JP2013178180A - ボイラ水冷壁の溶接部検査装置及び溶接部検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボイラ水冷壁の溶接部検査装置の真空箱100は、並列水冷管に沿うようにそれぞれ配置される2つの側壁と、並列水冷管10の長手方向と交差するように配置される少なくとも1つの端壁114と、側壁の縁と並列水冷管10との間をシールするための側縁シール部材と、端壁114の縁138と並列水冷管10及びフィン12との間をシールする端縁シール部材130とを有する。端壁114の縁130は、フィン12に沿わされる直線状の縁部140と、並列水冷管10に沿わされる円弧状の縁部142とを有し、端縁シール部材130は、直線状の縁部140に取り付けられる直線状のシール部146と、円弧状の縁部142に取り付けられる円弧状のシール部148とを有する。
【選択図】図6
Description
特許文献1には、この真空法に基づいて復水器の冷却管の漏れを検査可能な復水器の管板の漏洩検査装置が記載されている。漏洩検査装置の2つの当て箱は、平坦な管板に当接され、管板間を延びる冷却管の漏れが検査される。
Z2329 2002に規定された真空法を行うことは不可能であった。
この構成によれば、並列水冷管とフィンとの間の溶接部、或いは、フィンを構成する板片同士の溶接部が該溶接部の周囲より突出していても、溶接部に当接させられる直線状のシール部の厚さが大であるので、直線状のシール部は、溶接部の突出に合わせて変形することができる。このため、溶接部が突出していても、直線状のシール部によって、溶接部及びその周囲が確実にシールされるので、真空箱によって気密な真空室が形成される。
この構成によれば、ボイラ水冷壁の検査対象部において、並列水冷管が直線状に延びている場合に、簡単な構成にて、真空箱が気密な真空室を形成することができる。
この構成によれば、ボイラ水冷壁の検査対象部において、並列水冷管が円弧状に延びている場合に、簡単な構成にて、真空箱が気密な真空室を形成することができる。
この構成によれば、ボイラ水冷壁の検査対象部において、並列水冷管の近傍に交差水管が存在している場合に、簡単な構成にて、真空箱が気密な真空室を形成することができる。
図2は、第1実施形態の溶接部検査装置の真空箱100を、底部水冷壁2の一部とともに概略的に示す斜視図である。底部水冷壁2は、所定の間隔を存して並列に配置された複数の水冷管10と、水冷管10同士の隙間を塞ぐように配置されたフィン12とからなる。フィン12は水冷管10に対し、水冷管10の長手方向に沿って溶接され、水冷管10同士の隙間を長手方向に渡って閉塞している。このため、底部水冷壁2には、水冷管10の外周面の曲率に応じた凹凸が存在している。
なお、説明のため、図3中の溶接部16にはハッチングを付した。
真空箱100は、底部水冷壁2の検査対象部に当接させられた場合に、検査対象部を構成する水冷管10の一部及びフィン12の一部とともに、気密な真空室を形成する。
真空箱100には、真空室に通じる配管102が接続され、配管102は例えばT字に分岐されている。一方の分岐の途中には、大気開放用バルブ104が設けられ、分岐の先端は大気中に開口している。従って、大気開放用バルブ104を開閉することによって、真空室と大気との間を連通又は遮断することができる。
排気装置110は、例えば真空ポンプやエアイジェクタによって構成され、大気開放用バルブ104が閉じられ、且つ、排気用バルブ106及び排気装置入口バルブ108が開いているときに、真空室内の空気を外部へと排気する。
圧力計126は、例えば、ブールドン圧力計からなり、真空室内の圧力を表示する。
なお、螺子122の頭は、長尺押さえ板120及び短尺押さえ板121を介して天井壁116に当接しており、これによりガスケット118は均一に圧縮されて、天井壁116と側壁112及び端壁114との間が良好に気密にシールされる。
図6に示したように、端壁114は長方形の平面形状を有する長方形部134と、長方形部134の一辺に一体に連なり、略台形の平面形状を有する台形部136とからなる。ただし、台形部136の側辺は四半円弧形状を有する。
底部水冷壁2の検査対象部に接触していない自由状態にあるとき、第1直線状シール部146は厚さT1を有し、第1直線状シール部146の外面は、第1直線状縁部140と平行である。例えば、厚さT1は12mmである。
なお、第2直線状縁部144及び第2直線状シール部150は、円弧状であってもよく、或いは、側縁シール部材128と端縁シール部材130とを気密に結合できるのであれば省略してもよい。つまり、第2直線状縁部144及び第2直線状シール部150は必須の構成要素ではない。
そして、好ましくは、側縁シール部材128及び端縁シール部材130は、25±5度の範囲内の硬度を有する。
まず、ボイラ水冷壁1の検査対象部に発泡液を塗布する。検査対象部は、水冷管10が直線状に延びているボイラ水冷壁1の部分である。発泡液としては、例えば、スーパーバブル(マークテック株式会社製)を用いることができる。
なお本実施形態では、天井壁116は透光性を有し、目視のための窓部としての機能を有する。側壁112及び端壁114は透光性、非透光性いずれでも構成することができる。
以下、第2実施形態のボイラ水冷壁の溶接部検査装置について説明する。なお、第2実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と類似又は同一のものについては、同一の名称又は符号を付して説明を簡略化又は省略する。
第2実施形態の溶接部検査装置は、水冷管10が円弧状に曲がっている部分を検査するのに用いられ、例えば、正面部水冷壁4と底部水冷壁2とがなす角部を検査するのに用いられる。そのために、第2実施形態の溶接部検査装置は、真空箱100に代えて、図7に概略的な構成を示す真空箱200を用いる点のみ、第1実施形態の溶接部検査装置と異なる。
なお、図7において、ガスケット、長尺押さえ板、短尺押さえ板、螺子及び取っ手が省略されているが、真空箱200はこれらの構成要素を有する。
端壁210は、長方形部214及び台形部216からなり、端壁210のシール縁218は、第1直線状縁部220、円弧状縁部222及び第2直線状縁部224からなる。そして、端縁シール部材212は、第1直線状シール部226、円弧状シール部228及び第2直線状シール部230からなる。好ましくは、端縁シール部材212は、第1直線状シール部226の外面と円弧状シール部228の外面が交わる領域に、該領域を切り落とすように設けられた傾斜面からなる外面232を有する。
第2実施形態のボイラ水冷壁の溶接部検査装置によれば、第1実施形態の場合と同様に、ボイラ水冷壁1の検査対象部における凹凸にかかわらずに、検査対象部内の溶接部16の欠陥を確実に検出することができる。
以下、第3実施形態のボイラ水冷壁の溶接部検査装置について説明する。なお、第3実施形態の構成のうち、第1実施形態及び第2実施形態の構成と類似又は同一のものについては、同一の名称又は符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図10及び図11は、真空箱300を概略的に示す斜視図である。真空箱300は、ボイラ水冷壁1の角を検査するために、1つの端壁304と、1対の側壁306と、天井壁308とを有する。
好ましくは、端縁シール部材312は、第1直線状シール部334の外面と円弧状シール部336,340の外面とが交わる領域に、該領域を切り落とすように設けられた傾斜面からなる外面342を有する。
なお、図10乃至図12において、ガスケット、長尺押さえ板、短尺押さえ板、螺子及び取っ手が省略されているが、真空箱300はこれらの構成要素を有する。
第3実施形態のボイラ水冷壁の溶接部検査装置によれば、第1実施形態の場合と同様に、ボイラ水冷壁1の検査対象部における凹凸にかかわらずに、検査対象部内の溶接部16の貫通した欠陥を確実に検出することができる。
例えば、第1実施形態に係る真空箱100では、端壁114及び端縁シール部材130が2本の水冷管10に渡って延びていたが、3本以上の水冷管10に渡って延びていてもよい。つまり、真空箱100は、フィン12の両隣の3本以上の水冷管10とともに真空室を形成してもよい。
2 底部水冷壁
4 正面部水冷壁
5 側部水冷壁
10 水冷管(並列水冷管)
12 フィン
16 溶接部
100 真空箱
110 排気装置
112 側壁
114 端壁
128 側縁シール部材
130 端縁シール部材
138 端壁の縁(シール縁)
140 直線状縁部(第1直線状縁部)
142 円弧状縁部
146 直線状シール部(第1直線状シール部)
148 円弧状シール部
152 外面(傾斜面)
Claims (6)
- 並列に配置された複数の並列水冷管と、溶接により隣り合う前記並列水冷管同士の隙間を塞ぐフィンとを具備するボイラ水冷壁の溶接部検査装置であって、
隣り合う少なくとも2本の前記並列水冷管の一部と前記フィンの一部が検査対象部を構成し、前記検査対象部と共に真空室を形成する真空箱と、
前記真空箱に接続された排気装置とを備え、
前記真空箱は、
透光性を有する窓部と、
前記2本の並列水冷管のうち、対応する並列水冷管に沿うようにそれぞれ配置される2つの側壁と、
前記並列水冷管の長手方向と交差するように配置される少なくとも1つの端壁と、
前記側壁の縁に取り付けられ、前記側壁の縁と前記並列水冷管との間をシールするための側縁シール部材と、
前記端壁の縁に取り付けられ、前記端壁の縁と前記並列水冷管及び前記フィンとの間をシールする端縁シール部材とを有し、
前記端壁の縁は、
前記フィンに沿わされる直線状の縁部と、
前記並列水冷管に沿わされる円弧状の縁部とを有し、
前記端縁シール部材は、
前記直線状の縁部に取り付けられる直線状のシール部と、
前記円弧状の縁部に取り付けられる円弧状のシール部とを有する
ことを特徴とするボイラ水冷壁の溶接部検査装置。 - 前記直線状のシール部の厚さは、前記円弧状のシール部の厚さよりも大である
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラ水冷壁の溶接部検査装置。 - 前記ボイラ水冷壁の検査対象部にて前記並列水冷管が直線状に延びている場合に使用され、
前記真空箱は、前記並列水冷管の長手方向に相互に離れ、前記端縁シール部材がそれぞれ取り付けられた2つの端壁を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラ水冷壁の溶接部検査装置。 - 前記ボイラ水冷壁の検査対象部にて前記並列水冷管が長手方向に円弧状の曲線部を有する場合に使用され、
前記真空箱は、
前記並列水冷管の長手方向に相互に離れ、前記端縁シール部材がそれぞれ取り付けられた2つの端壁と、
前記並列水冷管に沿って円弧状の曲線部を持つ縁部を有する側壁と、
前記側壁の縁部に沿って取り付けられた側縁シール部材とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラ水冷壁の溶接部検査装置。 - それぞれ隣り合う管同士の隙間を前記フィンで閉塞された、前記並列水冷管と交差する方向に延びた交差水冷管、及び、前記並列水冷管と、前記フィンの構成する隙間が、第2のフィンによって閉塞されている場合に使用され、
前記真空箱は、
前記第2のフィンから前記並列水冷管の長手方向に離れ、前記端縁シール部材が取り付けられた1つの端壁と、
前記端壁と前記交差水冷壁との間を延びる側壁と、
前記端壁及び前記側壁と結合された天井壁と、
前記端縁シール部材と前記側縁シール部材とを含み、前記側壁と前記並列水冷管、前記交差水冷管、及び前記第2のフィンとの間をシールするシール部材と、
前記天井壁と前記交差水冷管との間をシールするシール部材とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のボイラ水冷壁の溶接部検査装置。 - 並列に配置された複数の並列水冷管と、溶接により隣り合う前記並列水冷管同士の隙間を塞ぐフィンとを具備するボイラ水冷壁の溶接部検査装置であって、
請求項1乃至5の何れか一項に記載のボイラ水冷壁の溶接部検査装置を用意し、
前記ボイラ水冷壁の検査対象部に発泡液を付与し、
前記真空箱によって前記真空室を形成し、
前記真空箱に接続された排気装置を用いて前記真空室内の圧力を低下させ、
前記真空箱内における前記発泡液の発泡の有無を目視によって確認する、
工程を備える特徴とするボイラ水冷壁の溶接部検査方法。
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