JP2013177677A - 銅微粒子の製造方法、銅微粒子分散溶液、及び銅微粒子分散溶液の保存方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の標準水素電極電位基準の酸化還元電位(25℃における電位)を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して銅微粒子(P)を凝集回収することを特徴とする、銅微粒子の製造方法。
【選択図】なし
Description
また、電子機器関連分野においては、例えば、スクリーン印刷法を利用して、微細配線形成や薄膜形成を達成する際、極めて微細なパターン描画、あるいは極薄い膜厚の薄膜塗布層形成に金及び銀の微粒子分散液が一部商品化されている。
貴な金属である金や銀は、元来、比較的酸化を受け難い特性を有しており、微粒子の表面に酸化皮膜を形成しない状態で維持することが容易である。一方、銅は、比較的に酸化を受け易い卑な金属であるため、微粒子分散液を調製した際、分散液中の銅微粒子は、短時間でその表面に酸化皮膜が形成され易い状態となる。特に、粒子径が極めて小さい銅ナノ粒子では、相対的にその表面積が増加するので、その表面に酸化皮膜がより形成され易くなる。
特許文献4には、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる平均2次凝集サイズが500nm以下の微粒子が、アミド基を有する有機溶媒濃度が10体積%以上である、比誘電率10以上の極性有機溶媒中に分散されている微粒子分散液の製造方法で、
(i)前記金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子を、保護被膜を形成しうる、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子を含む水溶液中又は有機溶媒中で、還元剤を使用した還元反応により、該水溶性高分子から形成される保護被膜で被覆された微粒子状態で形成する工程、次いで(ii)前記水溶液中又は有機溶媒中に、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物を凝集促進剤として添加して微粒子を凝集沈殿させて回収する工程、が含まれる微粒子分散液の製造方法が開示されている。
上記特許文献2には、金属微粒子分散液中に(i)金属超微粒子表面を被覆する、金属元素と配位的な結合が可能なアミン化合物、チオール化合物、ジオール化合物等と、(ii)これらの基と反応性を有する、有機の酸無水物又はその誘導体あるいは有機酸を含有させて、室温付近ではアミン化合物等が付着層を形成し、加熱に伴いこれらの化合物は、有機の酸無水物等と反応して金属超微粒子表面から除去されることが記載されている。これらの酸無水物等は、加熱に伴い、アミン化合物、チオール化合物、ジオール化合物などと反応し、アミド、チオエステル、エステルを形成する。酸無水物等の具体例として、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの環状脂肪族酸無水物が挙げられている。しかし、これらのアミン化合物等と酸無水物等が未反応で残留した場合、焼結の際に除去することが容易ではないので、比較的高温で長時間での加熱、焼結が必要になるという問題点がある。
上記特許文献4に開示のクロロホルム、四塩化炭素等の塩化物を凝集促進剤として添加すると、金属微粒子の凝集沈殿性には優れるものの系が急激に酸化性雰囲気に変わるために金属微粒子が酸化されて、酸化物となり低温での焼結が困難になるおそれがある。
上記特許文献5に開示のクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化合物を凝集促進剤として添加すると、上記特許文献4に記載と同様の問題点があり、また凝集促進剤としてアセトンが例示されているが、アセトンを添加してもその添加量が少ない場合には金属微粒子を凝集沈殿させることが困難であり、また添加量が多いと系が酸化性雰囲気に変わるために金属微粒子が酸化されて、酸化物となりやはり低温での焼結が困難になるおそれがある。
また、金属微粒子分散溶液を長期間保管する際にも金属微粒子表面の酸化が進行しない耐酸化性に優れた銅微粒子分散溶液の保存方法が求められていた。
本発明は、上記問題点を解決して還元反応水溶液中で還元剤により銅イオンを還元して銅微粒子を形成した後に、該水溶液から銅微粒子を凝集回収する銅微粒子の製造方法、該銅微粒子の製造方法により得られた銅微粒子を分散溶液に分散して得られる銅微粒子分散溶液、及び該銅微粒子分散溶液の保存方法に関する。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(18)に記載する発明を要旨とする。
(1)還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して銅微粒子(P)を凝集回収することを特徴とする、銅微粒子の製造方法(以下、第1の態様ということがある)。
(2)前記還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−550mV以下に調整して該水溶液(L2)から銅微粒子(P)を凝集回収することを特徴とする、前記(1)に記載の銅微粒子の製造方法。
(3)前記酸化還元電位の調整が、
還元反応後の水溶液(L2)に、一般式R1−C(=O)−R2(ここで、R1は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリール基、R2は水素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリール基を示す。)で示される凝集促進剤(A)を添加、又は滴下して、
凝集促進剤(A)が還元剤(R)により対応するアルコール(B)へ還元されることに伴い行われることを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の銅微粒子の製造方法。
(5)前記水溶液(L2)から銅微粒子(P)を凝集回収後、更に洗浄液で洗浄して該銅微粒子表面の不純物を除去することを特徴とする、前記(1)から(4)のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
(6)前記還元反応後の還元剤(R)が金属水素錯化合物(C)であることを特徴とする、前記(1)から(5)のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
(7)前記金属水素錯化合物(C)が水素化ホウ素ナトリウム系化合物(C1)、又は水素化アルミニウムリチウム系化合物(C2)であることを特徴とする、前記(6)に記載の銅微粒子の製造方法。
(8)前記水素化ホウ素ナトリウム系化合物(C1)が
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、
水素化トリエチルホウ素リチウム(LiBH(C2H5)3)、
水素化トリメトキシホウ素リチウム(LiBH(OCH3)3)、
水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム(LiBH(sec−C4H9)3)、
水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム(KBH(sec−C4H9)3)、
水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、
から選択された1種又は2種以上であり、
水素化アルミニウムリチウム系化合物(C2)が水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、及び水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(NaAlH2(OC2H4OCH3)2)から選択された1種又は2種、
であることを特徴とする、前記(7)に記載の銅微粒子の製造方法。
(10)前記一般式R1−C(=O)−R2で示される凝集促進剤(A)が水溶性の化合物であることを特徴とする、前記(3)から(9)のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
(11)前記一般式R1−C(=O)−R2で示される凝集促進剤(A)がアセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、及びメチルイソブチルケトンから選択される1種、又は2種以上であることを特徴とする、前記(3)から(10)のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
(12)前記分散剤(D)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上の水溶性有機化合物であることを特徴とする、前記(1)から(11)のいずれかにに記載の銅微粒子の製造方法。
(13)前記銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmであることを特徴とする、前記(1)から(12)のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmで、
該銅微粒子(P)表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着して存在し、
分散溶液(L3)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位が−820mV以上でかつ−300mV以下である、
ことを特徴とする銅微粒子分散溶液(以下、第2の態様ということがある)。
(15)前記分散溶液(L3)中に分散溶媒(S)としてポリオール(S1)が50質量%以上含有されていることを特徴とする、前記(14)に記載の銅微粒子分散溶液。
(16)前記ポリオール(S1)がエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクトース、イソマルトース、グルコヘプトース、ヘプトース、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロースの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、前記(15)に記載の銅微粒子分散溶液。
(17)前記銅微粒子分散溶液(L3)が25℃における粘度が10〜100mPa・sのインクジェット方式による描画が可能なインクジェット用インク、又は25℃における粘度が1〜100Pa・sの導電性ペーストである、
前記(14)から(16)のいずれかに記載の銅微粒子分散溶液。
該銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmで、かつ銅微粒子(P)表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着して存在している、銅微粒子分散溶液(L3)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整することを特徴とする、銅微粒子分散溶液の保存方法(以下、第3の態様ということがある)。
(ロ)前記(14)に記載する銅微粒子分散溶液(第2の態様)は上記(イ)に記載した銅微粒子分散溶液について記載したと同様の効果を有する。
(ハ)前記(18)に記載した銅微粒子分散溶液の保存方法(第3の態様)により、銅微粒子分散溶液を長期間保存しても、銅微粒子表面が還元性雰囲気で保存されているので高い耐酸化性を有しており、該保存方法で保存された銅微粒子分散溶液を比較的低温で焼結しても金属的な電気伝導性を有する導電性焼結体を得ることができる。
(I)銅微粒子の製造方法(第1の態様)
本発明の第1の態様の「銅微粒子の製造方法」は、還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して銅微粒子(P)を凝集回収することを特徴とする。
還元反応水溶液(L1)を構成する銅イオン、還元剤(R)、及び分散剤(D)について説明する。尚、還元反応水溶液(L1)としては水溶液、該水溶液にメタノール、エタノール等の親水性化合物を添加した混合溶液、及び親水性溶液が使用可能であるが、メタノールやエタノール等の親水性化合物を添加しない水溶液の使用がより好ましい。
(イ)銅イオン
還元反応水溶液(L1)中の銅イオンは、一価又は二価の銅イオンを生成するイオン性化合物から形成することができる。使用可能なイオン性化合物として、酢酸銅、硝酸銅、ハロゲン化銅、シアン化銅、ピロリン酸銅、硫酸銅等が挙げられるが、これらの中で酢酸銅の使用が好ましく、実用上酢酸銅(II)の1水和物((CH3COO)2Cu・1H2O)の使用が特に望ましい。還元反応前の還元反応水溶液(L1)中の好ましい銅原子(銅イオンも含む)濃度は、0.01〜4.0mol/l(リットル)(又はmol/dm3)である。該イオン濃度が0.01(mol/l)未満では、金属(A)微粒子の生成量が低減し還元水溶液(L1)からの収率が低下するという不都合を生じ、4.0(mol/l)を超えると生成される粒子間での粗大な凝集がおこるおそれがある。よリ好ましい銅イオン濃度は、0.05〜0.5モル(mol/l)である。
還元反応水溶液(L1)中で使用される還元剤(R)としては、水素化ホウ素ナトリウム系化合物(C1)、水素化アルミニウムリチウム系化合物(C2)等の金属水素錯化合物(C)が好ましい。
水素化ホウ素ナトリウム系化合物(C1)としては、
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、
水素化トリエチルホウ素リチウム(LiBH(C2H5)3)、
水素化トリメトキシホウ素リチウム(LiBH(OCH3)3)、
水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム(LiBH(sec−C4H9)3)、
水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム(KBH(sec−C4H9)3)、
水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、
等から選択された1種又は2種以上を挙げることができる。
また、水素化アルミニウムリチウム系化合物(C2)としては、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(NaAlH2(OC2H4OCH3)2)等から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
還元反応水溶液(S1)に使用する分散剤(D)としては高分子分散剤が好ましい。分散剤(D)は、銅微粒子(P)の少なくとも表面の一部を覆うように存在して、銅微粒子(P)の凝集を防止して分散性を良好に維持する作用を有する。
分散剤(D)は上記分散作用を奏するものであれば、特に制限されるものではない。分散剤(D)としては、その化学構造にもよるが分子量が100〜100,000程度の、銅微粒子(P)を良好に分散させることが可能なもので、かつ炭素原子、水素原子、酸素原子、及び窒素原子から選択された2種以上の原子からなる水溶性の化合物(高分子化合物も含む)の分散剤が好ましい。上記高分子分散剤として好ましいのは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン等のアミン系の高分子;ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等のカルボン酸基を有する炭化水素系高分子;ポリアクリルアミド等のアクリルアミド;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、更にはデンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上である。
分散溶媒(S)の融点が65℃以下であると銅微粒子分散液を基材(K)上に塗布又はパターニングする際に常温で行うことができ、操作性が向上する。また、銅微粒子分散液を65℃以上の温度で焼結する際に銅微粒子が銅微粒子分散液の液相中でその表面が還元され易いことを考慮すると、分散溶媒(S)の常圧における沸点は65℃以上であることが好ましい。
一方、分散溶媒(S)の常圧における沸点が300℃以下であると、銅微粒子分散液を基材(K)上で焼結する際に銅微粒子焼結体中に分散溶媒(S)が残存するのを防止することができる。
分散剤(D)の添加量は、還元反応水溶液(L1)中で還元反応により生成する銅微粒子(P)100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。分散剤(D)の添加量が0.01質量部未満では凝集を抑制する効果が十分に得られない場合があり、一方、5質量部を超える場合には、分散性に不都合がなくとも、銅微粒子分散溶液をパターニング後、乾燥・焼結時に、過剰の分散剤が、銅微粒子の焼結を阻害して、焼結銅の緻密さが低下する場合があると共に、分散剤の焼成残渣が、導電膜又は導電回路中に残存して、導電性を低下させるおそれがある。
還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元する際の好ましい温度は10〜50℃であり、また好ましいpHは5.0〜7.8である。
上記銅イオンを還元する際の温度が10℃未満では還元速度が遅くなるおそれがあり、一方、50℃を超えると形成される銅微粒子の粒子径が大きくなる傾向がある。また、還元反応水溶液(L1)のpHを5.0〜7.8の範囲に維持すると還元雰囲気を維持し易くなり、形成される銅微粒子の表面が酸化されるのを抑制する効果が発揮される。
上記還元剤水溶液(L1)に、還元剤(R)を滴下するか一括で仕込んで還元反応水溶液(L1)をよく撹拌しながら、還元反応を進行させて銅微粒子(P)を得る。
尚、銅微粒子(P)を無電解還元反応により製造する際、一次粒子の平均粒径の制御は、金属イオン濃度、分散剤(D)、温度、時間、pH等の調整により行うことが可能である。
銅微粒子(P)は、その表面の少なくとも一部を高分子分散剤等の分散剤(D)で覆うことにより分散性を向上することができるが、このような分散剤(D)を過剰に使用することは、焼結膜の導電性や焼結強度を低下させる要因となり得ることから好ましくなく、後述する方法で過剰の分散剤(D)を除去することが可能である。
銅微粒子(P)の透過型電子顕微鏡(TEM)により得られる画像観察に基づく平均一次粒子径(R1)は1〜150nmである。該平均一次粒子径(R1)が1nm未満では凝集が生じ易くなり、パターニング性が低下するという問題があり、一方、微細な配線パターンの形成を考慮すると、粒子径(R1)は100nm以下が好ましい。かかる観点から銅微粒子(P)の平均一次粒子径(R1)は10〜50nmが好ましい。
尚、本発明において、一次粒子の平均粒子径とは、二次粒子を構成する個々の金属微粒子の一次粒子の直径の意味である。該一次粒子径は、前述の通り、透過型電子顕微鏡(TEM)により得られる画像観察に基づく測定値であり、また、平均粒子径とは、一次粒子の数平均粒子径を意味する。
(イ)25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位
還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位(standard hydrogen electrode)基準の酸化還元電位(以下、酸化還元電位(25℃SHE)ということがある。)を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整する必要がある。
還元反応後の水溶液(L2)において、酸化還元電位(25℃SHE)が−300mVを超えると酸化性の雰囲気が形成されるので、還元反応により形成された銅微粒子はその表面が酸化されて酸化銅が形成され易くなる。一方、還元反応終了後の水溶液(L2)の酸化還元電位(25℃SHE)は使用する還元剤にもよるが、還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いた場合、−830mV〜−900mV未満程度である。しかし、還元反応後の水溶液から還元剤を除去等の操作により酸化還元電位(25℃SHE)は通常−300mV超になる。
かかる観点から前記水溶液(L2)の酸化還元電位(25℃SHE)は−820mV以上でかつ、−550mV以下が好ましい。
還元反応後の水溶液(L2)の酸化還元電位の調整が、該水溶液(L2)に、一般式R1−C(=O)−R2(ここで、R1は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリール基、R2は水素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリール基を示す。)で示される凝集促進剤(A)を添加、又は滴下して、凝集促進剤(A)が還元剤(R)により対応するアルコール(B)へ還元されることに伴い行われることが好ましい。
この場合、凝集促進剤(A)の滴下は、攪拌しながらpHメ−ター等により酸化還元電位を測定しながら酸化還元電位(25℃SHE)が−820mV以上でかつ−300mV以下になるように行うことができ、凝集促進剤(A)の添加は、前記滴下により全滴下量が把握できれば、一度に凝集促進剤(A)を添加することもできる。
前記一般式R1−C(=O)−R2で示される凝集促進剤(A)は、還元反応後の水溶液(L2)に添加又は滴下されるので、水溶性の化合物であることが好ましい。
上記一般式R1−C(=O)−R2で示される凝集促進剤(A)としては、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、及びメチルイソブチルケトンから選択される1種、又は2種以上であることが好ましい。
また、上記還元反応後の水溶液(L2)の酸化還元電位(25℃SHE)が−820mV以上でかつ−300mV以下になるように調整された場合、該水溶液(L2)中の還元剤(R)は完全に酸化されずに、添加された還元剤(R)の一部は、銅微粒子(P)の表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上として吸着して存在するので、銅微粒子(P)の表面に優れた耐酸化性が発現する。上記還元性イオンとしては、例えば還元剤(R)として「NaBH4」を使用した場合には、「(BH4−n(OH)n)−」が、還元性原子としては「H」が挙げられる。
尚、前記還元反応後の水溶液(L2)に凝集促進剤(A)を添加、又は滴下する際に、該水溶液(L2)の温度を前記還元温度と同程度の10〜40℃、より好ましくは20〜40℃に調整することが操作上からも好ましい。
(標準水素電極基準の酸化還元電位[mV])
=(ORP測定電極での測定電位[mV])+α [mV] ・・・・・(I)
ただし、α=250(at 20℃)
243(at 25℃)
236(at 30℃)
221(at 40℃)
上記ORP(Oxidation-reduction Potential)電極は、銀−塩化銀電極である。
(イ)銅微粒子(P)の凝集回収
上記還元反応後の水溶液(L2)に凝集促進剤(A)を添加して酸化還元電位(25℃SHE)が−820mV以上でかつ−300mV以下の範囲に調整されると、該水溶液(L2)から銅微粒子(P)が凝集してくる。これは、微粒子の分散が、分散剤の静電反発力や立体障害によって保たれており、酸化還元電位(25℃SHE)を調製することにより、この立体障害や反発力が変化するためである。本発明で実施される形態においては、酸化還元電位(25℃SHE)が高いほど、分散剤による粒子間の反発力は小さくなる。凝集した銅微粒子(P)は、ろ過、遠心分離等の操作を行うことにより銅微粒子(P)を回収することができる。また、酸化還元電位(25℃SHE)が−820〜−800mVの場合においては、静置状態では銅微粒子(P)は分散して存在するが、上記還元反応後の水溶液(L2)よりも分散安定性が低くなっており、遠心分離等によって強制的に凝集させ、回収することができる。該凝集、回収は、不活性ガス雰囲気下で行うことが望ましい。
(ロ)回収された銅微粒子(P)の洗浄
前記水溶液(L2)からを凝集後回収された銅微粒子(P)は、更に洗浄液で洗浄して銅微粒子表面の不純物を除去することが望ましい。
該洗浄操作は特に限定されないが、まず銅微粒子(P)を蒸留水等の水溶液に入れ、例えば超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で銅微粒子成分を回収する水洗浄を数回行い、続いて、得られた銅微粒子を適量のブタノール等の炭素原子数1〜5のアルコールを入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で銅微粒子(P)を回収するアルコール洗浄を数回行うのが望ましい。該微粒子に付着していた不純物はこのような操作により容易に除去される。
尚、上記操作により、使用した還元触媒はある程度除去されるが、その一部は銅微粒子(P)表面に吸着して残存する。このことは、回収した銅微粒子(P)を後述する分散溶媒(S)等に再分散しても酸化還元電位(25℃SHE)が−820mV以上でかつ−300mV以下の範囲に維持されることからも間接的に証明される。
また、酸化還元電位を調整するために添加された凝集促進剤(A)は還元反応後に一部還元されてアルコール(B)を生成して前記水溶液(L2)に残存しているが、上記洗浄により凝集促進剤(A)とアルコール(B)の少なくとも一部は除去されるが、後述する分散溶媒(S)に残存しても特に問題は生じない。
本発明の第2の態様の「銅微粒子分散溶液」は、還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して凝集回収された銅微粒子(P)が、分散溶媒(S)に再分散された銅微粒子分散溶液(L3)であって、銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmで、該銅微粒子(P)表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着して存在し、分散溶液(L3)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位が−820mV以上でかつ−300mV以下である、ことを特徴とする。
即ち、本発明の第2の態様の「銅微粒子分散溶液」は、前記第1の態様に記載の「銅微粒子の製造方法」で製造された銅微粒子(P)を分散溶媒(S)に再分散させて得られた銅微粒子分散溶液である。
銅微粒子分散溶液(L3)に分散させる銅微粒子(P)は、前記第1の態様に記載された銅微粒子(P)であり、銅イオンが還元反応水溶液(L1)中で還元剤(R)により還元されて形成された粒子で、その粒子表面の少なくとも一部に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着している。
(2)分散溶媒(S)
前記銅微粒子分散溶液(L3)は、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続用の配線形成材料等の導電性焼結体として好適に利用されるので、導電性に優れる導電性焼結体とを得るためには、銅微粒子分散溶液(L3)中の分散溶媒(S)としてポリオール(S1)が50質量%以上含有されていることが好ましい。
ポリオール(S1)は、分子内に2個以上の水酸基を有していて、銅微粒子分散液(L3)を長期間保存しても銅微粒子(P)が凝集するのを抑制して分散安定性を向上する作用を有し、かつ焼結の際に脱水素化を受けて水素ラジカルを発生し、銅微粒子(P)の表面及び基材(K)表面で還元作用を発揮してこれらの表面を活性化する。また、銅微粒子(P)は加熱焼結されて導電性に優れる導電性焼結体が形成される。
分散溶媒(S)中には、銅微粒子(P)の表面を還元するためには、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール(S1)を使用し、かつ該銅微粒子分散液中において、分散溶媒(S)の50質量%以上をポリオール(S1)が含有されていることが望ましい。ポリオール(S1)が脱水素化を受けて水素ラジカルを発生するには、該ヒドロキシル基が結合している炭素基部分が(−CH(OH)−)構造を有するポリオールであることが好ましい。
分散溶媒(S)の成分としては、上記ポリオール(S1)以外に、以下に記載するアミド基を有する有機溶媒(S2)、エーテル系化合物(S3)、アルコール(S4)、ケトン系化合物(S5)、及びアミン系化合物(S6)等を配合することができる。
前記アミド基を有する有機溶媒(S2)としては、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミドの中から選択される1種又は2種以上が例示できる。
アミド基を有する有機溶媒(S2)は、銅微粒子(P)の表面、及び金属基材における金属−アミンの過剰配位を抑制して、アミン系化合物(S6)の脱離を容易にする結果、比較的低温の焼結で銅微粒子(P)間の焼結、銅微粒子(P)と金属基材間の焼結が進行し易くなる。また、分散溶媒(S)中にアミド基を有する有機溶媒(S2)が含まれることで、焼結の際にポリオール(S1)が熱分解により生成したケトン、アルデヒドと共沸し易くなり、65〜200℃程度の比較的低温の焼結でも該ケトン、アルデヒドは容易に除去される。これにより、銅微粒子焼結体中の有機物残留量が少なくなり、銅微粒子(P)間の接合、銅微粒子(P)と金属基材間の接合が強固になると共に電気抵抗と接触抵抗を低くすることができる。
エーテル系化合物(S3)、アルコール(S4)、及びケトン系化合物(S5)は主に分散溶媒(S)の融点と、常圧における沸点の調製、及び銅微粒子の分散性向上のために添加することができる。
銅微粒子分散液(L3)中での銅微粒子(P)の分散性を更に向上させるために、撹拌手段を採用することが望ましい。分散溶液の撹拌方法としては、公知の撹拌方法を採用することができるが、超音波照射方法を採用するのが好ましい。
上記超音波照射時間は、特に制限はなく任意に選択することが可能である。例えば、超音波照射時間を5〜60分間の間で任意に設定すると照射時間が長い方が平均二次凝集サイズは小さくなる傾向にある。更に超音波照射時間を長くすると分散性は一層向上する。
銅微粒子分散溶液(L3)は、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続用の配線形成材料等の導電性焼結体として好適に利用することが可能である。
銅微粒子分散溶液(L3)の粘度は、該溶液中の銅微粒子(P)濃度、その粒子径と粒子状態、分散溶媒(S)の選択等により調整することができ、粘度の低いインク状のものから、粘度を高めたペースト状のものを製造することが可能である。一般的に銅微粒子分散溶液(L3)中の銅微粒子(P)濃度が30質量%以下であれば粘度の低いインク状となり、更に銅微粒子(P)濃度を高めていくとペースト状となる。
上記粘度の調整により、銅微粒子分散溶液(L3)の25℃における粘度が10〜100mPa・sの場合にはインクジェット方式による描画が可能なインクジェット用インクとして好適に使用することができ、また、25℃における粘度が1〜100Pa・sの場合にはプリント配線板と電子部品との接続用導電性ペーストとして好適に使用することができる。
本発明の第3の態様の「銅微粒子分散溶液の保存方法」は、還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して凝集回収された銅微粒子(P)を分散溶液中に再分散して得られた銅微粒子分散溶液(L3)の保存方法であって、
該銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmで、かつ銅微粒子(P)表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着して存在している、銅微粒子分散溶液(L3)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整することを特徴とする。
すなわち、本発明の第3の態様の「銅微粒子分散溶液の保存方法」は、前記第1の態様に記載の「銅微粒子の製造方法」で製造された銅微粒子(P)を分散溶媒(S)に再分散させて得られた銅微粒子分散溶液の保存方法である。
銅微粒子分散溶液(L3)の酸化還元電位(25℃SHE)が−820mV以上でかつ−300mV以下に調整されていると、還元性雰囲気が維持されるので、銅微粒子(P)はその表面が酸化反応を受けるが抑制され、銅微粒子分散溶液(L3)を長期間保存しても、銅微粒子(P)表面が酸化反応を受けるのを抑制して、比較的低温での焼結においても金属的な電気伝導性を有する導電性焼結体を得ることができる。
銅微粒子分散溶液(L3)は、ガラス基材、又は耐熱性ポリエステル樹脂等からなる基材上にスピンコート法、インクジェット法等により塗布又はパターニング後加熱、焼結して銅微粒子表面同士の焼結を進行させて導電性焼結体を得ることができる。
基材上に塗布又はパターニングされた銅微粒子分散溶液(L3)は、不活性ガスで置換された雰囲気にある焼成炉に配置して焼結することが望ましい。不活性ガスとしては、上記不活性ガスとしては窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等が挙げられるが、還元性ガスである水素ガス等を添加することもできる。次に、焼成炉内の温度を昇温していき、焼結を行う際に、分散溶媒(S)中にポリオール(S1)が含有されていると、ポリオール(S1)の分解により還元性雰囲気が形成されて銅微粒子(P)表面の焼結を促進する。焼結温度は65〜250℃が好ましい。
(1)銅微粒子の調製法
実施例1〜5において、銅微粒子を次の手順で作成した。
まず銅微粒子の原料として水酸化銅Cu(OH)2を3.0g、分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP:平均分子量3500)1.0gを蒸留水200ミリリットル(ml)に添加して攪拌溶解させた。さらに窒素ガス雰囲気中で、10℃〜40℃の範囲の所定の温度に設定した前記水溶液に、金属イオン還元剤として12wt%水素化ホウ素ナトリウムの14M水酸化ナトリウム水溶液を3.5ml滴下した。この混合液を窒素雰囲気中40分間よく攪拌しながら反応させ、平均一次粒子径が10〜30nmの銅微粒子が分散した還元反応後の水溶液を得た。
還元反応後の水溶液の酸化還元電位は、Metrohm社製744型pHメータと、その付属ORP測定電極(型式:SB−9160−451100)を用いて測定したのち、装置規定の換算式(I)を用いて、25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を求めた。尚、実施例1〜2、及び比較例1においては20℃での該酸化還元電位、実施例4においては20、30、40℃での該酸化還元電位を測定しているが、図1〜4に示す標準水素電極電位基準の酸化還元電位はすべて25℃の酸化還元電位に換算した値を示してある。
尚、25℃以外で酸化還元電位を測定した場合の25℃の酸化還元電位は、前述の通り、下記αを測定温度での値を採用することにより変換することができる。
(標準水素電極基準の酸化還元電位[mV])
=(ORP測定電極での測定電位[mV])+α [mV] ・・・・・(I)
ただし、α=250(at 20℃)
243(at 25℃)
236(at 30℃)
221(at 40℃)
上記ORP(Oxidation-reduction Potential)測定電極は、銀−塩化銀電極である。
凝集促進剤としてアセトンを選択した。前記銅微粒子が分散し、温度が20℃に維持された還元反応後の水溶液に、還元剤を添加してから、図1に示す40分経過後に、同温度条件で前記凝集促進剤6mlを一度に添加して混合した後の反応液の酸化還元電位の測定結果を図1に示す。図1から凝集促進剤の添加前、標準水素電極電位基準の25℃における還元反応後の水溶液の酸化還元電位(以下、「酸化還元電位(25℃SHE)」という記載とする)が約−880mVであったのに対し、凝集促進剤の添加後、約5分後に酸化還元電位(25℃SHE)が−750mV酸化還元電位となっていることが分かる。この結果から、本発明の凝集促進剤を用いることで、25℃における酸化還元電位(25℃SHE)を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して該水溶液から銅微粒子を凝集回収することが可能であることが確認された。
凝集促進剤としてクロロホルムを選択した。前記銅微粒子が分散し、温度が20℃に維持された還元反応後の水溶液に、還元剤を添加してから実施例1と同様に40分経過後に凝集促進剤としてクロロホルム6mlを一度に添加混合したときの反応液の酸化還元電位の測定結果を図2に示す。図2から凝集促進剤添加前、還元反応後の水溶液の酸化還元電位(25℃SHE)が約−830mV)であったのに対し、凝集促進剤の添加後、酸化還元電位(25℃SHE)が−240mVとなっていることが分かる。このように凝集促進剤として従来法の一つであるクロロホルムを用いると、酸化還元電位(25℃SHE)が−300mV以上となることが確認された。
凝集促進剤としてアセトンを選択した。前記銅微粒子が分散し、温度が20℃に維持された還元反応後の水溶液に、還元剤を添加してから40分経過後に、同温度で凝集促進剤をそれぞれ、1ml、2ml、3ml、6ml添加して混合し、銅微粒子を凝集回収したときの、凝集促進剤添加前後の酸化還元電位の電位差をまとめたグラフを図3に示す。図3から、凝集促進剤添加前後の酸化還元電位の電位差は、添加する凝集促進剤の添加量に比例し、添加量の増量に従って電位差が大きくなっていることが分かる。この実験結果から、反応液の酸化還元電位は、凝集促進剤の添加量によって自在にコントロールできることが確認された。
実施例3において、凝集促進剤としてアセトンを選択した。前記銅微粒子の調製法に従い30℃、40℃で、還元反応により得られた銅微粒子が分散した水溶液に対し、それぞれの反応温度条件下で、還元剤を添加してから、実施例1と同様に40分経過後に凝集促進剤6mlを添加混合したときの反応液の酸化還元電位の測定結果を図4に示す。図4から、30℃、40℃の温度で銅イオンの還元反応、及び凝集促進剤の添加を行った場合、凝集促進剤添加後、10分経過後の反応液の酸化還元電位(25℃SHE)は、それぞれ約−720mV、−680mVと、高い還元性が保持された。
一方、比較例2において、凝集促進剤としてアセトンを選択し、前記銅微粒子の調製法に従い20℃で、還元反応により得られた銅微粒子が分散した水溶液に対し、同反応温度条件下で、還元剤を添加してから、実施例1と同様に40分経過後に凝集促進剤6mlを添加混合したときの反応液の酸化還元電位の測定結果を図4に示す。図4から、20℃で微粒子分散液の調製、及び凝集促進剤の添加を行った場合の酸化還元電位(25℃SHE)が約−180mVと、還元性が低下していることが分かる。
上記結果から、還元反応後の反応液の酸化還元電位は、銅イオンの還元反応、及び凝集促進剤の添加をする際の該反応液の温度によってもコントロールできることが確認された。
前記銅微粒子の調製法に従って20℃、30℃、40℃の温度で、還元反応により得られた銅微粒子を、凝集促進剤添加直前に、カーボンコート銅メッシュ上にサンプリングし、透過電子顕微鏡(JEOL:JEM−3010、加速電圧300kV)により得られた画像を観察した結果と、その模式図を図5、6、7に示す。図5、7から、20℃、40℃の還元反応温度で得られた銅微粒子は、その粒子サイズがほぼ均一で、その平均粒子径は、それぞれ10nm程度、30nm程度であることが確認できる。その一方で、図6から、30℃の還元反応温度で得られた銅微粒子は、平均粒子径10nm程度と30nm程度の粒子が共に観察された。実施例3で確認された、凝集促進剤添加による反応液の酸化還元電位の差異は、この生成銅微粒子の粒子サイズの相違にも関係していることを示している。つまり、銅微粒子が分散した還元反応後の水溶液中の銅微粒子の平均粒径が小さいほど、凝集促進剤添加による反応液の酸化還元電位の変化が顕著となり、逆に銅微粒子の平均粒径が大きいほど、凝集促進剤添加による反応液の酸化還元電位の変化が小さくなる傾向が確認された。
実施例1に記載の条件で、銅微粒子の作成及び凝集回収された銅微粒子について、粉末X線回折装置(XRD、RIGAKU社製:型式RAD−B)を用いてそれぞれ相の同定を行った結果を図8に示す。図8から、実施例1に記載の方法で、凝集促進剤としてアセトンを使用し、その添加後の反応液の酸化還元電位(25℃SHE)が−750mVとなるように設定して回収された銅微粒子のXRD結果には、金属銅の存在を示す回折ピークのみが検出され、銅酸化物(CuO、Cu2O)のピークがまったく検出されなかった。
比較例1に記載の条件で、銅微粒子の作成及び凝集回収された銅微粒子について、粉末X線回折装置(XRD、RIGAKU社製:型式RAD−B)を用いてそれぞれ相の同定を行った結果を図9に示す。図9から、比較例1に記載の方法で、凝集促進剤としてクロロホルムを使用し、その添加後の反応液の酸化還元電位(20℃SHE)が−240mVとなるように設定して回収された銅微粒子のXRD結果には、金属銅の存在を示す回折ピークに加え、酸化銅(I)(Cu2O)のピークが検出された。この結果から、反応液の酸化還元電位を実施例1のように−750mVと設定して銅微粒子の回収を行った場合には、銅微粒子の表面酸化は進行せず、比較例1のように−240mVとなるように設定した場合には、銅微粒子の表面酸化が進行し、酸化被膜が形成されることが確認された。
実施例6で、反応液の酸化還元電位(25℃SHE)が−750mVとなるように設定して回収された銅微粒子を、ガラス基板上に塗布乾燥した上で、30日間大気中で保管した後にXRD装置を用いて相の同定を行った結果を図10に示す。図10から、粒子生成直後にXRD測定を行った場合と同様、金属銅の存在を示す回折ピークのみが検出され、銅酸化物(CuO、Cu2O)のピークがまったく検出されていないことが分かる。この結果から、反応液の酸化還元電位(25℃SHE)が−750mVとなるように設定して回収された銅微粒子は、大気中30日間放置された場合にも粒子の酸化が進行せず、良好な金属状態が保持されることが確認された。
Claims (18)
- 還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して銅微粒子(P)を凝集回収することを特徴とする、銅微粒子の製造方法。
- 前記還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−550mV以下に調整して該水溶液(L2)から銅微粒子(P)を凝集回収することを特徴とする、請求項1に記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記酸化還元電位の調整が、
還元反応後の水溶液(L2)に、一般式R1−C(=O)−R2(ここで、R1は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリール基、R2は水素原子、又は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリール基を示す。)で示される凝集促進剤(A)を添加、又は滴下して、
凝集促進剤(A)が還元剤(R)により対応するアルコール(B)へ還元されることに伴い行われることを特徴とする、請求項1又は2に記載の銅微粒子の製造方法。 - 前記還元反応後の水溶液(L2)の温度を10〜40℃として、該水溶液(L2)に上記凝集促進剤(A)を添加、又は滴下することを特徴とする、請求項3に記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記還元反応後の水溶液(L2)から銅微粒子(P)を凝集回収後、更に洗浄液で洗浄して該銅微粒子表面の不純物を除去することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記還元剤(R)が金属水素錯化合物(C)であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記金属水素錯化合物(C)が水素化ホウ素ナトリウム系化合物(C1)、又は水素化アルミニウムリチウム系化合物(C2)であることを特徴とする、請求項6に記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記水素化ホウ素ナトリウム系化合物(C1)が水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、
水素化トリエチルホウ素リチウム(LiBH(C2H5)3)、
水素化トリメトキシホウ素リチウム(LiBH(OCH3)3)、
水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム(LiBH(sec−C4H9)3)、
水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム(KBH(sec−C4H9)3)、
水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、
から選択された1種又は2種以上であり、
水素化アルミニウムリチウム系化合物(C2)が水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、及び水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム(NaAlH2(OC2H4OCH3)2)から選択された1種又は2種、
であることを特徴とする、請求項7に記載の銅微粒子の製造方法。 - 前記銅微粒子(P)の表面に前記還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着していることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記一般式R1−C(=O)−R2で示される凝集促進剤(A)が水溶性の化合物であることを特徴とする、請求項3から9のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記一般式R1−C(=O)−R2で示される凝集促進剤(A)がアセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、及びメチルイソブチルケトンから選択される1種、又は2種以上であることを特徴とする、請求項3から10のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記分散剤(D)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上の水溶性有機化合物であることを特徴とする、請求項1から11のいずれかにに記載の銅微粒子の製造方法。
- 前記銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmであることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の銅微粒子の製造方法。
- 還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して凝集回収された銅微粒子(P)が、分散溶媒(S)に再分散された銅微粒子分散溶液(L3)であって、
銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmで、
該銅微粒子(P)表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着して存在し、
銅微粒子分散溶液(L3)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位が−820mV以上でかつ−300mV以下である、
ことを特徴とする銅微粒子分散溶液。 - 前記銅微粒子分散溶液(L3)中に分散溶媒(S)としてポリオール(S1)が50質量%以上含有されていることを特徴とする、請求項14に記載の銅微粒子分散溶液。
- 前記ポリオール(S1)がエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、グリセロール、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリスリトール、ペンチトール、キシリトール、リビトール、アラビトール、ヘキシトール、マンニトール、ソルビトール、ズルシトール、グリセルアルデヒド、ジオキシアセトン、トレオース、エリトルロース、エリトロース、アラビノース、リボース、リブロース、キシロース、キシルロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マンノース、イドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、アルトロース、ラクトース、イソマルトース、グルコヘプトース、ヘプトース、マルトトリオース、ラクツロース、及びトレハロースの中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項15に記載の銅微粒子分散溶液。
- 前記銅微粒子分散溶液(L3)が25℃における粘度が10〜100mPa・sのインクジェット方式による描画が可能なインクジェット用インク、又は25℃における粘度が1〜100Pa・sの導電性ペーストである、
請求項14から16のいずれかに記載の銅微粒子分散溶液。 - 還元剤(R)と分散剤(D)の存在下に、還元反応水溶液(L1)中で銅イオンを還元して銅微粒子(P)を分散状態で析出させた後に、還元反応後の水溶液(L2)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整して凝集回収された銅微粒子(P)を分散溶液中に再分散して得られた銅微粒子分散溶液(L3)の保存方法であって、
該銅微粒子(P)の一次粒子の平均粒子径が1〜150nmで、かつ銅微粒子(P)表面に還元剤(R)、及び該還元剤(R)の分解生成物に由来する還元性イオンと原子から選択される1種又は2種以上が吸着して存在している、銅微粒子分散溶液(L3)の25℃における標準水素電極電位基準の酸化還元電位を−820mV以上でかつ−300mV以下に調整することを特徴とする、銅微粒子分散溶液の保存方法。
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