JP7195757B2 - 運行管理システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、運行管理システムに関する。
列車の運行管理の業務の一つに運転整理業務があり、これを支援する運転整理支援システムがある。この運転整理支援システムにおいては、その支援機能の1つに列車の運行を予測する機能があり、ダイヤのシミュレーションを実施することにより予測を行う。シミュレーション等を用いた予測では、実際の線区に関する運行データや、天気などの運行データ以外のデータを用いる方法があるものの、これらを予測のレベルに応じて総合的に管理できるシステムは存在しない。
特許文献1では、運転整理の際に一定時間内の列車の駅着発時刻を予測演算するために、予測演算に利用する各駅間の走行時分や駅停車時間等の予測演算定数に、適切なタイミングで、適切な値を選択的に使用できるようにするために、ユーザインタフェースを有しており、このユーザインタフェースにより予測演算定数の保守作業を支援する技術が開示されているが、運行管理を総合的に管理するには不十分である。
特開2015-231782
列車の運行を総合的に管理し得る運行管理システムを提供することを目的とする。
本実施形態に係る運行管理システムは、運転指令員による車両の運行管理を支援する運行管理システムであって、車両の運行管理の業務である運転整理を支援するのに必要な処理を行う運転整理支援処理部と、前記運転整理支援処理部の処理結果に基づいて、車両の運転管理を行う運転指令員の業務を支援する、運転指令員支援部と、を備え、前記運転整理支援処理部は、当日の列車の運行を予測したダイヤ予報を作成する、ダイヤ予報作成部を備えており、前記運転指令員支援部は、前記ダイヤ予報作成部で作成された前記ダイヤ予報を運転指令員に提示する、ダイヤ予報提示部を備える。
第1実施形態に係る運行管理システムの構成を示す図。 第1実施形態に係る運行管理システムのダイヤ予報作成部で実行されるダイヤ予報処理の内容を説明するフローチャートを示す図。 第1実施形態に係る運行管理システムのダイヤ予報提示部とダイヤ予報作成部と運行予測部との間のデータの入出力関係を説明する図。 第1実施形態に係る運行管理システムのダイヤ予報作成部が行う類似日検索の一例を説明する図。 第2実施形態に係る運行管理システムにおける「駅停車時間の延び」と「駅間走行時間の延び」をモデル化するための考え方を説明する図。 第2実施形態に係る運行管理システムにおける運行予測の式の一例を説明する図。 第2実施形態に係る運行管理システムのダイヤ予報作成部と運行予測部の間のデータ入出力関係を説明する図。 第2実施形態に係る運行管理システムの運行予測部が作成した運行予測ダイヤの表示例を示す図。 第2実施形態に係る運行管理システムの運行予測部が作成した運行予測ダイヤの別の表示例を示す図。 第2実施形態に係る運行管理システムの運行予測部が作成した運行予測ダイヤのさらに別の表示例を示す図。 第3実施形態に係る運行管理システムにおいて、過去実績ダイヤの結果として得られている駅到着時刻及び駅発車時刻をモデル化する例を説明する図。 第4実施形態に係る運行管理システムの運転整理候補案決定部で行われる遅延予測モデルを説明する図。 第4実施形態に係る運行管理システムの運転整理候補案決定部の内部構成と、遅延予測モデルを用いて遅延量を予測する仕組みについて説明する図。 第5実施形態に係る運行管理システムで用いる運転整理要否予測モデルを説明する図。 第5実施形態に係る運行管理システムの運転整理候補案決定部の内部構成と、運転整理要否予測モデルを用いて運転整理要否予測結果を生成する仕組みについて説明する図。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る運行管理システムを説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る運行管理システム10の構成を示す図である。この図1に示す運行管理システムは、運転指令員400が行う車両の運行管理を支援するシステムである。本実施形態においては、運行管理システム10は、運転指令員支援部100と、運転整理支援処理部200と、運行管理装置500とを備えて構成されている。
この運転指令員支援部100は、運転指令員400が行う運行管理を支援する機能を備える。本実施形態においては、この運転指令員支援部100は、ダイヤ予報提示部110と、運転整理候補案提示部120と、運転整理実行部140とを備えて構成されている。
また、運転整理支援処理部200は、運転指令員400の運行管理を支援するために必要な処理を行って情報を生成し、運転指令員支援部100に提供する機能を備える。すなわち、運転指令員支援部100は、運転整理支援処理部200の処理結果に基づいて、車両の運転管理を行う運転指令員400の業務を支援する。本実施形態においては、この運転整理支援処理部200は、ダイヤ予報作成部210と、運行予測部220と、運転整理候補案決定部230と、通告データ保持部240とを備えて構成されている。
運行管理装置500は、運行されている車両の管理を実際に管理する機能を備える。例えば、本実施形態においては、運転整理実行部140により実行された運転整理内容は、運行管理装置500に送付され、運行管理装置500が備える進路制御機能により、転てつ機などの地上装置が制御され、また、運行管理装置500が備えるディジタル無線装置により、必要な情報が運行されている車両に送付される。また、運転整理実行部140が、運行管理装置500に通告した情報は、順次、通告データ保持部240に格納される。
以上が、本実施形態に係る運行管理システム10の概略的構成であるが、次に、この運行管理システム10の詳細な動作と機能を説明する。本実施形態に係る運行管理システム10は、従来の運行管理の機能に加え、ダイヤ予報提示部110を有することが1つの特徴である。
運行乱れが発生した場合に列車運行の順序などを変更する運転整理においては、実際に何分くらい遅延が発生しているかという遅延状況を、運転指令員400が把握した上で、運転整理を行う。運転整理では遅延の現状把握とともに、運転整理を実施した時点以降にどのような状況が発生するかなどの、運転整理の方針に基づき運転整理を行うことが重要である。例えば、平日に運転整理を実施する場合には、旅客が多いことから、できるだけ運休は避ける、休日に運転整理を実施する場合には、各駅停車の旅客が少ないことから、運休をすることで特急のような優等列車を確実に運行するなど、運転指令員400は、状況に応じた方針をとる必要がある。
本実施形態では、この運転整理方針の決定を支援するために、ダイヤ予報作成部210が設けられている。すなわち、ダイヤ予報作成部210では、当日運行開始前、及び、当日運行開始後に、当日の列車の運行を予測したダイヤ予報を作成し、ダイヤ予報提示部110に出力する。無論、ダイヤ予報作成部210は、当日運行開始前にダイヤ予報を行うが、当日運行開始後にはダイヤ予報を行わないようにしてもよいし、或いは、当日運行開始前にダイヤ予報を行わないが、当日運行開始後にはダイヤ予報を行うようにしてもよい。
図2は、本実施形態に係るダイヤ予報作成部210で実行されるダイヤ予報処理の内容を説明するフローチャートを示す図であり、図3は、ダイヤ予報提示部110とダイヤ予報作成部210と運行予測部220との間のデータの入出力関係を説明する図である。
これら図2及び図3に示すように、本実施形態においては、ダイヤ予報作成部210は、まず、朝の運行開始前の時点で、すなわち運行実績がまったく無い状態で、ダイヤ予報を作成する。作成されたダイヤ予報は、ダイヤ予報提示部110に出力される。ダイヤ予報は、全体概況予報として、過去のどの日に近いかを決定する。すなわち、ダイヤ予報作成部210は、朝の運行開始前であることから、当日に列車が運行された結果である当日実績ダイヤは使わない範囲で、ダイヤ予報を作成する。つまり、ダイヤ予報作成部210は、列車の運行管理以外の情報に基づいて、当日の列車の運行を予測したダイヤ予報を作成する。
このため、ダイヤ予報作成部210は、例えば、曜日、季節、予想気象など、運行管理以外の情報を取得し(ステップS2101)、これらの情報を用いて過去の類似日検索を行う(ステップS2102)。この類似日検索の例を図4に示す。この図4に示す類似日検索のための運行以外のデータ(イベント)の例においては、横軸には、日付関係の情報としては、季節、曜日などが想定され、天気関係の情報としては、雨、台風、雪、猛暑日、気温(最低・最高)などが想定され、式典関係の情報としては、入学式、コンサート、スポーツ試合、初詣、成人式、などが想定される。
これらの天気、式典などのイベントがある日は、そうでない日に比べて、多少なりとも遅延が大きい、或いは、特徴的な遅延があると仮定できる。このため、一覧として、類似日検索データベース212aとして、データベース化しておき、取得した予測対象日のイベントに応じて、適切なものを検索する。そして、ダイヤ予報作成部210は、過去のどの日に一番近かったかを求め、その時の過去実績ダイヤなどダイヤ予報として提示する。すなわち、前日以前の過去に列車が運行された結果である過去実績ダイヤの中から、一番近い日の過去実績ダイヤを選択して、ダイヤ予報として提示する。
近い日の選択抽出については、例えば、条件が一致した数が最も多かった日を選択抽出してもよいし、或いは、各列に重みをつけて点数化して最も点数の高かった日を選択抽出してもよい。検索結果として、ダイヤ予報作成部210が決定した類似日は、ダイヤ予報提示部110に出力され、ダイヤ予報提示部110は、蓄積されている過去実績ダイヤデータから、「ダイヤ予報」を出力する。例えば、遅延表現されているダイヤ図をダイヤ予報として表示することにより、運転指令員400は、ダイヤ予報としてのその日の全体状況を把握できる。その日の特徴(xx列車がyy駅で遅れる)およびこの特徴を予報メッセージとして概況的に提示することにより、運転指令員400は運行管理や運転整理がしやすくなる。
ダイヤ予報作成部210は、ダイヤ予報という、そもそも全体的にどのような状況になるのかを事前に予想し、それに合わせたパラメータ群を選択する。パラメータとは、所定の駅停車時間、駅間走行時間からの変動量をモデル化したものである。選択結果は、例えば、安定期用なのか或いは着ぶくれラッシュ期用なのか、晴天用なのか或いは雨天用なのか、などのパラメータ群として、ダイヤ予報作成部210から運行予測部220に出力される。これを受けて、運行予測部220では、この選択結果に基づいて、安定期用や着ぶくれラッシュ期用の駅間走行時間、駅停車時間のパラメータを用いて、運行予測ダイヤを作成する。
図2に示すダイヤ予報処理のうち、類似日検索の処理(ステップS2102)は、当日の実績を用いてより近いものを選び、ダイヤ予報の作成に利用する処理である。このダイヤ予報は、当日実績ダイヤとは無関係であるが、以下の処理では、ダイヤ予報を作成した後に列車が運行された結果である当日実績ダイヤを得ることでダイヤ予報を見直す。例えば、月曜ダイヤと思って予報したが、水曜ダイヤに近かった、などに対応するものである。このようにすることにより、列車の運行を開始した後に、状況に応じてダイヤ予報を変えていくことが可能になる。
すなわち、ダイヤ予報作成部210は、10分毎などの所定の周期で、当日実績ダイヤなどの実績値を取得し(ステップS2103)、ダイヤ予報で検索したダイヤと当日実績ダイヤを比較し、乖離を監視して(ステップS2104)、当日実績ダイヤとダイヤ予報との乖離が所定以上となった場合(ステップS2105:Yes)は、ステップS2102に戻って再度、類似日検索を行う。そして、この結果に従い、必要に応じて、予報データを別の予報データに切り換える。
例えば、2017年12月22日の運行開始前の予報では、2017年12月15日が一番近いとの判断で、この日付の過去実績ダイヤを用いてダイヤ予報を生成したが、2017年12月22日7:00:00時点の当日実績ダイヤからは、2017年12月8日の遅延状況のほうが近いので、2017年12月8日の過去実績ダイヤを、それ以降のダイヤ予報とする。一方、この乖離が所定範囲以内の場合(ステップS2105:No)には、既に生成したダイヤ予報は変更しない。
ステップS2104及びステップS2105における比較、乖離の監視では、ある時点までのダイヤ予報と当日実績ダイヤとの比較となるので、全部の列車を対象に比較を行うことが望ましい。但し、全部の列車で比較を行うことが現実的ではない場合は、遅延の予報に関する代表列車と代表駅をいくつか決めておいて、その代表列車と代表駅のデータを見るようにすることもできる。代表列車と代表駅は、例えば、ダイヤの大乱れ、中乱れ、小乱れ、と相関が高い列車、駅などを抽出することで定めることが可能である。
以上のように、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、曜日や季節などの運行管理以外の情報に基づいて、当日の運行開始前に、その日のダイヤ予報を生成することとした。このため、運転指令員400の個人的なスキルに依存せずに、ダイヤ予報を生成することができる。すなわち、従来は、運転指令員400が自ら、その日の特徴的な出来事や、線区の特徴などを総合的に評価して、頭の中でダイヤ予報を行うに過ぎなかったのに対し、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、ダイヤ予報の結果であるダイヤ図などを、あたかも天気予報のように出力できるようになり、運転指令員400の個人的なスキルに依存せずに、運休可否など運転整理の方針を出すことができるようになる。
さらに、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、運行開始後も、生成されたダイヤ予報と実際の運行された結果である当日実績ダイヤとを随時比較し、両者の乖離が所定以上になった場合には、ダイヤ予報を見直して、当日実績ダイヤにより近いダイヤをダイヤ予報として出力するようにしたので、運転指令員400による運行管理の一層の容易化を図ることができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る運行管理システム10は、システム構成は上述した第1実施形態と同様であるが、本実施形態においては、運転整理候補案提示部120と、運行予測部220の処理内容が上述した第1実施形態と異なっている。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
本実施形態においては、列車の運行遅延の要素が、乗降混雑や接続などにより生じる「駅停車時間の延び」と、速度低下や信号の影響などに生じる「駅間走行時間の延び」から構成されていると考えて、これらの変動量をモデル化することにより、列車運行を予測する。すなわち、過去データの分析結果から、「駅停車時間の延び」と「駅間走行時間の延び」を分析してパラメータ化し、運行予測に反映する。
図5に、「駅停車時間の延び」と「駅間走行時間の延び」をモデル化するための考え方を示す。運行管理の基準となる、駅停車時間、駅間走行時間については、制御ダイヤを用いる。実際の運行予測においては、遅延などが発生する可能性があることから、客扱い時間の変動、駅間走行時間の変動、を考慮した上で、運行予測をする。例えば、駅Cから駅Bの走行では、信号の節制を受ける場合があり、駅間走行時間の変動が大きい。駅F、駅Dは他の列車との接続をとる場合が多いことから駅停車時間の変動が大きい。このような運行予測の条件をパラメータとして保持しておく。これは、前日以前の過去に列車が運行された結果である過去実績ダイヤの統計をとり、運行予測のパラメータとして抽出することで設定する。
図6に、運行予測の式の一例を示す。駅i+1の到着時刻は、前の駅である駅iの出発時刻に、駅iの駅停車時間の変動と、駅iから駅i+1への走行時間と、駅iから駅i+1への駅間走行時間の変動とを加算することで求めることができる。駅iの出発時刻と、駅iから駅i+1への走行時間は、運転整理のない標準的な運行の制御ダイヤに基づいて設定される。すなわち、駅i+1の到着予測時刻Tarr(i+1) = 駅iの出発時刻Tdep(i) + 駅iの駅停車時間の変動kdep(i) + 駅iから駅i+1への走行時間tdri(i) + 駅iから駅i+1への駅間走行時間の変動kdri(i)により、算出される。
図7は、ダイヤ予報作成部210と運行予測部220の間のデータ入出力関係を説明する図であり、上述した第1実施形態の図3に対応する図である。この図7に示すように、運行予測部220は、運行予測用パラメータ抽出部222aと、運行予測式演算部222bとを備えている。
運行予測用パラメータ抽出部222aは、過去実績ダイヤデータ212bから過去実績ダイヤを検索し、上記の運行予測の式に適用するパラメータを抽出する。例えば、7月用パラメータ、月曜日用パラメータ、雨の日用パラメータなど、運行予測で用いる条件に応じてパラメータを分類することにより、運行予測と実際のダイヤとの乖離を少なくすることができる。この結果、雨の日は駅の停車時間は+20秒多くするなどのパラメータが得られ、これを運行予測に用いる。駅ごとに、例えば、この駅はいつも5秒早発する、などの固有の予測条件がわかっている場合には、この要素をパラメータに入れてもよい。抽出されたパラメータは、運行予測用パラメータ抽出部222aから運行予測式演算部222bに出力される。
運行予測式演算部222bは、運行予測用パラメータ抽出部222aから取得したパラメータと、制御ダイヤデータ212cから取得した当日の基準となる制御ダイヤとに基づいて、上述した式を演算し、運行予測ダイヤを作成する。
なお、運行予測部220は、運転整理で順序変更などにより出発時刻が制御ダイヤと異なる場合には、順序変更をした場合の予測もあわせて行うことにより、運転整理案の検討ができるようにしてもよい。順序変更など、どのような運転整理を提案するか、については、運行予測部220が備える運転整理提案機能により行われるようにすればよい。この運転整理提案機能では、当該列車に対して、過去に実施した運転整理に応じた提案することも可能である。
運行予測式演算部222bが上記の式の演算を行うことにより作成された運行予測の結果である運行予測ダイヤは、ダイヤ図として運転指令員400に対して表示される。運行予測ダイヤを表示するにあたり、例えば、図8Aに示すように駅ごとに列車番号の到着順番に表示するとともに、遅延の状況を色などで表すことにより、運行予測結果を運転指令員400がより確実に把握することができるようになる。
図8Aの例では、現状のまま運転整理をしない運行予測ダイヤが、運転整理案0の運行予測として表されており、ある運転整理案1の運転整理を行った場合における運行予測ダイヤが、運転整理案1として表されている。なお、この図8Aにおいては、色を用いて遅延状況を表す代わりに、ハッチングの密度を用いて遅延状況を表している。
この運転整理案1の運行予測ダイヤでは、駅3における列車番号T8623、8465、U8763、6194、S8291の遅延状況が最も大きく影響が現れることが分かる。そして、例えば、列車番号T8623は、駅4、駅5…駅12と運行する間に、次第に遅れを回復すると予測されている。運転指令員400は、このように可視化された運行予想に基づいて、遅延状況を全体的に把握して、この運転整理案1を採用すべきか否かを判断することができる。
図8Bは、運転整理案1、運転整理案2、運転整理案3のように複数の運転整理案を含む運行予測ダイヤを表示している例を示している。このような表示があれば、運転指令員400は、3つの運転整理案の中で、どの運転整理案が最も適切であるのかを、より的確に判断することができる。
特に、優等列車などとの混在走行により、列車の順序が変わるような線区では、運転指令員400が列車の運転順序を即座に把握できることが望ましい。このため、運行予測ダイヤとしては、図8A及び図8Bに示すような、到着する順番に列車番号が表示されている列車順序形式のテーブル表示の利便性が高いと考えられる。運行予測部220は、種々の運転整理案に基づく運転整理の結果予測を行い、ダイヤが変更となった場合も含めて、列車の遅延状況を予測する。
図8Cは、図8A及び図8Bとは異なる表現の運行予測ダイヤを示している。この図8Cにおいては、縦軸が駅を表しており、横軸が列車の各駅における着発時刻を表しており、全体として時刻表形式で運行予測ダイヤを表している。また、各駅各列車の遅延状況は、色を用いて表されている。但し、この図8Cにおいても、色を用いて遅延状況を表す代わりに、ハッチングの密度を用いて遅延状況を表している。また、この図8Cにおいては、基準となる制御ダイヤが秒単位で表現されている関係上、遅延状況も秒単位で管理されて、秒単位を基準として表示色を変更している。
列車の順序、つまり横軸の並び順は、ある基準の駅を設けて、その基準となる駅における順番としている。縦軸が駅、横軸が列車と同様の形式であるダイヤ図においては、ダイヤが線で表されているが、図8Cの運行予測ダイヤの提示形式では、数値で表現される発着時刻と、遅延状況を表す色でダイヤが表されている。このため、運転指令員400は、どの列車がどの駅でどの程度遅延するかを、より早く確認することができる。
以上のように、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、駅停車時間の変動と、駅間走行時間の変動を、制御ダイヤにあてはめて、運行予測ダイヤを生成することとしたので、実態に則した運行予測ダイヤを生成することが可能となる。つまり、本来運行されるべき発着時刻を表す制御ダイヤが基準となり、過去実績ダイヤデータ212bから過去実績ダイヤを検索し、傾向を分析することにより、その基準からのばらつきである駅停車時間の変動と駅間走行時間の変動とを算出することとした。このため、各駅における停車時間や、各駅間の走行時間を、実態に則したものにすることができる。
これにより、駅停車時間の変動や、駅間走行時間の変動を、列車番号毎に設定したり、急行などの種別毎に設定したり、折り返し駅での折返し時間の延びなどの駅毎に設定したりすることができる。つまり、過去実績ダイヤデータ212bに蓄積されている過去実績ダイヤを用いて、種々のパラメータを生成し、このパラメータに基づいて運行予測ダイヤを生成することが可能となる。このため、単に過去実績ダイヤデータ212bから近似した日付や天気の過去実績ダイヤをダイヤ予報として提示するのとは異なる、運行予測ダイヤを提示することができるようになる。
また、複数提示される運転整理案を、所定の精度の範囲内にすべてが収まるようにすることにより、運転指令員400がどの案を選択したとしても、結果として、運転整理の精度を一定範囲に収めることができることとなる。運行管理システム10が提示する複数の運転整理案を、すべて所定の精度の範囲内にするためには、運行予測用パラメータ抽出部222aが抽出するパラメータを、当日の環境条件に合わせる必要があるが、その情報は、ダイヤ予報作成部210から取得すればよい。例えば、運行予測用パラメータ抽出部222aが、ダイヤ予報作成部210から、当日が安定期であるのか、或いは、着ぶくれラッシュ期であるのかを情報として取得したり、当日が晴天なのか、或いは、雨天なのかを取得したりする。このようにすることにより、提示する運転整理案の精度を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係る運行管理システム10は、システム構成は上述した第1実施形態と同様であるが、本実施形態においては、第2実施形態と同様に、運転整理候補案提示部120と、運行予測部220の処理内容が上述した第1実施形態と異なっている。以下、上述した第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分を説明する。
本実施形態に係る運行管理システム10は、列車の運行遅延の要因は特定せず、過去実績ダイヤの結果として得られている駅到着時刻、駅発車時刻をモデル化する。図9は、これら駅到着時刻と駅発車時刻とのモデル化を説明する図である。また、運行予測部220の内部構成は、上述した図7の通りである。
これら図9及び上述の図7に示すように、本実施形態においては、制御ダイヤデータ212cは、各駅の制御ダイヤ上の発車時刻を保有している。運行予測用パラメータ抽出部222aは、過去実績ダイヤデータ212bを検索し、過去実績ダイヤデータ212bが保有している前日以前の過去実績ダイヤに基づいて、発車時刻の変動を各列車、各駅で抽出する。例えば、駅Dは接続をとる場合が多いことから、過去実績ダイヤに基づくと、出発時刻の変動が他の駅に比べて大きいことが抽出される。また、駅Cは前方の信号の節制を受けることから、過去実績ダイヤに基づくと、出発時刻の変動が他の駅に比べて大きいことが抽出される。
運行予測式演算部222bは、制御ダイヤ上の駅の発車時刻に、過去実績ダイヤに基づく発車時刻の変動を加算して、その駅の発車予測時刻を算出する。そして、各列車の各駅の発車予測時刻を算出することにより、運行予測ダイヤを生成する。
なお、図9の例では、運行予測部220は、出発時刻を用いて、すなわち、制御ダイヤ上の出発時刻と、過去実績ダイヤ上の出発時刻の変動を用いて、運行予測ダイヤを生成したが、到着時刻を用いて、すなわち、制御ダイヤ上の到着時刻と、過去実績ダイヤ上の到着時刻の変動を用いて、運行予測ダイヤを生成するようにしてもよい。
また、本実施形態においても、上述した第2実施形態と同様に、複数の運転整理案を生成することにより、運転指令員400が遅延状況を全体的に把握しつつ、どの運転整理案が最も適切であるのかを、より的確に判断できるようにするこができる。
本実施形態に係る運行予測部220が生成する運行予測ダイヤ及び運転整理案は、上述した第2実施形態と同様に種々の形式で出力することができる。すなわち、運行予測部220は、図7のようなダイヤ図の形式で運行予測ダイヤを出力してもよいし、図8A乃至図8Cのようなテーブル形式で運行予測ダイヤを出力してもよい。
以上のように、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、制御ダイヤ上の駅出発時刻と、過去実績ダイヤ上の出発時刻の変動に基づいて、運行予測ダイヤを生成することができ、或いは、制御ダイヤ上の駅到着時刻と、過去実績ダイヤ上の到着時刻の変動に基づいて、運行予測ダイヤを生成することができるので、簡易な計算方法で運行予測ダイヤを作成することができる。すなわち、上述した第2実施形態では、前の駅である駅iの出発時刻に、駅iの駅停車時間の変動と、駅iから駅i+1への走行時間と、駅iから駅i+1への駅間走行時間の変動とに基づいて、運行予測ダイヤを生成したが、第3実施形態では、これに比べて、極めて簡易な計算で運行予測ダイヤを作成できる。
また、第2実施形態と同様に、運転指令員400は、提示された複数の運転整理案のうち、どの運転整理案が最も適切であるのかを、より的確に判断することができ、運転指令員400が行う運転整理を支援することができる。
〔第4実施形態〕
第4実施形態に係る運行管理システム10は、システム構成は上述した第1実施形態と同様であるが、本実施形態においては、運転整理候補案提示部120と、運転整理実行部140と、運転整理候補案決定部230の処理内容が上述した第1実施形態と異なっている。以下、上述した第1実施形態と異なる部分を説明する。
本実施形態に係る運行管理システム10は、過去実績ダイヤデータから遅延予測モデルの式をつくり、列車ごとに、且つ、駅ごとに遅延量を予測する。遅延予測モデルについて、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る運行管理システム10で用いる遅延予測モデルを説明するダイヤ図である。
図10に示すように、遅延予測では、遅延の予測をする特定の列車とその列車の遅延に関わると考えられる数列車の過去実績ダイヤデータを用いて、その特定の列車の遅延予測モデルを作成する。図10の例では、列車Xが駅Sに到着した時点で、駅Qの遅延量を予測する。このため、列車Xの前後列車なども遅延に関わると考えられると仮定し、遅延予測モデル作成時に過去実績ダイヤデータを検索して利用する。
図10のダイヤ図上の丸印は、駅の到着遅延の遅延量、或いは、発車遅延の遅延量を表しており、また、丸印の大きさが大きくなるほど、この遅延量も大きくなることを表している。そして、予測時点より過去の到着遅延や発車遅延が、予測時点より未来の遅延に影響があるという前提の下、それらの列車の過去実績ダイヤを用いて、以下のような予測式を作成する。

遅延量y=f(各丸印の遅延量の数式)

丸印の選び方としては、予測対象である特定の列車と、予測対象である特定の列車の先行列車のうち、予測を行う日の前日以前の過去実績ダイヤや予測を行う日の当時実績ダイヤなどから構成する。
図11は、運転整理候補案決定部230の内部構成と、遅延予測モデルを用いて遅延量を予測する仕組みについて説明する図である。この図11に示すように、運転整理候補案決定部230は、遅延予測モデル作成部232aと、遅延予測部232bとを備えて構成されている。
遅延予測モデル作成部232aは、過去実績ダイヤデータ212bに格納されている過去実績ダイヤに基づいて、遅延予測モデルを作成する。遅延予測モデルとしては、上記したような、遅延予測量の数式である。数式の作成方法については、回帰式による方法、機械学習による方法、など、得られる過去実績ダイヤの分量や精度に応じて作成する。作成された遅延予測モデルは、遅延予測モデル作成部232aから遅延予測部232bに出力される。
遅延予測部232bは、このようにして作成された遅延予測モデルを用いて、列車の遅延量を予測する。すなわち、遅延予測部232bは、当日実績ダイヤデータ212dに格納されている当日実績ダイヤから、当該列車と当該列車よりも前の列車の遅延量、つまり丸印の大きさを取得し、この取得した遅延量に関する情報を、遅延予測モデルに適用することにより、特定の列車の特定の駅における遅延量を予測する。運行管理システム10は、予測した遅延量を運転指令員400に提示し、運転指令員400は予測した遅延量を運転整理の判断をする際の参考とする。なお、運行状況により予測時点において丸印の遅延量に関する情報が得られない場合においては、運行予測部220により算出された運行予測ダイヤを実績ダイヤとして遅延量を得てもよい。
以上のように、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、過去実績ダイヤに基づいて過去の列車の遅延を考慮した遅延予測モデルを作成し、この遅延予測モデルを当日実績ダイヤに適用することにより、特定の列車の特定の駅における遅延量を予測することができる。すなわち、上述した第2実施形態や第3実施形態においては、特定の列車や特定の駅について、前後に走行する列車を考慮して、遅延量の予測式を作成することは困難であった。一方、本実施形態においては、過去実績ダイヤを利用して、特定の列車の前後列車の遅延量を抽出して、遅延予測モデルを作成し、この遅延予測モデルに当日実績ダイヤを適用することとしたので、特定の列車の特定の駅における遅延量を算出することができる。
この遅延予測モデルは、遅延予測モデル作成部232aが予め作成して保持しておくようにしてもよいし、或いは、必要になった場合に、その都度作成するようにしてもよい。遅延予測モデルを予め作成しておく場合には、過去実績ダイヤデータ212bはオフラインで運転整理候補案決定部230に接続されていてもよいが、遅延予測モデルを必要に応じて作成する場合には、過去実績ダイヤデータ212bはオンラインで運転整理候補案決定部230に接続されている必要がある。いずれの場合でも、過去実績ダイヤから遅延予測モデルを作成するため、運転指令員400に特別なスキルは必要とされず、また、当日実績ダイヤをこの遅延予測モデルに適用するだけであるので、やはり、運転指令員400に特別なスキルは必要とされない。そして、運転指令員400は、提示された遅延量の予測を念頭においたうえで、運転整理を実行すべきか否かを検討することができるようになる。
〔第5実施形態〕
第5実施形態に係る運行管理システム10は、システム構成は上述した第1実施形態と同様であるが、本実施形態においては、第4実施形態と同様に、運転整理候補案提示部120と、運転整理実行部140と、運転整理候補案決定部230の処理内容が上述した第1実施形態と異なっている。以下、上述した第1実施形態及び第4実施形態と異なる部分を説明する。
本実施形態に係る運行管理システム10は、過去実績ダイヤから、運転整理が必要であるか否かをモデル化した運転整理要否予測モデルの式をつくり、列車ごと、且つ、駅ごとに運転整理の要否を予測する。運転整理要否予測モデルについて、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態に係る運行管理システム10で用いる運転整理要否予測モデルを説明する図である。
この図12に示す運転整理要否予測モデルは、運転整理案を過去実績ダイヤから学習し、各状況に応じた運転整理要否予測モデルを作成しておき、それに照らし合わせて運転整理要否判断を行うためのモデルである。すなわち、運転整理の要否を予測するために、特定の列車とその列車の遅延に関連すると考えられる数列車の過去実績ダイヤを用いて、その特定の列車の運転整理要否予測モデルを作成する。
図12の例では、列車Xが駅Sに到着した時点で、駅Qの運転整理の要否を予測する。このため、列車Xの前後列車なども遅延に関わると考えられると仮定し、運転整理要否予測モデルを作成する際に過去実績ダイヤを利用する。丸印は、駅の到着遅延、或いは、発車遅延の遅延量であり、予測時点より過去の到着遅延や発車遅延が、運転整理の要否に影響があるという前提の下、運転整理要否予測モデルを作成する。具体的には、過去実績ダイヤを用いて、以下のような予測式を作成する。

運転整理要否z=g(各丸印の遅延量の数式)

丸印の選び方としては、運転整理対象列車と、運転整理対象列車の先行列車のうち、予測を行う日の前日以前の過去実績ダイヤや予測を行う日の当日実績ダイヤなどから構成する。
図13は、運転整理候補案決定部230の内部構成と、運転整理要否予測モデルを用いて運転整理要否予測結果を生成する仕組みについて説明する図である。この図13に示すように、本実施形態に係る運転整理候補案決定部230は、運転整理要否予測モデル作成部234aと、運転整理要否予測部234bとを備えて構成されている。
運転整理要否予測モデル作成部234aは、過去実績ダイヤデータ212bと過去運転整理実績データ212eに基づいて、運転整理要否予測モデルを生成する。具体的には、運転整理要否予測モデル作成部234aは、過去実績ダイヤデータ212bと過去運転整理実績データ212eに基づいて、運転整理要否の数式を作成する。数式の作成方法については、運転整理が必要か或いは必要でないかという2値であることから、回帰式による方法の中でもニューラルネットワークなどの機械学習による方法など、得られる過去実績ダイヤの分量や精度に応じて、丸印の遅延量と遅延量要否の関係を作成する。作成された運転整理要否予測モデルは、運転整理要否予測モデル作成部234aから運転整理要否予測部234bに出力される。
運転整理要否予測部234bは、当日実績ダイヤデータ212dから当日実績ダイヤを取得し、運転整理要否予測モデルを用いて、特定の列車の特定の駅での列車の運転整理の要否を予測する。すなわち、運転整理要否予測部234bは、運転整理要否予測モデルに、予測当日の当日実績ダイヤ(丸印で表された遅延量)を適用し、特定の列車の特定の駅での列車の運転整理の要否を予測する。そして、運行管理システム10は、運転整理要否予測結果を、運転指令員400に提示し、運転指令員400は提示された運転整理要否予測結果を運転整理の参考とする。すなわち、運転整理要否予測結果が、運転整理を必要としていることを示しているのか、或いは、運転整理は必要ないことを示しているのかに応じて、この情報を参酌して、運転指令員400は運転整理を行うかどうかを決定する。なお、運行状況により予測時点において丸印の遅延量に関する情報が得られない場合においては、運行予測部220により算出された運行予測ダイヤを実績ダイヤとして遅延量を得てもよい。
さらに、本実施形態に係る運転整理要否予測モデル作成部234aは、過去運転整理実績データ212eを検索し、ある列車群の過去実績ダイヤが得られた時に、過去に実施した運転整理を今回も行うかどうかを予測する。一般に、過去に運転整理を行って運行された列車の過去運転整理実績ダイヤに関するデータはそう多くは無いため、運転整理要否予測モデル作成部234aは、過去実績ダイヤに基づいて、運転整理要否予測モデルをまずは作成する。しかし、運転整理を実施した過去運転整理実績ダイヤに関するデータが多くあれば、運転整理の内容、例えば順序変更、列車運休など、運転整理案ごとに運転整理要否予測モデルを作成し、運転整理案ごとに運転整理要否予測結果を作成するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、過去実績ダイヤデータに基づいて、運転整理要否予測モデルを作成し、この運転整理要否予測モデルに、当日実績ダイヤデータを適用することにより、運転整理の要否を示す運転整理要否予測結果を作成することとした。すなわち、上述した第2実施形態や第3実施形態においては、特定の列車の特定の駅について、前後に走行する列車を考慮して、運転整理要否予測モデルを作成することは困難であった。一方、本実施形態においては、運転整理案1、運転整理案2など案を作成した後に、運転整理要否予測モデルを作成し、運転指令員400に運転整理案ごとに、その運転整理案の実行の要否を示す運転整理要否予測結果を提示することができる。
この運転整理要否予測モデルは、運転整理要否予測モデル作成部234aが、特定の列車の特定の駅に関して予め作成しておくようにしてもよいし、或いは、必要になった場合に、その都度作成するようにしてもよい。運転整理要否予測モデルを予め作成しておく場合は、過去実績ダイヤデータ212bはオフラインで運転整理候補案決定部230に接続されていてもよいが、運転整理要否予測モデルを必要に応じて作成する場合には、過去実績ダイヤデータ212bはオンラインで運転整理候補案決定部230に接続されている必要がある。
そして、運行管理システム10は、特定の列車の特定の駅での遅延を監視し、遅延を検知した場合に、運転整理要否予測モデルを用いて、運転整理の要否を予測し、運転整理要否予測結果として出力する。過去実績ダイヤから運転整理要否予測モデルを作成するため、運転指令員400に特別なスキルは必要とされず、また、当日実績ダイヤデータをこの運転整理要否予測モデルに適用するだけなので、やはり、運転指令員400に特別なスキルは必要とされない。そして、運転指令員400は、提示された運転整理要否予測結果を念頭においたうえで、運転整理の必要性を検討することができる。
以上の第1実施形態乃至第5実施形態で述べたように、上述の実施形態に係る運行管理システム10は、ダイヤ予報を作成するダイヤ予報作成部210と、過去実績ダイヤデータに基づき運行予測ダイヤを作成する運行予測部220と、遅延予測モデルや運転整理要否予測モデルを用いて特定の列車の特定の駅における遅延量を予測する運転整理候補案決定部230という複数の予測手段を有しており、実際の線区に関する運行データや、天気などの運行以外のデータを用いて、運転指令員400による総合的な列車の運行管理を支援できる。また、運行管理システム10は、運転指令員400による運行乱れ時の運転整理業務を、効率的に支援できる。
また、上述の運行管理システム10を用いることにより、複数の運転指令員400の間で、その運行管理の品質を均一化することができる。すなわち、従来では、運転指令員400の手が離せないような場合では、システム的なサポートがあったとしても、運行管理は運転指令員400の個々人のスキルに依存することが多かったが、本実施形態に係る運行管理システム10によれば、運行管理システム10が運転管理を総合的に支援するので、異なる運転指令員400の間で、運転管理の品質を均一にすることができる。ひいては、十分な運転指令員400の担い手がいない場合でも、上述の運行管理システム10により、運行管理の多くの部分を行うことができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
10…運行管理システム、100…運転指令員支援部、110…ダイヤ予報提示部、120…運転整理候補案提示部、140…運転整理実行部、200…運転整理支援処理部、210…ダイヤ予報作成部、212a…類似日検索データベース、212b…過去実績ダイヤデータ、212c…制御ダイヤデータ、212d…当日実績ダイヤデータ、212e…過去運転整理実績データ、220…運行予測部、222a…運行予測用パラメータ抽出部、222b…運行予測式演算部、230…運転整理候補案決定部、232a…遅延予測モデル作成部、232b…遅延予測部、234a…運転整理要否予測モデル作成部、234b…運転整理要否予測部、240…通告データ保持部、400…運転指令員、500…運行管理装置

Claims (6)

  1. 運転指令員による車両の運行管理を支援する運行管理システムであって、
    車両の運行管理の業務である運転整理を支援するのに必要な処理を行う運転整理支援処理部と、
    前記運転整理支援処理部の処理結果に基づいて、車両の運転管理を行う運転指令員の業務を支援する、運転指令員支援部と、
    を備え、
    前記運転整理支援処理部は、当日の列車の運行を予測したダイヤ予報を作成する、ダイヤ予報作成部を備えており、
    前記運転指令員支援部は、前記ダイヤ予報作成部で作成された前記ダイヤ予報を運転指令員に提示する、ダイヤ予報提示部を備え、
    前記運転整理支援処理部は、過去に列車が運行された結果である過去実績ダイヤに基づいて、駅に列車が停車した時間のばらつきを表す駅停車時間の変動と、列車が駅間を走行するのに要した時間のばらつきを表す駅間走行時間の変動とを抽出し、前記駅停車時間の変動と前記駅間走行時間の変動とを、運行管理の基準となる制御ダイヤにあてはめて、運行予測ダイヤを作成する、運行予測部をさらに備え、
    記運転指令員支援部は、前記運行予測部で作成された前記運行予測ダイヤを運転指令員に提示する、運行管理システム。
  2. 運転指令員による車両の運行管理を支援する運行管理システムであって、
    車両の運行管理の業務である運転整理を支援するのに必要な処理を行う運転整理支援処理部と、
    前記運転整理支援処理部の処理結果に基づいて、車両の運転管理を行う運転指令員の業務を支援する、運転指令員支援部と、
    を備え、
    前記運転整理支援処理部は、当日の列車の運行を予測したダイヤ予報を作成する、ダイヤ予報作成部を備えており、
    前記運転指令員支援部は、前記ダイヤ予報作成部で作成された前記ダイヤ予報を運転指令員に提示する、ダイヤ予報提示部を備え、
    前記運転整理支援処理部は、
    過去に列車が運行された結果である過去実績ダイヤに基づいて、駅から列車が出発した時刻の変動を表す出発時刻の変動を抽出し、前記出発時刻の変動を、運行管理の基準となる制御ダイヤにあてはめて、運行予測ダイヤを作成し、又は、
    前記過去実績ダイヤに基づいて、駅に列車が到着した時刻の変動を表す到着時刻の変動を抽出し、前記到着時刻の変動を、前記制御ダイヤにあてはめて、運行予測ダイヤを作成する、
    運行予測部をさらに備え、
    記運転指令員支援部は、前記運行予測部で作成された前記運行予測ダイヤを運転指令員に提示する、運行管理システム。
  3. 前記ダイヤ予報作成部は、列車の運行管理以外の情報に基づいて、当日の列車の運行開始前に、前記ダイヤ予報を作成する、請求項1又は請求項2に記載の運行管理システム。
  4. 前記ダイヤ予報作成部は、当日に列車が運行された結果である当日実績ダイヤと、既に作成されている前記ダイヤ予報とを比較して、前記当日実績ダイヤと前記ダイヤ予報との乖離が所定以上となった場合には、前記ダイヤ予報を見直す、請求項3に記載の運行管理システム。
  5. 前記運行予測部は、運転整理を行った場合の運転整理後のダイヤを用いて、前記運行予測ダイヤを作成する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の運行管理システム。
  6. 前記運転指令員支援部は、前記運行予測部が作成した前記運行予測ダイヤを、各駅に列車が到着する順番を表すテーブル形式で運転指令員に提示する、運転整理候補案提示部をさらに備える、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の運行管理システム。
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