JP2007327850A - 配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】配管溶接部のリークを検査する際の検査作業を迅速かつ簡便に進めることができるようにする。
【解決手段】第1当接部材1と第2当接部材2と着脱部材3を備えてなり、第1および第2当接部材は、いずれも半円筒状であり、配管溶接部に当接し、この当接状態でガスダムが形成される凹部を備えており、第1および第2当接部材のいずれか一方には、凹部に連通するガス注入孔が形成されており、着脱部材は、第1当接部材と第2当接部材とが、それらの凹部が互いに対峙するように向かい合わせた状態で、両方の当接部材を配管溶接部に着脱可能に取り付けるものであるヘリウムリーク検査用検査治具を用いる。着脱部材には、事務用品の目玉クリップを用いることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】第1当接部材1と第2当接部材2と着脱部材3を備えてなり、第1および第2当接部材は、いずれも半円筒状であり、配管溶接部に当接し、この当接状態でガスダムが形成される凹部を備えており、第1および第2当接部材のいずれか一方には、凹部に連通するガス注入孔が形成されており、着脱部材は、第1当接部材と第2当接部材とが、それらの凹部が互いに対峙するように向かい合わせた状態で、両方の当接部材を配管溶接部に着脱可能に取り付けるものであるヘリウムリーク検査用検査治具を用いる。着脱部材には、事務用品の目玉クリップを用いることが好ましい。
【選択図】図1
Description
この発明は、ステンレス鋼管などからなる配管溶接部のリークの検査に用いられる検査治具に関する。
配管溶接部のリークを検査する方法の1つとして、JIS Z 2331−1992「ヘリウム漏れ試験方法」の付属書2に規定されている真空外覆法と呼ばれる検査方法がある。
この検査方法は、配管溶接部の周囲を包囲するようにプラスチックフィルムを巻き付け、粘着テープで密封する。ついで、プラスチックフィルム内部に形成された空間(ガスダム)にヘリウムガスを注入する。溶接部にリークが存在した場合には、このリークを介してヘリウムガスがガスダムから配管内部に侵入し、この侵入したヘリウムガスをヘリウムディテクターで検出することで、溶接部にリークがあることが判定できる。
この検査方法は、配管溶接部の周囲を包囲するようにプラスチックフィルムを巻き付け、粘着テープで密封する。ついで、プラスチックフィルム内部に形成された空間(ガスダム)にヘリウムガスを注入する。溶接部にリークが存在した場合には、このリークを介してヘリウムガスがガスダムから配管内部に侵入し、この侵入したヘリウムガスをヘリウムディテクターで検出することで、溶接部にリークがあることが判定できる。
ところで、半導体製造工場では、半導体製造に用いられるシラン、ゲルマン、アルシン、スチビン、フルオロハイドロカーボンなどのガスを送給するための、延長数百mから数千m程度のステンレス鋼管からなる配管が設けられ、数百箇所以上の溶接部が存在する。半導体製造用ガスは、有毒で、可燃性のものが多いので、これらのガスの漏洩は絶対に許されない。
このため、これらの多数の溶接部のすべてについて、リークが存在しないことが求められ、全溶接部のリーク検査が行われる。従来は、上述のJIS Z 2331に規定された検査方法によって行われている。
しかしながら、JIS Z 2331に規定された検査方法では、配管溶接部の周囲を包囲するようにプラスチックフィルムを巻き付け、粘着テープで密封するので、手間が面倒で、時間を要し、すべての溶接部を検査するには、検査コストも高くなるなどの不都合がある。
JIS Z 2331−1992
JIS Z 2331−1992
よって、本発明における課題は、配管溶接部のリークを検査する際の検査作業を迅速かつ簡便に進めることができるようにすることにある。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、配管の溶接部のリークを検知するヘリウムリーク検査に用いられる検査治具であって、
第1当接部材と第2当接部材と着脱部材を備えてなり、
第1当接部材および第2当接部材は、いずれも半円筒状であり、配管溶接部に当接し、この当接状態でガスダムとなる凹部を備えており、
第1当接部材および第2当接部材のいずれか一方には、凹部に連通するガス注入孔が形成されており、
着脱部材は、第1当接部材と第2当接部材とが、それらの凹部が互いに対峙するように向かい合わせた状態で、両方の当接部材を配管溶接部に着脱可能に取り付けるとともに第1当接部材と第2当接部材とを常時閉方向に付勢するものであることを特徴とする配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具である。
請求項1にかかる発明は、配管の溶接部のリークを検知するヘリウムリーク検査に用いられる検査治具であって、
第1当接部材と第2当接部材と着脱部材を備えてなり、
第1当接部材および第2当接部材は、いずれも半円筒状であり、配管溶接部に当接し、この当接状態でガスダムとなる凹部を備えており、
第1当接部材および第2当接部材のいずれか一方には、凹部に連通するガス注入孔が形成されており、
着脱部材は、第1当接部材と第2当接部材とが、それらの凹部が互いに対峙するように向かい合わせた状態で、両方の当接部材を配管溶接部に着脱可能に取り付けるとともに第1当接部材と第2当接部材とを常時閉方向に付勢するものであることを特徴とする配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具である。
請求項2にかかる発明は、着脱部材が、目玉クリップであることを特徴とする請求項1記載の配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具である。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2記載の配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具を用いることを特徴とする配管溶接部のヘリウムリーク検査方法である。
本発明の検査用検査治具を検査対象となる配管溶接部に挟み込んで取り付けるだけで、ヘリウムガスを貯めるガスダムが形成されるので、極めて簡単に、速やかにリーク検査を行うことができる。このため、半導体製造工場などで、多数の溶接部があっても、迅速に短時間にリーク検査を実施することができる。
また、着脱部材に目玉クリップを用いることで、着脱部材に既製品を用いることができ、検査治具自体の製造コストを安価とすることができる。
また、着脱部材に目玉クリップを用いることで、着脱部材に既製品を用いることができ、検査治具自体の製造コストを安価とすることができる。
図1ないし図3は、この発明の配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具(以下、検査治具と呼ぶ。)の一例を示すもので、これらの図において、符号1は、第1当接部材を、2は第2当接部材を、3は着脱部材を示す。
第1当接部材1は、図2に示すように、外形が半円筒状であって、その内周面の長手方向の中央部には、長手方向に延びる樋状の凹部11が形成されている。この凹部11は、ヘリウムガスを貯めるガスダムの一部を構成するものである。
また、凹部11の形状は、半円筒状に凹んだもので、半円筒状の部材の内壁の一部を削り取って形成したものであって、これにより、凹部11の長手方向の両側方には、半円弧状の壁部12、12が形成されることになる。この壁部12、12の内周面は、検査対象の溶接部の外周面と一致するように、その曲率が定められている。
さらに、この第1当接部材1には、ガス注入孔13が形成されている。このガス注入孔13は、第1当接部材1の外周面から凹部11の内周面に向けて形成され、凹部11に連通するものである。
この第1当接部材1を構成する材料は、ステンレス鋼などの金属、セラミックス、ゴム、テトラフルオロエチレンなどのプラスチックなどであって、発塵性のない材料が半導体製造工場におけるリーク検査に好適である。
第2当接部材2は、図3に示すように、第1当接部材1とほぼ同じものであって、異なる点はガス注入孔13に相当するものが存在しないところである。図において、符号21は凹部で、22は壁部である。
着脱部材3は、この例では事務用品の「目玉クリップ」と呼称されて販売されているものをそのまま利用している。
目玉クリップ3は、一対の把持板部31、31とこれら把持板部31、31を連結するコイルバネ32とから構成されており、コイルバネ32によって、一対の把持板部31、31が開閉可能で、かつ常時閉状態となるように付勢されている。
目玉クリップ3は、一対の把持板部31、31とこれら把持板部31、31を連結するコイルバネ32とから構成されており、コイルバネ32によって、一対の把持板部31、31が開閉可能で、かつ常時閉状態となるように付勢されている。
把持板部31は、断面形状が円弧状の挟持板33と、平面形状が円形で中心に丸孔が形成された押さえ板34と、挟持板33と押さえ板34を繋ぐ連結板35とから構成されている。
連結板35には、その両側部に一対の折り曲げ片36、36が連接され、一対の把持板部31、31が対峙して組み合わされた際に、4個の折り曲げ片36、36・・が1本の軸棒37によって貫通され、それぞれが互いに結合された2組の結合部38、38が形成されるようになっている。さらに、この軸棒37には、コイルバネ32が巻き付けられている。
連結板35には、その両側部に一対の折り曲げ片36、36が連接され、一対の把持板部31、31が対峙して組み合わされた際に、4個の折り曲げ片36、36・・が1本の軸棒37によって貫通され、それぞれが互いに結合された2組の結合部38、38が形成されるようになっている。さらに、この軸棒37には、コイルバネ32が巻き付けられている。
そして、着脱部材となる目玉クリップ3のそれぞれの挟持板33、33に、第1当接部材1と第2当接部材2とが、これら当接部材1、2の外周面が挟持板33、33の内周面に向くようにして、接着などの固着手段によって固着されている。また、一方の挟持板33には、第1の当接部材1の注入孔13に連通する開口39が形成され、この例の検査治具となっている。
この検査治具では、目玉クリップ3の押さえ板34、34を内方にコイルバネ32の付勢力に逆らって強く押すことで、挟持板33、33が開き、第1当接部材1と第2当接部材2との間が開き、第1当接部材1と第2当接部材2とで、溶接部を挟み込むことができることになる。
次に、この検査治具を用いた本発明の配管溶接部のヘリウムリーク検査方法を説明する。
図4に示すように、配管溶接部Aに検査治具の第1当接部材1と第2当接部材2のほぼ中央部が位置するようにして、第1当接部材1と第2当接部材2とを配管溶接部Aに挟み込む。
図4に示すように、配管溶接部Aに検査治具の第1当接部材1と第2当接部材2のほぼ中央部が位置するようにして、第1当接部材1と第2当接部材2とを配管溶接部Aに挟み込む。
これにより、溶接部Aの外周面と第1当接部材1および第2当接部材2のそれぞれの凹部11、21とで、ヘリウムガスが貯まるガスダムとなる空間が形成される。このガスダムは必ずしも密閉状態となる必要はなく、多少のガス漏れがあっても問題はない。
この状態で、図示しないヘリウムガス供給装置からのヘリウムガスを開口39およびガス注入孔13を介してガスダム内に注入する。
溶接部Aに万一リークが存在する場合には、ガスダムからヘリウムガスが配管内部に侵入し、配管端部に設置されたヘリウムリークディテクター(図示略)に検出されてリークが存在することが確認される。
溶接部Aに万一リークが存在する場合には、ガスダムからヘリウムガスが配管内部に侵入し、配管端部に設置されたヘリウムリークディテクター(図示略)に検出されてリークが存在することが確認される。
このように、この例の検査治具にあっては、これを配管溶接部に単に挟み込むだけで、ヘリウムガスを貯めるガスダムが瞬時に形成される。このため、リーク検査作業において、時間を要するガスダムの形成が短時間、例えば1秒以内に可能になり、検査作業全体の作業時間を大幅に短縮できる。さらに、検査治具の取り外しも同様に簡単に瞬時に行える。また、着脱部材として、容易に安価に入手できる市販の目玉クリップ3を利用しているので、検査治具自体の製造も容易で安価となる。また、検査作業に熟練を要することがなく、初心者でも検査を行うことができる。
図5は、この発明の検査治具の他の例を示すもので、この例のものは、目玉クリップ3の挟持板33、33の内側に金属からなる半円筒状の中間板40、40を溶接等によって取り付け、中間板40、40の内側に第1当接部材1、第2当接部材2を固着した以外は先の例と同じである。
この例では、市販の目玉クリップ3の挟持板33の内周面の曲率と第1当接部材1および第2当接部材2の外周面の曲率とが一致しない場合に好ましいものとなる。
なお、着脱部材3として、ここでは市販の目玉クリップをそのまま利用しているが、これに限られることはなく、同様の機能を備えているものであれば、これ以外のものを使用することができる。
1・・第1当接部材、2・・・第2当接部材、3・・目玉クリップ(着脱部材)、11、21・・凹部、13・・ガス注入孔、
Claims (3)
- 配管の溶接部のリークを検知するヘリウムリーク検査に用いられる検査治具であって、
第1当接部材と第2当接部材と着脱部材を備えてなり、
第1当接部材および第2当接部材は、いずれも半円筒状であり、配管溶接部に当接し、この当接状態でガスダムとなる凹部を備えており、
第1当接部材および第2当接部材のいずれか一方には、凹部に連通するガス注入孔が形成されており、
着脱部材は、第1当接部材と第2当接部材とが、それらの凹部が互いに対峙するように向かい合わせた状態で、両方の当接部材を配管溶接部に着脱可能に取り付けるとともに第1当接部材と第2当接部材とを常時閉方向に付勢するものであることを特徴とする配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具。 - 着脱部材が、目玉クリップであることを特徴とする請求項1記載の配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具。
- 請求項1または2記載の配管溶接部のヘリウムリーク検査用検査治具を用いることを特徴とする配管溶接部のヘリウムリーク検査方法。
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2006
- 2006-06-07 JP JP2006159093A patent/JP2007327850A/ja active Pending
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