JP2013179243A - ソレノイド装置及び電磁継電器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソレノイド装置1は、電磁コイル2と、軟磁性体からなるヨーク3と、複数のプランジャ4とを備える。プランジャ4の一部(コア部41)は軟磁性体からなる。電磁コイル2に通電すると、磁束Φが発生してヨーク3とプランジャ4を流れる。複数のプランジャ4は、電磁コイル2への通電と通電停止とを切り替えることにより進退動作する。プランジャ4の数は電磁コイル2の数よりも多い。また、複数のプランジャ4はそれぞれ独立に進退動作するよう構成されている。
【選択図】図1
Description
軟磁性体からなり、上記磁束が流れるヨークと、
少なくとも一部が軟磁性体からなり、上記電磁コイルへの通電と通電停止とを切り替えることにより進退動作する複数のプランジャとを備え、
上記プランジャの数は上記電磁コイルの数よりも多く、
上記複数のプランジャはそれぞれ独立に進退動作できるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置にある(請求項1)。
また、上記ソレノイド装置は、電磁継電器(リレー)に用いることもできる。この電磁継電器は、固定接点と可動接点とを有する接点部を複数個備え、個々の上記接点部をそれぞれ上記プランジャにより接離するよう構成することができる。
上述したように上記ソレノイド装置は、複数のプランジャのうち一部のプランジャが進退動作しなくなった場合でも、他のプランジャを進退動作させることができる。そのため、例えば複数の接点部のうち一部の接点部が溶着した場合でも、他の接点部を、動作するプランジャによって接離させることができる。これにより、上記回路を全体として正常に動作させることができる。
この場合には、ヨークが個々のプランジャを吸引する力を強くすることができる。すなわち、ヨークに電磁コイルの磁束を流さない場合には、プランジャがヨークから離れ、プランジャとヨークとの間に隙間ができる。そのため、磁束を流す際に、この隙間が磁気抵抗になる。したがって、仮に個々のプランジャを磁気的に直列接続したとすると、全体の磁気抵抗が大きくなり、プランジャに流れる磁束が減少して、プランジャを吸引する力が弱くなる。しかしながら、上述したように個々のプランジャを磁気的に並列接続することにより、全体の磁気抵抗を小さくすることができ、個々のプランジャに流れる磁束を増やすことができる。これにより、ヨークがプランジャを吸引する力を強くすることが可能になる。
なお、「複数のプランジャが、ヨークによって磁気的に並列接続されている」とは、電磁コイルによって発生した磁束が、ヨーク内で分岐し、複数のプランジャに別々に流れるように構成されていることを意味する。
この場合には、磁束を流した際に、全てのプランジャを確実にヨークに引き付けることができる。すなわち、複数のプランジャを磁気的に並列接続する場合、一部のプランジャが他のプランジャよりも早くヨークに引き付けられる場合がある。この場合、仮に上記磁気飽和部を形成しなかったとすると、先に引き付けられたプランジャに多くの磁束が流れるため、他のプランジャに磁束が流れにくくなる。そのため、他のプランジャをヨークに引き付けにくくなる。
しかしながら、上記磁気飽和部を形成することにより、個々のプランジャに流れる磁束の量を制限することができるため、一部のプランジャが早くヨークに引き付けられた場合でも、他のプランジャにも磁束を流すことが可能になる。その結果、全てのプランジャに磁束を充分に流すことができ、全てのプランジャをヨークに引き付けることが可能になる。
なお、「磁気飽和する」とは、BHカーブの磁気飽和領域に入ったことを意味する。磁気飽和領域とは、磁束密度が、飽和磁束密度の50%以上になる領域と定義することができる。また、飽和磁束密度とは、磁性体に外部から磁界を加え、それ以上外部から磁界を加えても磁化の強さが増加しない状態における磁束密度である。
この場合には、磁気飽和部によって、個々のプランジャに流れる磁束の量を制限できると共に、上記プランジャ挿通孔の内面とプランジャとの間の摩擦を小さくすることができる。すなわち、上記構成にすると、プランジャと上記接続部との間に貫通孔が形成されているため、磁束はこの貫通孔を流れることはできず、分流して、プランジャ挿通孔の近傍に存在する2個の磁気飽和部を通ることになる。そのため、プランジャは接続部側に大きく引き寄せられず、2個の磁気飽和部に小さな力で引き寄せられるようになる。2個の磁気飽和部のうち一方の磁気飽和部にプランジャを引き寄せる力と、他方の磁気飽和部にプランジャを引き寄せる力とは、それぞれ小さく、かつ向きが互いに異なるため、引き寄せられる力が相殺する。そのため、プランジャが特定の方向に大きな力で引き寄せられることを防ぐことができる。その結果、プランジャ挿通孔の内面にプランジャが強い力で擦れなくなり、これらの間に生じる摩擦を小さくすることが可能になる。
この場合には、電磁コイルの内側に配されるプランジャの数を減らすことができるため、電磁コイルの直径を小さくでき、電磁コイルを小型化することが可能になる。また、電磁コイルを構成する導線の長さを短くすることができ、電磁コイルの製造コストを低減することが可能となる。
この場合には、電磁コイルの内側に配されるプランジャの数を減らすことができるため、電磁コイルの直径を小さくすることができ、電磁コイルを小型化することが可能になる。また、電磁コイルを構成する導線の長さを短くすることが可能になり、電磁コイルの製造コストを低減することができる。
また、上記他のプランジャを電磁コイルの内側に配することにより、電磁コイルに通電した際に、該他のプランジャにより多くの磁束を流すことが可能になる。これにより、電磁コイルに通電した際に、上記他のプランジャを、電磁コイルの外側に配したプランジャよりも早く吸引させることが可能になる。
この場合には、プランジャを吸引する際に、上記複数の部分に全て通電して強い磁力を発生させ、この強い磁力によってプランジャを吸引できると共に、プランジャを吸引した後には、複数の部分のうち一部を通電停止して、省電力化しつつ、プランジャを吸引し続けることが可能になる。
この場合には、磁気飽和部によって、上記先吸引プランジャに流れる磁束を制限するため、該先吸引プランジャが吸引された後、上記後吸引プランジャにも充分に磁束を流すことができる。そのため、後吸引プランジャを確実に吸引することが可能になる。
この場合には、複数のプランジャを、予め定められた順番で吸引解除できる。そのため、例えばソレノイド装置を電磁継電器に用いた場合には、プランジャの吸引解除動作によって、複数の接点部を予め定められた順番で、オンオフの切り替えをすることが可能になる。また、ソレノイド装置をソレノイドバルブに用いた場合には、複数のバルブを予め定められた順番で開閉することができる。
電磁コイルの電圧を段階的に下げると、各々のプランジャに発生する磁力が段階的に低下する。そのため複数のプランジャを、吸引時における磁束の量が少ないプランジャ(吸引する磁力が弱いプランジャ)から順番に、より確実に吸引解除することができる。
複数のプランジャの振動の周波数が互いに等しい場合には、振動によって複数のプランジャが同時に同一方向に動くことがある。そのため、例えばソレノイド装置を電磁継電器に使用した場合には、複数の接点部が同時にオンすることが考えられる。そのため、電磁継電器に接続した電子機器が、予期せぬ時に作動するという不具合が生じる。そこで、各プランジャの振動の周波数を互いに異ならせることにより、複数の接点部が同時にオンすることを防ぎ、上記不具合を防止できる。
なお、複数のプランジャの振動の周波数を互いに異ならせるには、例えば、プランジャの質量を互いに変えたり、プランジャを押圧するばね部材のばね定数を変えたりする方法を採用できる。
この場合には、上記アーク接触防止板に形成した上記貫通孔によって、アークを早く消弧することが可能になる。すなわち、アークが発生すると、接点部を構成する金属の一部がアークの熱によって蒸発し、金属蒸気が生じる。アークが発生する空間における、金属蒸気の濃度が高くなると、アークを消弧しにくくなる。また、金属蒸気の発生量は、接点部によって多かったり少なかったりすることがある。そのため、上記アーク接触防止板に貫通孔を形成すれば、金属蒸気の濃度が高い上記空間から低い空間へ、金属蒸気を、貫通孔を通して移動させることができる。そのため、金属蒸気の濃度が局所的に高まることを抑制でき、アークを早く消弧できるようになる。
例えば、複数の接点部のうち、一部の接点部のみを使って電流を遮断し、他の接点部をフェールセーフとして使用するよう構成することができる。そして、電流遮断用の接点部を先に上記オン状態から上記オフ状態に切り替え、その後、フェールセーフ用の接点部をオン状態からオフ状態に切り替えるよう構成できる。この場合、電流遮断用の接点部をオン状態からオフ状態にした際にアーク及び金属蒸気が発生するが、フェールセーフ用の接点部からはアーク及び金属蒸気は発生しない。そのため、上述したようにアーク接触防止板に貫通孔を設けておけば、電流遮断用の接点部から発生した金属蒸気を、貫通孔を通して、フェールセーフ用の接点部(金属蒸気が発生しない接点部)へ移動させることができる。そのため、電流遮断用の接点部の周囲における、金属蒸気の濃度を効果的に下げることができる。これにより、アークをより早く消弧することが可能になる。
この場合には、複数の接点部のうち、一部の接点部が溶着した時でも、他の接点部をオフ状態にすることができる。そのため、例えば、一部の接点部を電流遮断用の接点部とし、他の接点部をフェールセーフ用の接点部としておけば、一部の接点部が溶着した場合でも、他の接点部をオフにし、電流を遮断することが可能になる。
上記ソレノイド装置に係る実施例について、図1〜図7を用いて説明する。
図1、図2に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、電磁コイル2と、軟磁性体からなるヨーク3と、複数のプランジャ4とを備える。プランジャ4は棒状に形成され、その一部(コア部41)は軟磁性体からなる。電磁コイル2に通電すると磁束Φが発生し、ヨーク3とプランジャ4を流れる。
上述したように本例では、2本のプランジャ4を、それぞれ独立に進退できるよう構成してある。これにより、2個の接点部5の、オン状態とオフ状態との切り替えを、それぞれ独立に行えるよう構成してある。
図2に示すごとく、電磁コイル2に通電すると、電磁コイル2の周囲に磁束Φが発生する。磁束Φは柱状ヨーク31、板状ヨーク32、コア部41、吸引ヨーク36、底部ヨーク37を流れる。これによりコア部41が磁化し、プランジャ押圧部材11の押圧力に抗して、コア部41が吸引ヨーク36に吸引される。
このようにすると、吸引ヨーク36が個々のプランジャ4を吸引する力を強くすることができる。すなわち、図1に示すごとく、オフ状態ではプランジャ4と吸引ヨーク36との間に隙間Gができるため、磁束Φを流す際には、この隙間Gが磁気抵抗になる。そのため、仮に個々のプランジャ4を磁気的に直列接続したとすると、全体の磁気抵抗が大きくなり、プランジャ4に流れる磁束Φが減少して、プランジャ4を吸引する力が弱くなる。しかしながら、本例のように個々のプランジャ4を磁気的に並列接続することにより、全体の磁気抵抗を小さくすることができ、個々のプランジャ4に流れる磁束Φを増やすことができる。これにより、吸引ヨーク36がプランジャ4を吸引する力を強くすることが可能になる。
このようにすると、磁束Φを流した際に、全てのプランジャ4を確実に吸引ヨーク36に引き付けることができる。すなわち、本例のように、複数のプランジャ4を磁気的に並列接続した場合、一部のプランジャ4が他のプランジャ4よりも早く吸引ヨーク36に引き付けられる場合がある。この場合、仮に磁気飽和部30を形成しなかったとすると、先に引き付けられたプランジャ4に多くの磁束Φが流れるため、他のプランジャ4に磁束Φが流れにくくなる。そのため、他のプランジャ4をヨーク3に引き付けにくくなる。
しかしながら、板状ヨーク3に磁気飽和部30を形成することにより、個々のプランジャ4に流れる磁束Φの量を制限することができるため、一部のプランジャ4が早くヨーク3に引き付けられた場合でも、他のプランジャ4にも磁束Φを流すことが可能になる。その結果、全てのプランジャ4に磁束Φを充分に流すことができ、全てのプランジャ4を吸引ヨーク3に引き付けることが可能になる。
このようにすると、磁気飽和部30によって、個々のプランジャ4に流れる磁束Φの量を制限できると共に、プランジャ挿通孔34の内面とプランジャ4との間の摩擦を小さくすることができる。
すなわち、本例では、プランジャ4と接続部33との間に貫通孔35が形成されているため、磁束Φはこの貫通孔35を流れることはできず、分流して、プランジャ挿通孔34の近傍に存在する2個の磁気飽和部30を通ることになる。そのため、プランジャ4は接続部33側に大きく引き寄せられず、2個の磁気飽和部30に小さな力で引き寄せられるようになる。2個の磁気飽和部30のうち一方の磁気飽和部30にプランジャ4を引き寄せる力と、他方の磁気飽和部30にプランジャ4を引き寄せる力とは、それぞれ小さく、かつ向きが互いに異なる。そのため、プランジャ4が特定の方向に大きな力で引き寄せられることを防ぐことができる。その結果、プランジャ挿通孔34の内面にプランジャ4が強い力で擦れなくなり、これらの間に生じる摩擦を小さくすることが可能になる。
このようにすると、電磁コイル2の内側に配されるプランジャ4の数を減らすことができるため、電磁コイル2の直径を小さくすることができ、電磁コイル2を小型化することが可能になる。また、電磁コイル2を構成する導線の長さを短くすることができ、電磁コイル2の製造コストを低減することが可能となる。
本例は、プランジャ4の数を変更した例である。図8に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、1個の電磁コイル2と3個のプランジャ4とを備える。3個のプランジャ4は、電磁コイル2の径方向外側に配置されており、それぞれ独立に進退動作できるように形成されている。板状ヨーク32は、ヨーク嵌合穴330を有する中央板部321と、該中央板部321から放射状に広がる3個の放射板部322とを有する。個々の放射板部322にプランジャ挿通孔34が形成されている。また、プランジャ挿通孔34とヨーク嵌合穴330(接続部33)との間には、板状ヨーク32の板厚方向に貫通した貫通孔35が形成されている。この貫通孔35の両端に磁気飽和部30が形成されている。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、電磁コイル2とプランジャ4の数を変更した例である。本例のソレノイド装置1は、2個の電磁コイル2と3個のプランジャ4を備える。2個の電磁コイル2の中心軸と、3個のプランジャ4の中心軸とは、全て平行である。また、これらの中心軸は全て同一平面上に存在している。2つの電磁コイル2a,2bのうち一方の電磁コイル2aは、第1のプランジャ4aと第2のプランジャ4bとの間に配置されている。また、他方の電磁コイル2bは、第2のプランジャ4bと第3のプランジャ4cとの間に配置されている。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
本例は、プランジャ4の形状および配置位置を変更した例である。図10に示すごとく、本例では、1個の電磁コイル2の中心に2個のプランジャ4を配置してある。個々のプランジャ4の当接部42は折れ曲がっている。当接部42は、コア部41に接続しZ方向へ延びる第1部分421と、該第1部分421から電磁コイル2の径方向(X方向)外側へ延出する第2部分422と、該第2部分422からZ方向における可動接点支持部51側に延びる第3部分423とを備える。第3部分423は、プランジャ4の進退動作に伴って可動接点支持部51に当接する。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
本例は図11に示すごとく、電磁コイル2を、第1部分2aと第2部分2bとの2つの部分に分けた例である。第1部分2aと第2部分2bは、同一方向に磁束が発生するよう、導線を巻回してある。第1部分2aと第2部分2bは、それぞれ別々に通電できるようになっている。本例では、プランジャ4を吸引する際には、電磁コイル2の第1部分2aと第2部分2bの両方に通電する。これにより、強い磁力を発生させ、プランジャ4を吸引する。
プランジャ4を吸引する前は、プランジャ4と吸引ヨーク36との間のギャプが大きいため、これらの間の磁気抵抗が大きく、プランジャ4を吸引するためには大きな起磁力が必要である。しかし、吸引後はエアギャップが殆ど無くなるため、磁気抵抗が極小になる。そのため、小さな起磁力でも大きな磁束Φを流すことができ、第2部分2bを通電停止しても、プランジャ4を吸引し続けことが可能となる。これにより、電磁コイル2の消費電力を低減することが可能となる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
なお、プランジャ4間で上記吸引力に差をつける方法としては、例えば、磁気飽和部30を形成したり、押圧部材11,12のばね定数を互いに変えたり、プランジャ4と吸引ヨーク36との間のギャップを互いに変えたり、プランジャ4の質量等を互いに変えたりする方法を採用することができる。
本例は、板状ヨーク32の形状を変更した例である。本例のソレノイド装置1は、図13に示すごとく、2本のプランジャ4を有する。この2本のプランジャ4には、先吸引プランジャ4xと後吸引プランジャ4yとがある。先吸引プランジャ4xは、電磁コイル2へ通電した際に、先に吸引ヨーク36に吸引される。後吸引プランジャ4yは、先吸引プランジャ4xが吸引された後に吸引ヨーク36に吸引される。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図16、図17に示すごとく、2つの接点部5(5a,5b)の間に、絶縁部材からなるアーク接触防止板7を配置した例である。接点部5をオフ状態からオン状態に切り替えるとアークAが発生する。本例ではアーク接触防止板7を使って、アークAが互いに接触することを防止している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
複数のプランジャ4の振動の周波数が互いに等しい場合には、振動によって複数のプランジャ4が同時に同一方向に動き、複数の接点部5が同時にオンすることがある。そのため、電磁継電器10に接続した電子機器(インバータ61:図7参照)が、予期せぬ時に作動するという不具合が生じる。そこで、各プランジャ4の振動の周波数を互いに異ならせることにより、複数の接点部5が同時にオンすることを防ぎ、上記不具合を防止できる。
なお、本例では、プランジャ押圧部材11a,11bのばね定数を互いに異ならせることにより、2個のプランジャ4a,4bの振動の周波数を変えているが、プランジャ4a,4bの質量を互いに異ならせたり、プランジャ4a,4bと吸引ヨーク36との間のギャップGの長さを互いに異ならせたりしてもよい。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図18、図19に示すごとく、アーク接触防止板7を取り除いた例である。本例では、2つの接点部5a,5bをX方向へ充分に離し、アーク接触防止板7を設けなくてもアークAが互いに接触しないよう構成してある。
その他、実施例7と同様の作用効果を有する。
本例は、図20〜図22に示すごとく、2個の接点部5を、予め定められた順序でオン状態からオフ状態に切り替えるようにした例である。本例の電磁継電器10は、実施例1(図7参照)と同様に、一方の接点部5aのみを使って電流を遮断し、他の接点部5bをフェールセーフとして使用している。そして、電流遮断用の接点部5aを先にオン状態からオフ状態に切り替え、その後、フェールセーフ用の接点部5bをオン状態からオフ状態に切り替えるよう構成されている。
すなわち、電磁コイル2への通電を停止すると、プランジャ4を吸引ヨーク36に吸引する力が次第に低下し、その吸引力が、2つの押圧部材11,12の合力よりも小さくなった時点で、プランジャ4が吸引解除される。本例では、一方のプランジャ4aの方が吸引力が弱いため、電磁コイル2への通電を停止すると、一方のプランジャ4aの方が、他方のプランジャ4bよりも、その吸引力が、上記合力よりも早く小さくなる。そのため、一方のプランジャ4aの方が先に吸引解除される。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
このようにすると、プランジャ4a,4bを確実に、予め定められた順番で吸引解除できる。そのため、このプランジャ4a,4bの吸引解除動作により、2個の接点部5a,5bを確実に、予め定められた順序でオフ状態にすることができる。
電磁コイル2の電圧を段階的に下げると、各々のプランジャ4に発生する磁力が段階的に低下する。そのため複数のプランジャ4を、吸引時における磁束の量が少ないプランジャ4(吸引する磁力が弱いプランジャ4)から順番に、より確実に吸引解除することができる。そのため、複数の接点部5を確実に、予め定められた順序でオフ状態にすることができる。
このようにすると、電磁コイル2の内側に配されるプランジャ4の数を減らすことができるため、電磁コイル2の直径を小さくでき、電磁コイル2を小型化することが可能になる。また、電磁コイル2を構成する導線の長さを短くすることができ、電磁コイル2の製造コストを低減することが可能になる。
また、他方のプランジャ4bを電磁コイル2の内側に配することにより、電磁コイル2に通電した際に、他方のプランジャ4bに、より多くの磁束Φを流すことが可能になる。これにより、電磁コイル2に通電した際に、他方のプランジャ4bを先に吸引させることが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、第1部分2a,第2部分2bの定義は、実施例5と同様である。また、電磁コイル2を3つ以上の部分に分けてもよい。
本例は、接点部5の構造を変更した例である。図24〜図26に示すごとく、本例では、可動接点支持部51を、Z方向における電磁コイル2側に配置し、固定接点支持部52を、Z方向における上壁140側に配置してある。プランジャ押圧部材11は、プランジャ4を、ケース14の底壁141側へ押圧している。また、接点押圧部材12は、可動接点支持部51を、ケース14の上壁140側へ押圧している。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
本例は、電磁コイル2の数を変更した例である。本例は図27に示すごとく、2個のプランジャ4(4a,4b)と、2個の電磁コイル2(2a,2b)とを備える。個々のプランジャ4a,4bは、個々の電磁コイル2a,2bの内側に配されている。そして、個々の電磁コイル2a,2bの通電状態と通電停止状態とを切り替えることにより、プランジャ4a,4bを進退動作させている。そして、個々のプランジャ4a,4bの進退動作により、個々の接点部5a,5bをオンオフさせている。
その他、実施例7と同様の構成および作用効果を有する。
10 電磁継電器
2 電磁コイル
3 ヨーク
30 磁気飽和部
31 柱状ヨーク
32 板状ヨーク
4 プランジャ
5 接点部
Claims (14)
- 通電により磁束が発生する、少なくとも1個の電磁コイルと、
軟磁性体からなり、上記磁束が流れるヨークと、
少なくとも一部が軟磁性体からなり、上記電磁コイルへの通電と通電停止とを切り替えることにより進退動作する複数のプランジャとを備え、
上記プランジャの数は上記電磁コイルの数よりも多く、
上記複数のプランジャはそれぞれ独立に進退動作できるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置。 - 請求項1に記載のソレノイド装置において、上記複数のプランジャが、上記ヨークによって磁気的に並列接続されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項2に記載のソレノイド装置において、上記ヨーク又は上記プランジャには、上記電磁コイルに通電した時に局所的に磁気飽和する磁気飽和部が複数箇所、形成されており、該磁気飽和部によって、個々の上記プランジャに流れる上記磁束の量を制限するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項3に記載のソレノイド装置において、上記ヨークは、上記電磁コイルの巻回中心を貫通するよう配された柱状ヨークと、板状に形成され上記柱状ヨークの一端に接続した板状ヨークとを備え、上記複数のプランジャは上記電磁コイルの軸線方向に進退し、上記板状ヨークは、上記柱状ヨークに接続した接続部と、上記プランジャが通るプランジャ挿通孔とを有し、上記接続部と上記プランジャ挿通孔との間に、上記板状ヨークの板厚方向へ貫通した貫通孔が形成され、上記接続部と上記プランジャ挿通孔との配列方向と、上記軸線方向との双方に直交する幅方向における、上記貫通孔の両側に位置する部分が上記磁気飽和部となっていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のソレノイド装置において、上記複数のプランジャのうち、少なくとも1本のプランジャは、上記電磁コイルの外側に配されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のソレノイド装置において、上記複数のプランジャのうち、少なくとも1本のプランジャは、上記電磁コイルの外側に配されており、他のプランジャは上記電磁コイルの内側に配されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のソレノイド装置において、上記電磁コイルは、上記プランジャの進退方向に隣接配置された複数の部分からなることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1、2、5のいずれか1項に記載のソレノイド装置において、上記ヨークには、個々の上記プランジャに対して進退方向に相対向する位置に設けられた吸引ヨークがあり、上記複数のプランジャには、上記電磁コイルを通電停止状態から通電状態に切り替えた場合に先に上記吸引ヨークに吸引される先吸引プランジャと、該先吸引プランジャが吸引された後に吸引される後吸引プランジャとがあり、上記先吸引プランジャに流れる磁束の経路上に、該磁束が局所的に磁気飽和する磁気飽和部が形成され、該磁気飽和部によって、上記先吸引プランジャに流れる磁束の量を制限するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のソレノイド装置において、上記ヨークには、個々の上記プランジャに対して進退方向に相対向する位置に設けられた吸引ヨークがあり、上記電磁コイルに通電すると上記複数のプランジャがそれぞれ上記吸引ヨークに吸引され、その吸引した状態において、各々の上記プランジャに流れる上記磁束の量が互いに異なるよう構成され、上記電磁コイルへの通電を停止すると、吸引した状態における上記磁束の量が少ないプランジャから順番に吸引解除されるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項9に記載のソレノイド装置において、上記電磁コイルへの通電を停止する際に、該電磁コイルに加える電圧を段階的に下げるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載のソレノイド装置において、上記電磁コイルへの通電を停止した通電停止状態では、個々の上記プランジャは進退方向に揺動可能になっており、上記複数のプランジャは、上記通電停止状態における上記進退方向への振動の周波数が、互いに異なるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のソレノイド装置を備えた電磁継電器であって、電流が流れるオン状態と、電流が流れないオフ状態とを切り替え可能な複数の接点部を有し、上記複数の接点部の間に、絶縁部材からなるアーク接触防止板が設けられ、該アーク接触防止板により、上記オン状態から上記オフ状態に切り替えた際に個々の上記接点部に発生したアークが互いに接触することを防止しており、該アーク接触防止板に貫通孔を形成してあることを特徴とする電磁継電器。
- 請求項11に記載の電磁継電器において、上記複数の接点部を予め定められた順序で上記オン状態から上記オフ状態に切り替えるよう構成されていることを特徴とする電磁継電器。
- 請求項12又は13に記載の電磁継電器において、上記複数の接点部は、上記オン状態と上記オフ状態との切り替えを、それぞれ独立に行うことができるよう構成されていることを特徴とする電磁継電器。
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