〔第1の実施の形態〕
本発明に係る飲料水供給装置の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照する。図1は、飲料水供給装置の構成を示す図、図2は、飲料水供給装置の外観構成を示す図
である。なお、図1及び図2に示す飲料水供給装置の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
この飲料水供給装置2は、飲料水4を所定の温度に加熱又は冷却して提供する装置である。この飲料水供給装置2の筐体3の天井側には、飲料水4が入った飲料水ボトルであるガロンボトル6が設置されている。このガロンボトル6に溜められている飲料水4は、第1のタンクである冷水タンク8の天井側の筐体3に形成された受水口10から取り込まれる。このガロンボトル6は、図1に示すように、その水取出し口12を下方に向けて飲料水供給装置2に載置される。
ガロンボトル6から供給された飲料水4は、冷水タンク8内の所定の水位として、例えば、冷水タンク8内に溜まった飲料水4がガロンボトル6の開口部である水取出し口12に達するまで溜まる構成である。そして、飲料水4の水位が所定の水位以下になると、空気取入口14から取込まれた空気が、冷水タンク8を通して水取出し口12よりガロンボトル6内に進入する。この空気の進入によって、ガロンボトル6から飲料水4が冷水タンク8に供給され、その水位が上昇する。そして、再び水取出し口12が塞がると、ガロンボトル6からの飲料水4の流入が停止される。即ち、冷水タンク8には飲料水4の消費に応じてガロンボトル6から飲料水4が供給されることになる。
冷水タンク8には、溜まった飲料水4を上下層に区切る分離板16が設置され、冷水タンク8にある飲料水4は、この分離板16によって上層部と下層部とに仕切られる。冷水タンク8の下層部側には飲料水4の冷却手段である蒸発器18が設置され、分離板16で区切られた下層部側に溜まっている飲料水4が冷却される。そして、この分離板16で冷水タンク8内を区切り、冷却した下層側の飲料水4と上層側の未冷却の飲料水4との接触を減らすことで、冷却した飲料水4が温水によって温められるのを防止でき、省エネを図ることができる。
冷水タンク8には第1の温度検出手段である冷水センサ20が設置され、冷水タンク8内の飲料水4の温度を検出している。この検出温度に基づいて冷却手段の動作制御を行う他、例えば、後述する飲料水供給装置2の清浄化処理にも利用する。
飲料水4の冷却手段である蒸発器18は、筐体3の底部に設置された冷却装置22に接続されている。この冷却装置22は、例えば圧縮機24、乾燥器26、凝縮器28が冷媒管30によって連結され、この冷媒管30の中途部にはキャピラリーチューブ32が設置されている。即ち、この冷却装置22は、冷水タンク8の底部側に周回させた冷媒管30との間に冷媒管30を通して冷媒循環路を構成し、冷媒を循環させることで冷水タンク8内の飲料水4を冷却している。
冷水タンク8の底部側には冷水電磁弁34を備えた冷水供給管36が接続されており、後述する操作部への給水指示により、冷水電磁弁34が開かれ、冷水タンク8内の冷えた飲料水4が冷水供給口38から供給される。
また、冷水タンク8の下側には、第2のタンクである温水タンク40が設置されている。この温水タンク40の中央部又は底部側には加熱手段として、温水ヒータ42を周回されて設置されており、温水タンク40内の飲料水4を加熱している。
この温水タンク40への飲料水4の供給は、冷水タンク8を介して行う。具体的には、冷水タンク8内に設置した分離板16の中央に開口部44を設けている。そして、温水タンク40に飲料水4を供給する給水管46の一端を温水タンク40に配置し、他の一端を冷水タンク8を通過させて、既述の開口部44に合わせるように配置する。斯かる構成により、冷水タンク8内の上層部側にある飲料水4が分離板16の開口部44から給水管46に流入して、温水タンク40内に溜まる。
温水タンク40の上部には温水電磁弁48が設置された温水供給管50が接続されており、この温水電磁弁48が開かれたとき、温水タンク40内の飲料水4が温水供給口52から供給される。そして、温水供給口52から供給された分の飲料水4が冷水タンク8から給水管46を通して温水タンク40に供給され、冷水タンク8の水位低下分の飲料水4がガロンボトル6から供給される。
温水タンク40には第2の温度検出手段である温水センサ54が設置され、飲料水4の温度を検出している。この検出温度についても、冷水タンク8内の水温の場合と同様に、給湯温度の制御判断等に利用する。また、温水タンク40の底部には排水栓56を備えた排水管58が接続されており、この排水栓56の開閉により、飲料水供給装置2内の水等の排出を行う。
なお、上記の冷水センサ20や温水センサ54は、飲料水4等の温度検出が行えるものであればどのような構成でもよく、例えば、サーミスタ温度計等を利用する構成であってもよい。
また、冷水タンク8の底部と温水タンク40の天井部との間には、バイパス弁60を備えたバイパス管62が設置されている。このバイパス管62は、例えば、後述する清浄化処理等において、バイパス弁60が開放されることにより、温水タンク40内の加熱された飲料水4を冷水タンク8に循環する循環通路として用いられる。
なお、図1に示すように、冷水タンク8内において、温水タンク40への給水口である給水管46を分離板16に接続することで、開口部44とバイパス管62の出口との距離を取るように構成している。斯かる構成により、例えば、飲料水4の循環処理を行う場合に、バイパス管62と給水管46との間で、ショートサイクルによる循環を防止している。
次に、飲料水供給装置2へのガロンボトル6の載置等について説明する。筐体3の天井部には、ガロンボトル6を載置するための載置部64が構成されている。また、この載置部64には、図1に示すように、飲料水供給装置2の内部側に向かって、ガロンボトル6を支持する支持壁66が構成されており、載置されたガロンボトル6の側壁の一部又は全部を包囲している。この支持壁66は、ガロンボトル6の水取出し口12周辺の形状に合わせて構成されており、例えば、円筒状に形成されている。即ち、受水口10は、この支持壁66によって形成されている。また、冷水タンク8の天井部には、受水口10の位置に合わせて突起68が設置されている。この突起68は、ガロンボトル6の水取出し口12を挿入する水取出し挿入部であり、後述するように、ガロンボトル6から冷水タンク8への飲料水4の流入を制御している。斯かる構成により、支持壁66は、ガロンボトル6を飲料水供給装置2に対して、所定の位置に載置させている。
この飲料水供給装置2の制御手段として制御装置70が設置されている。この制御装置70には、飲料水供給装置2に供えられた各種センサや各電磁弁等が接続されている。斯かる構成により、冷水センサ20及び温水センサ54による検出温度に基づいて飲料水4の温度制御を行う他、給水又は給湯指示や温度設定、後述する清浄化処理等を実行する。
飲料水供給装置2は、図2に示すように、筐体3の上部にガロンボトル6の載置部64が形成され、ガロンボトル6をセットして飲料水4を供給する。この筐体3の正面上部の一部を前面側に張り出すように形成し、この張り出し部分には上方に向かって傾斜したパネル面72が形成されている。そして、このパネル面72には飲料水供給装置2への給水又は給湯への指示入力を行う他、飲料水供給装置2の運転情報や温度情報等を表示する操作パネル部及び表示パネル部である表示・操作部74が設置されている。
筐体3のパネル面72の下側には、給水窓部76が形成されている。そして、この給水窓部76の内部には、既述の冷水供給口38及び温水供給口52が設置されている。また、給水窓部76内の底面には、コップ等が載置できる受け部78が形成されている。斯かる構成により、飲料水供給装置2の使用時には、載置部78に設定された給水又は給湯位置にコップ等を置き、表示・操作部74に設定された給水ボタン又は給湯ボタンを操作して、コップ内に飲料水4を得ることができる。即ち、この表示・操作部74は、所定の角度を持っているので、飲料水供給装置2のユーザの目線の高さによって、表示が見え難くなるのを防止でき、また、給湯時に発生する湯気が操作中の手や腕に当たるのを防ぐことができる。
次に、冷水タンクの構成について、図3を参照する。図3は、冷水タンクの構成例を示し、図3Aは、冷水タンクの外観構成を示す正面図、図3Bは、冷水タンク内部を示す平面図である。図3において、図1と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。なお、図3に示す冷水タンクは一例であって、これに限定されるものではない。
冷水タンク8の下部側の周囲には、冷却手段である蒸発器18が設置され、この蒸発器18の中部に冷媒を循環させている。これにより、例えば、循環している冷媒が気化する際に冷水タンク8内の熱を奪うことで飲料水4を冷却する。
また、冷水タンク8の側面側には、飲料水4の温度を検出する冷水センサ20が設置されている。この冷水センサ20による検出温度は、制御装置70に送られ、冷却装置22の動作制御に利用される。さらに、冷水タンク8の下部には、温水タンク40へと飲料水4を供給する給水管46が設置されている。これにより、温水タンク40内の飲料水4の減少に応じて、飲料水4が供給される。
また、図3Bに示すように、冷水タンク8内には分離板16が供えられており、この分離板16の中央部には、温水タンク40側へと飲料水4を流すための給水管46が接続された開口部44が形成されている。また、冷水タンク8の底部には、温水タンク40との間で飲料水4を循環させるバイパス管62が接続されている。これにより、冷水タンク8と温水タンク40との間で飲料水4を循環させる場合に、バイパス管62と給水管46との間でショートサイクルとなるのを防止できる。その他、冷水タンク8の底部には、冷却された飲料水4を給水するための冷水供給管36が接続されている。
次に、表示・操作部について、図4を参照する。図4は、表示・操作部の一例を示し、図4Aは、表示・操作部の一例であるパネルの構成を示す図、図4Bは、表示部の表示内容の一例を示す図である。図4の表示・操作部の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
この表示・操作部74には、図4Aに示すように、時刻等を表示する表示部100が中央上部側に配置されている。この表示部100は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display) で構成されており、図4Bに示すように、時計・タイマー時間表示部102、タイマー表示部104、ステージ表示部106、開始表示部108、終了表示部110が設定されている。この時計・タイマー時間表示部102には、通常の時計表示の他、後述する清浄化処理や省エネモードの開始時間等の設定内容を表示する。
また、表示・操作部74の中央側には、例えば、予約設定等を行う設定操作部として、設定時刻等の値を加算するための加算スイッチ(SW)112、値を減算するための減算スイッチ(SW)113が中央部に配置されており、その両側には、設定モードヘの切替えやその解除を行うための設定スイッチ(SW)114、省エネモードヘの切替えやその解除を行うための省エネスイッチ(SW)116、この省エネSW116のON/OFFを表示する省エネ操作表示部118、タイマーや時刻を調整するためのタイマー/時計スイッチ(SW)120、スタート又はストップを行うためのスタート/ストップスイッチ(SW)122が配置されている。そして、これらのスイッチ類の下側には、後述する高温水循環による清浄化処理中であることをユーザに報知する自動高温水循環モード表示部124が配置されている。
表示・操作部74の両端には、例えば、供給温度設定を行う操作部を配置している。強制温度変更スイッチの一例として、通常運転とは異なる高温設定の指令又はその解除を行うための高温設定スイッチ(SW)126、通常運転とは異なる冷水設定の指令又はその解除を行うための冷水設定スイッチ(SW)128が配置されている。また、高温設定スイッチ126の近傍には、第1の運転モードとして通常運転時の設定温度(例えば、85〔℃〕)が点灯して表示する通常温度表示部130、強制高温時に点灯によって表示する高温表示部132が設置され、これらはLED(Light Emitting Diode)等のランプで構成されている。冷水設定スイッチ128の近傍には、第1の冷水設定温度(例えば、8 〔℃〕)であることを表示する温度表示部134、第2の冷水設定温度(例えば、12〔℃〕)であることを点灯によって表示する温度表示部136が設置され、これらもLED等のランプで構成されている。
また、表示・操作部74の下部側には、例えば、給水及び給湯の運転操作部として、給湯を指令するための給湯ボタンである給湯スイッチ(SW)138、給水を指令するための給水ボタンである給水スイッチ(SW)140が配置され、その給湯SW138と給水SW140との間に、給湯や給水のロック解除を指令するためのロック解除スイッチ(SW)142及びその操作を表示するロック解除操作表示部144が設置されている。
次に、飲料水供給装置の動作内容に合わせて表示・操作部74の構成を説明する。
A 初期状態
電源投入時、飲料水4を冷水化する冷却装置22をON状態(設定温度:8〔℃〕) 、飲料水4を温水化する温水ヒータ42に対する給電制御(例えば、ON/OFF制御)をOFF状態にする。この場合、給湯を優先させるため、ロック解除SW142、給湯SW138の操作を受け付ける。初期エアー抜き使用の場合である。但し、温水ヒータ42に対する給電制御がOFF状態での上記内容は、温水センサ54の検出温度即ち、温水温度が所定温度として例えば、40〔℃〕以下の場合とする。
表示部100の時計表示では、時と分とが" −−: −−”の点滅表示によって表示され、加算SW112、減算SW113、設定SW114の押下により、その時刻を確定させる。
温水ヒータ42の給電制御はスタート/ストップSW122の例えば、長押しによって実行され、給電制御のOFF状態で長押しの時間として例えば、2〔秒〕押下することにより、ON動作の設定温度として例えば、85〔℃〕設定となる。ON状態で長押し時間) として例えば、2〔秒〕押下すると、OFF状態となる。但し、サーミスタによる温水センサ54では、自己発熱の特性を利用し、水の有無を判断し、温水ヒータ42の給電制御のON/OFFを動作するようにすることもできる。
温水ヒータ42の給電制御をOFF状態からON状態に移行させると、省エネモードはOFF状態になる。停電状態から給電状態への復帰時も同上の制御を行う。但し、省エネモードの時刻設定がされていた場合は、時間を記憶部156(図5)に記憶する。
時刻の設定方法は時計表示モードによって実行され、また、省エネモードの時刻設定方法は省エネ時刻設定モードによって実行される。
B 給水動作
給水SW140を押下許可状態(ロック解除)にて連続して押下すると、冷水電磁弁34が開状態に制御され、給水が行われる。この冷水電磁弁34は、給水SW140を押している間のみ開状態に制御され、この給水SW140が押されている間、給湯SW138の操作を受け付けない。給水と給湯とを同時に行わないため、安全性が確保される。
C 冷水切換え動作
冷水設定SW128を連続して押下すると、冷水温度の設定が変更される。例えば、押下を連続すると、設定温度が8〔℃〕→12〔℃〕→8〔℃〕→・・・のように変更される。
D ロック解除動作
ロック解除SW142を押下すると、給湯SW138及び給水SW140のロックが解除され、その押下が許可される。このとき、ロック解除SW142上に設定されたロック解除表示部144が例えば、赤色点灯し、ロック解除状態であることが表示される。このロック解除状態は有限であり、例えば、10秒間の間に給湯SW138の操作がなかった場合にはロック解除を無効とし、ロック解除表示部144を消灯させ、ロック状態であることを表示する。
ロック解除中、再度、ロック解除SW142を押下すると、ロック解除が無効となり、ロック解除表示部144が赤色点灯から消灯となり、ロック状態に移行する。
ロック解除中、給湯SW138又は給水SW140が押下されると、給湯SW138又は給水SW140のOFFから例えば、10秒後にロック解除機能は無効となり、ロック解除表示部144は消灯する。
E 給湯動作
給湯SW138が押下許可状態(ロック解除)にて、連続して押下されると、温水電磁弁48が開状態に制御され、給湯が行われる。温水電磁弁48は、給湯SW138を連続して押下されている間、開状態となる。給湯SW1318が押下されている間は、給水SW140の押下は受け付けない。即ち、給湯SW138と給水SW140とは先押し優先処理を行う。
F 高温設定動作
高温設定SW126は、温水ヒータ42に対する給電制御がON状態にて押下されることにより、その押下の1回のみの操作によって所定高温度例えば、93〔℃〕まで沸き上げる。この沸き上げ後、温水温度が所定温度例えば、90〔℃〕までは高温設定の適温範囲とする。その後、所定温度として例えば、85〔℃〕の温度設定となる。その沸き上げ中では、高温表示部132を橙色に点灯させるとともに、沸き上げ完了温度として例えば、93〔℃〕に到達させ、その到達時点で報知手段であるブザー166(図5)を所定時間として例えば、10秒間報知させ、高温表示部132を緑色に点灯させるとともに、温水ヒータ42に対する給電をOFF状態に移行させ、高温範囲(〜90〔℃〕)にある場合、高温表示部132を点灯させる。
高温沸き上げ中、高温設定SW126の押下があった場合には高温沸き上げ動作を中止する。また、沸き上げ後、温水ヒータ42に対する給電をOFF状態にし、再度、高温設定SW126の押下があった場合、所定温度として、既述の高温度である93〔℃〕まで沸き上げる。この場合、温水の温度が93〔℃〕未満、90〔℃〕以上の場合でも、高温表示部132の橙色点灯とする。また、沸き上げ後、90〔℃〕未満で85〔℃〕までの場合には、通常温度表示部130を緑色点灯させ、85〔℃〕の適温範囲であることを表示する。
G 省エネ動作
温水ヒータ42に対する給電制御がOFF状態の場合には省エネSW116の押下を受け付けない。温水ヒータ42に対する給電がON状態で省エネSW116が押下されると、省エネモードとなり、省エネ表示部118が橙色点灯し、省エネモードの実行中であることを表示する。省エネモード時、省エネSW116を押下すると、省エネモード解除となり、省エネ表示部118が消灯する。
なお、省エネモードが実行中で、且つ時刻が省エネ時間帯の場合は、省エネが実施され、省エネ表示部118は緑色点灯となる。
H タイマー/時計動作
時計表示状態において、タイマー/時計SW120が押下されると、その表示がタイマー表示となり、タイマーモードに移行する。タイマーモードにおいて、タイマー/時計SW120が押下されると、表示が時計表示となる。但し、タイマー160(図5)がカウントダウンしている場合には、そのカウントダウンは継続される。
I 加算動作、減算動作、スタート/ストップ動作、設定動作
時刻変更モード中及びタイマー表示切替え時、加算SW112、減算SW113が連続して押下されると、時刻及びタイマーの時間が変更される。
タイマー表示(待機)中、スタート/ストップSW122が押下されると、タイマー160(図5)がスタートとなる。タイマー160のカウントダウン中、スタート/ストップSW122が押下されると、カウントダウン停止となり、再度の押下により、カウントダウンが再スタートされる。
設定SW114が押下されると、時刻設定時の確定及び省エネモードの開始、開始後の押下はそれらの終了となり、押下に応じた切替えが行われる。
J 時計表示
電源のON状態により時計表示が生起し、タイマー/時計SW120の連続押下で時刻設定モードとなる。時計表示が点滅状態となり、この状態で加算SW112又は減算SW113にて表示が変更され、設定SW114の押下、又は所定時間の経過例えば、10秒間の操作なし状態の継続により、その設定を確定させる。時刻設定モード中、加算SW112を押下すると、12:01→12:02→12:03・・・、さらに連続押しで12:10→12:20→12:30・・・13:00→13:30→14:00・・・15:00→16:00に表示が変更される。時刻設定モード中、減算SW113を押下すると、11:59→11:58→11:57・・・、連続押下で11:50→11:40→11:30・・・11:00→10:30→10:00・・・9:00→8:00となる。
K タイマー機能
タイマー/時計SW120が押下されると、表示部100がタイマー表示となる。時計表示では、時、分だが、タイマー表示は、分、秒となる。この場合、初期設定は、既述の3.00である。タイマー時間の最大は例えば、60〔分〕であり、タイマー表示(待機) 中、加算SW112、減算SW113を押下することにより、分表示が変更される。加算SW112を押下すると、3→3.30→4→4.30→5→・・・10→11となり、以降は連続的に最大60分まで変わり、時計と同様である。また、減算SW113を押下すると、3→2.30→2→1.30→1→0.30→0となる。スタート/ストップSW122を押下すると、タイマー160がカウントダウンする。カウントダウン中でも、加算SW112、減算SW113を押下することで分表示の変更が可能である。タイマー160が0:00に移行したとき、ブザー166を所定時間例えば、10秒間鳴動させる。
L 省エネ時間設定
省エネ時間は例えば、2 ステージまで設定可能とする。時間の設定方法は時刻設定と同様である。第1のステージ又は第2のステージが設定されていれば、省エネモードとなる。
(1) 時計表示状態及び温水ヒータ42に対する給電制御をON状態にて、省エネSW116を押下すると、表示部100には第1のステージを表す「ステージ1」及び「開始」が表示される。例えば、初回は、時刻表示を" −−:−−" とし、2 回目以降は、現在設定時刻とすればよい。
この状態にて、設定SW114を押下すると、表示部100には「ステージ1」及び「終了」の表示から、第2のステージを表す「ステージ2」及び「開始」、「ステージ2」及び「終了」に移行する。
(2) 加算SW112又は減算SW113を押下することにより時刻設定ができ、操作は時刻設定と同様である。
(3) 設定SW114を押下することにより設定内容が確定される。各操作中にSW操作がない状態又は操作終了後、10秒後に時計表示に戻る。また、設定をキャンセル(クリアー)したい場合は、キャンセルしたいステージ(開始又は終了のどちらでも可)に設定SW114で合わせ、加算SW112、減算SW113を同時押しする。このとき、表示は" −−−−" となり、設定SW114を押下すれば、その内容を確定させることができる。
次に、制御装置の構成について、図5を参照する。図5は、制御装置の構成例を示す図である。図5において、図1 、図2、図4と同一部分には同一符号を付している。なお、この制御装置の構成は、一例を挙げるものであり、これに限定されるものではい。
この制御装置70は、マイクロコンピュータ等からなる制御部150で構成されており、この制御部150は、表示・操作部74に接続している。制御部150は、プロセッサ152、I/O部154、記憶部156、RAM(Random Access Memory)158、タイマー160等で構成され、これらはバス162を介して接続されている。
プロセッサ152はCPU(Central Processing Unit )又はMPU(Micro Processor Unit)で構成され、記憶部156に格納されているOS(Operating System)や動作プログラムを実行する。I/O部154は、制御部150の入出力のインターフェースであって、例えば、冷水センサ20、温水センサ54からの検出温度情報を取り込む他、このI/O部154に接続された温水ヒータ42、温水電磁弁48、冷水電磁弁34、圧縮機24、バイパス弁60等に対して、動作制御信号を送出している。また、表示・操作部74と接続し、既述の各動作入力操作を取り込むとともに、表示部100等への表示制御信号を送出している。
記憶部156は、ROM(Read Only Memory)で構成され、プロセッサ152に実行させるOSや、飲料水供給装置2の動作プログラムや後述する高温水循環処理等に関する動作プログラムを記憶するプログラム記憶部として機能する他、各種、検出温度情報等を記憶するようにしてもよい。また、RAM158は、上記の動作プログラムを処理するワーキングエリアとして機能する。タイマー160は計時手段及び時計手段であって、例えば、後述する清浄化処理において、清浄化のインターバルタイマー、異常判定タイマー、清浄化時間計測用のタイマーとして時刻情報を取得する他、制御に必要な時間計測を行う。
また、この制御装置150には、飲料水供給装置2の給電制御を行う電源部164や、動作異常等の場合の報知手段として、ブザー166等が接続されている。
次に、高温水循環による清浄化処理に関し、飲料水供給装置内の飲料水の循環について、図6を参照する。図6は、清浄化処理時の飲料水4の流れ方向を示す図である。図6において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
冷水タンク8内の飲料水4の清浄化は、温水タンク40内の高温の飲料水4を利用して行う。即ち、冷水タンク8と温水タンク40との間で、冷水タンク8内の飲料水4と温水タンク40内の飲料水4との温度差により生じる熱対流を利用して循環させ、冷水タンク8内の飲料水4の温度を清浄化に必要な温度まで上昇させる。
そこで、冷水タンク8内の飲料水4の温度を上昇させるため、飲料水4の冷却手段である圧縮機24を停止させるとともに、温水ヒータ42への給電制御をONさせ、温水タンク40内の飲料水4を加熱する。そして、温水センサ54の温度検出により、温水タンク40内の飲料水4の温度が所定温度Th以上になるまで加熱を行う。
バイパス管62に設けられたバイパス弁60を開き、温水タンク40、バイパス管62、冷水タンク8、給水管46の間で循環回路を形成すると、バイパス管62を通じて高温の飲料水4が冷水タンク8へと流入するとともに、冷水タンク8内の低温の飲料水4が給水管46を通って温水タンク40内へと流入する(図6の実線矢印A)。
冷水タンク8内の水温を検出する冷水センサ20は、バイパス管62から離れた位置に設置されており、例えば、冷水タンク8内の一部分のみで温水が循環してショートサイクルが発生した場合に、計測時間と検出温度変化等から、高温水の循環異常を検知することができる。
なお、熱対流による温水の循環方向は、図6の実線矢印Aの方向に限られず、破線矢印Bに示すように、高温の飲料水4が給水管46を通って冷水タンク8へと流入し、バイパス管62を通じて冷水タンク8内の低温の飲料水4が温水タンク40内へと流入する場合もある。斯かる場合でも、冷水タンク8内の清浄化処理を行うことができる。
温水タンク40内の飲料水4の温度を温水センサ54が検出し、所定温度Thとして例えば93〔℃〕以上である場合には、温水ヒータ42を停止させる。
斯かる構成により、冷水タンク8内の飲料水4に対し、簡易な構成で清浄化に適した温度に維持させることができ、また、所定時間が経過しても必要温度に達しない場合には、清浄化の処理に異常があることを報知するので、十分な清浄化処理を行うことができる。
次に、この飲料水供給装置の制御動作について、図7及び図8を参照する。図7及び図8は、制御動作の処理手順を示すフローチャートである。図7及び図8において、A、Bはフローチャート間の連結子である。
この処理手順は、電源の投入後の初期設定処理の後、冷水タンク8内にある飲料水4の清浄化処理を、所定の時間条件に応じて行う制御手順であって、基本的に電源が入っている間、繰り返し実行される。
飲料水供給装置2の電源を投入し、各部の初期設定等の他、高温水循環による清浄化処理の実施間隔をカウントするインターバルタイマーとして例えば、タイマー160に初期値として72時間を設定し(ステップS1)、カウントダウンを開始する(ステップS2)。
次に、ユーザ等が省エネモードの時間設定をしているか否かの判断をする(ステップS3)。即ち、高温水循環処理の実行タイミングとして、この省エネモードの実行時に行う構成である。この省エネモードは、例えば、深夜帯等、ユーザが飲料水供給装置2を使用しない、若しくは使用量が少ない時間帯に冷水及び温水の保温設定温度を変更して、省エネを図る処理である。既述のように、高温水循環処理中は飲料水供給装置2が使用できなくなるため、この省エネモードの設定時間等、ユーザの使用量が少ない時間帯に高温水循環処理を行えば、ユーザへの飲料水4の供給を妨げることが無く、利便性がよい。
省エネモードの時間設定がされている場合(ステップS3のYES)には、現在の時刻情報を例えば、タイマー160や既述のタイマー/時計SW120に接続された内蔵の時計機能や外部の時計機能等から取得し、現在の時刻が省エネモードの時間帯であるか否かの判断を行う(ステップS4)。現在の時刻が省エネモードの時間帯である場合(ステップS4のYES)、省エネモードの開始時刻であるか否かの判断に移行する(ステップS5)。即ち、高温水循環による清浄化は、通常モードから省エネモードに切り替わるタイミングで実施される。
このように、省エネモードに切り替わるタイミングで高温水循環処理を行うのは、通常モードの設定温度と高温水循環処理の設定温度の温度差の方が、省エネモードの設定温度と高温水モードの設定温度の温度差よりも少ないためである。即ち、既述のように、ユーザへの利便性から飲料水供給装置2の使用量が少ない時間帯として、省エネモード時に清浄化を行うようにしているが、省エネモードに移行した後では、温水タンク40内の飲料水4の温度が通常モードに比べて低温になっているので、その分余計に加熱を行わなければならない。よって、清浄化処理は、省エネモードへの移行タイミングに合わせて実行させることとしている。また、その他には、高温水循環による清浄化処理に一定の時間を要するため、高温水循環処理中に省エネモードの設定時間が終了するのを防止している。
省エネモードの開始時刻である場合(ステップS5のYES)には、インターバルタイマーがタイムアップしているか否かの判断を行う(ステップS6)。既述のように、タイマ−160を参照して、ステップS1で設定した初期値が経過したか否かを判断する。そして、インターバルタイマーがタイムアップしている場合(ステップS6のYES)には、高温水循環処理を行い(ステップS7)、再びステップS3に戻る。
また、省エネの時間設定がされていない場合(ステップS3のNO)には、インターバルタイマーがタイムアップしているか否かの判断を行い(ステップS8)、タイムアップしている場合(ステップS8のYES)には、現在の時刻が、予め設定されている所定時刻Pとして、例えば午前2時であるか否かの判断を行う(ステップS9)。即ち、省エネモードの時間設定を行っていない場合の高温水循環処理は、初期値として設定された3日(72時間)経過後の所定時刻Pに行う構成である。そして、現在の時刻が所定時刻P(午前2時)である場合(ステップS9のYES)には、高温水循環処理を行う(ステップS10)。
高温水循環処理が終了したら、通常モードとして、温水タンク40内の飲料水4を設定された温度に維持させる(ステップS11)とともに、冷水タンク8内の飲料水4を設定された温度に維持させる(ステップS12)。
インターバルタイマーがタイムアップとなっていない場合(ステップS8のNO)、又はタイムアップしていても所定時刻Pになっていない場合(ステップS9のNO)には、通常モードとしてステップS11に移行する。
また、省エネモードの設定されている場合であっても(ステップS3のYES)、省エネモードの時間帯でない場合(ステップS4のNO)や、省エネモードの実施でない場合(ステップS13のNO)には、ステップS11に移行する。
また、省エネ時間帯であっても(ステップS4のYES)、高温水循環を行わない場合(ステップS5のNO、又はステップS6のNO)であって、省エネSW116が押下されて省エネの実行入力がされている場合(ステップS13のYES)には、省エネモードに移行し、温水タンク40内の飲料水4を省エネモードの設定温度に管理する(ステップS14)とともに、冷水タンク8内の飲料水4を省エネモードの設定温度に管理する(ステップS15)。
通常モードの温度管理では、表示・操作部74で設定された温度に維持させるように、温水タンク40では温水センサ54で水温を計測して、必要に応じて温水ヒータ42を動作させる。冷水タンク8では冷水センサ20で水温を計測して圧縮機24の動作制御を行っている。
また、省エネモードでは、温水タンク40内の飲料水4の温度を通常モードより低い所定温度に管理するとともに、冷水タンク8内の飲料水4の温度を通常モードより高い所定温度に管理している。これにより、飲料水4の温度管理において、温水ヒータ42や圧縮機24の動作時間が短縮されることで省エネとなるとともに、省エネモードであっても低温及び高温の飲料水4の供給が可能である。
次に、給水又は給湯の要求に関する制御に移行する(図8)。
通常モード及び省エネモードのいずれの運転状態においても、給水入力が行われたか否かを判断する(ステップS16)。この給水入力の判断は、例えば給水SW140が押下されたか否かの検出に基づいて判断する。そして、給水入力がされている場合(ステップS16のYES)には、給水可能温度か否かの判断に移行する(ステップS17)。給水可能温度は、飲料水供給装置2に予め設定された温度である。この給水可能温度は、例えば高温水循環動作直後に給水要求がされた場合、冷水供給口38からユーザが予期せぬ高温の飲料水4が出る可能性があるので、予め定められた所定温度以上であることを冷水センサ20が検出した場合には、給水ができないようにしている。
そして、冷水タンク8内の飲料水4が給水可能温度である場合(ステップS17のYES)には、冷水電磁弁34を開いて給水を行う(ステップS18)とともに、インターバルタイマーのカウントタイムを所定時間Tx増加させる(ステップS19)。この所定時間Txの増加は、例えば、給水要求の回数や飲料水4の供給量等に応じて、インターバルタイムを増やすようにしてもよい。即ち、冷水タンク8内の飲料水4の清浄化は、低温の飲料水4が長期間使用されずに冷水タンク8内に停滞することで、水質が変化するのを防ぐために行うものであり、所定時間として例えば、72時間毎に高温水循環による清浄化処理を行うタイミングとしている。しかし、給水が行われていれば冷水タンク8内に飲料水4が停滞しない。そこで、例えば、給水要求の回数や飲料水4の供給量等に応じて、清浄化処理のインターバルタイムを増やすようにしてもよい。
また、給水可能温度ではないが(ステップS17のNO)、例えばユーザの操作によりロック解除SW142が押下されている等の場合(ステップS20のYES)には、給水を可能にしてもよい。
インターバルタイマーのカウントタイムを所定時間Tx増加させた後(ステップS19)、給水の入力操作がされていない場合(ステップS16のNO)、給水可能温度でなく(ステップS17のNO)且つロック解除がされていない場合(ステップS20のNO)には、給湯入力がされたか否かの判断に移行する(ステップS21)。この判断では、例えば、ユーザにより給湯SW138が押下されたか否かを検出して判断する。
給湯処理では、ロック解除の有無(ステップS22)を判断して、給湯を行い(ステップS23)、再びステップS3に戻る。また、給湯入力がされていない場合(ステップS21のNO)やロック解除がされない場合(ステップS22のNO)にも、ステップS3に戻る。
なお、上記のインターバルタイマーの初期値や省エネ開始時間、及び省エネ時間以外での高温水循環処理開始時間等は飲料水供給装置2に予め設定されている一例であって、ユーザが任意に設定し、又は変更することが可能である。
次に、高温水循環を利用した飲料水の清浄化処理について、図9を参照する。図9は、サブルーチンである高温水循環による清浄化の処理手順を示すフローチャートである。
この飲料水供給装置2の高温水循環による清浄化処理について総括的に説明すると、冷水タンク8内の飲料水4の温度を清浄化温度Twとして、例えば85℃以上の状態で、清浄化時間Xとして、例えば30分間維持させる(ステップS113〜ステップS114)。冷水タンク10内の飲料水4を上記の温度に維持させるため、加熱側である温水タンク40内の飲料水4の温度を所定温度Thとして、例えば93℃以上に維持させる(ステップS109〜ステップS110)。
また、清浄化処理の異常判定として、所定時間Xeが経過しても冷水タンク8内の飲料水4の温度が清浄化温度Twに到達しない場合等には、高温水循環異常の報知を行う(ステップS101〜S102、ステップS112〜S113、S115〜S116)。
そこで、高温水循環動作について、各ステップ順に説明する。
高温水循環の動作に入ると、異常判定タイマーとして例えば、タイマー160をリセットし(ステップS101)、スタートさせる(ステップS102)。
次に、冷水タンク8内の飲料水4の温度を上昇させるため、飲料水4の冷却手段である圧縮機24を停止させる(ステップS103)とともに、温水ヒータ42への給電制御をONさせ(ステップS104)、温水タンク40内の飲料水4を加熱する。そして、温水センサ54の温度検出により、温水タンク40内の飲料水4の温度が所定温度Tbとして、例えば90℃以上になっているか否かの判断を行う(ステップS105)。この90℃の判断は、熱対流を発生させるための高温側の準備温度であり、また、温水ヒータ42が高温水循環処理の加熱手段として機能するか否かを確認することもできる。
判断の結果、温水タンク40内の飲料水4の温度が所定温度Tb以上である場合(ステップS105のYES)には、バイパス管62に設けたバイパス弁60を開き(ステップS106)、既述の循環回路を形成する。そして、清浄化時間Xを計測する循環タイマーとして、例えばタイマー160をリセットし(ステップS107)、スタートさせる(ステップS108)。
次に、温水センサ54の検出温度により、温水タンク40内の飲料水4が所定温度Th以上であるか否かを判定し(ステップS109)、所定温度Thとして例えば93℃以上である場合(ステップS109のYES)には、温水ヒータ42を停止させ(ステップS110)、所定温度Thに達しない場合(ステップS109のNO)には、温水ヒータ42を作動させる(ステップS111)。
また、異常判定に関しタイマー160により、高温水循環動作の開始(ステップS102)から所定時間Xeとして、例えば、2時間が経過したか否かを判断する(ステップS112)。所定時間Xeが経過していない場合(ステップS112のNO)には、冷水センサ20により、冷水タンク8内の飲料水4の温度が清浄化温度Tw以上であるか否かの判断を行う(ステップS113)。清浄化温度Tw以上でない場合(ステップS113のNO)には、ステップS107に戻り、清浄化温度Tw以上である場合(ステップS113のYES)には、循環タイマーの計測開始(ステップS108)から清浄化時間Xが経過したか否かの判断に移行する(ステップS114)。そして、冷水タンク8内の飲料水4が清浄化温度Tw以上で清浄化時間Xが経過するまで、ステップS109〜ステップS114を繰り返す。
ところで、ステップS105において、温水タンク40内の飲料水4の温度が所定温度Tb未満である場合(ステップS105のNO)には、異常判定タイマーにより所定時間Xeが経過したか否かの判断を行い(ステップS115)、Xe時間が経過していない場合(ステップS115のNO)には、ステップS105に戻り、また、既にXe時間が経過した場合(ステップS115のYES)には、温水ヒータ42に異常がある等と判断して、高温水循環異常報知処理を行う(ステップS116)。
また、ステップS112において、異常判定タイマーにより所定時間Xeが経過した場合(ステップS112のYES)、即ち、高温水循環動作に移行してからXe時間が経過しても、冷水タンク8内の飲料水4に対し、清浄化温度Twで清浄化時間Xの条件を満たすことができない場合にも、例えば、バイパス管62やバイパス弁60の異常の他、冷水タンク8内において、温水がショートサイクル状態である等、高温水循環異常であるとして、ステップS116の異常報知を行う。
そして、高温水循環について、タイマー160により、所定時間Xが経過したと判断した場合(ステップS114のYES)、又は異常報知処理(ステップS116)が行われた場合には、バイパス管62に設けたバイパス弁60を閉じる(ステップS117)。そして、インターバルタイマーに初期値をセットし(ステップS118)、カウントダウンを開始させて(ステップS119)、高温水循環動作を終了させる。
斯かる構成により、冷水タンク8内の飲料水4に対し、簡易な構成で清浄化に適した温度に維持させることができ、所定時間が経過しても必要温度に達しない場合には、清浄化の処理に異常があることを報知するので、十分な清浄化処理を行うことができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について、図10を参照する。図10は、第2の実施形態に係る飲料水供給装置の冷水タンク周辺の構成及び筐体に形成されたパネル部内部の構成を示す図である。図10において、図1及び図3と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。なお、図10に示す冷水タンク内の給水部分の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
この実施の形態では、ガロンボトル6からの飲料水4の供給に対し、冷水タンク8内の飲料水4の水位に応じてその供給を制限するとともに、冷水タンク8に溜められた飲料水4とガロンボトル6内の飲料水4との接触を遮断するセパレータフロートを備えた構成である。
冷水タンク8の内側上部には、ガロンボトル6を支持する支持壁の外周側に蓋部80が設置されている。この蓋部80の中央には、既述の突起68が形成されている。この突起68は、例えば、円柱状であって、その上部側面に飲料水4の取込口部82が形成されている。また、突起68の下端は、冷水タンク8に開口されており、飲料水取込部84を構成している。このような構成により、ガロンボトル6から流出した飲料水4は、突起68の取込口部82に入り、飲料水取込部84から冷水タンク8内へと供給される。
この飲料水取込部84の下部側には、冷水タンク8への飲料水4の流入量制限手段、及びガロンボトル6内の飲料水4と冷水タンク8内の飲料水4との接触を遮断する遮断手段として、セパレータフロート86が設置されている。このセパレータフロート86は、フロートカバー88の内部に設置され、冷水タンク8内の飲料水4の水位に応じて浮き沈みする。フロートカバー88は、例えば、円周及び底部が格子構造になっており、飲料水4はその格子間から冷水タンク8に流入する。フロートカバー88は蓋部80の底部に取り付けられ、蓋部80とフロートカバー88とはロック機構90によって着脱可能である。また、フロートカバー88の底部中央には、セパレータフロート86の軸部92を挿通させるための孔94が設けられている。
これにより、冷水タンク8の飲料水(冷水)4の水位が上昇してくると、セパレータフロート86が押し上げられ、その上部が蓋部80の飲料水取込部84に接すると、ガロンボトル6から飲料水4の供給が停止する。また、冷水タンク8内の飲料水4の水位が下がって、セパレータフロート86の上面が蓋部80の飲料水取込部84から離れると、例えば、空気取入口14から取り入れられた空気が、飲料水取込部84よりガロンボトル6内に入る。この空気の侵入により、ガロンボトル6から飲料水4が冷水タンク8に供給される。冷水タンク8内の水位が上昇して、セパレータフロート86が飲料水取込部84を塞ぐと、再びガロンボトル6からの飲料水4の流入が停止される。これにより、冷水タンク8内の飲料水4とガロンボトル6内の飲料水4との遮断が可能となる。即ち、ガロンボトル6に封入された飲料水4と冷水タンク8内で外気と接触した飲料水4との接触を防止することができる。
また、冷水タンク8内の飲料水4を上下層に分離する分離板16は、その中央部分に段差を設け、凹形に形成している。このように形成することで、セパレータフロート86を内部に備えたフロートカバー88との接触を避けることができ、また、分離板16の端部の設置高さは、冷却手段である蒸発器18よりも高くできるので、冷水タンク8内の冷水と温水とを分離することができる。
冷水タンク8内の飲料水4とガロンボトル6内の飲料水4との分離から生じる有利な効果として、例えば以下に挙げるものがある。
(1) 後述する高温水循環処理による清浄化処理において、冷水タンク8内の飲料水4の温度の上昇に伴ってガロンボトル6内の水温が上昇するのを防止でき、ガロンボトル6内に細菌等が繁殖するのを防止できる。
(2) 遮断手段であるセパレータフロート86により、ガロンボトル6内の飲料水4の温度上昇に伴ってガロンボトル6内の空気の温度が上昇するのを防止することができる。即ち、ガロンボトル6内の飲料水4の温度が上昇するとともに内部の空気が膨張し、その膨張した体積分の飲料水4が冷水タンク8側に余計に流れ込むことになるのを防止することができる。これにより、例えば、高温水循環を実行した場合、ガロンボトル6側から低温の飲料水4が冷水タンク8内に流入してその飲料水4の水温の上昇を妨げ、長時間継続して余分に加熱する必要がなく、不経済となるのを防止できる。
次に、筐体3に形成した張り出し部分の構成について説明する。
図10に示すように、筐体3の上部前面側を張り出させ、上方に向かって傾斜させたパネル部72の背面側には、冷水タンク8との間に空間部98が形成されており、この空間部98には、既述の制御装置70が冷水タンク8に隣接して設置されている。また、空間部98の下部側には、冷水電磁弁34及び、図示しない温水電磁弁48も設置されている。斯かる構成から、冷水タンク8の設置位置の高さは、筐体3のパネル部72に設置した表示・操作部74と同等の高さ位置に設定されている。
〔他の実施の形態〕
上記実施の形態において、図1に示す分離板16は、平面状であるが、これに限られず、セパレータフロートの構成に応じて、凹部を形成したり、段差を設ける等、形状を変化させてもよい。また、斯かる構成によっても、温水タンク40側への飲料水4の流入が可能であり、また、ショートサイクルを防止できる。さらに、冷却された飲料水4が温水タンク40側へと流入するのを防止することもできる。
次に、飲料水供給装置の実施例について、図11、図12、図13、図14及び図15を参照する。図11は、飲料水供給装置の外観構成を示す正面図、図12は、飲料水供給装置の右側面の構成を示す図、図13は飲料水供給装置の背面側の構成を示す図、図14は飲料水供給装置の本体に構成されたガロンボトルの載置部の構成を示す図、図15は飲料水供給装置の内観図である。なお、図11〜図15において、図1〜図4と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。また、この実施例に示す飲料水供給装置の構成は一例であって、これに限定されるものではない。
この飲料水供給装置2は、その天井側に飲料水4の供給手段であるガロンボトル6が設置されている。ガロンボトル6から供給された飲料水4は、飲料水供給装置2の内部で加熱又は冷却され、それぞれ所定の温度で溜められている。飲料水供給装置2の筐体3上部前面側には、上方に傾斜させた傾斜面部としてパネル面72が形成され、そのパネル面72には表示・操作部74が配置されている。
また、飲料水供給装置2の筐体3において、パネル面72の下部側には、冷水供給口38及び温水供給口52が設置された給水窓部76が形成されている。この給水窓部76の下部側には、飲料水4の給水時にコップ等の容器を置く載置部として、受け部78が構成されている。この受け部78の載置面の大きさは、給水窓部76の深さに合わせて構成してもよく、また、図12に示すように、この受け部78は、筐体3の前面板から突出させるようにしてもよく、例えば、用途に応じて引き出しが可能なように構成してもよい。
飲料水供給装置2の背面側には、図13に示すように、冷媒を蒸発器18側へと循環させる冷媒管30を放熱させる放熱部170が設けられており、例えば、筐体3の横幅に合わせて所定の長さずつ、上下が並行になるように往復させて配置されている。また、この冷媒管30内の冷媒を放熱させるための放熱部材172が、冷媒管30の直線部分に対して垂直に交差するように、筐体3の上部側から下部側に向けて複数本設置されている。
飲料水供給装置2の天井側には、図14に示すように、ガロンボトル6を所定位置に配置させる載置部64、ガロンボトル6の水取出し口12を挿入する受水口10、ガロンボトル6を所定の位置に導くとともに支持する支持壁66が備えられている。
そして、図15に示すように、飲料水供給装置2の内部には、冷水タンク8、温水タンク40、冷却装置22である圧縮機24、乾燥機26等が設置されている。また、冷水タンク8と温水タンク40とに接続された給水管46やバイパス管62、温水タンク40から飲料水4等を飲料水供給装置2の外部へと排水するための排水管58が設置されている。温水タンク40には、温水ヒータ42、温水センサ54、空焚きスイッチ174等が設置されている。
〔他の実施例〕
次に、他の実施例について、図16を参照する。図16は、バックインボックスを用いた例を示す図である。なお、図16において、図2、図11及び図12と同一構成には同一の符号を付し、説明を省略している。
この実施例における飲料水供給装置2では、飲料水4を供給する手段として、例えば、内部に、飲料水4が充填された樹脂製の容器を備え、外部を紙製の箱等で覆った、バックインボックス200を利用してもよい。この場合、飲料水供給装置2側の筐体3の前面側に飲料水取込部202を構成してもよい。斯かる構成によっても、本発明の目的を達成することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。