JP2013179730A - 振動アクチュエータ、レンズ鏡筒、カメラ及び電気機械変換部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】励振により振動波を生じる電気機械変換素子13を有する電気機械変換部材11と、電気機械変換素子13の一面側に配置されて電気機械変換部材11に接触し、振動波によって駆動されるとともに、電気機械変換部材11に対して進行方向に相対移動する相対移動部材14と、備え、電気機械変換素子13は、一面が前記進行方向に沿って山部135と谷部133とが交互に並ぶ櫛歯形状に形成されていることを特徴とする振動アクチュエータ10。
【選択図】図3
Description
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記電気機械変換素子(13)の前記山部(135)の側面(135a)は、テーパ状に形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記電気機械変換素子(13)における前記山部(135)の側面(135a)と前記山部(135)の突出面(135b)との角及び前記谷部(133)の底部(138)は、曲面状に形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記電気機械変換部材(11)は、前記電気機械変換素子(13)の前記相対移動部材(14)側に形成される電極部(111)と、前記電極部(111)の前記相対移動部材(14)側に形成される摺動部材(113)と、を有すること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記摺動部材(113)は、熱可塑性樹脂であること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記摺動部材(113)は、熱硬化性樹脂により構成される潤滑塗装膜であること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記潤滑塗装膜は、厚さが5〜100マイクロメータであること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項8に記載の発明は、請求項4から7のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記電気機械変換素子(13)は、円環形状であり、前記電気機械変換素子(13)の前記櫛歯形状は、該電気機械変換素子(13)の全周に亘って形成され、前記電極部(111)は、前記電気機械変換素子(13)の前記櫛歯形状の全周に亘って形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項9に記載の発明は、請求項4から8のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ(10)であって、前記電極部(111)は、GND電極であること、を特徴とする振動アクチュエータ(10)である。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ(10)を有するレンズ鏡筒(3)である。
請求項11に記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の振動アクチュエータ(10)を有するカメラ(1)である。
請求項12に記載の発明は、進行方向に沿って山部(135)と谷部(133)とが交互に並ぶ櫛歯形状を有する円環状の成形型に電気機械変換素子原料粉体を充填して電気機械変換素子成形体を形成する成形工程と、前記成形工程により形成された前記電気機械変換素子成形体を焼結して一面が前記櫛歯形状の電気機械変換素子(13)を形成する焼結工程と、前記焼結工程により形成された前記電気機械変換素子(13)の前記櫛歯形状の突出面(135b)側の面を平坦にする第1ラップ工程と、前記第1ラップ工程の後に、前記電気機械変換素子(13)の前記櫛歯形状側の前記一面及び前記一面とは反対側の他面に電極部(111,112)を形成する電極形成工程と、前記電極形成工程において前記他面に形成された前記電極部(112)を分極する分極工程と、前記分極工程の後に、前記電極部(111)が形成された前記一面に摺動部材を形成する摺動部材形成工程と、前記摺動部材形成工程の後に、前記電極部(111)及び前記摺動部材(113)が形成された前記突出面(135b)側の面を平坦にする第2ラップ工程と、を備える電機機械変換部材(11)の製造方法である。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の電機機械変換部材(11)の製造方法であって、前記摺動部材(113)は、熱可塑性樹脂であるとともに、前記電極部(111)に接着されること、を特徴とする電機機械変換部材(11)の製造方法である。
請求項14に記載の発明は、請求項12に記載の電機機械変換部材(11)の製造方法であって、前記摺動部材(113)は、熱硬化性樹脂を塗布して焼き付けることにより形成される潤滑塗装膜であること、を特徴とする電機機械変換部材(11)の製造方法である。
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の電機機械変換部材(11)の製造方法であって、前記摺動部材(113)は、厚さが5マイクロメータ以上であること、を特徴とする電機機械変換部材(11)の製造方法である。
図1は、本実施形態の超音波モータ10を用いたカメラ1を示す図である。
本実施形態のカメラ1は、撮像素子6を有するカメラボディ2と、レンズ鏡筒3とを備える。レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態のカメラ1では、レンズ鏡筒3が交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒であってもよい。
本実施形態においては、分割電極パターン112及びグランド電極パターン111の厚さが0.5〜20μm程度、潤滑塗装層113の厚さが5〜100μm程度であるため、圧電体13の形状は、電気機械変換部材11の外観形状と略同じである。そのため、本実施形態においては、圧電体13の形状を説明する場合に、電気機械変換部材11の外観形状を援用して説明する場合がある。
本実施形態の電気機械変換部材11の詳細については後述する。
カム環20の内周面には、カム筒5が対向して配置され、内周面側に向けて突出する突出ピン20aが設けられている。
カム筒5には、周方向に対して斜めにキー溝5aが切られている。突出ピン20aは、キー溝5aに嵌合していて、カム環20が回転駆動することにより、カム筒5は光軸直進方向に駆動され、所望の位置に停止できるようになっている。
緩衝部材17は、不織布やフェルト等を用いて形成された略円環形状の部材である。この緩衝部材17は、電気機械変換部材11の振動を加圧部18側へ伝えないようにする部材であり、電気機械変換部材11と加圧板18aとの間に設けられている。
固定部材19は、本実施形態の超音波モータ10をレンズ鏡筒3に固定する部材である。
図3は、本実施形態の電気機械変換部材11を示す斜視図である。図4は、本実施形態の電気機械変換部材11を示す図であり、(A)は図3のA−A線断面図、(B)は図3のB−B線断面図である。図5は、本実施形態の電気機械変換部材11を加圧部側から見た図である。
図4(A)及び(B)に示すように、電気機械変換部材11は、圧電体13と、分割電極パターン112と、グランド電極パターン111と、潤滑塗装層113と、を備えている。圧電体13は、前述したように、電気機械変換部材11の外形形状と略同じ形状に形成されている。
櫛歯部132は、基部131の一方の面において、山部135と谷部133とが交互に並ぶ櫛歯形状に形成されている。山部135は、基部131の略円環形状の軸線を中心として放射状に形成され、かつ、基部131の周方向に沿って複数並んで形成されている。すなわち、複数の山部135は、移動体14の進行方向(回転方向)に沿って圧電体13の全周に亘って並んでいる。
図6は、本実施形態の電気機械変換部材11の製造方法を示す工程図である。
図6に示すように、電気機械変換部材11の製造工程は、粉体調合工程S1と、成形工程S2と、焼結工程S3と、第1ラップ工程S4と、電極形成工程S5と、分極工程S6と、摺動部材形成工程S7と、第2ラップ工程S8とを備える。
そして、成形工程S2において、櫛歯形状を有する円環状の圧電体13の成形型に、粉体調合工程S1において調合された粉体を投入し、圧力を加えて、圧電体13の形状を形成する。
次に、焼結工程S3において、成形型から圧電体13を取り出して、圧電体13の形状が形成された成形体を焼結処理する。これにより、一面が櫛歯形状の圧電体13が形成される。
なお、上記電極形成工程S5において、平面度が低下することがある。しかし、そのままの状態でラップ処理をすると、グランド電極パターン111を損傷させて、グランド電極パターン111の性能を確保できない場合がある。そのため、潤滑塗装層113を形成した後に、潤滑塗装層113のラップ処理を行うことが必要である。潤滑塗装層113の厚さは、超音波モータ10の耐久性を確保するため、5μm以上、好ましくは、5μm〜100μm程度である。
(1)櫛歯形状を含めた圧電体13の全体は、電気機械変換素子で一体的に形成されている。そのため、電気機械変換部材11は、従来のように接着剤等を用いて弾性体と接合されている場合に比べて、進行波の伝達効率を向上させることができる。
(2)電気機械変換部材11の圧電体13の山部135の側面135aは、テーパ状に形成されている。そのため、圧電体13は、山部135の側面135aが互いに平行に形成されている場合よりも、山部135の先端側が細いので、山部135の先端側を振動させることができる。したがって、圧電体13は、移動体14への進行波の伝達効率を向上させることができる。
(3)電気機械変換部材11は、櫛歯形状を有する圧電体13を、焼結により一体的に形成することができる。そのため、圧電体13の櫛歯部132の形成が容易であり、量産性に優れて、コストを低減することができる。
(1)前述の実施形態における電気機械変換部材11においては、圧電体13の山部135の側面135aは、テーパ状に形成される例を示した。
しかし、電気機械変換部材11は、図7のように形成してもよい。図7は、変形形態の電気機械変換部材11を示す斜視図である。図7に示すように、例えば、圧電体13における山部135の側面135aと山部135の突出面135bとの角及び谷部133の底部138は、曲面状に形成されていてもよい。
具体的には、例えば、図7に示すように、圧電体13の山部135の側面135aは、先端側が突出面135bに徐々に近づく滑らかな曲面状に形成されている。また、谷部133の底部138は、隣り合う山部135の側面135a、135aを滑らかにつなぐ基部131側に突出するような曲面状に形成されている。
このように形成された圧電体13は、山部135の側面135aと山部135の突出面135bとの角及び谷部133の底部138が曲面状に形成されているため、圧電体13の全体でたわみを発生させることができる。したがって、圧電体13は、移動体14への進行波の伝達効率を一層高めることができる。
Claims (15)
- 励振により振動波を生じる電気機械変換素子を有する電気機械変換部材と、
前記電気機械変換素子の一面側に配置されて前記電気機械変換部材に接触し、前記振動波によって駆動されるとともに、前記電気機械変換部材に対して進行方向に相対移動する相対移動部材と、備え、
前記電気機械変換素子は、前記一面が前記進行方向に沿って山部と谷部とが交互に並ぶ櫛歯形状に形成されていることを特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータであって、
前記電気機械変換素子の前記山部の側面は、テーパ状に形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータであって、
前記電気機械変換素子における前記山部の側面と前記山部の突出面との角及び前記谷部の底部は、曲面状に形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
前記電気機械変換部材は、前記電気機械変換素子の前記相対移動部材側に形成される電極部と、前記電極部の前記相対移動部材側に形成される摺動部材と、を有すること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項4に記載の振動アクチュエータであって、
前記摺動部材は、熱可塑性樹脂であること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項4に記載の振動アクチュエータであって、
前記摺動部材は、熱硬化性樹脂により構成される潤滑塗装膜であること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項6に記載の振動アクチュエータであって、
前記潤滑塗装膜は、厚さが5〜100マイクロメータであること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項4から7のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
前記電気機械変換素子は、円環形状であり、
前記電気機械変換素子の前記櫛歯形状は、該電気機械変換素子の全周に亘って形成され、
前記電極部は、前記電気機械変換素子の前記櫛歯形状の全周に亘って形成されていること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項4から8のいずれか1項に記載の振動アクチュエータであって、
前記電極部は、GND電極であること、を特徴とする振動アクチュエータ。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の振動アクチュエータを有するレンズ鏡筒。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の振動アクチュエータを有するカメラ。
- 進行方向に沿って山部と谷部とが交互に並ぶ櫛歯形状を有する円環状の成形型に電気機械変換素子原料粉体を充填して電気機械変換素子成形体を形成する成形工程と、
前記成形工程により形成された前記電気機械変換素子成形体を焼結して一面が前記櫛歯形状の電気機械変換素子を形成する焼結工程と、
前記焼結工程により形成された前記電気機械変換素子の前記櫛歯形状の突出面側の面を平坦にする第1ラップ工程と、
前記第1ラップ工程の後に、前記電気機械変換素子の前記櫛歯形状側の前記一面及び前記一面とは反対側の他面に電極部を形成する電極形成工程と、
前記電極形成工程において前記他面に形成された前記電極部を分極する分極工程と、
前記分極工程の後に、前記電極部が形成された前記一面に摺動部材を形成する摺動部材形成工程と、
前記摺動部材形成工程の後に、前記電極部及び前記摺動部材が形成された前記突出面側の面を平坦にする第2ラップ工程と、
を備える電機機械変換部材の製造方法。 - 請求項12に記載の電機機械変換部材の製造方法であって、
前記摺動部材は、熱可塑性樹脂であるとともに、前記電極部に接着されること、を特徴とする電機機械変換部材の製造方法。 - 請求項12に記載の電機機械変換部材の製造方法であって、
前記摺動部材は、熱硬化性樹脂を塗布して焼き付けることにより形成される潤滑塗装膜であること、を特徴とする電機機械変換部材の製造方法。 - 請求項13又は14に記載の電機機械変換部材の製造方法であって、
前記摺動部材は、厚さが5マイクロメータ以上であること、を特徴とする電機機械変換部材の製造方法。
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