JP2013177022A - 運行管理システムおよび運行管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
運行計画と走行実績の間に大幅なずれが生じるまで、運行支障を検知することができない。
【解決手段】
地上装置から設備情報を受信する通信処理部と、実績時刻を受信する実績ダイヤ更新部と、列車IDと駅IDとに対応する実行時刻と、受信された実績時刻との差を算出し、予め設定された閾値以上の場合、設備情報と過去事例記憶部に記憶された設備情報とが一致するか判定するダイヤ乱れ予兆検知部と、一致すると判定された設備情報に対応する運転整理案を提示する運転整理案提示部とを備える。
【選択図】図7
運行計画と走行実績の間に大幅なずれが生じるまで、運行支障を検知することができない。
【解決手段】
地上装置から設備情報を受信する通信処理部と、実績時刻を受信する実績ダイヤ更新部と、列車IDと駅IDとに対応する実行時刻と、受信された実績時刻との差を算出し、予め設定された閾値以上の場合、設備情報と過去事例記憶部に記憶された設備情報とが一致するか判定するダイヤ乱れ予兆検知部と、一致すると判定された設備情報に対応する運転整理案を提示する運転整理案提示部とを備える。
【選択図】図7
Description
本発明は、列車の運転整理案を提示する運行管理システムおよび運行管理方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、運行支障を検知する方法として、運行計画と走行実績の間に大幅なずれが生じた場合に、異常検知とし、予め定められた列車の優先率に基づいて計画変更案を作成する技術が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の技術では、運行計画と走行実績の間に大幅なずれが生じた場合に、異常検知とし、計画変更案を作成することが記載されており、小幅なずれが生じることによって、異常検知することが記載されていない。しかし、小幅なずれが将来の大幅なずれになる場合があるため、小幅なずれが生じたときに計画変更が必要な場合がある。
また、小幅なずれが生じた場合に全て計画変更をする必要はない。
そこで本発明は、小幅なずれが生じ、過去事例の設備情報と一致した場合に、運転整理案を提示する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
過去に起きたダイヤ乱れの設備情報と該ダイヤ乱れに対応する運転整理案とを記憶する過去事例記憶部と、列車に関わる設備の設備情報を記憶する設備状態記憶部と、列車の列車IDと列車が通過する駅の駅IDと駅に発着する予定の実行時刻とを含む運行計画を記憶する実行ダイヤ記憶部と、列車IDと駅IDと駅に発着した実績時刻とを含む運行実績を記憶する実績ダイヤ記憶部と、地上装置から設備情報を受信する通信処理部と、実績時刻を受信する実績ダイヤ更新部と、列車IDと駅IDとに対応する実行時刻と、受信された実績時刻との差を算出し予め設定された閾値以上の場合、設備情報と過去事例記憶部に記憶された設備情報とが一致するか判定するダイヤ乱れ予兆検知部と、一致すると判定された設備情報に対応する運転整理案を提示する運転整理案提示部とを備える。
過去に起きたダイヤ乱れの設備情報と該ダイヤ乱れに対応する運転整理案とを記憶する過去事例記憶部と、列車に関わる設備の設備情報を記憶する設備状態記憶部と、列車の列車IDと列車が通過する駅の駅IDと駅に発着する予定の実行時刻とを含む運行計画を記憶する実行ダイヤ記憶部と、列車IDと駅IDと駅に発着した実績時刻とを含む運行実績を記憶する実績ダイヤ記憶部と、地上装置から設備情報を受信する通信処理部と、実績時刻を受信する実績ダイヤ更新部と、列車IDと駅IDとに対応する実行時刻と、受信された実績時刻との差を算出し予め設定された閾値以上の場合、設備情報と過去事例記憶部に記憶された設備情報とが一致するか判定するダイヤ乱れ予兆検知部と、一致すると判定された設備情報に対応する運転整理案を提示する運転整理案提示部とを備える。
本発明によれば、運行計画と運行実績の間に小幅なずれが生じたときに、適切な運転整理案を提供することができる。
図1は、列車運行管理システムの概要を示す図である。
進路制御装置0101と計画系装置0102は、ネットワーク0105を介して接続されている。進路制御装置0101と地上装置0103は、ネットワーク0106を介して接続されている。地上装置0103は、軌道回路、信号機、転轍機などの地上設備群0104と接続されている。
進路制御装置0101と計画系装置0102は、ネットワーク0105を介して接続されている。進路制御装置0101と地上装置0103は、ネットワーク0106を介して接続されている。地上装置0103は、軌道回路、信号機、転轍機などの地上設備群0104と接続されている。
進路制御装置0101の主なハードウェア構成は、処理装置(CPU)0111、記憶装置(メモリ、ハードディスク)0112、通信装置0113からなる。記憶装置0112は、列車をダイヤ通りに走らせるために信号機や転轍機を制御する処理を実行するアプリケーションプログラム、計画系装置0102や地上設備0103など他装置と通信を行うためのソフトウェアプログラムや、ソフトウェアプログラムが使用するデータ、該データ及び該データを格納するデータベース等を管理するソフトウェアプログラム、等を含んでおり、処理装置0111により処理される。また通信装置0113は、ネットワーク0105を介して計画系装置0102と、ネットワーク0106を介して地上装置0103と通信を行う。
計画系装置0102の主なハードウェア構成は、処理装置(CPU)0121、記憶装置(メモリ、ハードディスク)0122、表示装置(ディスプレイ)0123、通信装置0124、入力装置(マウス、キーボード)0125からなる。記憶装置0122は、進路制御装置0101から送られるダイヤを表示する処理を実行するアプリケーションプログラム、進路制御装置0101と通信を行うためのソフトウェアプログラムや、ソフトウェアプログラムが使用するデータ、該データ及び該データを格納するデータベース等を管理するソフトウェアプログラム、等を含んでおり、処理装置0121により処理される。通信装置0124は、ネットワーク0105を介して進路制御装置0101と通信を行う。表示装置0123は、記憶装置0122に格納されているデータや、通信装置0124を介して受信するデータを表示する。入力装置0125は、処理装置0121にて行われる処理に対する入力を行う。尚、入力装置0125と表示装置0123は、進路制御装置101が備えても良い。
地上装置0103は、軌道回路、信号機、転轍機などの地上設備群0104から、該地上設備群の設備情報を受信し、受信した設備情報をネットワーク0106を介して進路制御装置0101に送信する。また地上装置0103は進路制御装置0101からネットワーク0106を介して地上設備群0104の制御情報を受信し、受信した制御情報に基づいて、地上設備群0104の制御を行う。
図2は、ダイヤ乱れの予兆が検知されない通常時の全体処理シーケンスを示す図である。
主な構成要素は、進路制御装置0101、計画系装置0102、地上装置0103である。
地上装置0103は、ステップ0231において、軌道回路、信号機、転轍機や、踏切に備え付けられたセンサなどの地上設備群0105の設備情報を、進路制御装置0101に対して送信する。
進路制御装置0101は、ステップ0211において、地上装置0103から設備状態に関する情報を受信する。ステップ0212において、列車の運行実績を表す実績時刻を受信する。ステップ0213において、ダイヤ乱れの予兆検知処理を行う。本図では、予兆検知処理において、予兆が検知されなかったこととする。ステップ0214において、列車遅れ検知処理を行う。本図では、列車遅れ検知処理において、列車遅れが検知されたとする。ステップ0215において、検知された列車遅れが、他の列車の運行に影響を及ぼすのを防止するため、自動運転整理を行う。ステップ0216にて、列車の運行計画を表す実行ダイヤと、実績ダイヤを、計画系装置0102に送信する。
計画系装置0102は、ステップ0221において、実行ダイヤおよび実績ダイヤを進路制御装置0101より受信し、表示装置0123上に表示する。
進路制御装置0101は、ステップ0217において、進路制御処理を行い、地上設備群0104の制御情報を地上装置0103に対して送信する。
地上装置0103は、ステップ0232において、進路制御装置0101から制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、地上設備群0105を制御する。
図3は、ダイヤ乱れの予兆が検知された場合の全体処理シーケンスを示す図である。
主な構成要素は、進路制御装置0101と計画系装置0102である。
進路制御装置0101は、ステップ0213において、ダイヤ乱れの予兆検知処理を行い、ダイヤ乱れの予兆が検知された場合には、ステップ0301において、自動運転整理処理を停止する。ステップ0302において、ダイヤ乱れを予防するための複数の運転整理案を計画系装置0102に対して送信する。
進路制御装置0101は、ステップ0213において、ダイヤ乱れの予兆検知処理を行い、ダイヤ乱れの予兆が検知された場合には、ステップ0301において、自動運転整理処理を停止する。ステップ0302において、ダイヤ乱れを予防するための複数の運転整理案を計画系装置0102に対して送信する。
計画系装置0102は、ステップ0311において、進路制御装置0101から複数の運転整理案を受信し、表示装置0123に表示する。表示した複数の運転整理案から、入力装置0125によって1つがオペレータによって選択された場合、計画系装置0102は、ステップ0312において、選択された運転整理案を進路制御装置0101に対して送信する。
進路制御装置0101は、ステップ0303において、計画系装置0102から、運転整理案を受信する。ステップ0304において、ステップ0303にて受信した運転整理案に対して、該運転整理案に基づいて進路制御が可能かどうか判断するための合理性チェックを行う。合理性チェックにて合理性が確認されたら、ステップ0305において運転整理案を実行ダイヤに適用することで運転整理を実行する。ステップ0306において、停止していた自動運転整理処理を再開する。
図4は、進路制御装置0101のモジュール構成を示す図である。
過去事例DB0401は、過去に起きたダイヤ乱れの設備情報と、前記ダイヤ乱れに対応する運転整理案とを含む情報が記憶されている。詳細なテーブル構造は図9にて説明する。実行ダイヤDB0402には、列車の列車IDと、列車が通過する駅の駅IDと、駅に発着する予定の実行時刻とを含む運行計画が記憶されている。実績ダイヤDB0403には、列車の列車IDと、列車が通過する駅の駅IDと、駅に発着したの実積時刻とを含む運行実績が記憶されている。設備状態DB0404は、地上設備群0105の列車に関わる設備情報が格納されている。
通信処理部0405は、通信媒体0105を介して計画系装置0102と、通信媒体0106を介して地上装置0103と通信を行う。
データ管理部0406は、通信処理部0405を介して地上装置0103より受信した地上設備群0105の設備情報を、設備状態DB0404に格納する。また実行ダイヤDB0402に格納された実行ダイヤと、実績ダイヤDB0403に格納された実績ダイヤを、通信処理部0405を介して計画系装置0102に送信する。
ダイヤ乱れ予兆検知部0407は、過去事例DB0401、実行ダイヤDB0402、実績ダイヤDB0403、設備状態DB0404に格納された情報を用いて、ダイヤ乱れの予兆検知処理を行う。ダイヤ乱れの予兆が検知された場合には、自動運転整理部0409が行う自動運転整理処理を停止させ、過去事例DB0401から過去に行った運転整理方法を抽出し、該運転整理方法をダイヤ乱れを予防するための運転整理案として通信処理部0405を介して計画系装置0102に対して送信する。また計画系装置0102から通信処理部0405を介して運転整理内容を受信した場合には、合理性チェック部0408への入力とする。合理性チェック部0408によって合理チェックが行われ、受信した運転整理内容が合理的であると判断された場合には、実行ダイヤDB0402に反映する処理を行う。受信した運転整理内容を過去事例として新規に登録する場合には、過去事例DB0401に新しくレコードを追加する。
合理性チェック部0408は、ダイヤ乱れ予兆検知部0407からの運転整理内容を入力として、実行ダイヤDB0402に反映可能かどうかチェックを行う。反映が可能と判断した場合には、反映可能であることをダイヤ乱れ予兆検知部0407に対して通知する。
自動運転整理部0409は、実行ダイヤDB0402に格納されている実行ダイヤと実績ダイヤDB0403に格納されている実績時刻の間の差を検出することで列車の遅れを監視し、列車の遅れが検知された場合には、該列車の遅れが他の列車に波及するのを防止するために、遅れている列車を駅に退避させたり、該列車の遅れによって影響を受ける他の列車を該列車よりも先に運行させたり、といった運転整理を行い、実行ダイヤDB0402内に格納されている実行ダイヤ情報を変更する。ダイヤ乱れの予兆が検知されると、自動運転整理部0409の処理を一旦停止する。検知されたダイヤ乱れの予兆に対する運転整理が完了した後に、処理を再開する。
実績ダイヤ更新部0410は、設備状態DB0404に格納されている設備情報から実績時刻を算出し、実績ダイヤDB0403に格納する。
進路制御部0411は、実行ダイヤDB0402に格納されている実行ダイヤ通りに列車が運行できるように、地上設備群0104を制御するための信号を、通信処理部0405を介して地上装置0103に対して送信する。
図5は、計画系装置0102のモジュール構成を示す図である。
実績ダイヤDB0501には、列車IDと、駅IDとに対応する駅に発着した実績時刻とを含む運行実績が格納されている。実行ダイヤDB0502には、列車の運行計画が格納されている。実績ダイヤDB0501と実行ダイヤDB0502は、それぞれ実績ダイヤDB0403、実行ダイヤDB0402と同期しており、いずれかの装置の実行ダイヤDBや実績ダイヤDBの中身を書き換えた場合には、他方の装置に対して書き換えた内容を通知し、他方の装置ではその通知を受けて自装置のDBの中身を書き換ることとする。なお、実績ダイヤDBと実行ダイヤDBは、いずれかの一方の装置にのみ備えても良いし、進路制御装置と計画系装置が一つの装置である場合は、実績ダイヤDBと実行ダイヤDBは一つ備えれば良いこととする。
通信処理部0503は、通信媒体0105を介して、進路制御装置0101と通信を行う。
データ管理部0504は、通信処理部0503を介して受信した実績ダイヤおよび実行ダイヤの情報を、それぞれ実績ダイヤDB0501、実行ダイヤDB0502に格納する。
ダイヤ表示部0505は、実績ダイヤDB0501および実行ダイヤDB0502に格納されている実績ダイヤおよび実行ダイヤを表示装置0123上に表示する。
手動運転整理部0506は、入力装置0125によって入力された運転整理内容を、通信処理部0503を介して進路制御装置0101に対して送信する。また、行った手動運転整理内容を過去事例の1つとして新しく登録する場合には、入力装置0125によって入力される事例名を前記運転整理内容に併せて進路制御装置0101に対して送信する。
運転整理案提示部0507は、通信処理部0503を介して進路制御装置0101より受信した複数の運転整理案を、表示装置0123上に表示する。表示した複数の運転整理案から1つの運転整理案を入力装置0125によって選択した場合には、その運転整理案を通信処理部0503を介して進路制御装置0101に対して送信する。運転整理案の中から1つを選択せず、手動での運転整理を行う、または提示された運転整理案の1つをさらにカスタマイズする、という選択をした場合には、手動運転整理部0506に対して通知を行う。
尚、図4は進路制御装置101の機能モジュール構成、図5は計画系装置102の機能モジュール構成としたが、各機能モジュールは、図4、図5に示したとおりに限られず、進路制御装置101の構成であっても良いし、計画系装置102の構成であっても良いものとする。また、進路制御装置101と計画系装置102に分けず、一つの装置であっても良いものとする。
図6は、進路制御装置101の処理の流れを示すフローチャートである。
通信処理部405は、地上装置0103から地上設備群0105の設備情報を受信し、設備状態DB0404に設備情報を格納する(ステップ0601)。
実績ダイヤ更新部410は、地上装置から設備状態を受信し、実績時刻を算出し、実績ダイヤDB0403に格納する(ステップ0602)。
自動運転整理処理が停止された状態であれば、ステップ0608に移る(ステップ0603)。停止されていない状態であれば、ダイヤ乱れ予兆検知部407は、列車IDと駅IDとに対応する実行時刻と、受信した実績時刻との差を算出し、予め設定された閾値以上の場合、設備情報と過去事例記憶部に記憶された設備情報とが一致するか判定する(ステップ0604)。一致の場合予兆検知とし、不一致の場合予兆検知としない。ダイヤ乱れの予兆検知処理の詳細は、図7にて説明する。ダイヤ乱れ予兆検知部407は、ダイヤ乱れの予兆を検知した場合は自動運転整理を停止し、、実行ダイヤの修正処理を行う(ステップ0605)。実行ダイヤの修正処理の詳細は、図10にて説明する。
ステップ0606において、列車の遅れを検知した場合には、自動運転整理部0409が、自動運転整理処理を行い、実績時刻を受信する(ステップ0607)。
通信処理部405は、修正された実行ダイヤと、受信された実績ダイヤとを計画系装置に対して送信する(ステップ0608)。
進路制御装置101は、進路制御処理を行う(ステップ0609)。
、進路制御装置101は、2秒周期が終わるまでプロセスを待機させる(ステップ0610)。
図7は、ダイヤ乱れ予兆検知部407が行う(ステップ0604)、ダイヤ乱れの予兆検知処理の流れを示すフローチャートである。
全ての在線列車に対して、列車IDと、駅IDとに対応する実行ダイヤと実績ダイヤの差を一定時間分算出し、実行ダイヤと実績ダイヤの差と、一定時間後の実行ダイヤと実績ダイヤの差との差を時間微分値(ステップ0701)。ここで、時間微分値を算出しなくても、列車IDと駅IDとに対応する実行時刻と、受信された実績時刻との差を算出を算出し、予め設定された閾値以上かで判断しても良いものとする。
ステップ0701にて計算された時間微分値が、あらかじめ設定した閾値を上回る列車がなかった場合は、ダイヤ乱れの予兆は検知されない(ステップ0702)。閾値を上回る列車が存在した場合には、該列車に対して、ステップ0704、ステップ0705の処理を繰り返す(ステップ0703)。
過去事例DB0401に格納されている複数のダイヤ乱れの過去事例を参照し、過去事例の設備情報が設備情報DB404に格納されている前記列車の状況と同じかどうか判定する(ステップ0704)。過去事例DBを全て見ても同じ状況の事例が存在しなかった場合には、ダイヤ乱れの予兆として検知せず、図6のステップ604において、「NO」と判断され、ステップ606にすすむ。
図8は、ダイヤ乱れ予兆検知部407が行う(ステップ0604)、ダイヤ乱れの予兆検知処理の一部である、遅れ時分の時間微分値を用いた予兆検知方法(図7のステップ0701)を示す図である。
列車IDと、駅IDとに対応する実行ダイヤと実績ダイヤの差を一定時間分算出し、実行ダイヤと実績ダイヤの差と、一定時間後の実行ダイヤと実績ダイヤの差との差を時間微分値として計算する。計算された時間微分値が、あらかじめ設定した閾値を超えるかどうか監視を行うことで、遅れ時分の急な立ち上がりを検知する。
図9は、過去事例DB0401のテーブルの例である。
過去事例DB0401に格納される過去事例情報を記述したテーブルの項目は、索引情報0901、設備情報0902、選択された回数0903、運転整理案0904から構成される。
過去事例DB0401に格納される過去事例情報を記述したテーブルの項目は、索引情報0901、設備情報0902、選択された回数0903、運転整理案0904から構成される。
索引情報0901には、多くの過去事例の中から1つを特定するための情報が格納される。例えば、事例IDや事例名称、日時という項目が挙げられる。事例IDは、過去事例に対して一意に付けられた通し番号である。事例名称は、その事例の原因について自然言語にて記述したものであり、例えば「踏切内への車両進入」や「火災による緊急停止」のように記述する。日時は、その事例が起きた際の日にちや時間を記述する。
設備情報0902には、過去のダイヤ乱れの原因を、進路制御装置にて把握可能な情報によって観測した情報が格納される。例えば、列車の位置や信号機の状態、列車種別、踏切センサ情報などの項目が挙げられる。列車の位置としては、閉そく区間に進入中/収容中/収容完了のいずれかを格納する。信号機の状態としては、G現示中/R現示中/故障中/抑止中のいずれかを格納する。列車種別には、特急/普通/貨物のいずれかを格納する。踏切センサ情報には、障害物検知中/検知物なしのいずれかを格納する。過去事例の設備情報は、少なくとも1つの項目について情報があればよく、全ての項目に対して値を格納する必要はない。過去事例と同じであると判断する上で必要のない情報についてはNULL値を入力する。
選択された回数0903には、対処情報が選択された回数を格納する。
また設備情報0902はIF/THENルールとして記述することもできる。例えば3分以上信号機の状態がG現示でかつ列車の位置が進入中の場合、といった条件として記述することも可能である。
また設備情報0902はIF/THENルールとして記述することもできる。例えば3分以上信号機の状態がG現示でかつ列車の位置が進入中の場合、といった条件として記述することも可能である。
運転整理案0903には、過去の乱れの事例が発生した場合の対処方法を格納する。例えば運転整理方法として、付近に在線する列車を折返し運転させる、といった内容を格納する。過去事例DB401については、進路制御装置0101にあってもよいし、計画系装置0102にあってもよい。
図10は、ダイヤ乱れ予兆検知部0407で行われる、ダイヤ修正処理の流れを示すフローチャートである。
同一と判断された過去事例情報の運転整理案0904である運転整理方法を、ダイヤ乱れを予防するための運転整理案として計画系装置0102に対して送信する(ステップ1001)。複数ある場合は、複数の運転整理案を送信する。なお、運転整理案は、進路制御装置で提示し、ユーザに選択させても良いものとする。
同一と判断された過去事例情報の運転整理案0904である運転整理方法を、ダイヤ乱れを予防するための運転整理案として計画系装置0102に対して送信する(ステップ1001)。複数ある場合は、複数の運転整理案を送信する。なお、運転整理案は、進路制御装置で提示し、ユーザに選択させても良いものとする。
複数の運転整理案の中から一つを選択したかどうかの情報を計画系装置0102から受信し、一つの案を選択した場合には、ステップ1003においてその運転整理案の合理性チェックを行い、チェックが正常であればステップ1004において運転整理を実行する(ステップ1002)。ここで、過去事例に基づいて提示された運転整理案を採用しないと選択された場合は、運転整理案の入力を受け付け、入力された運転整理案は、運転整理案904に新た仁登録されても良い。
ステップ1002において、運転整理案の中から一つを選択したかどうかの情報を計画系装置から受信し、一つの案を選択せずに、運転整理案のさらなるカスタマイズあるいは手動運転整理を選択した場合には、ステップ1006において計画系装置から、カスタマイズされた、あるいは手動で設定された運転整理内容を受信し、ステップ1007において受信した運転整理内容の合理性チェックを行い、チェックが正常であれば、運転整理を実行する(ステップ1008)。ステップ1009において、行われた運転整理の内容を、過去事例として新規に登録するかどうか判断する。登録する場合にはステップ1010にて登録に必要な情報を受信し、過去事例として過去事例DB0401に登録する。
図11は、ダイヤ乱れの予兆に対応する運転整理案を表示し、選択する画面である。
通常、計画系装置0102の表示装置0123には、画面1101が表示される。縦軸1102を駅、横軸1103を時刻とし、実行ダイヤDB0502に格納されている実行ダイヤを、列車スジ1104として表示する。また実績ダイヤDB0501に格納されている実績ダイヤに基づいて、列車スジ1104のうち既に運行済みの区間を1105のように強調表示する。
通常、計画系装置0102の表示装置0123には、画面1101が表示される。縦軸1102を駅、横軸1103を時刻とし、実行ダイヤDB0502に格納されている実行ダイヤを、列車スジ1104として表示する。また実績ダイヤDB0501に格納されている実績ダイヤに基づいて、列車スジ1104のうち既に運行済みの区間を1105のように強調表示する。
ダイヤの乱れの予兆が検知された場合には、画面1101の上に、運転整理提案画面1111が表示される。
運転整理提案画面1111は、提案内容表示部1121と、運転整理案表示の順送りボタン1123および逆送りボタン1122、承認ボタン1124、流用ボタン1125、非承認ボタン1126、現在状況表示部1127から構成される。
提案内容表示部1121には、提案される複数の運転整理案の中の1つに関する情報を表示する。例えば、運転整理が行われた過去事例の事例名や、日時、運転整理内容、状態情報を表示する。
運転整理提案画面1111は、提案内容表示部1121と、運転整理案表示の順送りボタン1123および逆送りボタン1122、承認ボタン1124、流用ボタン1125、非承認ボタン1126、現在状況表示部1127から構成される。
提案内容表示部1121には、提案される複数の運転整理案の中の1つに関する情報を表示する。例えば、運転整理が行われた過去事例の事例名や、日時、運転整理内容、状態情報を表示する。
順送りボタン1123を押すと1つ次の運転整理案を表示し、逆送りボタン1122を押すと1つ前の運転整理案を表示する。
承認ボタン1124を押すと、押した際に表示されていた運転整理案を進路制御装置0101に対して送信する。
流用ボタン1125を押すと、押した際に表示されていた運転整理案をさらに手動運転整理でカスタマイズを行う画面に遷移する。
非承認ボタン1126を押すと、手動運転整理を行う画面に遷移する。
現在状況表示部1127には、現在の設備情報を表示する。
承認ボタン1124を押すと、押した際に表示されていた運転整理案を進路制御装置0101に対して送信する。
流用ボタン1125を押すと、押した際に表示されていた運転整理案をさらに手動運転整理でカスタマイズを行う画面に遷移する。
非承認ボタン1126を押すと、手動運転整理を行う画面に遷移する。
現在状況表示部1127には、現在の設備情報を表示する。
図12は、ダイヤ乱れの予兆に対応して行った手動での運転整理を、過去事例DBに登録する画面である。
流用ボタン1125または非承認ボタン1126を押し、手動で運転整理を行った後、画面1101の上に、運転整理事例登録画面1201が表示される。
運転整理事例登録画面1201は、日時表示部1211、事例名入力部1212、登録ボタン1213、キャンセルボタン1214から構成される。
日時表示部1211には、ダイヤ乱れの予兆を検知した時刻を表示する。
事例名入力部1212には、入力装置0125を用いて事例名を入力する。
登録ボタン1213を押すと、手動で行った運転整理内容を、新しい事例として過去事例DBに登録する。
キャンセルボタン1214を押すと、過去事例DBには登録されない。
なお、本実施例は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本実施例を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本実施例によれば、運行計画と走行実績の間に大幅なずれが生じるより前に、運行支障を検知し、過去に列車や設備の故障、事故などが原因でダイヤ乱れが起きた事例と比較することで、その運行支障が将来長期にわたって解消されるかどうかを判断することができる。そのため、ダイヤ乱れの発生を事前に検知し予防することが可能になり、ダイヤ回復のために運転整理を行う指令員の負担を軽減することができ、必要とされる指令員の人数も少なく済むため結果としてこれまで指令員の人数分だけあった計画系装置の台数を削減することができる。また、ダイヤ回復までにかかる時間を短縮することもできる。
0102 計画系装置
0101 進路制御
0103 地上装置
0101 進路制御
0103 地上装置
Claims (8)
- 地上装置から送られてくる列車に関わる設備についての設備情報を受信する通信処理部と、
過去にダイヤ乱れが発生した際に取得された前記設備情報と、前記ダイヤ乱れに対応する運転整理案とを記憶する過去事例記憶部と、
列車の運行計画情報である実行ダイヤを記憶する実行ダイヤ記憶部と、
運行中の列車に関する運行実績情報を受信する実績ダイヤ更新部と、
前記実行ダイヤと、前記実績ダイヤ更新部により受信した運行実績情報とに基づき前記運行中の列車の運行の遅れの程度を算出し、当該遅れの程度が予め設定された閾値以上の場合、前記通信処理部により受信された設備情報と一致する前記過去事例記憶部に記憶された設備情報が存在するか否か判定し、前記運行中の列車にダイヤ乱れが発生する恐れがあるか否か判別するダイヤ乱れ予兆検知部と、
前記予兆検知部によりダイヤ乱れが発生する恐れがあると判定されたとき、前記通信処理部により受信された設備情報と一致する前記設備情報に対応する運転整理案を前記過去事例記憶部から取得して提示する運転整理案提示部とを備える運行管理システム。 - 前記ダイヤ乱れ予兆検知部は、前記実行ダイヤと前記運行実績情報との差を一定時間分算出し、前記実行ダイヤと前記運行実績情報との差と、一定時間後の実行ダイヤと運行実績情報との差との差を時間微分値として計算し、当該時間微分値を前記遅れの程度として算出する請求項1に記載の運行管理システム。
- 前記過去事例記憶部は、更に前記過去事例記憶部に記憶された前記運転整理案が選択された回数を示すカウント情報を前記運転整理案ごとに保持し、
前記運転整理案提示部は、前記通信処理部により受信された設備情報と一致する前記設備情報が複数あった場合、前記カウント情報に基づき選択された回数の多い前記運転整理案を優先して提示する請求項1または2に記載の運行管理システム。 - 前記運転整理案提示部によって提示された運転整理案を承認するか否かの入力を受け付け、前記提示された運転整理案の承認を受信した場合、前記運転整理案に従って前記列車の運転整理する進路制御部を更に備える請求項1から3のいずれか一つに記載の運行管理システム。
- 指令に従い列車に関わる設備を制御し、当該列車に関わる設備に関する設備情報を取得する地上装置と、前記地上装置から前記設備情報を受け取り、前記地上装置に前記列車に関わる設備を制御するため指令を発行する進路制御装置とを有する運行管理システムにおいて、前記進路制御装置により実行される運行管理方法であって、
過去に起きたダイヤ乱れの際に取得された前記設備情報と、前記ダイヤ乱れに対応する運転整理案とを予め記憶しておくステップと、
列車の運行計画に関する情報である実行ダイヤを予め記憶しておくステップと、
地上装置から送られてくる列車設備に関する設備情報を受信するステップと、
運行中の列車に関する運行実績情報を受信するステップと、
前記実行ダイヤと、受信された前記運行実績情報とに基づいて前記運行中の列車の遅れの程度を算出するステップと、
前記遅れの程度が予め設定された閾値以上の場合、あらかじめ記憶された設備情報の中に、前記受信された設備情報と一致する設備情報があるか否か判定するステップと、
一致する設備情報があると判定された場合、当該一致する設備情報に対応して記憶された運転整理案を提示するステップとを備える運行管理方法。 - 前記列車の遅れの程度を算出するステップは、前記実行ダイヤと前記運行実績情報との差を一定時間分算出し、前記実行ダイヤと前記運行実績情報との差と、一定時間後の実行ダイヤと運行実績情報との差との差を時間微分値として計算し、当該時間微分値を前記遅れの程度として算出する請求項5に記載の運行管理方法。
- 前記設備情報と運転整理案とを予め記憶するステップは、前記運転整理案ごとに当該運転整理案が選択された回数を示すカウント情報をあらかじめ記憶し、
前記運転整理案を提示するステップは、前記受信された設備情報と一致する設備情報が複数あった場合、前記カウント情報により選択された回数の多い前記運転整理案を優先して提示する請求項5または6に記載の運行管理方法。 - 請求項5から7のいずれか一つに記載の運行管理方法において、さらに、
前記提示された運転整理案の承認を受信するステップと、
前記承認の受信に応じて、提示された前記運転整理案に従って前記列車の運転整理するステップとを有する運行管理方法。
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