向中央寄りの位置にも、エンボスロール210の各凸部213が当接する。具体的には、三角形状に形成された各凸部213の底辺部分は、原クッション形成シート112のみに当接し、各ソニックホーン220のホーン部221との間で、クッション形成シート112を厚み方向に押圧する。これにより、図10に示されるように、原アウターシート111には、三角形状に形成された各凸部213の底辺部分が接触した箇所に、凹部としての折返部123が形成される。原アウターシート111の折返部123(凹部)は、エンボスロール210の凸部213によって、原アウターシート111と原クッション形成シート112の接合部121と同時かつ一体的に形成されるものである。また、図10に示されるように、原アウターシート111の折返部123(凹部)は、シートの流れ方向に沿って直線的に並んで設けられる。
なお、このとき、三角形状に形成された各凸部213の底辺部分を、刃状に尖らせることにより、各凸部213の底辺部分が接触した原アウターシート111の箇所に、切込部としての折返部123を形成することも可能である。
上記工程のように、原アウターシート111に、弾性伸縮部材(原ウエスト伸縮部材116、原レッグ伸縮部材118、原ウエスト伸縮部材113等)が固定される前の早い段階において、原アウターシート111に対して原クッション形成シート112を間欠的に接合する工程を行うことが好ましい。すなわち、原アウターシート111に弾性伸縮部材が固定されると、原アウターシート111は、弾性伸縮部材の伸縮力によって、多少なりとも撓んだりシワが生じるようになる。このため、原アウターシート111に弾性伸縮部材を固定した後に、原クッション形成シート112を接合しようとすると、弾性伸縮部材の影響を受けて生じた撓みやシワが原因となり、原アウターシート111上の適切な位置に、原クッション形成シート112との接合部121を形成することが困難となる。この点、上記工程のように、原アウターシート111に弾性伸縮部材を固定する前に、原クッション形成シート112を間欠的に接合する工程を行うことにより、原アウターシート111に撓みやシワが生じる前に、原クッション形成シート112を接合することができるため、原アウターシート111上の適切な位置に接合部121を形成することが容易になる。
原アウターシート111と原クッション形成シート112を間欠的に接合する工程(ステップS3)の後、原アウターシート111上(肌当接面側)には、複数の原タミー伸縮部材116が、例えばホットメルト接着剤などによって固定される(ステップS4)。このとき、複数の原タミー伸縮部材116は、原アウターシート111の前身頃側と後身頃側に、原アウターシート111の流れと一致する方向に伸長した状態で固定される。原タミー伸縮部材116は、例えば、コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布されることが好ましい。また、後のステップS8において、原タミー伸縮部材116は、切断されて部分的に不連続とされる。このため、原タミー伸縮部材116を接合する際には、原タミー伸縮部材116を部分的に不連続とすることができるように、接合部分と非接合部分が交互に連続するように接着剤を塗布することが好ましい。
その後、原アウターシート111上(肌当接面側)には、複数の原レッグ伸縮部材118が、例えばホットメルト接着剤などによって固定される(ステップS5)。原レッグ伸縮部材118は、原アウターシート111の前身頃側と後身頃側に、蛇行するようにして、伸長した状態で固定される。原レッグ伸縮部材118は、例えば、コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布されることが好ましい。また、原レッグ伸縮部材118は、原タミー伸縮部材116と同様に、後のステップS8において切断されて部分的に不連続とされるため、原レッグ伸縮部材118を接合する際には、接合部分と非接合部分が交互に連続するように接着剤を塗布することが好ましい。
その後、原アウターシート111上(肌当接面側)には、前身頃側と後身頃側のウエスト端部に相当する位置に、複数の原ウエスト伸縮部材113が、シートの流れ方向に沿って伸長状態で接合される(ステップS6)。すなわち、図10に示されるように、複数の原ウエスト伸縮部材113は、前身頃側と後身頃側において、原タミー伸縮部材116と、原アウターシート111に形成された複数の折返部123が位置する直線との間の領域に固定される。この原タミー伸縮部材116と複数の折返部123が位置する直線との間の領域は、伸縮部材接合領域に相当する。原ウエスト伸縮部材113は、例えば、コームガンといった手法によりホットメルト接着剤が直接塗布されることが好ましい。
その後、原アウターシート111に固定された原タミー伸縮部材116と原レッグ伸縮部材118の上に、図示しない原反ロールから繰り出された原インナーシート115が貼合される(ステップS7)。また、このとき、原インナーシート115は、複数のウエスト伸縮部材113のうち、その一部と重畳して貼合されるものであってもよい。原インナーシート115は、原アウターシート111よりも幅狭となっており、原アウターシート111の幅方向中央部を中心に貼合される。原インナーシート115は、例えばカーテンスプレーといった手法によりホットメルト接着剤が全面的に塗布された状態で、原アウターシート111の幅方向中央部を中心として接合されることが好ましい。
その後、原タミー伸縮部材116と原レッグ伸縮部材118は、原アウターシート111と原インナーシート112の間に挟持された状態で、シートの流れ方向と直交する方向に切断される(ステップS8)。原タミー伸縮部材116と原レッグ伸縮部材118は、接合部分と非接合部分が交互に連続するように、原アウターシート111と原インナーシート115の間に挟持固定されているため、非接合部分を切断することで、当該非接合部分において不連続となる。
その後、原インナーシート115の上(肌当接面側)に、吸収性本体130を貼合する(ステップS9)。吸収性本体130は、原タミー伸縮部材116と原レッグ伸縮部材118が不連続となった領域に貼合される。吸収性本体130を形成する工程の図示は省略するが、公知の工程によって形成すればよい。吸収性本体130は、例えばホットメルト接着剤などを用いて接合すればよい。
その後、原アウターシート111と原インナーシート115をくり抜き切断することにより、脚部周り開口部106を形成する(ステップS10)。
以上の工程により、吸収性本体130を保持するための原外装体シート110が得られる。
その後、原クッション形成シート112が間欠的に接合された原クッション形成シート111を、複数の折返部123(凹部)が並ぶ直線(折線F)に沿って、シートの幅方向内方に向かって折り返す工程を行う(ステップS11)。この原クッション形成シート111は、複数の折返部123(凹部)が並ぶ直線(折線F)において折れ易くなっている。このため、当該直線(折線F)に沿って折り返すように正確に制御しなくても、原ウエスト伸縮部材113と原クッション形成シート112の間の領域(折返し領域)において、原アウターシート111を折り返すよう制御すれば、自ずと、複数の折返部123(凹部)が並ぶ直線(折線F)に沿って折り返されることとなる。例えば、原アウターシート111の幅方向両端側には、原アウターシート111の幅方向両端部分を、幅方向内方に向かって折り返すための一対のセーラーが位置している。一対のセーラーは、原クッション形成シート112が接合された原アウターシート111の両端部分を挟み込みながら、シート両端部分を幅方向内方に案内して折り込む。これにより、原アウターシート111と原クッション形成シート112の間に、複数の原ウエスト伸縮部材113が挟み込まれて固定される。このとき、原クッション形成シート112と原ウエスト伸縮部材113の接合には、ステップS6において原ウエスト伸縮部材113に塗布されたホットメルト接着剤を利用してもよいし、原クッション形成シート112又は原ウエスト伸縮部材113に対して改めてホットメルト接着剤を塗布することとしてもよい。
その後、原外装体シート110の前身頃を、股下部において折り返し、後身頃に重ね合わせる(ステップS12)。
その後、原外装体シート110の前身頃と後身頃をサイドフラップに相当する位置に、シートの流れ方向と直交する方向に沿ってサイドシール107を形成する(ステップS13)。このとき、サイドシール107は、シートの流れ方向と直交する方向に沿って2列で形成される。サイドシール107は、例えば、公知の熱エンボス装置や超音波エンボス装置を用いて施せばよい。
その後、2列で形成されたサイドシール107の間において、原外装体シート110を、シートの流れ方向と直交する方向に切断する(ステップS14)。これにより、シートの流れ方向に沿って隣り合った使い捨ておむつの連続体を、個別の使い捨ておむつ100に切り離すことができる。
以上の工程により、外装体が前身頃から後身頃に掛けて一体となったタイプのパンツ型の使い捨ておむつを製造することができる。
以上の工程のように、本発明の製造方法では、原アウターシート111に対し、原ウエスト伸縮部材113が固定された領域(伸縮部材接合領域)と、原クッション形成シート112が接合された領域(クッション形成領域)の間の領域(折返し領域)に、複数の凹部123を直線的に並べて、折目を形成する。なお、折返部23は、アウターシート11を厚み方向に押し込むことによって形成された凹部であってもよいし、アウターシート11を厚み方向に切り込むことによって形成された切込部であってもよいし、凹部と切込部が同時に形成されたものであってもよい。これにより、原アウターシート111は、折返領域に形成された折目に沿って折り返し易くなる。原アウターシート111を折返領域において適切に折り返すことが出来れば、従来技術のように、アウターシート11を折り返す際にエラーが生じて、折り返し部分において重なるシート材の枚数が増加し、結果として手触りが劣化するという問題が生じることもない。従って、本発明の製造方法によれば、「フルート構造」を持つ使い捨ておむつを製造するにあたり、製造時のエラーを減少させ、良品出荷率を向上させることができる。
以上、本発明に係る使い捨ておむつの製造方法について、好ましい形態を例に説明を行った。ただし、本発明の製造方法は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記製造方法は、外装体が前身頃から後身頃にかけて一体となったタイプのパンツ型使い捨ておむつだけでなく、外装体が前身頃と後身頃において分離したタイプのパンツ型使い捨ておむつや、その他、前身頃又は後身頃の両側部に接着テープが取り付けられたタイプのテープ型使い捨ておむつの製造方法にも応用可能である。
また、上記実施形態では、原アウターシート111と原クッション形成シート112を間欠的に接合する工程と、原アウターシート111の折返領域に凹部123を形成する工程を同時に行うこととしているが、これらの工程は、別々の工程であってもよい。すなわち、原アウターシート111と原クッション形成シート112を間欠的に接合するためのエンボス装置と、原アウターシート111の折返領域に凹部123を形成するエンボス装置が、別々に設けられたものであってもよい。
また、上記実施形態では、原アウターシート111と原クッション形成シート112の接合手段として、エンボスロールとソニックホーンの組み合わせによるエンボス装置を例にあげて説明したが、エンボスロールとアンビルロールの組み合わせによる熱融着方式のエンボス装置を採用することも可能である。
本発明に係る使い捨ておむつは、乳幼児や高齢者用のおむつに適用することができる。従って、本発明は、育児及び介護に関する産業において好適に利用し得る。
1 前身頃
2 後身頃
3 股下部
5 ウエスト開口部
6 脚部周り開口部
10 外装体
11 アウターシート
11a クッション形成領域
11b 伸縮部材接合領域
11c 折返領域
12 クッション形成シート
13 ウエスト伸縮部材
14 ウエストギャザー
15 インナーシート
16 タミー伸縮部材
17 タミーギャザー
18 レッグ伸縮部材
19 レッグギャザー
21 接合部
22 非接合部
23 凹部
30 吸収性本体
31 吸収体
32 トップシート
33 バックシート
34 立体ギャザー
35 上側コアラップシート
36 下側コアラップシート
37 立体ギャザー伸縮部材
100 使い捨ておむつ
106 原脚部周り開口部
107 サイドシール
110 原外装体
111 原アウターシート
112 原クッション形成シート
113 原ウエスト伸縮部材
115 原インナーシート
116 原タミー伸縮部材
118 原レッグ伸縮部材
121 接合部
123 凹部
130 吸収性本体
200 エンボス装置
210 エンボスロール
211 ロール本体
212 ブロックパターン
213 凸部
220 ソニックホーン
221 ホーン部

Claims (8)

  1. 前身頃(1)と、後身頃(2)と、前記前身頃(1)と前記後身頃(2)の間に位置する股下部(3)から構成される使い捨ておむつにおいて、
    前記前身頃(1)及び前記後身頃(2)の両方又はいずれか一方に配置され、前記前身頃(1)側及び前記後身頃(2)側の両方又はいずれか一方の先端部分が前記肌当接面側に折り返されたアウターシート(11)を有し、
    前記アウターシート(11)は、前記先端部分が肌当接面側に折り返される前の状態において、
    前記先端部分に位置するクッション形成領域(11a)と、
    前記クッション形領域(11a)よりも前記股下部(3)寄りに位置する伸縮部材接合領域(11b)と
    前記クッション形成領域(11a)と前記伸縮部材接合領域(11b)の間に位置する折返領域(11c)と、を有し、
    前記クッション形成領域(11a)には、肌当接面側又は肌非当接面側に、クッション形成シート(12)が、おむつの幅方向に沿って接合部(21)と非接合部(22)が連続するように間欠的に接合されており、
    前記伸縮部材接合領域(11b)には、肌当接面側に、一又は複数のウエスト伸縮部材(13)が、おむつの幅方向に沿って伸長状態で固定されており、
    前記折返領域(11c)には、前記アウターシート(11)を厚み方向に押し込む、切り込む、又はその両方を行うことにより形成された一又は複数の折返部(23)が、おむつの幅方向に沿った直線上に並んで、連続的又は間欠的に設けられており、
    前記アウターシート(11)は、前記折返領域(11c)に設けられた前記折返部(23)に沿って、肌当接面側に向かって折り返されており、
    これにより、間欠的に接合された前記クッション形成領域(11a)及び前記クッション形成シート(12)と、前記伸縮部材接合領域(11b)との間に、前記ウエスト伸縮部材(13)が挟持されている
    使い捨ておむつ。
  2. 前記クッション形成領域(11a)における前記接合部(21)は、エンボス接合により形成されたものであり、
    前記折返部(23)は、前記接合部(21)が、前記折返領域(11c)における前記直線上まで延在することにより、前記接合部(21)の一部によって形成されたものである
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記接合部(21)のそれぞれは、
    前記クッション形成領域(11a)における部分よりも、前記折返領域(11c)の前記直線上における部分の方が、おむつの幅方向に幅広となっている
    請求項2に記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記接合部(21)のそれぞれは、
    前記折返領域(11c)の前記直線上に底辺が位置し、前記クッション形成シート(12)上に頂角が位置する三角形状で形成されている
    請求項3に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記折返部(23)は、前記接合部(21)とは別に形成されており、
    前記折返部(23)は、前記折返領域(11c)の前記直線上に並んで、ドット状に形成されている
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記折返部(23)は、前記接合部(21)とは別に形成されており、
    前記折返部(23)は、前記折返領域(11c)の前記直線に沿って、複数行で、間欠的に形成されている
    請求項1に記載の使い捨ておむつ。
  7. 前身頃(1)と、後身頃(2)と、前記前身頃(1)と前記後身頃(2)の間に位置する股下部(3)から構成され、
    前記前身頃(1)及び前記後身頃(2)の両方又はいずれか一方に位置し、前記前身頃(1)側及び前記後身頃(2)側の両方又はいずれか一方の先端部分が前記肌当接面側に折り返されたアウターシート(11)を有し、
    前記アウターシート(11)が、前記先端部分が肌当接面側に折り返される前の状態において、
    前記先端部分に位置するクッション形成領域(11a)と、
    前記クッション形領域(11a)よりも前記股下部(3)寄りに位置する伸縮部材接合領域(11b)と、
    前記クッション形成領域(11a)と前記伸縮部材接合領域(11b)の間に位置する折返領域(11c)と、を有する
    使い捨ておむつの製造方法において、
    前記アウターシート(11)の前記折返領域(11c)におけるおむつの幅方向に沿った直線上に、前記アウターシート(11)を厚み方向に対して間欠的又は連続的に、押し込む、切り込む、又はその両方を行うことにより一又は複数の折返部(23)を形成する工程と、
    前記アウターシート(1)の前記クッション形成領域(11a)における肌当接面側又は肌非当接面側に、おむつの幅方向に沿って接合部(21)と非接合部(22)が連続するように、クッション形成シート(12)を、間欠的に接合する工程と、
    前記アウターシート(11)の伸縮部材接合領域(11b)における肌当接面側に、おむつの幅方向に沿った伸長状態で、一又は複数のウエスト伸縮部材(13)を固定する工程と、を行い、
    その後、
    前記アウターシート(11)を、前記折返領域(11c)に設けられた前記折返部(23)に沿って、肌当接面側に向かって折り返すことにより、
    間欠的に接合された前記伸縮部材接合領域(11b)及び前記クッション形成シート(12)と、前記伸縮部材接合領域(11b)の間に、前記ウエスト伸縮部材(13)を挟持させる工程を行うことを、含む
    使い捨ておむつの製造方法。
  8. 前記間欠的に接合する工程は、エンボス装置により、前記アウターシート(11)のクッション形成領域(11a)と前記クッション形成シート(12)を間欠的にエンボス接合する工程であり、
    前記折返部(23)を形成する工程は、前記間欠的に接合する工程と同時に、前記エンボス装置によって、前記アウターシート(11)の前記折返領域(11c)に、前記折返部(23)を形成する工程である
    請求項7に記載の使い捨ておむつの製造方法。
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