JP6658405B2 - 電磁駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁吸引力とばね力により可動コアを駆動する電磁駆動装置に関するものである。
従来、この種の電磁駆動装置を備える電磁継電器として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された電磁継電器は、通電時に磁界を形成するコイル、往復動する可動コア、コイルへの通電時に可動コアを吸引する固定コア、可動コアを固定コアから離れる向きに付勢する復帰ばね、外部電気回路に接続される固定接触子、可動コアに追従移動して固定接触子と接離する可動接触子、可動接触子を固定接触子側に向かって付勢する接圧ばね等を備えている。
特開2015−170562号公報
ここで、固定コアと可動コアとの間の、可動コア往復動方向の隙間寸法をギャップ寸法とし、可動コアを可動コアの往復動方向に吸引する吸引力を駆動吸引力としたとき、従来の電磁駆動装置は、可動コアが吸引されてギャップ寸法が小さくなるのに伴って、駆動吸引力が略2次曲線的に大きくなる(図4参照)。
したがって、ギャップ寸法が小さい領域では大きな駆動吸引力が得られるものの、ギャップ寸法が大きい領域(すなわち可動コアが固定コア側に向かって移動を開始する領域)では、大きな駆動吸引力が得にくいという問題がある。このため、ギャップ寸法が大きい領域で大きな駆動吸引力を得ようとすると、例えばコイルを大きくする必要がある。
また、復帰ばねおよび接圧ばねを用いる場合は、それらのばねの合力はギャップ寸法が小さくなるのに伴って直線的に大きくなるとともに、可動接触子と固定接触子とが当接した時点で階段状に急増する(図4参照)。したがって、このばね合力が急増する際にばね合力よりも大きな駆動吸引力を得ようとすると、例えばコイルを大きくする必要がある。
本発明は上記点に鑑みて、ギャップ寸法が大きい領域での駆動吸引力を増加させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、通電時に磁界を形成するコイル(14)と、磁束が流れる磁気回路を構成し、往復動する可動コア(18)と、磁束が流れる磁気回路を構成し、コイルへの通電時に可動コアを吸引する固定コア(17)と、可動コアを固定コアから離れる向きに付勢するばね(19)とを備え、固定コアと可動コアとの間の、可動コアの往復動方向の隙間寸法をギャップ寸法(G)とし、可動コアを可動コアの往復動方向に吸引する吸引力を駆動吸引力としたとき、固定コアは、主磁気回路および副磁気回路を有し、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、ギャップ寸法の減少に伴って増加し、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、ギャップ寸法が小さい領域よりもギャップ寸法が大きい領域の方が大きくなる。コイルへの通電遮断時にばねに付勢されて可動コアが移動する向きを通電遮断時移動向きとしたとき、固定コアにおける通電遮断時移動向き側の先端部(177)の位置が、固定コアの周方向に沿って変化している。
これによると、副磁気回路を設けたことにより、ギャップ寸法が大きい領域での駆動吸引力を増加させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る電磁駆動装置を備える電磁継電器の構成を示す断面図である。 図1の電磁駆動装置におけるギャップが大きい領域での作動状態を示す要部拡大断面図である。 図1の電磁駆動装置におけるギャップが小さい領域での作動状態を示す要部拡大断面図である。 図1の電磁駆動装置における駆動吸引力の特性を示す図である。 第1実施形態に係る電磁駆動装置の変形例を示す要部の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電磁駆動装置を備える電磁継電器の構成を示す断面図である。 図6の電磁駆動装置における駆動吸引力の特性を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電磁駆動装置の要部を示す斜視図である。 図8の電磁駆動装置における駆動吸引力の特性を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る電磁駆動装置を示す要部の断面図である。 図10の固定コアの斜視図である。 第4実施形態に係る電磁駆動装置の変形例を示す要部の正面図である。 図12の固定コアの斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る電磁駆動装置を示す要部の断面図である。 図14の固定コアの斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る電磁駆動装置におけるギャップが大きい領域での作動状態を示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係る電磁駆動装置におけるギャップが大きい領域での作動状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、各実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
図1〜図3に示すように、電磁継電器は、樹脂製のケース10を備え、ナイロン等の樹脂よりなる略円筒状のベース11および他の構成部品がケース10内に収容されている。
ベース11には、導電金属製の板材よりなる一対の固定片12が固定されている。固定片12は、一端側が電磁継電器内に位置し、他端側が外部空間に突出している。固定片12における電磁継電器内の端部には、導電金属製の固定接点13がかしめ固定されている。固定片12における外部空間側の端部は、外部電気回路(図示せず)に接続されている。
通電時に磁界を形成する円筒状のコイル14が、ベース11の一端側に配置されている。ベース11とコイル14との間には、磁性体金属材料よりなる鍔付き円筒状のプレート15が配置されている。コイル14の反ベース側および外周側には、強磁性体金属材料よりなるU字状のヨーク16が配置されている。
コイル14の内周側空間には、強磁性体金属材料よりなる有底円筒状の固定コア17(詳細後述)が配置され、固定コア17はヨーク16の底部に接合されている。
コイル14の内周側空間内において、固定コア17に対向する位置には、強磁性体金属材料よりなる円柱状の可動コア18(詳細後述)が配置されている。可動コア18はプレート15の円筒部にて摺動自在に保持されている。
また、固定コア17と可動コア18との間には、可動コア18を固定コア17から離れる向きに付勢する復帰ばね19が挟持されている。そして、コイル通電時には、可動コア18は復帰ばね19に抗して固定コア17側に吸引される。換言すると、可動コア18は、可動コア18の軸線方向(すなわち、図1紙面上下方向)に往復動するようになっている。以下、可動コア18の往復動方向を、コア往復動方向という。また、コア往復動方向に対して垂直な方向を、コア径方向という。
なお、プレート15、ヨーク16、固定コア17、および可動コア18は、コイル14により誘起された磁束が流れる磁気回路を構成する。
可動コア18における反固定コア側には、電気絶縁性に富む樹脂よりなる円柱状の絶縁碍子20が接合されている。
ベース11の内部空間には、導電金属製の板材よりなる可動片21が配置されている。可動片21には、固定接点13に対向する位置に導電金属製の可動接点22がかしめ固定されている。可動片21は、接圧ばね23により固定片12および絶縁碍子20側に向かって付勢されている。
固定コア17は、可動コア18から最も離れた位置の固定コア底部170と、内径がテーパ状に変化する固定コアテーパ面171が形成された固定コアテーパ部172と、内径が一定の固定コア円形面173が形成された固定コア円筒部174とを備えている。
固定コアテーパ面171は、具体的には、可動コア18側に向かって内径が漸増する。また、固定コア円形面173は、固定コアテーパ面171における可動コア18側端部から、可動コア18側に向かって延びている。
固定コア17の外周面には、環状の固定コア環状溝175が形成されている。これにより、固定コア環状溝175の内周側で、且つ固定コアテーパ部172と固定コア円筒部174との境界部に、固定コアテーパ部172および固定コア円筒部174よりも磁路面積が小さい磁気絞り部176が形成されている。この磁気絞り部176は,後述するギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和するように磁路面積が設定されている。
可動コア18は、固定コア底部170側に向かって延びる可動コアストッパ部180と、外径がテーパ状に変化する可動コアテーパ面181が形成された可動コアテーパ部182と、外径が一定の可動コア円形面183が形成された可動コア円柱部184とを備えている。
可動コア18が固定コア17側に吸引されたときには、可動コアストッパ部180が固定コア底部170に当接することにより、可動コア18の移動範囲が規定されるようになっている。以下、可動コアストッパ部180と固定コア底部170との間の、コア往復動方向の隙間寸法Gをギャップ寸法Gという。
可動コアテーパ面181は、具体的には、固定コア17側に向かって外径が漸減する。また、可動コア円形面183は、可動コアテーパ面181における反固定コア側端部から、反固定コア側に向かって延びている。
なお、固定コア17は、従来の電磁継電器と比較して、固定コア円筒部174の分を長くしている。これにより、ギャップ寸法Gが最大のときの、固定コア円形面173と可動コアテーパ面181との間の隙間が、従来の電磁継電器における固定コアテーパ面と可動コアテーパ面との間の隙間よりも小さくなっている。
次に、作動を説明する。まず、コイル14に通電すると、可動コア18および絶縁碍子20が、電磁吸引力により復帰ばね19に抗して固定コア17側に吸引され、可動片21は接圧ばね23に付勢されて可動コア18等に追従して移動する。これにより、可動接点22が対向する固定接点13に当接し、可動片21を介して一対の固定子13間が導通する。因みに、可動接点22が固定接点13に当接した後、さらに可動コア18等が固定コア17側に向かって移動し、絶縁碍子20と可動片21は離れる。
一方、コイル14への通電が遮断されると、可動コア18、絶縁碍子20および可動片21が、復帰ばね19により接圧ばね23に抗して反固定コア側に付勢される。これにより、可動接点22が固定接点13から離され、一対の固定子13間の導通が遮断される。
次に、コイル14に通電した際の、磁束の流れ等について、図2〜図4に基づいて詳述する。なお、以下の説明では、可動コア18をコア往復動方向に吸引する吸引力を駆動吸引力といい、可動コア18をコア径方向に吸引する吸引力を非駆動吸引力という。
図4において、実線は本実施形態に係る電磁駆動装置の駆動吸引力を示し、破線は従来の電磁駆動装置の駆動吸引力を示している。また、図4の一点鎖線は、復帰ばね19のばね力と接圧ばね23のばね力の合力を示している。
コイル14に通電していないとき、すなわちギャップ寸法Gが最大のときには、図2に示すように、固定コア円形面173における可動コア18側の先端部である固定コア先端部177は、可動コアテーパ面181のコア径方向に位置している。そして、このときには、固定コア円形面173と可動コアテーパ面181との間の隙間が、固定コアテーパ面171と可動コアテーパ面181との間の隙間よりも、小さくなっている。
図2に示すように、コイル14への通電を開始すると、コイル14により誘起された磁束は、矢印Aのように可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面171に流れるとともに、矢印Bのように可動コアテーパ面181から固定コア円形面173に流れる。
そして、可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面171へ流れた磁束は、固定コア円筒部174および磁気絞り部176をバイパスし、固定コアテーパ部172を通ってヨーク16へ流れる。このように、磁束が固定コア円筒部174および磁気絞り部176をバイパスする磁気回路を、以下、主磁気回路という。
一方、可動コアテーパ面181から固定コア円形面173へ流れた磁束は、固定コア円筒部174、磁気絞り部176、および固定コアテーパ部172を通ってヨーク16へ流れる。このように、磁束が固定コア円筒部174および磁気絞り部176を通る磁気回路を、以下、副磁気回路という。
ギャップ寸法Gが最大のときには、図2に矢印Bで示すように、隙間が小さい固定コア円形面173と可動コアテーパ面181との間を磁束が流れ易いため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力および副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力のうち、主に後者の駆動吸引力により可動コア18が固定コア17側に吸引され始める。
可動コア18が固定コア17側に駆動されるのに伴って、換言すると、ギャップ寸法Gの減少に伴って、固定コアテーパ面171と可動コアテーパ面181との間の隙間が小さくなっていくため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が略2次曲線的に増加する。ただし、副磁気回路に磁束が流れる分、主磁気回路を流れる磁束が減少するため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、従来よりも減少する。
そして、ギャップ寸法が大きい領域では、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は従来よりも減少するものの、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が上乗せされるため、図4に示すように、合計の駆動吸引力を従来よりも増加させることができる。
また、前述したように、ギャップ寸法Gが最大のときの、固定コア円形面173と可動コアテーパ面181との間の隙間が、従来の電磁継電器における固定コアテーパ面と可動コアテーパ面との間の隙間よりも小さくなっているため、ギャップ寸法Gが最大のときの駆動吸引力を従来よりも増加させることができる。
また、可動コアテーパ面181と可動コア円形面183の境界部である可動コア境界部185と、固定コア先端部177とが、コア径方向に重なる位置のときに、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が最大になる。
そこで、本実施形態では、復帰ばね19のばね力と接圧ばね23のばね力の合力が急変する領域で、可動コア境界部185と固定コア先端部177とがコア径方向に重なるようにして、ばね合力が急増する領域で、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が最大になるようにしている。これにより、ばね合力が急増する際にばね合力よりも大きな駆動吸引力を容易に得ることができる。
図3に示すように、可動コア18が固定コア17側に吸引されてギャップ寸法Gが小さくなると、コイル14により誘起された磁束は、可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面171に流れる。また、可動コア円形面183と固定コア円形面173がコア径方向に重なるようになるため、コイル14により誘起された磁束は、可動コアテーパ面181から固定コア円形面173に流れるとともに、可動コア円形面183から固定コア円形面173にも流れる。
そして、可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面171へ流れた磁束は、固定コア円筒部174および磁気絞り部176をバイパスし、固定コアテーパ部172を通ってヨーク16へ流れる。
ギャップ寸法Gが小さくなるのに伴って、可動コアテーパ面181と固定コアテーパ面171との間の隙間が小さくなるため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、ギャップ寸法Gが小さくなるのに伴って増加する。
一方、可動コアテーパ面181および可動コア円形面183から固定コア円形面173へ流れた磁束は、固定コア円筒部174、磁気絞り部176、および固定コアテーパ部172を通ってヨーク16へ流れる。すなわち、可動コア円形面183から固定コア円形面173へ流れる磁束も、副磁気回路を流れる。
そして、図3に矢印Bで示すように、可動コアテーパ面181および可動コア円形面183から固定コア円形面173へ流れる磁束のベクトルは、ギャップ寸法Gが小さくなるのに伴ってコア往復動方向から次第にコア径方向に近づいていき、非駆動吸引力が増加する。すなわち、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、ギャップ寸法Gが小さい領域よりもギャップ寸法Gが大きい領域の方が大きくなる。
したがって、ギャップ寸法が小さい領域では、ギャップ寸法が小さくなるのに伴って、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は増加するものの、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は減少するため、図4に示すように、合計の駆動吸引力は従来よりも減少する。
ここで、ギャップ寸法Gが小さい領域では、可動コアテーパ面181および可動コア円形面183と固定コア円形面173との間の隙間が小さいため、その隙間を通過する磁束量が増加する。ただし、本実施形態では、ギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和する磁気絞り部176により、副磁気回路を流れる磁束が制限される。また、磁気飽和に達しない領域、すなわち、ギャップ寸法Gが所定量以上で且つギャップ寸法Gが所定量に近い領域においても、磁束量の増加により磁気絞り部176での磁気抵抗が増加して、副磁気回路を流れる磁束が制限される。
したがって、副磁気回路を流れる磁束が制限される分、主磁気回路を流れる磁束量が増加し、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力を増加させることができる。
本実施形態によると、下記の(a)〜(c)の効果が得られる。
(a)副磁気回路を設けたことにより、ギャップ寸法Gが大きい領域での駆動吸引力を増加させることができる。
(b)磁気絞り部176により副磁気回路を流れる磁束が制限されるため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力の減少を抑制することができる。
(c)副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が、ばね合力が急増する領域で最大になるように設定することにより、ばね合力が急増する領域でばね合力よりも大きな駆動吸引力を容易に得ることができる。
なお、上記実施形態においては、固定コア17の外周面に環状の固定コア環状溝175を形成したが、図5に示す変形例のように、固定コア17の内周面に環状の固定コア環状溝175を形成してもよい。
(第2施形態)
第2実施形態について、図6、図7を用いて説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
図6に示すように、本実施形態では、第1実施形態の接圧ばね23が廃止されている。また、可動片21と絶縁碍子20は接合されて、可動片21と絶縁碍子20が一体的に移動するようになっている。
次に、作動を説明する。まず、コイル14に通電すると、可動コア18、絶縁碍子20および可動片21が、電磁吸引力により復帰ばね19に抗して固定コア17側に吸引され、可動接点22が固定接点13に当接し、可動片21を介して一対の固定子13間が導通する。また、可動接点22が固定接点13に当接した時点で、可動コア18、絶縁碍子20および可動片21は停止する。
一方、コイル14への通電が遮断されると、可動コア18、絶縁碍子20および可動片21が、復帰ばね19により反固定コア側に付勢される。これにより、可動接点22が固定接点13から離され、一対の固定子13間の導通が遮断される。
図7において、実線は本実施形態に係る電磁駆動装置の駆動吸引力を示し、破線は従来の電磁駆動装置の駆動吸引力を示している。また、図7の一点鎖線は、復帰ばね19のばね力を示している。
そして、図7に示すように、本実施形態では、接圧ばね23が廃止されているため、ばね力は、ギャップ寸法Gが小さくなるのに伴って直線的に大きくなるが、途中で急変はしない。また、本実施形態に係る電磁駆動装置の駆動吸引力は、第1実施形態に係る電磁駆動装置と同様の特性になる。
本実施形態によると、第1実施形態の(a)、(b)の効果と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
第3実施形態について、図8、図9を用いて説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
図8に示すように、固定コア17は、固定コア底部170と、この固定コア底部170から可動コア18(図1参照)側に向かって延びる第1〜第4分割部17a〜17dからなる。
第1〜第4分割部17a〜17dは、固定コア17の周方向に沿って、第1分割部17a、第2分割部17b、第3分割部17c、第4分割部17dの順に、等間隔に配置されている。
また、第1〜第4分割部17a〜17dは、一端側が固定コア底部170に接合され、他端側は自由端になっている。
第1〜第4分割部17a〜17dは、固定コアテーパ面171が形成された固定コアテーパ部172と、固定コア円形面173が形成された固定コア円筒部174とを備えている。また、第1〜第4分割部17a〜17dの外周面には、固定コア環状溝175が形成され、これにより、固定コア環状溝175の内周側に磁気絞り部176が形成されている。
ここで、コイル14(図1参照)への通電遮断時に復帰ばね19(図1参照)に付勢されて可動コア18が移動する向きを通電遮断時移動向きとしたとき、固定コア先端部177は、固定コア17における通電遮断時移動向き側の先端部に相当する。
この固定コア先端部177のコア往復動方向の位置について詳述する。まず、第1分割部17aの固定コア先端部177と、第3分割部17cの固定コア先端部177は、コア往復動方向の位置が等しくなっている。
また、第2分割部17bの固定コア先端部177と、第4分割部17dの固定コア先端部177は、コア往復動方向の位置が等しくなっている。
さらに、第1分割部17aの固定コア先端部177および第3分割部17cの固定コア先端部177は、第2分割部17bの固定コア先端部177および第4分割部17dの固定コア先端部177よりも、可動コア18側に位置している。換言すると、固定コア先端部177のコア往復動方向の位置が、固定コア17の周方向に沿って変化している、あるいは、固定コア17の周方向に沿って異なっている。
上記のように、第1〜第4分割部17a〜17dの固定コア先端部177のコア往復動方向位置が異なっている場合、第1分割部17aの固定コア円形面173および第3分割部17cの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する駆動吸引力が最大になる作動領域(すなわち、図9の1つ目のピーク)と、第2分割部17bの固定コア円形面173および第4分割部17dの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する駆動吸引力が最大になる作動領域(すなわち、図9の2つ目のピーク)が、異なってくる。したがって、複雑な駆動吸引力特性を容易に実現することができる。
また、第1分割部17aと第3分割部17cは固定コア先端部177のコア往復動方向の位置が等しいため、第1分割部17aの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する非駆動吸引力と、第3分割部17cの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する非駆動吸引力は等しくなる。そして、第1分割部17aと第3分割部17cを固定コア17の軸対象位置に配置しているため、第1分割部17aの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する非駆動吸引力と、第3分割部17cの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する非駆動吸引力とがキャンセルされる。
同様に、第2分割部17bと第4分割部17dも固定コア17の軸対象位置に配置しているため、第2分割部17bの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する非駆動吸引力と、第4分割部17dの固定コア円形面173を流れる磁束により発生する非駆動吸引力とがキャンセルされる。
本実施形態によると、第1実施形態の(a)〜(c)の効果と同様の効果が得られる。また、固定コア先端部177のコア往復動方向の位置を固定コア17の周方向に沿って変化させることにより、複雑な駆動吸引力特性を容易に実現することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について、図10、図11を用いて説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
図10、図11に示すように、固定コア17は、主磁気回路を構成する主固定コア部材24と、主固定コア部材24とは別体に形成されて、副磁気回路を構成する副固定コア部材25とからなる。
主固定コア部材24は、強磁性体金属材料にて有底円筒状に形成されている。主固定コア部材24は、可動コア18から最も離れた位置にあってヨーク16に接合される固定コア底部240と、内径がテーパ状に変化する固定コアテーパ面241が形成された固定コアテーパ部242とを備えている。固定コアテーパ面241は、具体的には、可動コア18側に向かって内径が漸増する。
副固定コア部材25は、強磁性体金属材料にて形成されている。副固定コア部材25は、内径が一定の固定コア円形面250が形成された薄肉円筒状の固定コア円筒部251と、この固定コア円筒部251からヨーク16の底部側に向かって延びてヨーク16に接合される板状の固定コア脚部252とを備えている。
固定コア円形面250は、固定コアテーパ面241よりも可動コア18側に配置されている。固定コア脚部252は、固定コア円筒部251の軸対象位置に2個配置されている。
固定コア脚部252は、ギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和するように磁路面積が設定されている。したがって、固定コア脚部252は、本発明の磁気絞り部に相当する。
次に、作動を説明する。図10は、コイル14(図1参照)に通電していない状態、すなわちギャップ寸法Gが最大の状態を示している。このときには、図10に示すように、固定コア円形面250における可動コア18側の先端部である固定コア先端部253は、可動コアテーパ面181のコア径方向に位置している。そして、このときには、固定コア円形面250と可動コアテーパ面181との間の隙間が、固定コアテーパ面241と可動コアテーパ面181との間の隙間よりも、小さくなっている。
そして、コイル14への通電を開始すると、コイル14により誘起された磁束は、可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面241に流れるとともに、可動コアテーパ面181から固定コア円形面250に流れる。
ギャップ寸法Gが最大のときには、隙間が小さい固定コア円形面250と可動コアテーパ面181との間を磁束が流れ易いため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力および副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力のうち、主に後者の駆動吸引力により可動コア18が固定コア17側に吸引され始める。
可動コア18が固定コア17側に駆動されるのに伴って、換言すると、ギャップ寸法Gの減少に伴って、固定コアテーパ面241と可動コアテーパ面181との間の隙間が小さくなっていくため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が略2次曲線的に増加する。
したがって、第1実施形態と同様の駆動吸引力の特性(図4参照)を得ることができる。
なお、固定コア脚部252は、ギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和するように磁路面積が設定されている。このため、ギャップ寸法Gが所定量以下のときには、副磁気回路を流れる磁束が制限される分、主磁気回路を流れる磁束量が増加し、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力の減少を抑制することができる。
本実施形態によると、第1実施形態の(a)〜(c)の効果と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態においては、主固定コア部材24を有底円筒状の一つの部材で構成したが、図12、図13に示す変形例のように、主固定コア部材24を二つの部材に分割してもよい。
具体的には、図12、図13に示すように、主磁気回路を構成する主固定コア部材24は、第1主固定コア部材24aと第2主固定コア部材24bとからなる。第1主固定コア部材24aおよび第2主固定コア部材24bは、有底円筒状の一つの部材をその軸方向に沿って切断したような形状になっている。
第1主固定コア部材24aと第2主固定コア部材24bは、周方向に所定の隙間を有して対向配置され、その隙間に副固定コア部材25の固定コア脚部252が配置されている。
この変形例によると、一つの有底円筒状の部材を切削加工することによって、第1主固定コア部材24aと、第2主固定コア部材24bと、副固定コア部材25を形成することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について、図14、図15を用いて説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
図14、図15に示すように、固定コア17は、主磁気回路を構成する主固定コア部材24と、主固定コア部材24とは別体に形成されて、副磁気回路を構成する副固定コア部材25とからなる。
主固定コア部材24は、強磁性体金属材料にて有底円筒状に形成されている。主固定コア部材24は、可動コア18から最も離れた位置にあってヨーク16に接合される固定コア底部240と、内径がテーパ状に変化する固定コアテーパ面241が形成された固定コアテーパ部242とを備えている。固定コアテーパ面241は、具体的には、可動コア18側に向かって内径が漸増する。
副固定コア部材25は、強磁性体金属材料にて形成されるとともに、第1副固定コア部材25aと第2副固定コア部材25bとからなる。
第1副固定コア部材25aは、内径が一定の固定コア円形面250が形成された薄肉円筒状の固定コア円筒部251と、この固定コア円筒部251からヨーク16の底部側に向かって延びてヨーク16に接合される板状の固定コア脚部252とを備えている。固定コア脚部252は、固定コア円筒部251の軸対象位置に2個配置されている。固定コア脚部252は、ギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和するように磁路面積が設定されている。したがって、固定コア脚部252は、本発明の磁気絞り部に相当する。
第2副固定コア部材25bは、第1副固定コア部材25aと同様の構成である。
そして、第1副固定コア部材25aの固定コア脚部252と、第2副固定コア部材25bの固定コア脚部252は、主固定コア部材24の周方向にずらして配置されている。
また、第2副固定コア部材25bの固定コア円形面250は、固定コアテーパ面241よりも可動コア18側に配置されている。第1副固定コア部材25aの固定コア円形面250は、第2副固定コア部材25bの固定コア円形面250よりも可動コア18側に配置されている。換言すると、第1副固定コア部材25aの固定コア円形面250と第2副固定コア部材25bの固定コア円形面250は、コア往復動方向の位置が異なっている。
上記のように、第1副固定コア部材25aの固定コア円形面250と第2副固定コア部材25bの固定コア円形面250のコア往復動方向位置が異なっている場合、第1副固定コア部材25aの固定コア円形面250を流れる磁束により発生する駆動吸引力が最大になる作動領域と、第2副固定コア部材25bの固定コア円形面250を流れる磁束により発生する駆動吸引力が最大になる作動領域が、異なってくる。したがって、第3実施形態と同様に、2つのピークを有する駆動吸引力の特性(図9参照)を得ることができる。
なお、固定コア脚部252は、ギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和するように磁路面積が設定されている。このため、ギャップ寸法Gが所定量以下のときには、副磁気回路を流れる磁束が制限される分、主磁気回路を流れる磁束量が増加し、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力の減少を抑制することができる。
本実施形態によると、第1実施形態の(a)〜(c)の効果と同様の効果が得られる。また、第1副固定コア部材25aの固定コア円形面250と第2副固定コア部材25bの固定コア円形面250の、コア往復動方向の位置を異ならせることにより、複雑な駆動吸引力特性を容易に実現することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について、図16、図17を用いて説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
図16、図17に示すように、固定コア17は、復帰ばね19が配置される環状のばね収容溝178と、収容溝178よりも内周側に位置し、外径がテーパ状に変化する固定コアテーパ面171が形成された固定コアテーパ部172と、収容溝178よりも外周側に位置し、内径が一定の固定コア円形面173が形成された固定コア円筒部174とを備えている。また、固定コア17の中心部には、後述するシャフト26が摺動自在に挿入される固定コアガイド孔179が形成されている。
なお、固定コアテーパ面171は、具体的には、可動コア18側に向かって外径が漸減する。また、固定コア円筒部174は、ギャップ寸法Gが所定量以下のときに磁気飽和するように磁路面積が設定されている。したがって、固定コア円筒部174は、本発明の磁気絞り部に相当する。
可動コア18は、円板状の可動コア円板部186と、可動コア円板部186から固定コア17側に向かって延びる段付き円筒状の可動コア円筒部187とを有している。可動コア円板部186は、プレート貫通孔151が形成された円板状のプレート15よりも反固定コア側に位置し、可動コア円筒部187は、プレート貫通孔151内に挿入されている。
可動コア円筒部187の内周面には、内径がテーパ状に変化する可動コアテーパ面181が形成されている。この可動コアテーパ面181は、具体的には、固定コア17側に向かって内径が漸増する。
可動コア円筒部187における固定コア17側の小径部外周面には、外径が一定の可動コア円形面183が形成されている。また、可動コア円筒部187の小径部は、図17に示すように、収容溝178に侵入可能になっている。
可動コア18には、金属製のシャフト26が固定されている。シャフト26の一端は反固定コア側に向かって延びており、このシャフト26の一端側の端部には絶縁碍子20(図1参照)が接合されている。シャフト26の他端側は、固定コア17側に向かって延びており、固定コアガイド孔179に摺動自在に挿入されている。
復帰ばね19は、収容溝178内に配置され、可動コア円筒部187における固定コア17側の先端面である可動コア先端面188と収容溝178の底部との間に挟持されている。
なお、可動コア18が固定コア17側に吸引されたときには、可動コア円板部186における可動コア円筒部187よりも内周側が固定コア17に当接することにより、可動コア18の移動範囲が規定されるようになっている。したがって、可動コア円板部186における可動コア円筒部187よりも内周側と固定コア17との間の、コア往復動方向の隙間寸法Gが、本実施形態のギャップ寸法Gである。
次に、コイル14に通電した際の、磁束の流れ等について詳述する。
図16に示すように、コイル14への通電を開始すると、コイル14により誘起された磁束は、矢印Aのように可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面171を通って固定コアテーパ部172に流れるとともに、矢印Bのように可動コア先端面188から固定コア円筒部174に流れる。
そして、可動コアテーパ面181から固定コアテーパ面171へ流れた磁束は、固定コア円筒部174をバイパスしてヨーク16へ流れる。このように、磁束が磁気絞り部としての固定コア円筒部174をバイパスする磁気回路が、本実施形態の主磁気回路である。一方、磁束が固定コア円筒部174を介してヨーク16へ流れる磁気回路が、本実施形態の副磁気回路である。
ギャップ寸法Gが最大のときには、隙間が小さい可動コア先端面188と固定コア円筒部174との間を磁束が流れ易いため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力および副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力のうち、主に後者の駆動吸引力により可動コア18が固定コア17側に吸引され始める。
可動コア18が固定コア17側に駆動されるのに伴って、換言すると、ギャップ寸法Gの減少に伴って、固定コアテーパ面171と可動コアテーパ面181との間の隙間が小さくなっていくため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が略2次曲線的に増加する。ただし、副磁気回路に磁束が流れる分、主磁気回路を流れる磁束が減少するため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、従来よりも減少する。
そして、ギャップ寸法が大きい領域では、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は従来よりも減少するものの、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力が上乗せされるため、合計の駆動吸引力を従来よりも増加させることができる。
図17に示すように、可動コア18が固定コア17側に吸引されてギャップ寸法Gが小さくなると、可動コア円筒部187の小径部が収容溝178に侵入を開始し、可動コア円形面183と固定コア円形面173がコア径方向に重なるようになる。
そして、図17に矢印Bで示すように、可動コア円形面183から固定コア円形面173へ流れる磁束のベクトルは、コア径方向であるため、非駆動吸引力が増加する。すなわち、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、ギャップ寸法Gが小さい領域よりもギャップ寸法Gが大きい領域の方が大きくなる。
一方、ギャップ寸法Gが小さくなるのに伴って、可動コアテーパ面181と固定コアテーパ面171との間の隙間が小さくなるため、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は、ギャップ寸法Gが小さくなるのに伴って増加する。
したがって、ギャップ寸法が小さい領域では、ギャップ寸法が小さくなるのに伴って、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は増加するものの、副磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力は減少するため、合計の駆動吸引力は従来よりも減少する。
ここで、本実施形態では、ギャップ寸法Gが所定量以下のときには固定コア円筒部174にて磁気飽和するため、副磁気回路を流れる磁束が制限される。したがって、副磁気回路を流れる磁束が制限される分、主磁気回路を流れる磁束量が増加し、主磁気回路を流れる磁束により発生する駆動吸引力の減少を抑制することができる。
したがって、第1実施形態と同様の駆動吸引力の特性(図4参照)を得ることができる。
本実施形態によると、第1実施形態の(a)〜(c)の効果と同様の効果が得られる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、磁束が可動コア18から固定コア17へ流れる例を示したが、磁束が固定コア17から可動コア18へ流れるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明の電磁駆動装置を電磁継電器に適用したが、本発明の電磁駆動装置は流体通路を開閉する電磁弁に適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
14 コイル
17 固定コア
18 可動コア
19 ばね

Claims (5)

  1. 通電時に磁界を形成するコイル(14)と、
    磁束が流れる磁気回路を構成し、往復動する可動コア(18)と、
    前記磁束が流れる磁気回路を構成し、前記コイルへの通電時に前記可動コアを吸引する固定コア(17)と、
    前記可動コアを前記固定コアから離れる向きに付勢するばね(19)とを備え、
    前記固定コアと前記可動コアとの間の、前記可動コアの往復動方向の隙間寸法をギャップ寸法(G)とし、前記可動コアを前記可動コアの往復動方向に吸引する吸引力を駆動吸引力としたとき、
    前記固定コアは、主磁気回路および副磁気回路を有し、
    前記主磁気回路を流れる磁束により発生する前記駆動吸引力は、前記ギャップ寸法の減少に伴って増加し、
    前記副磁気回路を流れる磁束により発生する前記駆動吸引力は、前記ギャップ寸法が小さい領域よりも前記ギャップ寸法が大きい領域の方が大きくなり、
    前記コイルへの通電遮断時に前記ばねに付勢されて前記可動コアが移動する向きを通電遮断時移動向きとしたとき、
    前記固定コアにおける前記通電遮断時移動向き側の先端部(177)の位置が、前記固定コアの周方向に沿って変化している電磁駆動装置。
  2. 前記固定コアは、前記ギャップ寸法が所定量以下のときに磁気飽和する磁気絞り部(174、176、252)が前記副磁気回路中に設けられている請求項1に記載の電磁駆動装置。
  3. 前記固定コアは、前記主磁気回路を構成する主固定コア部材(24)と、前記主固定コア部材とは別体に形成されて、前記副磁気回路を構成する副固定コア部材(25)とを備える請求項1または2に記載の電磁駆動装置。
  4. 前記可動コアは、外径がテーパ状に変化する可動コアテーパ面(181)と、外径が一定の可動コア円形面(183)とを備え、
    前記固定コアは、内径がテーパ状に変化する固定コアテーパ面(171)と、内径が一定の固定コア円形面(173)とを備え、
    前記可動コアテーパ面と前記固定コアテーパ面を通過する磁束が流れる磁気回路が前記主磁気回路であり、
    前記可動コアテーパ面と前記固定コア円形面を通過する磁束、および前記可動コア円形面と前記固定コア円形面を通過する磁束が流れる磁気回路が、前記副磁気回路である請求項1ないしのいずれか1つに記載の電磁駆動装置。
  5. 前記可動コアは、円筒状の可動コア円筒部(187)を有し、
    前記可動コア円筒部は、内径がテーパ状に変化する可動コアテーパ面(181)と、外径が一定の可動コア円形面(183)と、当該可動コア円筒部における前記固定コア側の先端面である可動コア先端面(188)とを備え、
    前記固定コアは、外径がテーパ状に変化する固定コアテーパ面(171)が形成された固定コアテーパ部(172)と、内径が一定の固定コア円形面(173)が形成された固定コア円筒部(174)とを有し、
    前記可動コアテーパ面と前記固定コアテーパ面を通過する磁束が流れる磁気回路が前記主磁気回路であり、
    前記可動コア円形面と前記固定コア円筒部を通過する磁束、および前記可動コア先端面と前記固定コア円筒部を通過する磁束が流れる磁気回路が、前記副磁気回路である請求項1ないしのいずれか1つに記載の電磁駆動装置。
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