JP2015162537A - ソレノイド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御回路部の高コスト化を抑制しつつ、電磁コイルに電流を流したときにプランジャに働く磁力の強さを変えることができるソレノイド装置を提供する。
【解決手段】電磁コイル2と、ヨーク4と、第1プランジャ3aと、磁石部5と、第1コア7aとを備える。電磁コイル2に通電すると、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引される。磁石部5の磁束φは、ヨーク4と第1プランジャ3aと第1コア7aとのうちヨーク4のみを含む第1磁気回路C1を流れる。電磁コイル2の磁束Φは、ヨーク4と第1プランジャ3aと第1コア7aとを含む第2磁気回路C2を流れる。第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とが重なる位置に、軟磁性体からなる共通部6が形成されている。磁石部5によって、共通部6の磁束密度を、BHカーブの原点から外れた位置にバイアスさせてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁コイルと、ヨークと、プランジャとを備えるソレノイド装置に関する。
例えばスイッチを開閉したり、バルブを開閉したりするためのソレノイド装置として、通電によって磁束が発生する電磁コイルと、磁束が流れる経路になるヨーク及びコアと、プランジャとを有するものが知られている(下記特許文献1参照)。
このソレノイド装置は、上記電磁コイルへの通電に伴って生じる磁力によって、プランジャをコアに吸引するよう構成されている。また、プランジャには、ばね部材が取り付けられている。電磁コイルへの通電を停止すると磁力が低下し、ばね部材の弾性力によってプランジャがコアから離隔する。このように、ソレノイド装置は、電磁コイルへの通電の有無を切り替えると、プランジャがコアに吸引された状態と、離隔した状態とを切り替えることができるようになっている。そして、このプランジャの進退動作を利用して、上記スイッチの開閉等を行うようになっている。
特開2013−211514号公報
近年、電磁コイルに電流を流したときにプランジャに働く磁力の強さを、必要に応じて変えることができるソレノイド装置が求められている。しかし、従来のソレノイド装置では、プランジャに働く磁力を変えるためには、電磁コイルに流れる電流の量を変える必要がある。すなわち、磁力を強めるときには、電磁コイルに大きな電流を流し、磁力を弱めるときには、電磁コイルに流す電流を少なくする必要がある。電磁コイルに流す電流の量を変えようとすると、ソレノイド装置の制御回路部に、例えばPWM回路のような、電流量を制御できる回路を設ける必要が生じる。そのため、制御回路部が高コスト化しやすくなる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、制御回路部の高コスト化を抑制しつつ、電磁コイルに電流を流したときにプランジャに働く磁力の強さを変えることができるソレノイド装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、通電により磁束が発生する電磁コイルと、
磁束を発生する磁石部と、
上記電磁コイルの磁束と上記磁石部の磁束とが流れるヨークと、
該ヨークに磁気的に接続した第1コアと、
上記電磁コイルへの通電により上記第1コアに吸引される第1プランジャとを備え、
上記磁石部の磁束は、上記ヨークと上記第1プランジャと上記第1コアとのうち上記ヨークのみを含む第1磁気回路を流れ、
上記電磁コイルの磁束は、上記ヨークと上記第1プランジャと上記第1コアとを含む第2磁気回路を流れ、
上記第1磁気回路と上記第2磁気回路とが重なる位置に、軟磁性体からなる共通部が形成されており、
上記磁石部によって、上記共通部の磁束密度を、BHカーブの原点から外れた位置にバイアスさせてあることを特徴とするソレノイド装置にある。
上記ソレノイド装置は、電磁コイルの磁束が流れる磁気回路である上記第2磁気回路上に、軟磁性体からなる上記共通部を形成してある。そして、上記磁石部によって、共通部の磁束密度を、BHカーブの原点から外れた位置にバイアスさせてある。
このようにすると、電磁コイルに流す電流の量を変えることなく、流れる向きを切り替えるだけで、第1プランジャに働く磁力を大きく変化させることが可能になる。すなわち、軟磁性体は、磁界を全く加えない状態(BHカーブの原点に相当する状態:図6参照)から、磁界Hを加えていくと、磁束密度Bが急激に上昇し、その後、磁束密度Bの増加率が徐々に低下する性質を有する。そのため、磁石部を用いて、軟磁性体からなる上記共通部を、上記原点から外れた位置に予めバイアスさせておけば、電磁コイルの磁束は共通部を、磁束密度が増加する方向、すなわち磁石部の磁束の向きと同一方向には流れにくくなる。また、磁束密度が減少する方向、すなわち磁石部の磁束の向きとは逆方向には、電磁コイルの磁束は流れやすくなる。
したがって、電磁コイルの磁束が、共通部を、磁石部の磁束の向きと同一方向に流れるように、電磁コイルに電流を流した場合には、流れる磁束の量が少なくなる。そのため、上記第2磁気回路に、電磁コイルの磁束が少量しか流れなくなり、第1プランジャに弱い磁力しか発生しなくなる。また、電磁コイルの磁束が、共通部を、磁石部の磁束の向きとは逆向きに流れるように、電磁コイルに電流を流した場合には、電磁コイルの磁束が多く流れる。そのため、第2磁気回路に電磁コイルの磁束が多く流れ、第1プランジャに強い磁力が働く。
したがって、電磁コイルに流す電流の量を変えなくても、電流の向きを切り替えて、発生する磁束の向きを変えるだけで、第2磁気回路を流れる電磁コイルの磁束の量を大きく変化させることができ、第1プランジャに働く磁力を大きく変化させることが可能になる。電磁コイルに流す電流の向きを切り替える回路は、例えばHブリッジ回路のような簡単な回路によって構成できるため、ソレノイド装置の制御回路部を簡素化でき、制御回路部の高コスト化を抑制することができる。
以上のごとく、本発明によれば、制御回路部の高コスト化を抑制しつつ、電磁コイルに電流を流したときにプランジャに働く磁力の強さを変えることができるソレノイド装置を提供することができる。
実施例1における、ソレノイド装置の斜視図。 実施例1における、第1プランジャを弱い磁力で吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の斜視図。 実施例1における、第1プランジャを強い磁力で吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の斜視図。 実施例1における、スイッチを含むソレノイド装置の断面図。 実施例1における、第1プランジャを強い磁力で吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の断面図。 実施例1における、共通部のBH曲線を表したグラフ。 実施例1における、側壁部と共通部と磁石部との平面図。 図7のVIII-VIII断面図。 実施例1における、共通部を溝型に形成した場合の、側壁部と共通部と磁石部との平面図。 図9のX-X断面図。 実施例2における、ソレノイド装置の斜視図。 実施例2における、第2プランジャのみを吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の斜視図。 実施例2における、2本のプランジャを両方とも吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の斜視図。 図13のXIV矢視図。 実施例2における、ソレノイド装置を用いた電磁継電器の側面図。 実施例2における、ソレノイド装置を用いた電気回路の、溶着検出を行う際の説明図。 図16に続く、溶着検出の説明図。 実施例2における、ソレノイド装置を用いた電気回路の、プリチャージ状態の説明図。 実施例2における、ソレノイド装置を用いた電気回路の、電力供給状態の説明図。 実施例3における、ソレノイド装置の断面図であって、図21のXX-XX断面図。 図20のXXI矢視図。 実施例3における、第1プランジャを強い磁力で吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の断面図。 実施例4における、ソレノイド装置の断面図であって、図24のXXIII-XXIII断面図。 図23のXXIV-XXIV断面図。 実施例4における、第2プランジャのみを吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の断面図。 実施例4における、2つのプランジャを両方とも吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の断面図。 実施例5における、ソレノイド装置の断面図であって、図28のXXVII-XXVII断面図。 図27のXXVIII矢視図。 実施例5における、第2プランジャのみを吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の断面図。 実施例5における、2つのプランジャを両方とも吸引するように電磁コイルに通電したときの、ソレノイド装置の断面図。
上記ソレノイド装置において、上記ヨークに磁気的に接続した第2コアと、上記電磁コイルへの通電により上記第2コアに吸引される第2プランジャとを備え、上記電磁コイルの磁束は、上記ヨークと上記第2プランジャと上記共通部と上記第2コアとのうち、上記ヨークと上記第2プランジャと上記第2コアのみを含む第3磁気回路と、上記第2磁気回路とに分かれて流れるよう構成されていることが好ましい。
この場合には、上記第3磁気回路に上記共通部が含まれていないため、電磁コイルの磁束の向きにかかわらず、第2プランジャに作用する磁力を一定にすることができる。また、第1プランジャに作用する磁力は、上述したように、電磁コイルの磁束の向きによって、大きく変化させることができる。そのため、1個の電磁コイルを用いて、2つのプランジャにそれぞれ強い磁力を発生させるモードと、第1プランジャに弱い磁力を発生させ第2プランジャに強い磁力を発生させるモードとを切り替えることが可能になる。仮に、2つのプランジャに電磁コイルをそれぞれ設け、この2つの電磁コイルを用いて、上記2つのモードの切り替えを行おうとすると、2個の電磁コイルが必要となるため、ソレノイド装置の製造コストが高くなる。しかし、上述のように1個の電磁コイルを用いて、2つのモードの切り替えを行うようにすれば、電磁コイルの数を低減できるため、ソレノイド装置の製造コストを低減することが可能となる。
(実施例1)
上記ソレノイド装置に係る実施例について、図1〜図10を用いて説明する。図1に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、通電により磁束Φが発生する電磁コイル2と、磁束φを発生する磁石部5と、ヨーク4と、第1コア7aと、第1プランジャ3aと、共通部6とを備える。電磁コイル2の磁束Φと磁石部5の磁束φとは、ヨーク4を流れる。第1コア7aは、ヨーク4に磁気的に接続している。第1プランジャ3aは、電磁コイル2への通電により第1コア7aに吸引される。
磁石部5の磁束φは、ヨーク4と第1プランジャ3aと第1コア7aとのうちヨーク4のみを含む第1磁気回路C1を流れる。
また、図2、図3に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φは、ヨーク4と第1プランジャ3aと第1コア7aとを含む第2磁気回路C2を流れる。
第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とが重なる位置に、軟磁性体からなる共通部6が形成されている。
本例では、磁石部5によって、共通部6の磁束密度を、BHカーブ(図6参照)の原点から外れた位置にバイアスさせてある。
本例の磁石部5は永久磁石50である。本例のソレノイド装置1は、車載用の電磁継電器10(図4、図5参照)を構成するための部品として用いられる。
本例のヨーク4は、軟磁性体からなる。図1に示すごとく、ヨーク4は、第1板状部41と、第2板状部42と、一対の側壁部43,44とを備える。上記第1板状部41と第2板状部42とは、互いに平行に設けられている。これら2枚の板状部41,42の間に、電磁コイル2を設けてある。第1板状部41には、貫通穴400が形成されている。第1コア7aは、電磁コイル2の内側に配されている。第1コア7aは、第2板状部42に接続している。
一対の側壁部43,44の間には、磁石部5が配されている。磁石部5の2つの磁極51,52は、側壁部43,44にそれぞれ接触している。また、一対の側壁部43,44の間に、共通部6が形成されている。本例では、一対の側壁部43,44と共通部6を一体的に形成してある。
上述したように、磁石部5の磁束φは、第1磁気回路C1を流れる。第1磁気回路C1は、2つの側壁部43,44と共通部6とからなる。
図1、図4に示すごとく、第1プランジャ3aは、円柱状の本体部30と、該本体部30から径方向に延出したフランジ部31とを備える。本体部30は、上記貫通穴400に挿入されている。本体部30は、第1コア7aの先端に対向するよう配されている。第1コア7aは、部分的に拡径した拡径部450を有する。拡径部450と第1プランジャ3aとの間に、プランジャ側ばね部材12が配されている。
図2、図3に示すごとく、電磁コイル2に通電すると磁束Φが発生する。この磁束Φは、ヨーク4と、第1プランジャ3aと、共通部6と、第1コア7aとを含む第2磁気回路C2を流れる。電磁コイル2には、後述する制御回路部11(図4、図5参照)が接続している。この制御回路部11によって、電磁コイル2に流す電流iの量を一定にしたまま、電流iの向きのみを制御している。
次に、共通部6の磁気特性について説明する。上述したように本例では、共通部6を、軟磁性体によって形成してある。図6に示すごとく、軟磁性体は、磁界Hを加えない状態(原点Oに対応する状態)から、磁界Hを加えていくと、磁束密度Bが次第に上昇する。共通部6の磁束密度Bは、透磁率μが最大値μmaxとなる状態での磁束密度である最大透磁率磁束密度Bmまでは急激に上昇し、その後、増加率が次第に減少する。
本例では、電磁コイル2に通電しない状態において共通部6に作用する磁界Hは、共通部6の透磁率μが最大値μmaxをとる状態での磁界である最大透磁率磁界Hμmaxを中心として、±50%以内となるように構成されている。
このように、共通部6の磁束密度Bを予めバイアスさせておくと、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁束密度Bが増加する方向に流れる場合、すなわち磁石部5の磁束φと同じ方向に流れる場合(図2参照)には、磁束密度Bの増加率が低いため、電磁コイル2の磁束Φは第2磁気回路C2を少量しか流れなくなる。そのため、第1プランジャ3aには小さな磁力しか発生しない。
また、共通部6の磁束密度Bが減少する方向、すなわち磁石部5の磁束φとは逆向きには、電磁コイル2の磁束Φは多く流れる(図3参照)。そのため、第1プランジャ3aに強い磁力が働く。
次に、本例のソレノイド装置1を用いた電磁継電器10の説明をする。図4に示すごとく、電磁継電器10は、可動接点支持部81と、2つの固定接点支持部82,83とを備える。これらの接点支持部81,82,83は金属製である。各接点支持部81,82,83には、金属製の接点84が形成されている。固定接点支持部82,83は、外部装置に電気接続している。上記3つの接点支持部81〜83と、接点84とによって、1つのスイッチ19を構成してある。すなわち、図5に示すごとく、スイッチ19を閉じると、外部から流入した電流Iが一方の固定接点支持部82を通り、さらに接点84、可動接点支持部81、接点84、他方の固定接点支持部83を流れて、外部へ流出する。このスイッチ19を開閉することにより、電流Iを流したり、遮断したりしている。
図4に示すごとく、可動接点支持部81とケース14との間には、接点側ばね部材13が設けられている。接点側ばね部材13は、可動接点支持部81をZ方向(第1プランジャ3aの進退方向)における電磁コイル2側へ加圧している。また、上述したプランジャ側ばね部材12は、第1プランジャ3aをZ方向における可動接点支持部81側へ加圧している。
図5に示すごとく、電磁コイル2に通電し、磁束Φが第2磁気回路C2を流れると、第1プランジャ3aが第1コア7aに吸引される。そのため、接点側ばね部材13の加圧力によって、可動接点支持部81が固定接点支持部82,83側へ加圧される。そのため、接点84が接触し、スイッチ19がオンになる。また、図4に示すごとく、電磁コイル2への通電を停止すると、第1プランジャ3aに作用する磁力が弱まる。そして、プランジャ側ばね部材12の加圧力により、第1プランジャ3aが移動し、接点側ばね部材13の加圧力に抗して、可動接点支持部81を図の上側へ移動させる。これにより、接点84が互いに離隔し、スイッチ19がオフになる。
本例では、電磁コイル2に流す電流iの向きを、制御回路部11によって制御している。上述したように、電磁コイル2に流す電流iの量を変えることなく、向きのみを変化させて、第1プランジャ3aに強い磁力を発生させたり、弱い磁力を発生させたりしている。
これにより、例えば、第1プランジャ3aが第1コア7aに当接するときの音を小さくする必要がある場合は、第1プランジャ3aを弱い磁力で吸引し、当接するときの音が大きくなっても良い場合は、第1プランジャ3aを強い磁力で吸引するようにしてある。
本例の作用効果について説明する。本例のソレノイド装置1は、電磁コイル2の磁束Φが流れる磁気回路である上記第2磁気回路C2上に、軟磁性体からなる共通部6を形成してある。そして、磁石部5によって、共通部6の磁束密度Bを、BHカーブの原点から外れた位置にバイアスさせてある。
このようにすると、電磁コイル2に流す電流iの量を変えることなく、流れる向きを切り替えるだけで、第1プランジャ3aに働く磁力を大きく変化させることが可能になる。すなわち、軟磁性体は、磁界を全く加えない状態(BHカーブの原点に相当する状態:図6参照)から、磁界Hを加えていくと、磁束密度Bが急激に上昇し、その後、磁束密度Bの増加率が徐々に低下する性質を有する。そのため、磁石部5を用いて、軟磁性体からなる共通部6を、上記原点から外れた位置に予めバイアスさせておけば、電磁コイル2の磁束Φは、共通部6の磁束密度Bが増加する方向、すなわち磁石部5の磁束φと同一方向には流れにくくなる。また、磁束密度Bが減少する方向、すなわち磁石部5の磁束φの向きとは逆方向には、電磁コイル2の磁束Φは流れやすくなる。
したがって、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φの向きと同一方向に流れるように、電磁コイル2に電流iを流した場合(図2参照)には、流れる磁束Φの量が少なくなる。そのため、第2磁気回路C2に、電磁コイル2の磁束Φが少量しか流れなくなり、第1プランジャ3aに弱い磁力しか発生しなくなる。また、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φの向きとは逆向きに流れるように、電磁コイル2に電流iを流した場合(図3参照)には、電磁コイル2の磁束Φが多く流れる。そのため、第2磁気回路C2に電磁コイル2の磁束Φが多く流れ、第1プランジャ3aに強い磁力が働く。
したがって、電磁コイル2に流す電流iの量を変化させることなく、電流iの向きを切り替えて、発生する磁束Φの向きを変えるだけで、第2磁気回路C2を流れる電磁コイル2の磁束Φの量を大きく変化させることができ、第1プランジャ3aに働く磁力を大きく変化させることが可能になる。電磁コイル2に流す電流iの向きを切り替える回路は、例えばHブリッジ回路のような簡単な回路によって構成できるため、制御回路部11を簡素化でき、制御回路部11の高コスト化を抑制することができる。
また、本例の磁石部5は永久磁石50である。永久磁石50は、電磁石のように電力を消費しないため、永久磁石50によって磁石部5を構成すると、ソレノイド装置1全体の消費電力を低減することが可能になる。また、永久磁石50は、電磁石よりも小型化できるというメリットもある。
また、本例では、電磁コイル2への通電を停止した状態での、共通部6に作用する、磁石部5の磁界Hは、上記最大透磁率磁界Hμmax(図6参照)を中心として、±50%以内となるよう構成されている。
このようにすると、電磁コイル2への通電を停止した状態において、磁石部5の磁束φが共通部6を十分に流れることになるため、電磁コイル2の磁束Φは、共通部6を、磁石部5の磁束φと同じ向きには多く流れなくなる。また、反対方向には、電磁コイル2の磁束Φは多く流れるようになる。したがって、電磁コイル2に流す電流iの向きを変えて、磁束Φの向きを変えることにより、第1プランジャ3aを吸引する磁力を大きく変化させることができる。
以上のごとく、本例によれば、制御回路部の高コスト化を抑制しつつ、電磁コイルに電流を流したときにプランジャに働く磁力の強さを変えることができるソレノイド装置を提供することができる。
なお、本例では、永久磁石50によって磁石部5を構成したが、電磁石を用いても良い。
また、本例では、図7、図8に示すごとく、磁束φが流れる方向に直交する方向における断面積を、その他の部位の断面積よりも小さくすることにより、共通部6を形成してあるが、本発明はこれに限るものではない。例えば図9、図10に示すごとく、磁性体に溝部69を形成し、これにより、断面積を小さくして、共通部6を形成してもよい。
(実施例2)
以下の実施例においては、図面に用いた符号のうち、実施例1と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例は、プランジャ3の数を変更した例である。図11に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bとの、2個のプランジャ3を備える。これら2個のプランジャ3a,3bを、1個の電磁コイル2を用いて進退動作させている。第2プランジャ3bは、第2コア7bに吸引される。第2コア7bは、ヨーク4に磁気的に接続している。
本例のソレノイド装置1は、実施例1と同様に、磁石部5と共通部6とを備える。磁石部5の磁束φは、ヨーク4と共通部6とを含む第1磁気回路C1を流れる。図12、図13に示すごとく、本例では、電磁コイル2の磁束Φは、第2磁気回路C2と第3磁気回路C3とに分かれて流れる。第2磁気回路C2は、ヨーク4と、第1プランジャ3aと、共通部6と、第1コア7aとを含む磁気回路である。第3磁気回路C3は、ヨーク4と、第2プランジャ3bと、第2コア7bとを含み、共通部6を含まない磁気回路である。
本例では、実施例1と同様に、電磁コイル2への通電を停止した状態において、磁石部5の磁束φによって、共通部6の磁束密度Bを、BHカーブの原点(図6参照)から外れた位置にバイアスさせてある。
図12に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φと同じ方向に流れるように、電磁コイル2に電流iを流したときには、磁束Φは流れにくいため、第2磁気回路C2に流れる磁束Φは少量となる。そのため、第1プランジャ3aに働く磁力は小さい。本例では、このときに生じる磁力が、プランジャ側ばね部材12aの弾性力よりも小さくなっている。そのため、電磁コイル2に電流iを流しても、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引されない。
電磁コイル2の磁束Φの一部は、第3磁気回路C3を流れる。これにより磁力が発生し、第2プランジャ3bが第2コア7bに吸引される。
また、図13に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φとは逆向きに流れるように、電磁コイル2に電流iを流したときには、磁束Φは流れやすいため、第2磁気回路C2に多くの磁束Φが流れる。そのため、第1プランジャ3aに強い磁力が働き、第1プランジャ3aが第1コア7aに吸引される。また、電磁コイル2の磁束Φの一部は、第3磁気回路C3をも流れる。これによって生じた磁力によって、第2プランジャ3bが第2コア7bに吸引される。
このように、本例では、電磁コイル2に流す電流iの向きを切り替えることにより、2つのプランジャ3a,3bを両方とも吸引するモード(図13参照)と、第1プランジャ3aは吸引せず第2プランジャ3bのみを吸引するモード(図12参照)とを切り替えることができるようになっている。
本例のソレノイド装置1は、図15に示すごとく、電磁継電器10に用いられる。第1プランジャ3aの進退動作によって第1スイッチ19aをオンオフさせ、上記第2プランジャ3bの進退動作によって第2スイッチ19bをオンオフさせている。第1プランジャ3aが第1コア7aから離隔すると、可動接点支持部81aが固定接点支持部82a,83aから離隔し、第1スイッチ19aがオフになる。また、第1プランジャ3aが第1コア7aに吸引されると、可動接点支持部81aが固定接点支持部82a,83aに接触し、第1スイッチ19aがオンになる。第2スイッチ19bも同様の構造になっている。
また、図12、図13に示すごとく、本例では、第3磁気回路C3上であって、第1磁気回路C1及び第2磁気回路C2と重複しない位置に、電磁コイル2の磁束Φが飽和する磁気飽和部18を形成してある。
図13に示すごとく、第1コア7aと第2コア7bとは、互いに平行に配されている。図14に示すごとく、第1コア7aは、第1部分71aと第2部分72aとからなる。第1部分71aと第2部分72aとの間には、ギャップGが形成されている。電磁コイル2の磁束Φは、第1部分71aと、第1プランジャ3aと、第2部分72aとを流れる。これにより発生した磁力によって、第1プランジャ3aを第1コア7aに吸引している。
また、第2コア7bも、第1コア7aと同様の構造になっている。
次に、本例の電磁継電器10を用いた電気回路の説明をする。図16に示すごとく、本例の電磁継電器10は、直流電源8と電子機器85(DC−DCコンバータ)とを繋ぐ電力線88に設けられている。電力線88は、直流電源8の正電極と電子機器85を繋ぐ正側電力線88pと、直流電源8の負電極と電子機器85を繋ぐ負側電力線88nとからなる。正側電力線88pには第1スイッチ19aが設けられている。負側電力線88nには第2スイッチ19bが設けられている。また、電子機器85と並列に、平滑用のコンデンサCが設けられている。
また、プリチャージスイッチ19cとプリチャージ抵抗Rとを直列接続した直列体15を、第1スイッチ19aに並列接続してある。プリチャージスイッチ19cは、プリチャージリレー14内に収容されている。プリチャージリレー14と電磁継電器10とは、制御回路部11によってそれぞれ制御される。
電子機器85を稼働させる場合には、制御回路部11は、先ず、各スイッチ19a,19b,19cが溶着していないことを確認する。すなわち、図16に示すごとく、3個のスイッチ19a,19b,19cのうち、プリチャージスイッチ19cのみをオンにする。このとき、仮に第2スイッチ19bが溶着していたとすると、直流電源8から、コンデンサCを充電する電流が流れ、この電流が電流センサ89によって検出される。そのため、電流センサ89が電流を検出したときには、制御回路部11は、第2スイッチ19bが溶着していると判断し、電子機器85を稼働しないように制御する。
電流センサ89によって電流が検出されなかった場合は、図17に示すごとく、3個のスイッチ19のうち、第2スイッチ19bのみをオンにする。すなわち、上述したように、電磁コイル2の磁束Φ(図12参照)が、共通部6を、磁石部5の磁束φと同一方向に流れるように、電磁コイル2に電流iを流す。これにより、2つのプランジャ3a,3bのうち第2プランジャ3bのみを吸引し、第2スイッチ19bのみをオンにする。
ここで仮に、プリチャージスイッチ19c(図17参照)又は第1スイッチ19aが溶着していたとすると、直流電源8から、コンデンサCを充電する電流が流れ、この電流が電流センサ89によって検出される。そのため、電流センサ89が電流を検出したときは、制御回路部11は、プリチャージスイッチ19c又は第1スイッチ19aが溶着していると判断し、電子機器85を稼働しないように制御する。
以上のように溶着の確認を行い、全てのスイッチ19が溶着していないと判断した後、コンデンサCを充電する。すなわち、図18に示すごとく、3つのスイッチ19のうち、プリチャージスイッチ19cと第2スイッチ19bのみをオンにする。そして、プリチャージ抵抗Rを介して、徐々に電流Iを流し、コンデンサCを充電する。このように、プリチャージ抵抗Rを介して電流Iを流すことにより、突入電流が流れることを抑制しつつ、コンデンサCを充電する。
コンデンサCの充電が完了した後、図19に示すごとく、第1スイッチ19aと第2スイッチ19bをオンにし、プリチャージスイッチ19cをオフにする。すなわち、上述したように、電磁コイル2の磁束Φ(図13参照)が、共通部6を、磁石部5の磁束φの向きとは逆向きに流れるように、電磁コイル2に電流iを流す。これにより、2つのプランジャ3a,3bを両方とも吸引し、2つのスイッチ19a,19bをそれぞれオンにする。これにより、2つのスイッチ19a,19bを介して、直流電源8の電力を電子機器85に供給する。
本例の作用効果について説明する。図11に示すごとく、本例のソレノイド装置は、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bとの2本のプランジャ3を備える。そして、電磁コイル2の磁束Φは、第2磁気回路C2と第3磁気回路C3とに分かれて流れるよう構成されている。
上述したように、第3磁気回路C3上には共通部6が含まれていないため、電磁コイル2の磁束Φの向きにかかわらず、第2プランジャ3bに強い磁力を発生させることができる。そのため図12、図13に示すごとく、第2プランジャ3bは、電磁コイル2の電流iの向きに関わらず、第2コア7bに吸引することができる。また、第1プランジャ3aは、電磁コイル2の電流iの向きによって、第1コア7aに吸引したり(図13参照)、吸引させなかったり(図12参照)することができる。そのため、1個の電磁コイル2の電流iの向きを制御することにより、2つのプランジャ3a,3bを両方とも吸引するモード(図13参照)と、第1プランジャ3aは吸引せず第2プランジャ3bのみを吸引するモード(図12参照)とを切り替えることができる。
ここで仮に、2個のプランジャにそれぞれ電磁コイルを設け、各プランジャを各電磁コイルによって進退動作させて、上記2つのモードを切り替えたとすると、2つの電磁コイルが必要となるため、ソレノイド装置の製造コストが上昇しやすくなる。しかしながら、本例の構成にすれば、1個の電磁コイル2を用いて、上記2つのモードの切り替えを行うことが可能となる。そのため、電磁コイル2の個数を低減でき、ソレノイド装置1の製造コストを低減することができる。
また、本例では図13に示すごとく、第1磁気回路C1と第2磁気回路C2と第3磁気回路C3とのうち、第3磁気回路C3のみを含む位置に、電磁コイル2の磁束Φが飽和する磁気飽和部18を形成してある。
このようにすると、電磁コイル2の磁束Φが磁気飽和部18によって磁気飽和するため、第3磁気回路C3に多くの磁束Φが流れすぎないようにすることができる。したがって、図13に示すごとく、2つのプランジャ3a,3bを両方とも吸引する場合に、第2磁気回路C2にも多くの磁束Φを流すことができ、第1プランジャ3aを確実に吸引することが可能となる。
なお、「磁気飽和する」とは、BHカーブの磁気飽和領域に入ったことを意味する。磁気飽和領域とは、磁束密度が、飽和磁束密度の50%以上になる領域と定義することができる。また、飽和磁束密度とは、磁性体に外部から磁界を加え、それ以上外部から磁界を加えても磁化の強さが増加しない状態における磁束密度である。
また、本例では図15に示すごとく、第1プランジャ3aが第1コア7aに吸引される向き(図の左側)と、第2プランジャ3bが第2コア7bに吸引される向き(図の右側)とが、互いに逆向きになっている。
このようにすると、外部から加わった振動によって、2つのスイッチ19a,19b(図16参照)が同時にオンする不具合を防止できる。すなわち、本例では、プランジャ3a,3bがコア7(7a,7b)に接近したときにスイッチ19a,19bがオンし、プランジャ3a,3bがコア7から離隔したときに、スイッチ19a,19bがオフするようになっている。上述のように、2つのプランジャ3a,3bがコア7に接近する向きを互いに逆向きにすれば、外部から振動が加わり、この振動によって、例えば第1プランジャ3aがコア7に接近する方向に移動しても、第2プランジャ3bはコア7から離れる方向に移動する。そのため、外部からの振動によって、2つのプランジャ3a,3bが同時にコア7に接近することがなくなり、2つのスイッチ19a,19bが同時にオンする不具合を防止できる。
ここで仮に、平滑コンデンサC(図16参照)が充電されていないときに、2つのスイッチ19a,19bが同時にオンしたとすると、平滑コンデンサCに突入電流が流れ、スイッチ19a,19bが溶着するおそれが生じる。本例では、外部から振動が加わっても、この振動によって2つのスイッチ19a,19bが同時にオンしにくい構造になっている。そのため、突入電流が流れてこれらのスイッチ19a,19bが溶着する問題を防止できる。
なお、本例では、電磁コイル2の磁束Φの向きによって、第1プランジャ3aが第1コア7aに吸引された状態(図13参照)と、離隔した状態(図12参照)とを切り替えているが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φと同じ向きに流れる場合は、第1プランジャ3aを第1コア7aに、弱い磁力で吸引し、逆向きに流れる場合は、第1プランジャ3aを第1コア7aに、強い磁力で吸引するようにしてもよい。
(実施例3)
本例は、第1プランジャ3aの構造を変更した例である。図20に示すごとく、本例では、第1プランジャ3aをヒンジ状に形成してある。すなわち、第1プランジャ3aの一端300をヨーク4に取り付け、回動可能に構成してある。
図20、図21に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、実施例1と同様に、磁石部5と、共通部6と、電磁コイル2と、第1コア7aとを備える。本例では、電磁コイル2に通電しない状態において、磁石部5の磁束φによって、共通部6の磁束密度を、BHカーブ(図6参照)の原点から外れた位置にバイアスさせてある。図22に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φとは逆向きに流れる場合は、第2磁気回路C2に磁束Φが多く流れ、第1プランジャ3aに強い磁力が生じる。そのため、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引される。また、図示しないが、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φと同じ向きに流れる場合は、第2磁気回路C2に流れる磁束Φの量が少なくなる。そのため、第1プランジャ3aに働く磁力が弱くなり、第1プランジャ3aが第1コア7aに吸引されなくなる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
(実施例4)
本例は、2個のプランジャ3a,3bの位置を変更した例である。図23に示すごとく、本例では、2個のプランジャ3a,3bを、Z方向(プランジャ3の進退方向)に直交する方向であるX方向に並べてある。そして、2個のプランジャ3a,3bがコア7(第1コア7a、第2コア7b)に、Z方向における同一側(図の下側)へ吸引されるように構成してある。
本例のヨーク4は、互いに平行な第1板状部41および第2板状部42と、側壁部49とを備える。第1板状部41には、図24に示すごとく、磁石部5が設けられている。また、第1板状部41には、共通部6が形成されている。電磁コイル2に通電しない状態において、共通部6の磁束密度Bは、磁石部5によって、BHカーブ(図6参照)の原点から外れた位置にバイアスされている。
図23に示すごとく、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引され、第2プランジャ3bは第2コア7bに吸引される。第2コア7bは、電磁コイル2の内側に配されている。また、上記第1板状部41と第2板状部42とは、側壁部49によって接続されている。側壁部49には、電磁コイル2の磁束Φが飽和する磁気飽和部18が形成されている。
図25に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φは、第2磁気回路C2と第3磁気回路C3とに分かれて流れる。電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φと同じ向きに流れるように、電磁コイル2に電流iを流した場合は、第2磁気回路C2には多くの磁束Φが流れない。そのため、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引されない。また、図26に示すごとく、電磁コイルの磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φと逆向きに流れるように、電磁コイル2に電流iを流した場合は、第2磁気回路C2に多くの磁束Φが流れる。そのため、第1プランジャ3aが第2コア7bに吸引される。
その他、実施例2と同様の構成および作用効果を有する。
(実施例5)
本例は、ヨーク4の構造と、電磁コイル2の向きを変更した例である。図27に示すごとく、本例のヨーク4は、第1コア7aと第2コア7bとを一体化したコア7と、互いに平行な第1板状部41、第2板状部42、第3板状部48と、互いに平行な第1側壁部49a及び第2側壁部49bとを備える。第1コア7aに第1プランジャ3aが吸引され、第2コア7bに第2プランジャ3bが吸引される。
第1板状部41及び第2板状部42には、貫通穴401,402が形成されている。第1プランジャ3aは、第1板状部41の貫通穴401に挿通されており、第2プランジャ3bは、第2板状部42の貫通穴402に挿通されている。第3板状部48は、第1板状部41と第2板状部42との間に配されている。第3板状部48と第2板状部42との間に、第2コア7bを取り囲むように電磁コイル2が配されている。また、第3板状部48には、電磁コイル2の磁束Φが飽和する磁気飽和部18が形成されている。
第1側壁部49aは、3枚の板状部41,42,48を磁気的に接続している。また、第2側壁部49bは、第1板状部41と第3板状部48とを磁気的に接続している。図28に示すごとく、第1側壁部49aには共通部6が形成されている。電磁コイル2への通電を停止した状態では、磁石部5によって、共通部6の磁束密度が、BHカーブ(図6参照)の原点から外れた位置にバイアスされている。
図29に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φは、第2磁気回路C2と第3磁気回路C2とに分かれて流れる。第2磁気回路C2は、第2プランジャ3b、第2板状部42、第1側壁部49a、共通部6、第1板状部41、第1プランジャ3a、第1コア7a、第2コア7bを含む磁気回路である。第3磁気回路C3は、第2プランジャ3b、第2板状部42、第1側壁部49a又は第2側壁部49b、第3板状部48、第2コア7bを含む磁気回路である。
図29に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φと同じ方向に流れるように、電磁コイル2に電流iを流した場合には、第2磁気回路C2には、電磁コイル2の磁束Φは少量しか流れなくなる。そのため、第1プランジャ3aに弱い磁力しか作用しなくなり、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引されなくなる。また、第3磁気回路C3には充分な磁束Φが流れるため、第2プランジャ3bは第2コア7bに吸引される。
図30に示すごとく、電磁コイル2の磁束Φが、共通部6を、磁石部5の磁束φとは逆向きに流れるように、電磁コイル2に電流iを流した場合には、第2磁気回路C2に、電磁コイル2の磁束Φが多く流れる。そのため、第1プランジャ3aに強い磁力が働き、第1プランジャ3aは第1コア7aに吸引される。また、第3磁気回路C3にも充分な磁束Φが流れるため、第2プランジャ3bも第2コア7bに吸引される。
その他、実施例2と同様の構成および作用効果を備える。
1 ソレノイド装置
2 電磁コイル
3a 第1プランジャ
4 ヨーク
5 磁石部
6 共通部
7a 第1コア
C1 第1磁気回路
C2 第2磁気回路
Φ (電磁コイルの)磁束
φ (磁石部の)磁束

Claims (7)

  1. 通電により磁束(Φ)が発生する電磁コイル(2)と、
    磁束(φ)を発生する磁石部(5)と、
    上記電磁コイル(2)の磁束(Φ)と上記磁石部(5)の磁束(φ)とが流れるヨーク(4)と、
    該ヨーク(4)に磁気的に接続した第1コア(7a)と、
    上記電磁コイル(2)への通電により上記第1コア(7a)に吸引される第1プランジャ(3a)とを備え、
    上記磁石部(5)の磁束(φ)は、上記ヨーク(4)と上記第1プランジャ(3a)と上記第1コア(7a)とのうち上記ヨーク(4)のみを含む第1磁気回路(C1)を流れ、
    上記電磁コイル(2)の磁束(Φ)は、上記ヨーク(4)と上記第1プランジャ(3a)と上記第1コア(7a)とを含む第2磁気回路(C2)を流れ、
    上記第1磁気回路(C1)と上記第2磁気回路(C2)とが重なる位置に、軟磁性体からなる共通部(6)が形成されており、
    上記磁石部(2)によって、上記共通部(6)の磁束密度を、BHカーブの原点から外れた位置にバイアスさせてあることを特徴とするソレノイド装置。
  2. 上記ヨーク(4)に磁気的に接続した第2コア(7b)と、上記電磁コイル(2)への通電により上記第2コア(7b)に吸引される第2プランジャ(3b)とを備え、上記電磁コイル(2)の磁束(Φ)は、上記ヨーク(4)と上記第2プランジャ(3b)と上記共通部(6)と上記第2コア(7b)とのうち、上記ヨーク(4)と上記第2プランジャ(3b)と上記第2コア(7b)のみを含む第3磁気回路(C3)と、上記第2磁気回路(C2)とに分かれて流れるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のソレノイド装置(1)。
  3. 上記電磁コイル(2)の磁束(Φ)が、上記共通部(6)において、上記磁石部(5)の磁束(φ)の向きとは反対方向に流れるように、上記電磁コイル(2)に通電した場合には、上記第1プランジャ(3a)は上記第1コア(7a)に吸引され、上記電磁コイル(2)の磁束(Φ)が、上記共通部(6)において、上記磁石部(5)の磁束(φ)の向きと同じ方向に流れるように、上記電磁コイル(2)に通電した場合には、上記第1プランジャ(3a)は上記第1コア(7a)に吸引されないよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載のソレノイド装置(1)。
  4. 上記第1磁気回路(C1)と上記第2磁気回路(C2)と上記第3磁気回路(C3)とのうち、上記第3磁気回路(C3)のみを含む位置に、上記電磁コイル(2)の磁束(Φ)が飽和する磁気飽和部(18)が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のソレノイド装置(1)。
  5. 上記第1プランジャ(3a)が上記第1コア(7a)に吸引される向きと、上記第2プランジャ(3b)が上記第2コア(7b)に吸引される向きとが、互いに逆向きにされていることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のソレノイド装置(1)。
  6. 上記電磁コイル(2)に通電していない状態での、上記共通部(6)に作用する上記磁石部(5)の磁界(H)は、上記共通部(6)の透磁率(μ)が最大となる状態での磁界である最大透磁率磁界(Hμmax)を中心として、±50%以内となるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のソレノイド装置(1)。
  7. 上記磁石部(5)は永久磁石(50)であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のソレノイド装置。
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