JP2013175387A - リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池を搭載した車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池特性に優れたリチウムイオン二次電池及びこれを用いた車両を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、炭素材料を含む負極活物質を有する負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極と、電解質を溶媒に溶解させてなる電解液とを有する。電解液は、添加剤として下記の「化1」で表される化合物を含んでいる。炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量は、2.0×10−3mg以上である。「化1」において、MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。
【化1】
Figure 2013175387

【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池を搭載した車両に関する。
リチウムイオン二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノート型パソコンといった幅広い分野で用いられている。また、近年、リチウムイオン二次電池は、車両の駆動源としても用いられることが検討されている。
リチウムイオン二次電池は、正極と負極と電解液とから構成されている。正極は、例えば、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物などのリチウムと遷移金属との金属複合酸化物からなる正極活物質と、正極活物質で被覆された集電体とからなる。
負極は、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る負極活物質で集電体を被覆して形成されている。リチウムイオンを吸蔵・放出し得る負極活物質として、グラファイトや黒鉛などの炭素材料が用いられている。
ところで近年、電池特性を向上させるべく、電解液中の成分について検討されている。例えば、特許文献1には、負極活物質層の中に自己犠牲型補助物質としてチタン酸リチウムを添加し、電解液の中に、LiPF(C(以下、LPFOという。)を添加することが開示されている。自己犠牲型補助物質によるLPFOの分解は、負極活物質によるLPFOの分解よりも優先的に進行し、負極活物質表面に過剰の被膜が生成されることを抑制して、電池特性を向上させる。また、特許文献2〜4にも、電解液にLPFOを含有することが示されている。
特開2011−90876号公報 特開2007−250424号公報 特開2010−287512号公報 特開2009−158330号公報
本発明者は、電池特性を向上させるべく、負極活物質とLPFOとの関係を鋭意研究した。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、電池特性に優れたリチウムイオン二次電池及びこれを用いた車両を提供することを課題とする。
(1)本発明のリチウムイオン二次電池は、炭素材料を含む負極活物質を有する負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極と、電解質を溶媒に溶解させてなる電解液とを有するリチウムイオン二次電池であって、前記電解液は、添加剤として下記の「化1」で表される化合物を含んでおり、前記炭素材料の表面積1cm当たりの前記添加剤の含有量は、2.0×10−3mg/cm以上であることを特徴とする。
Figure 2013175387
(MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)
(2)本発明の車両は、リチウムイオン二次電池を搭載したことを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池によれば、電解液に添加剤として上記の「化1」で表される化合物が含まれており、且つ負極活物質に含まれる炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量が、2.0×10−3mg/cm以上である。このため、電池特性に優れている。また、本発明の車両は、上記リチウムイオン二次電池を搭載しているため、高い出力を発揮することができる。
電池1〜4の回復容量を示す図である。
本発明のリチウムイオン二次電池及び車両について詳細に説明する。
(リチウムイオン二次電池)
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極活物質として炭素材料を含み、電解液には、添加剤として、下記の「化1」で表された化合物を含んでいる。炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量は、2.0×10−3mg/cm以上である。
Figure 2013175387
(MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)
電解液には、添加剤として上記「化1」で表された化合物が含まれている。このため、後述の実験例で示すように高温(65℃)時の貯蔵安定性がよい。その理由は、以下のように考えられる。
添加剤として「化1」で表された化合物は、酸化還元電位が高く、還元分解しやすい性質をもつ。このため、添加剤を含む電解液を用いて充放電を行うと、負極活物質表面や正極活物質表面に安定な被膜を形成しやすい。添加剤は、電解液中の成分に先立って分解されるため、電解液の溶媒や電解質の分解を抑制できる。
また、負極活物質は炭素材料を含んでいる。炭素材料は、層状構造をもち、各層のエッジ部は、リチウムイオンの流通口であって、電気化学的に活性な部位である。エッジ部が炭素材料の表面に露出して電解液に接触すると、電解液中の添加剤が分解されて、炭素材料の表面に被膜が形成される。被膜の分解、生成、分解、生成が繰り返されると、電解液が次第に劣化していく。
そこで、本発明者は、炭素材料のエッジ部を電解液中の添加剤の含有量に対して相対的に低くすることで、添加剤の分解を抑え、貯蔵特性を高くすることを着想した。炭素材料の表面に露出しているエッジ部を少なくするには、添加剤の含有量に対する炭素材料の表面積を小さくすること、即ち、炭素材料の単位表面積当たりの添加剤の含有量を多くすることが必要である。
本発明者はかかる着想に基づいて鋭意研究を重ね、炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量を、2.0×10−3mg/cm以上とした。このことは、炭素材料の表面に露出しているエッジ部に対する、添加剤の含有量を相対的に増やすことになる。即ち、添加剤の含有量に対する、炭素材料の表面に露出しているエッジ部の相対面積を少なくしている。このため、炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量を上記の範囲とすることにより、電解液の分解を抑えることができ、貯蔵特性に優れる。特に、高温時の被膜の分解、生成、及び電解液の分解を更に抑えることができ、電池の高温貯蔵特性に優れる。
一方、炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量が2.0×10−3mg/cm未満である場合には、炭素材料の表面に露出するエッジ部が添加剤含有量に比べて相対的に多くなり、エッジ部での添加剤の分解が進み、被膜の分解、生成が繰り返され、電解液が劣化するおそれがある。特に、高温時での電解液の劣化が進み、電池の高温貯蔵特性が低下するおそれがある。
また、炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量の下限は、4×10−3mg/cmであることがよく、更には、5×10−3mg/cmであることが望ましい。この場合には、電池の貯蔵特性が更に向上するとともに、電池の内部抵抗も低く抑えることができる。
炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量の上限は、特に限定しないが、6.7×10−3mg/cmであることがよく、更には、5.2×10−3mg/cmであることが望ましい。炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量は、2.0×10−3mg/cm以上6.7×10−3mg/cm以下であることが好ましい。添加剤の含有量が過大の場合には、炭素材料表面に形成される被膜が厚くなり、リチウムイオンの流通性が悪くなるおそれがある。
炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量は、6.65×10−9モル/cm以上3.33×10−8モル/cm以下であることがよい。この場合には、炭素材料へのリチウムイオンの流通性を良好に維持しつつ、電池の貯蔵特性が向上し内部抵抗も低く抑えることができる。
「化1」の中で還元分解されやすい部位は、M−O−Cである。この部位は、n1が2の化合物では4つ、n1が1の化合物では2つ存在する。このため、n1が2の場合の添加剤の好ましい含有量は、モル換算で、n1が1の場合の添加剤の好ましい含有量の半分程度とするとよい。添加剤の「化1」のn1が2である場合には、炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量は、6.65×10−9モル/cm以上3.33×10−8モル/cm以下であることがよい。添加剤の「化1」のn1が1である場合には、炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量は、13.3×10−9モル/cm以上6.66×10−8モル/cm以下であることがよい。
「炭素材料の表面積1cm当たりの添加剤の含有量」は、電解液に含まれる添加剤の全体の含有量を、負極に含まれる炭素材料全体の表面積の合計で除することにより算出される。負極に含まれる炭素材料全体の表面積の合計は、炭素材料のBET比表面積に負極中の炭素材料の含有量を掛け合わせることにより算出される。炭素材料のBET比表面積はガス吸着法により測定される。
炭素材料のBET比表面積は1m/g以上20m/g以下であることが好ましく、更には、3m/g以上10m/g以下であることが望ましい。炭素材料のBET比表面積が過小の場合には、炭素材料の反応面積が少なすぎ、電池容量が低くなるおそれがある。炭素材料のBET比表面積が過大の場合には、炭素材料表面に露出するエッジ部が多くなり、電解液の劣化により貯蔵特性が低下するおそれがある。
炭素材料は、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボンなどを用いることができる。電解液1リットル当たりの添加剤のモル濃度は、0.04モル/L以下であることがよく、更には、0.01モル/L以上0.04モル/L以下がよく、0.015モル/L以上0.035モル/L以下であることが望ましい。添加剤のモル濃度が過小の場合には、添加剤の添加による電解液劣化抑制効果が少なくなるおそれがある。添加剤のモル濃度が過大の場合には、炭素材料表面に形成される被膜の膜厚が大きくなり、Liイオンの流通性が低下して、電池の内部抵抗が大きくなるおそれがある。
「化1」で表された化合物からなる添加剤は、イオン性金属錯体構造をもち、その中心となるMは、P(リン)又はB(ホウ素)からなる。そして、Mは、環状カルボン酸の環状骨格の一部をなすとともに、少なくとも1つのハロゲン基をもつ。Mの電子は、電気陰性度の高いハロゲン基側に偏り、Mはわずかに正電荷を帯びている。このため、Mは、環状カルボン酸の中の環構造を形成している酸素の電子を引き寄せる傾向にあり、MとOとの間で、開環しやすくなっている。それゆえ、添加剤は、電解液中の他の成分よりも酸化還元電位が高く、他の成分に先立って還元分解される。
「化1」の中でXはハロゲン基を示す。ハロゲン基としては、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)At(アスタチン)が挙げられるが、中でもF、Clが好ましく、更にはFが望ましい。「化1」の中で、Mには、1〜4のハロゲン基Xが結合している。
「化1」の中でRは鎖状炭化水素基である。鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの脂肪族アルキル基、脂肪族アルキル基に含まれる水素がハロゲン基に置換したものでもよい。脂肪族アルキル基の中でも炭素数が1以上3以下の低級脂肪族アルキル基がよい。
Mの電子を引き寄せるためには、Rは、ハロゲン基を有する鎖状炭化水素基であることがよい。この場合には、鎖状炭化水素基の中でもMに結合している炭素に、ハロゲン基が結合しているとよい。このハロゲン基は、Mに直接に結合しているハロゲン基Xとともに、Mの電子を引き寄せやすく、N−Oの結合を開環させやすくするからである。
Rは、「化1」の中のMに結合していてもよい。RがMに結合している場合には、Rの結合数n3は1〜3である。また、Rは、Mに結合していなくても良い。
添加剤は、下記の「化2」で表された化合物がよい。「化2」で表された化合物は、LiPF(C(以下、LPFOという。)である。LPFOは、酸化還元電位が高いため、還元分解されやすく、電解液の他の成分の分解を抑える。このため、リチウムイオン二次電池の貯蔵特性、特に高温貯蔵特性を高めることができる。
また、添加剤としては、下記の「化3」で表された化合物(3−1)〜(3−5)、或いは下記の「化4」で表された化合物(4−1)又は(4−2)を用いることができる。この中、「化2」の化合物、及び「化3」の化合物(3−1)は、Pを挟んで環状カルボン酸を2つもつ化合物であり、(3−2)〜(3−5)は、Pを環構造の一部に含む環状カルボン酸を1つもつ化合物である。また、「化4」の化合物(4−1)又は(4−2)は、Bを環構造の一部に含む環状カルボン酸であり、環状カルボン酸を1つもつ。
Figure 2013175387
Figure 2013175387
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電解液は、フッ素系エチレンカーボネートを含むことが好ましい。電解液に、フッ素系エチレンカーボネートと上記添加剤とが含まれることにより、高温時だけでなく常温時でのサイクル特性が向上する。このようにサイクル特性が高くなる理由は以下のように考えられる。フッ素系エチレンカーボネートは、電解液の中で添加剤の次に還元反応されやすい成分である。このため、添加剤に続いてフッ素系エチレンカーボネートが分解され被膜成分となることにより、電解液中の電解質や溶媒の劣化を抑えることができ、サイクル特性が高くなるものと考えられる。
電解液1リットル当たりのフッ素系エチレンカーボネートのモル濃度は、1体積%モル/Lを超えて大きく且つ50体積%モル/L以下であることがよく、更には、4体積%モル/L以上30体積%モル/L以下であることが望ましい。添加剤のモル濃度が過小の場合には、添加剤による電解液劣化抑制効果が少なくなるおそれがある。添加剤のモル濃度が過大の場合には、電解液の導電率が低下するおそれがある。
この場合には、常温時に限らず高温時でのサイクル特性が更に向上する。フッ素化エチレンカーボネートは、分子内に少なくとも1つのフッ素基をもつ環状カーボネートであり、このフッ素基が、負極活物質粒子表面に形成される被膜の構成元素となり、被膜を安定で強固にするからである。フッ素化エチレンカーボネートとしては、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ジフルオロエチレンカーボネート、テトラフルオロエチレンカーボネートなどを用いることが好ましい。
電解液は、非水電解液であるとよい。非水電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。電解質は、フッ化塩であることがよく、有機溶媒に可溶なアルカリ金属フッ化塩であることが好ましい。アルカリ金属フッ化塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiAsF、NaPF、NaBF、及びNaAsFの群から選ばれる少なくとも1種を用いるとよい。
非水電解液の有機溶媒は、非プロトン性有機溶媒であることがよく、たとえば、環状カーボネート、鎖状カーボネート、エーテル類などを用いるとよい。電解液の溶媒は、フッ素化エチレンカーボネートを含む環状カーボネートと、鎖状カーボネートとを有することが好ましい。環状カーボネートは誘電率が高く、鎖状カーボネートは粘性が低い。このため、電解液が環状カーボネートと鎖状カーボネートの双方を含むことにより、Liイオンの移動を妨げず、電池容量を向上させることができる。
電解液の溶媒全体を100体積%としたとき、環状カーボネートは30〜50体積%以下であり、鎖状カーボネートは50〜70体積%であるとよい。環状カーボネートは、電解液の誘電率を高くする一方、粘性が高い。誘電率が上がると電解液の導電性が良くなる。粘性が高いとLiイオンの移動が妨げられ導電性が悪くなる。鎖状カーボネートは、低い誘電率であるが、粘性は低い。両者を上記の配合比の範囲でバランスよく配合することで、溶媒の誘電率をある程度高く、また粘性も低くして、導電性のよい溶媒を調整でき、電池容量を向上させることができる。
環状カーボネートは、フッ素化エチレンカーボネートを必須成分とし、そのほか、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、及びガンマバレロラクトンの群から選ばれる1種以上を含んでいても良い。
電解液の溶媒全体を100体積%としたときに、フッ素化エチレンカーボネートは、1体積%以上30体積%以下であることが好ましい。この場合には、充放電のサイクル特性を効果的に向上させることができるとともに、電解液の粘性も低く抑えてLiイオンを移動させやすくして電池容量を更に向上させることができる。一方、フッ素化エチレンカーボネートが1体積%未満である場合には、サイクル特性向上の程度が低くなるおそれがある。フッ素化エチレンカーボネートが30体積%を超える場合には、電解液の高温特性が低下し、高温によってフッ素化エチレンカーボネートが分解し、その分解生成物により電池の内部抵抗が高くなる原因となる。
有機溶媒に用いられる鎖状カーボネートは、鎖状なら特に限定しない。例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、及び酢酸アルキルエステルから選ばれる一種以上を用いることができる。
また、有機溶媒に用いられるエーテル類として、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等を用いることができる。
負極活物質は、上記炭素材料を必須成分として含む。負極活物質は、炭素材料のほかに、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化可能な元素又は/及びリチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物を含んでいてもよい。
前記リチウムと合金化反応可能な元素は、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、及びBiの群から選ばれる少なくとも1種からなるとよい。中でも、珪素(Si)または錫(Sn)からなるとよい。前記リチウムと合金化反応可能な元素を有する元素化合物は珪素化合物または錫化合物であることがよい。珪素化合物は、SiOx(0.5≦x≦1.5)であることがよい。錫化合物は、例えば、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)、スズ合金(Cu−Sn合金、Co−Sn合金等)などが挙げられる。
中でも、負極活物質は、炭素材料のほかに、Si(珪素)を有するSi系材料を含んでいてもよい。Si系材料は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であって珪素又は/及び珪素化合物からなるとよく、例えば、SiOx(0.5≦x≦1.5)からなるとよい。珪素は、理論放電容量が大きい。一方で、充放電時の体積変化が大きいため、SiOxとすることで体積変化を少なくすることができる。
また、Si系材料は、Si相と、SiO相とをもつことが好ましい。Si相は、珪素単体からなり、Liイオンを吸蔵・放出し得る相であり、Liイオンの吸蔵・放出に伴って膨張・収縮する。SiO相は、SiOからなり、Si相の膨張・収縮を吸収する。Si相がSiO相により被覆されることで、Si相とSiO相とからなるSi系材料を形成しているとよい。さらには、微細化された複数のSi相がSiO相により被覆されて一体となって粒子を形成しているとよい。この場合には、Si系材料全体の体積変化を効果的に抑えることができる。
Si系材料でのSi相に対するSiO相の質量比は、1〜3であることが好ましい。前記質量比が1未満の場合には、Si系材料の膨張・収縮が大きく、炭素材料とSi系材料から構成された負極活物質層にクラックが生じるおそれがある。一方、前記質量比が3を超える場合には、負極活物質でのLiイオンの吸蔵・放出量が少なく、電気容量が低くなるおそれがある。
Si系材料は、Si相とSiO相とのみから構成されていてもよい。また、Si系材料は、Si相とSiO相とを主成分としているが、その他に、公知の活物質を含んでいても良く、具体的には、MeSi(MeはLi,Caなど、x、y、zは整数)のうちの少なくとも1種を混合していてもよい。
Si系材料の原料として、一酸化珪素を含む原料粉末を用いるとよい。この場合、原料粉末中の一酸化珪素を、SiO相とSi相との二相に不均化する。一酸化珪素の不均化では、SiとOとの原子比が概ね1:1の均質な固体である一酸化珪素(SiOn:nは0.5≦n≦1.5)が固体内部の反応により、SiO相とSi相との二相に分離する。不均化により得られる酸化珪素粉末は、SiO相とSi相とを含む。
原料粉末の一酸化珪素の不均化は、原料粉末にエネルギーを与えることにより進行する。一例として、原料粉末を加熱する、ミリングする、などの方法が挙げられる。
原料粉末を加熱する場合、一般に、酸素を絶った状態であれば800℃以上で、ほぼすべての一酸化珪素が不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性の一酸化珪素粉末を含む原料粉末に対して、真空中又は不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことにより、非結晶性のSiO相と結晶性のSi相の二相を含む酸化珪素粉末が得られる。
原料粉末をミリングする場合には、ミリングの機械的エネルギーの一部が、原料粉末の固相界面における化学的な原子拡散に寄与し、酸化物相と珪素相などを生成する。ミリングでは、原料粉末を、真空中、アルゴンガス中などの不活性ガス雰囲気下で、V型混合機、ボールミル、アトライタ、ジェットミル、振動ミル、高エネルギーボールミル等を使用して混合するとよい。ミリング後にさらに熱処理を施すことで、一酸化珪素の不均化をさらに促進させてもよい。
負極活物質が炭素材料とSi系材料とを含む場合、これらの配合比は、質量比で、炭素材料:Si系材料=95:5〜20:80であることが好ましい。炭素材料が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、炭素材料が多すぎると電極の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
上記の負極活物質は、集電体の少なくとも表面を被覆する負極材を構成する。一般的に、負極は、上記負極材を負極活物質層として集電体に圧着されることで構成される。集電体は、例えば、銅や銅合金などの金属製のメッシュや金属箔を用いるとよい。
負極材には、前記負極活物質の他に、結着剤や、導電助材などを含んでいても良い。
結着剤は、特に限定されるものではなく、既に公知のものを用いればよい。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂など高電位においても分解しない樹脂を用いることができる。結着剤の配合割合は、質量比で、負極活物質:結着剤=1:0.05〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
導電助材としては、リチウム二次電池の電極で一般的に用いられている材料を用いればよい。たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、VGCF、黒鉛、銅など微粉化した金属粒子等を用いてもよい。導電助材の配合割合は、質量比で、負極活物質:導電助材=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる正極は、集電体と、正極活物質粒子を有し集電体の表面を被覆する正極材とからなるとよい。正極材は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を含み、好ましくは、更に、結着剤及び/又は導電助材を含む。導電助材および結着剤は、特に限定はなく、リチウムイオン二次電池で使用可能なものであればよい。
正極活物質としては、例えば、リチウム・マンガン複合酸化物、リチウム・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル複合酸化物などのリチウムと遷移金属との金属複合酸化物を用いる。具体的には、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、Sなどが挙げられる。正極活物質は、また、リチウムを含まない活物質、例えば硫黄単体、硫黄変性化合物などを用いることもできる。正極、負極共にリチウムを含まない場合はリチウムをプレドープする必要がある。
正極用の集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、リチウムイオン二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよく、メッシュや金属箔などの種々の形状でよい。
セパレータは、必要に応じて用いられる。セパレータは、正極と負極とを分離し非水電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
正極および負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に電極体に非水電解液を含浸させてリチウムイオン二次電池とするとよい。
リチウムイオン二次電池の形状は、特に限定なく、円筒型、積層型、コイン型、ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。
(車両など)
リチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。上記の粒径特性をもつ負極活物質粒子を用いたリチウムイオン二次電池で走行用モータを駆動することにより、大容量、大出力で、長時間使用することができる。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であれば良く,例えば、電気車両、ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。
リチウムイオン二次電池は、車両以外にも、パーソナルコンピュータ,携帯通信機器など,電池で駆動される各種の家電製品,オフィス機器,産業機器が挙げられる。
リチウムイオン二次電池を以下のように電池1〜14の14種類作製し、各種電池特性を測定した。電池1〜3、6〜12は本発明の実施例であり、電池4、5,13,14は本発明の参考例である。
(電池1)
まず、市販のSiO粉末をボールミルに入れて、Ar雰囲気下で、回転数450rpmで20時間ミリングし、その後、不活性ガス雰囲気中で、900℃の温度下で、2時間加熱処理を行った。これにより、SiO粉末が不均化されて、粒子状のSi系材料が得られた。このSi系材料について、CuKαを使用したX線回折(XRD)測定を行ったところ、単体珪素と二酸化珪素とに由来する特有のピークが確認された。このことから、Si系材料には、単体珪素と二酸化珪素が生成していることがわかった。
不均化されたSi系材料と、黒鉛粉末と、導電助剤と、結着剤としてのポリアミドイミドとを混合し、溶媒を加えてスラリー状の混合物を得た。黒鉛粉末としては、具体的には、人造黒鉛を用いた。この黒鉛粉末のBET比表面積は3.8m/gであった。導電助剤としてはケッチェンブラックを用いた。溶媒は、N‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)であった。Si系材料と、黒鉛粉末と、ケッチェンブラックと、ポリアミドイミドとの質量比は、百分率で、Si系材料/黒鉛粉末/導電助剤/ポリアミドイミド=42/40/2/3/15であった。
次に、スラリー状の混合物を、ドクターブレードを用いて集電体である銅箔の片面に成膜し、所定の圧力でプレスし、200℃、2時間加熱し、放冷した。これにより、集電体表面に負極活物質層が固定されてなる負極が形成された。
次に、正極活物質としてのリチウム・ニッケル系複合酸化物LiNi1/3Co1/3Mn1/3と、アセチレンブラックと、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを混合してスラリーとなし、このスラリーを集電体としてのアルミニウム箔の片面に塗布し、プレスし、焼成した。リチウム・ニッケル系複合酸化物とアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンとの質量比は、リチウム・ニッケル系複合酸化物/アセチレンブラック/ポリフッ化ビニリデン=88/6/6とした。これにより、集電体の表面に正極活物質層を固定してなる正極を得た。
正極と負極との間に、セパレータとしてのポリプロピレン多孔質膜を挟み込んだ。この正極、セパレータ及び負極からなる電極体を複数積層した。2枚のアルミニウムフィルムの周囲を、一部を除いて熱溶着をすることにより封止して、袋状とした。袋状のアルミニウムフィルムの中に、積層された電極体を入れ、更に、電解液を入れた。
電解液は、電解質としてのLiPF及び添加剤としてのLPFOが、有機溶媒に溶解してなる。有機溶媒は、フルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、体積%でFEC/EC/EMC/DMC=4/26/30/40の配合比で混合して調製した。電解液中のLPFOの濃度は、0.01モル/L、電解液中のLiPFの濃度は、1モル/L(M)とした。
その後、真空引きしながら、アルミニウムフィルムの開口部分を完全に気密に封止した。このとき、正極側及び負極側の集電体の先端を、フィルムの端縁部から突出させ、外部端子に接続可能とし、リチウムイオン二次電池を得た。リチウムイオン二次電池の中の黒鉛粉末の表面積の合計は、212mであり、電解液中のLPFOの濃度は2.52g/L(0.01モル/L)であって、黒鉛粉末1cm当たりのLPFOの含有量は2.85×10−3mg/cm(1.41×10−8モル/cm)であった。
リチウムイオン二次電池にコンディショニング処理を行った。コンディショニング処理では、25℃で充放電を3回繰り返して行った。1回目は充電条件を0.2C、4.1VのCC−CV(定電流定電圧)充電とし、放電条件を0.2C、3V、カットオフのCC放電とした。2回目は充電条件を0.2C、4.1VのCC−CV充電とし、放電条件を0.1C、3V、カットオフのCC(定電流)放電とした。3回目は充電条件を1C、4.2VのCC−CV充電とし、放電条件を1C、3V、カットオフのCC放電とした。
(電池2)
本電池2では、負極活物質として、BET比表面積3.8cm/mgの黒鉛粉末を用いた。リチウムイオン二次電池の中の黒鉛粉末の表面積の合計は、301cmであり、電解液中のLPFOの濃度は2.52mg/L(0.01モル/L)であって、黒鉛粉末の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は2.51×10−3mg/cm(1.00×10−8モル/cm)であった。その他は、電池1と同様である。
(電池3)
本電池3では、負極活物質として、BET比表面積3.8cm/mgの黒鉛粉末を用いた。リチウムイオン二次電池の中の黒鉛粉末の表面積の合計は、356cmであり、電解液中のLPFOの濃度は2.52mg/L(0.01モル/L)であって、黒鉛粉末の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は2.12×10−3mg/cm(0.84×10−8モル/cm)であった。その他は、電池1と同様である。
(電池4)
本電池4では、負極活物質として、BET比表面積6.0cm/mgの黒鉛粉末を用いた。リチウムイオン二次電池の中の黒鉛粉末の表面積の合計は、406cmであり、電解液中のLPFOの濃度は2.51mg/L(0.01モル/L)であって、黒鉛粉末の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は1.86×10−3mg/cm(0.74×10−8モル/cm)であった。その他は、電池1と同様である。
(電池5)
本電池5では、電解液中のLPFOの濃度を0.01モル/L(2.52mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は1.68×10−3mg/cm(0.67×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
(電池6)
本電池6では、電解液中のLPFOの濃度を0.02モル/L(5.04mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は3.35×10−3mg/cm(1.33×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
(電池7)
本電池7では、電解液中のLPFOの濃度を0.03モル/L(7.56mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は5.03×10−3mg/cm(2.00×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
(電池8)
本電池8では、電解液中のLPFOの濃度を0.032モル/L(8.06mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は5.20×10−3mg/cm(2.06×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
(電池9)
本電池9では、電解液中のLPFOの濃度を0.035モル/L(8.82mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は5.87×10−3mg/cm(2.33×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
(電池10)
本電池10では、電解液中のLPFOの濃度を0.04モル/L(10.08mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は6.70×10−3mg/cm(2.66×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
(電池11)
本電池11では、電解液中のLPFOの濃度を0.05モル/L(12.60mg/L)とし、黒鉛のBET比表面積を4.8cm/mgとした。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量は8.38×10−3mg/cm(3.33×10−8モル/cm)とした。その他は電池1と同様である。
<貯蔵試験>
上記コンディショニング後の電池1〜4について、1C CCCV充電で80%レベルまで充電させた後に、貯蔵試験を行った。貯蔵試験の条件は、大気雰囲気、65℃、12.5日間とした。貯蔵試験の前と後とで、放電容量を測定した。貯蔵試験前の放電容量に対する貯蔵試験後の放電容量の百分率をもとめ、回復容量とした。電池1〜4の回復容量を図1に示した。
図1に示すように、電池1〜3は、回復容量が90%以上であった。電池3,2,1の順に回復容量が上昇した。一方、電池4は回復容量が90%未満であった。黒鉛の単位表面積当たりのLPFOの含有量が増加するほど、回復容量が多くなることがわかった。中でも、黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量が、2.0×10−3mg/cm以上である場合には、回復容量が90%以上と高くなることがわかった。
<電池の反応抵抗>
SOC(State of Charge)100%から定電流で10秒間放電した時の電圧降下分から直流抵抗を算出した。
抵抗(Ω)=(放電前電圧(V)−10秒放電後電圧(V))/放電電流(A)
電池の反応抵抗の増加率は、以下の式により算出した。
増加率(%)=100×(貯蔵試験後の抵抗―貯蔵試験前の抵抗)/貯蔵試験前の抵抗―100
Figure 2013175387
表1に示すように、電池5〜9の抵抗の増加率は10%以下であった。一方、電池10〜11の反応抵抗の増加率は10%を超えて大きかった。黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量が小さくなるほど、反応抵抗の増加率が小さくなった。特に黒鉛の表面積1cm当たりのLPFOの含有量が5.20×10−3mg/cm以下であり、また、電解液中のLPFOの濃度は、0.035モル/L未満である場合には、増加率が10%以下と小さくなり、十分な電池性能を発揮できることがわかった。

Claims (7)

  1. 炭素材料を含む負極活物質を有する負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極と、電解質を溶媒に溶解させてなる電解液とを有するリチウムイオン二次電池であって、
    前記電解液は、添加剤として下記の「化1」で表される化合物を含んでおり、
    前記炭素材料の表面積1cm当たりの前記添加剤の含有量は、2.0×10−3mg/cm以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2013175387
    (MはP又はB、Xはハロゲン基、Rは鎖状炭化水素基、n1は1又は2、n2は1〜4の整数、n3は0〜3の整数である。)
  2. 前記添加剤は、下記の「化2」で表される化合物である請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 2013175387
  3. 前記炭素材料の表面積1cm当たりの前記添加剤の含有量は、2.0×10−3mg/cm以上6.7×10−3mg/cm以下である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記電解液は、フッ素系エチレンカーボネートを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記炭素材料は、黒鉛からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記負極活物質は、前記炭素材料のほかに、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であってリチウムと合金化可能な元素又は/及びリチウムと合金化可能な元素を有する元素化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を搭載したことを特徴とする車両。
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