以下、本発明の実施の形態1を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1では、種々の記録方式により、例えば、親水性を有する画像形成材料で形成された画像及び/又は所定のパターンを有する被記録媒体に対し、この画像形成材料の除去及び被記録媒体の再生に適用できる。
また、実施の形態1は、例えば、インクジェット記録方式による画像及び/又は所定のパターンを有する被記録媒体に対し、この画像形成材料の除去及び被記録媒体の再生に適している。よって、以下、記録方式として、インクジェット記録方式を例にして実施の形態1を説明する。まず、被記録媒体1の構成について説明する。
<被記録媒体>
図1は、実施の形態1における被記録媒体1の一例を示す断面図である。図1に示す被記録媒体1は、耐水性を有する基質(支持体)10の一方の面上に中間層20が設けられ、基質10側の面とは異なる中間層20の面上には画像形成材料40を受容するための受容層30が設けられる。画像形成材料40は、親水性を有する。
(基質)
実施の形態1における基質(支持体)10は、後述する画像形成材料の除去液(以下、単に除去液ともいう)の供給により変質しない耐水性があるものが好ましい。また、基質10は、記憶媒体50を含む。記憶媒体50は、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグなどの無線ICチップである。以下、記憶媒体50は、RFIDタグを例にして説明する。
基質10にRFIDタグ50が埋め込まれている場合、除去液の供給によっても、RFIDタグ50の性能が損なわれない基質10が好ましい。
また、基質10としては、高級印刷用紙、電子写真用記録用紙、及び感熱記録紙等を用いることができる。特に可逆性感熱記録紙は記録層がサーマルヘッドによる繰返し画像形成と画像消去に耐えられるように表面に硬化樹脂層を有するものが多く、このような可逆性感熱記録紙は、基質10として好ましく用いることができる。
基質10としては、透明支持体、不透明支持体のいずれも使用することができる。また、基質10は、所望により下塗層等、その余の層を有していてもよい。
基質10の厚さは、使途等によっても異なるが、30μm〜1000μmであることが好ましく、60μm〜800μmであることがより好ましい。厚さは使途やシートサイズ、材質等によっても異なる。例えば、基質10にRFIDタグ50を埋め込む場合は、通常600μm〜800μmと比較的厚くなる。
なお、基質10は、上記の通り、感熱記録媒体や熱転写記録媒体などを用いることもでき、この種の基質10のうち典型例としての可逆性感熱記録媒体は、同出願人の特願2010−197395号を参照されたい。
(中間層)
インクジェット用の被記録媒体1の場合、基質10に中間層20を設けるとすると、例えば、ラテックスと称する親水性高分子材料又は本来疎水性高分子材料の水系エマルジョン塗工液が用いられてきた。多量の強力な乳化剤として、界面活性による本来水不溶性樹脂の強制的な乳化物がある。
これにより、基質10表面および受容層30の双方との強固な接着性を得て、また、印字されたインクによるビーデイング防止、ブリーデイング防止を図ることができる。一方で、多量の強力な乳化剤の使用による弊害は既に知られている。水溶性樹脂塗工液を稀に用いたときには、構成する樹脂と化学結合可能な官能基を有する架橋剤で架橋反応処理されてきた。従来技術においては、主に、強固な接着性出現が考慮され、水又は水系液体を付与することによる中間層の削除を志向したものでないから当然ではある。
これに対し、実施の形態1における中間層20は、除去液の供給により溶解又は膨潤する未硬化水溶性高分子材料を主成分として含有するものである。ここで、「主成分」とは、乾燥重量で60%以上であることを意味する。実施の形態1における被記録媒体1の中間層20は、本発明の目的を損なわない範囲で、無機微粒子、有機微粒子、少量の界面活性剤、酸化防止剤、レベリング剤等々の各種副成分を所望により含有することができる。
実施の形態1における被記録媒体1の中間層20に用いる水溶性高分子材料は、それ自体成膜性があり、基質10及び受容層30の接着性に優れるが、除去液の供給により、溶解又は膨潤して基質10との接着性を減少するものである。受容層30との接着性も著しく減少するが、これは本発明においては不可欠ではない。中間層20に用いられる水溶性樹脂については、同出願人の特願2010−197395号を参照されたい。
また、中間層20は、受容層30が収容しきれなかったインク(画像形成材料)を受容してもよい。そのため、中間層20は、さらなる画像のチリ防止、滲み防止のため、かつ乾燥時の皮膜硬度を保持させるためにシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の無機微粒子やアクリル、スチレン等の樹脂微粒子を添加してもよい。かかる無機微粒子を添加する場合、水溶性樹脂100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部添加することができる。
また中間層20は、通水性を上げるために必要に応じてカチオン性界面活性剤等の帯電防止処理を施してもよい。帯電防止剤は、受容層30を形成する材料に添加してもよいし、受容層30を形成した後に、適当な溶媒に溶解・分散させたものを塗布するようにしてもよい。さらに、中間層20の劣化防止のため、紫外線吸収剤や酸価防止剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤や酸価防止剤の添加量は、5重量%以下であることが好ましい。
(受容層)
実施の形態1における受容層30は、インクジェット記録ヘッドから送られてきたインク滴を、ビーデイング、ブリーデイングなしに好適に受容し画像形成するためのものである。この点では、通常のインクジェットにおける光沢記録紙のインク受容層と本質的に大きな差異はない。しかし、従来は通常、そのためのインク着色料を吸収する多量の無機微粒子、有機微粒子とこれらを固定するための少量のバインダー樹脂を含む塗工液を塗工、乾燥することにより形成していた。
これに対し、実施の形態1における受容層30は、後述する画像形成材料の除去処理過程で、下層である中間層20への充分な通水性(通過性)をも有するものである。画像形成材料は、例えば、インクジェットインクの着色料である。また、受容層30は、中間層20の除去液による溶解又は膨潤により、崩壊又は中間層20との接着状態が弛緩される。
また、通常のインクジェットにおける光沢記録紙のインク受容層の場合よりも、無機微粒子、有機微粒子添加量は零または非常に少なく、材料のほとんどは樹脂であることが好ましい点で、受容層30と従来のインク受容層とは技術思想を異にする。
インク吸収のためのBET表面積の比較的大きい微粒子の添加量は、控え目であることが好ましく、その分、層厚は若干厚くてよい。添加量は、例えば、バインダー樹脂100部当たり、50部以下、好ましくは30部以下、より好ましくは25部以下とする。
受容層30中に浸透し、受容層30から漏れたインク液は、実施の形態1の場合、下の中間層20が受け止めてくれる。
実施の形態1における受容層30は、着色料を含むインクジェット記録用インク液を吸収、受容するための微粒子を含んでいてもよい樹脂材料を含む。また、更に所望により、安定剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、耐水化剤等の各種の助剤を配合した水溶液あるいは水系のエマルジョンからなる塗工剤の塗工層として受容層30は形成されてもよい。なお、受容層30の詳細な成分などについては、同出願人の特願2010−197395号を参照されたい。
受容層30の厚さは、受容層30によるインク吸収作用が十分であり、受容層30の形成作業が良好に行えるように、1〜120μm、好ましくは2〜60μm程度である。厚さが1μmに満たない場合は、皮膜化したときの耐水性、耐摩傷性、耐候性などの耐環境性か向上の効果が十分でないおそれがあるので好ましくない。
<画像形成材料>
実施の形態1における画像形成材料40は、親水性液媒体中に着色料及び所望により添加される他の補助材料を含むものである。着色料は、例えば、通常のインクジェットインクに含まれる各種染料及び顔料である。なお、使用されるインク組成物については、同出願人の特願2010−197395号を参照されたい。
<データ入力システム>
以下、上述した被記録媒体1を、データ入力システム用に用いる場合について説明する。図2は、実施の形態1における被記録媒体1の一例を示す図である。図2に示す被記録媒体1は、画像形成材料40により、画像70や所定のパターン60が形成されている。画像70は、工程名「A−1」を示す。画像は、他にも生産機種や工場名、組立チェックシートなどが形成されているが、工程名「A−1」70を例にして説明する。
図2に示す被記録媒体1の例では、RFIDタグ50が被記録媒体1に埋め込まれている。RFIDタグ50は、データを記録、消去可能な構成になっている。RFIDタグ50には、所定のデータが記憶されている。
図2に示す被記録媒体1は、所定のパターン60が形成されている。所定のパターンは、筆記データを認識可能なパターンであり、例えば、アノト(Anoto)社のドットパターン(アノトパターン)である。筆記データは、手書きで書かれた文字や画像などであり、筆跡データ等とも呼ばれる。
図3は、実施の形態1におけるドットパターン60の一例を示す図である。このドットパターン60は、例えば、縦横0.3mm間隔に点が並ぶ特殊なドットパターン(いわゆるアノトパターン)である。ドットパターン60は、図3に示すように、0.3mm間隔の格子状の上に配置された縦横6×6ドットの計36ドットの組み合わせで構成されている。
図4は、ドットパターン60のずれを示す図である。図4に示すように、各ドットは、直交する点から上下左右のいずれかの方向にごくわずかにずれている。36のドットがそれぞれ4通りの位置を持つため、4の36乗という、膨大な数のパターンを作ることができる。
このドットパターン60を形成するためには、高解像度のプリンタで形成することが必要となるが、上述した被記録媒体1は、高解像度のプリンタで印刷可能である。よって、被記録媒体1は、高解像度を必要とする所定のパターン60であっても形成することができる。なお、所定のパターン60としては、アノトパターンに限定されるものではなく、筆記データを認識可能とするパターンであればよい。
<システム構成>
図5は、図2の被記録媒体1を用いてデータ入力を行うシステムの一例を示す図である。図5に示す例では、データ入力システムは、被記録媒体1と筆記装置300とを備える。また、このデータ入力システムを用いて情報管理システムを構築することも可能である。
情報管理システムは、情報処理装置(例えば、ホストコンピュータ)100、プリンタ(例えば、インクジェットプリンタ)200、被記録媒体1、筆記装置300、RFIDリーダーライター400を有する。RFIDリーダーライター400は、作業現場に設置される。RFIDリーダーライター400は、RFIDアンテナを有する。
情報処理装置100と、プリンタ200と、筆記装置300、RFIDリーダーライター400とは、それぞれネットワークを介してデータの送受信が可能となっている。また、プリンタ200は、RFIDタグへのデータの書き込み及び読み込みが可能なRFIDリーダーライター201が内蔵されている。RFIDリーダーライター201は、RFIDアンテナを有する。
図5に示す実施の形態1におけるデータ入力システムでは、被記録媒体1は、「GX3300」という機種の工程「A−1」という工程管理用に使用される。以下、この工程「A−1」を作業する人が、「XXX」さんの場合について説明する。
RFIDタグ50には、被記録媒体1又は記憶媒体50に関する情報、例えば、固有の識別情報(以下、固有IDともいう)である「a」が記憶される。このデータは、情報処理装置100からプリンタ200に送られ、プリンタ200は、被記録媒体1のRFIDタグ50に、RFIDリーダーライター201を用いて書き込む。また、このデータは、工場出荷時に既に記憶されていてもよい。
プリンタ200は、情報処理装置100から被記録媒体1に印刷するデータを取得すると、図2に示すように、作業工程を表す文字、写真等の画像等を印刷する。なお、画像は、バーコードなどであってもよい。また、プリンタ200は、記録ヘッドからインク(画像形成材料)を吐出して、所定のパターン60を被記録媒体1の表面の一部に印刷する。
(作業内容)
ここで、作業内容について説明する。「XXX」さんが、作業「GX3300」という機種の工程「A−1」の作業をする場合、被記録媒体1をRFIDリーダーライター400にかざす。RFIDリーダーライター400は、被記録媒体1のRFIDタグ50に記憶された固有ID「a」を読み取る。
読み取られたデータは、情報処理装置100に送信され、情報処理装置100は、固有ID「a」に対応する工程「A−1」に対応する作業指示を、表示画面に表示する。後述するように、情報処理装置100は、固有ID「a」と、作業工程「A−1」とを関連付けて管理しておく。作業工程「A−1」は、対応する作業指示を関連付けておいてもよい。
また、表示手段をRFIDリーダーライター400付近に設置し、表示手段は、RFIDリーダーライター400で読み取ったデータや、上述した作業指示などを表示するようにしてもよい。
「XXX」さんは、表示画面に表示された作業指示に従い組立を行い、作業を終えると、被記録媒体1上のチェックシートに従い、作業を確認する。「XXX」さんは、チェックシートの確認が終わると、所定のパターン60が印刷された作業者サインの欄に手書きで、作業者名を筆記する。この場合、筆記データは、例えば「XXX」となる。作業者名の筆記が終わると、筆記装置300の転送スイッチを押す作業が作業標準になっている。
このため、「XXX」さんが作業を終えると、被記録媒体1上の所定のパターン60が印刷された作業者サインの欄に筆記装置300で、作業者名を筆記する。筆記装置300は、筆記データを画像データとして認識することが可能である。また、筆記装置300は、RFIDタグ50のデータを読み取り可能である。次に、筆記装置300について説明する。
<筆記装置>
図6は、実施の形態1における筆記装置300の構成の一例を示すブロック図である。図6に示す筆記装置300は、ペン型であり、読取部301、RFIDリーダーライター302、ペンダウン検出部303、データ記録部304、データ転送部305、転送スイッチ306、クリアスイッチ307、データ処理部308、筆記部310を備える。
また、読取部301、RFIDリーダーライター302、ペンダウン検出部303、データ記録部304、データ転送部305、転送スイッチ306、クリアスイッチ307及びデータ処理部308は、それぞれデータバス309に接続される。データ転送部305は、無線又は有線の回線によって情報処理装置100に接続される。
読取部301は、筆記装置300の先端に設けられ、被記録媒体1上の所定のパターン60を光学的に読み取り、その軌跡を正確に計測して筆記データを画像データとして得ることができる。例えば、読取部301は、ペンダウン検出部303により、ペン先が被記録媒体1に接触しているときに読取処理を行う。
読取部301は、例えば、小型カメラであり、文字を書く際に、1.8mm角の範囲のドットパターン60(上述の通り縦横6×6ドット=計36ドット)を1秒間に例えば75枚の高速撮影を行う。読取部301は、筆記装置300が通過したドットパターン60上の位置情報(読取データ)を刻々と捕捉していくことで、イメージスキャンしたような画像データとして筆記データを再現する。
RFIDリーダーライター302は、RFIDアンテナを含み、被記録媒体1に内蔵されたRFIDタグ50に対し、データの読み出しを行う。例えば、RFIDリーダーライター302は、RFIDタグ50から固有ID「a」を読み出す。なお、RFIDリーダーライター302は、RFIDタグ50に対してデータを書き込む書込手段、RFIDタグ50のデータを読み込む読込手段として機能する。
また、RFIDリーダーライター302は、データ記録部304に記録された電子データをRFIDタグ50に書き込む。この場合、電子データが、RFIDタグ50の固有IDに関連付けられて記憶される。データ記録部304に記録された電子データは、例えば、作業者名を示す画像データであるが、これに限られず、OCR(Optical Character Recognition)処理された作業者名の文字データなどでもよい。
これにより、筆記データの電子データと、RFIDタグ50の固有IDとを関連付けてRFIDタグ50に記憶しておくことができる。よって、情報処理装置100にアクセスしなくても、被記録媒体1から、筆記装置300で電子化した電子データを読み出すことができるようになる。
RFIDリーダーライター302の書き込み処理は、転送スイッチ306により指示されてもよいし、読取部301による読取処理が終了した後に自動で行われるようにしてもよい。
ペンダウン検出部303は、筆記装置300のペン先が被記録媒体1に接触しているか否かを検出する。ペンダウン検出部303は、例えば、筆圧センサであり、ペン先における筆圧を計測することにより、ペン先と被記録媒体1との接触の有無を検出する。
なお、ペンダウン検出部303は、ペン先と被記録媒体1との接触を検出すればよいため、ペン先がペン軸に沿った方向にわずかなストロークを持ち、その終端にマイクロスイッチを備えることでも実現できる。
データ記録部304は、読取部301により生成された筆記データの電子データを記録する。電子データは、例えば画像データであるが、筆記装置300内でOCR処理が可能であれば、文字データであってもよい。
データ記録部304は、電子データを記録するのに十分な所定の容量を有するメモリである。また、データ記録部304は、記録したデータを消去することもできる。消去するトリガは、クリアスイッチ307がONになり、消去のための信号を取得したときである。
データ転送部305は、ネットワークを介してデータの送受信が可能な通信手段であり、データ記録部304に記録された筆記データの電子データと、RFIDタグ50から読み取られた固有ID「a」とを、情報処理装置100に転送する(送信する)。転送するトリガは、送信スイッチ(不図示)がONになり、転送のための信号を取得したときである。
転送スイッチ306は、ON/OFFを制御するスイッチである。転送スイッチ306がONになったときに、データ処理部308は、RFIDリーダーライター302に対して、書き込むための信号を出力する。
クリアスイッチ307は、ON/OFFを制御するスイッチである。クリアスイッチ307がONになったときに、データ処理部308は、データ記録部304に対して、消去するための信号を出力する。
転送スイッチ306、クリアスイッチ307は、押下可能にして筆記装置300に設けられ、ユーザがON/OFFを切り替えるものである。データ処理部308は、上記各部を制御する。
また、筆記装置300は、ボールペンやマジックなどと同様に被記録媒体1への筆記を可能とするペン先を有する筒型の筐体に収納され、図示しない電源から供給される電力により動作する。
筆記部310は、筆記データを可視化するための部であり、例えば、鉛筆の芯やボールペンなどである。筆記部310の先は、上述したペン先である。ユーザは、筆記部310を用いて所定の筆記データを所定のパターン60上に可視化する。
ここで、筆記装置300の具体例として、アノト(Anoto)社のアノトペンがある。アノトペンは、手書き情報のデジタル化を実現し、書き順や書く速度、筆圧、ペンの傾き、書いた日時などもあわせて記録可能である。
なお、情報処理装置100は、筆記装置300内に記録された筆記データの画像データを利用して種々の文書処理又は文書管理を実行する。次に、情報処理装置100について詳細に説明する。
<情報処理装置>
次に、実施の形態1における情報処理装置100のハードウェアについて説明する。図7は、実施の形態1における情報処理装置100のハードウェアの一例を示すブロック図である。図7に示すように、情報処理装置100は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、外部記憶装置I/F部104、ネットワークI/F部105、入力部106、表示部107を含む。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。
制御部101は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うCPUである。また、制御部101は、主記憶部102に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
外部記憶装置I/F部104は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体108(例えば、フラッシュメモリ、SDカードなど)と情報処理装置100とのインタフェースである。
また、記憶媒体108に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体108に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F部104を介して情報処理装置100にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは情報処理装置100により実行可能となる。
ネットワークI/F部105は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された通信機能を有する周辺機器(例えば筆記装置300)と情報処理装置100とのインタフェースである。
入力部106は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部107の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等を有する。また、入力部106は、ユーザが制御部101に操作指示を与えたり、データを入力したりするためのユーザインタフェースである。
表示部107は、CRTやLCD等により構成され、制御部101から入力される表示データに応じた表示が行われる。なお、表示部107は、情報処理装置100とは別体であってもよく、その場合の情報処理装置100は、表示部107に表示するための表示制御機能を有する。
(機能)
次に、情報処理装置100の機能について説明する。図8は、情報処理装置100の機能の一例を示すブロック図である。図8に示す例では、情報処理装置100は、通信手段111、文字認識手段112、管理手段113、メール作成手段114、記憶手段115を備える。
なお、通信手段111は、例えばネットワークI/F部105などにより実現されうる。文字認識手段112、メール作成手段114は、例えば制御部101やワークメモリとしての主記憶部102などにより実現されうる。管理手段113は、例えば制御部101や補助記憶部103などにより実現されうる。記憶手段115は、例えば補助記憶部103などにより実現されうる。
通信手段111は、ネットワークを介してデータの送受信を行う。通信手段111は、例えば、筆記装置300から筆記データの電子データ(例えば画像データや文字データ)や固有IDを受信する。また、通信手段111は、RFIDリーダーライター400から記憶媒体の固有ID及び/又は筆記データの電子データを受信したり、記憶媒体の固有IDや印刷内容をプリンタ200に送信したりする。
文字認識手段112は、例えばOCR処理を実行可能であり、電子データが画像データである場合、画像データに対して文字認識処理を行う。文字認識手段112は、例えば「XXX」という画像データに対し、文字認識処理を行い、「XXX」を文字データに変換する。文字認識手段112は、文字認識処理が終了すると、「XXX」という文字データを、メール作成手段114に出力する。
管理手段113は、記憶媒体50の固有IDを管理しておく。固有IDは、管理手段113により1又は複数管理される。ここでは、管理手段113は、例えば、固有IDと、作業工程と、署名された電子データとを関連付けて管理する。なお、管理手段113は、電子データとして、例えば、署名された画像データ又は文字認識された文字データを管理するようにすればよい。
管理手段113は、通信手段111から固有IDを示す「a」の文字データと、電子データとを取得した場合、まず、「a」の文字列を既に管理しているかどうか照合処理を行う。管理手段113が、既に「a」の文字列を管理している場合、その文字列「a」に関連付けて「XXX」の電子データを管理する。管理手段113は、「XXX」の電子データの関連付けが終了すると、その旨をメール作成手段114に通知する。
管理手段113は、「a」の文字列が管理されていない場合、エラー処理を行う。エラー処理は、例えば、筆記装置300にエラーを通知し、筆記装置300は、エラーを通知された場合、LED(Light Emitting Diode)などを点灯又は点滅させてユーザに知らせるなどの処理である。
これにより、管理手段113が、署名された電子データを管理した場合、その工程は作業が終了したことを示すことができ、誰がその作業をしたかを管理することもできる。
記憶手段115は、ユーザ名とメールアドレスとを関連付けたアドレス情報を記憶する。例えば、アドレス情報には、ユーザ名「XXX」に対し、「XXX@yyy.com」のメールアドレスが関連付けられている。アドレス情報は、ユーザ名とメールアドレスの組合せを1又は複数保持する。
メール作成手段114は、管理手段113により、電子データの関連付けが終了した旨の通知を受けた場合、管理手段113又は文字認識手段112から取得した「XXX」の文字列と、記憶手段115に記憶されているアドレス情報のユーザ名と照合する。
メール作成手段114は、一致するユーザ名がアドレス情報にあった場合、そのユーザ名に対応するメールアドレスを宛先にし、メールを作成する。メール本文は、例えば、署名の関連付けが完了した旨を記載する。メール作成手段114は、通信手段111にメールを出力する。通信手段111は、メール作成手段114により作成されたメールを宛先に送信する。
メール作成手段114は、一致するユーザ名がない場合は、エラー処理を行う。エラー処理は、例えば、筆記装置300にメール送信できなかった旨を通知し、筆記装置300のバイブレーション機能やLED点灯又は点滅を作動させる処理である。
なお、電子データの関連付けができなかった場合のエラー処理と、メール送信できなかった場合のエラー処理とは、異なる処理にすればよい。例えば、電子データの記憶未完了の場合は、LED点灯、メール未送信の場合は、LED点滅などにすればよい。
これにより、ユーザは、どのエラー処理であるかを把握することができ、その後の対策を立てやすくなる。
<データ例>
次に、各種データについて図9を用いて説明する。図9は、実施の形態1における各データの一例を示す図である。図9(A)は、RFIDタグ50に記憶されるデータの例を示す。図9(A)に示すように、RFIDタグ50は、工場出荷時などでは、RFIDタグを識別するための固有ID「a」を記憶している。
次に、筆記装置300のRFIDリーダーライター302から電子データを書き込まれると、固有IDに関連付けて電子データ「XXX」がRFIDタグ50に記憶される。
図9(B)は、筆記装置300のデータ記録部304に記憶されるデータの例を示す。図9(B)に示すように、データ記録部304には、読取部301により読み取られた電子データが記憶される。
なお、RFIDリーダーライター302により、RFIDタグ50の固有IDを読み取って、データ記録部304に記憶するようにしてもよい。この場合、データ記録部304には、RFIDタグ50の固有IDと、作業者名を表す電子データとが記憶される。
図9(C)は、情報処理装置100の管理手段113が管理するデータの例を示す。筆記装置300からのデータの転送前は、固有IDと工程とにはデータが管理されている。筆記装置300又は他の装置(例えばRFIDリーダーライター400)からのデータ転送があると、固有ID「a」に対応する作業者名「XXX」の電子データが管理される。なお、工程のデータは、必ずしも必要ではない。
<画像消去>
前述した被記録媒体1は、初期化することができる。被記録媒体1を初期化する場合、被記録媒体1に印刷された画像、所定のパターン60、筆記データなどを消去する必要がある。また、RFIDデータ50に書き込まれたデータを一度消去し、初期化するようにしてもよい。
次に、実施の形態1における被記録媒体1の画像、所定のパターン60及びRFIDタグ50のデータを消去するのに適した画像消去装置について説明する。図10は、画像消去装置500の構成の一例を示す図である。
実施の形態1における被記録媒体1の画像消去方法は、被記録媒体1の画像保持面に水又は水性液を有する除去液(画像形成材料の除去液)を供給する除去液供給処理と、被記録媒体1の画像保持面を擦掃する擦掃処理を含む。これらの処理は同時に進行してもよいが、図10に示す例の画像消去装置500においては逐次遂行される。
図10に示される画像消去装置500において、被記録媒体1は、搬送ローラ対501により装置内に搬送され、除去液の付与箇所で画像材料除去液槽502内の除去液が加圧され液噴射ノズル503から被記録媒体1表面に噴射される。
液噴射ノズル503は、複数のノズルヘッドからなるノズルアレイであってもよく、また、スリット式の噴射ヘッドであってもよい。除去液が画像形成材料を有する受容層30面に付与され、中間層20が膨潤される。
次に被記録媒体1は、擦掃処理に導かれ、保持ローラ対506と保持ローラ対507で保持された状態で、ブラシローラ508によりブラッシングされる。これにより、膨潤した中間層20が除去される。
しかし、実施の形態1においては、ブラッシングに代え、織布等による拭払であってもよい。図10に示すブラシクリーニングベルト509は、ブラシローラ508に付いたペースト状の屑を除去する。
その後、図10に示す例では、被記録媒体1は、残った中間層20材料をより完全に除去するため、バックアップローラ510の助けのもとで、表面掃掻ブレ−ド511により屑材料が掻き取られる。その後、被記録媒体1は、トレー513上に排出されるが、このような表面掃掻ブレ−ド511は、実施の形態1において必ずしも必要なものではない。
さらに、画像消去装置500内には、RFIDタグ50へのデータの書き込みが可能なRFIDリーダーライター512が内蔵されている。
RFIDリーダーライター512は、画像消去装置500により画像や所定パターンなどが消去された被記録媒体1内のRFIDタグのデータを消去する。この場合、被記録媒体1は、画像や所定のパターン60及びRFIDタグ50のデータが無い状態でトレー6513に排出される。このように、画像除去処理後の被記録媒体1は、基質10のみになっている。基質10には、必要に応じてRFIDタグ50が内蔵される。
<被記録媒体の再生>
次に、被記録媒体1の再生について説明する。図11は、再生コーティング装置600の構成の一例を示す図である。再生コーティング装置600は、被記録媒体1を再生することができる。
図11に示すように、画像消去処理によって基質10のみになった被記録媒体1は、再生コーティング装置600により、耐水性を有する基質10上に中間層20がコーティングされ、中間層20が乾燥される。
中間層20の乾燥後、再生コーティング装置600は、中間層20の基質10側とは逆の面上に、画像形成材料40のための受容層30をコーティングし、乾燥させる。これにより、被記録媒体1の再生が完了する。
<具体例>
ここで、被記録媒体1の画像形成、画像消去、再生の一連の動作の具体例について説明する。生産する機種や各工程により、作業工程を表す文字、バーコード、写真等の画像等が代わり、被記録媒体1は、書き換えられる。
また、作業者も異なるため、作業者サインの欄のボールペンやマジックなどで書かれた筆記データも消去が必要となる。また、被記録媒体1に印刷されるレイアウトも機種や各工程により変更されるため、所定のパターン60の位置や大きさも、必要に応じて変更される。
図12は、画像形成、画像消去、再生の一連の動作の具体例を示す図である。図12に示すように、被記録媒体1は、(1)〜(6)の状態に変化する。なお、各状態は、被記録媒体1の表面と、被記録媒体1の断面とを用いて説明する。
(1)の状態は、例えば、工場出荷時の状態を示す。(1)の状態の被記録媒体1は、基質10、基質10の上に中間層20、中間層20の上に受容層30を有する。このときのRFIDタグ50には、例えば、RFIDタグの固有の識別情報(固有ID)が記憶されている。
(2)の状態は、プリンタ200により画像(画像70を含む)、所定のパターン60、を画像形成材料40により形成された状態を示す。例えば、インクジェットのインクにより、画像70、所定のパターン60などが被記録媒体1に印刷される。このとき、プリンタ200のRFIDリーダーライター201は、RFIDタグ50の固有IDに対応する、組み立てる機種を認識するデータと、作業する工程「A−1」を認識するデータとを、印刷時などにRFIDタグ50に書き込んでもよい。(2)の被記録媒体1は、工程「A−1」の場合の画像70や所定パターン60などが印刷される。
(3)の状態は、工程「A−1」の作業が終わり、作業者により、所定のパターン60上に、作業者の名前を筆記された状態を示す。ここでは、作業者の名前は「XXX」とする。このとき、作業者は、上述した筆記装置300を用いて、自分の名前を筆記する。
この後、例えば、筆記装置300は、生成した「XXX」の電子データを、RFIDタグ50に書き込む。これにより、RFIDタグ50には、固有IDと電子データとが関連付けられることになる。
(4)の状態は、(3)の状態の被記録媒体1に対して、画像消去処理を施した後の状態を示す。(3)の状態の被記録媒体1で、作業が終了し、その用途を終えた場合には、被記録媒体1を再利用するための画像消去が行われる。被記録媒体1は、画像消去装置500により画像消去処理が行われ、画像70、所定のパターン60などが消去される。
また、被記録媒体1内のRFIDタグ50のデータは、例えば固有ID以外がRFIDリーダーライター512により消去される。なお、必要に応じて、固有IDを消去してもよい。このとき、被記録媒体1は、基質10のみである。
(5)の状態は、画像消去後に、再生コーティング処理を施した状態を示す。(5)の状態の被記録媒体1は、再生コーティング処理により、基質10の上に、中間層20、受容層30が再生されている。これにより、被記録媒体1は、(1)の状態に戻り、再生初期化され、再利用される。
(6)の状態は、(2)の状態とは異なる画像、所定のパターンが印刷された状態を示す。(6)の被記録媒体1は、工程「A−2」の場合の画像70や所定のパターン60などが印刷されている。(6)の被記録媒体1は、所定のパターン60のサイズ、位置、画像70の位置が(2)の状態の被記録媒体1とは異なる。また、RFIDタグ50の固有IDが書き換え可能ならば、書き換えてもよい。これにより、被記録媒体1は、機種や工程内容などに応じて、形成される画像を変更したり、形成される所定パターンの位置、サイズを変更したり、固有IDを書き換えたりすることができる。
なお、(6)の被記録媒体1には、RFIDタグ50には、固有ID「b」が記憶された後、作業者名「YYY」が所定のパターン60上に、筆記装置300で筆記されると、前述した「XXX」の処理と同様の処理が行われる。つまり、生成された「YYY」の電子データが、RFIDタグ50に書き込まれる。
(作業例)
次に、実施の形態1におけるデータ入力システムを用いて入力されたデータの用途例を説明する。図13は、作業工程の一例を示す図である。ここでは、製品を乗せたコンテナが各工程を回る例を示す。工程毎にRFIDリーダーライター400、401が設置されている。
例えば、作業者「XXX」さんは、工程「A−1」で作業を行い、作業が終了すると、被記録媒体1に筆記装置300を用いて署名をし、次の工程へコンテナを移動させる。
作業者「YYY」さんは、工程「A−2」で作業を行い、作業が終了すると、別の被記録媒体1に筆記装置300を用いて署名をし、次の工程へコンテナを移動させる。この場合、各RFIDリーダーライターで、被記録媒体のRFIDタグを読み取れば、どの作業を誰が担当したかを迅速に把握できるようになる。
例えば、各作業を開始する際、エラー検査機が、所定の工程での作業をエラーであると示した場合、その工程に対応するRFIDタグの固有IDに関連付けられた電子データをRFIDリーダーライターが読み取る。読み取られた電子データは、表示部などに表示されたり、音声出力されたりすることで、人が被記録媒体の書名欄を確認しなくても、エラー作業を行った作業者を容易に把握することができるようになる。
<動作>
次に、実施の形態1における情報管理システムの動作について説明する。以下、RFIDの準備処理例、筆記装置の処理例、情報処理装置のデータ管理処理例、情報処理装置のメール処理例を順に示す。
(RFIDタグの準備処理)
図14は、実施の形態1におけるRFIDタグの準備処理の一例を示すフローチャートである。図14に示すステップS101で、RFIDタグ50は、固有のナンバーをナンバリングされ、そのナンバーを固有IDとして記憶する。
ステップS102で、情報処理装置100は、RFIDタグ50にセット(記憶)された固有IDを、作業工程等と関連付けて管理する。
これにより、情報処理装置100は、被記録媒体1に含まれるRFIDタグ50の固有IDを管理することができる。
(筆記装置の処理)
図15は、実施の形態1における筆記装置300の処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すステップS201で、読取部301は、所定のパターン60上に筆記された筆記データを検出したか否かを判定する。読取部301は、筆記データを検出した場合、筆記データの画像データを取得する。読取部301により、筆記データの検出がなければステップS201に戻る。読取部301は、筆記データの画像データを取得した場合、ステップS202に進む。
ステップS202で、データ記録部304は、読取部301により生成された筆記データの電子データを保存する。
ステップS203で、データ処理部308は、クリアスイッチ307がONになったか否かを判定する。データ処理部308は、クリアスイッチ307から押下信号を取得した時にクリアスイッチ307がONになったと判断できる。クリアスイッチ307がONであれば(ステップS203−YES)、ステップS201に戻り、クリアスイッチ307がOFFであれば(ステップS203−NO)、ステップS204に進む。
ステップS204で、データ処理部308は、転送スイッチ306がONになったか否かを判定する。データ処理部308は、転送スイッチ306から押下信号を取得した時に転送スイッチ306がONになったと判断できる。転送スイッチ306がOFFであればステップS203に戻り、その間にクリアスイッチがONになったかを判定する。転送スイッチがONになれば(ステップS204−YES)ステップS205に進む。
ステップS205で、RFIDリーダーライター302は、RFIDタグ50に電子データを書き込む。
これにより、筆記装置300は、RFIDタグ50の固有IDと、筆記データ(手書きの署名)の電子データとを、RFIDタグ50を用いて関連付けることができる。
(情報処理装置の情報管理処理)
図16は、情報処理装置100の情報管理処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すステップS301で、通信手段111は、筆記装置300から電子データを受信したか否かを判定する。電子データが受信されれば(ステップS301−YES)ステップS302に進み、電子データが受信されなければ(ステップS301−NO)ステップS301に戻る。
ステップS302で、管理手段113は、電子データの先頭から決められたバイト数分を読み込む。
ステップS303で、管理手段113は、自身が管理している固有IDから、受信した固有IDの文字データと一致するものをサーチする。
ステップS304で、管理手段113は、一致した固有IDがあるか否かを判定する。一致した固有IDがあれば(ステップS304−YES)ステップS305に進み、一致した固有IDがなければ(ステップS304−NO)ステップS306に進む。
ステップS305で、管理手段113は、一致した固有IDに関連付けて、作業者名の電子データ(例えば、画像データ)を保存する。
ステップS306で、管理手段113は、エラー処理を行う。エラー処理は、エラー通知を筆記装置300に送信し、筆記装置300は、例えば、LEDを点灯又は点滅させたり、バイブレーションで振動させたりしてユーザにエラーの旨を知らせる処理である。
これにより、情報処理装置100は、作業者名の電子データが管理されることで作業の終了を管理するとともに、作業者名も管理することもできる。
(情報処理装置のメール処理)
図17は、情報処理装置100のメール処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す処理は、電子データが関連付けられた後(図16に示すステップS305の後)に行われる処理である。
図17に示すステップS401で、文字認識手段112は、受信された電子データ(画像データ)に対し、文字認識処理(OCR処理)を施し、文字データに変換する。ここでは、作業者名が文字データとして得られる。なお、電子データが文字データであれば、ステップS401は省略される。
ステップS402で、メール作成手段114は、記憶手段115に記憶されるアドレス情報から、文字認識された作業者名と一致するユーザ名があるかをサーチする。
ステップS403で、メール作成手段114は、一致したユーザ名があるか否かを判定する。一致するユーザ名があれば(ステップS403−YES)ステップS404に進み、一致するユーザ名がなければ(ステップS403−NO)ステップS406に進む。
ステップS404で、メール作成手段114は、一致するユーザ名に対応するメールアドレスをアドレス情報から取得し、そのメールアドレスを宛先にしてメールを作成する。メール本文は、例えば、画像データの関連付けが完了した旨を知らせる文章である。
ステップS405で、通信手段111は、メール作成手段114が作成したメールを送信する。これにより、作業者は、自身の署名の画像データが、情報処理装置100に無事に管理されたことを知ることができる。
ステップS406で、メール作成手段114は、エラー処理を行う。エラー処理は、例えば、筆記装置300にメール送信できなかったことを通知する。筆記装置300は、メール送信不可を通知されると、LEDを点灯又は点滅したり、バイブレーション機能を作動したりする。なお、このエラー処理は、画像データの関連付けのエラー処理と異なる処理にすればよい。これにより、作業者は、メール送信できなかったことを知ることができ、情報処理装置100にメールアドレスを登録すればよいことを知ることができる。
以上、実施の形態1によれば、被記録媒体に関する情報と、被記録媒体に筆記された情報の電子データとの関連付けをホストコンピュータ以外で行うことができる。これにより、被記録媒体に関する情報に関連付けた、被記録媒体に筆記された情報の電子データを迅速に確認することができる。例えば、被記録媒体1内の記憶媒体に固有IDと関連付けて電子データを記憶することで、その被記録媒体1から、電子データを確認することができるようになる。
また、書き換え可能な被記録媒体を用いて筆記された情報が書き換えられた場合、ホストコンピュータにアクセスしなくても、筆記装置を用いて、RFIDタグに記憶されている筆記データの電子データを更新することが可能になる。
また、実施の形態1によれば、高解像度での印刷が可能な被記録媒体上に、筆記データを認識可能な所定のパターンを形成することで、所定のパターンの再形成を可能にすることができる。なお、所定のパターンは、被記録媒体の所定位置に所定サイズで形成されうる。
また、実施の形態1における被記録媒体は、所定のパターン上に手書きで筆記されたとしても、この筆記データを消去することができる。また、実施の形態1における被記録媒体は、高解像度が可能なインクジェットプリンタによる印刷が可能であり、例えば、アノトパターンのような微小なドットも形成できるようになる。
また、実施の形態1における被記録媒体は、無線ICチップなどの記憶媒体を有することで、所定パターン上に筆記されたデータの画像データと、記憶媒体に記憶された情報とを関連付けさせることができるようになる。
[実施の形態2]
次に、実施の形態2における情報管理システムについて説明する。実施の形態2における情報管理システムでは、被記録媒体の記憶媒体(例えばRFIDタグ)にデータが書き込まれた履歴が分かるように、この履歴を識別するための履歴識別情報を持たせ、書き込まれたデータ毎に履歴識別情報を付与することで、画像データを管理する。履歴識別情報は、記憶媒体に記憶された電子データの履歴を表す情報でもあり、例えば履歴番号やアルファベットなどである。
実施の形態2では、実施の形態1で説明した符号と同じ符号を用いて、筆記装置300の履歴識別番号の処理の仕方、被記録媒体1のデータ管理の仕方、情報処理装置100のデータ管理の仕方について説明する。また、実施の形態2では、以下に説明する構成や処理以外については、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
<筆記装置>
図18は、実施の形態2における筆記装置300の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態2における筆記装置300は、RFIFリーダーライター302、データ記録部304、データ転送部305、及び変更部320以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
データ記録部304は、筆記データの電子データの履歴を識別するための履歴識別情報を保持する記憶領域を有する。この履歴識別情報は、予め設定されていてもよいし、記憶媒体50から読み出して設定されていてもよい。
変更部320は、記憶媒体50(例えばRFIDタグ)に記憶される筆記データの電子データを区別するため、データ記録部304が保持する履歴識別情報を変更する。例えば、変更部320は、データ記録部304に記憶された履歴識別情報の値を、この値とは異なる値に変更する。
変更部320は、読取部301により筆記データが読み取られたとき、RFIDタグに筆記データの電子データが書き込まれるとき、又はデータ転送部305によりデータ転送されるときのいずれかのタイミングで変更処理を行う。
変更部320は、履歴識別情報が履歴番号である場合、この履歴番号をカウントアップする。例えば、変更部320は、履歴番号「00」を「01」にカウントアップする。この変更処理は、次に読み取られた筆記データに、別の値を示す履歴識別情報を付与するための処理である。
RFIDリーダーライター302は、データ記録部304に記録された電子データと履歴識別情報とをRFIDタグ50に書き込む。この場合、電子データと履歴識別情報とが、RFIDタグ50の固有IDに関連付けられて記憶される。
データ転送部305は、データ記録部304に記録された筆記データの電子データ及び履歴識別情報と、RFIDタグ50から読み取られた固有IDとを、情報処理装置100に転送(送信)する。
なお、記憶媒体50(例えばRFIDタグ)は、通信を受けることができるタグフィールドを持っていて、データ記録部304から電子データを記録する領域とは別に、履歴識別情報を保持する。
<情報処理装置>
実施の形態2における情報処理装置100のハードウェアや機能は、基本的には実施の形態1と同様であるため、同じ符号を用いて説明する。実施の形態2では、情報処理装置100が履歴識別情報を管理するところが異なる。
情報処理装置100は、筆記装置300から、筆記データの電子データ及び記憶媒体50の固有IDと共に履歴識別情報を取得し、固有IDと電子データと履歴識別情報とを関連付けて管理する。これにより、同じ固有IDに関連する電子データを複数回取得する場合に、それぞれの電子データに履歴識別情報を関連付けて履歴データとして残しておくことができる。
<データ例>
次に、各種データについて図19を用いて説明する。図19は、実施の形態2における各データの一例を示す図である。図19(A)は、RFIDタグ50に記憶される記憶されるデータの例を示す。図19(A)に示すように、RFIDタグ50は、工場出荷時などでは、RFIDタグを識別するための固有ID「a」と、書き込まれたデータの履歴が分かる履歴識別情報「00」(初期値)とを記憶する。以下では、履歴識別情報は、履歴番号として説明する。
次に、筆記装置300のRFIDリーダーライター302から電子データ「XXX」と履歴番号「01」とを書き込まれると、固有IDに関連付けて電子データ「XXX」と履歴番号「01」がRFIDタグ50に記憶される。この場合、筆記装置300の変更部320により、データ記録部304に記憶されている履歴番号が「00」から「01」に変更される。
図19(B)は、筆記装置300のデータ記録部304に記憶されるデータの例を示す。図19(B)に示すように、データ記録部304には、読取部301により読み取られた電子データと、読み取る際に変更された履歴番号とが記憶される。
なお、RFIDリーダーライター302により、RFIDタグ50の固有IDを読み取って、データ記録部304に記憶するようにしてもよい、この場合、データ記録部304には、RFIDタグ50の固有IDと、作業者名を表す電子データと、履歴番号とが記憶される。
図19(C)は、情報処理装置100の管理手段113が管理するデータの例を示す。図19(C)に示す例では、筆記装置300から固有ID「a」に対応する2回目の画像データが送信された場合のデータ管理を示す。
図19(C)に示す例では、固有ID「a」と固有ID「b」とに対応する工程、履歴(履歴識別情報)、電子データが管理されている。履歴は、例えば、同じ固有IDが送信されてきた場合に、その順番を示す履歴番号である。ここで、筆記装置300から固有ID「a」と電子データ「XXX」とが情報処理装置100に再度送信されてきたとする。
図19(C)に示す例では、固有ID「a」に対応する電子データに対して履歴の番号が付与されて管理されている。これは、固有ID「a」が筆記装置300から2回送信されたため、履歴の番号「01」と「02」とが与えられ、固有ID「a」と共に送信された2回の電子データが区別される。
よって、管理手段113は、1つの固有IDに対応する筆記データの電子データを複数回取得した場合、履歴識別情報(例えば履歴番号)を筆記データの電子データそれぞれに関連付けて、筆記データの電子データの履歴を管理する。
<動作>
次に、実施の形態2における情報管理システムの動作について説明する。情報処理装置100の処理については、履歴番号も管理するところ以外は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
(RFIDタグの準備処理)
図20は、実施の形態2におけるRFIDタグの準備処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すステップ501で、RFIDタグ50は、固有のナンバーをナンバリングされ、そのナンバーを固有IDとして記憶される。
ステップS502で、RFIDタグ50は、履歴識別情報を記憶する領域を、固有IDを記憶する領域とは別に用意される。
ステップS503で、情報処理装置100は、RFIDタグ50にセット(記憶)された固有IDと、履歴識別情報とを管理することができる。
(筆記装置の処理)
図21は、実施の形態2における筆記装置300の処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すステップS601〜S604の処理は、図15に示すステップS201〜S204の処理と同様であるため、その説明を省略する。
ステップS605で、RFIDリーダーライター302は、データ記録部304に記録されている電子データと履歴番号とをデータ処理部308に書き込み、また、RFIDタグ50に書き込む。
ステップS606で、データ処理部308は、データ転送部305を介して情報処理装置100に対し、筆記データの電子データと履歴番号と、RFIDリーダーライター302により読み取られた固有IDとを送信する。
ステップS607で、変更部320は、データ記録部304に記憶されている履歴番号を変更する。例えば、変更部320は、履歴番号を次の番号にカウントアップする。
なお、ステップS607は、データの送信後に行われているが、ステップS601の処理後のいずれかのタイミングで行われればよい。また、履歴番号のインクリメントは、例えば、データ記録部304に記憶されている履歴番号を、次のアドレスの履歴番号に進める。
以上、実施の形態2によれば、情報処理装置100は、1つの固有IDに対して複数回画像データが送信された場合、履歴番号を付与してそれぞれの画像データを保存しておくことができる。また、RFIDタグ50側でも、履歴番号とともに電子データを管理することができるようになる。
[実施の形態3]
次に、実施の形態2における情報管理システムについて説明する。実施の形態2における情報管理システムでは、筆記装置が、筆記手段と読取部としての機能を有する位置情報取得手段とに分かれた構成となる。
<データ入力例>
実施の形態3では、データ入力の仕方が上記実施の形態とは異なる。図22は、実施の形態3におけるデータ入力の一例を示す図である。図22は、図5に示す被記録媒体1付近を拡大した図である。
図22に示すように、筆記装置700は、筆記手段710と、位置情報取得手段720とに分かれる。筆記手段710は、例えばペンであり、位置情報取得手段720は、筆記手段710の筆記箇所近傍に設置される。
なお、図22に示す例では、ドットパターン60上に筆記を行っているが、必ずしもドットパターン60上に筆記する必要はない。つまり、実施の形態3では、被記録媒体1上にドットパターン60が形成されていなくてもよい。
図22に示す例では、筆記手段710から発生された赤外線と超音波とを、位置情報取得手段720が取得する。位置情報取得手段720は、取得した赤外線と超音波とを用いて筆記データを読み取る。
<筆記装置>
図23は、実施の形態3における筆記装置700の構成の一例を示すブロック図である。実施の形態3における筆記装置700は、筆記手段710と、位置情報取得手段720とを有する。なお、筆記装置700において、上記の各実施の形態と同様のものは、同じ符号を付す。以下では、上記の実施の形態と異なる点を主に説明する。
(筆記手段)
筆記手段710は、筆記部310、ペンダウン検出部303、制御部711、超音波発生回路712、赤外線発生回路713を備える。筆記手段710は、筆記部310により筆記データを可視化するための機能を有する。
ペンダウン検出部303は、筆記手段710のペン先が被記録媒体1に接触し加圧を受けたことを検出すると、ON信号を制御部711に通知する。ON信号は、ペンダウンが検出されている間中、制御部711に通知される。
制御部711は、ペンダウン検出部303からON信号を受けると、超音波発生回路712及び赤外線発生回路713に電源電圧を印加し、超音波信号及び赤外線信号を周期的に発生させる。超音波信号及び赤外線信号は、ON信号が通知されている間発生される。
一方、制御部711は、ペンダウン検出部303からON信号の通知がなくなると、超音波発生回路712及び赤外線発生回路713への電源電圧の供給を停止し、超音波信号及び赤外線信号の発生を停止させる。ただし、超音波信号及び赤外線信号の発生開始及び停止のタイミングは、必ずしもON信号の有無と同期させる必要はない。
これにより、ユーザにより筆記手段710を用いて筆記されている間に、筆記手段710は、超音波信号及び赤外線信号を発生することになる。
(位置情報取得手段)
位置情報取得手段720は、読取部721、RFIDリーダーライター302、データ記録部304、データ転送部305、転送スイッチ306、クリアスイッチ307、データ処理部308を備える。
読取部721は、赤外線受光部722、超音波受信部723、赤外線超音波測定部724、座標演算部725を備える。読取部721は、後述するように、筆記時に筆記手段710から発生される信号又は光を受信し、受信された信号又は光の変化に基づいて、所定の筆記データを表す電子データを生成する。
赤外線受光部722は、例えばIrDA(Infrared Data Association)規格モジュールからなる赤外線センサである。赤外線受光部722は、赤外線発生回路713から発生された赤外線信号を受信し、赤外線信号を受信した場合に信号を発生する。赤外線受光部722は、位置情報取得手段720に開口部を設けるなどして、受光する赤外線信号を遮られることなく受信できるようにする。
超音波受信部723は、例えばPVDF(Polyvinylidene Fluoride)を用いる超音波センサである。超音波受信部723は、位置情報取得手段723の長手方向の左右の端部に2つ設けられる。
超音波受信部723は、超音波発生回路712から発生された超音波信号を受信し、超音波信号を受信した場合に信号を発生する。超音波受信部723は、位置情報取得手段720に開口部を設けるなどして、超音波信号を遮られることなく受信できるようにする。
赤外線超音波測定部724は、赤外線受光部722が出力した信号と、超音波受信部723が出力した信号との時間差を測定する。つまり、赤外線超音波測定部724は、赤外線信号を受信してから超音波信号を受信するまでの各到達時間差を測定する。
赤外線信号は約3×108m/sの光速で飛行し、一方で超音波信号は約3.5×102m/sの音速で飛行する。そのため、超音波信号の筆記手段710から超音波受信部723までの到達時間に対して、赤外線信号の筆記手段710から赤外線受光部722までの到達時間は無視できるほど小さい。よって、赤外線超音波測定部724は、測定した到達時間差を以て、筆記手段710から超音波受信部724までの超音波信号の飛行時間とすることができる。
座標演算部725は、赤外線超音波測定部724が測定した時間の差から、筆記手段710(ペン)の位置を演算し、筆記データを読み取る。例えば、座標演算部725は、赤外線超音波測定部724において測定した超音波信号の飛行時間を飛行距離に変換し、それらの飛行距離と、2個の超音波受信部723の間の既知の距離とを用いて、三辺測量方式により、筆記手段710の位置座標データを計算する。計算された位置座標データ(読取データ)は、被記録媒体1の固有IDと関連付けてデータ記録部304に記録されてもよい。
固有IDは、上述した通り、RFIDリーダーライター302を用いて取得することができる。
また、データ処理部308は、画像データ生成手段としての機能を有し、読取データから画像データを生成し、その画像データをデータ記録部304に記録してもよい。この場合、データ転送部305により、データ記録部304に記録された画像データが送信されたり、RFIDリーダーライター302により、画像データがRFIDタグ50に書き込まれたりする。
<動作>
次に、実施の形態3における情報管理システムの動作について説明する。上記の各実施の形態と異なる処理について説明する。
(筆記装置の処理)
図24は、実施の形態3における筆記装置700の処理の一例を示すフローチャートである。図24に示すステップS701で、読取部721は、筆記データを検出したか否かを判定する。読取部721は、例えば、赤外線信号や超音波信号を受信したら筆記データを検出と判定する。
筆記データを検出していれば(ステップS701−YES)S702に進み、筆記データを検出していなければ(ステップS701−NO)ステップS701に戻る。ステップS702で、データ記録部304は、筆記データの読取データを記録する。
ステップS703で、データ処理部308は、転送スイッチ306がONになったか否かを判定する。データ処理部308は、転送スイッチ306から押下信号を取得した時に転送スイッチ306がONになったと判断できる。転送スイッチ306がOFFであればステップS703に戻り、転送スイッチがONになれば(ステップS703−YES)ステップS704に進む。
ステップS704で、RFIDリーダーライター302は、RFIDタグ50に読取データを書き込む。これにより、超音波信号や赤外線信号を用いて筆記データの読取データを取得し、RFIDタグ50の固有IDと読取データとを関連付けることができる。
なお、実施の形態3の動作では、読取データとして位置座標データのような数値データをRFIDタグ50に書き込んでいる。しかしながら、実施の形態1、2における筆記装置300の処理のように、実施の形態3における筆記装置700で画像データを生成し、それをRFIDタグ50に書き込んでもよい。また、実施の形態1、2において、実施の形態3のように、画像データ生成前の読取データをRFIDタグ50に書き込んでもよい。
また、位置情報取得手段720は、データ記録部304に記憶された読取データと、RFIDリーダーライター302から読み出された固有IDとを情報処理装置100に送信してもよい。
(情報処理装置の情報管理処理)
図25は、実施の形態3における情報処理装置100の情報管理処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すステップS801で、通信手段111は、筆記装置700から読取データを受信したか否かを判定する。読取データが受信されれば(ステップS801−YES)ステップS802に進み、読取データが受信されなければ(ステップS801−NO)ステップS801に戻る。
ステップS802で、管理手段113は、画像データ生成手段としての機能を有し、読取データの位置座標データに基づいて画像データを生成する。なお、画像データの生成は、画像データ生成手段を有する他の情報処理装置が行うようにしてもよい。
ステップS803で、管理手段113は、受信されたデータの先頭から決められたバイト数分を読み込む。先頭部分には、固有IDが含まれる。
ステップS804で、管理手段113は、自身が管理している固有IDから、受信した固有IDの文字データと一致するものをサーチする。
ステップS805で、管理手段113は、一致した固有IDがあるか否かを判定する。一致した固有IDがあれば(ステップS805−YES)ステップS806に進み、一致した固有IDがなければ(ステップS805−NO)ステップS807に進む。
ステップS806で、管理手段113は、一致した固有IDに関連付けて、例えば作業者名の電子データ(例えば、画像データ)を保存する。
ステップS807で、管理手段113は、エラー処理を行う。エラー処理は、エラー通知を筆記装置700に送信し、筆記装置700は、例えば、LEDを点灯又は点滅させたり、バイブレーションで振動させたりしてユーザにエラーの旨を知らせる処理である。
なお、実施の形態3の動作では、位置座標データのような読取データを情報処理装置100が筆記装置700から受信しているが、実施の形態1、2のように、筆記装置700内で画像データを生成し、情報処理装置100が画像データを受信してもよい。
また、実施の形態1、2において、実施の形態3のように、画像データ生成前の読取データを情報処理装置100が受信し、管理手段113が画像データ生成手段としての機能を有してもよい。
これにより、情報処理装置100は、作業者名の電子データが管理されることで作業の終了を管理するとともに、作業者名も管理することもできる。
以上、実施の形態3によれば、筆記装置をペン等の筆記手段と、読取部の機能を有する位置情報取得手段とに分けた構成にしても、上記の実施の形態同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。