JP6468988B2 - ソレノイド装置及びソレノイドシステム - Google Patents

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Description

本発明は、2個の電磁コイルと2個のプランジャとを備えるソレノイド装置、及び該ソレノイド装置を用いたソレノイドシステムに関する。
従来から、リレー等に用いられる部品として、電磁コイルを使ってプランジャを進退動作させるソレノイド装置が知られている(下記特許文献1参照)。このソレノイド装置は、2個の上記電磁コイルと、2個の上記プランジャとを備える。個々の電磁コイル内には、軟磁性体からなる固定コアが配されている。プランジャは、上記固定コアに所定間隔をおいて対向配置されている。電磁コイルに通電すると磁力が発生し、プランジャが固定コアに吸引される。電磁コイルへの通電と非通電とを切り替えることにより、プランジャを進退動作させるよう構成されている。
上記ソレノイド装置は、後述するように、2個のプランジャを両方とも固定コアに吸引する場合と、片方のプランジャのみを吸引する場合とがある。また、2個のプランジャを両方とも吸引する時間は長いため、この場合は、電磁コイルの消費電力を低減したいという要求がある。この要求に答えるべく、ソレノイド装置は、以下のように構成されている。
すなわち、電磁コイルには、第1電磁コイルと第2電磁コイルとがあり、プランジャには、第1プランジャと第2プランジャとがある。一方のプランジャ(第1プランジャ)のみを吸引する場合には、2個の電磁コイルを両方とも通電する(図15参照)。第1電磁コイルへの通電により発生した磁束は、2個のプランジャのうち第1プランジャのみを含む第1磁気回路と、2個のプランジャを両方とも含む第3磁気回路(共通磁気回路)とを流れる。第1磁気回路には、磁気を制限する磁気制限部が形成されている。これにより、第1電磁コイルの磁束を上記磁気制限部において制限し、余った磁束が、第3磁気回路を流れるようにしている。また、第2電磁コイルへの通電により発生した磁束は、上記第3磁気回路を、第1電磁コイルの磁束が流れる向きとは反対方向に流れる。これにより、第2電磁コイルの磁束を用いて、第3磁気回路を流れる第1電磁コイルの磁束を相殺している。そのため、見かけ上、第3磁気回路には磁束が流れず、第1磁気回路にのみ磁束が流れて、第1プランジャのみが吸引される。
また、2個のプランジャを両方とも吸引する場合には、2個の電磁コイルに通電した後、第2電磁コイルへの通電を停止する(図16参照)。このようにすると、第2電磁コイルの磁束は消滅し、第1電磁コイルの磁束は第3磁気回路を流れ続ける。そのため、2個のプランジャを両方とも吸引することができる。このとき、第2電磁コイルには通電していないため、消費電力を抑制しつつ、2個のプランジャを吸引し続けることができる。
特開2014−170738号公報
しかしながら、上記ソレノイド装置は、第1プランジャのみを吸引する動作を安定して行いにくいという問題がある。すなわち、上記ソレノイド装置は、第1プランジャのみを吸引する場合、2個の電磁コイルに通電し、第3磁気回路を流れる第1電磁コイルの磁束を、第2電磁コイルの磁束によって相殺している。そのため、第3磁気回路を流れる、第1電磁コイルの磁束の量と、第2電磁コイルの磁束の量とを略等しくする必要がある。各電磁コイルから発生する磁束の量は、温度等によって変化することがあるため、磁束の発生量を調整することは難しい。また、いずれか一方の電磁コイルが故障して充分な磁束が発生しない場合もあり得る。したがって、上記ソレノイド装置では、第1プランジャのみを吸引しようとしても、第3磁気回路において2個の電磁コイルの磁束を完全に打ち消し合わせることができず、残った磁束が第3磁気回路を流れて、2個のプランジャが両方とも吸引されてしまう可能性が考えられる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、2個のプランジャのうち一方のプランジャのみを安定して吸引でき、かつ2個のプランジャを両方とも吸引する際には消費電力を低減できるソレノイド装置と、該ソレノイド装置を用いたソレノイドシステムとを提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、通電により磁束を発生する第1電磁コイル(2a)及び第2電磁コイル(2b)と、
上記第1電磁コイル内に配された第1固定コア(3a)と、
上記第2電磁コイル内に配された第2固定コア(3b)と、
上記第1電磁コイルへの通電に伴って上記第1固定コアに吸引される第1プランジャ(4a)と、
上記第2電磁コイルへの通電に伴って上記第2固定コアに吸引される第2プランジャ(4b)と、
上記第1電磁コイルと上記第2電磁コイルとの2個の電磁コイル(2)を取り囲むヨーク(5)とを備え、
上記2個の電磁コイルに両方とも通電しない両非通電状態では、上記第1プランジャは上記第1固定コアから離隔し、かつ上記第2プランジャは上記第2固定コアから離隔しており、
上記両非通電状態から、上記2個の電磁コイルのうち上記第1電磁コイルのみ通電した状態に切り替えたときには、該第1電磁コイルの磁束が、上記第1固定コアと上記第2固定コアとの2個の固定コア(3)のうち上記第1固定コアのみを含む第1磁気回路(C1)を流れ、これにより、上記第2プランジャが上記第2固定コアから離隔した状態を維持しつつ、上記第1プランジャを上記第1固定コアに吸引するよう構成され、
上記2個の電磁コイルに両方とも通電した両通電状態では、上記第1電磁コイルの磁束が上記第1磁気回路を流れると共に、上記第2電磁コイルの磁束が、上記2個の固定コアのうち上記第2固定コアのみを含む第2磁気回路(C2)を流れ、これによって生じた磁力により、上記第1プランジャを上記第1固定コアに吸引すると共に、上記第2プランジャを上記第2固定コアに吸引し、上記2個の電磁コイルからそれぞれ発生した磁束が、上記2個の固定コアを含む第3磁気回路(C3)を流れ、
上記両通電状態から、上記第2電磁コイルへの通電を維持したまま上記第1電磁コイルへの通電を停止したときには、上記第2電磁コイルの磁束が上記第2磁気回路と上記第3磁気回路とを流れ続け、これによって生じる磁力により、上記第1プランジャが上記第1固定コアに吸引され、かつ上記第2プランジャが上記第2固定コアに吸引された両吸引状態を維持するよう構成されており、
上記第1磁気回路と上記第2磁気回路とのうち、上記第2磁気回路のみに、磁気を制限する磁気制限部(6)が形成されており、
該磁気制限部は、上記第2磁気回路のうち上記第3磁気回路と重複しない部位に形成されている、ソレノイド装置(1)にある。
また、本発明の第2の態様は、上記ソレノイド装置と、上記電磁コイルへの通電を制御する制御部(8)とを備えるソレノイドシステム(10)であって、上記制御部によって上記両通電状態にする場合に、上記第1電磁コイルの磁束と、上記第2電磁コイルの磁束とが、上記第3磁気回路において同じ方向に流れるように、個々の上記電磁コイルに流す電流の向きが定められている、ソレノイドシステムにある。
上記ソレノイド装置及びソレノイドシステムにおいては、上記第1磁気回路と上記第2磁気回路とのうち、第2磁気回路のみに、磁気を制限する磁気制限部を形成してある。つまり、第1磁気回路には、磁気制限部を形成していない。
そのため、第1磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。したがって、第1電磁コイルのみ通電したときに、該第1電磁コイルの磁束は、殆ど第1磁気回路を流れ、他の磁気回路、例えば上記第3磁気回路には殆ど流れなくなる。そのため、第2電磁コイルに通電して、第3磁気回路を流れる第1電磁コイルの磁束を、第2電磁コイルの磁束によって打ち消す必要がなくなる。したがって、第1プランジャのみを安定して吸引することが可能になる。
また、上記ソレノイド装置及びソレノイドシステムにおいては、上記第2磁気回路に、上記磁気制限部を形成してある。そのため、第2磁気回路の磁気抵抗を高くすることができ、上記両通電状態において、第2電磁コイルの磁束の一部を第3磁気回路に充分に流すことができる。したがって、上記両通電状態から、第2電磁コイルへの通電を維持したまま第1電磁コイルへの通電を停止したときに、第2電磁コイルの磁束を第3磁気回路に充分に流すことができる。そのため、2個のプランジャを吸引し続けることができる。また、この状態では、第1電磁コイルへの通電を停止しているため、消費電力を抑制することができる。
以上のごとく、本発明によれば、2個のプランジャのうち一方のプランジャのみを安定して吸引でき、かつ2個のプランジャを両方とも吸引する際には消費電力を低減できるソレノイド装置と、該ソレノイド装置を用いたソレノイドシステムとを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、上記「第1電磁コイルの磁束」とは、第1電磁コイルに通電することにより発生した磁束を意味する。上記「第2電磁コイルの磁束」も同様である。
実施例1における、ソレノイド装置の一部の斜視図。 実施例1における、両非通電状態での、ソレノイド装置の断面図。 実施例1における、両非通電状態から、第1電磁コイルのみ通電した状態に切り替えた場合の、ソレノイド装置の断面図。 実施例1における、両通電状態での、ソレノイド装置の断面図。 両通電状態の後、第1電磁コイルへの通電を停止した状態での、ソレノイド装置の断面図。 図5の要部拡大断面図。 図5のVII-VII断面図。 実施例1における、両非通電状態での、ソレノイドシステムの回路図。 実施例1における、第1スイッチのみをオンし、コンデンサをプリチャージしている状態での、ソレノイドシステムの回路図。 図9の状態の後、両吸引状態となった、ソレノイドシステムの回路図。 図10の後、プリチャージリレーをオフにし、電気機器に電力を供給している状態での、ソレノイドシステムの回路図。 実施例2における、ソレノイド装置の断面図。 実施例2における、ソレノイド装置の第2側壁部の斜視図。 比較例における、両非通電状態での、ソレノイド装置の断面図。 比較例における、第1プランジャのみを吸引している状態での、ソレノイド装置の断面図。 比較例における、両吸引状態での、ソレノイド装置の断面図。
上記ソレノイド装置は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載するための、車載用ソレノイド装置とすることができる。
(実施例1)
上記ソレノイド装置及びソレノイドシステムに係る実施例について、図1〜図11を用いて説明する。図1、図2に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、第1電磁コイル2aと、第2電磁コイル2bと、第1固定コア3aと、第2固定コア3bと、第1プランジャ4aと、第2プランジャ4bと、ヨーク5とを備える。
第1電磁コイル2a及び第2電磁コイル2bは、通電により磁束を発生する。
第1固定コア3aは、第1電磁コイル2a内に配されている。また、第2固定コア3bは、第2電磁コイル2b内に配されている。
第1プランジャ4aは、第1電磁コイル2aへの通電に伴って第1固定コア3aに吸引される。
第2プランジャ4bは、第2電磁コイルへの通電に伴って第2固定コア3bに吸引される。
ヨーク5は、第1電磁コイル2aと第2電磁コイル2bとの2個の電磁コイル2を取り囲んでいる。
図2に示すごとく、2個の電磁コイル2に両方とも通電しない両非通電状態では、第1プランジャ4aは第1固定コア3aから離隔し、かつ第2プランジャ4bは第2固定コア3bから離隔している。
図3に示すごとく、上記両非通電状態から、2個の電磁コイル2のうち第1電磁コイル2aのみ通電した状態に切り替えたときには、第1電磁コイル2aの磁束φ1が、第1固定コア3aと第2固定コア3bとの2個の固定コア3のうち第1固定コア3aのみを含む第1磁気回路C1を流れる。これにより、第2プランジャ4bが第2固定コア3bから離隔した状態を維持しつつ、第1プランジャ4aを第1固定コア3aに吸引するよう構成されている。
図4に示すごとく、2個の電磁コイル2に両方とも通電した両通電状態では、第1電磁コイル2aの磁束φ1が第1磁気回路C1を流れると共に、第2電磁コイル2bの磁束φ2が、2個の固定コア3a,3bのうち第2固定コア3bのみを含む第2磁気回路C2を流れる。これによって生じた磁力により、第1プランジャ4aを第1固定コア3aに吸引すると共に、第2プランジャ4bを第2固定コア3bに吸引する。また、2個の電磁コイル2a,2bからそれぞれ発生した磁束φ1,φ2が、2個の固定コア3a,3bを含む第3磁気回路C3を流れる。
図5に示すごとく、上記両通電状態から、第2電磁コイル2bへの通電を維持したまま第1電磁コイル2aへの通電を停止したときには、第2電磁コイル2bの磁束φ2が第2磁気回路C2と第3磁気回路C3とを流れ続ける。これによって生じる磁力により、第1プランジャ4aが第1固定コア3aに吸引され、かつ第2プランジャ4bが第2固定コア3bに吸引された両吸引状態を維持するよう構成されている。
第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とのうち、第2磁気回路C2のみに、磁気を制限する磁気制限部6が形成されている。
また、磁気制限部6は、第2磁気回路C2のうち第3磁気回路C3と重複しない部位に形成されている。
本例のソレノイド装置1は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載するための、車載用ソレノイド装置である。また、ソレノイド装置1は、リレー19に用いられる。リレー19内には、第1スイッチ7aと第2スイッチ7bとの2個のスイッチ7が配されている。第1スイッチ7aは、第1プランジャ4aの進退動作に伴ってオンオフする。第2スイッチ7bは、第2プランジャ4bの進退動作に伴ってオンオフする。
なお、上述したように、第1磁気回路C1とは、2個の固定コア3a,3bのうち第1固定コア3aのみを含む磁気回路である。図3に示すごとく、第1固定コア3aのみを含む磁気回路には、第1電磁コイル2aの磁束φ1が、ヨーク5を構成し第1電磁コイル2aに隣り合う第1側壁部54を通る磁気回路(第1磁気回路C1)と、磁束φ1が、ヨーク5を構成し第2電磁コイル2bに隣り合う第2側壁部55を通る磁気回路(第5磁気回路C5)とがある。しかしながら、第5磁気回路C5は経路長が長く、磁気抵抗が高いため、第5磁気回路C5を流れる磁束φ1の量は少ない。本明細書において「第1磁気回路C1」とは、2つの固定コア3a,3bのうち第1固定コア3aのみを含む磁気回路であって、磁束φ1が第1側壁部55を流れる磁気回路、すなわち相対的に経路長が短い磁気回路を意味する。
また、上述したように、第2磁気回路C2とは、2個の固定コア3a,3bのうち第2固定コア3bのみを含む磁気回路である。図5に示すごとく、第2磁気固定コア3bのみを含む磁気回路には、第2電磁コイル2bの磁束φ2が、第2側壁部55を通る磁気回路(第2磁気回路C2)と、第1側壁部54を通る磁気回路(第4磁気回路C4)とがある。本明細書において「第2磁気回路C2」とは、2つの固定コア3a,3bのうち第2固定コア3bのみを含む磁気回路であって、磁束φ2が第2側壁部55を流れる磁気回路、すなわち相対的に経路長が短い磁気回路を意味する。
また、図8に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、直流電源12と電気機器13とを繋ぐ一対の電力線81(81p,81n)に設けられている。電力線81には、直流電源12の正電極と電気機器13とを繋ぐ正側電力線81pと、直流電源12の負電極と電気機器13とを繋ぐ負側電力線81nとがある。第1スイッチ7aは負側電力線81nに設けられ、第2スイッチ7bは正側電力線81pに設けられている。また、プリチャージリレー15とプリチャージ抵抗16とを直列接続した直列体17が、第2スイッチ7bに並列接続している。電気機器13には、平滑用のコンデンサ14が並列接続されている。電気機器13は、直流電源12から供給される直流電力を交流電力に変換する電力変換装置である。本例では、直流電源12の直流電力を上記電力変換装置によって交流電力に変換し、図示しない交流モータを駆動している。これにより、上記車両を走行させている。
電気機器13を稼働する際、コンデンサ14が充電されていない状態で2個のスイッチ7a,7bを同時にオンすると、突入電流が流れ、スイッチ7a,7bが溶着するおそれが生じる。そのため本例では、電気機器13を稼働する前に、図9に示すごとく、第2スイッチ7bをオフにしつつ、第1スイッチ7aとプリチャージリレー15とをオンし、プリチャージ抵抗16を介してコンデンサ14に徐々に電流Iを流している。これにより、コンデンサ14を徐々に充電し、突入電流が流れないようにしている。
コンデンサ14の充電が完了した後、図10に示すごとく、第2スイッチ7bをオンにし、次いで、図11に示すごとく、プリチャージリレー15をオフにする。これにより、2個のスイッチ7a,7bをオンにした状態で、電気機器13に直流電力を供給する。
上記動作を行うため、本例のソレノイド装置1は、第1プランジャ4aのみを吸引(第1スイッチ7aのみオン)したり、2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引(2個のスイッチ7a,7bをオン)したりできるよう構成されている。また、2個のプランジャ4a,4bを吸引する時間、つまり2個のスイッチ7a,7bを両方ともオンして、電気機器13に電力を供給する時間は長い。そのため、後述するように、第2電磁コイル2bに通電するだけで2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引できるようにし、消費電力を少なくしている。
また、図8〜図11に示すごとく、ソレノイド装置1(リレー19)とプリチャージリレー15とには、制御部8が接続している。この制御部8によって、2個の電磁コイル2a,2bの通電を制御している。ソレノイド装置1と制御部8とによって、ソレノイドシステム10が構成されている。
図1、図2に示すごとく、ヨーク5は、底壁部52と、上壁部53と、第1側壁部54と、第2側壁部55とを備える。2個の電磁コイル2a,2bは、底壁部52に載置されている。また、固定コア3a,3bは、底壁部52に接続している。上壁部53には、プランジャ4a,4bが嵌合する穴部59(59a,59b)が形成されている。また、上述したように、第1側壁部54は、第1電磁コイル2aに隣り合う位置に形成されており、第2側壁部55は、第2電磁コイル2bに隣り合う位置に形成されている。図1に示すごとく、第2側壁部55には貫通孔550が形成されている。第2側壁部55のうち、貫通孔550に隣り合う部位が、磁気制限部6になっている。
本形態の磁気制限部6は、ヨーク5の一部によって構成され、磁気が飽和する磁気飽和部60である。
なお、「磁気が飽和する」とは、BHカーブの磁気飽和領域に入ったことを意味する。磁気飽和領域とは、磁束密度が、飽和磁束密度の50%以上になる領域と定義することができる。また、飽和磁束密度とは、磁性体に外部から磁界を加え、それ以上外部から磁界を加えても磁化の強さが増加しない状態における磁束密度である。
本形態では図1に示すごとく、貫通孔550を形成することにより、第2側壁部55に、局所的に細い部位を形成し、この部位を磁気飽和部60(磁気制限部6)としている。このように、磁気飽和部60を細く形成することにより、磁気飽和部60において、磁気が、第2磁気回路C2の他の部分よりも飽和しやすくなるようにしている。
図2に示すごとく、スイッチ7は、固定接点71と、可動接点72と、固定接点支持部73と、可動接点支持部74とを備える。ケース11の上板111と可動接点支持部74との間には、接点側ばね部材79が介在している。この接点側ばね部材79によって、可動接点支持部74をプランジャ4側に押圧している。
また、プランジャ4には、棒状部48が設けられている。プランジャ4と電磁コイル2との間には、プランジャ側ばね部材49が介在している。このプランジャ側ばね部材49によって、プランジャ4をスイッチ7側に押圧している。
図3に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電すると、磁束φ1が発生し、第1磁気回路C1を流れる。第1磁気回路C1は、第1固定コア3aと、第1プランジャ4aと、ヨーク5の上壁部53、第1側壁部54、底壁部52とからなる。第1磁気回路C1に磁束φ1が流れると、磁力が発生し、第1プランジャ4aが第1固定コア3aに吸引される。そのため、接点側ばね部材79の押圧力によって、可動接点支持部74が押圧される。したがって、第1スイッチ7aがオンになる。
上述したように本例では、第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とのうち、第2磁気回路C2のみに磁気制限部6を形成してある。つまり、第1磁気回路C1には磁気制限部6を形成していない。そのため、第1磁気回路C1の磁気抵抗は低い。また、図3のように第2電磁コイル2bに通電していない状態では、第2プランジャ4bは第2固定コア3bに吸引されておらず、上壁部53と第2プランジャ4bとの間にギャップGが存在している。そのため、このギャップGを含む第3磁気回路C3(図4参照)の磁気抵抗は高い。したがって、第1電磁コイル2aの磁束φ1は殆ど第1磁気回路C1を流れる。そのため、2個のプランジャ4a,4bのうち第1プランジャ4aのみが固定コア3に吸引される。
また、図4に示すごとく、2個の電磁コイル2a,2bをそれぞれ通電すると、第2電磁コイル2bの磁束φ2は、第2磁気回路C2を流れる。第2磁気回路C2は、第2固定コア3bと、第2プランジャ4bと、ヨーク5の底壁部52、第2側壁部55、上壁部53とからなる。磁束φ2が第2磁気回路C2を流れると、磁力が発生し、第2プランジャ4bが第2固定コア3bに吸引される。そのため、第2スイッチ7bがオンになる。
また、第2プランジャ4bが第2固定コア3bに吸引されると、上壁部53と第2プランジャ4bとの間のギャップG(図3参照)が小さくなる。そのため、第3磁気回路C3の磁気抵抗が減少し、2個の電磁コイル2a,2bの磁束φ1,φ2がそれぞれ第3磁気回路C3を流れる。本例では、第1電磁コイル2aの磁束φ1と、第2電磁コイル2bの磁束φ2とが、第3磁気回路C3において同じ方向に流れるように、各電磁コイル2a,2bに流す電流の向きが定められている。そのため、2個の電磁コイル2a,2bの磁束φ1,φ2が第3磁気回路C3において強められ、2個のプランジャ4a,4bを固定コア3に吸引する磁力がさらに発生する。
また、本例では上述したように、第2磁気回路C2に磁気制限部6を形成してある。そのため、第2電磁コイル2bの磁束φ2を磁気制限部6において制限し、余った磁束φ2を第3磁気回路C3に流すことができる。
このように2個の電磁コイル2a,2bに通電した後、図5に示すごとく、第2電磁コイル2bの通電を維持しつつ、第1電磁コイル2aの通電を停止する。このようにすると、第1電磁コイル2aの磁束φ1が消滅し、第2電磁コイル2bの磁束φ2が第3磁気回路C3を流れ続ける。そのため、2個のプランジャ4a,4bをそれぞれ固定コア3に吸引し続けることができる。したがって、2個のスイッチ7a,7bをオンし続けることができる。また、このとき、第1電磁コイル2aの通電を停止しているため、ソレノイド装置1の消費電力を低減しつつ、2個のプランジャ7a,7bを吸引し続けることができる。
図5に示すごとく、第2電磁コイル2bの磁束φ2の一部は、第4磁気回路C4にも流れる。第4磁気回路C4は、図5、図7に示すごとく、第2固定コア3bと、第2プランジャ4bと、ヨーク5の底壁部52、第1側壁部54、上壁部53とによって構成されている。第4磁気回路C4は、第1磁気回路C1(図3参照)及び第3磁気回路C3と一部が重複している。第4磁気回路C4は第1固定コア3aを含まないため、第4磁気回路C4に磁束φ2が流れても、第1プランジャ4aを第1固定コア3aに吸引する磁力は発生しない。そのため、本例では図7に示すごとく、第4磁気回路C4上に補助磁気制限部51を形成している。これにより、第4磁気回路C4の磁気抵抗を高くし、第4磁気回路C4を流れる磁束φ2の量を低減している。これにより、第2磁気回路C2、及び第3磁気回路C3に流れる磁束φ2の量を多くし、2個のプランジャ4a,4bを固定コア3に吸引する磁力を強めている。
補助磁気制限部51は、第4磁気回路C4のうち、第1磁気回路C1及び第3磁気回路C3と重複しない位置に形成されている。仮に、第1磁気回路C1と重複する位置に補助磁気制限部51を形成したとすると、第1磁気回路C1の磁気抵抗が高くなってしまい、第1電磁コイル2aのみ通電した場合(図3参照)に、磁束φ1が第1磁気回路C1に充分流れにくくなる。そのため、第1プランジャ4aの吸引力が低下するおそれがある。また、仮に、第3磁気回路C3と重複する位置に補助磁気制限部51を形成したとすると、第3磁気回路C3の磁気抵抗が高くなってしまい、第3磁気回路C3に磁束φ2を流して(図5参照)2個のプランジャ4a,4bを吸引する際に、充分な磁力を発生できなくなる可能性が生じる。これらの理由により、本例では、第4磁気回路C4のうち、第1磁気回路C1及び第3磁気回路C3と重複しない位置に、補助磁気制限部51を形成している。
図7に示すごとく、上壁部53は、第1磁気回路C1(図5参照)を構成する第1部分53aと、第2磁気回路C2を構成する第2部分53bと、2個のプランジャ4a,4bの間に介在する第3部分53cとを備える。補助磁気制限部51は、第1部分53aと第3部分53cとを連結する部位に形成されている。図6、図7に示すごとく、第1プランジャ4aと上壁部53との間には僅かに隙間gが形成されており、磁気抵抗が高い。そのため磁束φ2は、第1部分53aから第3部分53cへ流れる際に、第1プランジャ4aを通らず、補助磁気制限部51を流れる。
図7に示すごとく、補助磁気制限部51は、ヨーク5の一部によって構成されている。補助磁気制限部51において、磁気が飽和するようにしてある。
上述したように本例では、図5に示すように、2個のスイッチ7a,7bをオンして、電気機器13(図8参照)へ電力を供給する。この後、電力供給を停止する場合には、図2に示すごとく、第2電磁コイル2bへの通電を停止する。このようにすると、磁束φ2が消滅し、プランジャ4a,4bを固定コア3に吸引する磁力が消滅する。そのため、プランジャ側ばね部材49の押圧力により、プランジャ4がスイッチ7側に押圧される。そして、棒状部48が可動接点支持部74に当接し、可動接点72が固定接点71から離隔する。そのため、スイッチ7a,7bがオフになる。
次に、本例の作用効果について説明する。本例では図3に示すごとく、第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とのうち、第2磁気回路C2のみに、磁気制限部6を形成してある。つまり、第1磁気回路C1には、磁気制限部6を形成していない。
そのため、第1磁気回路C1の磁気抵抗を小さくすることができ。したがって、第1電磁コイル2aのみ通電したときに、該第1電磁コイル2aの磁束φ1は、殆ど第1磁気回路C1に流れ、他の磁気回路、例えば第3磁気回路C3には殆ど流れなくなる。そのため、第2電磁コイル2bに通電して、第3磁気回路C3を流れる第1電磁コイル2aの磁束φ1を、第2電磁コイル2bの磁束φ2によって打ち消す必要がなくなる。したがって、第1プランジャ4aのみを安定して吸引することが可能になる。
従来は図14、図15に示すごとく、第1磁気回路C1に磁気制限部6を形成し、第1磁気回路C1の磁気抵抗を高くしていた。これにより、図15に示すごとく、第1電磁コイル2aの磁束φ1を、第1磁気回路C1だけでなく、第3磁気回路C3(共通磁気回路)にも流すようにしていた。そして、第1プランジャ4aのみを吸引する際には、2個の電磁コイル2a,2bに通電し、第3磁気回路C3に流れる第1電磁コイル2aの磁束φ1を、第2電磁コイル2bの磁束φ2によって相殺していた。これにより、第3磁気回路C3には見かけ上、磁束φが流れないようにし、第1プランジャ4aのみを吸引していた。また、2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引する際には、図16に示すごとく、第2電磁コイル2bの通電を停止していた。このようにすると、第2電磁コイル2bの磁束φ2が消滅し、第1電磁コイル2aの磁束φ1が第3磁気回路C3を流れる。そのため、2個のプランジャ4a,4bが両方とも固定コア3に吸引される。
しかしながら、上記構成にすると、図15に示すごとく、第1プランジャ4aのみを吸引する際に、第3磁気回路C3を流れる、第1電磁コイル2aの磁束φ1の量と、第2電磁コイル2bの磁束φ2の量とを略等しくする必要がある。これらの磁束φ1,φ2の量が大きく異なっていると、完全に相殺できず、第3磁気回路C3に磁束φが流れてしまう。そのため、2個のプランジャ4a,4bが両方とも吸引されるおそれがある。特に、2個の電磁コイル2a,23bに温度差が生じると、磁束φ1,φ2のバランスが崩れ、2個のプランジャ4a,4bが両方とも吸引されやすい。例えば、第1電磁コイル2aへの通電によって2個のプランジャ4a,4bを吸引(図16参照)した後、一旦電流を停止し、その後、再び第1プランジャ4aのみ吸引する場合(図15参照)、直前の動作によって第1電磁コイル2aの温度は上昇しているが、第2電磁コイル2bの温度は相対的に低下している。電磁コイル4は温度が上昇すると電気抵抗が上昇し、流れる電流が減少する。そのため、電磁コイル2a,2bの温度が互いに異なると、磁束φ1,φ2のバランスが崩れやすくなる。したがって、図15に示すごとく、第1プランジャ4aのみ吸引する際に、第3磁気回路C3において磁束φ1,φ2が充分に相殺されず、2個のプランジャ4a,4bが両方とも吸引されるおそれがある。また、磁束φ1,φ2を相殺して第1プランジャ4aのみを吸引する場合、第1コア3aには吸引用の磁束φ1と相殺用の磁束φ2とを流す必要があり、第1コア3aを太くする必要が生じやすくなる。
これに対して、図3に示すごとく、本例のように、第1磁気回路C1に磁気制限部を形成しなければ、第1磁気回路C1の磁気抵抗を小さくすることができ、第1電磁コイル2aの磁束φ1を殆ど第1磁気回路C1にのみ流すことができる。そのため、磁束φ1は第3磁気回路C3に殆ど流れなくなり、従来のように、第3磁気回路C3を流れる第1電磁コイル2aの磁束φ1を、第2電磁コイル2bの磁束φ2によって相殺する必要がなくなる。そのため、第1プランジャ4aのみを安定して吸引することが可能になる。
また、本例では図5に示すごとく、第2磁気回路C2に、磁気制限部6を形成してある。したがって、第2磁気回路C2の磁気抵抗を高くすることができる。そのため、図4に示すごとく、2個の電磁コイル2a,2bに通電したときに、第2電磁コイル2bの磁束φ2を、第3磁気回路C3にも流すことができる。したがって、2個の電磁コイル2a,2bに通電することによって2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引し、その後、図5に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電を停止すれば、第2電磁コイル2bの磁束φ2は第3磁気回路C3を流れ続けるため、2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引し続けることができる。したがって、第2電磁コイル2bのみ通電した状態、すなわち消費電力を低くした状態で、2個のプランジャ4a,4bを吸引し続けることができる。
また、本例では図5に示すごとく、磁気制限部6を、第2磁気回路C2のうち第3磁気回路C3と重複しない部位に形成してある。
磁気制限部6を、第2磁気回路C2のうち第3磁気回路C3と重複する部位、例えば第2固定コア3bに形成することも可能であるが、この場合、第3磁気回路C3の磁気抵抗が高くなるおそれがある。そのため、第2電磁コイル2bのみに通電して両吸引状態を維持するときに、第2電磁コイル2bの磁束φ2が充分に第3磁気回路C3に流れなくなるおそれが考えられる。これに対して、本例のように、磁気制限部6を、第2磁気回路C2のうち第3磁気回路C3と重複しない部位に形成すれば、第3磁気回路C3の磁気抵抗が高くなることを抑制できる。したがって、図5に示すごとく、第2電磁コイル2bの磁束φ2を第3磁気回路C3に充分に流すことができ、2個のプランジャ4a,4bの吸引力を高めることができる。
また、本例の磁気制限部6は、第2磁気回路C2を構成するヨーク5の一部によって構成され磁気が飽和する磁気飽和部60である。
後述するように、ヨーク5にスリット61(図12、図13参照)を形成し、このスリット61を磁気制限部6とすることも可能であるが、この場合、流れる磁束の量を調節しにくくなる。これに対して、本例のように、ヨーク5の一部を上記磁気飽和部60とし、この磁気飽和部60を磁気制限部6とすれば、流れる磁束の量を調節しやすい。
また、本例のソレノイドシステム10は、電磁コイル2への通電を制御する制御部8(図8参照)を備える。図4に示すごとく、2個の電磁コイル2a,2bを両方とも通電する場合に、第1電磁コイル2aの磁束φ1と、第2電磁コイル2bの磁束φ2とが、第3磁気回路C3において同じ方向に流れるように、個々の電磁コイル2a,2bに流す電流の向きが定められている。
そのため、第3磁気回路C3を流れる磁束φ1,φ2を、互いに強め合うことができる。したがって、第3磁気回路C3を流れる磁束φ1,φ2によって強い磁力を発生させることができ、2個のプランジャ4a,4bを強く吸引することができる。
また、上記制御部8は、図4、図5に示すごとく、2個の電磁コイル2を両方とも通電した後に、第1電磁コイル2aへの通電を停止するよう構成されている。これにより、第2電磁コイル2bの磁束φ2を第2磁気回路C2と第3磁気回路C3とに流し、2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引し続けるよう構成されている。
そのため、第2電磁コイル2aに通電するだけで2個のプランジャ4a,4bを両方とも吸引し続けることができ、ソレノイド装置1の消費電力を低減することができる。
また、図5、図7に示すごとく、第2電磁コイル2bの磁束φ2の一部は、第4磁気回路C4を流れる。ヨーク5のうち第4磁気回路C4を構成し、かつ第1磁気回路C1及び第3磁気回路C3を構成しない部位に、補助磁気制限部51が形成されている。
そのため、第4磁気回路C4を流れる第2電磁コイル2bの磁束φ2の量を、少なくすることができる。したがって、第2磁気回路C2及び第3磁気回路C3を流れる磁束φ2の量を増やすことができ、プランジャ4a,4bの吸引力を高めることが可能になる。
以上のごとく、本例によれば、2個のプランジャのうち一方のプランジャのみを安定して吸引でき、かつ2個のプランジャを両方とも吸引する際には消費電力を低減できるソレノイド装置と、該ソレノイド装置を用いたソレノイドシステムとを提供することができる。
以下の実施例においては、図面に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
(実施例2)
本例は、第2側壁部55の形状を変更した例である。図12、図13に示すごとく、本例では、ヨーク5のうち第2磁気回路C2を構成する部位(第2側壁部55)に、スリット61を形成してある。このスリット61によって、ヨーク5を2つに分断している。より詳しくは、本例では、ヨーク5の第2側壁部55を、スリット61によって、プランジャ4の進退方向(Z方向)に2つに分割している。このスリット61により、磁気制限部6を構成してある。
本例の作用効果について説明する。上述したように本例では、ヨーク5のうち第2磁気回路C2を構成する部位に、スリット61を形成している。そのため、第2磁気回路C2に流れる磁束φ2の量をより制限することができる。したがって、第3磁気回路C3に流れる磁束φ2の量を増やすことができ、両吸引状態において第1プランジャ4aを強く吸引することができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
1 ソレノイド装置
10 ソレノイドシステム
2 電磁コイル
3 固定コア
4 プランジャ
5 ヨーク
6 磁気制限部
C1 第1磁気回路
C2 第2磁気回路
C3 第3磁気回路

Claims (6)

  1. 通電により磁束を発生する第1電磁コイル(2a)及び第2電磁コイル(2b)と、
    上記第1電磁コイル内に配された第1固定コア(3a)と、
    上記第2電磁コイル内に配された第2固定コア(3b)と、
    上記第1電磁コイルへの通電に伴って上記第1固定コアに吸引される第1プランジャ(4a)と、
    上記第2電磁コイルへの通電に伴って上記第2固定コアに吸引される第2プランジャ(4b)と、
    上記第1電磁コイルと上記第2電磁コイルとの2個の電磁コイル(2)を取り囲むヨーク(5)とを備え、
    上記2個の電磁コイルに両方とも通電しない両非通電状態では、上記第1プランジャは上記第1固定コアから離隔し、かつ上記第2プランジャは上記第2固定コアから離隔しており、
    上記両非通電状態から、上記2個の電磁コイルのうち上記第1電磁コイルのみ通電した状態に切り替えたときには、該第1電磁コイルの磁束が、上記第1固定コアと上記第2固定コアとの2個の固定コア(3)のうち上記第1固定コアのみを含む第1磁気回路(C1)を流れ、これにより、上記第2プランジャが上記第2固定コアから離隔した状態を維持しつつ、上記第1プランジャを上記第1固定コアに吸引するよう構成され、
    上記2個の電磁コイルに両方とも通電した両通電状態では、上記第1電磁コイルの磁束が上記第1磁気回路を流れると共に、上記第2電磁コイルの磁束が、上記2個の固定コアのうち上記第2固定コアのみを含む第2磁気回路(C2)を流れ、これによって生じた磁力により、上記第1プランジャを上記第1固定コアに吸引すると共に、上記第2プランジャを上記第2固定コアに吸引し、上記2個の電磁コイルからそれぞれ発生した磁束が、上記2個の固定コアを含む第3磁気回路(C3)を流れ、
    上記両通電状態から、上記第2電磁コイルへの通電を維持したまま上記第1電磁コイルへの通電を停止したときには、上記第2電磁コイルの磁束が上記第2磁気回路と上記第3磁気回路とを流れ続け、これによって生じる磁力により、上記第1プランジャが上記第1固定コアに吸引され、かつ上記第2プランジャが上記第2固定コアに吸引された両吸引状態を維持するよう構成されており、
    上記第1磁気回路と上記第2磁気回路とのうち、上記第2磁気回路のみに、磁気を制限する磁気制限部(6)が形成されており、
    該磁気制限部は、上記第2磁気回路のうち上記第3磁気回路と重複しない部位に形成されている、ソレノイド装置(1)。
  2. 上記磁気制限部は、上記ヨークの一部によって構成され磁気が飽和する磁気飽和部(60)である、請求項1に記載のソレノイド装置。
  3. 上記第2磁気回路を構成する上記ヨークに、該ヨークを分断するスリット(61)が形成され、該スリットにより上記磁気制限部が構成されている、請求項1に記載のソレノイド装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のソレノイド装置と、上記電磁コイルへの通電を制御する制御部(8)とを備えるソレノイドシステム(10)であって、上記制御部によって上記両通電状態にする場合に、上記第1電磁コイルの磁束と、上記第2電磁コイルの磁束とが、上記第3磁気回路において同じ方向に流れるように、個々の上記電磁コイルに流す電流の向きが定められている、ソレノイドシステム。
  5. 上記制御部は、上記両通電状態の後に、上記第1電磁コイルへの通電を停止し、上記第2電磁コイルの磁束を上記第2磁気回路と上記第3磁気回路とに流すことにより、上記両吸引状態を維持し続けるよう構成されている、請求項4に記載のソレノイドシステム。
  6. 上記第2電磁コイルの磁束の一部は、上記2個の固定コアのうち上記第2固定コアのみと、上記ヨークとを含み、上記第1磁気回路及び上記第3磁気回路と一部が重複する第4磁気回路(C4)を流れ、上記ヨークのうち上記第4磁気回路を構成しかつ上記第1磁気回路及び上記第3磁気回路と重複しない部位に、磁気を制限する補助磁気制限部(51)が形成されている、請求項5に記載のソレノイドシステム。
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