JP2013183116A - 車両搭載用周波数選択板 - Google Patents

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久二男 榊原
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Abstract

【課題】自動車で使用される無線通信機器に対するノイズ電磁波干渉を抑制することを目的とする。
【解決手段】周波数選択板10は、誘電体板12と、誘電体板12の板面に設けられた導電体層14とを備える。周波数選択板10は、さらに、導電体層14に設けられ、それぞれが環形状を有する複数のループ状スロット18を備える。ループ状スロット18の四隅には、長方形のループ形状について1つの角を欠損させた形状を有する小ループ区間24が形成されている。ループ状スロット18は、縦方向に列をなし横方向に行をなすよう配列されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両搭載用の周波数選択板に関し、特に、導電体層にスロットが設けられた周波数選択板に関する。
自動車において、携帯電話、ディジタルテレビ、ETC(Electronic Toll Collection)、無線LAN端末(Local Area Network)等の無線通信機器が用いられる機会が増えている。このような無線通信機器は、ノイズ電磁波の影響を受けた場合、本来の動作性能を十分に発揮できないことがある。
自動車の車室に到来するノイズ電磁波には、他の自動車の電気回路から発せられるものや、自らに搭載される電気回路から発せられるものがある。例えば、ハイブリッド自動車および電気自動車では、電池電圧を昇圧する昇圧コンバータ回路、交流直流変換を行うインバータ回路等が用いられている。これらの電気回路からは、スイッチングに基づくノイズ電磁波が発せられる。近年のハイブリッド自動車および電気自動車の普及により、ノイズ電磁波が無線通信機器に及ぼす影響、すなわち、無線通信機器に対するノイズ電磁波干渉は顕著になりつつある。
自動車のボデーは、接地導体としての金属で形成されることが多い。そのため、ボデーによる遮蔽効果によってノイズ電磁波を減衰させ、無線通信機器に対するノイズ電磁波干渉を抑制する設計が可能となる。
なお、下記の非特許文献1には、本願発明の技術的課題に関連する技術として、周波数選択板が記載されている。
Mudar A.Al-Joumayly and Nader Behdad,"A Generalized Method for Synthesizing Low-Profile, Band-Pass Frequency Selective Surfaces With Non-Resonant Constituting Elements"IEEE Transactions on Antennas and Propagation, Vol.58, No.12, December 2010. Tohru IWAI and Kennichi HATAKEYAMA.members."Frequency Selective Shielding Screen by Use of Artificial Media"IEICE TRANS CMMUN..VOL E88B.NO.8 AUGUST 2005.pp.3294-3299
上記のような金属製のボデーは、周波数選択性を持たせた設計が困難である。そのため、ノイズ電磁波のみならず、無線通信機器で使用される無線信号をも減衰させてしまうことがある。また、近年の自動車のボデーは、金属に代わって樹脂等で形成された部分が多く、ノイズ電磁波の遮蔽効果が弱い傾向にある。さらに、使用周波数の異なる複数の無線通信機器が用いられる場合には、ノイズ電磁波を減衰させる設計が困難となることが多い。
本発明は、自動車で使用される無線通信機器に対するノイズ電磁波干渉を抑制することを目的とする。
本発明は、誘電体板と、前記誘電体板の内部または板面に設けられた導電体層と、前記導電体層に設けられ、それぞれが環形状を有する複数のループ状スロットと、を備え、各ループ状スロットは、環形状を有する小ループ区間を有することを特徴とする。各ループ状スロットが有する小ループ区間の数は、1つまたは複数であってもよい。
また、本発明に係る車両搭載用周波数選択板においては、望ましくは、各ループ状スロットは、方向を揃えて対向する2つの縦方向延伸区間と、前記2つの縦方向延伸区間のそれぞれの両端の間を接続し、方向を揃えて対向する2つの横方向延伸区間と、を備え、前記小ループ区間は、前記2つの縦方向延伸区間および前記2つの横方向延伸区間が形成する環形状の四隅部分に形成され、前記複数のループ状スロットは、縦方向および横方向に配列されている。
また、本発明は、誘電体板と、前記誘電体板の内部または板面に設けられた導電体層と、前記導電体層に設けられ、それぞれが環形状を有する複数のループ状スロットと、前記導電体層に設けられ、各ループ状スロットの環形状の内側に配置され、それぞれが環形状を有して、結合共振する複数の小ループ状スロットと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態において、ループ状スロットは、スロットの一部の区間が導電体によって充填された充填区間を有していてもよい。
また、本発明の一実施形態においては、前記環形状は長方形とする。長方形の特別な場合として、正方形は長方形の概念に含まれるものとする。
本発明によれば、自動車で使用される無線通信機器に対するノイズ電磁波干渉を抑制することができる。
第1実施形態に係る周波数選択板の構成を示す図である。 周波数選択ブロックの構成を示す図である。 シミュレーション結果および実験結果を示す図である。 第1変形例に係る周波数選択板の周波数選択ブロックの構成を示す図である。 第2変形例に係る周波数選択板の構成を示す図である。 第2実施形態に係る周波数選択ブロックの構成を示す図である。 充填区間を有するループ状スロットおよび小ループ状スロットを備える、周波数選択ブロックの構成を示す図である。 導電体層が誘電体板の内部に設けられた周波数選択ブロックの構成を示す図である。
図1には、本発明の第1実施形態に係る周波数選択板10の斜視図が示されている。この周波数選択板10は、2つの透過周波数f1およびf2において電磁波を透過させ、その他の周波数において電磁波を減衰させる。周波数選択板10を自動車に用いることで、周波数f1およびf2を使用周波数とする2種類の無線通信機器に対し、車室内におけるノイズ電磁波干渉を抑制することができる。
周波数選択板10の構造について説明する。周波数選択板10は、誘電体板12、および、誘電体板12の板面に設けられた導電体層14を備える。図1には導電体層14の側を正面とした図が描かれている。周波数選択板10は、縦方向および横方向に配列された複数の周波数選択ブロック16から構成される。図1には、縦方向に3個、横方向に3個、合計9個の周波数選択ブロック16が配列された例が示されている。ただし、周波数選択板10に用いられる周波数選択ブロック16の数はこれに限られない。
図2(a)には、周波数選択ブロック16の拡大図が示されている。また、図2(b)には、周波数選択ブロック16のAB線断面図が示されている。周波数選択ブロック16の導電体層14には、ループ状スロット18が形成されている。ループ状スロット18は、導電体層14における導電体を環形状に欠損させたスロットである。ループ状スロット18は、方向を揃えて対向する2つの縦方向延伸区間20と、2つの縦方向延伸区間20のそれぞれの両端の間を接続し、方向を揃えて対向する2つの横方向延伸区間22とを有する。
各縦方向延伸区間20、および各横方向延伸区間22は、中央部を環形状の内側方向に矩形状に凹ませた形状を有する。これによって、ループ状スロット18の四隅には、長方形のループ形状について1つの角を欠損させた形状(導電体を充填させた形状)を有する小ループ区間24が形成されている。
すなわち、ループ状スロット18は、縦方向に2個、および、横方向に2個、合計4個の小ループ区間24を、欠損部を中心方向に向けて配列し、隣接するループ状スロット18を直線スロット26で接続したものであるといえる。
誘電体板12には、例えば、ガラス、プラスチック(ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等)、セラミック等の誘電体材料が用いられる。市販の誘電体板として広く知られているものには、BT、レジン、FR−4等がある。誘電体層12の材料としては、美観の面から透明なものを用いてもよいし、不透明なものを用いてもよい。また、導電体層14には、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、チタン等の金属材料が用いられる。誘電体板12の材料としてガラスが用いられ、導電体層14の材料として銀が用いられる場合には、ガラスの板面に銀ペーストをスクリーン印刷する工法を用いてもよい。また、誘電体板12に導電体層14を設ける工法には、各材料の性質に応じて、蒸着、スパッタリング、インモールド成形等を用いてもよい。その他、銅箔が接着された誘電体板に対し、薬品を用いたエッチングを施してもよい。
本実施形態に係る周波数選択板10においては、ループ状スロット18の一周の長さをおよそ一波長とする電磁波の周波数が、第1透過周波数f1となる。したがって、ループ状スロット18の縦方向延伸区間20のスロットの長さをL1とし、横方向延伸区間22のスロットの長さをL2とした場合、第1透過周波数f1の電磁波の波長と2(L1+L2)とがほぼ一致するようL1+L2が決定される。すなわち、電磁波の伝搬速度をvとすると、2(L1+L2)≒v/f1である。
ただし、縦方向延伸区間20における直線スロット26の長さをa1、縦方向延伸区間20における、ループ状スロット18の四隅をなす直線区間の長さをb1、横方向延伸区間22における直線スロット26の長さをa2、横方向延伸区間22における、ループ状スロット18の四隅をなす直線区間の長さをb2として、L1=a1+2・b1、L2=a2+2・b2である。電磁波の伝搬速度vおよび電磁波の波長は、誘電体層12の影響を考慮したものである。
また、本実施形態に係る周波数選択板10においては、小ループ区間24の長さ〜2(b1+b2)の間の長さをおよそ一波長とする電磁波の周波数が第2透過周波数f2となる。
ここで、第1透過周波数f1の電磁波の波長と2(L1+L2)とが必ずしも一致せず、第2透過周波数f2の電磁波の波長と小ループ区間24の長さとが必ずしも一致しない理由は、スロットの折れ曲がり部に境界条件が満たされるよう近傍電磁界が発生し、物理的な長さと電気長とに差異が生じるためである。
なお、ループ状スロット18の幅W、直線スロット26の長さ、ループ状スロット18の縦方向の配列周期p1および横方向の配列周期q1は、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2や、後述する反射損失特性、挿入損失特性等が最適化されるよう決定される。
次に、周波数選択板10の動作について説明する。周波数選択板10に電磁波が入射すると、ループ状スロット18には、境界条件が満たされるような電磁界が励振される。具体的には、スロットの延伸方向に垂直な方向の電界と、その電界に垂直な方向の磁界が励振される。
まず、入射電磁波の周波数が第1透過周波数f1である場合、ループ状スロット18には、ループ状スロット1周の長さをおよそ一波長とする基本共振モード電磁界が励振され共振する。さらに、導電体層14に形成された複数のループ状スロット18は電気的または磁気的に結合する。したがって、第1透過周波数f1の電磁波が入射されることで、複数のループ状スロット18は結合共振し、入射電磁波が到来した側とは反対側に結合共振に基づく電磁波を放射する。
次に、入射電磁波の周波数が第2透過周波数f2である場合、ループ状スロット18には、小ループ区間24の長さ〜2(b1+b2)の間の長さををおよそ一波長とする小ループ共振モード電磁界が励振され共振する。また、小ループ区間24は、自らが属するループ状スロット18に属する他の小ループ区間24と電気的または磁気的に結合する他、自らが属さない他のループ状スロット18に属する他の小ループ区間24と電気的または磁気的に結合する。したがって、第2透過周波数f2の電磁波が入射されることで、複数の小ループ区間24は結合共振し、入射電磁波が到来した側とは反対側に結合共振に基づく電磁波を放射する。
また、入射電磁波の周波数が第1透過周波数f1、第2透過周波数f2、および、その他の共振周波数のいずれでもない場合、ループ状スロット18は非共振状態となる。これによって、周波数選択板10を通過する電磁波は減衰する。
このような動作によって、周波数選択板10は、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2において電磁波を透過させる。また、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2以外の周波数において電磁波を減衰させる。さらに、各透過周波数においては結合共振が用いられるため、各透過周波数において透過周波数帯域幅を広げ、反射損失および挿入損失を小さくすることができる。ここで、反射損失は、入射電磁波の電力をPi、反射電磁波の電力をPrとしたときに、S11=10log(Pr/Pi)として定義される。本願明細書では、「反射損失が小さい」とは、S11の絶対値が大きいことをいうものとする。これに従えば、反射損失が小さい程、反射電磁波の電力は小さいこととなる。また、挿入損失は、透過電磁波の電力をPtとしたときに、S21=10log(Pt/Pi)として定義される。本願明細書では、「挿入損失が小さい」とは、S21の絶対値が小さいことをいうものとする。これに従えば、挿入損失が小さい程、透過電磁波の電力は大きいこととなる。
第1実施形態に係る周波数選択板10の設計例について説明する。第1透過周波数f1は、携帯電話で用いられる周波数1.5GHzとし、第2透過周波数f2は、ETCで用いられる周波数5.8GHzとした。誘電体板12には、厚さが3.0mm、比誘電率が2.9のポリカーボネートを用い、導電体層14には銀を用いた。その他の設計値は次の通りである。
直線スロット26の長さは、a1=a2=4.0mmとした。各小ループ区間24のうち、ループ状スロット18の四隅をなす直線区間の長さは、b1=b2=13.5mmとした。また、縦方向延伸区間20および横方向延伸区間22における、凹み方向の長さは、d1=d2=5.0mmとした。そして、ループ状スロット18の幅は、w=2.0mmとした。また、縦方向の配列周期p1および横方向の配列周期q1を32.0mmとし、縦方向に15個、横方向に15個の周波数選択ブロックを配列した。
図3には、この設計例における挿入損失特性および反射損失特性のシミュレーション結果および実験による測定結果が示されている。シミュレーション結果は、周波数選択ブロック16が、縦方向および横方向に無限に配列され、板面に垂直に平面波が入射したものとして計算されたものである。測定値は、複数個の周波数選択ブロック16を縦方向および横方向に配列し、平面波を透過させて実験を行って得られたものである。横軸は周波数を示し、縦軸は挿入損失および反射損失を示す。図3の符号「S11M」で示される特性は、反射損失の測定結果を示し、図3の符号「S11T」で示される特性は、反射損失のシミュレーション結果を示す。また、図3の符号「S21M」で示される特性は、挿入損失特性の測定結果を示し、図3の符号「S21T」で示される特性は、挿入損失特性のシミュレーション結果を示す。図3から明らかなように、1.5GHz付近および5.8GHz付近で、挿入損失および反射損失が小さくなっている。
次に、第1変形例に係る周波数選択板について説明する。図4には、その周波数選択ブロック28の構成が示されている。図2に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。第1変形例に係る周波数選択板は、図1の周波数選択板と同様、複数の周波数選択ブロック28が、縦方向に所定の周期間隔p1で配列され、横方向に所定の周期間隔q1で配列された構成を有する。
周波数選択ブロック28は、ループ状スロット30が有する小ループ区間32を、角のない丸められた形状としたものである。小ループ区間32は、円弧形状であってもよいし、円弧形状を歪ませた形状であってもよい。このような周波数選択ブロック28によれば、小ループ区間32における高次の共振モード電磁界の共振周波数が、図2の小ループ区間24に比べて高くなる。これによって、高域周波数帯における特性が改善されることが多い。
図5には第2変形例に係る周波数選択板34の構成が示されている。図1および図2に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。この周波数選択板34は、図2に示される小ループ区間24と同様の形状を有する小ループ区間38を用いたものである。各ループ状スロット36においては、3つの小ループ区間38が、それぞれの角(小ループ区間38をなす4つの直線区間のうち2つの長い直線区間による角)が三角形の頂点に対応するよう配置されている。隣接する2つの小ループ区間38は直線スロット26によって接続されている。図5の例では、3つの小ループ区間38の角を頂点とする三角形は正三角形であり、3回転対称の形状のループ状スロット36が形成されている。
図5に示されるように、複数のループ状スロット36は、3つの小ループ区間38の角がなす三角形の1つの辺が横方向となるよう複数行に亘って配置されている。1つの行において横方向に隣接するループ状スロット36は、互いに上下の向きが逆になるよう配置されている。これらのループ状スロット36についても、第1変形例のように各小ループ区間38を角のない丸められた形状としてもよい。
本発明の第1実施形態に係る周波数選択板のループ状スロットにおいては、ループ状スロットに含まれる小ループ区間の形状は、第1および第2変形例で示されたような形状の他、三角形、五角形、六角形等、その他の多角形のループ形状の一部を欠損させた形状であってもよい。また、ループ状スロットには、1つまたは2以上の任意の数の小ループ区間を設けてもよい。さらに、ループ状スロットは、スロットの一部に導電体が充填された充填区間を有していてもよい。
次に、第2実施形態に係る周波数選択板について図6を参照して説明する。この実施形態は、周波数選択ブロック40として、ループ状スロット42の内側に複数の小ループ状スロット44を配置したものである。図6には、ループ状スロット42および小ループ状スロット44として、長方形のものが示されている。ループ状スロット42の内側には、それぞれの縦横の向きをループ状スロット42の縦横の向きと揃えて、縦方向に2個、横方向に2個、合計4個の小ループ状スロット44が配列されている。ただし、ループ状スロット42に囲まれる領域における小ループ状スロット44の数はこれに限られない。第2実施形態に係る周波数選択板は、第1実施形態に係る周波数選択板と同様、複数の周波数選択ブロック40が、縦方向に所定の周期間隔p1で配列され、横方向に所定の周期間隔q1で配列された構成を有する。
周波数選択ブロック40を用いた周波数選択板においては、ループ状スロット42の一周の長さをおよそ一波長とする電磁波の周波数が第1透過周波数f1となり、小ループ状スロット44の一周の長さをおよそ一波長とする電磁波の周波数が第2透過周波数f2となる。したがって、ループ状スロット42の大きさは、第1透過周波数f1に基づいて定められ、小ループ状スロット44の大きさは、第2透過周波数f2に基づいて定められる。
なお、ループ状スロット42および小ループ状スロット44の形状は、三角形、五角形、六角形等、その他の多角形としてもよい。この場合においても、ループ状スロット42および小ループ状スロット44のそれぞれの一周の長さは、透過させる電磁波のおよそ一波長の長さとする。また、ループ状スロット42および小ループ状スロット44の形状は、スロットの一部に充填区間のある環形状を有するものであってもよい。
図7には、ループ状スロット42の下辺、および小ループ状スロット44の上辺に、充填区間48が設けられた周波数選択ブロック40の構成が示されている。充填区間48の長さは、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2や、反射損失特性、挿入損失特性等が最適化されるよう決定される。
次に、周波数選択ブロック40を用いた周波数選択板の動作について説明する。周波数選択板に電磁波が入射すると、ループ状スロット42および小ループ状スロット44には、境界条件が満たされるような電磁界が励振される。
まず、入射電磁波の周波数が第1透過周波数f1である場合、ループ状スロット42に励振された電磁界が共振する。さらに、導電体層14に形成された複数のループ状スロット42は電気的または磁気的に結合する。したがって、第1透過周波数f1の電磁波が入射されることで、複数のループ状スロット42は結合共振し、入射電磁波が到来した側とは反対側に結合共振に基づく電磁波を放射する。
次に、入射電磁波の周波数が第2透過周波数f2である場合、小ループ状スロット44に励振された電磁界が共振する。さらに、導電体層14に形成された複数の小ループ状スロット44は電気的または磁気的に結合する。したがって、第2透過周波数f2の電磁波が入射されることで、複数の小ループ状スロット44は結合共振し、入射電磁波が到来した側とは反対側に結合共振に基づく電磁波を放射する。
また、入射電磁波の周波数が第1透過周波数f1、第2透過周波数f2、および、その他の共振周波数のいずれでもない場合、ループ状スロット42および小ループ状スロット44は非共振状態となる。これによって、周波数選択板を通過する電磁波は減衰する。
第2実施形態に係る周波数選択板では、ループ状スロット42および小ループ状スロット44が個別に形成される。そのため、ループ状スロット42および小ループ状スロット44の形状が簡単となり、設計が容易になる。
しかし、小ループ状スロット44がループ状スロット42の内側に配列されるため、構成によっては、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2を近づけることが困難となる場合がある。
これに対し、第1実施形態に係る周波数選択板では、ループ状スロットに小ループ区間が形成されている。これによって、ループ状スロットの大きさの設計範囲と、小ループ区間の大きさの設計範囲とに自由度が生じ、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2の設定が容易となることが多い。
したがって、例えば、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2が離れているという条件の下で構造を単純化させる場合には、第2実施形態に係る周波数選択板を採用する。また、第1透過周波数f1および第2透過周波数の設定を容易化させ、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2を近づける場合には、第1実施形態に係る周波数選択板を採用する。
上記では、第1透過周波数f1を携帯電話の周波数1.5GHzとし、第2透過周波数f2をETCで用いられる周波数5.8GHzとした場合についてシミュレーションおよび実験を行った。このような周波数構成の他、例えば、第1透過周波数f1を携帯電話の周波数800MHzとし、第2透過周波数f2を携帯電話の周波数2GHzとする周波数構成を採用してもよい。また、第2透過周波数f2を無線LANの周波数2.4GHzとしてもよい。この場合においても、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2に応じて、第1実施形態または第2実施形態のいずれかを採用すればよい。
上記の第1および第2実施形態では、導電体層14を誘電体板12の一方の板面に設けた構成について説明した。このような構成の他、導電体層14を誘電体板12の内部に設けた構成としてもよい。図8には2層の誘電体層14の間に導電体層が形成された周波数選択板の周波数選択ブロック46の構成が示されている。図8(a)は、上側の誘電体層である第1誘電体層50を取り除いた場合における正面図である。また、図8(b)は、周波数選択ブロック46のCD線断面図である。図2に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。第1誘電体層50と第2誘電体層52との間には導電体層14が形成されている。このような構成では、空気と第1誘電体層50との間の境界面、第1誘電体層50と導電体層14との間の境界面、導電体層14と第2誘電体層52との間の境界面、および第2誘電体層52と空気との間の境界面が、電磁波の伝搬媒質の不連続面となる。
周波数選択板の一方の面から電磁波が入射し、これらの不連続面の間で電磁波が多重反射し、多重反射の結果として他方の面から放射される電磁波の位相が揃った場合、多重反射に基づく共振伝送が可能となる。これによって、第1透過周波数f1および第2透過周波数f2における反射損失および挿入損失が小さくなることがある。したがって、第1誘電体層50の厚さ、第2誘電体の厚さ、およびこれらの比誘電率は、反射損失特性および挿入損失特性が最適化されるよう決定される。
本発明に係る周波数選択板には、複数の導電体層を設けてもよい。例えば、誘電体板の両面に導電体層を設けてもよい。これによって、複数のループ状スロットによる共振特性が急峻になり、周波数選択特性が良好となる。
本発明に係る周波数選択板は、自動車の窓、ボデー等の一部あるいは全体に用いてもよい。また、車室におけるコンソールボックス、センタークラスタ等に用いてもよいし、ECU(Engine Control Unit)等の電気回路のケースに用いてもよい。これによって、車室における無線通信機器の通信品質を維持すると共に、他の自動車の電気回路から到来するノイズ電磁波を減衰させることができる。また、ECUが無線通信機能を有するものである場合には、車室において用いられる無線通信機器と同様のノイズ対策効果が得られる。
近年の自動車のボデーは、金属に代わって樹脂等で形成された部分が多く、ノイズ電磁波干渉の抑制効果が弱い傾向にある。そこで、ボデーのうち樹脂で形成された部分に周波数選択板を設けることで、ノイズ電磁波干渉の抑制効果を高めることができる。また、自動車の窓に周波数選択板を設けた場合には、太陽光の遮断によって車室の温度上昇を抑制することができる。
10,34 周波数選択板、12 誘電体板、14 導電体層、16,28,40,46 周波数選択ブロック、18,30,36,42 ループ状スロット、20 縦方向延伸区間、22 横方向延伸区間、24,32,38 小ループ区間、26 直線スロット、44 小ループ状スロット、48 充填区間、50 第1誘電体層、52 第2誘電体層。

Claims (3)

  1. 誘電体板と、
    前記誘電体板の内部または板面に設けられた導電体層と、
    前記導電体層に設けられ、それぞれが環形状を有する複数のループ状スロットと、
    を備え、
    各ループ状スロットは、
    環形状を有する小ループ区間を有することを特徴とする、車両搭載用周波数選択板。
  2. 請求項1に記載の車両搭載用周波数選択板において、
    各ループ状スロットは、
    方向を揃えて対向する2つの縦方向延伸区間と、
    前記2つの縦方向延伸区間のそれぞれの両端の間を接続し、方向を揃えて対向する2つの横方向延伸区間と、を備え、
    前記小ループ区間は、
    前記2つの縦方向延伸区間および前記2つの横方向延伸区間が形成する環形状の四隅部分に形成され、
    前記複数のループ状スロットは、縦方向および横方向に配列されていることを特徴とする、車両搭載用周波数選択板。
  3. 誘電体板と、
    前記誘電体板の内部または板面に設けられた導電体層と、
    前記導電体層に設けられ、それぞれが環形状を有する複数のループ状スロットと、
    前記導電体層に設けられ、各ループ状スロットの環形状の内側に配置され、それぞれが環形状を有して、結合共振する複数の小ループ状スロットと、
    を備えることを特徴とする車両搭載用周波数選択板。
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