JP6027860B2 - ソレノイド装置、及びその動作方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁コイルと、複数のプランジャとを有するソレノイド装置に関する。
従来から、通電により磁束を発生する電磁コイルと、複数のプランジャと、軟磁性体からなる固定コアとを有するソレノイド装置が知られている(下記特許文献1参照)。
このソレノイド装置は、電磁コイルへ通電することにより磁力を発生させ、プランジャを固定コアに吸引するよう構成されている。また、プランジャと固定コアとの間には、ばね部材が配置されている。電磁コイルへの通電を停止すると磁力が低下し、ばね部材の弾性力によってプランジャが固定コアから離隔する。このようにして、プランジャを進退動作させている。ソレノイド装置は、プランジャの進退動作によって、例えばスイッチを開閉したり、バルブを開閉したりするのに用いられる。
ソレノイド装置には、複数のプランジャを所定の順序で吸引するものがある。このようなソレノイド装置は、例えば、複数のスイッチを所定の順序でオンする回路に用いられる。このソレノイド装置には複数の電磁コイルを設けてあり、個々の電磁コイルの中心に個々のプランジャを配置してある。そして、個々の電磁コイルへ通電することにより、複数のプランジャを別々に吸引する。プランジャを吸引する順番は、電磁コイルに接続した制御回路が制御する。
特開2005−222871号公報
しかしながら、従来のソレノイド装置は、複数のプランジャを順番に吸引させるためには、プランジャの数と同じ数の電磁コイルが必要となるため、電磁コイルの数が増え、ソレノイド装置の製造コストが高くなりやすいという問題があった。そのため、複数のプランジャを所定の順序で吸引でき、かつ製造コストを低減できるソレノイド装置が望まれている。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、複数のプランジャを所定の順序で吸引でき、かつ製造コストを低減できるソレノイド装置と、その動作方法を提供しようとするものである。
本発明の第一の態様は、ソレノイド装置の動作方法であって、
該ソレノイド装置は、
通電により磁束を発生する第1電磁コイルと、
該第1電磁コイルへの通電に伴って進退する第1プランジャ及び第2プランジャと、
上記第1プランジャの進退方向に該第1プランジャに対向配置された第1固定コアと、
上記第2プランジャの進退方向に該第2プランジャに対向配置された第2固定コアと、
上記第1プランジャ、上記第1固定コア、上記第2プランジャ、及び上記第2固定コアと共に上記磁束が流れる磁気回路を構成するヨークとを備え、
上記第1電磁コイルに通電していない非通電状態においては、上記第1プランジャと上記第1固定コアとの間に第1ギャップが形成されていると共に、上記第2プランジャと上記第2固定コアとの間に第2ギャップが形成されており、
上記第1電磁コイルに通電した通電状態においては、上記第1プランジャと上記第1固定コアと上記ヨークとを通る第1磁気回路と、上記第1プランジャと上記第1固定コアと上記第2プランジャと上記第2固定コアと上記ヨークとを通る第2磁気回路とに、それぞれ上記磁束が流れ、
上記第1磁気回路に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第1プランジャを上記第1固定コアへ吸引し、上記第2磁気回路に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第2プランジャを上記第2固定コアへ吸引できるよう構成されており、
上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップを通過し、上記第2磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップと上記第2ギャップとの双方を通過するよう構成されており、
上記第1磁気回路上に存在する上記ヨークには、局所的に磁気飽和する磁気飽和部が形成されており、
上記ソレノイド装置を上記非通電状態にすることにより、上記第1プランジャが上記第1固定コアから離隔すると共に上記第2プランジャが上記第2固定コアから離隔した両離隔モードと、上記通電状態にすることにより、上記第1プランジャを上記第1固定コアに吸引し、次いで、上記第2プランジャを上記第2固定コアに吸引する順次吸引モードとを行う、ソレノイド装置の動作方法にある(請求項1)。
また、本発明の第2の態様は、通電により磁束を発生する第1電磁コイルと、
該第1電磁コイルへの通電に伴って進退する第1プランジャ及び第2プランジャと、
上記第1プランジャの進退方向に該第1プランジャに対向配置された第1固定コアと、
上記第2プランジャの進退方向に該第2プランジャに対向配置された第2固定コアと、
上記第1プランジャ、上記第1固定コア、上記第2プランジャ、及び上記第2固定コアと共に上記磁束が流れる磁気回路を構成するヨークとを備え、
上記第1電磁コイルに通電していない非通電状態においては、上記第1プランジャと上記第1固定コアとの間に第1ギャップが形成されていると共に、上記第2プランジャと上記第2固定コアとの間に第2ギャップが形成されており、
上記第1電磁コイルに通電した通電状態においては、上記第1プランジャと上記第1固定コアと上記ヨークとを通る第1磁気回路と、上記第1プランジャと上記第1固定コアと上記第2プランジャと上記第2固定コアと上記ヨークとを通る第2磁気回路とに、それぞれ上記磁束が流れ、
上記第1磁気回路に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第1プランジャを上記第1固定コアへ吸引し、上記第2磁気回路に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第2プランジャを上記第2固定コアへ吸引できるよう構成されており、
上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップを通過し、上記第2磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップと上記第2ギャップとの双方を通過するよう構成され、
上記第1電磁コイルは、別々に通電可能な第1コイル部分と第2コイル部分とを有し、上記第1コイル部分は、上記第1プランジャの進退方向において上記第2コイル部分よりも上記第1固定コアに近い位置に配されており、上記ヨークには、上記第1コイル部分と上記第2コイル部分との間に配される中間ヨークと、上記第1プランジャの進退方向において上記中間ヨークよりも上記第1固定コアから遠い位置に設けられ上記第1プランジャ及び上記第2プランジャが摺接する摺接ヨークとがあり、上記第1コイル部分と上記第2コイル部分とのうち上記第1コイル部分のみに通電したときには、上記中間ヨークと上記第1プランジャと上記第1固定コアとを流れる磁束により生じる磁力によって、上記第1プランジャが上記第1固定コアに吸引され、上記第1コイル部分と上記第2コイル部分とのうち上記第2コイル部分のみに通電したときには、上記中間ヨークと上記第1プランジャと上記摺接ヨークとを流れる磁束により生じる磁力によって、上記第1プランジャが上記摺接ヨークに吸引され、該第1プランジャが上記第1固定コアから離隔するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置にある(請求項3)。
また、本発明の第3の態様は、通電により磁束を発生する第1電磁コイルと、
該第1電磁コイルへの通電に伴って進退する第1プランジャ及び第2プランジャと、
上記第1プランジャの進退方向に該第1プランジャに対向配置された第1固定コアと、
上記第2プランジャの進退方向に該第2プランジャに対向配置された第2固定コアと、
上記第1プランジャ、上記第1固定コア、上記第2プランジャ、及び上記第2固定コアと共に上記磁束が流れる磁気回路を構成するヨークとを備え、
上記第1電磁コイルに通電していない非通電状態においては、上記第1プランジャと上記第1固定コアとの間に第1ギャップが形成されていると共に、上記第2プランジャと上記第2固定コアとの間に第2ギャップが形成されており、
上記第1電磁コイルに通電した通電状態においては、上記第1プランジャと上記第1固定コアと上記ヨークとを通る第1磁気回路と、上記第1プランジャと上記第1固定コアと上記第2プランジャと上記第2固定コアと上記ヨークとを通る第2磁気回路とに、それぞれ上記磁束が流れ、
上記第1磁気回路に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第1プランジャを上記第1固定コアへ吸引し、上記第2磁気回路に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第2プランジャを上記第2固定コアへ吸引できるよう構成されており、
上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップを通過し、上記第2磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップと上記第2ギャップとの双方を通過するよう構成され、
通電によって磁束が発生する第2電磁コイルと、該第2電磁コイルへの通電によって進退する第3プランジャと、該第3プランジャの進退方向に該第3プランジャに対向配置された第3固定コアとを備え、上記第1電磁コイルへの通電によって上記第1プランジャと上記第2プランジャとを吸引した後、上記第2電磁コイルへ通電することにより、上記第3プランジャを上記第3固定コアへ吸引するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置にある(請求項6)。
上記ソレノイド装置においては、上記第1電磁コイルを非通電状態から通電状態に切り替えた際に、上記第1磁気回路を流れる磁束は1つのギャップ(第1ギャップ)を通過し、上記第2磁気回路を流れる磁束は2つのギャップ(第1ギャップ及び第2ギャップ)を通過するよう構成されている。これらのギャップはヨークに比べて大きな磁気抵抗となるため、1つしかギャップがない第1磁気回路の磁気抵抗は小さく、2つギャップがある第2磁気回路の磁気抵抗は大きい。そのため、第1磁気回路には多くの磁束が流れ、第1プランジャを吸引する強い磁力が発生するのに対し、第2磁気回路に流れる磁束は少なく、第2プランジャを吸引するための充分な磁力が発生しない。したがって、第1プランジャは第2プランジャよりも先に吸引される。
そして、第1プランジャが吸引されて第1固定コアに接触すると、第1ギャップが無くなるため、第2磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、第2磁気回路を流れる磁束の量が増加する。そのため、第2プランジャが第2固定コアに吸引される。
このように、第1プランジャを先に吸引し、その後、第2プランジャを吸引することができる。
また、上記ソレノイド装置は、第2プランジャを吸引するための専用の電磁コイルを設ける必要がない。そのため、ソレノイド装置の製造コストを低減でき、また、ソレノイド装置を小型化することができる。
以上のごとく、本発明によれば、複数のプランジャを所定の順序で吸引でき、かつ製造コストを低減できるソレノイド装置を提供することができる。
実施例1における、ソレノイド装置を用いた電磁継電器の断面図。 実施例1における、ソレノイド装置の斜視図。 実施例1における、第1電磁コイルに電流を流した場合の磁束の経路と、プランジャが吸引される順番を説明するための図。 図3に続く図。 図4に続く図。 実施例1における、電磁継電器を用いた回路の例。 実施例2における、ソレノイド装置を用いた電磁継電器の断面図。 実施例2における、電磁継電器の動作順序と、磁束の経路を説明するための図。 図8に続く図。 図9に続く図。 図10に続く図。 図11に続く図。 実施例2における、電磁継電器を用いた回路の例。 実施例2における、第1電磁コイルへ通電する前に第2電磁コイルへ通電した場合の電磁継電器の断面図。 実施例3における、電磁継電器の断面図。 実施例4における、電磁継電器の断面図。 実施例4における、第1電磁コイルの第1部分のみ通電した場合の電磁継電器の断面図。 実施例4における、第1電磁コイルの第1部分と第2部分を両方とも通電した場合の電磁継電器の断面図。 実施例5における、電磁継電器の断面図。 実施例6における、電磁継電器の断面図。 実施例7における、電磁継電器の断面図。 実施例8における、第2プランジャの要部拡大図。 実施例8における、第2プランジャを吸引した状態での、要部拡大図。 実施例9における、オフ状態での、電磁継電器の断面図。 実施例9における、オン状態での、電磁継電器の断面図。 実施例10における、オフ状態での、電磁継電器の断面図。 実施例10における、第1コイル部分にのみ通電した状態での、電磁継電器の断面図。 実施例10における、第1コイル部分に通電した後、第2コイル部分にも通電した状態での、電磁継電器の断面図。 実施例10における、第2コイル部分にのみ通電した状態での、電磁継電器の断面図。 実施例10における、第2コイル部分に通電した後、第1コイル部分にも通電した状態での、電磁継電器の断面図。 実施例10における、第2プランジャの向きを逆にした電磁継電器の断面図。 実施例11における、電磁継電器の断面図。 実施例12における、オフ状態での、電磁継電器の断面図。 実施例12における、電磁継電器の動作順序と、磁束の経路を説明するための図。 図34に続く図。 図35に続く図。 図36に続く図。 図37に続く図。 実施例13における、オフ状態での、電磁継電器の断面図。 実施例13における、電磁継電器の動作順序と、磁束の経路を説明するための図。 図40に続く図。 図41に続く図。 図39のXLII-XLII断面図。 実施例14における、ヨーク及び固定コアの斜視図。 実施例14における、電磁継電器の要部拡大断面図。 実施例14における、電磁継電器の動作順序と、磁束の経路を説明するための図。 図46に続く図。 図47に続く図。 実施例15における、電磁継電器の断面図。 実施例16における、電磁継電器の断面図。 実施例17における、電磁継電器の断面図。
上記ソレノイド装置は、例えば電磁継電器に用いることができる。例えば、電磁継電器に2個のスイッチを設け、一方のスイッチを第1プランジャによって開閉し、他方のスイッチを第2プランジャによって開閉するよう構成できる。
また、上記第1磁気回路上に存在する上記ヨークには、局所的に磁気飽和する磁気飽和部が形成されており、該磁気飽和部によって、上記第1磁気回路に流れる上記磁束の量を制限するよう構成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、磁束を流した際に、2本のプランジャを確実に吸引することが可能になる。すなわち、第1プランジャが吸引された際に、第1磁気回路に流れる磁束が多くなりすぎると、第2磁気回路に流れる磁束が少なくなり、第2プランジャを吸引しにくくなるという問題が生じる。しかしながら、上述のように磁気飽和部を形成することにより、第1磁気回路に流れる磁束の量を制限することができるため、第1プランジャが吸引された後に、第2磁気回路へも充分に磁束を流すことができる。そのため、第1プランジャと第2プランジャとを両方とも、確実に吸引することができる。
また、仮に磁気飽和部を形成しなかったとすると、第1プランジャや第1固定コアが磁気飽和して、第2磁気回路を流れる磁束が減少しやすくなることがある。しかし、上記磁気飽和部を形成すれば、第1プランジャや第1固定コアよりも早く磁気飽和部が磁気飽和するため、このような不具合を防止できる。
なお、「磁気飽和する」とは、BHカーブの磁気飽和領域に入ったことを意味する。磁気飽和領域とは、磁束密度が、飽和磁束密度の50%以上になる領域と定義することができる。また、飽和磁束密度とは、磁性体に外部から磁界を加え、それ以上外部から磁界を加えても磁化の強さが増加しない状態における磁束密度である。
また、上記第2の態様では、上記第1電磁コイルは、別々に通電可能な第1コイル部分と第2コイル部分とを有し、上記第1コイル部分は、上記第1プランジャの進退方向において上記第2コイル部分よりも上記第1固定コアに近い位置に配されており、上記ヨークには、上記第1コイル部分と上記第2コイル部分との間に配される中間ヨークと、上記第1プランジャの進退方向において上記中間ヨークよりも上記第1固定コアから遠い位置に設けられ上記第1プランジャ及び上記第2プランジャが摺接する摺接ヨークとがあり、上記第1コイル部分と上記第2コイル部分とのうち上記第1コイル部分のみに通電したときには、上記中間ヨークと上記第1プランジャと上記第1固定コアとを流れる磁束により生じる磁力によって、上記第1プランジャが上記第1固定コアに吸引され、上記第1コイル部分と上記第2コイル部分とのうち上記第2コイル部分のみに通電したときには、上記中間ヨークと上記第1プランジャと上記摺接ヨークとを流れる磁束により生じる磁力によって、上記第1プランジャが上記摺接ヨークに吸引され、該第1プランジャが上記第1固定コアから離隔するよう構成されている(請求項3)。
そのため、第1電磁コイルの上記第1コイル部分にのみ通電することにより、第1プランジャを第1固定コアに吸引させることができ、また、第2コイル部分にのみ通電することにより、第1プランジャを摺接ヨークに吸引させることができる。すなわち、第1プランジャを、第1固定コアに接近させることもでき、第1固定コアから離隔させることもできる。そのため、第1プランジャを第1固定コアに吸引させてはいけないときには、第1プランジャを強制的に第1固定コアから離隔させることができ、これにより、第1プランジャが誤って第1固定コアに吸引されることを防止できる。
また、上記第1プランジャには、径方向に拡径した鍔部が形成されており、上記非通電状態では、上記第1プランジャの進退方向における、上記鍔部から摺接ヨークまでの長さは、上記中間ヨークから上記鍔部までの長さよりも短いことが好ましい(請求項5)。
この場合には、非導通状態において、第1プランジャの鍔部が、中間ヨークよりも摺接ヨークに近い位置にあるため、第2コイル部分のみに通電したときに、鍔部と摺接ヨークとの間に強い磁力が発生する。そのため、第1プランジャを摺接ヨークに確実に吸引させることができ、第1プランジャが中間ヨークに吸引されることを防止できる。
また、上記第1プランジャと上記第2プランジャとの2つのプランジャは板状に形成され、該プランジャは板厚方向に進退し、該プランジャの進退動作に伴って、該プランジャが上記ヨークの表面に接離するよう構成されていることが好ましい(請求項13)。
この場合には、プランジャは、進退動作してもヨークに摺接しなくなる。そのため、プランジャの磨耗を抑制することができる。また、プランジャがヨークに摺接する場合には、プラジャの磨耗を防止するために、その表面に固体潤滑剤等の薄膜を形成することが多いが、上述のように、プランジャがヨークに摺接しないようにすれば、固体潤滑剤の薄膜を形成する必要がなくなる。そのため、プランジャの製造コストを低減できる。
また、上記第1電磁コイルの中心に、上記第1固定コアと上記第2固定コアとが一体化した柱状コアが挿通され、上記第1プランジャは、上記第1電磁コイルに対して、上記柱状コアの軸線方向における上記一方の側に設けられ、上記第2プランジャは、上記第1電磁コイルに対して、上記軸線方向における上記他方の側に設けられていることが好ましい(請求項14)。
この場合には、第1固定コアと第2固定コアとを一体化しているため、これらを別々に形成する場合と比べて、コアを小型化することができる。また、部品点数を低減することができるため、ソレノイド装置の製造コストを低減できる。
また、上記非通電状態において、上記第1プランジャと上記ヨークとの間に第3ギャップが形成され、上記第2プランジャと上記ヨークとの間に第4ギャップが形成されており、上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップと上記第3ギャップとを通過し、上記第2磁気回路に流れる上記磁束は上記第1ギャップと上記第3ギャップと上記第4ギャップと上記第2ギャップとを通過するよう構成されていることが好ましい(請求項15)。
この場合には、非通電状態から通電状態に切り替わる際に、第2磁気回路を流れる磁束は、上記第1ギャップ〜第4ギャップの4つのギャップを通過する必要があるため、第2プランジャを吸引する力が弱くなる。そのため、第1プランジャが吸引されるまでは、第2プランジャは吸引されなくなる。したがって、確実に、先に第1プランジャを吸引し、その後に第2プランジャを吸引することができる。
また、上記第3の態様では、通電によって磁束が発生する第2電磁コイルと、該第2電磁コイルへの通電によって進退する第3プランジャと、該第3プランジャの進退方向に該第3プランジャに対向配置された第3固定コアとを備え、上記第1電磁コイルへの通電によって上記第1プランジャと上記第2プランジャとを吸引した後、上記第2電磁コイルへ通電することにより、上記第3プランジャを上記第3固定コアへ吸引するよう構成されている(請求項6)
そのため、第1電磁コイルへ通電することにより第1プランジャと第2プランジャとを吸引した状態(第1吸引状態)と、第1電磁コイルへの通電の後、第2電磁コイルへも通電することにより第1〜第3プランジャを吸引した状態(第2吸引状態)との、2つの吸引状態を、2つの電磁コイルへの通電、非通電によってとることができる。
また、上記第1電磁コイルへの通電の後、上記第2電磁コイルへ通電することにより、該第2電磁コイルへの通電によって発生した磁束が上記第2プランジャにも流れるよう構成されており、上記第2電磁コイルへ通電した後、上記第1電磁コイルへの通電を停止することにより、上記第2電磁コイルの磁束によって上記第2プランジャと上記第3プランジャとを吸引させた状態で、上記第1プランジャのみを吸引解除するよう構成されていることが好ましい(請求項
この場合には、第2プランジャと第3プランジャのみが吸引されている状態(第3吸引状態)と、上記第1吸引状態と上記第2吸引状態との、3つの状態を、2つの電磁コイルへの通電、非通電によってとることができる。
また、例えば、ソレノイド装置を電磁継電器に用いた場合、第2プランジャ及び第3プランジャによって開閉するスイッチをオンにしたまま、第1プランジャによって開閉するスイッチをオフにすることができる。そのため、突発的なサージが発生した場合に、第1プランジャによって開閉するスイッチが溶着することを抑制することができる。
また、上記第1電磁コイルへ通電する前に、上記第2電磁コイルへ通電した場合には、上記第1プランジャと上記第2プランジャと上記第3プランジャとのうち、上記第3プランジャのみ吸引するよう構成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、第3プランジャのみを吸引できるため、例えばソレノイド装置を電磁継電器に用いた場合、第3プランジャによって開閉するスイッチのみをオンにすることができる。この状態において、例えば他のスイッチが溶着しているか否かの判定を行うことができる。
また、上記第2プランジャは、上記第2固定コアに吸引される本体部と、該本体部から上記進退方向における上記第2固定コアの反対側に突出する縮径部と、該縮径部に形成され該縮径部よりも拡径した拡径部とを備え、上記本体部と上記縮径部と上記拡径部とは軟磁性体からなり、上記ヨークは、上記第2プランジャの上記本体部が摺接する第1部分と、該第1部分から離隔し上記第3プランジャが摺接する第2部分とを有し、上記第2プランジャが上記第2固定コアに吸引された吸引状態においては、上記拡径部が上記第2部分に接近して、上記第2プランジャと上記第2部分との間隔が相対的に狭くなり、上記第2プランジャが上記第2固定コアに吸引されない非吸引状態においては、上記拡径部が上記第2部分から離隔すると共に上記第2部分の近傍に上記縮径部が移動して、上記第2プランジャと上記第2部分との間隔が上記吸引状態よりも広くなるよう構成されていることが好ましい(請求項)。
この場合には、上記非吸引状態において、上記第2プランジャと上記第2部分との間隔が上記吸引状態よりも広くなるため、これらの間の磁気抵抗を大きくすることができる。そのため、非吸引状態では、第1電磁コイルの磁束が第2部分へ流れにくくなる。したがって、第1電磁コイルの磁束が第2プランジャへ流れやすくなり、第2プランジャを強い磁力で吸引することが可能になる。
また、吸引状態では、第2プランジャと第2部分との間隔が、非吸引状態よりも狭くなるため、これらの間の磁気抵抗を小さくすることができる。そのため、第2電磁コイルへの通電により発生した磁束が第2プランジャへ流れやすくなる。したがって、第1電磁コイルへの通電を停止した際に、第2電磁コイルの磁束によって第2プランジャを確実に吸引させておくことができる。
このように、上記構成にすることにより、第1電磁コイルへ通電することにより第1プランジャと第2プランジャを確実に吸引できる。また、この後、第2電磁コイルへ通電し、第1電磁コイルへの通電を停止することにより、第2プランジャと第3プランジャのみを確実に吸引させておくことができる。
また、上記構成にすると、第1電磁コイルへ通電する前に第2電磁コイルへ通電する場合には、第2プランジャが非吸引状態となっているため、上記第2部分と上記第2プランジャとの間の磁気抵抗を大きくすることができる。そのため、第2電磁コイルの磁束が第2プランジャへ流れにくくなる。したがって、第2プランジャは吸引されず、第3プランジャのみを吸引させることができる。
また、上記第2プランジャは、上記第2固定コアに吸引される本体部と、該本体部よりも拡径した拡径部とを備え、上記本体部と上記拡径部とは軟磁性体からなり、上記ヨークは、上記第2プランジャの上記本体部および上記第1プランジャが摺接する第1部分と、該第1部分から離隔し上記第3プランジャが摺接する第2部分と、上記第3固定コアに接続した第3部分と、上記第2固定コア及び上記第1固定コアに接続した第4部分と、上記第1部分と上記第3部分とを接続する第5部分と、上記第2部分と上記第3部分とを接続する第6部分とを有し、上記第3部分と上記第4部分との間には、これらの間に磁束が流れることを抑制する切欠部が形成されており、上記第2プランジャが上記第2固定コアに吸引された吸引状態においては、上記拡径部が上記第2部分に接近して、上記第2プランジャから上記第2部分までの最短距離が相対的に短くなり、上記第2プランジャが上記第2固定コアに吸引されない非吸引状態においては、上記拡径部が上記第2部分から離隔して、上記第2プランジャから上記第2部分まで最短距離が上記吸引状態よりも長くなるよう構成されていることが好ましい(請求項10)。
この場合には、ヨークの上記第3部分と第4部分との間に上記切欠部を形成してあるため、これら第3部分と第4部分との間に磁束が流れにくくなる。そのため、第2プランジャが上記非吸引状態であるときに第1電磁コイルに通電しても、それによって発生した磁束が第2プランジャから第2部分へ流れ、さらに第6部分、第3部分を通って第4部分へ流れることを抑制できる。そのため、第1電磁コイルの磁束が第2プランジャへ流れやすくなり、第2プランジャを強い磁力で吸引することが可能になる。また、切欠部を形成しておくと、第2電磁コイルに通電したときに、それによって発生した磁束が第3部分と第4部分との間を流れにくくなる。そのため、第2電磁コイルの磁束が第1プランジャを通って第1固定コア、第4部分、第3部分へ流れにくくなり、第1電磁コイルを通電停止したときに、第1プランジャをスムーズに吸引解除することができる。
また、上記ソレノイド装置は、上記吸引状態では、第2プランジャから第2部分までの最短距離が、非吸引状態よりも狭くなるよう構成されている。そのため、吸引状態では、第2プランジャと第2部分との間の磁気抵抗を小さくすることができ、第2電磁コイルへの通電により発生した磁束が第2プランジャへ流れやすくなる。したがって、第1電磁コイルへの通電を停止した際に、第2電磁コイルの磁束によって第2プランジャを確実に吸引させておくことができる。
このように、上記構成にすることにより、第1電磁コイルへ通電することにより第1プランジャと第2プランジャを確実に吸引できる。また、この後、第2電磁コイルへ通電し、第1電磁コイルへの通電を停止することにより、第2プランジャと第3プランジャのみを確実に吸引させておくことができる。
なお、上記「切欠部」において、上記第3部分と上記第4部分とが完全に分離していることが好ましいが、第3部分と第4部分とが磁気的に僅かに接続していてもよい。
また、上記第1プランジャと上記第2プランジャと上記第3プランジャとの3本のプランジャのうち、1本の上記プランジャの中心軸線は、他の2本の上記プランジャの中心軸線とは異なる方向を向いていることが好ましい(請求項11)。
この場合には、ソレノイド装置を、例えば車両内のように振動が生じやすい場所でも使用することができる。すなわち、振動が生じやすい場所では、3本のプランジャが同一方向を向いていると、振動によって3本のプランジャが同時に同一方向に移動することがあり、ソレノイド装置を例えば電磁継電器に使用した場合に、3個のスイッチが同時にオンしてしまうことがある。しかしながら、3本のプランジャのうち1本のプランジャを、他の2本のプランジャとは異なる方向に向けることにより、振動によって3本のプランジャが同時に同一方向へ移動することを防止できる。そのため、ソレノイド装置を電磁継電器に使用した場合でも、3個のスイッチが同時にオンする不具合を防止できる。
また、上記第1プランジャと上記第2プランジャと上記第3プランジャとの3本のプランジャのうち、少なくとも一方のプランジャには、該プランジャの径方向に突出した鍔部が形成され、上記磁束が上記鍔部を通るよう構成されていることが好ましい(請求項12)。
この場合には、磁束が鍔部を通るため、プランジャに流れる磁束の量を多くすることができる。そのため、第1電磁コイルへ通電した際に、各プランジャに発生する磁力をより強くすることができ、プランジャを強い磁力で吸引することが可能になる。また、プランジャと固定コアの接触面積が増えるため、ヨークに形成した上記磁気飽和部よりも先に固定コアやプランジャが磁気飽和することを防止できる。
(実施例1)
上記ソレノイド装置に係る実施例について、図1〜図6を用いて説明する。図1に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、第1電磁コイル2aと、第1プランジャ3aと、第2プランジャ3bと、第1固定コア5aと、第2固定コア5bと、ヨーク4とを備える。第1電磁コイル2aは、通電により磁束Φを発生する(図3参照)。第1プランジャ3a及び第2プランジャ3bは、第1電磁コイル2aへの通電に伴って進退する。第1固定コア5aは、第1プランジャ3aの進退方向に、該第1プランジャ3aに対向配置されている。第2固定コア5bは、第2プランジャ3bの進退方向に、該第2プランジャ3bに対向配置されている。ヨーク4は、第1プランジャ3a、第1固定コア5a、第2プランジャ3b、及び第2固定コア5bと共に磁束Φが流れる磁気回路を構成している(図3参照)。
第1プランジャ3aは、第1電磁コイル2aの内側において巻回中心軸に沿って進退するよう構成されている。第2プランジャ3bは、第1電磁コイル2aの外側に配されている。
図1に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電していない非通電状態においては、第1プランジャ3aと第1固定コア5aとの間に第1ギャップG1が形成されている。また、第2プランジャ3bと第2固定コア5bとの間に第2ギャップG2が形成されている。
図3〜図5に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電した通電状態においては、磁束Φは、第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とにそれぞれ流れる。第1磁気回路C1は、磁束Φが、第1プランジャ3aと第1固定コア5aとヨーク4とを通る磁気回路である。また、第2磁気回路C2は、第1プランジャ3aと第1固定コア5aと第2プランジャ3bと第2固定コア5bとヨーク4とを通る磁気回路である。
図5に示すごとく、第1磁気回路C1に磁束Φが流れることにより生じる磁力により、第1プランジャ3aを第1固定コア5aへ吸引している。また、第2磁気回路C2に磁束Φが流れることにより生じる磁力により、第2プランジャ3bを第2固定コア5bへ吸引している。
図3に示すごとく、非通電状態から通電状態に切り替わる際には、第1磁気回路C1に流れる磁束Φは第1ギャップG1を通過し、第2磁気回路C2に流れる磁束Φは第1ギャップG1と第2ギャップG2との双方を通過するよう構成されている。
本例のソレノイド装置1は、電磁継電器10に使用されている。電磁継電器10には、2つのスイッチ19a,19bが形成されている。個々のスイッチ19は、固定接点13と、可動接点14と、固定接点13を支持する金属製の固定接点支持部15と、可動接点14を支持する金属製の可動接点支持部16とからなる。可動接点支持部16には接点側ばね部材12が取り付けられている。この接点側ばね部材12は、可動接点支持部16を固定接点支持部15側へ押圧している。
また、プランジャ3と固定コア5との間には、コア側ばね部材11が設けられている。コア側ばね部材11は、プランジャ3を可動接点支持部16側へ押圧している。コア側ばね部材11のばね定数は、接点側ばね部材12のばね定数よりも大きい。
図1に示すごとく、プランジャ3には、該プランジャ3の径方向に突出する鍔部38が形成されている。固定コア5には、プランジャ3が接触する凹状の円錐面50と、鍔部38に平行な端面51とが形成されている。第1電磁コイル2aへの通電(図3参照)により発生した磁束Φの一部は、鍔部38を通って固定コア5の端面51へ向う。これにより、プランジャ3に流れる磁束Φの量が多くなるようにしてある。
また、図1に示すごとく、ヨーク4には、摺接ヨーク41と、底部ヨーク42と、側壁ヨーク43とがある。摺接ヨーク41には、プランジャ3が通る貫通孔39が形成されている。底部ヨーク42は、プランジャ3の軸線方向(Z方向)において、第1電磁コイル2aに対して摺接ヨーク41の反対側に設けられている。側壁ヨーク43は、2本のプランジャ3a,3bの配列方向(X方向)における、摺接ヨーク41と底部ヨーク42の、第1プランジャ3a側の端部490,491を互いに接続する位置に設けられている。
図2に示すごとく、側壁ヨーク43には貫通穴400が形成されている。この貫通穴400を形成することによって、側壁ヨーク43の断面積を小さくし、磁気飽和部49を形成している。
図3に示すごとく、第1プランジャ3aを非通電状態から通電状態(図4参照)に切り替える際には、第1磁気回路C1を流れる磁束Φは、第1ギャップG1を通過する。また、第2磁気回路C2を流れる磁束Φは、第1ギャップG1と第2ギャップG1とを通過する。これら第1ギャップG1及び第2ギャップG2は磁気抵抗となるため、1つしかギャップがない第1磁気回路C1の磁気抵抗は小さく、2つギャップがある第2磁気回路C2の磁気抵抗は大きい。そのため、第1磁気回路C1に多くの磁束Φが流れ、第1プランジャ3aを吸引する強い磁力が生じるのに対し、第2磁気回路C2を流れる磁束Φの量は少なく、第2プランジャ3bを充分に吸引する磁力が生じない。したがって、図4に示すごとく、第1プランジャ3aが第2プランジャ3bよりも早く吸引される。
図4に示すごとく、第1プランジャ3aが第1固定コア5aに吸引されると、接点側ばね部材12の押圧力により、可動接点支持部16が固定接点支持部15側へ押圧される。これにより、第1スイッチ19aがオン状態となる。
また、図4に示すごとく、第1プランジャ3aが第1固定コア5aに接触すると、第1ギャップG1が無くなる。そのため、第2磁気回路C2の磁気抵抗が減少し、第2磁気回路C2を流れる磁束Φの量が増加する。そのため、図5に示すごとく、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
なお、上述したように、本例では第1磁気回路C1を構成するヨーク4(側壁ヨーク43)に磁気飽和部49を形成している。第1プランジャ3aが吸引された際に、磁気飽和部49において磁束Φが飽和する。そのため、第2磁気回路C2にも充分に磁束Φを流せるようになっている。
第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引されると、接点側ばね部材12の押圧力により、可動接点支持部16が固定接点支持部15側へ押圧される。これにより、第2スイッチ19bがオン状態となる。
この後、図1に示すごとく、第1電磁コイル2aを非通電状態にすると、磁束Φが消滅し、コア側ばね部材11の押圧力により、プランジャ3が可動接点支持部16側へ押圧される。そして、プランジャ3に取り付けた絶縁部30が可動接点支持部16に当接し、接点側ばね部材12の押圧力に抗して、可動接点支持部16を固定接点支持部15から離隔させる。これにより、スイッチ19a,19bがオフ状態となる。
次に、本例の電磁継電器10を用いた回路の説明をする。本例では図6に示すごとく、直流電源6と電子機器63とを繋ぐ電源入力部66に、電磁継電器10を設けてある。電源入力部66は、直流電源6の正電極と電子機器63とを繋ぐ正側配線64と、直流電源6の負電極と電子機器63とを繋ぐ負側配線65とを備える。正側配線64と負側配線65との間には、電子機器63に加わる直流電圧を平滑化するための平滑コンデンサ61を接続してある。
正側配線64には、上記第2スイッチ19bが設けられている。また、プリチャージ抵抗62と第1スイッチ19aを直列接続した直列体67が、第2スイッチ19bに並列に接続されている。
電子機器63を起動する際に、仮に、第2スイッチ19bを先にオンすると、平滑コンデンサ61に突入電流が流れ、第2スイッチ19bが溶着するおそれがある。そのため、第1スイッチ19aを先にオンし、プリチャージ抵抗62を通して徐々に平滑コンデンサ61に電流を流す。そして、平滑コンデンサ61に充分に電荷が蓄えられた後、第2スイッチ19bをオンする。
本例の電磁継電器10は、上述したように、第1電磁コイル2aを通電状態にすると、第1スイッチ19aが先にオンになり、その後、第2スイッチ19bがオンになるので、上記回路に好適に使用することができる。
なお、本例では、正側配線64に第1スイッチ19a、プリチャージ抵抗62、及び第2スイッチ19bを設けたが、これらを負側配線65に設けてもよい。
本例の作用効果について説明する。本例では図3に示すごとく、第1電磁コイル2aを非通電状態から通電状態に切り替えた際に、第1磁気回路C1を流れる磁束Φは1つのギャップ(第1ギャップG1)を通過し、第2磁気回路C2を流れる磁束Φは2つのギャップ(第1ギャップG1及び第2ギャップG2)を通過するよう構成されている。これらのギャップはヨーク4に比べて大きな磁気抵抗となるため、一つしかギャップがない第1磁気回路C1の磁気抵抗は小さく、2つギャップがある第2磁気回路C2の磁気抵抗は大きい。そのため、第1磁気回路C1には多くの磁束Φが流れ、第1プランジャ3aを吸引する強い磁力が発生するのに対し、第2磁気回路C2に流れる磁束Φは少なく、第2プランジャ3bを吸引するための充分な磁力が発生しない。したがって、図4に示すごとく、第1プランジャ3aは第2プランジャ3bよりも先に吸引される。
そして、第1プランジャ3aが吸引されて第1固定コア5aに接触すると、第1ギャップG1が無くなるため、第2磁気回路C2の磁気抵抗が小さくなり、第2磁気回路C2を流れる磁束Φの量が増加する。そのため、図5に示すごとく、第2プランジャ3bが吸引される。
このように、第1プランジャ3aを先に吸引し、その後、第2プランジャ3bを吸引することができる。
また、本例のソレノイド装置1は、第2プランジャ3bを吸引するための専用の電磁コイルを設ける必要がない。そのため、ソレノイド装置1の製造コストを低減でき、また、ソレノイド装置1を小型化することができる。
なお、本例では、第1ギャップG1よりも第2ギャップG2の方を大きくすることができる。このようにすると、第1プランジャ3aが吸引されてから第2プランジャ3bが吸引されるまでの時間を長くすることができる。また、第2プランジャ3bに用いるプランジャ側ばね部材11bのばね定数を、第1プランジャ3aに用いるプランジャ側ばね部材11aのばね定数よりも大きくしてもよい。この場合でも、第1プランジャ3aが吸引されてから第2プランジャ3bが吸引されるまでの時間を長くすることができる。また、第2プランジャ3bを第1プランジャ3aよりも重くしてもよい。
また、図2に示すごとく、第1磁気回路C1上に存在するヨーク4(側壁ヨーク43)には、局所的に磁気飽和する磁気飽和部49が形成されている。この磁気飽和部49によって、第1磁気回路C1に流れる磁束Φの量を制限している。
このようにすると、磁束Φを流した際に、2本のプランジャ3a,3bを確実に吸引することが可能になる。すなわち、第1プランジャ3aが吸引された際に、第1磁気回路C1に流れる磁束Φが多くなりすぎると、第2磁気回路C2に流れる磁束Φが少なくなり、第2プランジャ3bを吸引しにくくなるという問題が生じる。しかしながら、上述のように磁気飽和部49を形成することにより、第1磁気回路C1に流れる磁束Φの量を制限することができるため、第1プランジャ3aが吸引された後に、第2磁気回路C2へも充分に磁束Φを流すことができる。そのため、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bとを両方とも、確実に吸引することができる。
また、図3に示すごとく、個々のプランジャ3は、該プランジャ3の径方向に突出した鍔部38を有する。そして、第1電磁コイル2aへの通電により発生した磁束Φが鍔部38を通るよう構成されている。
このようにすると、磁束Φが鍔部38を通るため、プランジャ3を流れる磁束Φの量を多くすることができる。そのため、第1電磁コイル2aへ通電した際に、プランジャ3に発生する磁力をより強くすることができ、プランジャ3を強い磁力で吸引することが可能になる。また、プランジャ3と固定コア5の接触面積が増えるため、磁気飽和部49よりも先に固定コア5やプランジャ3が磁気飽和することを防止できる。
以上のごとく、本例によれば、複数のプランジャを所定の順序で吸引でき、かつ製造コストを低減できるソレノイド装置を提供することができる。
なお、本例では、ヨーク4に貫通穴400を形成して断面積を部分的に小さくすることにより、磁気飽和部49を形成しているが、ヨーク4の一部を磁気飽和しやすい素材に変更することにより、磁気飽和部49を形成してもよい。
(実施例2)
本例は、図7〜図12に示すごとく、プランジャ3と電磁コイル2の数を変更した例である。本例のソレノイド装置1は、図7に示すごとく、第1プランジャ3a〜第3プランジャ3cの、3本のプランジャ3を備える。また、ソレノイド装置1は、第1電磁コイル2aと第2電磁コイル2bとの、2個の電磁コイル2を備える。実施例1と同様に、第1プランジャ3aは、第1電磁コイル2aの内側に配されており、第2プランジャ3bは、第1電磁コイル2aの外側に配されている。また、本例では、第3プランジャ3cを、第2電磁コイル2bの内側に配置してある。第3プランジャ3cの進退方向(Z方向)における、該第3プランジャ3cに対向する位置には、軟磁性体からなる第3固定コア5cが設けられている。
また、本例では図7に示すごとく、第2プランジャ3bは、第2固定コア5bに吸引される本体部300と、縮径部31と、拡径部32とを備える。縮径部31は、本体部300からZ方向における第2固定コア5bの反対側に突出している。拡径部32は縮径部31に形成されており、縮径部31よりも拡径している。本体部300と縮径部31と拡径部32とは軟磁性体からなる。
また、ヨーク4は、第2プランジャ3bの本体部300が摺接する第1部分41aと、該第1部分41aから離隔し第3プランジャ3cが摺接する第2部分41bとを有する。図11に示すごとく、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引された吸引状態においては、拡径部32が第2部分41bに接近して、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間隔gが相対的に狭くなる。また、図7に示すごとく、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引されない非吸引状態においては、拡径部32が第2部分41bから離隔すると共に第2部分41bの近傍に縮径部31が移動する。これにより、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間隔gが、吸引状態(図11参照)よりも広くなるよう構成されている。
第1部分41aと第2部分41bとは、それぞれ板状に形成されている。また、第1部分41aと第2部分41bは、Z方向において所定間隔をおいて部分的に重なり合うよう配置されている。この重なり合う部分において、第1部分41aと第2部分41bとに貫通孔47,48が形成されている。第2プランジャ3bは、貫通孔47,48に挿通されている。第2プランジャ3bの本体部300は、進退動作に伴って、貫通孔47の内面に摺接する。
図7に示すごとく、非吸引状態においては、第2部分41bの貫通孔48内に縮径部31が位置する。また、図11に示すごとく、吸引状態においては、第2部分41bの貫通孔48内に拡径部32が移動する。
図8に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電すると、磁束Φが第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とに別れて流れる。実施例1と同様に、第1磁気回路C1には第1ギャップG1が形成され、第2磁気回路C2には第1ギャップG1と第2ギャップG2との2つのギャップが形成されているため、第1磁気回路C1に流れる磁束Φの量は多くなり、第2磁気回路C2に流れる磁束Φの量は少ない。そのため図9に示すごとく、第1プランジャ3aが先に吸引され、第1スイッチ19aがオンになる。
図9に示すごとく、第1プランジャ3aが吸引されると、第1ギャップG1が無くなるため、第2磁気回路C2の磁気抵抗が低減する。そのため、第2磁気回路C2を流れる磁束Φの量が増加する。上述したように、第2プランジャ3bを吸引していない状態(非吸引状態)では、第2部分41bと第2プランジャ3bとの間隔gが広いため、これらの間の磁気抵抗は大きい。そのため、磁束Φは第2部分41bへはあまり流れなくなり、第2プランジャ3bへ流れやすくなる。
図10に示すごとく、第2磁気回路C2を流れる磁束Φが増えると、磁力によって、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。これにより、第2スイッチ19bがオンになる。
その後、図11に示すごとく、第2電磁コイル2bへ通電し、磁束Φを第3プランジャ3c及び第3固定コア5cへ流す。これにより生じた磁力によって、第3プランジャ3cを第3固定コア5cへ吸引させ、第3スイッチ19cをオンにする。
上述したように、第2プランジャ3bを吸引した状態(吸引状態)では、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間隔gが狭いため、これらの間の磁気抵抗は小さい。そのため、第2電磁コイル2bの磁束Φは、第2部分41bから隙間gを通って拡径部48(第2プランジャ3b)へ流れる。
なお、本例では図11に示すごとく、第1電磁コイル2aにより生じ第2プランジャ3bへ流れる磁束Φの向きと、第2電磁コイル2bにより生じ第2プランジャ3bへ流れる磁束Φの向きとが、同一方向になって強め合うように、第1電磁コイル2aと第2電磁コイル2bへ流す電流の向きが定められている。
また、本例では、第1側壁ヨーク43aと第2側壁ヨーク43bとの2つの側壁ヨーク43を設けてある。そして、それぞれの側壁ヨーク43a,43bに、磁気飽和部49a,49bを形成してある。第2電磁コイル2bへの通電によって生じた磁束Φの一部は、磁気飽和部49bへ流れ、ここで磁気飽和する。そのため、第2プランジャ3bへ充分な磁束Φを流せるようになっている。
第2電磁コイル2bへ通電した後、図12に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電を停止する。これにより、第1磁気回路C1を流れる磁束Φが減少し、第1プランジャ3cが吸引解除されて、第1スイッチ19aがオフになる。また、第2電磁コイル2bへの通電により発生した磁束Φは第2プランジャ3bと第3プランジャ3cとを流れているため、第1電磁コイル2aを通電停止しても、第2プランジャ3bと第3プランジャ3cは吸引され続ける。
一方、本例では、図14に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電する前に第2電磁コイル2bに通電した場合は、第3プランジャ3cのみが吸引される。第1電磁コイル2aに通電しない状態では、図7に示すごとく、第2プランジャ3bは吸引されておらず、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間の磁気抵抗は大きい。そのため、この状態で第2電磁コイル2bに通電すると、図14に示すごとく、第2電磁コイル2bの磁束Φは第2プランジャ3bへ流れにくくなり、第2プランジャ3bは吸引されない。そのため、第2電磁コイル2bの磁束Φによって、第3プランジャ3cのみが吸引される。本例では後述するように、この状態において、第2スイッチ19bが溶着しているか否かを判断する。
次に、本例の電磁継電器10を用いた回路の説明をする。本例では図13に示すごとく、直流電源6と電子機器63とを繋ぐ電源入力部66に、電磁継電器10を設けてある。電源入力部66は、直流電源6の正電極と電子機器63とを繋ぐ正側配線64と、直流電源6の負電極と電子機器63とを繋ぐ負側配線65とを備える。正側配線64と負側配線65との間には、電子機器63に加わる直流電圧を平滑化するための平滑コンデンサ61を接続してある。
正側配線64には第3スイッチ19cが設けられ、負側配線65には第2スイッチ19bが設けられている。また、プリチャージ抵抗62と第1スイッチ19aとを直列接続した直列体67を、第3スイッチ19cに並列に接続してある。
本例では、電子機器63を起動する前に、第2スイッチ19bが溶着しているか否かを判断する。この判断をするにあたって、まず、第1電磁コイル2aに通電しない状態で第2電磁コイル2bに通電し、第3スイッチ19cのみをオンする(図14参照)。この時、仮に第2スイッチ19bが溶着していたとすると、コンデンサ61に電流が流れ、電荷が蓄積されてコンデンサ61の電圧が上昇する。そのため、コンデンサ61に電圧センサを取り付けておき、コンデンサ61の電圧を測定することにより、第2スイッチ19bが溶着しているか否かを判定することが可能になる。そして、第2スイッチ19bが溶着していないと判断した場合のみ、電子機器を起動する。
電子機器63を起動する際には、第1電磁コイル2aに通電することにより、第1スイッチ19aと第2スイッチ19bをオンする。これにより、プリチャージ抵抗62を通して徐々に平滑コンデンサ61に電流を流す。そして、平滑コンデンサ61に充分に電荷が蓄えられた後、第2電磁コイル2bに通電し、第3スイッチ19cをオンする。
その後、第1電磁コイル2aへの通電を停止し、第1スイッチ19aをオフする。そして、第2スイッチ19bと第3スイッチ19cのみをオンした状態で、電子機器63に電力を供給する。
本例の作用効果について説明する。図11に示すごとく、本例では、第1電磁コイル2aに通電して第1プランジャ3a及び第2プランジャ3bを吸引した後、第2電磁コイル2bに通電して第3プランジャ3cを吸引する。
このようにすると、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bとを吸引した状態(第1吸引状態:図10参照)と、第1〜第3プランジャ3cを吸引した状態(第2吸引状態:図11参照)との、2つの吸引状態を、2つの電磁コイルへの通電、非通電によってとることができる。
また、本例では図11に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電の後、第2電磁コイル2bへ通電することにより、第2電磁コイル2bへの通電によって発生した磁束Φが第2プランジャ3bにも流れるよう構成されている。そして、第2電磁コイル2bへ通電した後、図12に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電を停止することにより、第2電磁コイル2bの磁束Φによって第2プランジャ3bと第3プランジャ3cとを吸引させた状態で、第1プランジャ3aのみを吸引解除するよう構成されている。
このようにすると、第2プランジャ3bと第3プランジャ3cのみが吸引されている状態(第3吸引状態:図12参照)と、上記第1吸引状態と上記第2吸引状態との、3つの状態を、2つの電磁コイル2a,2bへの通電、非通電によってとることができる。
そのため、第2スイッチ19bと第3スイッチ19cをオンにしたまま、第1スイッチ19aをオフにすることができる。そのため、電子機器63に電力を供給している時に、突発的なサージが発生した場合に、第1スイッチ19aが溶着することを抑制することができる。
また、本例では、第1電磁コイル2aへ通電する前に、第2電磁コイル2bへ通電した場合には、第1プランジャ3a〜第3プランジャ3cのうち、第3プランジャ3cのみ吸引されるよう構成されている(図14参照)。
このようにすると、第3プランジャ3cのみを吸引できるため、第3スイッチ19cのみをオンにすることができる。そのため、他のスイッチ(第2スイッチ19b)が溶着しているか否かの判定を行うことができる。
また、本例では、非吸引状態(図7参照)において、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間隔gが、吸引状態(図11参照)よりも広くなるよう構成されている。
このようにすると、非吸引状態において、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間の磁気抵抗を大きくすることができる。そのため、非吸引状態では、第1電磁コイル2aの磁束Φが第2部分41bへ流れにくくなる。したがって、第1電磁コイル2aの磁束Φが第2プランジャ3bへ流れやすくなり、第2プランジャを強い磁力で吸引することが可能になる。
また、本例では、吸引状態(図11参照)では、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間隔gが、非吸引状態(図7参照)よりも狭くなるよう構成されている。
このようにすると、吸引状態において、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間の磁気抵抗を小さくすることができる。そのため、第2電磁コイル2bへの通電により発生した磁束Φが第2プランジャ3bへ流れやすくなる。したがって、図12に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電を停止した際に、第2電磁コイル2bの磁束Φによって第2プランジャ3bを確実に吸引させておくことができる。
このように本例では、第1電磁コイル2aへの通電によって第1プランジャ3aと第2プランジャ3bを確実に吸引できる。また、この後、第2電磁コイル2bへ通電し、第1電磁コイル2aへの通電を停止する(図12参照)ことにより、第2プランジャ3bと第3プランジャ3cのみを確実に吸引させておくことができる。
また、上記構成にすると、第1電磁コイル2aへ通電する前に第2電磁コイル2bへ通電する場合には、第2プランジャ3bが非吸引状態となっているため(図7参照)、第2部分41bと第2プランジャ3bとの間の磁気抵抗を大きくすることができる。そのため、第2電磁コイル2bの磁束Φが第2プランジャ3bへ流れにくくなる。したがって、第2プランジャ3bは吸引されず、第3プランジャ3cのみを吸引させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、本例では、第2電磁コイル2bへ通電した後、第1電磁コイル2aへの通電を停止して(図12参照)、第1プランジャ3aのみを吸引解除し、第1スイッチ19aのみをオフにしているが、第1プランジャ3aを吸引解除せず、第1スイッチ19aをオンし続けてもよい。この場合、3つのスイッチ19a〜19cをオンした状態で、電子機器63に電力を供給することになるが(図13参照)、プリチャージ抵抗62の抵抗値は大きいため、電流はほとんど第2スイッチ19b、第3スイッチ19cを流れ、プリチャージ抵抗62にはあまり電流は流れない。そのため、第1スイッチ19aをオンし続けても、実用上は大きな問題はない。
(実施例3)
本例は、プランジャ3の向きを変えた例である。本例では図15に示すごとく、第3プランジャ3cの中心軸線を、第1プランジャ3a及び第2プランジャ3bの中心軸線と異なる方向に向けてある。第3プランジャ3cの中心軸線はX方向に平行であり、第1プランジャ3a及び第2プランジャ3bの中心軸線はZ方向に平行である。
その他、実施例2と同様の構成を有する。
本例の作用効果について説明する。上記構成にすると、電磁継電器10を、例えば車両内のように振動が生じやすい場所でも使用することができる。すなわち、振動が生じやすい場所では、3本のプランジャ3が同一方向を向いていると、振動によって3本のプランジャが同時に同一方向に移動することがあり、3個のスイッチ19が同時にオンしてしまうことがある。しかしながら、3本のプランジャ3a〜3cのうち1本のプランジャ(第3プランジャ3c)を、他の2本のプランジャ(第1プランジャ3a及び第2プランジャ3b)とは異なる方向に向けることにより、振動によって3本のプランジャ3が同時に同一方向へ移動することを防止できる。そのため、3個のスイッチ19が同時にオンする不具合を防止できる。
(実施例4)
本例は図16に示すごとく、第1電磁コイル1を、第1コイル部分21と第2コイル部分22との2つの部分に分けた例である。第1コイル部分21と第2コイル部分22は、それぞれ別々に通電できるよう構成されている。すなわち、第1コイル部分21または第2コイル部分22のどちらか一方だけ通電することもでき、両方同時に通電することもできる。
図17に示すごとく、第2コイル部分22を非通電にしたまま第1コイル部分21に通電すると、発生した磁束Φによって第1プランジャ3aのみが第1固定コア5aに吸引される。本例では、例えば、第2プランジャ3bのプランジャ側ばね部材11bのばね定数を、第1プランジャ3aのプランジャ側ばね部材11aのばね定数より大きくしておく。このようにすると、第1コイル部分21にのみ通電して磁束Φが発生しても、第1プランジャ3aのみ吸引され、第2プランジャ3bは吸引されなくなる。そのため、第1スイッチ19aのみがオンになる。
また、図18に示すごとく、第1コイル部分21と第2コイル部分22を両方とも通電すると、大きな磁束Φが発生し、この磁束Φにより、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bが両方とも吸引される。そのため、2つのスイッチ19a,19bが両方ともオンになる。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
本例の作用効果について説明する。本例では、実施例1と同様に、第2プランジャ3bを吸引するための専用の電磁コイルを設けていないため、各々のプランジャを各々の電磁コイルを使って吸引する場合と比べて、電磁コイルを構成する銅線の量を減らすことができる。そのため、電磁継電器10の製造コストを低減できる。
また、本例では、第2プランジャ3bを吸引する時間を制御することができる。すなわち、第1コイル部分21のみ通電して第1プランジャ3aのみ吸引し、所定時間を経過した後、第2コイル部分22へも通電することにより、第2プランジャ3bをも吸引できる。そのため、第2コイル部分22へ通電する時間を制御することにより、第2プランジャ3bを吸引する時間を制御できる。
また、プランジャ3a,3bを吸引した後は、隙間Gが無くなるため、磁気回路における磁気抵抗は小さくなる。そのため、プランジャ3a,3bを吸引した後、第2コイル部分22への通電を停止して、発生する磁束Φの量を少なくしても、プランジャ3a,3bを吸引し続けることができる。これにより、第1電磁コイル2aにおける消費電力を小さくすることができる。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
なお、本例では、第1コイル部分21のみに通電した後、第2コイル部分22にも通電しているが、通電する順番を逆にしてもよい。すなわち、第2コイル部分22のみ通電し、その後、第1コイル部分21にも通電してもよい。
(実施例5)
本例は図19に示すごとく、第1電磁コイル2aの位置を変更した例である。同図に示すごとく、本例では、第1電磁コイル2aの中心に柱状ヨーク44を配置し、この柱状ヨーク44を第1固定コア5a及び側壁ヨーク43に接触させた。そして、柱状ヨーク44と、第1固定コア5aと、第1プランジャ3aと、摺接ヨーク41と、側壁ヨーク43とによって、磁束Φが流れる第1磁気回路C1を構成してある。
また、第2固定コア5bには、コア用ヨーク45が接触している。このコア用ヨーク45は、底部ヨーク42にも接触している。そして、第1プランジャ3aと、摺接ヨーク41と、第2プランジャ3bと、第2固定コア5bと、コア用ヨーク45と、底部ヨーク42と、側壁ヨーク43と、柱状ヨーク44と、第1固定コア5aとによって、磁束Φが流れる第2磁気回路C2を構成してある。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
(実施例6)
本例は図20に示すごとく、第2電磁コイル2bの位置を変更した例である。同図に示すごとく、本例では、第2電磁コイル2bの中心に柱状ヨーク44を配置し、この柱状ヨーク44をヨーク4の第2部分41bと、底部ヨーク42とに接触させた。そして、第2電磁コイル2bへの通電によって発生した磁束Φによって、第3プランジャ3cを吸引するよう構成した。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
(実施例7)
本例は、図21に示すごとく、第2プランジャ3bに縮径部31と拡径部32を形成せず、本体部300のみ形成した例である。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
(実施例8)
本例は、図22、図23に示すごとく、ヨーク4の第2部分41bに形成した貫通孔48を、拡径部32よりも小さくした例である。そして、第2プランジャ3bが吸引された時に、拡径部32が第2部分41bの表面に接触するよう構成した。
このようにすると、第2プランジャ3bが吸引された時に、第2部分41bと第2プランジャ3bとが接触するため、これらの間の磁気抵抗をより小さくすることができる。そのため、第2電磁コイル2bへ通電した際に、該第2電磁コイル2bの磁束Φが第2部分41bから拡径部32(第2プランジャ3b)へ流れやすくなる。そのため、第1電磁コイル2aへの通電を停止した際(図12参照)に、第2電磁コイル2bの磁束Φによって、第2プランジャ3bを確実に吸引することができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を有する。
(実施例9)
本例は、図24、図25に示すごとく、スイッチ19a,19bの向きと、ばね部材11、12の配置位置を変更した例である。本例では、固定接点13と固定接点支持部15を、Z方向においてプランジャ3から遠い位置に設けてあり、可動接点14と可動接点支持部16を、Z方向においてプランジャ3に近い位置に設けてある。可動接点支持部16はプランジャ3に取り付けられている。そして、プランジャ3の進退動作に伴って、可動接点14は固定接点13に接離する。接点側ばね部材12は、可動接点支持部16を、固定接点支持部15側へ押圧している。また、プランジャ側ばね部材11は、プランジャ3aを、底壁ヨーク42側へ押圧している。
図24に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電しない場合は、プランジャ側ばね部材11の押圧力により、プランジャ3aが底壁ヨーク42側へ押圧され、スイッチ19a,19bがオフになる。
また、図25に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電すると、プランジャ3a,3bが固定接点支持部15側へ押圧される。そのため、可動接点14が固定接点13に接触し、スイッチ19a,19bがオンになる。
その他、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例10)
本例は、第1電磁コイル2aとヨーク4の形状を変更した例である。図26に示すごとく、本例の第1電磁コイル2aは、別々に通電可能な第1コイル部分21と第2コイル部分22とを有する。第1コイル部分21は、第1プランジャ3aの進退方向において第2コイル部分22よりも第1固定コア5aに近い位置に配されている。また、ヨーク4には、中間ヨーク46と摺接ヨーク41とがある。中間ヨーク46は、第1コイル部分21と第2コイル部分22との間に配されている。摺接ヨーク41は、第1プランジャ3aの進退方向(Z方向)において中間ヨーク46よりも第1固定コア5aから遠い位置に設けられている。摺接ヨーク41には、第1プランジャ3a及び第2プランジャ3bが摺接する。
図27に示すごとく、第1コイル部分21と第2コイル部分22とのうち第1コイル部分21のみに通電したときには、中間ヨーク46と第1プランジャ3aと第1固定コア5aとを流れる磁束Φにより生じる磁力によって、第1プランジャ3aが第1固定コア5aに吸引される。また、図29に示すごとく、第1コイル部分21と第2コイル部分22とのうち第2コイル部分22のみを通電したときには、中間ヨーク46と第1プランジャ3aと摺接ヨーク41とを流れる磁束Φにより生じる磁力によって、第1プランジャ3aが摺接ヨーク41に吸引され、第1プランジャ3aが第1固定コア5aから離隔するよう構成されている。
本例のヨーク4は、実施例1と同様に、側壁ヨーク43と、底部ヨーク42とを備える。側壁ヨーク43には、磁気飽和部49を設けてある。また、摺接ヨーク41には、プランジャ3を挿通するための貫通孔39を形成してある。貫通孔39の周辺には、固定コア5側に突出した開口壁部391,392が形成されている。プランジャ3が進退動作すると、プランジャ3が開口壁部391,392の内周面に摺接する。開口壁部391は、第1電磁コイル2aの第2コイル部分22の内側まで突出している。
プランジャ3には、実施例1と同様に、鍔部38が形成されている。非通電状態では、Z方向における、鍔部38から摺接ヨーク41(開口壁部391)までの長さL1は、中間ヨーク46から鍔部38までの長さL2よりも短い。
中間ヨーク46は板状に形成されている。中間ヨーク46には、Z方向に貫通した貫通穴460が形成されている。この貫通穴460に第1プランジャ3aを挿通してある。
本例のソレノイド装置1における通電モードには、図27、図28に示すごとく、第1コイル部分21を先に通電し、この通電を維持しつつその後に第2コイル部分22を通電する第1通電モードと、図29、図30に示すごとく、第2コイル部分22を先に通電し、この通電を維持しつつその後に第1コイル部分21を通電する第2通電モードとがある。
図27に示すごとく、第1通電モードにおいて、第1コイル部分21に通電すると、磁束Φが発生する。磁束Φは、第1磁気回路C1と、第2磁気回路C2と、第3磁気回路C3とを流れる。第1磁気回路C1は、中間ヨーク46、側壁ヨーク43、底部ヨーク42、第1固定コア5a、第1プランジャ3aからなる。また、第2磁気回路C2は、第1プランジャ3a、摺接ヨーク41、第2プランジャ3b、第2固定コア5b、底部ヨーク42、第1固定コア5aからなる。第3磁気回路C3は、第1プランジャ3a、摺接ヨーク41、側壁ヨーク43、底部ヨーク42、第1固定コア5aからなる。
第1コイル部分21を非通電状態(図26参照)から通電状態(図27参照)に切り替える際には、第1磁気回路C1を流れる磁束Φは、第1ギャップG1を通過する。また、第2磁気回路C2を流れる磁束Φは、第1ギャップG1と第2ギャップG2との双方を通過する。第1磁気回路C1を流れる磁束Φと、第2磁気回路C2を流れる磁束Φと、第3磁気回路C3を流れる磁束Φとが、第1ギャップG1を通過する。特に第1磁気回路C1と第3磁気回路C3には強い磁束Φが流れる。これらの磁束Φによって生じる磁力により、第1プランジャ3aが第1固定コア5aに吸引される。第1プランジャ3aが吸引されると、鍔部38は中間ヨーク46の表面に接触する。
図27に示すごとく、本例では、第1コイル部分21のみを通電しただけでは、第2磁気回路C2に充分な磁束Φが流れず、第2プランジャ3bが吸引されないようになっている。図28に示すごとく、第1コイル部分21に通電した後、第2コイル部分22にも通電すると、第1コイル部分21の磁束Φと第2コイル部分22の磁束Φとが足し合わされ、第2磁気回路C2に多くの磁束Φが流れる。そのため、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
また、図29に示すごとく、第2通電モードにおいて、第1コイル部分21と第2コイル部分22とのうち第2コイル部分22のみに通電すると、磁束Φの一部は、第1プランジャ3a、摺接ヨーク41、側壁ヨーク43、中間ヨーク46を流れる。この際、磁束Φは鍔部38と開口壁部391との間にも流れる。これにより生じた磁力によって、鍔部38が開口壁部391に吸引される。
また、磁束Φの他の一部は、第1プランジャ3a、摺接ヨーク41、第2プランジャ3b、第2固定コア5b、底部ヨーク42、第1固定コア5aを流れる。本例では、第2コイル部分22にのみ通電しても、第2プランジャ3bには充分な磁束Φが流れず、第2プランジャ3bを吸引できないようになっている。図30に示すごとく、第2コイル部分22に通電した後、第1コイル部分21にも通電すると、第1コイル部分21の磁束Φと第2コイル部分22の磁束Φとが足し合わさって、第2プランジャ3bに多くの磁束Φが流れる。そのため、第2プランジャ3bに強い磁力が発生し、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
以上説明したように、本例では、第1通電モード(図27、図28参照)においては、第1プランジャ3aを第1固定コア5aに吸引し、かつ第2プランジャ3bを第2固定コア5bに吸引するよう構成されている。また、第2通電モード(図29、図30参照)においては、第1プランジャ3aを摺接ヨーク41に吸引し、かつ第2プランジャ3bを第2固定コア5bに吸引するよう構成されている。
本例では実施例1と同様に、ソレノイド装置1を、電磁継電器10として使用している。電磁継電器10は、実施例1と同様に、電源入力部66(図6参照)に設けることができる。例えば、第1プランジャ3aによって第2スイッチ19b(図6参照)を開閉し、第2プランジャ3bによって第1スイッチ19aを開閉するよう構成する。平滑コンデンサ61をプリチャージする際には、第1スイッチ19aのみをオンし、第2スイッチ19bをオフにする必要がある。そのため、このときには、第1電磁コイル2aを第2通電モード(図29、図30参照)によって通電する。これにより、第1プランジャ3aを第1固定コア5aから離隔させて、第2スイッチ19bがオンにならないようにしつつ、第2プランジャ3bを吸引して、第1スイッチ19aをオンにする。
平滑コンデンサ61のプリチャージが完了した後には、第1コイル部分21と第2コイル部分22との通電を一旦停止し、第1コイル部分21のみ通電する(図27参照)。これにより、第2スイッチ19b(図6参照)のみをオンし、電子機器63に電力を供給する。又は、第2コイル部分22も通電し(図28参照)、第1スイッチ19aと第2スイッチ19bを両方ともオンにする。
本例の作用効果について説明する。本例では、図27に示すごとく、第1コイル部分21にのみ通電することにより、第1プランジャ3aを第1固定コア5aに吸引させることができ、また、第2コイル部分22にのみ通電することにより、第1プランジャ3aを摺接ヨーク41に吸引させることができる。すなわち、第1プランジャ3aを、第1固定コア5aに接近させることもでき、第1固定コア5aから離隔させることもできる。そのため、第1プランジャ3aを第1固定コア5aに吸引させてはいけない場合には、第1プランジャ3aを強制的に第1固定コア5aから離隔させることができ、これにより、第1プランジャ3aが誤って第1固定コア5aに吸引されることを防止できる。
また、図26に示すごとく、非通電状態では、Z方向における、第1プランジャ3aの鍔部38から摺接ヨーク41(開口壁部391)までの長さL1は、中間ヨーク46から鍔部38までの長さL2よりも短い。
そのため、第2コイル部分22のみに通電したときに、鍔部38と摺接ヨーク41(開口壁部391)との間に強い磁力が発生する。したがって、第1プランジャ3aを摺接ヨーク41に確実に吸引させることができ、第1プランジャ3aが中間ヨーク46に吸引されることを防止できる。
なお、本例では、2本のプランジャ3a,3bが同じ側(底部ヨーク42側)に移動したときに、2つのスイッチ19a,19bがオンするように構成したが、図31に示すごとく、2本のプランジャ3a,3bが互いに反対側に移動したときに、スイッチ19a,19bがそれぞれオンするようにしてもよい。このようにすると、振動が生じて2本のプランジャ3a,3bが同一方向に移動したときに、2つのスイッチ19a,19bが同時にオンすることを防止できる。そのため、意図しないときに電子機器63(図6参照)に電力が供給されることを、より抑制しやすい。
その他は、実施例1と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例1において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成等を表す。
(実施例11)
本例は、第1プランジャ3a及び摺接ヨークの形状を変更した例である。図32に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、第1摺接ヨーク411と第2摺接ヨーク412との、2つの摺接ヨークを備える。第1摺接ヨーク411は板状であり、2つの貫通孔39が形成されている。第2摺接ヨーク412は、第2コイル部分22の中心に配されており、第1摺接ヨーク411に固定されている。第2摺接ヨーク412には、Z方向に貫通した貫通孔419と、円錐面418が形成されている。第1摺接ヨーク411の貫通孔39aと、第2摺接ヨーク412の貫通孔419とは、連通している。
また、第1プランジャ3aには、円錐状のテーパ面318,319が形成されている。一方のテーパ面318は、第1固定コア5aの円錐面50に接触し、他方のテーパ面319は、第2摺接ヨーク412の円錐面418に接触するよう構成されている。
本例では、第1コイル部分21と第2コイル部分22とのうち第1コイル部分21にのみ通電すると、第1プランジャ3aが第1固定コア5aに吸引される。続いて第2コイル部分22にも通電すると、2つのコイル部分21,22の磁束Φが第2プランジャ3bに流れて強い磁力が発生し、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。また、第2コイル部分22にのみ通電すると、第1プランジャ3aが第2摺接ヨーク412に吸引される。続いて第1コイル部分21にも通電すると、2つのコイル部分21,22の磁束Φが第2プランジャ3bに流れて強い磁力が発生し、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
その他は、実施例10と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例10において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例10と同様の構成等を表す。
(実施例12)
本例は、プランジャ3の数及びヨーク4の形状を変更した例である。本例のソレノイド装置は、図33に示すごとく、実施例2と同様に3本のプランジャ3a〜3cを備える。第2プランジャ3bは、第2固定コア5bに吸引される本体部300と、該本体部300よりも拡径した拡径部32とを備える。本体部300と拡径部32とは軟磁性体からなる。
ヨーク4は、第1部分41aと、第2部分41bとを備える。第1部分41aには2つの貫通孔39a,47が形成されている。これらの貫通孔39a,47にプランジャ3a,3bを挿通してある。プランジャ3a,3bが進退すると、プランジャ3a,3bは貫通孔39a,47の内周面に摺接する。第1部分41aは段形状に形成されている。第1部分41aのうち、第2プランジャ3b用の貫通孔47を形成した部分414は、第1プランジャ3a用の貫通孔39aを形成した部分413よりも、Z方向において、第4部分41dに近い側に位置している。
ヨーク4の第2部分41bは、第1部分41aから離隔している。第2部分41bには2つの貫通孔48,39bが形成されている。これらの貫通孔48,39bに、プランジャ3b,3cを挿通してある。第3プランジャ3cが進退すると、第3プランジャ3cは貫通孔39bの内周面に摺接する。第2プランジャ3b用の貫通孔48の内径は、上記本体部300の外径よりも大きく、拡径部32の外径よりも小さい。
また、ヨーク4は、第3部分41cと第4部分41dとを備える。第3部分41cは、第3固定コア5cに磁気的に接続している。第4部分41dは、第2固定コア5b及び第1固定コア5aに磁気的に接続している。第3部分41cと第4部分41dとの間には、これらの間に磁束Φが流れることを抑制する切欠部450が形成されている。
また、ヨーク4は、第5部分41eと第6部分41fと第7部分41gとを備える。第5部分41eは、第1部分41部分41aと第3部分41cとを接続している。第6部分41fは、第2部分41bと第3部分41cとを接続している。第7部分41gは、第1部分41aと第4部分41dを、Xにおける第1プランジャ3a側の端部499において連結している。
図34に示すごとく、第1電磁コイル2aに通電すると、磁束Φの一部が、第1プランジャ3a、ヨーク4の一部(第1部分41a、第7部分41g、第4部分41d)、第1固定コア5aからなる第1磁気回路C1を流れる。また、磁束Φの他の一部は、第1プランジャ3a、第1部分41a、第2プランジャ3b、第2固定コア5b、第4部分41d、第1固定コア5aからなる第2磁気回路C2を流れる。これにより、図34〜図36に示すごとく、第1プランジャ3aが第1固定コア5aに吸引され、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
この時、第2磁気回路C2に安定した磁束Φを流す為には、図35の状態で、第1プランジャ3aを磁気飽和させないことが重要である。そのためにも、第1磁気回路C1を構成するヨーク4(第1部分41a、第7部分41g、第4部分41d)のいずれかの部分が、第1プランジャ3aよりも先に磁気飽和するように設計することが望ましい。
図36に示すごとく、第2プランジャ3bが吸引された状態(吸引状態)においては、拡径部32が第2部分41bに接近する。すなわち、拡径部32が、貫通孔48の周辺部分に接触する。また、図34に示すごとく、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引されない状態(非吸引状態)においては、拡径部32が第2部分41bから離隔して、第2プランジャ3bから第2部分41bまでの最短距離が吸引状態(図36参照)よりも広くなる。
第1プランジャ3aと第2プランジャ3bをそれぞれ吸引(図36参照)した後、第2電磁コイル2bに通電すると、図37に示すごとく磁束Φが発生する。第2電磁コイル2bの磁束Φの一部は、第3プランジャ3c、第2部分41b、第6部分41f、第3部分41c、第3固定コア5cを流れる。これにより生じた磁力によって、第3プランジャ3cが第3固定コア5cに吸引される。また、第2電磁コイル2bの磁束Φの他の一部は、第3プランジャ3c、第2部分41b、拡径部32、第2プランジャ3b、第1部分41a,第5部分41e、第3部分41c、第3固定コア5cを流れる。これにより生じた磁力によって、拡径部32が第2部分41bに吸引される。
なお、第2電磁コイル2bの通電の方向は、逆にしても構わない。
この後、図38に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電を停止すると、第1電磁コイル2aの磁束Φが消滅し、第1プランジャ3aが吸引解除される。しかし、第2電磁コイル2bの磁束Φは第2部分41bと拡径部32との間を流れ続けているため、拡径部32は第2部分41bに吸引され続ける。
本例の作用効果について説明する。本例では、第3部分41cと第4部分41dとの間に切欠部450を形成してあるため、これら第3部分41cと第4部分41dとの間に磁束Φが流れにくくなる。そのため、第2プランジャ3bが非吸引状態(図34、34参照)であるときに第1電磁コイル2aに通電しても、それによって発生した磁束Φが第2プランジャ3bから第2部分41bへ流れ、さらに第6部分41f、第3部分41cを通って第4部分41dへ流れることを抑制できる。そのため、第1電磁コイル2aの磁束Φが第2プランジャ3bへ流れやすくなり、第2プランジャ3bを強い磁力で吸引することが可能になる(図35、図36参照)。
なお、第1部分41aと第2部分41bとの間には起磁力が存在しないため、図36に示すごとく、第1電磁コイル2aの磁束Φは、第1部分41a、第2プランジャ3b、第2部分41b、第6部分41f、第3部分41c、第5部分41eからなる磁気回路には、殆ど流れない。
また、図37、図38に示すごとく、本例では切欠部450を形成してあるため、第2電磁コイル2bに通電したときに、該第2電磁コイル2bの磁束Φが第3部分41cと第4部分41dとの間を流れにくくなる。そのため、第2電磁コイル2bの磁束Φが第1部分41a、第1プランジャ3a、第1固定コア5a、第4部分41d、第3部分41cからなる磁気回路を流れにくくなる。したがって、第1電磁コイル2aを通電停止したときに、第2電磁コイル2bの磁束Φによって第1プランジャ3aが吸引され続けることがなくなり、第1プランジャ3aをスムーズに吸引解除することが可能になる。
また、本例のソレノイド装置1は、図36、図37に示すごとく、第2プランジャ3bを吸引した状態(吸引状態)では、第2プランジャ3bから第2部分41bまでの最短距離が、非吸引状態(図35参照)よりも狭くなるよう構成されている。そのため、吸引状態では、第2プランジャ3bと第2部分41bとの間の磁気抵抗を小さくすることができ、第2電磁コイル2bへの通電により発生した磁束Φが第2プランジャ3bへ流れやすくなる。したがって、図38に示すごとく、第1電磁コイル2aへの通電を停止した際に、第2電磁コイル2bの磁束Φによって第2プランジャ3bを確実に吸引させておくことができる。
なお、本例では図36に示すごとく、吸引状態において、第2プランジャ3の拡径部32が第2部分41bに接触しているが、これらが若干、離れていてもよい。
また、本例の電磁継電器10は、図13に示す回路に用いられる。第1電磁コイル2aに通電すると、第1スイッチ19a及び第2スイッチ19bがオンになる(図34〜図36参照)。これにより、プリチャージリレー62(図13参照)を介して徐々に電流を流し、平滑コンデンサ61を充電することができる。充電が完了した後、第2電磁コイル2bに通電すると(図37参照)、第3スイッチ19cがオンになる。その後、第1電磁コイル2aへの通電を停止すると(図38参照)、第2電磁コイル2bの磁束Φによって生じた磁力によって第2スイッチ19bと第3スイッチ19cをオンにしつつ、第1スイッチ19aをオフにすることができる。この状態で、電子機器63に電力を供給することが可能になる。電子機器63に電力を供給する状態は比較的長い時間続くが、この状態では、2個の電磁コイル2a,2bのうち一方の電磁コイル2(第2電磁コイル2b)のみ通電するため、両方とも通電する場合と比べて、電磁コイル2での消費電力を半減することができる。
以上説明したように、本例では、第1電磁コイル2aへ通電することにより第1プランジャ3aと第2プランジャ3bを確実に吸引できる(図36参照)。また、この後、第2電磁コイル2bへ通電し、第1電磁コイル2aへの通電を停止することにより、第2プランジャ3bと第3プランジャ3cのみを確実に吸引させておくことができる(図38参照)。
また、本例では、第1電磁コイル2aへ通電する前に第2電磁コイル2bへ通電する場合には、第2プランジャ3bが非吸引状態となっているため、第2部分41bと第2プランジャ3bとの間の磁気抵抗が大きい。そのため、第2電磁コイル2bの磁束Φが第2プランジャ3bへ流れにくくなる。したがって、第2プランジャ3bは吸引されず、第3プランジャ3cのみを吸引させることができる。
なお、本例では、切欠部450において、第3部分41cと第4部41dとが完全に分離しているが、第3部分41cと第4部分41dとが磁気的に僅かに接続していてもよい。
その他は、実施例2と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例2において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例2と同様の構成要素等を表す。
(実施例13)
本例は、プランジャ3と固定コア5の形状を変更した例である。図39に示すごとく、本例の第1プランジャ3aと第2プランジャ3bは板状に形成されている。プランジャ3は、板厚方向(Z方向)に進退する。また、本例では、固定コア5(5a,5b)を柱状に形成してある。第1固定コア5aは、第1電磁コイル2aの中心に配されており、その一端515が第1プランジャ3aの中心350に対向している。第1固定コア5aは、その一端515が、第1電磁コイル2aの中心に配された部分599よりも拡径している。
ヨーク4は、プランジャ3が接離する接離ヨーク415と、底部ヨーク42と、これら底部ヨーク42及び接離ヨーク415を繋ぐ側壁ヨーク43とからなる。接離ヨーク415には貫通孔470が形成されている。底部ヨーク42には固定コア5の他端516が接触している。また、底部ヨーク42には磁気飽和部49を設けてある。
図43に示すごとく、プランジャ3は円板状である。図41、図42に示すごとく、プランジャ3が進退すると、プランジャ3の外縁部365は、接離ヨーク415の表面に接離し、プランジャ3の中心350は、固定コア5の一端515の表面に接離する。
図40に示すごとく、第1電磁コイル2aを通電状態にすると磁束Φが発生する。磁束Φの一部は、第1固定コア5aと、第1プランジャ3aと、ヨーク4とからなる第1磁気回路C1を流れる。また、磁束Φの他の一部は、第1固定コア5aと、第1プランジャ3aと、接離ヨーク415と、第2プランジャ3bと、第2固定コア5bと、底部ヨーク42とからなる第2磁気回路C2を流れる。
図40に示すごとく、第1電磁コイル2aを非通電状態から通電状態に切り替える際に、第1磁気回路C1を流れる磁束Φは、第1固定コア5aと第1プランジャ3aとの間の第1ギャップG1と、第1プランジャ3aと接離ヨーク415との間の第3ギャップG3とを流れる。また、第2磁気回路C2を流れる磁束は、上記2つのギャップG1,G3に加えて、接離ヨーク415と第2プランジャ3bとの間の第4ギャップG4と、第2プランジャ3bと第2固定コア5bとの間の第2ギャップG2を流れる。このように、第1回路C1は第2磁気回路C2に比べてギャップの数が少ないため、第1磁気回路C1には強い磁束Φが流れる。そのため、図41に示すごとく、第1プランジャ3aが先に吸引される。そして、第1プランジャ3aが吸引されると、上記ギャップG1,G3が無くなり、第2磁気回路C2の磁気抵抗が小さくなって、第2磁気回路C2に多くの磁束Φが流れる。そのため、図42に示すごとく、第2プランジャ3bが吸引される。
本例の作用効果について説明する。本例では、プランジャ3は、進退動作してもヨーク4に摺接しない。そのため、プランジャ3の磨耗を抑制することができる。プランジャ3がヨーク4に摺接する場合には、プラジャ3の磨耗を防止するために、その表面に固体潤滑剤等の薄膜を形成することが多いが、本例のように、プランジャ3がヨーク4に摺接しないようにすれば、固体潤滑剤の薄膜を形成する必要がなくなる。そのため、プランジャ3の製造コストを低減できる。
その他は、実施例1と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例1において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成等を表す。
(実施例14)
本例は、ヨーク4及びプランジャ3の形状を変更した例である。図44、図45に示すごとく、本例のヨーク4は、互いに平行な2枚の接離ヨーク415,416と、2枚の側壁ヨーク43とを備える。ヨーク4内に、第1電磁コイル2aが設けられている。接離ヨーク415,416には、実施例13と同様に、Z方向に貫通した貫通孔470が形成されている。
第1電磁コイル2aの中心に、第1固定コア5aと第2固定コア5bとが一体化した柱状コア59が設けられている。柱状コア59の一方の端部が第1固定コア5aとされ、柱状コア59の他方の端部が第2固定コア5bとされている。
第2固定コア5bと側壁ヨーク43とは、磁気飽和部49によって接続されている。磁気飽和部49の最小断面積は、側壁ヨーク43又は柱状コア59の最小断面積よりも小さい。第1電磁コイル2aに通電して、第1プランジャ3aが吸引されたときに、磁気飽和部49が磁気飽和するようになっている。
図45に示すごとく、2個のプランジャ3(3a,3b)は板状である。第1プランジャ3aは、第1電磁コイル2aに対して、柱状コア59の軸線方向(Z方向)における一方の側に設けられている。第2プランジャ3bは、第1電磁コイル2aに対して、Z方向における他方の側に設けられている。
図47、図48に示すごとく、プランジャ3の中心350は、固定コア5に吸引される。また、プランジャ3が進退動作すると、プランジャ3の外縁部365は、接離ヨーク415、416の表面に接離する。
図46に示すごとく、第1電磁コイル2aを通電状態にすると磁束Φが発生する。磁束Φの一部は、柱状コア59、第1プランジャ3a、一方の接離ヨーク415、側壁ヨーク43、磁気飽和部49からなる第1磁気回路C1を流れる。また、磁束Φの他の一部は、柱状コア59、第1プランジャ3a、一方の接離ヨーク415、側壁ヨーク43、他方の接離ヨーク415、第2プランジャ3bからなる第2磁気回路C2を流れる。
第1磁気回路C1を流れる磁束Φは、第1固定コア5aと第1プランジャ3aとの間の第1ギャップG1と、第1プランジャ3aと一方の接離ヨーク415との間の第3ギャップG3を通過する。また、第2磁気回路C2を流れる磁束Φは、上記2つのギャップG1,G3に加えて、他方の接離コア416と第2プランジャ3bとの間の第4ギャップG4と、第2プランジャ3bと第2固定コア5bとの間の第2ギャップG2とを通過する。このように、第1磁気回路C1は第2磁気回路C2よりもギャップの数が少ない。そのため、第1磁気回路C1に流れる磁束Φは多く、第2磁気回路C2に流れる磁束Φは少ない。したがって、第1プランジャ3aには強い磁力が発生し、図47に示すごとく、第1プランジャ3aが先に吸引される。
第1プランジャ3aが吸引されると、上記2つのギャップG1,G3が無くなり、磁気抵抗が低下する。そのため、第1磁気回路C1を流れる磁束Φの量が増加する。また、第1磁気回路C1の磁束Φは磁気飽和部49を通過するため、磁束Φが増加した後、磁気飽和部49において磁気飽和する。したがって、磁気飽和部49によって、第1磁気回路C1を流れる磁束Φの量が制限され、代わりに第2磁気回路C2の磁束Φの量が増加する。これにより、第2プランジャ3bに発生する磁力が増大し、図48に示すごとく、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
本例の作用効果について説明する。第1固定コア5aと第2固定コア5bとを一体化しているため、これらを別々に形成する場合と比べて、コア5を小型化することができる。また、部品点数を低減することができるため、ソレノイド装置1の製造コストを低減することが可能になる。
また、本例では、第1磁気回路C1上に磁気飽和部49を設けてあるため、第1プランジャ3aが吸引されて第1磁気回路C1の磁束Φが増加しても、磁気飽和部49によって磁束Φの量を制限することができる。そのため、第2磁気回路C2に流れる磁束Φの量を増やすことができ、第2プランジャ3bを確実に吸引することができる。
その他は、実施例13と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例13において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例13と同様の構成等を表す。
(実施例15)
本例は、プランジャ3の数を変更した例である。図49に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、3個のプランジャ3(3a〜3c)を備える。これら3個のプランジャ3a〜3cは、それぞれ板状に形成されている。本例では、2枚の側壁ヨーク43(43a,43b)のうち一方の側壁ヨーク43aを、第3固定コア439として利用している。この第3固定コア439に、第3プランジャ3cが吸引される。第3固定コア439は第1コア部439aと第2コア部439bとの2つの部分に分けられている。第3プランジャ3cが進退すると、第3プランジャ3cの一方の端部381は第1コア部439aに接離し、他方の端部382は第2コア部439bに接離する。
本例のソレノイド装置1は、実施例14と同様に、第1電磁コイル2aの磁束Φが第1磁気回路C1と第2磁気回路C2を流れる。本例では、これらの磁気回路C1,C2に加えて、第3磁気回路C3に磁束Φが流れる。第3磁気回路C3は、柱状コア59と、接離ヨーク415と、第1コア部439aと、第3プランジャ3cと、第2コア部439bと、磁気飽和部49とからなる。第3プランジャ3cが吸引されていない状態においては、第1コア部439aと第3プランジャ3cとの間に第5ギャップG5が形成されており、第2コア部439bと第3プランジャ3cとの間に第6ギャップG6が形成されている。
第1電磁コイル2aへの通電によって生じた磁束Φは、3つの磁気回路C1,C2,C3に分かれて流れる。第1電磁コイル2aが非通電状態から通電状態に切り替わる際には、第1磁気回路C1の磁束Φは第1ギャップG1と第3ギャップG3とを通過する。また、第2磁気回路C2の磁束Φは、4個のギャップG1,G3,G2,G4を通過する。また、第3磁気回路C3の磁束Φは、4個のギャップG1,G3,G5,G6を通過する。このように、第1磁気回路C1は、第2磁気回路C2又は第3磁気回路C3よりもギャップGの数が少ない。そのため、第1磁気回路C1には多くの磁束Φが流れ、第2磁気回路C2と第3磁気回路C3に流れる磁束Φの量は少ない。したがって、第1プランジャ3aが先に吸引される。
第1プランジャ3aが吸引されると、第1ギャップG1と第3ギャップG3が無くなり、磁気抵抗が低下して、第1磁気回路C1を流れる磁束Φの量が増加する。第1磁気回路C1の磁束Φは磁気飽和部49を通過するため、磁束Φが増加した後、磁気飽和部49において磁気飽和する。そのため、第1磁気回路C1の磁束Φの量が、磁気飽和部49によって制限され、代わりに第2磁気回路C2と第3磁気回路C3の磁束Φの量が増加する。これにより、第2プランジャ3bと第3プランジャ3cに作用する磁力が増大し、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引されると共に、第3プランジャ3cが側壁ヨーク43aに吸引される。
本例の作用効果について説明する。上記構成にすると、より多くのプランジャ3を進退させることが可能になる。また、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bが吸引される方向は互いに逆向きであり、第3プランジャ3cが吸引される方向は、第1プランジャ3a及び第2プランジャ3bの吸引方向に対して直交している。そのため、第1電磁コイル2aに通電していない時に、外部からの振動によってプランジャ3a〜3cが揺動しても、これらのプランジャ3a〜3cが同時にヨーク4に接近することがなくなる。そのため、例えばソレノイド装置1によって電磁継電器10を構成した場合には、各々のプランジャ3によって開閉されるスイッチ(図示せず)が同時にオンすることを防止できる。
その他は、実施例14と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例14において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例14と同様の構成等を表す。
(実施例16)
本例は、プランジャ3の数および位置を変更した例である。図50に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、板状に形成された2枚のプランジャ3(3a,3b)を備える。また、実施例14と同様に、第1電磁コイル2aの中心には柱状コア59を設けてある。この柱状コア59の一方の端部に第1固定コア5aを構成してある。柱状コア59の他方の端部は磁気飽和部49に接続している。
本例では、2枚の側壁ヨーク43(43a,43b)のうち一方の側壁ヨーク43aを、第2固定コア5bとして利用している。第2固定コア5bは、接離ヨーク415に接続した第1コア部501と、磁気飽和部49に接続した第2コア部502とからなる。第2プランジャ3bが吸引されていない状態においては、第1コア部501と第2プランジャ3bとの間に第2ギャップG2が形成されており、第2コア部502と第2プランジャ3bとの間に第4ギャップG4が形成されている。
第1電磁コイル2aへの通電によって生じた磁束Φは、第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とに分かれて流れる。本例の第2磁気回路C2は、柱状コア59と、接離ヨーク415と、第1コア部501と、第2ヨーク3bと、第2コア部502と、磁気飽和部49とからなる。第1電磁コイル2aが非導通状態から導通状態に切り替わる際には、第1磁気回路C1の磁束Φは第1ギャップG1と第3ギャップG3とを通過する。また、第2磁気回路C2の磁束Φは、上記第1ギャップG1と第3ギャップG3に加えて、第2ギャップG2と第4ギャップG4を通過する。このように、第1磁気回路C1は、第2磁気回路C2よりもギャップGの数が少ない。そのため、第1磁気回路C1には多くの磁束Φが流れ、第2磁気回路C2に流れる磁束Φの量は少ない。したがって、第1プランジャ3aが先に吸引される。
第1プランジャ3aが吸引されると、第1ギャップG1と第3ギャップG3が無くなり、磁気抵抗が低下して、第1磁気回路C1を流れる磁束Φの量が増加する。第1磁気回路C1の磁束Φは磁気飽和部49を通過するため、磁束Φが増加した後、磁気飽和部49において磁気飽和する。そのため、第1磁気回路C1の磁束Φの量が、磁気飽和部49によって制限され、第2磁気回路C2の磁束Φの量が増加する。これにより、第2プランジャ3bに作用する磁力が増大し、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
本例の作用効果について説明する。本例では、第1プランジャ3aと第2プランジャ3bが吸引される方向が、互いに直交している。そのため、第1電磁コイル2aに通電していない時に、外部からの振動によってプランジャ3a,3bが揺動しても、この2つのプランジャ3a,3bが同時に固定コア5(5a,5b)に接近することがなくなる。そのため、ソレノイド装置1によって電磁継電器10を構成した場合には、個々のプランジャ3a,3bによって開閉されるスイッチ(図示せず)が同時にオンすることを防止できる。
その他は、実施例14と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例14において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例14と同様の構成等を表す。
(実施例17)
本例は、プランジャ3の数および位置を変更した例である。図51に示すごとく、本例のソレノイド装置1は、板状に形成された2枚のプランジャ3(3a,3b)を備える。本例では、実施例16と同様に、2枚の側壁ヨーク43(43a,43b)のうち一方の側壁ヨーク43aを、第2固定コア5bとして利用している。第2固定コア5bは、接離ヨーク415に接続した第1コア部501と、磁気飽和部49に接続した第2コア部502と、これら第1コア部501と第2コア部502との間に配された第3コア部503とからなる。
第3コア部503と柱状コア59との間には、補助ヨーク485を設けてある。また、磁気飽和部49には、樹脂製の平板状部材119を設けてある。第2プランジャ3bのプランジャ側ばね部材11dは、その一部分が、平板状部材119に取り付けられている。
第2プランジャ3bが吸引されていない状態においては、第2プランジャ3bと第1コア部501との間に第2ギャップG2が形成されており、第2プランジャ3b第2コア部502との間に第4ギャップG4が形成されている。また、第2プランジャ3bと第3コア部503との間に第5ギャップG5が形成されている。
第1電磁コイル2aへの通電によって生じた磁束Φは、第1磁気回路C1と第2磁気回路C2とに分かれて流れる。本例の第2磁気回路C2は、柱状コア59と、第1プランジャ3aと、接離ヨーク415と、第1コア部501と、第2ヨーク3bと、第2コア部502と、磁気飽和部49とからなる。第1電磁コイル2aが非導通状態から導通状態に切り替わる際には、第1磁気回路C1の磁束Φは第1ギャップG1と第3ギャップG3とを通過する。また、第2磁気回路C2の磁束Φは、第1ギャップG1と第3ギャップG3に加えて、第2ギャップG2と第4ギャップG4を通過する。このように、第1磁気回路C1は、第2磁気回路C2よりもギャップG2の数が少ない。そのため、第1磁気回路C1には多くの磁束Φが流れ、第2磁気回路C2に流れる磁束Φの量は少ない。したがって、第1プランジャ3aが先に吸引される。
また、第2磁気回路C2を流れる磁束Φの一部は、途中で分岐して、第3コア部503と、補助ヨーク485とを通り、柱状コア59へ流れる。
第1プランジャ3aが吸引されると、第1ギャップG1と第3ギャップG3が無くなり、磁気抵抗が低下して、第1磁気回路C1を流れる磁束Φの量が増加する。第1磁気回路C1の磁束Φは磁気飽和部49を通過するため、磁束Φが増加した後、磁気飽和部49において磁気飽和する。そのため、第1磁気回路C1の磁束Φの量が、磁気飽和部49によって制限され、第2磁気回路C2の磁束Φの量が増加する。これにより、第2プランジャ3bに作用する磁力が増大し、第2プランジャ3bが第2固定コア5bに吸引される。
本例の作用効果について説明する。本例では、第2プランジャ3bのプランジャ側ばね部材11dの一部分を、平板状部材119に取り付けることができる。そのため、実施例16(図50参照)のように、プランジャ側ばね部材11dを全て第1電磁コイル2aの表面(湾曲した面)に取り付ける場合と比べて、製造時に、プランジャ側ばね部材11dを取り付けやすい。そのため、ソレノイド装置1を製造しやすくなる。
その他は、実施例16と同様である。また、本例に関する図面に用いた符号のうち、実施例16において用いた符合と同一のものは、特に示さない限り、実施例16と同様の構成等を表す。
1 ソレノイド装置
2a 第1電磁コイル
3a 第1プランジャ
3b 第2プランジャ
4 ヨーク
5a 第1固定コア
5b 第2固定コア
C1 第1磁気回路
C2 第2磁気回路
G1 第1ギャップ
G2 第2ギャップ

Claims (15)

  1. ソレノイド装置(1)の動作方法であって、
    該ソレノイド装置(1)は、
    通電により磁束を発生する第1電磁コイル(2a)と、
    該第1電磁コイル(2a)への通電に伴って進退する第1プランジャ(3a)及び第2プランジャ(3b)と、
    上記第1プランジャ(3a)の進退方向に該第1プランジャ(3a)に対向配置された第1固定コア(5a)と、
    上記第2プランジャ(3b)の進退方向に該第2プランジャ(3b)に対向配置された第2固定コア(5b)と、
    上記第1プランジャ(3a)、上記第1固定コア(5a)、上記第2プランジャ(3b)、及び上記第2固定コア(5b)と共に上記磁束が流れる磁気回路を構成するヨーク(4)とを備え、
    上記第1電磁コイル(2a)に通電していない非通電状態においては、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)との間に第1ギャップ(G1)が形成されていると共に、上記第2プランジャ(3b)と上記第2固定コア(5b)との間に第2ギャップ(G2)が形成されており、
    上記第1電磁コイル(2a)に通電した通電状態においては、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)と上記ヨーク(4)とを通る第1磁気回路(C1)と、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)と上記第2プランジャ(3b)と上記第2固定コア(5b)と上記ヨーク(4)とを通る第2磁気回路(C2)とに、それぞれ上記磁束が流れ、
    上記第1磁気回路(C1)に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第1プランジャ(3a)を上記第1固定コア(5a)へ吸引し、上記第2磁気回路(C2)に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第2プランジャ(3b)を上記第2固定コア(5b)へ吸引できるよう構成されており、
    上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路(C1)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)を通過し、上記第2磁気回路(C2)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)と上記第2ギャップ(G2)との双方を通過するよう構成されており、
    上記第1磁気回路(C1)上に存在する上記ヨーク(4)には、局所的に磁気飽和する磁気飽和部(49)が形成されており、
    上記ソレノイド装置(1)を上記非通電状態にすることにより、上記第1プランジャ(3a)が上記第1固定コア(5a)から離隔すると共に上記第2プランジャ(3b)が上記第2固定コア(5b)から離隔した両離隔モードと、上記通電状態にすることにより、上記第1プランジャ(3a)を上記第1固定コア(5a)に吸引し、次いで、上記第2プランジャ(3b)を上記第2固定コア(5b)に吸引する順次吸引モードとを行う、ソレノイド装置(1)の動作方法。
  2. 請求項1に記載のソレノイド装置(1)の動作方法であって、上記ソレノイド装置(1)は第1スイッチ(19a)及び第2スイッチ(19b)を備える電磁継電器(10)に用いられ、上記第1プランジャ(3a)によって上記第1スイッチ(19a)を開閉し、上記第2プランジャ(3b)によって上記第2スイッチ(19b)を開閉する、ソレノイド装置(1)の動作方法。
  3. 通電により磁束を発生する第1電磁コイル(2a)と、
    該第1電磁コイル(2a)への通電に伴って進退する第1プランジャ(3a)及び第2プランジャ(3b)と、
    上記第1プランジャ(3a)の進退方向に該第1プランジャ(3a)に対向配置された第1固定コア(5a)と、
    上記第2プランジャ(3b)の進退方向に該第2プランジャ(3b)に対向配置された第2固定コア(5b)と、
    上記第1プランジャ(3a)、上記第1固定コア(5a)、上記第2プランジャ(3b)、及び上記第2固定コア(5b)と共に上記磁束が流れる磁気回路を構成するヨーク(4)とを備え、
    上記第1電磁コイル(2a)に通電していない非通電状態においては、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)との間に第1ギャップ(G1)が形成されていると共に、上記第2プランジャ(3b)と上記第2固定コア(5b)との間に第2ギャップ(G2)が形成されており、
    上記第1電磁コイル(2a)に通電した通電状態においては、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)と上記ヨーク(4)とを通る第1磁気回路(C1)と、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)と上記第2プランジャ(3b)と上記第2固定コア(5b)と上記ヨーク(4)とを通る第2磁気回路(C2)とに、それぞれ上記磁束が流れ、
    上記第1磁気回路(C1)に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第1プランジャ(3a)を上記第1固定コア(5a)へ吸引し、上記第2磁気回路(C2)に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第2プランジャ(3b)を上記第2固定コア(5b)へ吸引できるよう構成されており、
    上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路(C1)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)を通過し、上記第2磁気回路(C2)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)と上記第2ギャップ(G2)との双方を通過するよう構成され、
    上記第1電磁コイル(2a)は、別々に通電可能な第1コイル部分(21)と第2コイル部分(22)とを有し、上記第1コイル部分(21)は、上記第1プランジャ(3a)の進退方向において上記第2コイル部分(22)よりも上記第1固定コア(5a)に近い位置に配されており、上記ヨーク(4)には、上記第1コイル部分(21)と上記第2コイル部分(22)との間に配される中間ヨーク(46)と、上記第1プランジャ(3a)の進退方向において上記中間ヨーク(46)よりも上記第1固定コア(5a)から遠い位置に設けられ上記第1プランジャ(3a)及び上記第2プランジャ(3b)が摺接する摺接ヨーク(41)とがあり、上記第1コイル部分(21)と上記第2コイル部分(22)とのうち上記第1コイル部分(21)のみに通電したときには、上記中間ヨーク(46)と上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)とを流れる磁束により生じる磁力によって、上記第1プランジャ(3a)が上記第1固定コア(5a)に吸引され、上記第1コイル部分(21)と上記第2コイル部分(22)とのうち上記第2コイル部分(22)のみに通電したときには、上記中間ヨーク(46)と上記第1プランジャ(3a)と上記摺接ヨーク(41)とを流れる磁束により生じる磁力によって、上記第1プランジャ(3a)が上記摺接ヨーク(41)に吸引され、該第1プランジャ(3a)が上記第1固定コア(5a)から離隔するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  4. 請求項3に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1磁気回路(C1)上に存在する上記ヨーク(4)には、局所的に磁気飽和する磁気飽和部(49)が形成されており、該磁気飽和部(49)によって、上記第1磁気回路(C1)に流れる上記磁束の量を制限するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  5. 請求項3又は4に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1プランジャ(3a)には、径方向に拡径した鍔部(38)が形成されており、上記非通電状態では、上記第1プランジャ(3a)の進退方向における、上記鍔部(38)から摺接ヨーク(41)までの長さ(L1)は、上記中間ヨーク(46)から上記鍔部(38)までの長さ(L2)よりも短いことを特徴とするソレノイド装置(1)。
  6. 通電により磁束を発生する第1電磁コイル(2a)と、
    該第1電磁コイル(2a)への通電に伴って進退する第1プランジャ(3a)及び第2プランジャ(3b)と、
    上記第1プランジャ(3a)の進退方向に該第1プランジャ(3a)に対向配置された第1固定コア(5a)と、
    上記第2プランジャ(3b)の進退方向に該第2プランジャ(3b)に対向配置された第2固定コア(5b)と、
    上記第1プランジャ(3a)、上記第1固定コア(5a)、上記第2プランジャ(3b)、及び上記第2固定コア(5b)と共に上記磁束が流れる磁気回路を構成するヨーク(4)とを備え、
    上記第1電磁コイル(2a)に通電していない非通電状態においては、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)との間に第1ギャップ(G1)が形成されていると共に、上記第2プランジャ(3b)と上記第2固定コア(5b)との間に第2ギャップ(G2)が形成されており、
    上記第1電磁コイル(2a)に通電した通電状態においては、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)と上記ヨーク(4)とを通る第1磁気回路(C1)と、上記第1プランジャ(3a)と上記第1固定コア(5a)と上記第2プランジャ(3b)と上記第2固定コア(5b)と上記ヨーク(4)とを通る第2磁気回路(C2)とに、それぞれ上記磁束が流れ、
    上記第1磁気回路(C1)に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第1プランジャ(3a)を上記第1固定コア(5a)へ吸引し、上記第2磁気回路(C2)に上記磁束が流れることにより生じる磁力により、上記第2プランジャ(3b)を上記第2固定コア(5b)へ吸引できるよう構成されており、
    上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路(C1)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)を通過し、上記第2磁気回路(C2)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)と上記第2ギャップ(G2)との双方を通過するよう構成され、
    通電によって磁束が発生する第2電磁コイル(2b)と、該第2電磁コイル(2b)への通電によって進退する第3プランジャ(3c)と、該第3プランジャ(3c)の進退方向に該第3プランジャ(3c)に対向配置された第3固定コア(5c)とを備え、上記第1電磁コイル(5a)への通電によって上記第1プランジャ(3a)と上記第2プランジャ(3b)とを吸引した後、上記第2電磁コイル(2b)へ通電することにより、上記第3プランジャ(3c)を上記第3固定コア(5c)へ吸引するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  7. 請求項6に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1電磁コイル(2a)への通電の後、上記第2電磁コイル(2b)へ通電することにより、該第2電磁コイル(2b)への通電によって発生した磁束が上記第2プランジャ(3b)にも流れるよう構成されており、上記第2電磁コイル(2b)へ通電した後、上記第1電磁コイル(2a)への通電を停止することにより、上記第2電磁コイル(2b)の磁束によって上記第2プランジャ(3b)と上記第3プランジャ(3c)とを吸引させた状態で、上記第1プランジャ(3a)のみを吸引解除するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1電磁コイル(2a)へ通電する前に、上記第2電磁コイル(2b)へ通電した場合には、上記第1プランジャ(3a)と上記第2プランジャ(3b)と上記第3プランジャ(3c)とのうち、上記第3プランジャ(3c)のみ吸引するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載のソレノイド装置(1)において、上記第2プランジャ(3b)は、上記第2固定コア(5b)に吸引される本体部(300)と、該本体部(300)から上記進退方向における上記第2固定コア(5b)の反対側に突出する縮径部(31)と、該縮径部(31)に形成され該縮径部(31)よりも拡径した拡径部(32)とを備え、上記本体部(300)と上記縮径部(31)と上記拡径部(32)とは軟磁性体からなり、上記ヨーク(4)は、上記第2プランジャ(3b)の上記本体部(300)が摺接する第1部分(41a)と、該第1部分(41a)から離隔し上記第3プランジャ(3c)が摺接する第2部分(41b)とを有し、上記第2プランジャ(3b)が上記第2固定コア(5b)に吸引された吸引状態においては、上記拡径部(32)が上記第2部分(41b)に接近して、上記第2プランジャ(3b)と上記第2部分(41b)との間隔が相対的に狭くなり、上記第2プランジャ(3b)が上記第2固定コア(5b)に吸引されない非吸引状態においては、上記拡径部(32)が上記第2部分(41b)から離隔すると共に上記第2部分(41b)の近傍に上記縮径部(31)が移動して、上記第2プランジャ(3b)と上記第2部分(41b)との間隔が上記吸引状態よりも広くなるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  10. 請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載のソレノイド装置(1)において、上記第2プランジャ(3b)は、上記第2固定コア(5b)に吸引される本体部(300)と、該本体部(300)よりも拡径した拡径部(32)とを備え、上記本体部(300)と上記拡径部(32)とは軟磁性体からなり、上記ヨーク(4)は、上記第2プランジャ(3b)の上記本体部(300)および上記第1プランジャ(3a)が摺接する第1部分(41a)と、該第1部分(41a)から離隔し上記第3プランジャ(3c)が摺接する第2部分(41b)と、上記第3固定コア(5c)に接続した第3部分(41c)と、上記第2固定コア(5b)及び上記第1固定コア(5a)に接続した第4部分(41d)と、上記第1部分(41a)と上記第3部分(41c)とを接続する第5部分(41e)と、上記第2部分(41b)と上記第3部分(41c)とを接続する第6部分(41f)とを有し、上記第3部分(41c)と上記第4部分(41d)との間には、これらの間に磁束が流れることを抑制する切欠部(450)が形成されており、上記第2プランジャ(3b)が上記第2固定コア(5b)に吸引された吸引状態においては、上記拡径部(32)が上記第2部分(41b)に接近して、上記第2プランジャ(3b)から上記第2部分(41b)までの最短距離が相対的に短くなり、上記第2プランジャ(3b)が上記第2固定コア(5b)に吸引されない非吸引状態においては、上記拡径部(32)が上記第2部分(41b)から離隔して、上記第2プランジャ(3b)から上記第2部分(41b)まで最短距離が上記吸引状態よりも長くなるよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  11. 請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1プランジャ(3a)と上記第2プランジャ(3b)と上記第3プランジャ(3c)との3本のプランジャ(3)のうち、1本の上記プランジャ(3)の中心軸線は、他の2本の上記プランジャ(3)の中心軸線とは異なる方向を向いていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  12. 請求項6〜請求項11のいずれか1項に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1プランジャ(3a)と上記第2プランジャ(3b)と上記第3プランジャ(3c)との3本のプランジャ(3)のうち、少なくとも一方のプランジャ(3)には、該プランジャ(3)の径方向に突出した鍔部(38)が形成され、上記磁束が上記鍔部(38)を通るよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  13. 請求項6〜請求項12のいずれか一項に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1プランジャ(3a)と上記第2プランジャ(3b)との2つのプランジャ(3)は板状に形成され、該プランジャ(3)は板厚方向に進退し、該プランジャ(3)の進退動作に伴って、該プランジャ(3)が上記ヨーク(4)の表面に接離するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  14. 請求項13に記載のソレノイド装置(1)において、上記第1電磁コイル(2a)の中心に、上記第1固定コア(5a)と上記第2固定コア(5b)とが一体化した柱状コア(59)が挿通され、上記第1プランジャ(3a)は、上記第1電磁コイル(2a)に対して、上記柱状コア(59)の軸線方向における一方の側に設けられ、上記第2プランジャ(3b)は、上記第1電磁コイル(2a)に対して、上記軸線方向における他方の側に設けられていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
  15. 請求項13または請求項14に記載のソレノイド装置(1)において、上記非通電状態において、上記第1プランジャ(3a)と上記ヨーク(4)との間に第3ギャップ(G3)が形成され、上記第2プランジャ(3b)と上記ヨーク(4)との間に第4ギャップ(G4)が形成されており、上記非通電状態から上記通電状態に切り替わる際には、上記第1磁気回路(C1)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)と上記第3ギャップ(G3)とを通過し、上記第2磁気回路(C2)に流れる上記磁束は上記第1ギャップ(G1)と上記第3ギャップ(G3)と上記第4ギャップ(G4)と上記第2ギャップ(G2)とを通過するよう構成されていることを特徴とするソレノイド装置(1)。
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