JP2013178331A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いプロセススピードでもクリーニングブレードの先端に安定した流動状態のトナーを滞留させて、紙粉中の粒子物質がクリーニングブレードに堆積してトナーのすり抜けを発生することを阻止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】クリーニングブレード21は、先端側を下方へ向けて配置され、トナー像が転写された後の中間転写ベルト2の表面に先端側を当接して転写残トナーをクリーニングする。シート部材24とクリーニングブレード21の先端面と中間転写ベルト2とが、クリーニングブレード21の当接部に、下方へ向かって開放されたコの字型の空間を形成して、トナーを流動状態で滞留させる。シート部材24は、クリーニングブレード21の中間転写ベルト2に対向する反対側の面に沿って配置されて、先端がクリーニングブレード21の先端面よりも突き出している。
【選択図】図1
【解決手段】クリーニングブレード21は、先端側を下方へ向けて配置され、トナー像が転写された後の中間転写ベルト2の表面に先端側を当接して転写残トナーをクリーニングする。シート部材24とクリーニングブレード21の先端面と中間転写ベルト2とが、クリーニングブレード21の当接部に、下方へ向かって開放されたコの字型の空間を形成して、トナーを流動状態で滞留させる。シート部材24は、クリーニングブレード21の中間転写ベルト2に対向する反対側の面に沿って配置されて、先端がクリーニングブレード21の先端面よりも突き出している。
【選択図】図1
Description
本発明は、クリーニングブレードを当接させて像担持体をクリーニングする画像形成装置、詳しくは記録材から像担持体に移転してブレードエッジにせき止められた粒子物質の紙粉を除去し易くして、トナー擦り抜けの発生を抑制できる構造に関する。
電子写真プロセスを用いて形成して像担持体(感光体又は中間転写体)に担持させたトナー像を記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を、定着装置のニップ部で加熱加圧して画像を記録材に定着させる画像形成装置が広く用いられている。
トナー像が転写された後の像担持体には、現像剤に起因する物質として転写残トナーや現像剤の外添剤が付着している。像担持体から転写残トナーや外添剤をクリーニングする装置として、クリーニングブレードを像担持体に摺擦するブレードクリーニング装置が広く用いられている(特許文献1)。
特許文献1のブレードクリーニング装置は、トナー溜まりシートを配置してクリーニングブレードの先端にトナーを滞留させて流動状態に保つことで、中間転写ベルトに付着した放電物質や外添剤を効率的にトナーにからめて除去している。
ところで、像担持体を記録材に当接させてトナー像を記録材に転写すると、紙粉が記録材から像担持体へ移転することがある。紙粉は、一般的には、セルロースの繊維断片と粒子物質(填料)とを含み、粒子物質は粒子形状が不規則でトナーよりも粒子が小さいため、クリーニングブレードのブレードエッジに凝集し易い性質がある(特許文献2)。
特許文献2のブレードクリーニング装置は、中間転写ベルトの回転方向におけるクリーニングブレードの上流側にブラシローラを配置している。ブラシローラは、粒子物質の紙粉を中間転写ベルトから掻き落して、クリーニングブレードに粒子物質の紙粉が堆積することを阻止している。
近年、画像形成装置で使用される記録材の種類が増えて、紙粉の中の粒子物質が多く発生する記録材への対応が求められている。粒子物質が多く発生する記録材では、発生した粒子物質がブレードエッジに固着して成長し、ブレードエッジを持ち上げてトナーのすり抜けを発生することがある。
そこで、特許文献2に示されるように、クリーニングブレードの上流側にブラシローラを配置することが検討された。しかし、粒子物質の紙粉は粒子径が小さすぎて、ブラシローラでは十分なクリーニング効果が得られない上、ブラシローラを搭載するとブレードクリーニング装置が大型化して画像形成装置への収納に支障がある。
そこで、特許文献1を参照して、図5に示すように、トナー溜まりシートを配置してクリーニングブレードにトナーを滞留させ、外添剤等と同様に、紙粉の粒子物質をトナーにからめて中間転写ベルトから除去することが検討された。
しかし、近年、生産性の向上を目的として画像形成装置のプロセススピード、すなわち像担持体の周速度が高められている。その結果、高濃度で大面積のトナー像の連続画像形成が実行されると、短時間で大量の転写残トナーがクリーニングブレードに押し寄せてトナーが凝集してしまい、正常な流動状態を保てなくなることがある。
本発明は、高いプロセススピードでもクリーニングブレードの先端に安定した流動状態のトナーを滞留させて、粒子物質の紙粉がクリーニングブレードに堆積してトナーのすり抜けを発生することを阻止できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、トナー像を担持して記録材に転写する像担持体と、トナー像が転写された後の前記像担持体の表面に先端側を当接して転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードとを備えたものである。そして、前記クリーニングブレードの前記像担持体に対向する反対側の面に沿って配置されて、先端が前記クリーニングブレードの先端面よりも突き出したシート部材を備える。
本発明の画像形成装置では、シート部材のクリーニングブレードの先端面から像担持体の回転方向の上流側へ向かって突き出した面が像担持体と対向してクリーニングブレードの先端面を底とする概略コの字型の空間を形成する。概略コの字型の空間は、像担持体の回転に伴って搬送される転写残トナーの滞留を助ける一方、滞留したトナーに余計な加圧や摩擦を生じさせることなく余剰なトナーをコの字の開放側へ排出させる。
したがって、高いプロセススピードでもクリーニングブレードの先端に安定した流動状態のトナーを滞留させて、粒子物質の紙粉がクリーニングブレードに堆積してトナーのすり抜けを発生することを阻止できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、像担持体の回転方向の上流側へ向かって開放されたコの字型の空間にトナーを滞留させて粒子物質の紙粉を除去する限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、像担持体は、中間転写ベルトの外に感光ドラム、感光ベルトを含む。記録材搬送体は、記録材搬送ベルト、二次転写ベルトを含む。画像形成装置は、像担持体からトナー像を記録材に転写する限りにおいて、フルカラー/モノクロ、1ドラム型/タンデム型、記録材搬送方式/中間転写方式、像担持体の種類、帯電方式、露光方式、転写方式、定着方式によらず実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト2に沿って画像形成部3Y、3M、3C、3Kを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。画像形成部3Yでは、感光ドラム4Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。画像形成部3Mでは、感光ドラム4Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。画像形成部3C、3Kでは、感光ドラム4C、4Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト2に沿って画像形成部3Y、3M、3C、3Kを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。画像形成部3Yでは、感光ドラム4Yにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。画像形成部3Mでは、感光ドラム4Mにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。画像形成部3C、3Kでは、感光ドラム4C、4Kにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて中間転写ベルト2に転写される。
中間転写ベルト2に転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて、記録材Pへ一括二次転写される。分離ローラ103は、ピックアップローラ102が記録材カセット101から引き出した記録材Pを、1枚ずつに分離して、レジストローラ104へ送り出す。レジストローラ104は、中間転写ベルト2のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。二次転写部T2を挟持搬送される過程で四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、中間転写ベルト2から曲率分離されて定着装置38へ搬送され、加熱ローラ35と加圧ローラ36のニップ部で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着される。トナー像を定着された記録材Pは、機体外へ排出される。
画像形成部3Y、3M、3C、3Kは、現像装置7Y、7M、7C、7Kで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部3Yについて説明し、他の画像形成部3M、3C、3Kについては、以下の説明中、画像形成部3Y、3M、3C、3Kの区別を表す符号末尾のYをM、C、Kに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部3Yは、感光ドラム4Yを囲んで、帯電ローラ5Y、露光装置6Y、現像装置7Y、一次転写ローラ8Y、ドラムクリーニング装置10Yを配置している。感光ドラム4Yは、アルミニウム製シリンダの外周面に感光層が形成されており、所定のプロセススピードで矢印B方向に回転する。帯電ローラ5Yは、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加されて、感光ドラム4Yの表面を一様な負極性の暗部電位VDに帯電させる。
露光装置6は、波長λ=780nmのレーザ光の走査露光を行うレーザスキャナである。露光装置6は、原稿画像を結像投影露光するアナログ露光装置でもよいし、レーザスキャナやLEDアレイ等のデジタル露光装置であってもよい。露光装置6Yは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム4Yの表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置7Yは、トナーにキャリアを混合した現像剤を攪拌してトナーを負極性にキャリアを正極性に帯電させる。帯電した現像剤は、中心にマグネット部材7mが固定配置された現像スリーブ7sに担持されて穂立ち状態で感光ドラム4Yを摺擦する。
現像スリーブ7sは、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧をに印加されて、現像スリーブ7sよりも相対的に正極性となった感光ドラム4Yの静電像へトナーを移転させて静電像をトナー像に反転現像する。
一次転写ローラ8Yは、中間転写ベルト2を押圧して、感光ドラム4Yと中間転写ベルト2との間に一次転写部を形成する。一次転写ローラ8Yは、正極性の直流電圧を印加されて、感光ドラム4Y上の負極性に帯電したトナー像を中間転写ベルト2へ一次転写させる。ドラムクリーニング装置10Yは、感光ドラム4Yにクリーニングブレード9Yを摺擦させて、一次転写部を通過した感光ドラム4Yの表面に付着している転写残トナーを回収する。
<中間転写ベルト>
中間転写体ベルト2は、テンションローラ31、駆動ローラ32、及び対向ローラ33に支持され、駆動モータ32Mに駆動されて矢印A方向に回転する。中間転写ベルト2は、ポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素含有樹脂からなる単層構造のベルト材料を用いた。中間転写ベルト2は、基材中にカーボンブラックを分散させて、表面抵抗率で1×1012[Ω/□]、体積抵抗率で1×109[Ω・cm]となるように抵抗調整した。
中間転写体ベルト2は、テンションローラ31、駆動ローラ32、及び対向ローラ33に支持され、駆動モータ32Mに駆動されて矢印A方向に回転する。中間転写ベルト2は、ポリエチレン−四フッ化エチレン共重合体等のフッ素含有樹脂からなる単層構造のベルト材料を用いた。中間転写ベルト2は、基材中にカーボンブラックを分散させて、表面抵抗率で1×1012[Ω/□]、体積抵抗率で1×109[Ω・cm]となるように抵抗調整した。
二次転写ローラ34は、対向ローラ33に支持された中間転写ベルト2に当接して二次転写部T2を形成する。対向ローラ33は接地電位に接続される。電源D2は、正極性の直流電圧を二次転写ローラ34に印加して、中間転写ベルト2上のトナー像を記録材Pへ移転させる。
<感光ドラム>
図2は感光ドラムの感光層の構成の説明図である。図2に示すように、感光ドラム4Yは、導電性を有する導電性基体上51に、電荷発生物質を含有する電荷発生層54と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層55とを順次に積層した積層型のOPC感光層を有する。導電性基体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けている。下引き層52は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。電荷発生層54および電荷輸送層55を順次積層した機能分離型の感光層の上に表面保護層56が形成されている。感光ドラム4Yの表面は、研磨テープ(ラッピングペーパー)、バフ研磨等により研磨されて、十点平均粗さRz(JIS B0601−1982)が0.2〜2μmである。
図2は感光ドラムの感光層の構成の説明図である。図2に示すように、感光ドラム4Yは、導電性を有する導電性基体上51に、電荷発生物質を含有する電荷発生層54と電荷輸送物質を含有合する電荷輸送層55とを順次に積層した積層型のOPC感光層を有する。導電性基体51の表面上には、バリアー機能と接着機能とを有する下引き層52を設けている。下引き層52は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体上の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。電荷発生層54および電荷輸送層55を順次積層した機能分離型の感光層の上に表面保護層56が形成されている。感光ドラム4Yの表面は、研磨テープ(ラッピングペーパー)、バフ研磨等により研磨されて、十点平均粗さRz(JIS B0601−1982)が0.2〜2μmである。
<現像剤>
現像装置7Yは、キャリアとトナーを重量比91:9(トナー濃度:9%)になるように混合した現像剤を用いた。現像装置7Yに収容される初期の現像剤の総重量は350gとした。
現像装置7Yは、キャリアとトナーを重量比91:9(トナー濃度:9%)になるように混合した現像剤を用いた。現像装置7Yに収容される初期の現像剤の総重量は350gとした。
キャリアは、フェライト粒子をシリコン樹脂でコートしたものを用いており、240[kA/m]の印加磁場に対する飽和磁化が24[Am2/kg]である。また、3000[V/cm]の電界強度における比抵抗が1×107[Ω・cm]〜1×108[Ω・cm]、重量平均粒径50μmである。
トナーは、少なくともバインダ、着色剤、荷電制御剤から構成される。ここでは、バインダ樹脂としてスチレンアクリル系樹脂を使用している。しかし、スチレン系、ポリエステル系、ポリエチレンなどの樹脂を使用することもできる。着色剤としては、種々の顔料や各種染料など、着色剤を1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。荷電制御剤としては、必要に応じて補強のための帯電制御剤を含有してもよい。補強のための帯電制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料等を利用できる。トナーの重量平均粒径は5.7μmである。
トナーは、ワックスを含む。ワックスは、定着時の定着部材からの離型性、定着性の向上のために含有される。ワックスは、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリオレフィンなどが使用でき、バインダ樹脂中に混錬分散させて使用する。ここでは、バインダ、着色剤、荷電制御剤、ワックスを混錬分散させた樹脂を、機械式粉砕機により粉砕したものを用いた。
トナーは、外添剤を含む。外添剤は、アモルファスシリカに疎水性処理を施したものや、あるいは、酸化チタンや、チタン化合物等の無機酸化物微粒子が挙げられる。これらの微粒子をトナーに添加して、トナーの紛体流動性や帯電量を調整している。外添剤粒子の粒径は、1nm以上100nm以下が好ましい。ここでは、平均粒径50nmの酸化チタンを重量比で0.5wt%添加し、平均粒径2nmと100nmのアモルファスシリカをそれぞれ0.5wt%、1.0wt%ずつ添加した。
<ベルトクリーニング装置>
図3はベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図1に示すように、ベルトクリーニング装置20は、中間転写ベルト2にクリーニングブレード21を摺擦させて、二次転写部T2を通過した中間転写ベルト2に付着している転写残トナーを回収する。
図3はベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図1に示すように、ベルトクリーニング装置20は、中間転写ベルト2にクリーニングブレード21を摺擦させて、二次転写部T2を通過した中間転写ベルト2に付着している転写残トナーを回収する。
二次転写部T2における中間転写ベルト2から記録材Pへのトナー像の転写プロセスにおいて、中間転写ベルト2上のトナー像を構成するトナーのすべてが記録材Pに転写されるわけではない。二次転写部T2を通過した中間転写ベルト2上には、少量の転写残トナーが残っていて、転写残トナーは、ベルトクリーニング装置20に搬送されて、クリーニングブレード21によって回収される。
図3に示すように、ベルトクリーニング装置20は、固定系のクリーニングブレード21を搭載している。ベルトクリーニング装置20のハウジング26の上部にクリーニング板金支持台27が固定されている。クリーニングブレード21は、クリーニング板金22に固定されて一体に交換可能な部品を構成している。クリーニング板金22は、ビス209を用いて、クリーニング板金支持台27上に位置決め固定されている。クリーニングブレード21は、ビス209を緩めて、クリーニング板金支持台27に対するクリーニング板金22の固定を解除した状態で、中間転写ベルト2に対する侵入量を調整される。
クリーニングブレード21は、テンションローラ31に支持された中間転写ベルト2の外側面に先端を当接させている。テンションローラ31は、クリーニングブレード対抗ローラを兼ねて、矢印23の方向に回転する。
クリーニングブレード21は、適度の弾性と硬度を有するゴム材料を使用する必要がある。具体的には、摩擦により中間転写ベルト2を傷付けず、耐摩耗性が大きいという理由でポリウレタンゴム材料を採用している。永久歪が小さいことを考えれば、二液性熱硬化型ポリウレタンを採用してもよい。ポリウレタンの外、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム等も採用できる。ここでは、クリーニングブレード21は、ポリウレタンゴム材料を成型して、長さ340mm、厚み2mm、高さ方向の幅15mmに形成され、クリーニング板金22に支持されない自由端の長さが8mmである。
クリーニングブレード21を下向きに配置して上向きに回転する被清掃面を摺擦する構成は、クリーニング能力の高い構成として一般的である。この場合、クリーニングブレード21のブレードエッジ203は、テンションローラ31の中心線を通る水平な破線211よりも低い位置で中間転写ベルト2に当接していることが好ましい。ブレードエッジ203を水平な破線211よりも高い位置で中間転写ベルト2に当接させると、ブレードエッジ203が食い込み方向に圧縮される傾向となって、中間転写ベルト2に対する当接状態が不安定になり易い。
ハウジング26の下部は、回収したトナー29の収容部となっていて、回収トナー搬送スクリュー25が配置されている。回収トナー搬送スクリュー25は、回収トナーをベルトクリーニング装置20の一端側に搬送して外部の回収容器に回収させる。飛散防止シート204は、ハウジング26内のトナーの外部への飛散を防止する。飛散防止シート204は、厚さ20μm〜50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂のシート材料で形成され、先端を中間転写ベルト2に当接させて配置される。
<粒子物質の紙粉>
近年、電子写真方式の画像形成装置においては多機能化が進められ、様々な種類の記録材への対応が求められている。多機能化に伴って、画像形成装置において指定された記録材や推奨された記録材以外の記録材が使用される場合も増えている。いくつかの種類の記録材においては、画像形成に伴って粒子物質の紙粉が多く発生することが問題とされている。画像形成装置の高速化に伴って、通常の記録材であっても、画像形成の単位時間当たりに発生する粒子物質の紙粉の量が増える傾向にある。
近年、電子写真方式の画像形成装置においては多機能化が進められ、様々な種類の記録材への対応が求められている。多機能化に伴って、画像形成装置において指定された記録材や推奨された記録材以外の記録材が使用される場合も増えている。いくつかの種類の記録材においては、画像形成に伴って粒子物質の紙粉が多く発生することが問題とされている。画像形成装置の高速化に伴って、通常の記録材であっても、画像形成の単位時間当たりに発生する粒子物質の紙粉の量が増える傾向にある。
画像形成に伴って記録材から発生する粒子物質の紙粉は、画像形成装置の機能や出力画像の品質に影響を及ぼすことがある。粒子物質の紙粉に関する問題の1つは、粒子物質の紙粉がクリーニングブレードのブレードエッジに固着してトナーのすり抜けを誘発することである。
画像形成装置1において推奨される記録材は、次のように製造されている。広葉樹パルプ(L.B.K.P)に、填料として、乾燥重量基準で6重量%の酸化チタン、6重量%のカオリン、0.5重量%の硫酸バンド、0.3%のロジンサイズ剤が添加される。これに3.2重量%の水溶性バインダを混合してパルプ懸濁液が調整される。パルプ懸濁液は、長網抄紙機で抄紙され、乾燥されて、抄紙後水分が5%になるように調整された上質紙ができる。
画像形成装置1において推奨される記録材は、後述するように、300mm/secのプロセススピードで20万枚の連続画像形成を実行しても、トナーのすり抜けが発生しないことが確認されている。粒子物質の紙粉がクリーニングブレードのブレードエッジに固着しないことが確認されている。
しかし、填料に炭酸カルシウムが含まれている場合、特に重質炭酸カルシウムが含まれている場合、クリーニングブレードのブレードエッジに粒子物質の紙粉が固着し易くなって、トナーのすり抜けが発生してしまう。
図3に示すように、シート部材24を有しない場合(比較例1)のベルトクリーニング装置20は、クリーニングブレード21を下向きに配置しているので、クリーニングブレード21のブレードエッジに滞留したトナーが重力の作用で落下し易い。このため、ブレードエッジにやって来る粒子物質の紙粉をからめて除去するために十分な量のトナーを、クリーニングブレード21のブレードエッジに滞留させておくことが難しい。粒子物質の紙粉は、粒子径が小さいことに加えて、比重が軽く、中間転写ベルトに吸着し易い性質を有するため、ある程度のトナーが滞留していないと、中間転写ベルト2とブレードエッジの当接部へ進入し易い。また、上述した重質炭酸カルシウムは、破砕形成されているため、粒子の外形が不規則で、互いに凝集して固着し易い。重質炭酸カルシウムを含む粒子物質の紙粉が記録材から大量に発生すると、重質炭酸カルシウムがクリーニングブレード21のブレードエッジに固着して、次々と粒子物質の紙粉をせき止めて大きな塊に成長することが確認されている。
以下の実施例では、クリーニングブレード21に沿ってシート部材24を配置することで、プロセススピードの高速化に伴う、粒子物質の紙粉がブレードエッジに固着する問題を解決して、クリーニング性能を長期間、高く維持することを可能にしている。
<実施例1>
図4はベルト幅方向におけるクリーニングブレードとシート部材の配置関係の説明図である。図5はシート部材の機能の説明図である。図6は角度交差の説明図である。図5中、(a)はシート部材がある場合、(b)はシート部材が無い場合である。
図4はベルト幅方向におけるクリーニングブレードとシート部材の配置関係の説明図である。図5はシート部材の機能の説明図である。図6は角度交差の説明図である。図5中、(a)はシート部材がある場合、(b)はシート部材が無い場合である。
図3に示すように、像担持体の一例である中間転写ベルト2は、トナー像を担持して記録材に転写する。クリーニングブレード21は、先端側を下方へ向けて配置され、トナー像が転写された後の中間転写ベルト2の表面に先端側を当接して転写残トナーをクリーニングする。
壁面の一例であるシート部材24は、クリーニングブレード21の先端面を介して中間転写ベルト2の表面に対向して、クリーニングブレード21と中間転写ベルト2の当接部に、下方へ向かって開放されたコの字型の空間を形成する。シート部材24は、クリーニングブレード21の中間転写ベルト2に対向する反対側の面に沿って配置されて、先端がクリーニングブレード21の先端面よりも突き出している。
シート部材24は、クリーニングブレード21よりも弾性係数の高い材料を用いてクリーニングブレード21の厚みよりも薄く形成されている。シート部材24は、中間転写ベルト2の回転方向に直角な方向の両端部を中間転写ベルト2の記録材に接する範囲よりも外側に位置させている。シート部材24は、絶縁性の樹脂材料で形成されている。クリーニングブレード21の厚みが1.8mm以上3.0mm以下であって、シート部材24の先端がクリーニングブレード21の先端面よりも突き出す量が0.5mm以上3mm以下である。
支持部材の一例である支持金具241は、クリーニングブレード21から中間転写ベルト2を離隔させた状態では、シート部材24を、クリーニングブレード21の中間転写ベルト2に対向する反対側の面から離れた位置に支持する。クリーニングブレード21に中間転写ベルト2を当接させた状態では、シート部材24にクリーニングブレード21の先端側が接触している。
シート部材24は、中間転写ベルト2とクリーニングブレード21の先端面と共働して、クリーニングブレード21の先端にトナー溜まりの空間を形成する。転写残トナーKTが常にシート部材24内の空間で滞留を起こして矢印201方向に流動し、フレッシュなトナーがクリーニングブレード21のブレードエッジに供給されつつ、ある程度の時間保持される。
図4に示すように、クリーニングブレード21は、テンションローラ31に支持された中間転写ベルト2に先端を当接させている。最大サイズの記録材が通過する範囲よりも少し大きな範囲で、クリーニングブレード21に沿ってシート部材24が配置される。感光ドラム4Yに現像幅一杯に形成したトナー帯を中間転写ベルト2へ転写することで、クリーニングブレード21のブレードエッジへトナーを供給することも可能である。
図5の(a)に示すように、クリーニングブレード21の先端面に滞留したトナーは、中間転写ベルト2に付着した粒子物質の紙粉Sがくることをブロックする。粒子物質の紙粉Sは、滞留した古いトナーにからめて中間転写ベルト2から掻き落され、コの字型の開口部から下方へ落下する古いトナーとともにクリーニングブレード21の先端面から出ていく。シート部材24をつけることで、トナーが常時クリーニングブレード21の先端近傍で滞留するようになり、中間転写ベルト2に付着した粒子物質の紙粉Sをブレードエッジに近づけない。
図5の(b)に示すように、シート部材24が無い場合、トナーKTは、すぐに自重で落下し、付着力が強い粒子物質の紙粉はブレードエッジで凝集し、トナーサイズに成長してブレードエッジを持ち上げて、トナーすり抜けのクリーニング不良を発生する。
図5の(a)に示すように、シート部材24は、クランク形状に曲げ成型された支持金具241に接着固定されている。支持金具241は、クリーニング板金22とクリーニング板金支持台27との間に挟み込んで固定される。
シート部材24は、ウレタンやPET樹脂などが一般的である。その他に考えられるものとしては、アクリル系、ビニル系、の熱可塑性樹脂やフェノール、尿素、メラミン、アルキッド、エポキシなどの熱硬化性樹脂も使用可能である。シート部材24は、清掃対象物に近いため、絶縁性の材料が好ましい。シート部材24のJIS−K6911に規定される表面抵抗が1×106[Ω/□]〜1×1016[Ω/□]が好ましい。シート部材24の表面抵抗が1×106[Ω/□]より小さくなると像担持体の画像形成中電流が流れて画像不良が発生してしまう。シート部材24の表面抵抗が1×1016[Ω/□]より高いと材料的に限定されてしまい実用的な選択ができない。
シート部材24の厚みは、0.1〜5mmが好ましい。シート部材24の厚みが0.1mmより薄いと、シート材料に波打ち振動が発生して、安定してトナーを保持することができない。シート部材24の厚みが5mmより厚くなると、クリーニングブレード21に接触した際に不必要な加重がかかって、クリーニングブレード21のブレードエッジに沿った接触圧の均一性を損なわせるため、クリーニング性能に支障をきたす。
図3に示すように、シート部材24がクリーニングブレード21の先端面から下方へ突き出す突出し量207は、0.5mm以上3mm以下が好ましい。突出し量207が0.5mmより短い長さだと、短すぎて、クリーニングブレード21の先端面にトナーを保持する役割を果たせないので、本発明の意味をなさない。また、突出し量207が3mmより長いと、クリーニングブレード21の先端面に対するトナーの供給に応じた排出が機能せず、過剰にトナーが滞留してパッキング現象を起して、クリーニング性能に支障をきたす。
シート部材24と中間転写ベルト2の対向距離205は、0.5mm以上4mm以下が好ましい。対向距離205が0.5mmより近いと、テンションローラ31の偏心などでシート部材24が中間転写ベルト2に接触する可能性がある。また、対向距離205が4mmより離れると、粒子物質の紙粉に対処できる量のトナーをクリーニングブレード21の先端面に保持できず、粒子物質の紙粉をブレードエッジに到達させない機能を十分に果たせない。
クリーニングブレード21が中間転写ベルト2に接触しない状態では、シート部材24とクリーニングブレード21に対して平行に隙間を持って配置されていることが好ましい。しかし、クリーニングブレード21が中間転写ベルト2に接触した状態では、シート部材24がクリーニングブレード21に対して接触圧が限りなく小さい(数値で例えると0〜0.0098N/cm)状態で接触又は隙間なく近接していることが好ましい。シート部材24は、中間転写ベルト2に対するブレードエッジの当接圧に影響を及ぼすことなく、クリーニングブレード21の先端面にトナーを滞留させる概略コの字型の空間を形成することが求められる。
図6に示すように、シート部材24は、クリーニングブレード21に平行な姿勢から多少傾いていても、トナーを滞留させる機能はおちない。クリーニングブレード21とシート部材24との角度は、平行から±5°までが好ましい。角度公差が+5°以上の場合、シート部材24がクリーニングブレード21を押圧して、ブレードエッジに不必要な圧力が作用して、クリーニングブレード21のクリーニング性能を損なわせる。角度公差が−5°以上の場合、シート部材24と中間転写ベルト2との対向距離が先端側で拡大してトナーを滞留させる能力が不足して、粒子物質の紙粉を除去する効果が損なわれる。
具体的には、次のようにシート部材24を設けた。厚さ50μmのPET樹脂シート材料(商品名:ルミラー)を幅10.0mm×長さ340mmに切断してシート部材24とした。クリーニングブレード21の垂直からの傾き角度を25°、シート部材24の垂直からの傾き角も25°とした。シート部材24のクリーニングブレード21の先端面からの突出し量を2.0mmに設定した。
キヤノン株式会社製複写機iR−ADV−C7065の改造機である画像形成装置1にベルトクリーニング装置20を搭載した。低温低湿環境(15℃/20%)にて上述した各種の記録材を用いて、それぞれ20万枚の連続画像形成を行って、クリーニングブレード21のブレードエッジの評価と、トナーすり抜けの評価を行った。画像形成条件は、粒子物質の紙粉が発生し易い低画像比率を想定してトナー載り量0.01g/A4サイズとし、A4サイズ記録材を横送りする2000枚のジョブを100回繰り返した。実験結果を表2に示す。
表2に示すように、いずれの種類の記録材においても、最後まで、クリーニングブレード21のブレードエッジに粒子物質の紙粉の固着は観察されず、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。また、後述する比較例3のようなクリーニングブレード21の先端面におけるトナーの凝集が発生せず、トナーの凝集に付随して発生するクリーニングブレード21の微振動も発生しなかった。
なお、上述したシート部材24のサイズ及び配置は、画像形成装置1の1分当たりの印刷枚数が50枚以上80枚未満であることを前提として、実際のトナー滞留状態を動画撮影して定めた。1分当たりの印刷枚数が20枚以上100枚未満の範囲であれば、同様な効果を実現できた。1分当たりの印刷枚数が20枚より少ないと、単位時間当たりの粒子物質の紙粉の発生量が少ないため、シート部材24を取り付けなくても、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。1分当たりの印刷枚数が100枚より多くなると、トナー供給が過剰になって粒子物質の紙粉の問題は発生しなかった。
また、ベルトクリーニング装置20は、揺動系のクリーニングブレード21を搭載してもよい。揺動系の場合、クリーニングブレード21をハウジング26に対して揺動可能に配置し、バネ加重によって中間転写ベルト2に向かって付勢して、クリーニングブレード21の先端を中間転写ベルト2に当接させる。
また、ベルトクリーニング装置20は、クリーニングブレード21を上向きに配置し、シート部材24をクリーニングブレード21の下面に沿って取り付ける構成でも、適正なトナー溜まりを形成して同様な効果を実現することができる。
<実施例2>
図7は実施例2のベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図8はクリーニングブレード当接部の拡大図である。図3に示すように、実施例1では、クリーニングブレード21とシート部材24とを隙間を開けて平行に配置した。これに対して、実施例2では、図7に示すように、クリーニングブレード21とシート部材24とを密着させて配置した。これ以外の構成は実施例1と同様であるため、図7中、実施例1と共通する構成には図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図7は実施例2のベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図8はクリーニングブレード当接部の拡大図である。図3に示すように、実施例1では、クリーニングブレード21とシート部材24とを隙間を開けて平行に配置した。これに対して、実施例2では、図7に示すように、クリーニングブレード21とシート部材24とを密着させて配置した。これ以外の構成は実施例1と同様であるため、図7中、実施例1と共通する構成には図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
実施例1で用いたシート部材24をそのまま使用してクリーニングブレード21とクリーニング板金22との間に挟み込んで固定した。ブレードエッジに沿った当接圧への影響を避けるため、シート部材24はクリーニングブレード21に重っているが、接着等の固定はされていない。シート部材24は、厚さ50μm、幅10.0mm、長さ340mmのPET樹脂シート材料である。クリーニングブレード21の垂直からの傾き角度を25°、シート部材24の垂直からの傾き角も25°とした。図8に示すように、シート部材24のクリーニングブレード21の先端面からの突出し量は2.0mmである。
実施例2のベルトクリーニング装置20Bを画像形成装置1に実装して、低画像比率を想定した10万枚の連続画像形成を行い、実施例1と同様に粒子物質の紙粉に対するクリーニング性能を評価した。その結果、上述したいずれの記録材においても、最後まで、クリーニングブレード21のブレードエッジに粒子物質の紙粉の固着は観察されず、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。トナーの凝集も発生せず、クリーニングブレード21の微振動も発生しなかった。
<実施例3>
図9は実施例3のベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図10はクリーニングブレード当接部の拡大図である。図9に示すように、実施例3では、シート部材24を、クリーニング板金22の厚み分、実施例2よりもクリーニングブレード21から離間させた位置に配置した。これ以外の構成は実施例1と同様であるため、図9中、実施例1と共通する構成には図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図9は実施例3のベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図10はクリーニングブレード当接部の拡大図である。図9に示すように、実施例3では、シート部材24を、クリーニング板金22の厚み分、実施例2よりもクリーニングブレード21から離間させた位置に配置した。これ以外の構成は実施例1と同様であるため、図9中、実施例1と共通する構成には図3と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
実施例1で用いたシート部材24をそのまま使用して、クリーニング板金支持台27とクリーニング板金22との間に挟み込んで固定した。シート部材24は、厚さ50μm、幅10.0mm、長さ340mmのPET樹脂シート材料である。クリーニングブレード21の垂直からの傾き角度を25°、シート部材24の垂直からの傾き角も25°である。図10に示すように、シート部材24のクリーニングブレード21の先端面からの突出し量は2.0mmである。
実施例3のベルトクリーニング装置20Cを画像形成装置1に実装して、低画像比率を想定した10万枚の連続画像形成を行い、実施例1と同様に粒子物質の紙粉に対するクリーニング性能を評価した。その結果、上述したいずれの記録材においても、最後まで、クリーニングブレード21のブレードエッジに粒子物質の紙粉の固着は観察されず、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。トナーの凝集も発生せず、クリーニングブレード21の微振動も発生しなかった。
<比較例1>
実施例1のベルトクリーニング装置からシート部材を取り外して比較例1のベルトクリーニング装置とした。比較例1のベルトクリーニング装置を画像形成装置1に実装して、低画像比率を想定した10万枚の連続画像形成を行い、実施例1と同様に粒子物質の紙粉に対するクリーニング性能を評価した。その結果、画像形成装置1のメーカー推奨紙の場合は、最後まで、クリーニングブレード21のブレードエッジに粒子物質の紙粉の固着は観察されず、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。
実施例1のベルトクリーニング装置からシート部材を取り外して比較例1のベルトクリーニング装置とした。比較例1のベルトクリーニング装置を画像形成装置1に実装して、低画像比率を想定した10万枚の連続画像形成を行い、実施例1と同様に粒子物質の紙粉に対するクリーニング性能を評価した。その結果、画像形成装置1のメーカー推奨紙の場合は、最後まで、クリーニングブレード21のブレードエッジに粒子物質の紙粉の固着は観察されず、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。
しかし、記録材Aにおいては5000枚、記録材Bにおいては5万枚でトナーすり抜けのクリーニング不良が発生し、取り外したクリーニングブレード21のブレードエッジには、粒子物質の紙粉が固着した異物が観察された。異物は、蛍光X線分析を行って炭酸カルシウムであることを確認した。
<比較例2>
図5の(a)に示すように、実施例1のベルトクリーニング装置からシート部材24を取り外して、厚さ188μm、幅20.0mm、長さ340mmのPET樹脂シート材料のシート部材24に交換して比較例2のベルトクリーニング装置とした。シート部材24の幅が20.0mmなので、シート部材24のクリーニングブレード21の先端面からの突出し量は12.0mmとなり、クリーニングブレード21の先端面に深いコの字型のトナー溜まりが形成される。
図5の(a)に示すように、実施例1のベルトクリーニング装置からシート部材24を取り外して、厚さ188μm、幅20.0mm、長さ340mmのPET樹脂シート材料のシート部材24に交換して比較例2のベルトクリーニング装置とした。シート部材24の幅が20.0mmなので、シート部材24のクリーニングブレード21の先端面からの突出し量は12.0mmとなり、クリーニングブレード21の先端面に深いコの字型のトナー溜まりが形成される。
比較例2のベルトクリーニング装置を画像形成装置1に実装して、低画像比率を想定した10万枚の連続画像形成を行い、実施例1と同様に粒子物質の紙粉に対するクリーニング性能を評価した。その結果、画像形成装置1のメーカー推奨紙の場合は、最後まで、クリーニングブレード21のブレードエッジに粒子物質の紙粉の固着は観察されず、トナーすり抜けのクリーニング不良は発生しなかった。
しかし、記録材A、記録材B、記録材C、メーカー推奨紙のいずれにおいても6万枚でトナーすり抜けのクリーニング不良が発生した。そして、取り外したクリーニングブレード21のブレードエッジには、粒子物質の紙粉が固着した異物が観察されず、代わりにトナーの凝集塊が観察された。この結果から、クリーニングブレード21の先端面に形成されるトナー溜まりが深くなると、低画像比率を想定した画像形成でも、トナーが空間内で長期間滞留して摩擦することでパッキングを起こしていることが判明した。トナーの凝集塊によってクリーニングブレード21のブレードエッジが持ち上げられてトナーすり抜けが発生していることが確認された。
<比較例3>
図11は比較例3のベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図12は比較例3のベルトクリーニング装置の問題点の説明図である。
図11は比較例3のベルトクリーニング装置の構成の説明図である。図12は比較例3のベルトクリーニング装置の問題点の説明図である。
図11に示すように、比較例3のベルトクリーニング装置20Hでは、溜めプレート501を設けてクリーニングブレード21の先端面にトナーの滞留空間を囲い込んでいる。クリーニングブレード21の先端面に比較例2よりもさらに深いトナー溜まりが形成されている。
溜めプレート501は、厚さ100μmのPET樹脂シートで構成され、下端をハウジング26の下部に固定して先端をクリーニングブレード21に軽く当接させている。溜めプレート501の面には、溜まったトナーをハウジング26内へ落下させるためのスリット状の開口部が多数形成されている。
図12に示すように、比較例3のベルトクリーニング装置20Hでは、高濃度大面積の画像を高速で大量に画像形成すると、クリーニングブレード21のブレードエッジにトナーが溜まりすぎる。溜めプレート501の開口部を通じたトナーの排出が間に合わず、溜めプレート501をハウジング26内へ大きくたわませてトナー溜まりのトナーが溢れ出すようになる。こうなると、トナー溜まりで摩擦を受けたトナーが相互に凝集してクリーニングブレード21を持ち上げてトナーすり抜けを発生すると考えられる。
比較例3のベルトクリーニング装置を画像形成装置1に実装して、高画像比率を想定したトナー載り量0.5g/A4サイズにて、10万枚の連続画像形成を行い、実施例1と同様に粒子物質の紙粉に対するクリーニング性能を評価した。その結果、記録材A、記録材B、記録材C、メーカー推奨紙のいずれにおいても、2万枚ぐらいでクリーニングブレード21微振動が発生し始め、トナーすり抜けが発生した。その後、図12に示すように、トナーの自重で溜めプレート501が変形して、トナーすり抜けは一旦収まったが、8万枚をすぎたあたりから、記録材A、記録材Bにおいては、トナーすり抜けが再び発生するようになった。
したがって、クリーニングブレード21のブレードエッジが微振動を発生してトナーのすり抜けを発生する場合もある。クリーニングブレード21の微振動を抑えることができなければ、結局は微振動が発生してクリーニング不良を起こしてしまう。
近年、トナーも様々な外添剤が添加されているため、クリーニングブレード21の先端面で長時間滞留した古いトナーは外添量が多くなり過ぎて、粒子物質の紙粉をそれ以上に回収することができなくなると考えられる。クリーニングブレード21の先端面に相当量のトナーが滞留していても、新しいトナーへの置き換えが進まない場合は、中間転写ベルト2に付着した粒子物質の紙粉は、クリーニングブレード21のブレードエッジに達して堆積すると考えられる。
したがって、実施例1のベルトクリーニング装置は、シート部材24の突出し量を適正に設定することで、トナーの凝集も防ぎながら、更には、クリーニングブレード21の微振動も抑えることができる。
<実施例4>
図13は実施例4のドラムクリーニング装置の構成の説明図である。図13に示すように、実施例4では、実施例1のベルトクリーニング装置をそのまま感光ドラム4のドラムクリーニング装置として用いた。
図13は実施例4のドラムクリーニング装置の構成の説明図である。図13に示すように、実施例4では、実施例1のベルトクリーニング装置をそのまま感光ドラム4のドラムクリーニング装置として用いた。
感光ドラム4を囲んで、帯電ローラ5、露光装置6、現像装置7、転写ローラ8、ドラムクリーニング装置20を配置している。感光ドラム4は、帯電ローラ5Yを用いて一様な負極性の暗部電位VDに帯電される。露光装置6は、画像データを展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して感光ドラム4に静電像を書き込む。
現像装置7は、帯電した現像剤を現像スリーブ7sに担持させて感光ドラム4にトナーを供給して静電像をトナー像に現像する。転写ローラ8は、正極性の直流電圧を印加されて、感光ドラム4上の負極性に帯電したトナー像を記録材Pへ一次転写させる。
ドラムクリーニング装置20は、感光ドラム4にクリーニングブレード21を摺擦させて感光ドラム4に付着している転写残トナーと、記録材から移転した粒子物質の紙粉を回収する。
シート部材24は、感光ドラム4とクリーニングブレード21の先端面と共働して、クリーニングブレード21の先端にトナー溜まりの空間を形成する。転写残トナーが常にシート部材24内の空間で滞留を起こして流動し、フレッシュなトナーがクリーニングブレード21のブレードエッジに供給されつつ、ある程度の時間保持される。
<実施例5>
実施例1では、中間転写ベルトのベルトクリーニング装置を説明した。実施例5では、記録材搬送ベルト又は転写ベルトのベルトクリーニング装置を説明する。記録材搬送ベルト又は転写ベルトは、記録材を担持してトナー像の転写部を通過する際に粒子物質の紙粉が記録材から移転する場合がある。記録材搬送ベルト又は転写ベルトについた粒子物質の紙粉についても、実施例1と同様に、図3に示すように、シート部材24を配置したベルトクリーニング装置20によってクリーニングすることができる。
実施例1では、中間転写ベルトのベルトクリーニング装置を説明した。実施例5では、記録材搬送ベルト又は転写ベルトのベルトクリーニング装置を説明する。記録材搬送ベルト又は転写ベルトは、記録材を担持してトナー像の転写部を通過する際に粒子物質の紙粉が記録材から移転する場合がある。記録材搬送ベルト又は転写ベルトについた粒子物質の紙粉についても、実施例1と同様に、図3に示すように、シート部材24を配置したベルトクリーニング装置20によってクリーニングすることができる。
記録材搬送体の一例である転写ベルトは、担持した記録材へ感光ドラム又は中間転写ベルトからトナー像を転写される。クリーニングブレードは、トナー像を転写された記録材が分離された後の転写ベルトの表面に当接して汚れ物質をクリーニングする。
2 中間転写ベルト、3Y、3M、3C、3K 画像形成部
4Y、4M、4C、4K 感光ドラム、6Y、6M、6C、6K 露光装置
7Y、7M、7C、7K 現像装置、8Y、8M、8C、8K 一次転写ローラ
20 ベルトクリーニング装置、21 クリーニングブレード
22 クリーニング板金、24 シート部材、27 クリーニング板金支持台
26 ハウジング、31 テンションローラ、32 駆動ローラ
33 二次転写対向ローラ、34 二次転写ローラ
4Y、4M、4C、4K 感光ドラム、6Y、6M、6C、6K 露光装置
7Y、7M、7C、7K 現像装置、8Y、8M、8C、8K 一次転写ローラ
20 ベルトクリーニング装置、21 クリーニングブレード
22 クリーニング板金、24 シート部材、27 クリーニング板金支持台
26 ハウジング、31 テンションローラ、32 駆動ローラ
33 二次転写対向ローラ、34 二次転写ローラ
Claims (9)
- トナー像を担持して記録材に転写する像担持体と、
トナー像が転写された後の前記像担持体の表面に先端側を当接して転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードと、を備えた画像形成装置において、
前記クリーニングブレードの前記像担持体に対向する反対側の面に沿って配置されて、先端が前記クリーニングブレードの先端面よりも突き出したシート部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記シート部材は、前記クリーニングブレードよりも弾性係数の高い材料を用いて前記クリーニングブレードの厚みよりも薄く形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記シート部材は、前記像担持体の回転方向に直角な方向の両端部を前記像担持体の記録材に接する範囲よりも外側に位置させて配置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記シート部材は、絶縁性の樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードの厚みが1.8mm以上3.0mm以下であって、
前記シート部材の先端が前記クリーニングブレードの先端面よりも突き出す量が0.5mm以上3mm以下であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードから前記像担持体を離隔させた状態では、前記シート部材を、前記クリーニングブレードの前記像担持体に対向する反対側の面から離れた位置に支持する支持部材を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードに前記像担持体を当接させた状態では、前記シート部材に、前記クリーニングブレードの先端側が接触していることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- トナー像を担持して記録材に転写する像担持体と、
先端側を下方へ向けて配置され、トナー像が転写された後の前記像担持体の表面に先端側を当接させて転写残トナーをクリーニングするクリーニングブレードと、を備えた画像形成装置において、
前記クリーニングブレードの先端面を介して前記像担持体の表面に対向して、前記クリーニングブレードと前記像担持体の当接部に、下方へ向かって開放されたコの字型の空間を形成する壁面を有することを特徴とする画像形成装置。 - 担持した記録材へ像担持体からトナー像を転写される記録材搬送体と、
トナー像を転写された記録材が分離された後の前記記録材搬送体の表面に当接して汚れ物質をクリーニングするクリーニングブレードと、を備えた画像形成装置において、
前記クリーニングブレードの前記像担持体に対向する反対側の面に沿って配置されて、先端が前記クリーニングブレードの先端面よりも突き出したシート部材を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (1)
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CN113244684A (zh) * | 2021-05-24 | 2021-08-13 | 黄锦辉 | 一种建筑工程用环保型混凝土渣液分离处理方法 |
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2012
- 2012-02-28 JP JP2012041285A patent/JP2013178331A/ja active Pending
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CN113244684A (zh) * | 2021-05-24 | 2021-08-13 | 黄锦辉 | 一种建筑工程用环保型混凝土渣液分离处理方法 |
CN113244684B (zh) * | 2021-05-24 | 2022-08-26 | 新疆禾盛矿业有限公司 | 一种建筑工程用环保型混凝土渣液分离处理方法 |
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