JP2013181888A - 放射線遮蔽シート及び放射線遮蔽シートの施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性、耐候性に優れ、屋外で使用可能であり、かつ作業性にも優れた放射線遮蔽シート、及びこの放射線遮蔽シートの施工方法を提供する。
【解決手段】放射線遮蔽シートSは、放射線を遮蔽可能な重金属を含むシート状の放射線遮蔽材1と、放射線遮蔽材1の両面又は片面に配置され、放射線遮蔽材1の外周よりも突出した突出部20を有し、かつ厚みが1mm以上である遮水シート2と、を備える。放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置された対向する遮水シート2は、突出部20同士が全周に亘って接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】放射線遮蔽シートSは、放射線を遮蔽可能な重金属を含むシート状の放射線遮蔽材1と、放射線遮蔽材1の両面又は片面に配置され、放射線遮蔽材1の外周よりも突出した突出部20を有し、かつ厚みが1mm以上である遮水シート2と、を備える。放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置された対向する遮水シート2は、突出部20同士が全周に亘って接合されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、放射線を遮蔽するための放射線遮蔽シート、及び放射線遮蔽シートの施工方法に関する。
放射性廃棄物は、特定廃棄物、対策地域内廃棄物、指定廃棄物、災害廃棄物、汚染廃棄物等に分類され、放射線の濃度によってその保管方法が定められている。しかしながら、放射線の濃度に対する遮蔽方法、遮蔽率に曖昧なところがある。その事例として、10万ベクレルを越える汚染土壌、汚染汚泥は、一箇所に集められてブルーシートで覆われているか、フレキシブルコンテナバッグに梱包されて屋内保管されている。この保管方法によれば、放射性物質粉塵の飛散を防止でき、また、雨水から保護することができるが、放射線はブルーシートやフレキシブルコンテナバッグを容易に透過するため、被曝の問題がある。
放射線を遮蔽する場合、一般的には鉛、コンクリートを用いることが考えられるが、鉛は有害性のある物質であり、コンクリートの構造物は大規模な構造と工事、そして震災等によるクラックが大きな障害となる。さらに、コンクリートによる構造物は、目的達成後の解体処理の問題も大きい。
また、タングステンは、鉛以上の放射線遮蔽性能があり、有害性も少ないため、放射線の遮蔽材料として有用である。ただし、タングステンの粉末を樹脂又はエラストマー中に分散させたタングステン樹脂シートは、柔軟性があるが、機械的強度が小さく、割れ易く、施工上の問題が生じる。
下記特許文献1には、タングステン樹脂シートの表面を保護フィルムで覆った電子線遮蔽用シートが開示されているが、保護フィルムの厚さは10〜300μmと薄く、外傷を受けやすく、耐候性も弱いため、屋外での施工、使用には適さない。また、この電子線遮蔽用シートは、医療現場での使用を主目的としており、屋外で広範囲の遮蔽を目的としたものではない。特に、例えばセシウムの半減期は約30年と言われ、セシウムを含む放射性廃棄物の保管に用いる放射線遮蔽シートには少なくとも30年以上の耐久性が要求される。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久性、耐候性に優れ、屋外で使用可能であり、かつ作業性にも優れた放射線遮蔽シート、及びこの放射線遮蔽シートの施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る放射線遮蔽シートは、放射線を遮蔽可能な重金属を含むシート状の放射線遮蔽材と、放射線遮蔽材の両面又は片面に配置され、放射線遮蔽材の外周よりも突出した突出部を有し、かつ厚みが1mm以上である可撓性シートと、を備えるものである。
本発明の放射線遮蔽シートは、シート状の放射線遮蔽材の両面又は片面を可撓性シートで覆っているが、可撓性シートは、放射線遮蔽材の外周よりも突出した突出部を有し、かつ厚みが1mm以上であるため、放射線遮蔽材を適切に保護でき、耐久性、耐候性に優れ、屋外でも使用可能である。また、放射線遮蔽材を覆う可撓性シートの厚みを1mm以上とすることで、放射線遮蔽材の割れを防止できるため、放射線遮蔽シートを施工する際の作業性にも優れる。
本発明の放射線遮蔽シートにおいて、前記放射線遮蔽材の両面にそれぞれ配置された対向する前記可撓性シートは、前記突出部同士が全周に亘って接合されていることが好ましい。
この構成によれば、放射線遮蔽材が可撓性シートで完全に覆われるため、耐久性、耐候性により一層優れる。なお、本発明における接合とは、接着剤による接着、熱による熱溶着などを含むものである。
本発明の放射線遮蔽シートにおいて、前記可撓性シートは、オレフィン系熱可塑性エラストマーで構成されていることが好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーで構成された可撓性シートは、耐久性、耐候性に優れ、かつ優れたゴム弾性により作業性も良好となる。
本発明の放射線遮蔽シートにおいて、前記可撓性シートは、前記放射線遮蔽材に対して熱溶着されていることが好ましい。
かかる構成によれば、放射線遮蔽シートの中で放射線遮蔽材が施工中にずれることがないため、作業性に優れる。また、放射線遮蔽材と可撓性シートが一体となるため、放射線遮蔽シートの耐久性も良好となる。
本発明の放射線遮蔽シートにおいて、前記可撓性シートは、厚みが2mm以下であることが好ましい。
可撓性シートの厚みが2mm以下であれば、放射線遮蔽シート全体の柔軟性も損なわれないため、放射線遮蔽シートを施工する際の作業性に優れる。
本発明の放射線遮蔽シートにおいて、前記放射線遮蔽材は、複数の放射線遮蔽材片を並べて構成され、前記放射線遮蔽材の両面にそれぞれ配置された対向する前記可撓性シートの間に減圧状態で挟み込まれていることが好ましい。
対向する可撓性シートの間に放射線遮蔽材が減圧状態で挟み込まれていることで、放射線遮蔽シートの中で放射線遮蔽材が施工中にずれることがないため、作業性に優れる。また、複数の放射線遮蔽材片を並べて放射線遮蔽材が構成されることで、所望の大きさの放射線遮蔽シートを容易に製造できる。
一方、上記課題を解決するため本発明に係る放射線遮蔽シートの施工方法は、放射線を遮蔽するために、上記の放射線遮蔽シートを敷設する放射線遮蔽シートの施工方法であって、矩形状の放射線遮蔽シートを複数並べ、一方の放射線遮蔽シートの端部と他方の放射線遮蔽シートの端部とを重ね合わせて接合して放射線遮蔽面を形成する工程を備えることを特徴とする。
本発明の放射線遮蔽シートの施工方法によれば、耐久性、耐候性に優れ、屋外で使用可能であり、かつ作業性にも優れた放射線遮蔽シートを容易に施工できる。なお、接合方法としては、接着剤を用いる方法、熱溶着する方法、リベット等の接合部材を用いる方法等がある。
本発明の放射線遮蔽シートの施工方法では、前記放射線遮蔽面を形成する工程において、一方の放射線遮蔽シートの前記突出部と他方の放射線遮蔽シートの前記突出部とを重ね合わせて接合することが好ましい。
可撓性シートの突出部同士を接合することで、隣り合う放射線遮蔽シートを容易に接合することができるため、作業性に優れる。
本発明の放射線遮蔽シートの施工方法は、形成された第1の放射線遮蔽面の上に第2の放射線遮蔽面を形成する工程を更に備え、第1の放射線遮蔽面を形成する放射線遮蔽シートの前記突出部と、第2の放射線遮蔽面を形成する放射線遮蔽シートの前記突出部とをずらすことが好ましい。
突出部が可撓性シート同士の接合に用いられる場合、突出部には放射線遮蔽材が存在しない。そのため、第1の放射線遮蔽面の突出部と第2の放射線遮蔽面の突出部とをずらしながら、第1の放射線遮蔽面の上に第2の放射線遮蔽面を形成することで、全体に均一で高い遮蔽効果を得ることができる。
本発明の放射線遮蔽シートの施工方法では、前記放射線遮蔽面を形成する工程において、一方の放射線遮蔽シートの端部と他方の放射線遮蔽シートの端部とを重ね合わせ、重ね合わせ部分に樹脂を吹き付けて接合することもできる。
この構成によれば、放射線濃度が高い環境下でも、ノズルタイプの樹脂吹付機等を用いることで遠方から短時間で放射線遮蔽シート同士の接合ができるため、安全に施工を行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る放射線遮蔽シートの一例を示す平面図及び断面図である。
<放射線遮蔽シートの構成>
この放射線遮蔽シートSは、放射線を遮蔽可能な重金属を含むシート状の放射線遮蔽材1と、放射線遮蔽材1の両面又は片面に配置される遮水シート2(本発明の可撓性シートに相当)とを備える。本実施形態では、遮水シート2が放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置されている。放射線遮蔽シートSは、平面視で略矩形状をしている。
この放射線遮蔽シートSは、放射線を遮蔽可能な重金属を含むシート状の放射線遮蔽材1と、放射線遮蔽材1の両面又は片面に配置される遮水シート2(本発明の可撓性シートに相当)とを備える。本実施形態では、遮水シート2が放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置されている。放射線遮蔽シートSは、平面視で略矩形状をしている。
放射線遮蔽材1に含まれる重金属としては、鉛、タングステンが例示される。鉛は、比較的安価であるが、有毒性のある物質である。しかし、本実施形態の放射線遮蔽シートSは放射線遮蔽材1を遮水シート2で封止するため、雨水や瓦礫中の水分と鉛が直接接触することが無いため、土壌汚染を防止でき、かつ、将来、鉛を遮水シート2と分離し、回収することも可能である。重金属として鉛を用いる場合、鉛をシート状に成形して放射線遮蔽材1とする。この際、放射線遮蔽材1の厚みを0.5〜2.0mm程度とすることで、放射線遮蔽シートSは柔軟性を有することができる。
タングステンは、鉛に比べ放射線の遮蔽力が高く、また、酸化しにくいという性質がある一方、高価であり、比重も大きい。そのため、重金属としてタングステンを用いる場合、放射線遮蔽材1は、樹脂又はエラストマー中にタングステンの粒子を分散させた、いわゆるタングステン樹脂シートの形態とするのが好ましい。具体的には、粒径が3〜50μmのタングステンの粒子を、熱可塑性樹脂に体積比50〜90%程度で分散させるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が例示される。このとき、放射線遮蔽材1の比重は、9前後となる。
放射線遮蔽材1の厚みは、放射線遮蔽材1がγ線を5〜15%遮蔽することができ、且つある程度の柔軟性を有するように設定される。放射線遮蔽材1の大きさは、大き過ぎると重量が増大して作業がし難くなるため、作業性を考慮すると1〜2m2とするのが好ましい。
放射線遮蔽材1を上記のタングステン樹脂シートとした場合、放射線遮蔽材1の厚みは0.5〜10mm程度が好ましく、0.5〜3mmがより好ましい。放射線遮蔽材1を厚くし過ぎると、重量が増大して作業性が悪くなる。放射線遮蔽材1の厚みが1mmのとき、これを備える放射線遮蔽シートSはγ線を約10%遮蔽することができる。放射線遮蔽シートSを5枚重ねた場合には、全体としてγ線を約40%遮蔽することができる。
本実施形態の可撓性シートはいわゆる遮水シート2となっているが、これに限定されるものではない。ただし、可撓性シートの材料としては、耐久性、耐候性に優れたものが好ましく、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等が例示される。遮水シート2は、耐久性、耐候性に優れ、温度変化に伴う寸法変化(線膨張係数)が小さく、さらに熱溶着可能なオレフィン系熱可塑性エラストマーで構成されるのが特に好ましい。なお、遮水シート2は、放射線遮蔽材1の放射線遮蔽率に悪影響を与えることはない。また、放射線遮蔽シートSの使用用途によっては、遮水シート2の上に土質の覆土が考えられる。この際、遮水シート2と土質間を滑りにくくするため、遮水シート2の表面に凹凸を形成してもよい。
可撓性シートは、厚みが1mm以上であることが好ましい。可撓性シートの厚みを1mm以上とすることで、耐久性、耐候性に優れ、屋外でも使用可能となり、加えて、放射線遮蔽材1の割れを防止できる。また、可撓性シートは、厚みが2mm以下であることが好ましい。可撓性シートの厚みを2mm以下とすることで、放射線遮蔽シートSの柔軟性も損なわれない。
遮水シート2の外周は、放射線遮蔽材1の外周よりも大きくなっている。すなわち、遮水シート2は、放射線遮蔽材1の外周よりも突出した突出部20を有している。
遮水シート2は、放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置され、対向する遮水シート2は、突出部20同士が全周に亘って接合されていることが好ましい。突出部20同士の接合は、接着剤を用いるか、もしくは熱溶着すればよい。放射線遮蔽材1の全体を遮水シート2で被覆して封止することで、放射線遮蔽材1の引裂き強さ、耐候性、耐折り曲げ性などを改善することができる。突出部20の突出幅wは5cm以上であることが好ましい。突出幅wをこの範囲とすれば、対向する遮水シート2の突出部20同士を接合する際に確実に接合することができ、また、隣り合う放射線遮蔽シートS同士をそれぞれの突出部20を用いて接合する際にも、確実に接合することができる。
また、放射線遮蔽材1は重金属を含むため放射線遮蔽シートS全体は重くなる傾向にあるが、遮水シート2の突出幅wをこの範囲とすれば、重機等を用いて放射線遮蔽シートSを移動させる際にも突出部20を確実に把持することができるため、放射線遮蔽材1の割れを防止できるとともに作業性にも優れる。
遮水シート2は、放射線遮蔽材1に対して熱溶着されていることが好ましい。熱溶着は、必ずしも放射線遮蔽材1の全面に対して行う必要はなく、放射線遮蔽材1の一部に対してのみで構わない。また、放射線遮蔽材1は、対向する遮水シート2の間に減圧状態で挟み込まれていることが好ましい。これにより、放射線遮蔽シートSの中で放射線遮蔽材1が施工中にずれることがないため、作業性に優れる。
<放射線遮蔽シートの施工方法>
放射線を遮蔽するために、放射線遮蔽シートSを敷設する施工方法について説明する。通常は、放射線を遮蔽したい対象面に対して放射線遮蔽シートSを複数並べて敷設し、隣り合う放射線遮蔽シートS同士を接合する。
放射線を遮蔽するために、放射線遮蔽シートSを敷設する施工方法について説明する。通常は、放射線を遮蔽したい対象面に対して放射線遮蔽シートSを複数並べて敷設し、隣り合う放射線遮蔽シートS同士を接合する。
初めに、放射線遮蔽シートS同士を接合する方法について説明する。図2は、放射線遮蔽シートSを複数並べた状態の断面図である。ここでは、3枚の放射線遮蔽シートS1〜S3を並べた例を示すが、放射線遮蔽シートSの枚数は遮蔽する対象面の面積に応じて適宜設定される。
隣り合う放射線遮蔽シートS1,S2を接合する場合、一方の放射線遮蔽シートS2の端部と他方の放射線遮蔽シートS1とを重ね合わせて接合する。本実施形態では、一方の放射線遮蔽シートS2の突出部20と他方の放射線遮蔽シートS1の突出部20とを重ね合わせて接合している。すなわち、突出部20が接合代として利用される。接合方法としては、接着剤による接着、熱溶着、リベットによる接合が例示されるが、作業性やコスト面等の観点から熱溶着が好ましい。隣り合う放射線遮蔽シートS2,S3も同様に接合することができる。これにより、3枚の放射線遮蔽シートS1〜S3からなる放射線遮蔽面Pを形成することができる。
なお、初めに3枚の放射線遮蔽シートS1〜S3を並べた後に、それぞれの突出部20同士を接合してもよく、初めに2枚の放射線遮蔽シートS1,S2を並べて接合した後、放射線遮蔽シートS2の隣に放射線遮蔽シートS3を並べて接合してもよい。
放射線遮蔽シートSは、要求される遮蔽率に応じて、複数枚重ねて施工することができる。図3は、5枚の放射線遮蔽シートSを重ねた状態を示す断面図である。形成された第1の放射線遮蔽面P1の上に第2の放射線遮蔽面P2を形成する場合、第1の放射線遮蔽面P1を形成する放射線遮蔽シートSの突出部20と、第2の放射線遮蔽面P2を形成する放射線遮蔽シートSの突出部20とをずらすようにする。同様に、第3の放射線遮蔽面P3、第4の放射線遮蔽面P4、第5の放射線遮蔽面P5を順次施工する。突出部20には放射線遮蔽材1が存在しないため、突出部20の部分では放射線遮蔽効果がなく、好ましくない。上記のように、各放射線遮蔽面Pの突出部20をそれぞれずらすことで、全体に均一で高い遮蔽効果を得ることができる。
次に、広範囲の対象面に対して放射線遮蔽シートSを施工する手順について説明する。広範囲の対象面に対しては、矩形状の放射線遮蔽シートSを縦横に複数並べて敷設して施工する。
本実施形態では、図4に示すように、工場等で予め矩形状の放射線遮蔽シートSを一方向に複数並べて接合して、長尺状の放射線遮蔽シートLSとしている。この際にも、隣り合う放射線遮蔽シートS同士は、一方の放射線遮蔽シートSの突出部20を他方の放射線遮蔽シートSの突出部20に重ねて接合する。長尺状の放射線遮蔽シートLSは、柔軟性を有するため、ロール状にして保管、運搬等を行うことができる。
ロール状にした放射線遮蔽シートLSを施工現場で展張することで、長尺状の放射線遮蔽シートLSを対象面に敷設する。なお、傾斜面に放射線遮蔽シートSを敷設する場合、ロール状の放射線遮蔽シートLSを重機等を用いて一旦上側に運搬してから下側へ向かって展張するか、ロール状の放射線遮蔽シートLSを下側から上側に向かって引っ張りながら展張する。次いで、敷設した放射線遮蔽シートLSに隣り合うように長尺状の放射線遮蔽シートLSを同様に敷設して、隣り合う放射線遮蔽シートLS同士を接合する。長尺状の放射線遮蔽シートLS同士を接合する場合、公知の自走式熱溶着機を用いて接合してもよい。
長尺状の放射線遮蔽シートLSを順次敷設していくことで、放射線遮蔽面Pを形成することができる。必要に応じて、前述のように、放射線遮蔽シートSを複数枚重ねて施工してもよい。
[他の実施形態]
(1)前述の実施形態では、遮水シート2が放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置されている例を示したが、遮水シート2は放射線遮蔽材1の少なくとも片面に配置されていればよい。
(1)前述の実施形態では、遮水シート2が放射線遮蔽材1の両面にそれぞれ配置されている例を示したが、遮水シート2は放射線遮蔽材1の少なくとも片面に配置されていればよい。
(2)放射線遮蔽材1は、図5に示すように、複数の放射線遮蔽材片1aを並べて構成され、対向する遮水シート2の間に減圧状態で挟み込まれていてもよい。複数の放射線遮蔽材片1aを並べて放射線遮蔽材1を構成することで、所望の大きさの放射線遮蔽シートSを容易に製造できる。また、複数の放射線遮蔽材片1aは、互いが連結されるように仮止めされるのが好ましい。仮止めには、接着剤、粘着テープ等を用いることができる。仮止め部21は、例えば、放射線遮蔽材片1aを横断するような図6Aに示す×印状、図6Bに示す縞模様状に形成される。
(3)隣り合う放射線遮蔽シートS同士を接合する際、図7Aに示すように、一方の放射線遮蔽シートSの突出部20を、他方の放射線遮蔽シートSの突出部20を超えて放射線遮蔽材1の位置に重ねるようにして接合してもよい。また、隣り合う放射線遮蔽シートS同士を接合する際、図7Bに示すように、放射線遮蔽材1同士が重なるようにして接合してもよい。これにより、隣り合う放射線遮蔽シートSの放射線遮蔽材1同士の隙間がなくなり、放射線遮蔽性能が良好となる。
(4)本発明の放射線遮蔽シートは、放射性物質に汚染された瓦礫、落ち葉、土壌などのカバー、またこれらを輸送する際の輸送容器のライニング、廃棄物集積場のカバーなどとして有用である。例えば、汚染された土壌(汚染土)を保管する際のカバーとして放射線遮蔽シートSを使用する場合、図8に示すように、汚染土3の表面及び底面を放射線遮蔽シートSでカバーする。汚染土3の周囲には溝が掘られており、放射線遮蔽シートSは、溝に打設されたコンクリート4によって固定される。
(5)コンクリート壁の壁面に本発明の放射線遮蔽シートを敷設することで、コンクリート壁の厚みを軽減することもできる。また、放射線を発生する建物の周りを放射線遮蔽シートで覆って放射線を遮蔽することもできる。
(6)放射線遮蔽シートS同士を接合する際、一方の放射線遮蔽シートSの端部と他方の放射線遮蔽シートSの端部とを重ね合わせ、重ね合わせ部分に樹脂を吹き付けて接合することもできる。この接合方法によれば、放射線濃度が高い環境下でも、ノズルタイプの樹脂吹付機等を用いることで遠方から短時間で放射線遮蔽シートS同士の接合ができるため、安全に施工を行なうことができる。
1 放射線遮蔽材
1a 放射線遮蔽材片
2 遮水シート
20 突出部
S 放射線遮蔽シート
P 放射線遮蔽面
1a 放射線遮蔽材片
2 遮水シート
20 突出部
S 放射線遮蔽シート
P 放射線遮蔽面
Claims (10)
- 放射線を遮蔽可能な重金属を含むシート状の放射線遮蔽材と、
放射線遮蔽材の両面又は片面に配置され、放射線遮蔽材の外周よりも突出した突出部を有し、かつ厚みが1mm以上である可撓性シートと、を備える放射線遮蔽シート。 - 前記放射線遮蔽材の両面にそれぞれ配置された対向する前記可撓性シートは、前記突出部同士が全周に亘って接合されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽シート。
- 前記可撓性シートは、オレフィン系熱可塑性エラストマーで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射線遮蔽シート。
- 前記可撓性シートは、前記放射線遮蔽材に対して熱溶着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シート。
- 前記可撓性シートは、厚みが2mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シート。
- 前記放射線遮蔽材は、複数の放射線遮蔽材片を並べて構成され、前記放射線遮蔽材の両面にそれぞれ配置された対向する前記可撓性シートの間に減圧状態で挟み込まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シート。
- 放射線を遮蔽するために、請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シートを敷設する放射線遮蔽シートの施工方法であって、
矩形状の放射線遮蔽シートを複数並べ、一方の放射線遮蔽シートの端部と他方の放射線遮蔽シートの端部とを重ね合わせて接合して放射線遮蔽面を形成する工程を備えることを特徴とする放射線遮蔽シートの施工方法。 - 前記放射線遮蔽面を形成する工程において、一方の放射線遮蔽シートの前記突出部と他方の放射線遮蔽シートの前記突出部とを重ね合わせて接合することを特徴とする請求項7に記載の放射線遮蔽シートの施工方法。
- 形成された第1の放射線遮蔽面の上に第2の放射線遮蔽面を形成する工程を更に備え、
第1の放射線遮蔽面を形成する放射線遮蔽シートの前記突出部と、第2の放射線遮蔽面を形成する放射線遮蔽シートの前記突出部とをずらすことを特徴とする請求項7又は8に記載の放射線遮蔽シートの施工方法。 - 前記放射線遮蔽面を形成する工程において、一方の放射線遮蔽シートの端部と他方の放射線遮蔽シートの端部とを重ね合わせ、重ね合わせ部分に樹脂を吹き付けて接合することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の放射線遮蔽シートの施工方法。
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