JP2013177089A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電機5による発電量を決定してエンジン3の駆動を制御すると共に、現在地点Pnから充電完了目標地点Psに到達するまでにバッテリ充電量を目標バッテリ充電量に到達するよう充電する図2のフローチャートに示す目標充電量充電制御を実行する充電制御部を備えたシステムコントローラ1を備え、充電制御部は、予め複数種類の走行モードに応じた見込み充電量テーブル♯1、♯2が設定され、目標充電量充電制御の実行時に、見込み充電量テーブル♯1、♯2を用いて走行ルートRnを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置とした。
【選択図】図2
Description
また、ハイブリッド車両において、バッテリの電力のみで駆動用電動機を駆動させるEV走行モードと、エンジンを駆動させて発電しながら駆動用電動機を駆動させるHEV走行モードと、を切り換えるものがある。
このハイブリッド車両において、EV走行予定地域に到達する前にバッテリ充電量を目標バッテリ充電量まで高め、EV走行予定地域をEV走行モードにて走行し、EV走行終了時にバッテリ充電量を使い切る技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、EV走行予定地域の入口である充電完了目標地点まで到達する走行ルートにおいて、同じ走行ルートであっても、走行状態(走行モード)が異なれば、その間の充電量が異なる。
あるいは、複数の走行ルートが存在する場合、走行ルートによって走行距離が異なったり、走行ルートにおける走行状態(走行モード)が異なったりすることで、その間の充電量が異なる。例えば、走行ルートが、高速道路を走行するルートか、一般道を走行するルートか、の違いや、同じ一般道でも、スムーズに走行できるルートか、渋滞するルートか、の違いなどがあり、それぞれ可能な充電量が異なる。
発電機による発電量を決定してエンジンの駆動を制御すると共に、現在地点から充電完了目標地点に到達するまでにバッテリ充電量を目標バッテリ充電量に到達するよう充電する目標充電量充電制御を実行する充電制御部を備えたコントローラを備え、
前記充電制御部は、予め複数種類の走行モードに応じた見込み充電量特性が設定され、前記目標充電量充電制御の実行時に、前記見込み充電量特性を用いて走行ルートを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置とした。
したがって、走行モードを考慮しないものと比較して、実際の走行時に近い充電量により予測した走行ルートを演算でき、充電完了目標地点に到達した際に、目標バッテリ充電量まで充電することの精度を向上させることが可能となる。
まず、実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置の構成を説明する。
図1は、実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置を適用したハイブリッド車両Aの全体システムを示すシステム構成図である。
発電機5は、エンジン3の駆動力によって回転して発電する。つまり、主にエンジン3と発電機5から発電装置が構成される。また、発電機5は、モータとしての機能も併せて有し、エンジン始動時にクランキングさせることや、エンジン3を発電機5の駆動力を用いて力行回転させることで、電力を消費することができる。
バッテリ8は、発電機5と駆動モータ11それぞれの回生電力の充電、駆動電力の放電を行う。
駆動インバータ10は、バッテリ8と発電機インバータ6から供給される直流の電力を、駆動モータ11の交流電流に変換、あるいは、逆変換を行う。
また、システムコントローラ1には、ナビゲーションシステム20が接続され、現在地点や目的地などの位置情報が入力される。システムコントローラ1は、この位置情報に基づいて、バッテリSOCを、予め設定された地点(これを充電完了目標地点という)に到達した時点で目標バッテリ充電量(以下、目標バッテリSOCtという)とする目標充電量充電制御を実行する。なお、ナビゲーションシステム20は、表示装置20aを備えており、システムコントローラ1は、表示装置20aを用いて画像表示や音声出力などにより、種々の情報や制御状態をユーザに知らせる。
実施の形態1のハイブリッド車両Aでは、目標充電量充電制御は、図7に示すように、現在地点Pnから目標地点Ptに向けて走行する際に、高バッテリSOCが必要な区域である高電力必要区域HPzが存在する場合に、実行される。すなわち、この目標充電量充電制御により、高電力必要区域HPzの入口である充電完了目標地点Psに到達時にバッテリSOCを目標バッテリSOCtとする。
渋滞の緩和や大気汚染の改善を図るために特定の対象地域を走行する車両に対して課金するロードプライシングエリアにおいてEV走行モードで走行したい区域。
深夜・早朝などエンジンが発する騒音で迷惑をかけたくないような住宅街において、EV走行モードで走行したい区域。
連続的にバッテリ8から駆動モータ11へ電力供給が必要な高速連続登坂を行う区域。
なお、上述の高電力必要区域HPzは、運転者があらかじめ手動入力により設定してもよいし、ナビゲーションシステム20からの情報に基づいて自動的に設定してもよい。
すなわち、必要な充電量(ΔSOC)を下記式(1)により求める。
ΔSOC=SOCt−SOCn ・・・(1)
また、目標バッテリSOCtは、EV走行モードで走行したい領域で見込まれるEV走行距離、走行モードから推測される電力量や、連続高速登坂であれば、ある平均車速で走行するために必要なアシストする電力量の総和から演算される。
ここで、車両の電装負荷情報とは、空調装置、音響機器などの電装品の使用状況の情報である。
また、発電時には、音振性能悪化や加速フィーリングを阻害させない範囲での発電充電を行うが、例えば、不整地路や雪道などのロードノイズが大きい路面は、このエンジン回転増加の許容代が大きくなる。そこで、本実施の形態1では、道路状況情報として、ロードノイズに関係する情報をナビゲーションシステム20や、ナビゲーションシステム20を介して得られる道路交通情報通信などから取得する。
同様に、雪、雨、風、雷などによる暗騒音が存在する場合も、エンジン回転増加の許容代が大きくなるため、暗騒音に関する環境情報を取得する。これらの情報はインターネットや道路交通情報通信から得ることができる他、図示を省略したワイパ装置の作動状態から推定することもできる。
この走行ルートRnの演算において、本実施の形態1では、走行モードに応じた見込み充電量特性としての図4に示す見込み充電量テーブルを用いる。
見込み充電量テーブルには、走行モードとして、市街地走行、高速走行、早めの高速走行の3種類の走行モードが設定されている。そして、走行モード毎に、音振性能や加速フィーリングが悪化させずに見込める充電量(これを見込み充電量と称する(%/km))が予め設定されている。
第1テーブル♯1は、発電機5の能力や特性、車両の遮音性能、車両の走行制御特性に基づいて、各種走行モードにおいて、音振性能や加速フィーリングとして最善の単位走行距離(単位走行時間でもよい)あたりの見込み充電量が設定されている。なお、図において、A1,B1,C1は、車両の仕様に応じ、実車による走行実験などに基づいて適宜決定される数値であり、A1>B1>C1の関係にある。
一方、第2テーブル♯2は、第1テーブル♯1と比較して、単位走行距離あたりの充電量が大きく設定されている。この第2テーブル♯2は、エンジン3の駆動による音や振動が大きくなるため、ロードノイズや暗騒音が大きい場合や、必要な発電量が大きい場合に使用するのが好ましい。このA2,B2,C2の数値も車両の仕様に応じて実車による走行実験などに基づいて適宜決定されており、A2>B2>C2の関係にある。
さらに、このA2,B2,C2は、A2>A1、A1>B2>B1、B1>C2>C1の大きさに設定されている。
例えば、走行ルートとして、充電完了目標地点までの距離が10kmであり、その間の走行モードが、市街走行が3km、高速走行が7kmのルートを選択した場合の見込み充電量は、
見込み充電量=3(km) ×A1(%/km) +7(km) ×B1(%/km)
と演算することができる。
このように、充電完了目標地点に到達できる複数の走行ルートRnについて、それぞれ、見込み充電量を演算し、目標バッテリSOCtに到達できる走行ルートRnを求める。
また、各走行ルートRnに関する情報としては、本実施の形態1では、図5に示すように、距離、燃料代、高速代、時間、目標バッテリSOCtの達成の可否を表示する。また、運転者は、表示装置20aのタッチパネル機能や音声認識機能などを用いて、この表示された複数の走行ルートRnの1つを選択することが可能となっている。
a.通常は、アイドリングストップする状況であっても、暗騒音に隠れるレベルでエンジン3の駆動を続けてアイドル発電を行う制御。
b.バッテリ8の電力のみで走行するEV走行モードによる走行を禁止する制御。
c.車速に応じて、常にエンジン3に対して走行に必要な発電力に充電用電力を上乗せした出力として常時バッテリ8へ充電する制御。
d.アクセルOFFの減速時でも、エンジン停止を行わずに暗騒音範囲内のエンジン音となる出力での発電運転を行う制御。
e.エンジン回転の上昇や下降レートを、バッテリ8からの電力供給量が少なくなるように変更する制御。
この場合、第1プロフィールProf1で充電されると、t1の時点で、入力電力量制限が生じ、t1の時点以降は充電効率が悪化し、バッテリ8への入力が制限されて充電効率が悪化する結果、燃費が悪化するおそれがある。一方、第2プロフィールProf2による充電を行った場合は、充電完了目標地点Psに近付いたt2の時点で、バッテリSOCが閾値SOCseを超えるため、バッテリ8への入力が制限された状態で充電を行う走行距離が短くなり、燃費悪化を抑制できる。
すなわち、刻々と変わる交通環境状態、電装負荷、環境変化、あるいは想定と異なる運転者の走り方により、当初見積もった発電量が見込めないことが考えられる。そこで、常に、現在地点Pnから充電完了目標地点Psまでに目標バッテリSOCtに到達できるか否かを判定する。
ステップS9では、現在のバッテリSOCnが目標バッテリSOCtに到達したか、あるいは、充電完了目標地点Psに到達したか否か判定し、いずれも到達していない場合はステップS7に戻り、いずれかに到達した場合はステップS10に進む。
ステップS10では、目標充電量充電制御を終了し、通常の制御に切り換える。
なお、通常の制御への切り換え時点が、充電完了目標地点Psに到達前であれば、充電完了目標地点Psに到達するまでの間、現在のバッテリSOCnを維持する制御を行う。
この走行状態の変更とは、例えば、現在、車速が高い走行をしている場合、エンジン3の余裕駆動力が少なく発電量が低く、かつ、より早く充電完了目標地点Psに到着し発電時間を確保できない。このため、上限車速を例えば80km/hとするなどといった、目標バッテリSOCtに到達可能な上限車速を指示する。
あるいは、運転者が強い加速を繰り返す運転を行っている場合、加速時の電力供給量が多くなってしまうため、いわゆるエコ運転と称される運転などの、ゆっくりとしたアクセル操作などの運転方法の変更を指示する。
なお、このような走行状態の指示は、ステップS4のルート演算を行った充電制御の開始時点から、このような走行状態を前提としてルート演算を行い、充電制御の開始時点で、推奨運転状態として報知することもできる。
また、ステップS11では、現在走行している走行ルートよりも発電量の増加が期待できる他の走行ルートが存在する場合は、その走行ルートの表示も行う。したがって、このステップS11においても、再度、ステップS4で実行した走行ルートの演算を行い、現在の走行ルートの見込み充電量よりも見込み充電量が高い走行ルートが存在する場合は、これを表示する。
第1テーブル♯1は、音振性能や加速フィーリングが悪化しない範囲で充電を行う制御であるのに対し、この第2テーブル♯2は、音振性能や加速フィーリングの多少の悪化は許容とし、充電を優先する充電特性である。
したがって、この見込み充電特性の変更は、自動的に行ってもよいが、その旨を、運転者に報知してから行ったり、あるいは、運転者に選択させたりしてもよい。
すなわち、運転者によっては、目標バッテリSOCtに到達しないことよりも、音振性能や加速フィーリングが悪化するのが好ましくないと感じる運転者もいると思われる。このため、充電特性を、第1テーブル♯1から第2テーブル♯2へ変更してもよいか否かを、ナビゲーションシステム20の表示装置20aに表示したり、切り替えを運転者に選択させたりすることが考えられる。
ステップS15では、充電制御を終了し、通常の制御に切り換える。
なお、通常の制御への切り換え時点が、充電完了目標地点Psに到達する前の時点であれば、充電完了目標地点Psに到達するまでの間、現在のバッテリSOCnを維持する制御を行う。
次に、実施の形態1の作用を、その動作例に基づいて説明する。
図7は、現在地点Pnから目標地点Ptへ走行する場合を示している。
そして、現在地点Pnから目標地点Ptへの走行途中に、EV走行エリアや連続登坂路などの、高電力必要区域HPzが存在している。そこで、実施の形態1では、この高電力必要区域HPzの入口を充電完了目標地点Psとして、現在地点Pnから充電完了目標地点Psに達する間に、目標バッテリSOCtに達するよう充電する、目標充電量充電制御を実行する。
図7は、この複数の走行ルートRnの演算結果の一例を示している。
この例では、第1走行ルートR1、第2走行ルートR2、第3主走行ルートR3、第3副走行ルートR3'、第4走行ルートR4、第5走行ルートR5の、6通りのルートが演算された。
また、図8は、各走行ルートRnにおける走行距離に対するバッテリSOCの上昇量である上昇予測プロフィールを示しているが、第1走行ルートR1は、走行距離に対して相対的に高効率でバッテリSOCが上昇しているのが分かる。
例えば、第1走行ルートR1が選択された場合は、市街・郊外エリアAcのみの走行となるため、第1テーブル♯1に基づき、見込み充電量は、走行距離に対してA1%で演算される。
この場合、充電完了目標地点Psに到着しても目標バッテリSOCtに不足することになる。
そこで、本実施の形態1では、まず、上記の変化に応じ、運転者に、走行状態あるいは走行ルートを変更することを、表示装置20aにより指示する(ステップS7→ステップS11)。
また、運転者が、強い加速を繰り返すような運転を行っている場合、駆動モータ11に対する電力供給量が多くなって、充電量の不足を招くため、運転者へ、ゆっくりとしたアクセル操作などの運転方法を指示する。
あるいは、現在走行中の走行ルートよりも、単位走行距離あたりの見込み充電量が多い走行ルートを表示する。
すなわち、本実施の形態1では、第1テーブル♯1から第2テーブル♯2に変更する(ステップS12→ステップS13)。
以上の制御により、現在のバッテリSOCnが目標バッテリSOCtに達したら、目標充電量充電制御を終了する。
次に、ステップS11に基づいて、運転車が運転状態を変更した場合の動作例を説明する。
例えば、現在地点Pnから充電完了目標地点Psに向けて第3主走行ルートR3で走行した場合、図8に示すように、充電完了目標地点Psに達したときに、バッテリSOCnは、目標バッテリSOCtに満たない。
運転状態の変更指示は、第3副走行ルートR3'のように、最高速度を80km/hなどの制限速度を指示し、走行のためにバッテリ8から持ち出して使用する電力を軽減するようにする。
この場合、図7(b)に示すように、高速道路HWをCインターから下りて市街・郊外エリアAcを走行することにより、図8に示すように、バッテリSOCnが上昇し、充電完了目標地点Psにて目標バッテリSOCtの達成が可能となる。
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
1)実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置は、
発電機5と、
この発電機5を駆動するエンジン3と、
発電機5により充電されるバッテリ8と、
このバッテリ8により駆動される走行用電動機としての駆動モータ11と、
車両の走行地点に関する情報を取得する位置情報取得部としてのナビゲーションシステム20と、
発電機5による発電量を決定してエンジン3の駆動を制御すると共に、現在地点Pnから充電完了目標地点Psに到達するまでにバッテリSOCを目標バッテリSOCtに到達するよう充電する目標充電量充電制御を実行する充電制御部(図2のフローチャートを実行する部分)を備えたシステムコントローラ1と、
を備え、
充電制御部は、予め複数種類の走行モードに応じた見込み充電量特性(見込み充電量テーブル)が設定され、目標充電量充電制御の実行時に、見込み充電量特性(見込み充電量テーブル)を用いて走行ルートRnを演算することを特徴とする。
したがって、単に、単位走行あたりの充電量として一定値を用いて走行ルートの演算を行うものと比較して、走行モードの違いに応じた実際の走行時の充電量を演算できる。よって、演算された走行ルートを走行して、予め設定された充電完了目標地点Psに到達した際に、目標バッテリSOCtまで充電することの精度を向上させることが可能となる。
これにより、従来技術と同様に、目標地点Ptを自宅とした場合、高電力必要区域HPzをEV走行モードで走行し、バッテリSOCを、予め設定されたバッテリSOC下限値まで使い切ることができる。よって、目標地点Ptにてフル充電を行うことにより、エンジン3による燃料消費を抑えて効率の良い走行が可能となる。
また、高電力必要区域HPzが連続登坂路の場合、充電完了目標地点Psの到達時に目標バッテリSOCtとしておくことにより、登坂途中でバッテリSOC不足により充電しながらの走行となり、必要な走行駆動力が得られなくなる不具合を防止できる。
充電制御部は、見込み充電量特性として、走行モードに応じて単位走行あたりの見込み充電量が設定された見込み充電量テーブルを備えると共に、この見込み充電量テーブルを、走行負荷状態や走行環境などの発電量に関する条件の違いに応じて選択可能に複数種類備えていることを特徴とする。
したがって、見込み充電量テーブルを用いて走行ルートRnに応じた発電量の演算が容易である。しかも、発電量に関する条件の違いに応じて、複数の見込み充電量テーブルの中から、最適のものを選択可能であり、これにより、さらに目標バッテリSOCtまで充電することの精度を向上させることができる。
充電制御部は、見込み充電量テーブルとして、エンジン3、発電機5の能力や特性、車両の遮音性能、車両の走行制御特性に基づいて、各種走行モードにおいて、音振性能や加速フィーリングとして最善の単位走行あたりの見込み充電量が設定された基本見込み充電量テーブルとしての第1テーブル♯1を備えていることを特徴とする。
したがって、本実施の形態1を適用する車両特性に応じた、見込み充電量テーブルを設定することで、充電量の予測精度が向上する。しかも、音振性能や加速フィーリングとして最善の設定とすることにより、運転者に、エンジン3の駆動による違和感を極力与えないようにすることができる。
充電制御部は、目標充電量充電制御時に、走行ルートRnとして、1以上の走行ルートを演算し、
充電制御部にて演算された走行ルートRnを表示装置20aにより表示する表示制御部(ステップS5)を備えていることを特徴とする。
したがって、運転者は、複数の走行ルートRnを表示装置20aにより目視で確認することができる。よって、その後の走行ルートRnの選択が容易となる。
充電制御部は、走行ルートRnの、現在地点Pnから充電完了目標地点Psまでの走行距離、走行時間、走行コストの少なくとも1つの走行情報を演算し、
表示制御部(ステップS5)は、走行ルートRnの表示に加え、走行情報を表示する(図5)ことを特徴とする。
したがって、複数の走行ルートRnが存在する場合、運転者は、走行ルートRnに加え、走行情報を知ることができ、運転者は、走行情報を基に複数の走行ルートRnの1つを選択することができる。特に、本実施の形態1では、走行距離、走行時間、走行コストの全てを表示し、さらに、各走行ルートRnの走行により目標バッテリSOCtまでの充電の可否まで表示するようにした。
充電制御部は、
常に現時点のバッテリ充電量から、充電完了目標地点Psに到達した際に目標バッテリSOCtに到達できるかどうかを予測演算する予測演算部(ステップS7)と、
この予測演算部による予測演算結果が、目標バッテリSOCtに到達できないとされた場合、運転者へ目標バッテリSOCtに近付けるための運転状態の変更を、指示装置としての表示装置20aを用いて指示する変更指示制御部(ステップS11)と、
を備えていることを特徴とする。
すなわち、目標充電量充電制御の開始時点に対し、実際の交通環境状態や運転者の車両運転状況によっては、設定した充電量が得られず、目標バッテリSOCtに達しない可能性がある。
そこで、常時、目標バッテリSOCtに到達できるかを予測演算する。そして、目標バッテリSOCtに到達できないと判断された場合は、運転状態を、充電機会がより多くなる運転状態や、バッテリ8からの電力の持ち出しが少ない運転状態に変更するよう運転者に指示することで、目標バッテリSOCtの達成可能性が高まる。
充電制御部は、変更指示制御部(ステップS11)が、運転状態の変更を指示した後も、予測演算部(ステップS12)が、目標バッテリSOCtに到達できないと予測する場合、走行モードに応じた見込み充電量の設定を、現在使用している見込み充電量特性(第1テーブル♯1)よりも、単位走行あたりの見込み充電量を高く設定した第2の見込み充電量特性(第2テーブル♯2)を用いた制御に切り換える発電特性変更部(ステップS13)を備えていることを特徴とする。
したがって、運転者の運転状態を変更しなくても、単位走行距離あたりの発電量が増加し、充電特性の切り換えを行わない場合よりも、バッテリSOCを目標バッテリSOCtに近付けることができる。
変更指示制御部(ステップS11)は、予測演算部(ステップS7)による予測演算結果が、目標バッテリSOCtに到達できないとされた場合、運転者へ目標バッテリSOCtに到達するために新たに更新演算された新規走行ルートを提示することを特徴とする。
したがって、運転者の運転状態を変更しなくても、新規走行ルートに変更することにより、バッテリSOCが目標バッテリSOCtに到達する可能性が高まる。
充電制御部は、目標充電量充電制御の実施時に、目標バッテリSOCtとするのに必要な充電量に応じ、充電開始から充電終了までの単位走行あたりの充電量の上昇割合を可変設定する上昇プロフィール設定部(図6)を備えていることを特徴とする。
したがって、予め走行ルートの演算を行う際に、早期に目標バッテリSOCtに到達しないように充電量の上昇割合を設定することにより、燃費コストがより良い走行ルートRnの演算が可能となる。
特に、バッテリ8は、電力の受け入れ可能な電力量が低くなる閾値SOCseを備えており、充電制御の開始から間もなくバッテリSOCがこの閾値SOCseを越えると、それ以後の充電の効率が悪化する。そこで、本実施の形態1では、バッテリSOCが早期に目標バッテリSOCtに達する走行ルートでは、充電制御の後半で充電量を増加させる第2プロフィールprof2を使用することにより、効率の悪い充電期間を短くして、効率の良い充電が可能となる。
充電制御部は、目標充電量充電制御時には、
通常は、アイドリングストップする状況であっても、暗騒音に隠れるレベルでエンジン3の駆動を続けてアイドル発電を行う制御と、
バッテリ8のみで走行するEV走行モードによる走行を禁止する制御と、
車速に応じて、常にエンジン3に対して走行に必要な発電力に充電用電力を上乗せした出力として常時バッテリ8へ充電する制御と、
アクセルOFFの減速時でも、エンジン停止を行わずに暗騒音範囲内のエンジン音となる出力での発電運転を行う制御と、
エンジン回転の上昇や下降レートを、前記バッテリからの電力供給量が少なくなるように変更する制御と、
の少なくとも1つの制御を実行することを特徴とする。
したがって、充電制御中に、極力充電を行うことが可能であると共に、エンジン音を極力目立たなくしたり、加速フィールが悪化したりしないようにすることができる。
以下に、他の実施の形態について説明する。なお、他の実施の形態の説明を行うのにあたり、実施の形態1との相違点のみを説明する。
充電制御部は、見込み充電量テーブルとして、電装負荷情報、走行ルートRnの勾配情報、現在地点Pnと充電完了目標地点Psとの標高差情報に応じた見込み充電量が設定されたテーブルを備えていることが好ましい。
すなわち、エアコンなどの電装品の使用状況や、走行ルートRnの道路勾配や標高差に基づいて、走行モードに対する見込み充電量が異なってくる。
そこで、実施の形態1では、ステップS6において、まず、第1テーブル♯1に設定するようにしたが、ステップS3にて読み込んだ見込み充電量に関する情報に基づいて、最適の見込み充電量テーブルを用いるようにするのが好ましい。例えば、電装負荷が大きいと判定された場合は、ステップS6において、第2テーブル♯2を用いて充電制御を実行する。この場合、ステップS13の処理では、第2テーブル♯2よりもさらに充電効率を高めた見込み充電量テーブルを用いるのが好ましい。
充電完了目標地点Psにおける目標バッテリSOCtの達成精度がいっそう向上する。
さらに、見込み充電量テーブルの設定において、各情報と音振性能や加速フィーリングを悪化させない設定とを関連させることにより、より多くの走行シーンで、運転者に違和感を与えずに充電することが可能となる。
路面状態によるロードノイズ、雨天・雷などの天候、室内でのオーディオ状態などの運転者に聞こえる音に関する環境を検出する音環境検出手段を備え、
充電量制御部は、音環境検出手段からの入力に基づいて運転者に聞こえる音が相対的に大きいと判定されたときには、相対的に音が小さい場合に用いる見込み充電量特性よりも、単位走行あたりの発電量を大きくした見込み充電量特性を使用することを特徴とする。
運転者に聞こえる音が大きな状態では、エンジン出力を大きくして発電量を多くしても、運転者にエンジン音が聞こえにくく、運転者に違和感を与えることなく効率的な充電が可能となる。
よって、このような場合には、ステップS6において、例えば、第2テーブル♯2を使用することにより、より早く目標バッテリSOCtに到達でき、目標バッテリSOCtに到達できなくなるような走行シーンが減少する。この場合、ステップS13の処理では、第2テーブル♯2よりもさらに充電効率を高めた見込み充電量テーブルを用いるのが好ましい。
3 エンジン
5 発電機
8 バッテリ
11 駆動モータ(走行用電動機)
20 ナビゲーションシステム
20a 表示装置
A ハイブリッド車両
Pn 現在地点
Prof1 第1プロフィール
Prof2 第2プロフィール
Ps 充電完了目標地点
R1 第1走行ルート
R2 第2走行ルート
R3 第3主走行ルート
R3' 第3副走行ルート
R4 第4走行ルート
R5 第5走行ルート
Rn 走行ルート
Claims (12)
- 発電機と、
この発電機を駆動するエンジンと、
前記発電機により充電されるバッテリと、
このバッテリにより駆動される走行用電動機と、
車両の走行地点に関する情報を取得する位置情報取得部と、
前記発電機による発電量を決定して前記エンジンの駆動を制御すると共に、現在地点から充電完了目標地点に到達するまでにバッテリ充電量を目標バッテリ充電量に到達するよう充電する目標充電量充電制御を実行する充電制御部を備えたコントローラと、
を備え、
前記充電制御部は、予め複数種類の走行モードに応じた見込み充電量特性が設定され、前記目標充電量充電制御の実行時に、前記見込み充電量特性を用いて走行ルートを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記見込み充電量特性として、前記走行モードに応じて単位走行あたりの見込み充電量が設定された見込み充電量テーブルを備えると共に、この見込み充電量テーブルを、走行負荷状態や走行環境などの発電量に関する条件の違いに応じて選択可能に複数種類備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記見込み充電量テーブルとして、前記エンジン、前記発電機の能力や特性、車両の遮音性能、車両の走行制御特性に基づいて、各種走行モードにおいて、音振性能や加速フィーリングとして最善の単位走行あたりの前記見込み充電量が設定された基本見込み充電量テーブルを備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記目標充電量充電制御時に、前記走行ルートとして、1以上の走行ルートを演算し、
前記充電制御部にて演算された前記走行ルートを表示装置により表示する表示制御部を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記走行ルートの、現在地点から前記充電完了目標地点までの走行距離、走行時間、走行コストの少なくとも1つの走行情報を演算し、
前記表示制御部は、前記走行ルートの表示に加え、前記走行情報を表示することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、
常に現時点のバッテリ充電量から、前記充電完了目標地点に到達した際に前記目標バッテリ充電量に到達できるかどうかを予測演算する予測演算部と、
この予測演算部による予測演算結果が、前記目標バッテリ充電量に到達できないとされた場合、運転者へ前記目標バッテリ充電量に近付けるための運転状態の変更を、指示装置を用いて指示する変更指示制御部と、
を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項6に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記変更指示制御部が、運転状態の変更を指示した後も、前記予測演算部が、前記目標バッテリ充電量に到達できないと予測する場合、前記走行モードに応じた見込み充電量の設定を、現在使用している前記見込み充電量特性よりも、単位走行あたりの見込み充電量を高く設定した第2の見込み充電量特性を用いた制御に切り換える発電特性変更部を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項6または請求項7に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記変更指示制御部は、前記予測演算部による予測演算結果が、前記目標バッテリ充電量に到達できないとされた場合、運転者へ前記目標バッテリ充電量に到達するために新たに更新演算された新規走行ルートを提示することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記目標充電量充電制御の実施時に、前記目標バッテリ充電量とするのに必要な充電量に応じ、充電開始から充電終了までの単位走行あたりの充電量の上昇割合を可変設定する上昇プロフィール設定部を備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記目標充電量充電制御時には、
通常は、アイドリングストップする状況であっても、暗騒音に隠れるレベルで前記エンジンの駆動を続けてアイドル発電を行う制御と、
前記バッテリのみで走行するEV走行モードによる走行を禁止する制御と、
車速に応じて、常に前記エンジンに対して走行に必要な発電力に充電用電力を上乗せした出力として常時前記バッテリへ充電する制御と、
アクセルOFFの減速時でも、エンジン停止を行わずに暗騒音範囲内のエンジン音となる出力での発電運転を行う制御と、
エンジン回転の上昇や下降レートを、前記バッテリからの電力供給量が少なくなるように変更する制御と、
の少なくとも1つの制御を実行することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
前記充電制御部は、前記見込み充電量テーブルとして、電装負荷情報、前記走行ルートの勾配情報、現在地点と前記充電完了目標地点との標高差情報に応じた前記見込み充電量が設定されたテーブルを備えていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。 - 請求項1〜請求項11に記載のハイブリッド車両の制御装置において、
路面状態によるロードノイズ、雨天・雷などの天候、室内でのオーディオ状態などの運転者に聞こえる音に関する環境を検出する音環境検出手段を備え、
前記充電量制御部は、前記音環境検出手段からの入力に基づいて運転者に聞こえる音が相対的に大きいと判定されたときには、相対的に前記音が小さい場合に用いる前記見込み充電量特性よりも、単位走行あたりの発電量を大きくした前記見込み充電量特性を使用することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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