以下に、本発明の実施形態に係る予約数予測装置を図面に基づいて説明する。本発明である予約数予測装置は、運行前の交通手段である予測対象の席予約予測数を予測して算出するものである。図1は、本発明の実施形態に係る予約数予測装置のハードウェアの概略構成が示されている。
図1に示されているとおり、予約数予測装置100は、少なくとも記憶部2、入力部6、出力部7および制御部(図示省略)などが備えられている。記憶部2は、ROM3、RAM4、HDD5などから構成される。入力部6は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどから構成され、また、出力部7は、例えば、液晶ディスプレイやプリンターなどから構成される。制御部はCPU1などにより実現され、入力部6からの入力情報を検出すると共に、ROM3に格納されたプログラムに従って、CPU1に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの一部が格納されたRAM4を使用して、データ加工部10、第一予測部20、第二予測部30および第三予測部40を制御し、入力情報の処理結果を出力部7に出力する。なお、これらの各部10から40に関し、ひとつの装置に実装されて構成されるか、ネットワークで接続された複数の装置から構成されるかは任意である。
予約数予測装置100は、ハードウェア構成、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、ソフトウェアによって実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、実際にはコンピュータのCPU1、あるいはMPU、ROM3、RAM4などを備えて構成し、ROM3やRAM4に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
したがって、コンピュータが各部10から40の機能を、データ加工手順、第一予測手順、第二予測手順および第三予測手順として果たすように動作させる予約数予測プログラムを、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録し、コンピュータに読み込ませることによって実現できる。予約数予測プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、例えばフレキシブルディスク、光ディスクなどを用いることができる。
予約数予測装置100は、ASP(Application Service Provider)として機能させてもよく、予約数予測プログラムをインターネットなどのネットワークを介してコンピュータにダウンロードすることによっても実現できる。さらに、これらのハードウェア、ソフトウェア資源を、ネットワークを介してアクセス可能なクラウドなどの態様で提供することもできる。
次に、予約数予測装置100の構成を図面に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る予約数予測装置100の全体の構成が示されている。なお、本実施形態は、交通手段として鉄道が選択され、鉄道の席予約数を予測するものであるが、本発明では、交通手段は鉄道に限られず、例えば、バス、航空機または船舶などであってもよい。また、以下の説明では、予約と販売とは同義であるものとする。
図2に示されているとおり、予約数予測装置100は、データ加工部10、第一予測部20、第二予測部30および第三予測部40から構成されている。予約数予測装置100は、単一または複数のサーバーシステムであり、必要に応じて通信ネットワークに適宜接続されている。通信ネットワークは、例えばインターネット、専用線により接続されたネットワーク、企業内LAN、企業間LAN、WANなどである。通信回線の形態は、例えば有線通信、無線通信、衛星通信などである。ここで、データ加工部10における処理を図2から図6に基づいて説明する。図3は、データ加工部10における処理のフローが示されている。図4から図6は、データ加工部10における入出力情報と処理の一例が示されている。
<データ加工部10>
図2および図3に示されているとおり、データ加工部10は、操作データ加工部11、列車データ加工部12および予測用データ作成部13が備えられている。データ加工部10におけるデータ加工処理では、各部11,12,13が作動することによって、操作履歴DB(Data Base)14および列車情報DB15から必要な情報が抽出されて加工され、運行前の列車である予測対象の予測用データ[出力3]が作成される。ここで、操作履歴DB14および列車情報DB15は、列車の運行情報が蓄積されたものであり、運行情報には、運行済の列車の情報である運行済情報や、予測対象の情報である運行前情報が含まれている。
図3に示されているとおり、操作履歴DB14は、列車の席の予約販売、予約の取り消しなどの操作履歴データが蓄積されている。操作は、例えば、駅の窓口、旅行会社または利用者の端末などから通信ネットワークを通じて実行される。図4の[入力1]は、操作履歴DB14の一部が例示されている。この操作履歴データ[入力1]に基づいて詳説すれば、操作履歴DB14は、例えば、操作が実行された日時(「操作日時」)、列車の運行日(「利用日」)、“のぞみ”“ひかり”などの「列車名」、列車番号(「列車号番」)、上り列車または下り列車の区別(「上下」)、“普通車”“グリーン車”などの「座席設備」、発駅(「乗車駅」)、着駅(「降車駅」)、席の価格(「商品(価格)」)、操作の対象となった席の数(「合計人数」)、操作の種類(「操作内容」)などのフィールドが設定されている。ここで、「操作内容」とは、予約の確定である“販売”や、予約の取り消しである“取消”などである。
一方で、図3に示されているとおり、列車情報DB15は、列車の運行情報が運行日別に記憶されている。図5の[入力2−1][入力2−2]は、列車情報DB15の一部が例示されている。この列車別停車駅テーブル[入力2−1]および列車別設定価格帯情報テーブル[入力2−2]に基づいて詳説すれば、列車情報DB15は、例えば、「運行日」「列車名」「列車号番」「上下」「発駅」「着駅」「出発時刻」「到着時刻」「停車駅」「商品(価格)」「座席設備」「設定数(定員)」などのフィールドが設定されている。
図2および図3に示されているとおり、ステップS1.1において、操作データ加工部11における操作データ加工処理では、予測対象に関する操作履歴データ[入力1]が、操作履歴DB14から抽出されて加工される。操作履歴データ[入力1]は、例えば、予測対象における前年同月の情報である。
詳説すれば、操作データ加工処理では、図4に示されているとおり、運行日までに予約された席数の合計を列車ごとに算出するために、抽出された操作履歴データ[入力1]において、列車ごとに予約数が合算される。
操作履歴データ[入力1]は、「操作内容」が“取消”であるレコードにおいて、加工操作データ[出力1−1]に示されているとおり、「合計席数(人数)」がマイナス値に変換される。また、「操作日時」が「利用日」から起算して何日前であるか算出されて「運行何日前時点」のフィールド4(b)が追加される。例えば、操作履歴データ[入力1]のレコード4(a)は、予約が取り消された履歴であり、「操作内容」が“取消”であるため、「合計席数(人数)」が“−1”となる(加工操作データ[出力1−1]、レコード4(c)参照)。また、操作履歴データ[入力1]のレコード4(a)は、「利用日」が“2015/12/1”であるのに対し、「操作日時」が“2015/11/1”であるため、操作された日は運行日の30日前である。したがって、「運行何日前時点」は“30”である(加工操作データ[出力1−1]、レコード4(c)参照)。このようにして、加工操作データ[出力1−1]が作成される。
この加工操作データ[出力1−1]は、さらに、「運行日」「列車名」「列車号番」「座席設備」「発駅」「着駅」「商品(価格)」「運行何日前時点」がそれぞれ共通するレコードごとに、「合計席数(人数)」が合算される。例えば、レコード4(c)およびレコード4(d)は、“2015/12/01”“列車a”“2号”“普通車”“B駅発”“A駅着”“通常”“30”がそれぞれ共通するため、「合計席数(人数)」が合算されることで、運行日の30日前における予約数が算出される。すなわち、次のとおりである。
−1+5=4・・・・・[数1]
加工済操作データ[出力1−2]に示されているとおり、運行日の30日前の前日である運行日の31日前における「累積予約席数」に[数1]が加算される。すなわち、次のとおりである。
3+4=7・・・・・[数2]
30日前の「累積予約席数」に[数2]が計上される(加工済操作データ[出力1−2]、レコード4(e)参照)。このようにして、加工済操作データ[出力1−2]が作成される。
図2および図3に示されているとおり、ステップS1.2において、列車データ加工部12における列車データ加工処理では、列車情報DB15から、必要な情報が抽出されて分割され、加工される。
詳説すれば、列車データ加工処理では、図5に示されているとおり、列車情報DB15から、「運行日」「列車名」「列車号番」「上下」「発駅」「着駅」「出発時刻」「到着時刻」などが抽出されて列車別停車駅テーブル[入力2−1]が作成され、また、「商品(価格)」「運行日」「列車名」「上下」「座席設備」「発駅」「着駅」「設定数(定員)」などが抽出されて列車別設定価格帯情報テーブル[入力2−2]が作成される。
列車別停車駅テーブル[入力2−1]から、列車の出発時刻を含む時間帯である「出発時間帯」が算出されると共に、行き先や、行き先までの所要時間などに基づいて分類された列車タイプ別運行本数が算出される。このようにして、「運行日」「座席設備」「商品(価格)」「上下」「出発時間帯」「発駅」「着駅」「列車タイプ」などのフィールドが含まれた列車グループテーブル[出力2−1]が作成される。なお、出発時間帯とは、例えば、出発時刻が6時00分や6時30分である場合に、これらの時刻を含む6時のことをいう。
列車別停車駅テーブル[入力2−1]および列車別設定価格帯情報テーブル[入力2−2]から、予測対象を含めた列車の「商品(価格)」「運行日」「列車名」「列車号番」「上下」「座席設備」「発駅」「着駅」「出発時間帯」「設定数(定員)」などが抽出され、加工済列車データ[出力2−2]が作成される。
図2および図3に示されているとおり、ステップS1.3において、予測用データ作成部13における予測用データ作成処理では、操作データ加工処理および列車データ加工処理で作成された各データが突き合わされ、予測用データ[出力3]が作成される。
詳説すれば、図6に示されているとおり、運行日日付属性テーブル[入力3−1]、および、発売開始日付テーブル[入力3−2]が入力され、加工済列車データ[出力2−2]を元に、列車グループテーブル[出力2−1]、加工済操作データ[出力1−2]、運行日日付属性テーブル[入力3−1]および発売開始日付テーブル[入力3−2]が突き合わされ、第一予測部20における処理に必要な予測用データ[出力3]が作成される。ここで、操作履歴データから、運行日までの「累積予約席数」が集計される。その際、加工済列車データ[出力2−2]が存在し、かつ、加工済操作データ[出力1−2]が存在しないレコードがある場合、「累積予約席数」の値が“0”となる。例えば、予測用データ[出力3]におけるレコード6(a)は、予約に関する履歴が存在しない。したがって、「累積予約席数」が“0”である。
次に、第一予測部20における処理を図2、図7から図16に基づいて説明する。図7および図8は、第一予測部20における処理のフローが示されている。図9から図16は、第一予測部20における入出力情報と処理の一例が示されている。
<第一予測部20(時間帯予測)>
図2、図7および図8に示されているとおり、第一予測部20は、回帰予測部21、簡易予測部22および予測結果集計部23が備えられている。第一予測部20における第一予測処理では、各部21,22,23が作動することによって、予測用データ[入力1]に基づいて、一次予測値としての時間帯予測値が算出される。この時間帯予測値(一次予測値)は、運行情報において出発時間帯ごとに算出される席予約予測数の予測値であり、回帰予測部21によって算出される回帰予測値、または、簡易予測部22によって算出される簡易予測値から選択される。
図2および図7に示されているとおり、まず、第一予測部20では、予測用データ[入力1]が、運行済情報である運行済予測用データ[入力1−1]と、運行前情報である運行前予測用データ[入力1−2]とに分割される。
詳説すれば、図9に示されているとおり、予測用データ[入力1]は、「運行日」のフィールド9(a)に基づいて、運行済予測用データ[入力1−1]と運行前予測用データ[入力1−2]とに分割される。例えば、予測実行時が、2015年12月1日である場合、レコード9(b)〜(h)は、「運行日」が“2013/12/01”であって予測実行時よりも前であるため、運行済情報として運行済予測用データ[入力1−1]に分類され、レコード9(i)〜(k)は、「運行日」が“2015/12/31”であって予測実行時よりも後であるため、運行前情報として運行前予測用データ[入力1−2]に分類される。
予測用データ[入力1]は、運行済予測用データ[入力1−1]において、過去の運行実績に基づく席予約数である運行済席予約数が「累積予約席数/最終」に計上される。また、運行前予測用データ[入力1−2]において、運行日までの間に予約の実績がある場合、予測実行時における売れ進み途中の数値が計上されて「累積予約席数」に設定され、予約の実績がない場合、例えばレコード9(i)〜(k)のように「累積予約席数」は“なし”となる。
次に、回帰予測値の算出について説明する。図2および図7に示されているとおり、ステップS2.1において、回帰予測部21における回帰予測処理では、運行済予測用データ[入力1−1]から、最終予約席数についての回帰式が作成され、回帰予測値が設定される。
詳説すれば、図9において、予測対象の運行月と同月であって年が異なる運行済予測用データ[入力1−1]から求められた回帰式に基づいて、回帰予測値が算出される。すなわち、運行済予測用データ[入力1−1]から、「商品(価格)」「座席設備」「出発時間帯」「発駅」「着駅」別に回帰式が求められ、各項目の係数が算出される。
例えば、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”運行予定、“通常価格”“普通車”“A駅発”“B駅着”“12時台出発”の予測対象(レコード9(k)参照)の回帰予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の運行済予測用データ[入力1−1]から求められた回帰式は、図10に示されているとおりである。回帰式から算出された係数から、回帰予測値は次のとおりとなる。
=「切片」+「パターン番号」係数+「曜日(木曜日)」係数
+「運行月(12月)」係数+「列車タイプ別運行本数」×「最速達・A駅方面」係数
=59.68+(−8.06)+5.11+0.00+1×20.67
=77.60
このように回帰予測値が算出され、図9に示されているとおり、“回帰予測値”として「時間帯予測(回帰)」に設定されて回帰予測結果データ[出力1]が出力される。なお、予測対象に相当する運行済み情報が存在しない場合、回帰式は算出されない。例えば、ダイヤの変更に伴って「出発時間帯」「発駅」「着駅」が変更された場合、新たな「商品(価格)」「座席設備」が採用された場合などにおいては、回帰式が算出されない。
次に、簡易予測値の算出について説明する。図2および図7に示されているとおり、ステップS2.2において、簡易予測部22では、第一簡易予測処理、第二簡易予測処理、第三簡易予測処理、第四簡易予測処理、第五簡易予測処理によって、運行済予測用データ[入力1−1]から最終累積予約席数(運行済席予約数)の平均値が算出され、簡易予測値が設定される。
回帰予測処理において回帰式が求まらなかった場合、ステップS2.2.1において、第一簡易予測処理では、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第一簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]に基づいて、運行済席予約数の平均値が第一簡易予測値として算出される。ここで、第一簡易所定条件は、「商品(価格)」「運行月」「曜日」「座席設備」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」が含まれる。
詳説すれば、例えば、図11に示されているとおり、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”“木曜日”運行予定、“通常価格”“普通車”“D駅発”“A駅着”“9時”台出発の予測対象(レコード11(a)参照)の第一簡易予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の予測用データ[入力1](運行済予測用データ[入力1−1])から、「商品(価格)」「運行月」「曜日」「座席設備」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終累積予約席数」(運行済席予約数)の平均値が算出される。第一簡易結果データ[出力2−1]に示されているとおり、この平均値が“第一簡易予測値”として「時間帯予測(簡易1)」に設定される。なお、回帰予測処理において回帰式が求められた場合であっても、第一簡易予測処理によって第一簡易予測値が算出される構成としてもよい。
第一簡易予測処理における第一簡易所定条件に該当する運行済予測用データ[入力1−1]が存在せず、第一簡易予測値が算出されなかった場合、図7に示されているとおり、ステップS2.2.2が処理される。ステップS2.2.2において、第二簡易予測処理では、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第二簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]に基づいて、運行済席予約数の平均値が第二簡易予測値として算出される。ここで、第二簡易所定条件は、「商品(価格)」「運行月」「座席設備」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」が含まれ、第一簡易所定条件と異なって「曜日」が除かれる。すなわち、第二簡易予測処理では、所定条件が第一簡易予測処理よりも少ないため、第一簡易予測処理よりも運行済席予約数の平均値が算出し易くなる。
詳説すれば、例えば、図12に示されているとおり、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”“木曜日”運行予定、“通常価格”“普通車”“D駅発”“A駅着”“9時”台出発の予測対象(レコード12(a)参照)の第二簡易予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の予測用データ[入力1](運行済予測用データ[入力1−1])から、「商品(価格)」「運行月」「座席設備」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終累積予約席数」(運行済席予約数)の平均値が算出される。第二簡易結果データ[出力2−2]に示されているとおり、この平均値が、“第二簡易予測値”として「時間帯予測(簡易2)」に設定される。なお、回帰予測処理において回帰式が求められた場合、または、第一簡易予測処理において第一簡易予測値が算出された場合であっても、第二簡易予測処理によって第二簡易予測値が算出される構成としてもよい。
第二簡易予測処理における第二簡易所定条件に該当する運行済予測用データ[入力1−1]が存在せず、第二簡易予測値が算出されなかった場合、図7に示されているとおり、ステップS2.2.3が処理される。ステップS2.2.3において、第三簡易予測処理では、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第三簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]に基づいて、運行済席予約数の平均値が第三簡易予測値として算出される。ここで、第三簡易所定条件は、「商品(価格)」「運行月」「座席設備」「発駅」および「着駅」が含まれ、第一簡易所定条件と異なって「曜日」および「出発時間帯」が除かれる。すなわち、第三簡易予測処理では、所定条件が第一簡易予測処理および第二簡易予測処理よりも少ないため、第一簡易予測処理および第二簡易予測処理よりも運行済席予約数の平均値が算出し易くなる。
詳説すれば、例えば、図13に示されているとおり、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”“木曜日”運行予定、“通常価格”“普通車”“D駅発”“A駅着”“9時”台出発の予測対象(レコード13(a)参照)の第三簡易予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の予測用データ[入力1](運行済予測用データ[入力1−1])から、「商品(価格)」「運行月」「座席設備」「発駅」および「着駅」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終累積予約席数」(運行済席予約数)の平均値が算出される。第三簡易結果データ[出力2−3]に示されているとおり、この平均値が、“第三簡易予測値”として「時間帯予測(簡易3)」に設定される。なお、回帰予測処理において回帰式が求められた場合、または、第一簡易予測処理において第一簡易予測値が算出された場合、または、第二簡易予測処理において第二簡易予測値が算出された場合であっても、第三簡易予測処理によって第三簡易予測値が算出される構成としてもよい。
第三簡易予測処理における第三簡易所定条件に該当する運行済予測用データ[入力1−1]が存在せず、第三簡易予測値が算出されなかった場合、図7に示されているとおり、ステップS2.2.4が処理される。ステップS2.2.4において、第四簡易予測処理では、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第四簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]から求められた回帰式に基づいて算出された期待値が、第四簡易予測値として算出される。ここで、第四簡易所定条件は、商品(価格)」「運行月」「座席設備」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」が含まれている。すなわち、第四簡易予測処理では、処理が第一簡易予測処理、第二簡易予測処理および第三簡易予測処理と異なるため、第一簡易予測処理、第二簡易予測処理および第三簡易予測処理で各簡易予測値が算出されなかった場合であっても、運行済席予約数の期待値を算出することができる。
詳説すれば、例えば、図14に示されているとおり、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”“木曜日”運行予定、“通常価格”“普通車”“D駅発”“A駅着”“9時”台発の予測対象(レコード14(a)参照)の第四簡易予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の予測用データ[入力1](運行済予測用データ[入力1−1])から、回帰式に基づいて、「商品(価格)」「座席設備」「運行月」「出発時間帯」別に各発着区間の組み合わせ分の期待値(パターン1)が算出される。第四簡易結果データ[出力2−4]に示されているとおり、この期待値が、“第四簡易予測値”として「時間帯予測(簡易4)」に設定される。
なお、予測対象に相当する運行済み情報が存在しない場合、回帰式は算出されない。この場合、例えば、図14に示されているとおり、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”“木曜日”運行予定、“通常価格”“普通車”“C駅発”“D駅着”“9時”台出発の予測対象(レコード14(a)参照)の第四簡易予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の運行済予測用データ[入力1−1]から、「商品(価格)」「運行月」「座席設備」および「出発時間帯」がそれぞれ共通し、かつ、C駅およびD駅を含む運行区間における「発駅」「着駅」がそれぞれ共通するするレコードにおいて、発着駅ごとの「最終累積予約席数」および、この「最終累積予約席数」の合計が算出される。そのうち、C駅発の最終累積予約席数の合計、D駅着の最終累積予約席数の合計、および、全体の合計から、第四簡易予測値は、次のとおりとなる。
発駅合計×着駅合計/全体合計
=220×97/655
=32.58
このように第四簡易予測値が算出され、図14[入力2−4]に示されているとおり、“第四簡易予測値”が設定されて第四簡易結果データが出力される。なお、回帰予測部において回帰式が求められた場合、または、第一簡易予測処理において第一簡易予測値が算出された場合、または、第二簡易予測処理において第二簡易予測値が算出された場合、または、第三簡易予測処理において第三簡易予測値が算出された場合であっても、第四簡易予測処理によって第四簡易予測値が算出される構成としてもよい。
第四簡易予測処理における第四簡易所定条件に該当する運行済予測用データ[入力1−1]が存在していても、第四簡易予測値が算出されなかった場合、図7に示されているとおり、ステップS2.2.5が処理される。ステップS2.2.5において、第五簡易予測処理では、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第五簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]から求められた回帰式に基づいて算出された期待値が、第五簡易予測値として算出される。ここで、第五簡易所定条件は、商品(価格)」「運行月」「座席設備」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」が含まれている。すなわち、第五簡易予測処理では、処理が第一簡易予測処理、第二簡易予測処理および第三簡易予測処理と異なるため、第一簡易予測処理、第二簡易予測処理および第三簡易予測処理で各簡易予測値が算出されなかった場合であっても、運行済席予約数の期待値を算出することができる。
詳説すれば、例えば、図14に示されているとおり、予測用データ[入力1]において、“2015/12/31”“木曜日”運行予定、“通常価格”“普通車”“D駅発”“A駅着”“9時”台発の予測対象(レコード14(a)参照)の第五簡易予測値が算出される場合、2014年以前における各年の12月の予測用データ[入力1](運行済予測用データ[入力1−1])から、回帰式に基づいて、「商品(価格)」「座席設備」「運行月」別に各発着区間の組み合わせ分の期待値(パターン2)が算出される。この期待値では、ダイヤの変更に伴って、「出発時間帯」も変更されている場合があるため、第四簡易結果データと異なり、「出発時間帯」が除かれている。第五簡易結果データ[出力2−5]に示されているとおり、この期待値が、“第五簡易予測値”として「時間帯予測(簡易5)」に設定される。なお、予測対象に相当する運行済み情報が存在しない場合の処理は、既に説明した第四簡易予測処理において回帰式が算出されなかった場合と同様である。また、回帰予測処理において回帰式が求められた場合、または、第一簡易予測処理において第一簡易予測値が算出された場合、または、第二簡易予測処理において第二簡易予測値が算出された場合、または、第三簡易予測処理において第三簡易予測値が算出された場合、または、第四簡易予測処理において第四簡易予測値が算出された場合であっても、第五簡易予測処理によって第五簡易予測値が算出される構成としてもよい。
次に、回帰予測値および各簡易予測値に基づく予測結果集計処理について説明する。図2および図8に示されているとおり、ステップS2.3において、予測結果集計部23における予測結果集計処理では、回帰予測部21における回帰予測処理によって算出された回帰予測値、簡易予測部22における第一簡易予測処理で算出された第一簡易予測値、第二簡易予測処理で算出された第二簡易予測値、第三簡易予測処理で算出された第三簡易予測値、第四簡易予測処理で算出された第四簡易予測値、および、第五簡易予測処理で算出された第五簡易予測値のいずれかが、時間帯予測値(一次予測値)として設定される。ここで、時間帯予測値(一次予測値)が設定される際の優先順位は、回帰予測値、第一簡易予測値、第二簡易予測値、第三簡易予測値、第四簡易予測値、第五簡易予測値の順である。
詳説すれば、図8に示されているとおり、ステップS2.3.1において、運行前予測用データ[入力1−2]と、回帰予測結果データ[出力1]、第一簡易結果データ[出力2−1]、第二簡易結果データ[出力2−2]、第三簡易結果データ[出力2−3]、第四簡易結果データ[出力2−4]および第五簡易結果データ[出力2−5]とが突き合わされて時間帯予測値(一次予測値)が決定される。
ステップS2.3.2において、回帰予測部21の回帰予測処理によって、“回帰予測値”が回帰予測結果データ[出力1]の「時間帯予測(回帰)」に設定されている場合、ステップS2.3.3が処理される。ステップS2.3.3では、例えば、図15および図16に示されているとおり、運行前予測用データ[入力1−2]および回帰予測結果データ[出力1]において、「商品(価格)」「運行日」「座席設備」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「時間帯予測(回帰)」に設定された回帰予測値が、時間帯予測結果データ[出力3]において、“時間帯予測値(一次予測値)”として「時間帯予測(席数)」に設定される。すなわち、回帰予測結果データ[出力1]におけるレコード15(a)は、回帰予測値が算出されて「時間帯予測(回帰)」に設定されているため、この“44.93”が、時間帯予測値(一次予測値)として時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」に設定される(レコード16(e)参照)。一方、回帰予測結果データ[出力1]において、回帰予測値が「時間帯予測(回帰)」に設定されていない場合、ステップS2.3.4が処理される。
図8に示されているとおり、ステップS2.3.4において、簡易予測部22の第一簡易予測処理によって、第一簡易予測値が第一簡易結果データ[出力2−1]の「時間帯予測(簡易1)」に設定されている場合、ステップS2.3.5が処理される。ステップS2.3.5では、例えば、図15および図16に示されているとおり、運行前予測用データ[入力1−2]および第一簡易結果データ[出力2−1]において、「商品(価格)」「運行日」「座席設備」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「時間帯予測(簡易1)」に設定された第一簡易予測値が、時間帯予測結果データ[出力3]において、“時間帯予測値(一次予測値)”として「時間帯予測(席数)」に設定される。すなわち、第一簡易結果データ[出力2−1]におけるレコード15(b)は、第一簡易予測値が算出されて「時間帯予測(簡易1)」に設定されているため、この“267.63”が、時間帯予測値(一次予測値)として時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」に設定される(レコード(f)参照)。一方、第一簡易結果データ[出力2−1]において、第一簡易測値が「時間帯予測(簡易1)」に設定されていない場合、ステップS2.3.6が処理される。
図8に示されているとおり、ステップS2.3.6において、簡易予測部22の第二簡易予測処理によって、第二簡易予測値が第二簡易結果データ[出力2−2]の「時間帯予測(簡易2)」に設定されている場合、ステップS2.3.7が処理される。ステップS2.3.7では、例えば、図15および図16に示されているとおり、運行前予測用データ[入力1−2]および第二簡易結果データ[出力2−2]において、「商品(価格)」「運行日」「座席設備」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「時間帯予測(簡易2)」に設定された第二簡易予測値が、時間帯予測結果データ[出力3]において、“時間帯予測値(一次予測値)”として「時間帯予測(席数)」に設定される。すなわち、第二簡易結果データ[出力2−2]におけるレコード15(c)は、第二簡易予測値が算出されて「時間帯予測(簡易2)」に設定されているため、この“276.64”が、時間帯予測値(一次予測値)として時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」に設定される(レコード(g)参照)。一方、第二簡易結果データ[出力2−2]において、第二簡易測値が「時間帯予測(簡易2)」に設定されていない場合、ステップS2.3.8が処理される。
図8に示されているとおり、ステップS2.3.8において、簡易予測部22の第三簡易予測処理によって、第三簡易予測値が第三簡易結果データ[出力2−3]の「時間帯予測(簡易3)」に設定されている場合、ステップS2.3.9が処理される。ステップS2.3.9では、例えば、図15および図16に示されているとおり、運行前予測用データ[入力1−2]および第三簡易結果データ[出力2−3]において、「商品(価格)」「運行日」「座席設備」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「時間帯予測(簡易3)」に設定された第三簡易予測値が、時間帯予測結果データ[出力3]において、“時間帯予測値(一次予測値)”として「時間帯予測(席数)」に設定される。すなわち、第三簡易結果データ[出力2−3]におけるレコード16(a)は、第三簡易予測値が算出されて「時間帯予測(簡易3)」に設定されているため、この“4.58”が、時間帯予測値(一次予測値)として時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」に設定される(レコード(h)参照)。一方、第三簡易結果データ[出力2−3]において、第三簡易予測値が「時間帯予測(簡易3)」に設定されていない場合、ステップS2.3.10が処理される。
図8に示されているとおり、ステップS2.3.10において、簡易予測部22の第四簡易予測処理によって、第四簡易予測値が第四簡易結果データ[出力2−4]の「時間帯予測(簡易4)」に設定されている場合、ステップS2.3.11が処理される。ステップS2.3.11では、例えば、図15および図16に示されているとおり、運行前予測用データ[入力1−2]および第四簡易結果データ[出力2−4]において、「商品(価格)」「座席設備」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「時間帯予測(簡易4)」に設定された第四簡易予測値が、時間帯予測結果データ[出力3]において、“時間帯予測値(一次予測値)”として「時間帯予測(席数)」に設定される。すなわち、第四簡易結果データ[出力2−4]におけるレコード16(b)は、第四簡易予測値が算出されて「時間帯予測(簡易4)」に設定されているため、この“2.75”が、時間帯予測値(一次予測値)として時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」に設定される(レコード(i)参照)。一方、第四簡易結果データ[出力2−4]において、第四簡易予測値が「時間帯予測(簡易4)」に設定されていない場合、ステップS2.3.12が処理される。
図8に示されているとおり、ステップS2.3.12において、簡易予測部22の第五簡易予測処理によって、第五簡易予測値が第五簡易結果データ[出力2−5]の「時間帯予測(簡易5)」に設定されている場合、ステップS2.3.13が処理される。ステップS2.3.13では、例えば、図15および図16に示されているとおり、運行前予測用データ[入力1−2]および第五簡易結果データ[出力2−5]において、「商品(価格)」「座席設備」「発駅」「着駅」がそれぞれ突き合わされ、「時間帯予測(簡易5)」に設定された第五簡易予測値が、時間帯予測結果データ[出力3]において、“時間帯予測値(一次予測値)”として「時間帯予測(席数)」に設定される。すなわち、第五簡易結果データ[出力2−5]におけるレコード16(c)は、第五簡易予測値が算出されて「時間帯予測(簡易5)」に設定されているため、この“0.13”が、時間帯予測値(一次予測値)として時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」に設定される(レコード(j)参照)。一方、第五簡易結果データ[出力2−5]において、第五簡易予測値が「時間帯予測(簡易5)」に設定されていない場合、ステップS2.3.14が処理される。
図8に示されているとおり、ステップS2.3.14において、任意の値である初期値が時間帯予測値(一次予測値)として設定される。例えば、図16に示されているとおり、第四簡易結果データ[出力2−4]におけるレコード16(d)は、運行前の新商品であるため、履歴が存在せず、第四簡易予測値が算出されていない。したがって、時間帯予測結果データ[出力3]の「時間帯予測(席数)」において、時間帯予測値(一次予測値)は“なし”となる(レコード(k)参照)。
次に、第二予測部30における処理を図2、図17から図25に基づいて説明する。図17および図18は、第二予測部30における処理のフローが示されている。図19から図25は、第二予測部30における入出力情報と処理の一例が示されている。
<第二予測部30(列車案分)>
図2に示されているとおり、第二予測部30は、前処理部31、同一ダイヤ平均算出部32、同一タイプ平均算出部33および案分比率算出部34が備えられている。第二予測部30における第二予測処理では、各部31,32,33,34が作動することによって、加工済列車データ[入力1]および予測用データ[入力2]に基づいて、二次予測値としての過去平均代表値が算出される。この過去平均代表値(二次予測値)は、運行情報において予測対象ごとに算出される席予約予測数の予測値であり、同一ダイヤ平均算出部32によって算出される同一ダイヤ平均値、または、同一タイプ平均算出部33によって算出される同一タイプ平均値から選択される。
図2および図17に示されているとおり、まず、前処理部31における前処理では、加工済列車データ[入力1]と予測用データ[入力2]とが突き合わされて案分予測用データ[出力1]が作成される。その際、案分予測用データ[出力1]において、行き先、および、この行き先までの所要時間に基づいて、運行情報を分類した特定分類としての列車タイプ別にレコードが分類される。
詳説すれば、図19に示されているとおり、加工済列車データ[入力1]および予測用データ[入力2]において、「運行日」「列車名」「列車号番」「上下」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされる。予測用データ[入力2]において「最終予約席数」が設定されている場合、案分予測用データ[出力1]において「最終予約席数」に数値が設定され、一方、予測用データ[入力2]において「最終予約席数」が設定されていない場合、案分予測用データ[出力1]において「最終予約席数」に“0”が設定される。例えば、予測用データ[入力2]において、“列車a”“1号”は、「最終予約席数」に数値が設定されているため(レコード19(a)〜(f)参照)、案分予測用データ[出力1]におけるレコード19(g)の「最終予約席数」にも数値が設定される。一方、予測用データ[入力2]において、“列車a”“2号”は「最終予約席数」が設定されていないため(レコード19(m)参照)、案分予測用データ[出力1]におけるレコード19(n)の「最終予約席数」に“0”が設定される。
また、案分予測用データ[出力1]において「列車タイプ」が追加される。例えば、加工済列車データ[入力1]において、“2014/12/2”運行、“列車a”“1号”“D駅発”“A駅着”“6時”発“9時50分”着の列車(レコード19(o)〜(t)参照)は、「始発・終着駅」が“A駅方面”、「所要時間」が“230分”であるため、案分予測用データ[出力1]において列車タイプが“最速達・A駅方面”である(レコード19(g)〜(l)参照)。
さらに、図17に示されているとおり、案分予測用データ[出力1]が、運行済情報である運行済案分予測用データ[入力3]と、運行前情報である運行前案分予測用データ[入力4]とに分割される。なお、案分予測用データ[出力1]の分割は、第一予測部20における予測用データ[入力1]の分割と同様の処理である。
次に、同一ダイヤ平均値の算出について説明する。ステップS3.2において、同一ダイヤ平均算出部32における同一ダイヤ平均算出処理では、最新のダイヤが適用された運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、同一の運行情報における出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値が同一ダイヤ平均値として算出される。ここで、最新のダイヤとは、過去にダイヤ改正が複数回行われた場合に、予測実行時に対して直近の改正に基づくダイヤであり、予測実行時において適用されているダイヤをいう。また、同一の運行情報であるため、列車名、列車号番、上下、座席設備、商品(価格)、発駅、着駅および出発時間帯が、それぞれ共通する。すなわち、運行済案分予測用データ[入力3]のなかでも最新のダイヤが適用された期間において、同一の列車における出発時間帯ごとの運行済席予約数が合算されて平均値が算出される。
詳説すれば、例えば、図20に示されているとおり、運行済案分予測用データ[入力3]において、“通常価格”“普通車”“列車a”“1号”“D駅発”“A駅着”“6時”台出発の列車(レコード20(a)(c)参照)の同一ダイヤ平均値が算出される場合、運行済案分予測用データ[入力3]から、「列車名」「列車号番」「上下」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終予約席数」の平均値が算出される。“2014/12/1”“2014/12/2”の二日間のみを対象とした同一ダイヤ平均値が算出される場合、レコード20(a)およびレコード20(c)の「最終予約席数」に基づいて、次のとおりとなる。
(105+124)/2=114.5
同様に、例えば、運行済案分予測用データ[入力3]において、“通常価格”“普通車”“列車a”“100号”“C駅発”“D駅着”“17時”台出発の列車(レコード20(b)(d)参照)の同一ダイヤ平均値が算出される場合、レコード20(b)およびレコード20(d)の「最終予約席数」に基づいて、次のとおりとなる。
(167+237)/2=202.0
このように同一ダイヤ平均値が算出され、同一ダイヤ平均データ[出力2−1]に示されているとおり、レコード20(e)(f)において、この“同一ダイヤ平均値”が「平均席数(同一ダイヤ)」に設定される。
次に、同一タイプ平均値の算出について説明する。同一ダイヤ平均算出処理において、同一ダイヤ平均値が算出されなかった場合、図17に示されているとおり、ステップS3.3.1が処理される。ステップS3.3.1において、第一同タイプ平均算出処理では、列車タイプ(特定分類)および第一同タイプ所定条件が共通する運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値が第一同タイプ平均値として算出される。ここで、第一同タイプ所定条件は、「週および曜日を含めた運行日」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」が含まれ、同一ダイヤ平均算出処理と異なって「列車名」「列車号番」「上下」が除かれる。すなわち、第一同タイプ平均算出処理では、運行情報が予測対象と類似した列車における出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値が算出される。
詳説すれば、例えば、図21に示されているとおり、運行済案分予測用データ[入力3]において、“2013年”“2014年”を対象とし、“12月の第1週目の火曜日運行”“通常価格”“普通車”“最速達・B駅方面”“C駅発”“D駅着”“17時”台出発の列車(レコード21(a)(b)(c)(d)参照)の第一同タイプ平均値が算出される場合、2013年と2014年の運行済案分予測用データ[入力3]から、「運行日」「列車タイプ」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終予約席数」の平均値が算出され、次のとおりとなる。
(432+167+284+237)/4=280.0
このように第一同タイプ平均値が算出され、第一同タイプ平均データ[出力2−2]に示されているとおり、レコード21(e)において、この“280.0”が「平均席数(同一タイプ)」に設定される。なお、同一ダイヤ平均算出処理において同一ダイヤ平均値が算出された場合であっても、第一同タイプ平均算出部によって第一同タイプ平均値が算出される構成としてもよい。
第一同タイプ平均算出処理において第一同タイプ所定条件が共通する運行情報が存在せず、第一同タイプ平均値が算出されなかった場合、図17に示されているとおり、ステップS3.3.2が処理される。ステップS3.3.2において、第二同タイプ平均算出処理では、列車タイプ(特定分類)および第二同タイプ所定条件が共通する運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値が第二同タイプ平均値として算出される。ここで、第二同タイプ所定条件は、「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」が含まれ、第一同タイプ平均算出処理と異なり、「週および曜日を含めた運行日」が除かれる。すなわち、第二同タイプ平均算出処理では、条件が第一同タイプ平均算出処理よりも少ないため、第一同タイプ平均算出処理よりも平均値が算出し易くなる。
詳説すれば、例えば、図22に示されているとおり、運行済案分予測用データ[入力3]において、“2014/12/1”“2014/12/2”の二日間のみを対象とし、“通常価格”“普通車”“最速達・C駅方面”“D駅発”“C駅着”“6時”台出発の列車(レコード22(c)(g)参照)の第二同タイプ平均値が算出される場合、運行済案分予測用データ[入力3]から、「列車タイプ」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」および「出発時間帯」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終予約席数」の平均値が算出され、次のとおりとなる。
(11+6)/2=8.5
同様に、例えば、“通常価格”“普通車”“最速達・C駅方面”“D駅発”“C駅着”“7時”台出発の列車(レコード22(a)(b)(d)(e)(f)(h)参照)の第二同タイプ平均値が算出される場合、次のとおりとなる。
(4+6+7+12+6+13)/6=8.0
このように第二同タイプ平均値が算出され、第二同タイプ平均データ[出力2−3]に示されているとおり、レコード22(i)(j)において、この“8.5”“8.0”が「平均席数(同一時間帯)」に設定される。なお、同一ダイヤ平均算出処理において同一ダイヤ平均値が算出された場合、または、第一同タイプ平均算出処理において第一同タイプ平均値が算出された場合であっても、第二同タイプ平均値が算出される構成としてもよい。
第二同タイプ平均算出処理において第二同タイプ所定条件が共通する運行情報が存在せず、第二同タイプ平均値が算出されなかった場合、図17に示されているとおり、ステップS3.3.3が処理される。ステップS3.3.3において、第三同タイプ平均算出処理では、列車タイプ(特定分類)および第三同タイプ所定条件が共通する運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、運行済席予約数の平均値が第三同タイプ平均値として算出される。ここで、第三同タイプ所定条件は、「週および曜日を含めた運行日」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」および「着駅」が含まれ、第一同タイプ平均算出処理と異なり、「出発時間帯」が除かれる。すなわち、第三同タイプ平均算出処理では、条件が第一同タイプ平均算出処理よりも少ないため、第一同タイプ平均算出処理よりも平均値が算出し易くなる。
詳説すれば、例えば、図23に示されているとおり、運行済案分予測用データ[入力3]において、“2013年”“2014年”を対象とし、“12月の第1週目の火曜日”運行、“通常価格”“普通車”“最速達・C駅方面”“D駅発”“C駅着”の列車(レコード23(a)(b)(c)(d)(e)(f)参照)の第三同タイプ平均値が算出される場合、2013年と2014年の運行済案分予測用データ[入力3]から、「運行日」「列車タイプ」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」がそれぞれ共通するレコードにおける「最終予約席数」の平均値が算出され、次のとおりとなる。
(6+48+266+10+24+269)/6=103.2
このように、第三同タイプ平均値が算出され、第三同タイプ平均データ[出力2−4]に示されているとおり、レコード23(g)において、この“103.2”が「平均席数(同一曜日)」に設定される。なお、同一ダイヤ平均算出処理において同一ダイヤ平均値が算出された場合、または、第一同タイプ平均算出処理において第一同タイプ平均値が算出された場合、または、第二同タイプ平均算出処理において第二同タイプ平均値が算出された場合であっても、第三同タイプ平均値が算出される構成としてもよい。
次に、同一ダイヤ平均値および各同タイプ平均値に基づく案分比率算出処理について説明する。図2および図18に示されているとおり、ステップS3.4において、案分比率算出部34における案分比率算出処理では、同一ダイヤ平均算出部32によって算出された同一ダイヤ平均値、同一タイプ平均算出部33によって算出された第一同タイプ平均値、第二同タイプ平均値、第三同タイプ平均値のいずれかが、過去平均代表値(二次予測値)として設定される。ここで、過去平均代表値(二次予測値)として設定される際の優先順位は、同一ダイヤ平均値、第一同タイプ平均値、第二同タイプ平均値、第三同タイプ平均値の順である。
詳説すれば、図18に示されているとおり、ステップS3.4.1において、運行前案分予測用データ[入力4]と、同一ダイヤ平均データ[出力2−1]、第一同タイプ平均データ[出力2−2]、第二同タイプ平均データ[出力2−3]、第三同タイプ平均データ[出力2−4]とが突き合わされて、過去平均代表値(二次予測値)が決定される。
ステップS3.4.2において、同一ダイヤ平均算出部32によって、同一ダイヤ平均値が同一ダイヤ平均データ[出力2−1]の「平均席数(同一ダイヤ)」に設定されている場合、ステップS2.4.3が処理される。ステップS2.4.3では、例えば、図24および図25に示されているとおり、運行前案分予測用データ[入力4]および同一ダイヤ平均データ[出力2−1]において、「商品(価格)」「座席設備」「列車名」「列車号番」「上下」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「平均席数(同一ダイヤ)」に設定された同一ダイヤ平均値が、案分比率データ[出力3]において、“過去平均代表値(二次予測値)”として「過去平均(代表値)」に設定される。すなわち、同一ダイヤ平均データ[出力2−1]におけるレコード24(a)は、同一ダイヤ平均値が算出されて「平均席数(同一ダイヤ)」に設定されているため、この“31.9”が、過去平均代表値(二次予測値)として案分比率データ[出力3]の「過去平均(代表値)」に設定される(レコード25(d)参照)。一方、同一ダイヤ平均データ[出力2−1]において、同一ダイヤ平均値が「平均席数(同一ダイヤ)」に設定されていない場合、ステップS3.4.4が処理される。
図18に示されているとおり、ステップS3.4.4において、同一タイプ平均算出部33によって、第一同タイプ平均値が第一同タイプ平均データ[出力2−2]の「平均席数(同一タイプ)」に設定されている場合、ステップS2.4.5が処理される。ステップS2.4.5では、例えば、図24および図25に示されているとおり、運行前案分予測用データ[入力4]および第一同タイプ平均データ[出力2−2]において、「運行週曜日」「商品(価格)」「座席設備」「列車タイプ」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「平均席数(同一タイプ)」に設定された第一同タイプ平均値が、案分比率データ[出力3]において、“過去平均代表値(二次予測値)”として「過去平均(代表値)」に設定される。すなわち、第一同タイプ平均データ[出力2−2]におけるレコード24(b)は、第一同タイプ平均値が算出されて「平均席数(同一タイプ)」に設定されているため、この“57.0”が、過去平均代表値(二次予測値)として案分比率データ[出力3]の「過去平均(代表値)」に設定される(レコード25(e)参照)。一方、第一同タイプ平均データ[出力2−2]において、第一同タイプ平均値が「平均席数(同一タイプ)」に設定されていない場合、ステップS3.4.6が処理される。
図18に示されているとおり、ステップS3.4.6において、同一タイプ平均算出部33によって、第二同タイプ平均値が第二同タイプ平均データ[出力2−3]の「平均席数(同一時間帯)」に設定されている場合、ステップS3.4.7が処理される。ステップS3.4.7では、例えば、図24および図25に示されているとおり、運行前案分予測用データ[入力4]および第二同タイプ平均データ[出力2−3]において、「商品(価格)」「座席設備」「列車タイプ」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、「平均席数(同一時間帯)」に設定された第二同タイプ平均値が、案分比率データ[出力3]において、“過去平均代表値(二次予測値)”として「過去平均(代表値)」に設定される。すなわち、第二同タイプ平均データ[出力2−3]におけるレコード25(a)は、第二同タイプ平均値が算出されて「平均席数(同一時間帯)」に設定されているため、この“24.2”が、過去平均代表値(二次予測値)として、案分比率データ[出力3]の「過去平均(代表値)」に設定される(レコード25(l)参照)。一方、第二同タイプ平均データ[出力2−3]において、第二同タイプ平均値が「平均席数(同一時間帯)」に設定されていない場合、ステップS3.4.8が処理される。
図18に示されているとおり、ステップS3.4.8において、同一タイプ平均算出部33によって、第三同タイプ平均値が第三同タイプ平均データ[出力2−4]の「平均席数(同一曜日)」に設定されている場合、ステップS3.4.9が処理される。ステップS3.4.9では、例えば、図24および図25に示されているとおり、運行前案分予測用データ[入力4]および第三同タイプ平均データ[出力2−4]において、「運行週曜日」「商品(価格)」「座席設備」「列車タイプ」「発駅」「着駅」がそれぞれ突き合わされ、「平均席数(同一曜日)」に設定された第三同タイプ平均値が、案分比率データ[出力3]において、“過去平均代表値(二次予測値)”として「過去平均(代表値)」に設定される。すなわち、第三同タイプ平均データ[出力2−4]におけるレコード25(b)は、第三同タイプ平均値が算出されて「平均席数(同一曜日)」に設定されているため、この“84.5”が、過去平均代表値(二次予測値)として、案分比率データ[出力3]の「過去平均(代表値)」に設定される(レコード25(m)参照)。一方、第三同タイプ平均データ[出力2−4]において、第三同タイプ平均値が「平均席数(同一曜日)」に設定されていない場合、ステップS3.4.10が処理される。
図18に示されているとおり、ステップS3.4.10において、任意の値である初期値が過去平均代表値(二次予測値)として設定される。例えば、図25に示されているとおり、第三同タイプ平均データ[出力2−4]におけるレコード25(c)は、運行前の新商品であるため、履歴が存在せず、各平均値が設定されていない。したがって、案分比率データ[出力3]におけるレコード25(n)の「過去平均(代表値)」において、過去平均代表値(二次予測値)は“0”となる。
さらに、案分比率データ[出力3]において、「時間帯代表値合計」のフィールドが追加され、出発時間帯ごとに合算された過去平均代表値(二次予測値)の合計値が算出されて設定される。すなわち、「運行日」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ共通するレコードの「過去平均(代表値)」において過去平均代表値(二次予測値)が合算され、「時間帯代表値合計」に設定される。例えば、案分比率データ[出力3]において、レコード25(f)〜(k)の過去平均代表値(二次予測値)が合算されると、次のとおりとなる。
44.6+83.0+116.6+19.7+220.5+31.9
=516.2
ここで、「時間帯代表値合計」の値と「過去平均(代表値)」の過去平均代表値(二次予測値)とから、案分比率を求めることができる。すなわち、「時間帯代表値合計」の値に対する過去平均代表値(二次予測値)の割合が列車ごとの案分比率となる。
次に、第三予測部40における処理を図2、図26および図27に基づいて説明する。図26は、第三予測部40における処理のフローが示されている。図27は、第三予測部40における入出力情報と処理の一例が示されている。
<第三予測部40(予測値算出)>
図2および図26に示されているとおり、第三予測部40は、予測値算出部41が備えられている。第三予測部40における第三予測処理では、予測値算出部41が作動することで、時間帯予測結果データ[入力1]および案分比率データ[入力2]に基づいて、時間帯予測値(一次予測値)が、出発時間帯ごとに合算された過去平均代表値(二次予測値)の合計値である「時間帯代表値合計」の値に対する過去平均代表値(二次予測値)の割合に基づいて案分されることで、席予約予測数としての予測単位予測値が算出される。
図26に示されているとおり、ステップS4.1.1において、予測値算出部41における予測値算出処理では、時間帯予測結果データ[入力1]および案分比率データ[入力2]において、「運行日」「座席設備」「商品(価格)」「発駅」「着駅」「出発時間帯」がそれぞれ突き合わされ、また、時間帯予測値(一次予測値)が過去平均代表値(二次予測値)の割合に基づいて案分されることで、席予約予測数が算出される。詳説すれば、ステップS4.1.2において、時間帯予測値(一次予測値)が算出されて時間帯予測結果データ[入力1]の「時間帯予測(席数)」に設定されていると判定された場合、ステップS4.1.3が処理される。ステップS4.1.3では、時間帯予測結果データ[入力1]の「時間帯予測(席数)」に設定された時間帯予測値(一次予測値)および案分比率データ[入力2]の「過去平均(代表)」に設定された過去平均代表値(二次予測値)から、予測対象と同一の出発時間帯で運行する列車の平均予約席数の割合が乗算され、予測単位予測値(席予約予測数)が算出される。すなわち、次のとおりとなる。
予測単位予測値(席予約予測数)
=時間帯予測値(一次予測値)×過去平均代表値(二次予測値)/「時間帯代表値合計」の値
例えば、図27に示されているとおり、時間帯予測結果データ[入力1]および案分比率データ[入力2]において、“2015/12/1”運行、“列車d”“1号“”普通車“”通常“”D駅発“”C駅着“(レコード27(a)(c)参照)の予測対象の予測単位予測値(席予約予測数)が算出される場合、時間帯予測値(一次予測値)が算出されているため、この時間帯予測値(一次予測値)に、予測対象と同一の出発時間帯で運行する列車に対する過去平均代表値(二次予測値)の割合が乗算されると、次のとおりとなる。
331.81×82.98/335.06
=77.55
このようにして、予測対象の予測単位予測値(席予約予測数)が算出され、予測結果データ[出力1]の「予測単位予測値」に設定されて出力される(レコード27(e)参照)。
一方、図26に示されているとおり、ステップS4.1.2において、時間帯予測値(一次予測値)が算出されておらず時間帯予測結果データ[入力1]の「時間帯予測(席数)」に設定されていないと判定された場合、ステップS4.1.4が処理される。ステップS4.1.4では、予測単位予測値(席予約予測数)は次のとおりとなる。
予測単位予測値(席予約予測数)=任意の固定値
例えば、図27に示されているとおり、時間帯予測結果データ[入力1]において、“2015/12/4運行”“列車c”“100号”“普通車”“(新)割引”“X駅発”“Z駅着(レコード27(b)(d)参照)の予測対象の予測単位予測値(席予約予測数)が算出される場合、時間帯予測値(一次予測値)が算出されていないため、“0”となる(レコード27(f)参照)。
以上のとおり、本実施形態が構成されている。次に、本実施形態の効果を説明する。
上記のとおり、本実施形態によれば、まず、データ加工部10において、操作履歴DB14および列車情報DB15から必要な情報が抽出されて加工され、予測対象の予測用データ[出力3]が作成される。次に、第一予測部20において、出発時間帯ごとの席予約予測数として、予測対象の運行月と同月である運行済予測用データ[入力1−1]から求められた回帰式に基づいて、回帰予測値が、時間帯予測値(一次予測値)として算出される。次に、第二予測部30において、予測対象ごとの席予約数として、最新のダイヤが適用された運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、同一の運行情報における出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値である同一ダイヤ平均値が、過去平均代表値(二次予測値)として算出される。さらに、同一の出発時間帯における過去平均代表値(二次予測値)の合計値である「時間帯代表値合計」の値に対する過去平均代表値(二次予測値)の割合が、列車ごとの案分比率として算出される。最後に、第三予測部40において、時間帯予測値(一次予測値)に過去平均代表値(二次予測値)の案分比率が乗算されることで、出発時間帯ごとの席予約予測数が、列車ごとの席予約予測数に基づいて、列車ごとに振分けられ、最終的な予測単位予測値(席予約予測数)が算出される。したがって、列車ごとの利用客数(席予約数)を予測することができる
仮に、予測対象が、新商品である場合や、新区間を運行する場合など、過去に予測対象と同一の運行済情報が存在しない場合、回帰式が求まらず、時間帯予測値(一次予測値)が算出されない。そこで、本実施形態によれば、回帰予測値が算出されなかった場合であっても、第一予測部20において、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第一簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]に基づいて、運行済席予約数の平均値が第一簡易予測値として算出される。また、第一簡易予測値が算出されなかった場合であっても、予測対象の運行月と同月であって年が異なり、かつ、予測対象と第二簡易所定条件が共通する運行済予測用データ[入力1−1]に基づいて、運行済席予約数の平均値が第二簡易予測値として算出される。同様に、条件を緩和しつつ、または、変更しつつ、第五簡易予測値まで算出され、第一簡易予測値から第五簡易予測値までのいずれかが、時間帯予測値(一次予測値)として設定される。したがって、予測対象と同一の運行済情報が存在しない場合であっても、漏れなく予測単位予測値(席予約予測数)を算出することができる。
また、仮に、予測対象が、新商品である場合や、新区間を運行する場合など、過去に予測対象と同一の運行済情報が存在しない場合、同一ダイヤ平均値が求まらず、過去平均代表値(二次予測値)が算出されない。そこで、本実施形態によれば、同一ダイヤ平均値が算出されなかった場合であっても、第二予測部30において、予測対象と列車タイプ(特定分類)および第一同タイプ所定条件が共通する運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値が第一同タイプ平均値として算出される。また、第一同タイプ平均値が算出されなかった場合であっても、予測対象と列車タイプ(特定分類)および第二同タイプ所定条件が共通する運行済案分予測用データ[入力3]に基づいて、出発時間帯ごとの運行済席予約数の平均値が第二同タイプ平均値として算出される。同様に、条件を緩和しつつ第三同タイプ平均値まで算出され、第一同タイプ平均値から第三同タイプ平均値までのいずれかが、過去平均代表値(二次予測値)として設定される。したがって、予測対象と同一の運行済情報が存在しない場合であっても、漏れなく予測単位予測値(席予約予測数)を算出することができる。
本実施形態によれば、第一簡易所定条件から第五簡易所定条件、および、第一同タイプ所定条件から第三同タイプ所定条件に、列車の価格決定条件が含まれている。すなわち、列車は、例えば、座席設備、運行区間、割引などの価格決定条件に応じて価格が異なり、価格に応じて利用者の需要も変化する。したがって、価格決定条件を考慮することで、高い精度で予測単位予測値(席予約予測数)を算出することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。