JPH10227712A - 管の漏洩箇所を探知する方法及び真空装置 - Google Patents

管の漏洩箇所を探知する方法及び真空装置

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JPH10227712A
JPH10227712A JP4967997A JP4967997A JPH10227712A JP H10227712 A JPH10227712 A JP H10227712A JP 4967997 A JP4967997 A JP 4967997A JP 4967997 A JP4967997 A JP 4967997A JP H10227712 A JPH10227712 A JP H10227712A
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JP
Japan
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pipe
vacuum chamber
gas
leak
time
Prior art date
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Pending
Application number
JP4967997A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Abe
哲也 阿部
Seiji Hiroki
成治 廣木
Koji Yagishita
浩二 柳下
Eijiro Ochiai
英二郎 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Atomic Energy Agency
Ulvac Inc
Original Assignee
Japan Atomic Energy Research Institute
Ulvac Inc
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Publication date
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Priority to JP4967997A priority Critical patent/JPH10227712A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空室内に配設された管の漏洩を、真空装置
の稼働中に、短時間で探知し、かつその漏洩の箇所を特
定できるような管の漏洩箇所を探知する方法及びこの方
法を簡単な構成で行える真空装置を提供すること。 【解決手段】 リークディテクタ31が設けられた真空
室21内に配設され、真空室21の外部に供給部24a
及び排出部24bがある管24の供給部24aに、流量
計29と、ヘリウムガスを供給するガス供給管38及び
水供給管26に吸込側が接続されたポンプ40とが設け
られている。漏洩箇所を探知する際には、ポンプ40を
稼働させて、管24を流れるべき水にヘリウムガスを混
入させ、この混合水を管24に供給し、真空室21のヘ
リウム濃度(又は分圧)をリークディテクタ31で検出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空室内に配設さ
れた管の漏洩箇所を探知する方法及び真空室内に管を配
設した真空装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば半導体装置の製造工程や核
融合炉で、真空装置内でプラズマを用いて処理する工程
中に発生する熱から、真空室の壁面を保護するため、真
空室の内部には水冷用の管が配設されている。図4に、
その1つである真空装置を全体として12で示す。この
真空装置12は真空室1を有しており、真空室1には、
真空バルブ2を介して真空ポンプ3が接続されている。
更に、真空室1の壁面には当接して、又は近接して管4
が配設されている。ただし、この管4の両端部、すなわ
ち供給部4aと排出部4bは、真空室1の外部にある。
供給部4aには、圧力計9が設けられており、更に、こ
の供給部4aは2つに分かれて、このそれぞれには、バ
ルブ5を開くことによって水を導入する水供給管6と、
バルブ7を開くことによって洩れ検査用ガスであるヘリ
ウム(He)ガスを導入するガス供給管8とが接続され
ている。また、排出部4bには、封止バルブ10が設け
られている。
【0003】この真空装置12において、真空室1に配
設された管4に漏水が発生すると、真空室1内の圧力が
上昇する。しかしながら、真空室1内の圧力が上昇した
だけでは、これが管4の漏水による圧力上昇であるか、
他の漏洩(例えば真空室の漏洩)による圧力上昇である
かを判断することはできない。そこで、従来、管4の漏
洩であるかどうかを検出するためには、次のようなこと
を行っていた。まず、真空室1の真空を解放し大気圧と
する。次に、バルブ5を閉じて水の導入を止めた後、バ
ルブ7を開けて、管4内にHeガスを導入する。この
際、管4内に残っている水はHeガスの圧力により排出
部4bへと排出される。管4内の水が充分に排出された
時点で、封止バルブ10を閉じ、管4内のHeガスを例
えば2×105 Pa以上に加圧する。そして、JIS−
Z2330の吸込法に適したリークディテクタ11の吸
引口11aを、管4に沿わせる。管4の漏水箇所に吸引
口11aが至ると、管4の漏水箇所から漏れているHe
ガスが吸引口11aから吸引され、リークディテクタ1
1がHeガスを検出して、漏水箇所が探知される。
【0004】上述したような従来の技術では、真空室1
を真空にし管4に水を流した状態(真空装置の稼働中)
では、管4の漏洩試験ができない。すなわち、真空室1
に配設された管4の漏洩を探知するためには、一度真空
室1を大気圧に戻し、管4の内部の水をHeガスに置換
し、管4に沿ってリークディテクタ11の吸引口11a
を移動しなければならない。そのため、漏水箇所の探知
は、容易に行えず、特に、管4が例えば30mと長い場
合には、漏水箇所を探知するのに、大変な時間がかかっ
てしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
に鑑みてなされ、真空室内に配設された管の漏洩箇所
を、真空装置の稼働中でも、すなわち短時間に探知でき
る、管の漏洩箇所を探知する方法及び短時間に内部に配
設された管の漏洩箇所の探知が可能な真空装置を提供す
ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、真空室
(例えば、実施例の21;以下、同様)内に配設され、
両端部(24a、24b)が前記真空室(21)の外部
にあり、前記両端部(24a、24b)の一方(24
a)から他方(24b)へと内部を流体が流れる管(2
4)の漏洩箇所(h、h’、h”)を探知する方法にお
いて、前記流体に洩れ検査用ガスを混入させたガス混合
流体を前記真空室(21)内の前記管(24)の内部に
前記一方(24a)から供給し、前記真空室(21)内
に漏洩した前記洩れ検査用ガスを検出することにより、
前記管(24)の漏洩箇所の有無を探知することを特徴
とする管(24)の漏洩箇所を探知する方法、によって
解決される。
【0007】従って、管に漏洩箇所があれば、その漏洩
箇所から洩れ検査用ガスが混入された混合流体が漏洩す
るため、真空室内の洩れ検査用ガスの濃度が上昇する。
他方、管に漏洩箇所がなければ、真空室内の洩れ検査用
ガスの濃度は変わらず、すなわち洩れ検査用ガスが検出
されない。そこで、この真空室内の洩れ検査用ガスの濃
度を検出することによって、管に漏洩箇所を探知するこ
とができる。すなわち、真空室を大気圧に解放し管内の
流体を排出せずとも、洩れ検査用ガスが真空室内で検出
されるかを調べるだだけで、真空室内の管の漏洩箇所を
探知することができる。従って、その探知は、従来に比
べて非常に容易であり、この管の漏洩の有無を探知する
のに要する時間は、従来に比べてはるかに短くなる。
【0008】又、以上の課題は、少なくとも真空室(例
えば、実施例の21;以下、同様)と、該真空室(2
1)を真空引きする真空ポンプ(23)と、前記真空室
(21)に配設され、両端部(24a、24b)が前記
真空室(21)の外部にあり、前記両端部(24a、2
4b)の一方(24a)から他方(24b)へと内部を
流体が流れる管(24)とを有する真空装置(20)に
おいて、前記真空室(21)に洩れ検査用ガスを検出す
る質量分析器(31)を設け、前記管(24)の前記両
端部の前記一方(24a)に前記洩れ検査用ガスを供給
するガス供給管(38)が接続されていることを特徴と
する真空装置(20)、によって解決される。
【0009】このような構成の真空装置とすることによ
って、真空装置内に配設された管の漏洩箇所を、短時間
で探知できる真空装置とすることができる。すなわち、
上記の管の漏洩箇所を探知する方法が、簡単な構成で行
える。
【0010】
【発明の実施の形態】室内部を真空引きする真空ポンプ
と、内部に配設され、両端部が真空室の外部にあり、両
端部の一方から他方へと内部を流体が流れる管とを有す
る真空室に、洩れ検査用ガスを検出する質量分析器を設
け、管の両端部の一方に洩れ検査用ガスを供給するガス
供給管を接続する。このような構成の真空装置の管に洩
れ検査用ガスを混入した混合流体を供給し、管に漏洩箇
所があると、漏洩箇所から洩れ検査用ガスを含んだ混合
流体が漏洩して、真空室内の洩れ検査用ガスの濃度(又
は分圧)が上昇するので、真空室の洩れ検査用ガスを検
出する質量分析器の洩れ検査用ガスの濃度(又は分圧)
の変化により、管の漏洩箇所の有無を知ることができ
る。
【0011】なお、管を流れる流体が液体である場合に
は、洩れ検査用ガスが大きな気泡として混入された状態
で管内を流れると、測定のばらつきが生じてしまい、安
定的な測定ができない。そのため、管を流れる流体が液
体である場合には、洩れ検査用ガスが微細な気泡となる
ように混入させるのがよい。従って、洩れ検査用ガスが
(攪拌され)極小さな気泡となるような装置、例えば以
下の実施例で述べるような渦流ポンプを介して、流体が
流れる管内に、洩れ検査用ガスを供給するようにすると
よい。
【0012】なお、本発明では、漏洩箇所の位置も探知
できる。すなわち、洩れ検査用ガスを含んだ混合流体を
管に供給したときtから、真空室内で洩れ検査用ガスが
検出されたとき(すなわち質量分析器に変化があったと
き)t’までの時間T(s)を測定し、同時に、この時
間中に、管の両端部の一端に設けられた流量計で測定さ
れる流量Q(m3 /s)の累積量(すなわち総流量)を
測定し、これらの値と管の大きさから、位置が求まる。
すなわち、混合流体を管に供給した位置から漏洩箇所ま
での距離L(m)は、以下の数式で示される。
【0013】
【数1】
【0014】なお、ここでrは、真空室に配設された管
の内径、πは円周率である。そして、流量Qが常に一定
であるならば、L=Q・T/(r2 ・π)……(2)と
なる。なお、真空室の大きさ等によって生じる質量分析
器のHeガスの濃度検出に要する時定数がある場合に
は、LHe=L−Q・THe/(r2 ・π)……(3)で補
正する。ここで、LHe(m)は質量分析器の時定数を考
慮した漏水箇所までの距離、THe(s)は質量分析器の
時定数である。
【0015】なおまた、管の施工時に、所定間隔ごと
に、例えば1mおきに、管にマーキングを施しておけ
ば、漏洩箇所を修復する際に漏洩箇所の見当が容易にで
きるので、漏洩箇所を容易に探知することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1乃至図3
を参照して説明するが、説明を容易にするため、漏洩箇
所から洩れ検査用ガスであるHeガスが漏洩した時刻
と、質量分析器に、その時の真空室内のHeガスの濃度
が検出される時刻は同じとして、すなわち時定数を0と
して説明する。
【0017】図1には、例えばプラズマを用いた処理工
程を内部で行うための真空装置20が示されている。真
空装置20は、真空バルブ22を介して真空ポンプ23
が接続された真空室21を有しており、その内部には、
図示せずともプラズマを用いた処理工程のための装置が
具備されている。更に、真空室21には、バルブ32を
介して質量分析器であるリークディテクタ31が接続さ
れている。このリークディテクタ31は、真空室21に
おける洩れ検査用ガス、例えばHeガスの濃度(または
分圧)を測定して示す。
【0018】更に、本実施例では、真空室21の壁21
aに隣接して、管24が配設されている。この管24
は、処理工程中に発生する熱から真空室21の壁21a
を保護するための冷却管である。更に、この管24に
は、導入口24cから排出口24dまで所定の間隔で、
例えば1m程度の間隔で図示しないマーキングが施され
ている。また、管24の両端部、すなわち供給部24a
と排出部24bは、真空室21の外部にあり、管24に
真空室21の外部から供給される流体が、真空室21の
内部を通った後、再び真空室21の外部へと排出され
る。
【0019】供給部24aは、流量計29が設けられ、
供給部24aを通る水の流量をリアルタイムに測定して
いる。また、供給部24aの端部は、2つに分岐されて
支管24aa、24abとなっているが、供給部24a
には、常に、管24の排出部24bまで流れるように加
圧された水が供給される。支管24aa、24baはそ
れぞれ、水導入バルブ25、混合水導入バルブ35に接
続されており、水導入バルブ25は、加圧されている水
を供給する水供給管26に接続されている。一方、混合
水導入バルブ35は、接続管36を介してポンプ40に
接続されており、このポンプ40には、ガス導入バルブ
37を有したガス供給管38及び水供給管26が接続さ
れている。
【0020】ポンプ40は、本実施例では、図2に示す
ニクニ社の渦流ポンプを用いている。ポンプ40は、水
通路41aを有した本体41と、羽根車42と、羽根車
42を回転させるためのモータ43より構成されてい
る。本体41の水通路41aの吸込側は、水供給管26
とガス供給管38とに接続されており、吐出側は、接続
管36に接続されている。羽根車42は、本体41の中
央に設けられているが、両面に、外周に複数の放射状の
溝42aを有した円板形状をしている。また、羽根車4
2の中央部42bは突出し、ここにモータ43のシャフ
ト43aが挿嵌されており、これらはキー44及び図示
しない複数のボルトによって固定されている。ポンプ4
0は、吸込側より水とHeガスとを同時に吸い込み、矢
印r方向に回転する羽根車42により、水とHeガスと
の混合と攪拌と加圧とを行っている。すなわち、吸込側
では大きな気泡のHeガスbが混入された混合水が、吐
出側に至るまでには、微細な気泡のHeガスb’が混合
された混合水となって、接続管36に供給される。
【0021】本発明の真空装置20は、このように構成
されているが、次に、本発明の管24の漏洩箇所を探知
する方法について説明する。
【0022】図1の真空装置20が使用されている時に
は、真空バルブ22が開いており、真空ポンプ23が稼
働して、真空室21の内部が真空に保たれている。同時
に、壁21aを熱から保護するために水が管24を流れ
るが、この水は、水導入バルブ25を開くことによっ
て、支管24aaを介して水供給管26から供給されて
いる。なお、このとき、混合水導入バルブ35及びガス
導入バルブ37は閉じられており、ポンプ40は停止さ
れている。
【0023】真空室21内の管24の漏水検査をする場
合には、まず、この管24全体についての漏水箇所の有
無を検査する。初めに、ガス導入バルブ37を開き、ポ
ンプ40を稼働させる。すなわち、ガス供給管38から
Heガスと、水供給管26から水とを同時にポンプ40
に吸い込ませ、接続管36に、微細の気泡のHeガスが
混入されたHe混合水を供給する。同時に、水導入バル
ブ25を閉じ、支管24aaからの水の供給を停止し、
代わりに、支管24abからHe混合水を管24に供給
する。なお、このときまでにバルブ32を開けておく。
なおまた、管24に供給されるべきHe混合水を、真空
室21内に配設されている管24の総内容積(すなわ
ち、導入口24cから排出口24dまでの長さをL、管
24の内径をr、円周率πとすると、総内容積はr2 π
Lで示される)/水の流量(流量計29により測定され
る)より算出される時間以上、流す。すなわち、導入口
24cから排出口24dまでHe混合水で満たす。
【0024】すると、もし管24に漏洩箇所が一か所で
もある場合には、その漏洩箇所からHe混合水、すなわ
ち(水と)Heガスが洩れ、真空室21のHe濃度が上
昇し、真空室21の濃度を測定しているリークディテク
タ31に、その濃度変化が示される。なお、管24に漏
洩箇所がない場合には、He混合水が真空室21内に漏
洩することがないので、真空室21のHe濃度は上昇せ
ず、リークディテクタ31はバックグランドレベルのま
まである。従って、リークディテクタ31のHeガスの
濃度の表示を観察すれば、漏洩箇所の有無が探知され
る。
【0025】すなわち、真空室21に配設された管24
の内部を流れる流体に、Heガスを混入させて、このH
eガスが真空室で検出されるかによって、漏洩箇所の有
無を探知することができる。従って、真空室21を真空
のまま、そして管24の流体をわざわざ排出させること
なく、漏洩の検査を行えるので、その探知に必要な時間
は、従来よりもはるかに短くすることができる。また、
この方法は、上述したような簡単な構造を有する真空装
置で容易に行なえる。
【0026】このようにして、漏洩箇所があると探知さ
れた場合には、次に、その漏洩箇所の位置を特定する。
まず、混合水導入バルブ35を閉じ、He混合水の導入
を止める。同時に、水導入バルブ25を開けて、水供給
管26から管24に水を供給する。そして、真空室21
の内部のヘリウム濃度が定常状態となるまで(リークデ
ィテクタ31の指示器がバックグランドレベルになり、
真空室21内の管24内部から混合水がすべて排出され
るまで)、水を管24に流し続ける。
【0027】定常状態となったら、ガス導入バルブ37
を開け、ポンプ40を稼働する。同時に、水導入バルブ
25を閉じて、水供給管26からの水の供給を停止す
る。そして、混合水導入バルブ35を漏洩個所の有無を
検出するときに供給する時間よりもごく短い所定時間T
だけ開けて、ポンプ40にて混合されたHe混合水を管
24に供給する。すなわち、ごく短い所定時間TだけH
e混合水を管24に供給したので、このHe混合水が、
あたかも固まりとなって管24内を移動する。同時に、
管24内を流れる水の流量を流量計29で測定し続け
る。
【0028】このとき管24に複数の漏洩箇所、例えば
図1に示すように孔h、これに近接した孔h’及び孔
h、h’からかなり離れた位置にある孔h”の3か所の
漏洩箇所がある場合には、リークディテクタ31のHe
ガスの濃度の表示は、図3に示すような変化をする。図
3において、He混合水が管24に供給された時刻を0
とし、He混合水を所定時間T、すなわち、時刻t0
で供給したものとする。このとき、各孔h、h’、h”
からは水だけが真空室21内に洩れているので、リーク
ディテクタ31はバックグランドレベルGにある。時刻
1 になると、供給されたHe混合水の先端が孔hに至
り、ここからHeガス(及び水)が洩れ、Heガスの濃
度が上昇し始め、この時刻t1 以降、孔hからHe混合
水が漏洩するので、Heガスの濃度は上昇する。なお、
このときの漏洩量及び真空室21を真空引きする真空ポ
ンプ23の排気量により、この上昇勾配は図示以外のも
のとなる。時刻t2 になると、孔hを通過し、孔hから
洩れ出なかったHe混合水が、孔h’に到達し、孔h’
からHeガス(及び水)が洩れ、Heガスの濃度が上昇
する。すなわち、この時刻t2 においては、孔h及び孔
h’の2か所からHeガス(及び水)が洩れる。そのた
め、この時刻t2 以降のHeガスの濃度の上昇勾配は、
時刻t1 から時刻t2 よりも大きくなる。
【0029】時刻t3 になると、He混合水の終端部が
孔hを通過し、孔hからは水だけが洩れ、Heガスは洩
れない(すなわち、図3で示されているTA は、孔hか
らHeガスが洩れる時間を示している)。従って、この
時刻t3 では、孔h’からHeガス(及び水)が洩れる
ので、時刻t3 以降、He濃度の上昇勾配は、時刻t2
から時刻t3 よりも小さくなる。そして、時刻t4 とな
ると、He混合水の終端部が孔h’を通過し、孔h’か
らは水だけが洩れ、Heガスは洩れない(すなわち、図
3で示されているTB は、孔h’からHeガスが洩れる
時間を示している)。すなわち、時刻t4 以降、Heガ
スは真空室21に洩れず、真空ポンプ23より孔h、
h’から洩れたHeが排出され、真空室21のHe濃度
が減少する。そして、時刻t5 にHe濃度はバックグラ
ンドレベルGとなる。その後、時刻t6 に、He混合水
の先端が孔h”に到達すると、孔h”からHe混合水が
再び洩れ、He濃度が上昇する。そして時刻t7 になる
と、He混合水の終端が孔h”を通過し、He濃度は減
少する(すなわち、図3のTc は、孔h”からHeガス
が洩れる時間を示している)。その後、真空ポンプ23
の稼働により、真空室21内に孔h”を介して放出され
たHeガスが排気され、真空室21内のHe濃度が低下
してバックグランドレベルGになる。
【0030】従って、孔hの位置(本実施例ではポンプ
40からhまでの距離)は、時刻0から時刻t1 までの
時間A(又は時刻t0 から時刻t1 までの時間A’)中
の流量の総計、すなわち総流量を、管24の流通面積
(πr2 )で割って、算出すれば得られる。すなわち、
式(1)においてt’にt1 を、tに0を代入した式に
よって得られる。同様に、孔h’の位置は、時刻0から
時刻t2 までの時間B(又は時刻t0 から時刻t4 まで
の時間B’)中の流量の総計、すなわち、総流量を管2
4の流通面積(πr2 )で割って、算出すれば、すなわ
ち式(1)に、t’にt2 を、tに0を代入した式によ
って得られる。また、孔h”の位置も同様に、時刻0か
ら時刻t6 までの時間C(又は時刻t0 から時刻t7
での時間C’)中の流量の総計、すなわち、総流量を管
24の流通面積(πr2 )で割って、算出すれば、すな
わち式(1)に、t’にt6 を、tに0を代入した式に
よって得られる。
【0031】すなわち、真空室21内に配設された管2
4に洩れ検査用ガスを混合した混合水を供給したときか
ら、真空室内で洩れ検査用ガスが検出された時間と、こ
の時間中の総流量とを測定するという簡単な構成で、そ
の漏洩箇所の位置を探知することができる。
【0032】なお、このようにして漏水箇所h、h’、
h”の位置がわかった場合、漏水箇所を修復するが、本
実施例で用いた管24には、所定の間隔でマーキングが
施されているので、漏水箇所を容易に発見でき、修復作
業も短時間で行える。
【0033】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術
的思想に基づいて、種々の変形が可能である。
【0034】例えば、本実施例では、管24の供給部2
4aを、ポンプ40を介してHeガスを微細な気泡とし
て水に混合させた混合流体を供給する支管24abと、
水を供給する支管24aaとの2つに分岐させ、水のみ
を供給する場合には、ポンプ40を停止した。しかしな
がら、供給される水の水源が加圧されていない場合に
は、この水を排出部まで流れるように加圧するための装
置、例えばポンプ等を設ける必要があり、この場合に
は、上記実施例のように管24の供給部24aを2つの
支管24aa、24abに分岐させなくともよい。
【0035】また、上記実施例の真空室21では、真空
バルブ22を介した真空ポンプ23と洩れ検査用ガスの
ガス濃度を検出するリークディテクタ31が併設される
ようにしたが、この排気系の構造は、真空室の大きさに
より異なるので、上記の構造に限定されないことは、勿
論である。更に、上記実施例において、漏洩箇所の有無
を探知する際に、真空室内に配設された管が混合水で満
ちる時間以上、混合水を流したが、この時間以上、混合
水を流さなければ探知できないということはない。しか
し、真空室内に配設された管に混合水を流す時間を長く
したほうが、漏洩箇所から長時間に渡って洩れ検査用ガ
スが洩れるので、確実に、漏洩箇所の有無を探知するこ
とができる。また、漏洩個所の位置を探知する際には、
上記実施例では、洩れ検査用ガスを含んだ混合水を短い
所定時間Tだけ供給した。この所定時間Tはどんな長さ
であってもよいが、短い所定時間Tとすれば、上記実施
例で述べたように、洩れ検査用ガスを含んだ混合水が供
給したときから洩れ検査用ガスが真空室で検出されると
きまでの時間と、このときの総流量とから漏洩個所の位
置が探知できると同時に、混合水の供給を停止したとき
から洩れ検査用ガスが真空室で検出されるときまでの時
間と、このときの総流量とから漏洩個所の位置も求めら
れるので、漏洩個所の位置がより確実に探知できる。
【0036】また、上記実施例では、真空室に配設され
た漏洩箇所を探知される管を、内部を冷却用の水が流れ
る管として説明したが、他の流体が流れる管、例えばフ
ロン、メチルクロライド、アンモニア等の冷媒が流れる
ような冷却用の管や熱湯を流すような加熱管であっても
よい。なお、上記実施例では、洩れ検査用ガスとしてH
eガスを用いたが、例えばハロゲンガスなど、洩れ検査
ができるガスであれば、他のガスを用いてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明は次のよう
な効果を奏する。本発明の方法によれば、装置稼働中で
あっても、真空室に配設された管の漏洩箇所を探知する
ことができ、またその探知時間も、従来に比べて非常に
短くできる。更に、その漏洩箇所の特定もある程度の精
度をもって行えるので、修復の際に、容易に、その漏洩
箇所を見つけることができ、修復作業も短時間で行え
る。なお、本発明の真空装置によれば、簡単な構成で、
本発明の方法を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空装置を示す部分断面正面図であ
る。
【図2】本発明の真空装置に用いたポンプの断面正面図
である。
【図3】本発明の管の漏洩箇所を探知する方法を説明す
るための検出されるガス濃度のタイムチャートである。
【図4】従来例の真空装置を示す部分断面正面図であ
る。
【符号の説明】
20 真空装置 21 真空室 24 管 24a 供給部 24b 排出部 25 水導入バルブ 26 水供給管 29 流量計 31 リークディテクタ 35 混合水導入バルブ 38 ガス供給管 40 ポンプ A 時間 B 時間 C 時間 G バックグランドレベル T 所定時間 b’ 微細な気泡のHeガス h 孔 h’ 孔 h” 孔 t1 時刻 t2 時刻 t5 時刻
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳下 浩二 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内 (72)発明者 落合 英二郎 神奈川県茅ケ崎市萩園2500番地 日本真空 技術株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内に配設され、両端部が前記真空
    室の外部にあり、前記両端部の一方から他方へと内部を
    流体が流れる管の漏洩箇所を探知する方法において、前
    記流体に洩れ検査用ガスを混入させたガス混合流体を前
    記真空室内の前記管の内部に前記一方から供給し、前記
    真空室内に漏洩した前記洩れ検査用ガスを検出すること
    により、前記管の漏洩箇所の有無を探知することを特徴
    とする管の漏洩箇所を探知する方法。
  2. 【請求項2】 前記管に、前記ガス混合流体を供給する
    時間を所定時間とし、前記ガス混合流体が前記管に供給
    されたときから、前記真空室内で前記洩れ検査用ガスが
    検出されるときまでの時間と、該時間に管を流れる流量
    とを測定し、前記時間と該流量とから前記管の漏洩箇所
    の位置を探知する請求項1に記載の管の漏洩箇所を探知
    する方法。
  3. 【請求項3】 前記流体が液体であり、該液体中に微細
    な気泡として前記洩れ検査用ガスが混入される請求項1
    又は請求項2に記載の管の漏洩箇所を探知する方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも真空室と、該真空室を真空引
    きする真空ポンプと、前記真空室に配設され、両端部が
    前記真空室の外部にあり、前記両端部の一方から他方へ
    と内部を流体が流れる管とを有する真空装置において、
    前記真空室に洩れ検査用ガスを検出する質量分析器を設
    け、前記管の前記両端部の前記一方に前記洩れ検査用ガ
    スを供給するガス供給管が接続されていることを特徴と
    する真空装置。
  5. 【請求項5】 前記流体が液体であり、前記管の前記真
    空室と前記ガス供給管との間に、前記洩れ検査用ガスを
    前記流体の中に微細な気泡として混合させるポンプを設
    け、該ポンプを介して、前記管の前記両端部の前記一方
    に前記ガス供給管が接続されている請求項4に記載の真
    空装置。
  6. 【請求項6】 前記管の両端部の前記一方に流量計が設
    けられ、前記管に、所定間隔ごとにマーキングが施され
    ている請求項4又は請求項5に記載の真空装置。
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