JP2003191625A - インクジェット記録用貼着シート、記録体及び記録物 - Google Patents

インクジェット記録用貼着シート、記録体及び記録物

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JP2003191625A
JP2003191625A JP2001396299A JP2001396299A JP2003191625A JP 2003191625 A JP2003191625 A JP 2003191625A JP 2001396299 A JP2001396299 A JP 2001396299A JP 2001396299 A JP2001396299 A JP 2001396299A JP 2003191625 A JP2003191625 A JP 2003191625A
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Hiroshi Ito
弘 伊藤
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カード基板のような基材の表面へのインクジェ
ット記録が、画像の解像性、インク吸収性、および印字
後の乾燥性に優れ、得られた記録像は、耐擦傷性、耐水
性、耐汚染性にも優れるものを提供する。 【解決手段】支持体の片面側は、少なくとも一部分にイ
ンク受容層と、少なくとも該インク受容層上に高分子微
粒子を含む微細孔層を有し、他面側は加熱することによ
り被着体に貼着可能に構成されたインクジェット記録用
貼着シートであって、被着体に加熱貼着後、インクジェ
ット記録法により記録を行い、次いで加熱処理すること
により微細孔層を非孔質化することができることを特徴
とするインクジェット記録用貼着シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体インクを用い
て記録画像を形成するインクジェット記録体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液体インクを微細なノズルから記録体に
噴出して画像を形成させるインクジェット記録方式は、
記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高
速記録が可能であること、また、他の印刷装置より安価
であること等の理由から端末用プリンタ、ファクシミ
リ、プロッタ、あるいは帳票印刷などで広く利用されて
いる。一方、クレジットカード、プリペイドカード、バ
ンクカード、メンバーズカード等のカード類等の表面に
顔写真などの画像を設けることも行われている。画像の
形成には、熱転写方式が主に使用されている。
【0003】画像をインクジェット記録方式で形成する
場合、カードの表面にインク受容層を形成する必要があ
る。一般のインクジェット記録紙のインク受容層は、画
像の解像性、インク吸収性、印字後の乾燥性を優れたも
のにするために、インク受容層の無機顔料の配合率を高
くしている。しかし、カードの表面に無機顔料の配合率
が高いインク受容層を設けると、インク受容層表面の耐
擦傷性が弱くなり、インク受容層表面は他の物質と擦れ
合うことにより、容易に摩耗し、文字、画像等の印字記
録が消失する問題がある。無機顔料を少なくし、無機顔
料を接着結合させるポリビニルアルコール等の水溶性バ
インダー配合率を高めると耐擦傷性は改善されるが、無
機顔料粒子内の微細な空隙の大部分が接着剤で充填され
る結果となり、インク吸収性、印字後の乾燥性が著しく
低下するなどの欠点が生じる。特に、カード基板として
一般的に使用されるプラスチック板のような非水浸透性
の基材の場合、この問題は顕著となる。
【0004】一方、インク受容層として、画像の解像
性、耐擦傷性を優れたものにするために、主としてポリ
ビニルアルコール等の水溶性高分子で形成したインクジ
ェット記録体も知られている。しかし、カード表面に、
ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を主成分とする
インク受容層を形成すると、印字時のインク吸収性が劣
り、インク溶剤で該水溶性高分子が膨潤するためインク
受容層表面の乾燥性が劣り、および印字後の表面の耐水
性が劣る等の欠点がある。このように、画像の解像性、
インク吸収性、および印字後のインクジェット記録用媒
体表面の乾燥性が優れ、且つインク受容層表面の耐擦傷
性、耐水性が優れるインクジェット記録用媒体を得るこ
とは困難であった。
【0005】また、カード類の表面にインクジェット記
録を施した場合、その記録像が、擦れたり、水に触れた
り、汚れたりして、記録像が判読不能になったりする。
そのため、カード類等の用途にも適用できる様に、イン
ク受容層表面の耐擦傷性、耐汚染性を高める手段とし
て、カード基板である耐水性基材の少なくとも片面に予
めインク受容層を設け、形成されたインク受容層の上に
熱可塑性樹脂から成るインクジェットインク透過性の多
孔性樹脂層を形成させたインクジェット記録体が提案さ
れている(特開平8−2090号公報、特開平11−1
57207号公報)。このインクジェット記録体はイン
クジェット記録方式による印字後に、多孔性樹脂層を加
熱することで透明・非孔質化し、耐擦傷性、耐汚染性を
高めることが可能となるものである。しかし、カード類
は一般に剛直なプラスチック板であるため、通常のイン
クジェット記録紙を製造する塗工機では、製造が不可能
であった。特に、内部にICチップを有するカードの場
合、塗工機のロールなどの押圧や、塗工機中の経路によ
るカード基材の曲げ等により、強い圧力がかかると、チ
ップが壊れることがある。また、ICチップを保護する
ために、カードを剛直にすると特殊な装置でしか製造が
できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カード基板
のような基材の表面へのインクジェット記録が、画像の
解像性、インク吸収性、および印字後の乾燥性が優れる
という特徴を維持しつつ、且つ、カード基板のような剛
直なプラスチック板上へのインク受容層形成の生産性を
向上さる、得られた記録像は、耐擦傷性、耐水性、耐汚
染性にも優れるものを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、カード基板などの
基材と特定の構成を有するインク受容層を別々に作成
し、一体化することにより、インクジェット記録体を形
成することにより、達成できることを見出した。
【0008】本発明は、次のとおりである。 (1).支持体の片面側は、少なくとも一部分にインク
受容層と、少なくとも該インク受容層上に高分子微粒子
を含む微細孔層を有し、他面側は加熱することにより被
着体に貼着可能に構成されたインクジェット記録用貼着
シートであって、被着体に加熱貼着後、インクジェット
記録法により記録を行い、次いで加熱処理することによ
り微細孔層を非孔質化することができることを特徴とす
るインクジェット記録用貼着シートである。インク受容
層は、支持体の全面に形成してもよく、一部分に形成し
てもよい。微細孔層は、インク受容層上に形成するもの
であるが、インク受容層よりも広い面積で形成してもよ
い。インク受容層をカード類に直接設けるのではなく、
貼着シートとして形成するから、特殊な装置を採用する
ことなく、インク受容層及び微細孔層を形成することが
できる。加熱貼着は、貼着シートを加熱後に貼着して
も、貼着シートを加熱しながら貼着してもよい。また、
被着体を貼着前に予め加熱していてもよい。この貼着
は、熱圧着も含まれる。但し、この加熱は、微細孔層が
非孔質化しない状態で行うものである。微細孔層は、イ
ンクジェット記録の際には記録インクがインク受容層ま
で移行するように微細な孔を有し、記録後の加熱処理す
ることにより微細孔層が製膜し、非孔質層となり、耐擦
傷性、耐水性、耐汚染性が改善される。
【0009】(2).支持体の片面側は、少なくとも一
部分にインク受容層と、少なくとも該インク受容層上に
高分子微粒子を含む微細孔層を有し、他面側は加熱する
ことにより被着体に貼着可能に構成されたインクジェッ
ト記録用貼着シートであって、他面側の貼着可能となる
加熱温度よりも、微細孔層の非孔質化開始する温度が高
いことを特徴とするインクジェット記録用貼着シートで
ある。インク受容層は、支持体の全面に形成してもよ
く、一部分に形成してもよい。微細孔層は、インク受容
層上に形成するものであるが、インク受容層よりも広い
面積で形成してもよい。インク受容層をカード類に直接
設けるのではなく、貼着シートとして形成するから、特
殊な装置を採用することなく、インク受容層及び微細孔
層を形成することができる。加熱貼着は、貼着シートを
加熱後に貼着しても、貼着シートを加熱しながら貼着し
てもよい。また、被着体を貼着前に予め加熱していても
よい。この貼着は、熱圧着も含まれる。微細孔層は、イ
ンクジェット記録の際には記録インクがインク受容層ま
で移行するように微細な孔を有し、記録後の加熱処理す
ることにより微細孔層が製膜し、非孔質層となり、耐擦
傷性、耐水性、耐汚染性が改善される。そして、このイ
ンクジェット記録用貼着シートは、他面側の貼着可能と
なる加熱温度よりも、微細孔層の非孔質化開始する温度
を高く構成するものである。
【0010】(3).加熱することにより被着体に貼着
可能な構成が、支持体自身が熱可塑性樹脂であり加熱に
より貼着可能となるもの、支持体に熱可塑性樹脂層を有
し加熱により貼着可能となるもの、および支持体に感熱
接着剤層を有し加熱により貼着可能となるもの、から選
ばれる一つである(1)又は(2)記載のインクジェッ
ト記録用貼着シートである。支持体自身が熱可塑性樹脂
であり加熱により貼着可能となるとは、支持体が熱可塑
性樹脂のフィルムである、支持体が多層構造の場合、裏
面が熱可塑性樹脂のフィルム層である、などの、加熱に
より被着体に貼着可能なシートである。支持体に熱可塑
性樹脂層を有し加熱により貼着可能となるとは、支持体
の裏面に、熱可塑性樹脂をラミネートしたシートや、支
持体の裏面に貼着時にシート状感熱接着剤を介したもの
も含む。支持体に感熱接着剤層を有し加熱により貼着可
能となるとは、支持体の裏面に、ヒートシール接着剤層
や、ディレードタック層などの感熱接着剤層を形成した
シートである。
【0011】(4).微細孔層が、外殻を形成する樹脂
の最低造膜温度よりも内殻を形成する樹脂の最低造膜温
度の方が高い多層構造の高分子微粒子を有する塗工液
を、少なくともインク受容層上に塗布し、該高分子微粒
子の外殻を形成する樹脂の最低造膜温度以上、且つ内殻
を形成する樹脂の最低造膜温度未満の温度で乾燥させて
得られた微細孔層であることを特徴とする(1)〜
(3)の何れかに記載のインクジェット記録用貼着シー
トである。このような多層構造の高分子微粒子を用い、
外殻を形成する樹脂の最低造膜温度以上、且つ内殻を形
成する樹脂の最低造膜温度未満の温度で乾燥させて得ら
れた塗工層は、微細孔を有し、且つインク受容層との接
着性が十分な微細孔層となる。特に、内殻を形成する樹
脂の中で最も高い最低造膜温度を有する内殻の樹脂の最
低造膜温度が、外殻を形成する樹脂の中で最も高い最低
造膜温度を有する外殻の樹脂の最低造膜温度より、少な
くとも15℃以上高いことが好ましく、より好ましくは
30℃以上高いことである。更に、多層構造高分子微粒
子の内殻を形成する樹脂の最低造膜温度が、加熱貼着可
能となる温度より高いことが好ましい。内殻を形成する
樹脂の最低造膜温度が、加熱貼着可能となる温度よりも
少なくとも20℃以上高いことが好ましい。貼着シート
が熱可塑性樹脂フィルムであり、そのまま加熱貼着する
場合は、熱可塑性樹脂フィルムの樹脂の融点よりも、内
殻を形成する樹脂の最低造膜温度が高いことが好まし
く、20℃以上高いことがより好ましい。貼着シートが
裏面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、熱可塑性樹脂層
の融点よりも、内殻を形成する樹脂の最低造膜温度が高
いことが好ましく、20℃以上高いことがより好まし
い。貼着シートが裏面に感熱接着剤層を形成する場合、
感熱接着剤層の軟化温度よりも、内殻を形成する樹脂の
最低造膜温度が高いことが好ましく、20℃以上高いこ
とがより好ましい。
【0012】(5).微細孔層が、異なった最低造膜温
度を有する二種類以上の高分子微粒子を混合した塗工液
を塗工し、少なくとも最低造膜温度の最も低い高分子微
粒子は造膜し、少なくとも最も高い最低造膜温度の高分
子微粒子は造膜しない条件で乾燥させることにより得ら
れた微細孔層であることを特徴とする(1)〜(3)の
何れかに記載のインクジェット記録用貼着シートであ
る。異なった最低造膜温度を有する二種類以上の高分子
微粒子を混合した塗工液を塗工し、少なくとも最低造膜
温度の最も低い高分子微粒子は造膜し、少なくとも最も
高い最低造膜温度の高分子微粒子は造膜しない条件で乾
燥した層は微細孔を有し、且つインク受容層との接着性
が十分な微細孔層となる。併用する異なった二種類以上
の高分子微粒子のうち、最も高い最低造膜温度を有する
高分子微粒子の最低造膜温度が、最も低い最低造膜温度
を有する高分子微粒子の最低造膜温度より、少なくとも
15℃以上高いことが好ましく、より好ましくは30℃
以上高いことである。更に、最も高い最低造膜温度を有
する高分子微粒子の最低造膜温度が、加熱貼着可能とな
る温度より高いことが好ましい。最も高い最低造膜温度
を有する高分子微粒子の最低造膜温度が、加熱貼着可能
となる温度よりも少なくとも20℃以上高いことが好ま
しい。貼着シートが熱可塑性樹脂フィルムであり、その
まま加熱貼着する場合は、熱可塑性樹脂フィルムの樹脂
の融点よりも、最も高い最低造膜温度を有する高分子微
粒子の最低造膜温度が高いことが好ましく、20℃以上
高いことがより好ましい。貼着シートが裏面に熱可塑性
樹脂層を形成する場合、熱可塑性樹脂層の融点よりも、
最も高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の最低造膜
温度が高いことが好ましく、20℃以上高いことがより
好ましい。貼着シートが裏面に感熱接着剤層を形成する
場合、感熱接着剤層の軟化温度よりも、最も高い最低造
膜温度を有する高分子微粒子の最低造膜温度が高いこと
が好ましく、20℃以上高いことがより好ましい。
【0013】(6).上記(1)〜(5)の何れかに記
載のインクジェット記録用貼着シートを被着体に、微細
孔層が非孔質化しない温度で加熱貼着したインクジェッ
ト記録体である。被着体は、従来のシート状物に限ら
ず、プラスチック板、ガラス板、金属板、書籍、布など
も使用できる。直接インク受容層を塗布形成できないよ
うなものでも、インク受容層を形成することができる。
【0014】(7).被着体がプラスチック板である上
記(6)記載のインクジェット記録体である。プラスチ
ック板としては、カード状物、コンパクトディスク(C
D)状物などが例示できる。
【0015】(8).上記(6)又は(7)に記載のイ
ンクジェット記録体に、インクジェットプリンターで記
録を行った後、該微細孔層が非孔質化する温度以上の温
度で加熱したインクジェット記録物である。このような
記録物は、耐擦傷性、耐水性、耐汚染性に優れたインク
ジェット記録物となる。
【0016】(9).インクジェット記録物がカード状
記録物である(8)記載のインクジェット記録物であ
る。カード状記録物としては、ICカード、磁気カード
など、特に限定するものではないが、特に剛直な基板で
あるICカードとした構成が有用である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を図面を用いて説明する。
図1乃至図3は、本発明のインクジェット記録用貼着シ
ートの層構成を説明する図である。インクジェット記録
用貼着シート1は、支持体2の一方の面上にインク受容
層3、少なくともインク受容層の面上に耐擦傷性、耐水
性を向上させる微細孔層4を有する。なお、支持体2の
他面は、加熱貼着可能であればよく、例えば支持体自身
が加熱により貼着可能な支持体5を使用する(図1)、
支持体裏面に熱可塑性樹脂層6を有するか(図2)、ま
たは支持体に感熱接着剤層7を有する(図3)、といっ
た構成が例示できる。また、インク受容層3よりも広く
被うように微細孔層4を構成すると、周囲からの水の浸
透や汚れを防ぐことができるので好ましい(図4及び図
5)。
【0018】本発明のインクジェット記録用貼着シート
1は、被着体12に、微細孔層4が非孔質化する温度未
満で、被着体と加熱貼着により一体化してインクジェッ
ト記録体11を作製する(図6、図7、図8)。このイ
ンクジェット記録体11は、インク受容層3にインクジ
ェットプリンターによって画像13を記録後、インク受
容層の上の微細孔層4を加熱あるいは加熱圧着して非孔
質化することにより、インク受容層表面の耐擦傷性およ
び耐汚染性の問題が改良されたインクジェット記録物を
得ることができる。なお、非孔質化は、加熱による高分
子微粒子が造膜(透明化)するためである。
【0019】インクジェット記録用貼着シートは、図1
乃至図5のように枚葉であっても、図9及び図10、図
11及び図10、図14及び図15、図16及び図15
のように、連続したシート状物であってもよい。図9や
図14のように、複数並列して配置してもよく、図11
や図16のように、幅方向に並列するこのなく配置して
もよい。連続したシート状のキンクジェット記録用貼着
シートは、テープ状に巻き取って保管するとよい。被着
体との積層の際は、切断分離してから加熱貼着しても、
加熱貼着してから所定の記録体となるように断裁しても
よい。
【0020】インク受容層3上に形成される微細孔層4
は、インクジェット記録の際は、記録インクが通過して
インク受容層へ到達し、記録後、加熱処理することによ
り、成膜する層であれば特に限定するものではない。中
でも、最低造膜温度が異なる内殻および外殻を有する
多層構造を有する高分子微粒子を用いる場合と、異な
った最低造膜温度を有する二種類以上の高分子微粒子を
用いる場合が、微細孔としての機能が優れ、且つ、イン
ク受容層への密着性が良く、加熱による成膜性も優れる
ので好ましい。
【0021】外殻を形成する樹脂の最低造膜温度が内
殻を形成する樹脂の最低造膜温度より低い多層構造高分
子微粒子の場合、隣接する多層構造高分子微粒子の外殻
の樹脂同士は最低造膜温度が低いため、乾燥の際に造膜
し融着するが、高い最低造膜温度を有する内殻の樹脂は
造膜せずに粒子状態を保つことによって、微細孔層が形
成される。この微細孔層は、インクジェットプリンター
で記録後、多層構造高分子微粒子内で最も高い最低造膜
温度を有する内殻樹脂の最低造膜温度以上、又は多層構
造高分子微粒子内で最も高い最低造膜温度を有する内殻
樹脂が造膜する温度に加熱することにより、該多層構造
高分子微粒子内の全層および隣接する該多層構造高分子
微粒子同士が造膜することで融着一体化し、非孔質化
(造膜)される。
【0022】この多層構造高分子微粒子を有する塗工液
を塗工し、乾燥の際に、隣接する該多層構造高分子微粒
子の外殻の樹脂同士は造膜することで融着するが、内殻
の樹脂の少なくとも一つは造膜しない条件で乾燥させる
とよい。また、乾燥の際に、該多層構造高分子微粒子内
で低い最低造膜温度を有する外殻を形成する樹脂の最低
造膜温度以上、且つ該多層構造高分子微粒子内で最も高
い最低造膜温度を有する内殻を形成する樹脂の最低造膜
温度未満の温度で乾燥させるとよい。
【0023】このような多層構造高分子微粒子は、例え
ば、特公昭63−32500号公報、特公平3−423
12号公報、特開昭63−189413号公報、特開平
5−117344号公報、特開平8−239406号公
報、高分子論文集.31.576(1974)、高分子.
28.485(1979)等に記載されている公知の方
法であるシード重合法によって、合成することができ
る。
【0024】多層構造高分子微粒子内の内殻および外殻
の樹脂としては、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチ
レン共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重
合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、酢酸
ビニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン−塩化ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステ
ル重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ス
チレン重合体、スチレン−(メタ)アクリルアミド、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−(メタ)アク
リル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体−(メタ)アクリル酸、エチレン重
合体、プロピレン重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、アイオノマー等の熱可塑性樹脂層が挙げられ、これ
らの中から最低造膜温度が異なるものを使用する。
【0025】多層構造高分子微粒子内の各層樹脂の最低
造膜温度は、内殻と外殻の二層の場合は外殻を低くすれ
ば良いが、複数層の場合は最内殻から外側に向かって順
次低下することが好ましい。しかし、中間層の樹脂の最
低造膜温度が最も高くとも、該中間層樹脂より外殻層樹
脂の最低造膜温度が低くて、該外殻層樹脂の最低造膜温
度以上、且つ該中間層樹脂の最低造膜温度未満の温度で
乾燥して微細孔層が形成できれば、中間層の樹脂の最低
造膜温度が最も高くても差し支えない。また、中間層の
樹脂の最低造膜温度が最も低くとも、該中間層樹脂より
内殻層樹脂の最低造膜温度が該中間層樹脂の最低造膜温
度より高くて、該中間層樹脂より外殻層樹脂の最低造膜
温度以上、且つ該中間層樹脂より内殻層樹脂の最低造膜
温度未満の温度で乾燥して微細孔層が形成できれば、中
間層の樹脂の最低造膜温度が最も低くても差し支えな
い。最も好ましい多層構造高分子微粒子内の各層樹脂の
最低造膜温度の配置は、内殻から外側に向かって順次最
低造膜温度が低下し、最内殻の樹脂の最低造膜温度が最
も高く、最外殻の樹脂の最低造膜温度が最も低いもので
ある。
【0026】多層構造高分子微粒子層内で最も高い最低
造膜温度を有する樹脂層の最低造膜温度は、50〜15
0℃であることが好ましく、70〜130℃程度にある
ことがより好ましい。この最低造膜温度が50℃に満た
ない場合、乾燥時間が長くなり、生産性が悪く好ましく
ない。また、該最低造膜温度が50℃に満たない場合、
インク受容層を設けてある支持体の反対面の、加熱する
ことにより貼着可能な構成が、更に低い温度での貼着を
可能にする必要が生じ、インクジェット記録用貼着シー
トの貼付する面がブロッキングを生じやすくなる。ま
た、例えば貼着のための加熱が35℃未満となると、夏
場の高温下環境で、被着体とインクジェット記録用貼着
シートが剥離し易くなる欠点が生じる。多層構造高分子
微粒子層内で最も高い最低造膜温度を有する樹脂層の最
低造膜温度が150℃を超える場合は、印字後に微細孔
層を加熱して非孔質化(造膜)させる際の加熱温度を高
くする必要があり、インクジェット記録体の表面の着
色、および印字部の色相変化等の問題があるので好まし
くない。
【0027】多層構造高分子微粒子層内で最も低い最低
造膜温度を有する樹脂層の最低造膜温度は、最も高い最
低造膜温度を有する樹脂層の最低造膜温度より5℃以上
低いこと、好ましくは15℃以上低いこと、より好まし
くは30℃以上低いこと、更に好ましくは60℃以上低
いことである。最も低い最低造膜温度を有する樹脂層の
最低造膜温度は0℃以下であっても差し支えない。な
お、前記最低造膜温度の差が5℃未満であると、インク
の吸収性、透過性の良好な微細孔層を形成するために必
要な多層構造高分子微粒子塗工時の乾燥温度設定が困難
になり、安定生産が難しくなる。より安定した生産を行
うためには、該最低造膜温度の差は15℃以上であるこ
とが好ましく、30℃以上がより好ましく、60℃以上
であることが特に好ましい。差が大きい程、より安定的
な生産が可能になる。
【0028】多層構造高分子微粒子の平均粒子径は、
0.03〜4.0μmであることが好ましい。平均粒子
径が0.03μmに満たない場合は、インクの吸収性、
透過性の良好な微細孔層が形成されず、インク受容層に
十分インクが浸透して定着されず、所望の画像が形成で
きないおそれがある。平均粒子径が4.0μmを超える
場合は、インクのドットが不均一になり画像の低下が生
ずるおそれがある。より好ましい多層構造高分子微粒子
の平均粒子径は、0.05〜1.5μmである。
【0029】インクの吸収性、透過性の良好な微細孔層
を形成するためには、乾燥工程中に造膜する多層構造高
分子微粒子内の外殻層の樹脂質量は、該多層構造高分子
微粒子の樹脂総質量に対して1質量%から60質量%、
より好ましくは5質量%から40質量%である。乾燥工
程中に造膜する多層構造高分子微粒子内の外殻層の樹脂
質量が60質量%を超えると、形成される微細孔層の細
孔が該外殻層の樹脂の造膜物で充填される結果となり、
インクの吸収性、透過性の良好な微細孔層が形成され
ず、インク受容層に十分インクが浸透して定着されず、
所望の画像が形成できないおそれがある。乾燥工程中に
造膜する多層構造高分子微粒子内の外殻層の樹脂質量が
1質量%未満であると、該外殻層の樹脂間の造膜性が充
分でなくなり、該多層構造高分子微粒子同士を融着でき
ず、良好な微細孔層を形成することができなくなる。
【0030】異なった最低造膜温度を有する二種類以
上の高分子微粒子を用いる場合、混合した高分子微粒子
のなかで、低い最低造膜温度を有する高分子微粒子が造
膜し、高い最低造膜温度を有する高分子微粒子は造膜せ
ずに粒子状態を保ち、低い最低造膜温度を有する高分子
微粒子の造膜物が、造膜していない高い最低造膜温度を
有する高分子微粒子を結着することによって、微細孔層
が形成される。この微細孔層は、インクジェットプリン
ターで記録後、混合した高分子微粒子のなかで、最も高
い最低造膜温度を有する高分子微粒子の最低造膜温度以
上、又は最も高い最低造膜温度を有する高分子微粒子が
造膜する温度に加熱することにより、該高分子微粒子同
士が造膜することで融着一体化し、透明フィルム状とな
る。
【0031】この最低造膜温度の異なる少なくとも二種
高分子微粒子の混合分散液を塗工し、乾燥の際に、低い
最低造膜温度を有する高分子微粒子は造膜するが、高い
最低造膜温度を有する高分子微粒子は造膜しない条件で
乾燥させるとよい。また、乾燥の際に、混合した該高分
子微粒子のなかで、最も低い最低造膜温度を有する高分
子微粒子の最低造膜温度以上、且つ最も高い最低造膜温
度を有する高分子微粒子の最低造膜温度未満の温度で乾
燥させるとよい。
【0032】本発明で使用する高分子微粒子としては、
酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢
酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル
共重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン重合体、ス
チレン−(メタ)アクリルアミド、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、
エチレン重合体、プロピレン重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、アイオノマー、ポリエチレンワックス等
のラテックス類および微粒子状に粉砕された粉砕物が挙
げられ、これらの中から最低造膜温度が異なるものを使
用する。
【0033】高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の
最低造膜温度は、50〜150℃であることが好まし
く、70〜130℃程度にあることがより好ましい。こ
の最低造膜温度が50℃に満たない場合は、乾燥時間が
長くなり、生産性が悪く好ましくない。また、該最低造
膜温度が50℃に満たない場合、インク受容層を設けて
ある支持体の反対面の、加熱することにより貼着可能な
構成が、更に低い温度での貼着を可能にする必要が生
じ、インクジェット記録用貼着シートの貼付する面がブ
ロッキングを生じやすくなる。また、例えば貼着のため
の加熱が35℃未満となると、夏場の高温下環境で、被
着体とインクジェット記録用貼着シートが剥離し易くな
る欠点が生じる。最低造膜温度が150℃を超える場合
は、印字後に微細孔層を加熱して非孔質化(造膜)させ
る際の加熱温度を高くする必要があり、インクジェット
記録体の表面の着色、および印字部の色相変化等の問題
があるので好ましくない。
【0034】低い最低造膜温度を有する高分子微粒子の
最低造膜温度は、高い最低造膜温度を有する高分子微粒
子の最低造膜温度より5℃以上低いこと、好ましくは1
5℃以上低いこと、より好ましくは30℃以上低いこ
と、更に好ましくは60℃以上低いことである。低い最
低造膜温度を有する高分子微粒子の最低造膜温度は0℃
以下であっても差し支えない。なお、前記最低造膜温度
の差が5℃未満であると、インクの吸収性、透過性の良
好な微細孔層を形成するために必要な高分子微粒子塗工
時の乾燥温度設定が困難になり、安定生産が難しくな
る。より安定した生産を行うためには、該最低造膜温度
の差は15℃以上であることが好ましく、30℃以上が
より好ましく、60℃以上であることが特に好ましい。
差が大きい程、より安定的な生産が可能になる。
【0035】高分子微粒子の平均粒子径は、低い最低造
膜温度を有する高分子微粒子の平均粒子径が、高い最低
造膜温度を有する高分子微粒子の平均粒子径の同等或い
はそれ以下が好ましく、好ましくは50%以下の粒子径
である。低い最低造膜温度を有する高分子微粒子の平均
粒子径が、高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の平
均粒子径を超えると、形成される微細孔層の細孔が低い
最低造膜温度を有する高分子微粒子の造膜物で充填され
る結果となり、インクの吸収性、透過性の良好な微細孔
層が形成されず、インク受容層に十分インクが浸透して
定着されず、所望の画像が形成できないおそれがある。
インクの吸収性、透過性の良好な微細孔層を形成するた
めには、低い最低造膜温度を有する高分子微粒子の平均
粒子径が高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の平均
粒子径と同等以下、好ましくは50%以下程度の平均粒
子径である。
【0036】高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の
平均粒子径は0.03〜4.0μmであることが好まし
い。低い最低造膜温度を有する高分子微粒子の平均粒子
径は2.0μm以下、好ましくは0.5μm以下である
が、併用する高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の
平均粒子径に比較して同等以下であることが好ましい。
高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の平均粒子径が
0.03μmに満たない場合は、インクの吸収性、透過
性の良好な微細孔層が形成されず、インク受容層に十分
インクが浸透して定着されず、所望の画像が形成できな
いおそれがある。高い最低造膜温度を有する高分子微粒
子の平均粒子径が4.0μmを超える場合は、インクの
ドットが不均一になり画像の低下が生ずるおそれがあ
る。より好ましい低い最低造膜温度を有する高分子微粒
子の平均粒子径は0.5μm以下であり、高い最低造膜
温度を有する高分子微粒子のより好ましい平均粒子径
は、0.05〜1.5μmである。
【0037】インクの吸収性、透過性の良好な微細孔層
を形成するためには、低い最低造膜温度を有する高分子
微粒子の配合比率は高い最低造膜温度を有する高分子微
粒子の配合比率より低いことが好ましい。高い最低造膜
温度を有する高分子微粒子100質量部に対して、低い
最低造膜温度を有する高分子微粒子が1〜95質量部、
より好ましくは5〜40質量部の範囲で配合するとよ
い。低い最低造膜温度を有する高分子微粒子が95質量
部を超えると、形成される微細孔層の細孔が低い最低造
膜温度を有する高分子微粒子の造膜物で充填される結果
となり、インクの吸収性、透過性の良好な微細孔層が形
成されず、インク受容層に十分インクが浸透して定着さ
れず、所望の画像が形成できないおそれがある。低い最
低造膜温度を有する高分子微粒子が1質量部未満である
と、低い最低造膜温度を有する高分子微粒子の造膜物が
高い最低造膜温度を有する高分子微粒子を決着できず、
良好な微細孔層を形成できなくなる。
【0038】微細孔層4には、高分子微粒子、或いは多
層構造高分子微粒子の結着剤として水溶性バインダーを
添加してもよい。水溶性バインダーとして酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導
体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、完全ケン化ポ
リビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール
等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合
して用いてもよい。なお、これらは、本発明の微細孔層
の機能を損なわない範囲で添加できる。
【0039】微細孔層4には、微細孔層のインク吸収
性、透過性と耐擦傷性を損なわせない範囲で、無機顔料
を添加してもよい。無機顔料としては、例えば、ゼオラ
イト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ
土、焼成クレー、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、コロイダルシリカ、非晶質シリカ、水酸化アルミニ
ウム、コロイダルアルミナ、アルミナ、アルミナ水和物
等の一般塗工紙のコート剤に使用されている顔料を挙げ
ることができる。インク受容層に使用し得るより好まし
い顔料として、コロイダルシリカ、非晶質シリカ、水酸
化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物を挙げるこ
とができる。これらは単独あるいは2種以上を混合して
用いることができる。微細孔層が透明性を保つために
は、無機顔料粒子径は500nm以下程度であることが
好ましい。なお、これらは、本発明の微細孔層の機能を
損なわない範囲で添加できる。
【0040】また、微細孔層4には、耐光性を向上させ
る目的で、HALS等の光安定化剤、紫外線吸収剤等を適宜
添加することもできる。また、微細孔層中へのインク浸
透性向上を目的として、界面活性剤を配合することも有
効である。これらの配合は、印字後の加熱処理による微
細孔層の非孔質化を損なわない範囲で行うことができ
る。界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、カチオ
ン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性
剤、およびフッ素系界面活性剤を用いることができ、こ
れらの中から1種或いは2種以上を適宜選択して用いて
もよい。アニオン性界面活性剤として、脂肪酸石鹸、ア
ルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、高級ア
ルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステ
ル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリ
ン酸エステル塩等、およびカチオン性界面活性剤として
脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、芳香族4
級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ピリジニウム
塩、イミダゾリニウム塩等、およびノニオン性界面活性
剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、アセチレングリコールのエチレン
オキサイド付加物、アセチレンアルコールのエチレンオ
キサイド付加物等、および両性界面活性剤としてアミノ
酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホアン
モニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイ
ン型、イミダゾリニウムベタイン型等の界面活性剤をも
ちいることができる。
【0041】微細孔層4の形成方法は特に制限されず、
高分子微粒子分散液、或いは多層構造高分子微粒子分散
液をバーコーター、ブレードコーター、エアナイフコー
ター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコータ
ー等の公知の塗工機や印刷機により形成できる。
【0042】微細孔層4の厚さは、0.2〜10μmが
好ましい。厚さが0.2μmに満たない場合は、皮膜化
したときの耐擦傷性の効果が十分でないおそれがあるの
で好ましくない。厚さが10μmを超える場合は、イン
クの吸収性、透過性が低下するおそれがあるので好まし
くない。微細孔層のより好ましい厚さは0.5〜7μm
である。
【0043】本発明で使用する支持体2としては、紙
(中性紙も含む)、合成紙、不織布、プラスチックフィ
ルムなど、あるいは紙にプラスチックフィルムを接着剤
で貼合せたもの、または紙にプラスチックをラミネート
したもの等のような積層シートがなどが使用できる。耐
水性等の性能面から、支持体はプラスチクフィルムであ
ることがより好ましい。また、支持体としてのプラスチ
ックフィルムが熱可塑性樹脂からなるフィルムであって
も良い。かかるプラスチックフィルムとしては、例え
ば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリ
エチレン)、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等のフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムは多
層構造を有しても良く、延伸によるボイドや発泡剤によ
る空隙を有しても構わない。また、支持体としてのプラ
スチックフィルムとインク受容層との接着性を良好にす
る為、該プラスチックフィルム面を予めコロナ処理を施
したり、或いは該プラスチックフィルム面上に易接着層
を設けることもできる。
【0044】本発明のインクジェット記録用貼着シート
は、インク受容層3および微細孔層4を有さない面、即
ち支持体2の他面は、加熱貼着可能に構成される。例え
ば、(イ)支持体自身が加熱により貼着可能な支持体5
を使用する、(ロ)支持体裏面に熱可塑性樹脂層6を設
ける、または(ハ)支持体裏面に感熱接着剤層7を設け
るといった構成がある。
【0045】(イ)支持体自身が加熱により貼着可能な
支持体を使用する場合、例えば、熱可塑性樹脂からなる
フィルムが支持体として使用できる。例えば、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ナイロン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のフィルムが使用できる。インク受容層面
上の微細孔層4が多層構造の高分子微粒子で形成されて
いる場合、内殻を形成する樹脂の最低造膜温度が、熱可
塑性樹脂フィルムの融点よりも高いことが好ましく、1
0℃以上高いことがより好ましい。インク受容層面上の
微細孔層4が二種類以上の高分子微粒子で形成されてい
る場合、最も高い最低造膜温度を有する高分子微粒子の
最低造膜温度が、温度熱可塑性樹脂フィルムの融点より
も高いことが好ましく、10℃以上高いことがより好ま
しい。因みに、最低造膜温度と熱可塑性樹脂フィルムを
形成する樹脂の融点の差が10℃未満になると、インク
ジェット記録用貼着シートと被着体を加熱圧着して貼り
合わせる際に、加熱は微細孔層側から行うと、発熱体か
ら遠い熱可塑性樹脂フィルムを短時間で溶融できる温度
で貼り合わせ操作をした場合、加熱温度がインク受容層
面上の微細孔層の高分子微粒子の最低造膜温度以上にな
ってしまう為、微細孔層が非孔質化(造膜)して無孔質
な層となり、インクジェット法による記録が不可能にな
る等の欠点を生じるおそれがある。なお、差が20℃以
上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ま
しく、60℃以上高いことが更に好ましい。
【0046】(ロ)支持体裏面に熱可塑性樹脂層6を設
ける場合、特に支持体について限定するものではない。
支持体の裏面に熱可塑性樹脂をラミネートすることによ
り熱可塑性樹脂層を形成することができる。熱可塑性樹
脂としては、例えばポリエチレン(低密度、中密度、高
密度)、ポリプロピレン、ポリトリメチルペンテン、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリブテン、ポリアミド、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体を挙げることができる。これらは単独あるいは2
種以上を混合して用いることができる。この場合、溶融
押し出しダイ、Tダイ、あるいは多層同時押し出しダイ
等を用いてラミネートをするとよい。また、熱可塑性樹
脂層は、インク受容層を設ける支持体面の反対面上に、
熱可塑性樹脂から成るラテックス等の樹脂微粒子分散液
を塗工することによって形成することもできる。支持体
上に熱可塑性樹脂層を形成させるには、バーコーター、
ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコータ
ー、グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコータ
ー、スクリーン印刷等を用いることができる。
【0047】インク受容層面上の微細孔層4が多層構造
の高分子微粒子で形成されている場合、内殻を形成する
樹脂の最低造膜が、温度熱可塑性樹脂の融点よりも高い
ことが好ましく、10℃以上高いことがより好ましい。
インク受容層面上の微細孔層4が二種類以上の高分子微
粒子で形成されている場合、最も高い最低造膜温度を有
する高分子微粒子の最低造膜温度が、熱可塑性樹脂の融
点よりも高いことが好ましく、10℃以上高いことがよ
り好ましい。因みに、最低造膜温度と熱可塑性樹脂の融
点の差が10℃未満になると、インクジェット記録用貼
着シートと被着体を加熱圧着して貼り合わせる際に、加
熱は微細孔層側から行うと、発熱体から遠い熱可塑性樹
脂層を短時間で溶融できる温度で貼り合わせ操作をした
場合、加熱温度がインク受容層面上の微細孔層の高分子
微粒子の最低造膜温度以上になってしまう為、微細孔層
が非孔質化(造膜)して無孔質な層となり、インクジェ
ット法による記録が不可能になる等の欠点を生じるおそ
れがある。なお、20℃以上高いことがより好ましく、
30℃以上高いことが更に好ましく、60℃以上高いこ
とが特に好ましい。熱可塑性樹脂のラミネート量或いは
塗工量は、インクジェット記録用貼着シートとICカー
ド、磁気カード、樹脂板、フィルム、および紙等の被着
体との接着強度を充分にするために2〜50g/m
塗工層が好ましい。熱可塑性樹脂の塗工量が2g/m
より少ないと接着強度が充分でないため好ましくない。
熱可塑性樹脂の塗工量の上限は本来ないが、50g/m
を超えても接着強度の向上はないため非経済的であ
る。
【0048】(ハ)支持体裏面に感熱接着剤層7を設け
る場合、特に支持体について限定するものではない。支
持体の裏面には、樹脂成分に粘着付与剤とワックス成分
等を配合したヒートシール接着剤層や、樹脂成分に粘着
付与剤と固体可塑剤等を配合したディレードタック層な
どの、公知の感熱接着剤層を形成するとよい。インク受
容層面上の微細孔層4が多層構造の高分子微粒子で形成
されている場合、内殻を形成する樹脂の最低造膜温度
が、感熱接着剤層の軟化点よりも高いことが好ましく、
10℃以上高いことがより好ましい。インク受容層面上
の微細孔層4が二種類以上の高分子微粒子で形成されて
いる場合、最も高い最低造膜温度を有する高分子微粒子
の最低造膜温度が、感熱接着剤層の軟化点よりも高いこ
とが好ましく、10℃以上高いことがより好ましい。因
みに、最低造膜温度と感熱接着剤層の軟化点の差が10
℃未満になると、インクジェット記録用貼着シートと被
着体を加熱圧着して貼り合わせる際に、加熱は微細孔層
側から行うと、発熱体から遠い感熱接着剤層を短時間で
軟化できる温度で貼り合わせ操作をした場合、加熱温度
がインク受容層面上の微細孔層の高分子微粒子の最低造
膜温度以上になってしまう為、微細孔層が非孔質化(造
膜)して無孔質な層となり、インクジェット法による記
録が不可能になる等の欠点を生じるおそれがある。な
お、20℃以上高いことがより好ましく、30℃以上高
いことが更に好ましく、60℃以上高いことが特に好ま
しい。
【0049】本発明でいうインク受容層としては、公知
のインクジェット記録用シートの受容層が使用できる。
一般的には、(A)無機顔料を主成分として含んでいる
インク受容層と、(B)水溶性高分子を主として含んで
いるインク受容層に大別される。
【0050】(A)無機顔料を主成分として含むインク
受容層の場合、無機顔料としては、例えば、ゼオライ
ト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ
土、焼成クレー、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、コロイダルシリカ、非晶質シリカ、水酸化アルミニ
ウム、コロイダルアルミナ、アルミナ、アルミナ水和物
等の一般塗工紙のコート剤に使用されている無機顔料を
挙げることができる。より好ましい無機顔料として、コ
ロイダルシリカ、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、
アルミナ、アルミナ水和物を挙げることができる。これ
らは単独あるいは2種以上を混合して用いることができ
る。インク受容層に使用される無機顔料の粒子径とし
て、特に制約はない。インク受容層の透明性が高いほ
ど、色濃度の高い印字のインクジェット記録物および解
像性が優れたインクジェット記録物が得られるので、無
機顔料粒子径は500nm以下程度が好ましい。
【0051】インク受容層には、支持体面上に安定して
固着させるため、無機顔料と共に接着剤を併用する。接
着剤として、例えば酸化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉
誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチ
ン、大豆タンパク、完全ケン化ポリビニルアルコール、
部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル
基変性ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン
酸共重合体の塩、スチレン−ブタジエン系ラテックス、
アクリル系ラテックス、ポリエステルポリウレタン系ラ
テックス、酢酸ビニル系ラテックス等の水性接着剤、或
いはポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリ
マー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の有機
溶剤可溶性樹脂等が挙げられる。これらは単独あるいは
2種以上を混合して用いられる。これらの接着剤は、無
機顔料100質量部に対して1〜80質量部程度、好ま
しくは5〜50質量部程度の範囲で使用される。
【0052】インク受容層中には、印字記録部の耐水性
を向上させる目的で、カチオン性樹脂を配合することが
できる。インク受容層に使用し得るカチオン性樹脂とし
ては、例えば、ポリジアリルアミン塩酸塩、ジアリルア
ミン塩酸塩−アクリルアミド共重合物、ジアリルアミン
塩酸塩−二酸化イオウ共重合物、ポリジアリルジメチル
アンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライド−アクリルアミド共重合物、ジアリルジメ
チルアンモニウムクロライド−二酸化イオウ共重合物、
ポリアリルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩−ジアリ
ルアミン塩酸塩共重合体、N−ビニルアクリルアミジン
塩酸塩−アクリルアミド共重合体、エピクロロヒドリン
−ジアルキルアミン付加重合物、ポリアミドポリアミン
エピクロロヒドリン重合物、ジシアンジアミド−ホルマ
リン重縮合物、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン
重縮合物、ポリエチレンイミン塩酸塩、ポリ(メタ)ア
クリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムク
ロライド、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルト
リアルキルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共
重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルトリアル
キルアンモニウムクロライド、ポリ(メタ)アクリルア
ミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド−ア
クリルアミド共重合体等が挙げられる。これらは単独あ
るいは2種以上を混合して用いられる。
【0053】カチオン性樹脂の含有量は、無機顔料10
0質量部に対して1〜50質量部、好ましくは5〜30
質量部の範囲で調節される。配合量が少ないと印字耐水
性、印字濃度等向上の効果が得られにくく、多いと逆に
印字濃度が低下したり、画像のにじみが発生しやすい。
なお、インクジェットプリンターで記録後、微細孔層を
非孔質化して記録物を得る場合で、支持体および被着体
がプラスチックフィルム類や樹脂板類のような水を透さ
ない材質の場合は、耐水性が優れた構造なので、必ずし
もインク受容層中にカチオン性樹脂を添加する必要はな
い。なお、無機顔料がコロイダルシリカ、非晶質シリカ
等の表面がアニオン性であり、且つ液体インク中の染料
がアニオン性である場合には、無機顔料、接着剤の他に
カチオン性樹脂を配合してインク受容層を形成すること
が好ましい。顔料表面がカチオン性を呈するアルミナ水
和物等の場合には、カチオン性樹脂をインク受容層中に
配合することは不要である。
【0054】更に、インク受容層中には、顔料分散剤、
増粘剤、架橋剤、流動性変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白
剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、HALS等の光安定
化剤、紫外線吸収剤等を適宜添加することもできる。
【0055】(B)水溶性高分子を主成分として含んで
いるインク受容層の場合、水溶性高分子としては、例え
ばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、部
分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ケイ素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル
基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらは
単独あるいは2種以上を混合して用いられる。このイン
ク受容層の場合でも、無機顔料を主成分とするインク受
容層の場合と同様に、インク受容層中にカチオン性樹
脂、増粘剤、架橋剤、流動性変性剤、消泡剤、抑泡剤、
浸透剤、蛍光増白剤、防腐剤、防バイ剤、HALS等の光安
定化剤、紫外線吸収剤等を適宜添加することもできる。
また、支障の無い程度にコロイダルシリカ、非晶質シリ
カ、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物等
の無機顔料を少量添加することもできる。なお、カチオ
ン性樹脂を配合してインク受容層を形成することが好ま
しい。
【0056】インク受容層は、通常、インク受容層用塗
工液をバーコーター、ブレードコーター、エアナイフコ
ーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコー
ター、カーテンコーター、スプレーコーター、スクリー
ン印刷等の塗工方式で支持体上の少なくとも片面に乾燥
後の塗布量が2〜50g/m 程度となるように塗布
乾燥して形成される。因みに、塗布量が2g/m
り少ないと記録画質が低下し、また50g/mより多
くても記録画像の効果向上は特にないため非経済的であ
る。好ましい塗布量は5〜30g/m 程度である。
インク受容層は、複数層重ねて形成することもできる。
【0057】また、インク受容層上に光沢発現層を設け
てキャスト処理したり、あるいはインク受容層を直接キ
ャスト処理することにより、さらに表面光沢度の高いイ
ンクジェット記録用貼着シートとすることもできる。キ
ャスト処理の方法としては、ウェット法、ゲル化法およ
びリウェット法がある。ウェット法は、基紙上に塗工し
た光沢発現層が湿潤状態にあるうちに該光沢発現層を加
熱された鏡面ドラム面に圧接して強光沢仕上げを行うも
のである。ゲル化法は、基紙上に塗工した光沢発現層が
湿潤状態にあるうちにこの光沢発現層をゲル化剤浴に接
触させ、ゲル化状態にした光沢発現層を加熱ドラム面に
圧接して強光沢仕上げを行うものである。リウェット法
は、湿潤状態の光沢発現層を一旦乾燥してから再度湿潤
液に接触させた後、加熱ドラム面に圧接して強光沢仕上
げを行うものである。この場合、本発明では、光沢発現
層上に微細孔層を形成することになる。
【0058】その他、インク受容層形成後、高光沢を付
与する等の目的のために、例えばスーパーカレンダー、
グロスカレンダーなどで加圧下のロールニップ間を通し
て表面の平滑性を与えることも勿論可能である。また、
支持体の裏面に保護層を設けたり、支持体と記録層の間
に中間層(例えば顔料と接着剤を含む層)を設けること
ももちろん可能で、インクジェット記録用シートの製造
分野における各種の公知技術が付加し得るものである。
【0059】記録画像を形成するための液体インクと
は、染料、有色顔料等の着色剤、および水、水・有機溶
媒混合液、有機溶媒等の液媒体、およびその他の添加剤
からなる記録液体である。染料系着色剤としては水溶性
あるいは油溶性である直接染料、酸性染料、反応性染料
等の各種水溶性染料が挙げられる。有色顔料系着色剤と
して、特開平4−234467号公報、同6−1008
10号公報、同9−123593号公報等に例示されて
いる。
【0060】水性インクの液媒体としては、水単独、あ
るいは水および水溶性有機溶剤の併用がある。水溶性有
機溶剤としては、例えばエチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル等が挙げられる。油溶性染料を溶解させる有機溶媒と
して、前記したエチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等の一価アルコール、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル等が挙げ
られる。さらに添加剤としては、例えばpH調整剤、金
属封鎖剤、防ばい剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、界
面活性剤、および防錆剤等が挙げられる。
【0061】
【実施例】以下に、実施例を示し、本発明をより具体的
に説明するが、もちろんこれらに限定されるものではな
い。また、特に断らない限り例中の部および%はそれぞ
れ質量部および質量%を示す。
【0062】実施例1 (シリカゾルの調製)平均粒子径3μmの合成非晶質シ
リカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、H
D−2、一次粒子:11nm)の固形分濃度10%水分
散液を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した
後、圧力式ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、2次粒
子の平均粒子径が100nmになるまでサンドグライン
ダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返
し、固形分濃度10%のシリカゾルを作成した。尚、分
散体粒径測定法は、TEM(透過型電子顕微鏡、H−3
00,日立製作所社製)により観察した。分散体を0.
5%に薄めた後、コロジオン膜上に滴下し、風乾した
後、観察に用いた。電顕写真倍率:2万倍、5万倍、1
0万倍より選択した。
【0063】(インク受容層用塗工液の調製)前記シリ
カゾル固形分100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H、重合度:350
0,ケン化度:99%以上)固形分26部、カチオン樹
脂としてジアリルジメチルアンモニウムクロライド−ア
クリルアミド共重合物(日東紡績社製、商品名:PAS
−J−81)固形分20部を添加した。続いて、この液
をサンドグラインダーと圧力式ホモジナイザーにより分
散液の平均粒径を250nmとなるように粉砕分散し1
0%のインク受容層用塗工液を調製した。
【0064】(インク受容層の作製)厚さ40μmの市
販PETフィルムにインク受容層用塗工液を固形分で1
0g/m2 となるようにワイヤーバーにて塗布乾燥して
インク受容層を設けた後、スーパーカレンダー処理し
た。
【0065】(多層構造高分子微粒子分散液の調整)脱
イオン水150部、レベノールWZ(花王製)4.0部
から成る水溶液を窒素気流下、攪拌機、コンデンサーを
備えた反応容器中で80℃に加熱した後、0.4%の過
硫酸アンモニウム水溶液3.2部を添加し、80℃にお
いて10分間攪拌後、スチレン20部、メタクリル酸メ
チル24.5部、およびアクリル酸0.5部の混合モノ
マーを3時間で攪拌下滴下する。滴下終了後30分間8
0℃で攪拌継続後、0.4%の過硫酸アンモニウム水溶
液0.8部を添加する。10分間攪拌後、アクリル酸メ
チル4.5部、およびアクリル酸0.5部の混合モノマ
ーを80℃、30分間で滴下する。滴下終了後80℃、
2時間攪拌継続し、粒子径0.30μm、固形分濃度2
5%の多層構造高分子微粒子分散液(全多層構造高分子
微粒子質量に対する外殻層樹脂の質量割合:10%)を
得た。得られた各多層構造高分子微粒子の外殻と内殻の
樹脂の最低造膜温度は、外殻の樹脂および内殻の樹脂だ
けから成る高分子微粒子を別途重合し、温度傾斜板法に
より測定したところ、外殻と内殻の樹脂の最低造膜温度
は、それぞれ12℃、100℃であった。
【0066】(微細孔層の形成)インク受容層の上に、
上記多層構造高分子微粒子分散液を、ダイコーターを用
いて塗布し、60℃で乾燥して、厚さ4μmの微細孔層
を形成した。
【0067】(熱可塑性樹脂層およびインクジェット記
録用貼着シートの作製)インク受容層を形成してあるP
ETフィルム面の反対側の面に、溶融押し出しダイでエ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー株式会社製、商
品名:ウルトラセン725(融点62℃)]を塗工量が
15g/mとなるように押し出し、熱可塑性樹脂層を
形成し、インクジェット記録用貼着シートを作製した
(図2)。
【0068】(カード状インクジェット記録体の作製)
その後、インクジェット記録用貼付シートを3cm×4
cmのサイズに切断し、熱可塑性樹脂層の表面がICカ
ードに重なるように置き、85℃に加熱したゴムローラ
で熱圧着することによって、図7に示すカード状インク
ジェット記録体を作製した。
【0069】(カード状インクジェット記録物の作製)
得られたカード状インクジェット記録体に、インクジェ
ットプリンタ(エプソン製、PM−800C)を用いて
印字し、その後、120℃に加熱したゴムローラでカー
ド状インクジェット記録体を熱圧着することによって、
インク受容層上の微細孔層を非孔質化(造膜)させたカ
ード状インクジェット記録物を得た。
【0070】実施例2 (インク受容層の作製)厚さ40μmの市販PETフィ
ルムに実施例1で調製したインク受容層用塗工液を固形
分で12g/m2 となるようにワイヤーバーにて塗布乾
燥してインク受容層を設けた。
【0071】(高分子微粒子分散液の作成)スチレン/
メタクリル系微粒子[クラリアントポリマー株式会社
製、商品名:モビニール972(最低造膜温度115
℃、平均粒子径0.2μm)]固形分100gとアクリ
ル系微粒子[ローム・アンド・ハース社製、商品名:プ
ライマルAC−61(最低造膜温度18℃、粒子径0.
1μm)]固形分5gにより、固形分濃度25%の高分
子微粒子分散液を調製した。
【0072】(微細孔層の形成)インク受容層の上に、
上記高分子微粒子分散液を、ダイコーターを用いて塗布
し、60℃で乾燥して、厚さ4μmの微細孔層を形成し
た。
【0073】(熱可塑性樹脂層およびインクジェット記
録用貼着シートの作製)インク受容層を形成してあるP
ETフィルム面の反対側の面に、溶融押し出しダイでエ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー株式会社製、商
品名:ウルトラセン710(融点71℃)]を塗工量が
15g/mとなるように押し出し、熱可塑性樹脂層を
形成し、インクジェット記録用貼着シートを作製した。
【0074】(カード状インクジェット記録体の作製)
その後、インクジェット記録用貼着シートを3cm×4
cmのサイズに切断し、熱可塑性樹脂層の表面がICカ
ードに重なるように置き、90℃に加熱したゴムローラ
で熱圧着することによってすカード状インクジェット記
録体を作製した。
【0075】(カード状インクジェット記録物の作製)
得られたカード状インクジェット記録体に、インクジェ
ットプリンタ(エプソン製、PM−800C)を用いて
印字し、その後、140℃に加熱したゴムローラでカー
ド状インクジェット記録体を熱圧着することによって、
インク受容層上の微細孔層を非孔質化(造膜)させたカ
ード状インクジェット記録物を得た。
【0076】実施例3 (インク受容層の作製)厚さ40μmの市販PETフィ
ルムに上に実施例1で調製したインク受容層用塗工液の
塗工量が固形分で10g/m となるように、またイ
ンク受容層の表面サイズが3cm×4cm、隣り合うイ
ンク受容層表面の間隔は全て1cmになるように、グラ
ビアコーターにて塗工乾燥して、インク受容層を設け
た。
【0077】(微細孔層の形成)インク受容層が形成さ
れたPETフィルムのインク受容層側の全面上に、実施
例1で調整した多層構造高分子微粒子分散液を、ダイコ
ーターを用いて塗布し、60℃で乾燥して、厚さ4μm
の微細孔層を形成した。
【0078】(熱可塑性樹脂層および連続シート状イン
クジェット記録用貼着シートの作製)インク受容層を形
成してあるPETフィルムの反対側の面に、溶融押し出
しダイでエチレン酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー株式
会社製、商品名:ウルトラセン725(融点62℃)]
を塗工量が15g/mとなるように押し出し、熱可塑
性樹脂層を形成し、図9及び図10に示す連続シート状
のインクジェット記録用貼着シートを作製した。
【0079】(連続テープ状インクジェット記録用貼着
シートの作製)その後、このインクジェット記録用貼着
シートを、流れ方向の隣り合うインク受容層の中間で、
切断することにより、図11に示すテープ状のインクジ
ェット記録用貼着シートを作製した。
【0080】(インクジェット記録用貼着シートの作
製)次いで、このインクジェット記録用貼着シートを、
隣り合うインク受容層の中間で、切断することにより、
図4及び図5に示すインクジェット記録用貼着シートを
作製した。このインクジェット記録用貼着シートは表面
サイズが3cm×4cmであるインク受容層3の面上に
微細孔層4を有し、且つ表面サイズが3cm×4cmで
あるインク受容層3の周囲に5mm幅の微細孔層4を有
する構成であった。
【0081】(カード状インクジェット記録体の作製)
このインクジェット記録用貼着シートの熱可塑性樹脂層
表面がICカードに重なるように置き、90℃に加熱し
たゴムローラで熱圧着することによって、図12及び図
13に示すカード状インクジェット記録体を作製した。
【0082】(カード状インクジェット記録物の作製)
得られたカード状インクジェット記録体に、インクジェ
ットプリンタ(エプソン製、PM−800C)を用いて
印字し、その後、120℃に加熱したゴムローラでカー
ド状インクジェット記録体を熱圧着することによって、
インク受容層上の微細孔層を非孔質化(造膜)させたカ
ード状インクジェット記録物を得た。
【0083】実施例4 (インク受容層の作製)支持体として、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体[東ソー株式会社製、商品名:ウルトラセ
ン635(融点79℃)]からなる厚さ40μmの熱可
塑性樹脂フィルムを用い、その上に実施例1で調製した
インク受容層用塗工液の塗工量が固形分で10g/m
となるように、またインク受容層の表面サイズが3c
m×4cm、隣り合うインク受容層表面の間隔は全て1
cmになるように、グラビアコーターにて塗工乾燥し
て、インク受容層を設けた。
【0084】(微細孔層の形成および連続シート状イン
クジェット記録用貼着シートの作製)インク受容層が形
成された熱可塑性樹脂フィルムのインク受容層側の全面
上に、実施例2で調整した高分子微粒子分散液を、ダイ
コーターを用いて塗布し、60℃で乾燥して、厚さ4μ
mの微細孔層を形成し、図14及び図15に示す連続シ
ート状のインクジェット記録用貼着シートを作製した。
【0085】(連続テープ状インクジェット記録用貼着
シートの作製)その後、インクジェット記録用貼着シー
トを、ロールの流れ方向の隣り合うインク受容層の中間
で、切断することにより、図16に示すテープ状のイン
クジェット記録用貼着シートを作製した。
【0086】(インクジェット記録用貼着シートの作
製)その後、インクジェット記録用貼着シートを、隣り
合うインク受容層の中間で、切断することにより、図1
7及び図18に示すインクジェット記録用貼着シートを
作製した。このインクジェット記録用貼着シートは表面
サイズが3cm×4cmであるインク受容層3の面上に
微細孔層4を有し、且つ表面サイズが3cm×4cmで
あるインク受容層3の周囲に5mm幅の微細孔層4を有
する構成であった。
【0087】(カード状インクジェット記録体の作製)
このインクジェット記録用貼着シートの熱可塑性樹脂フ
ィルム面がICカードに重なるように置き、90℃に加
熱したゴムローラで熱圧着することによって、図19及
び図20に示すカード状インクジェット記録体を作製し
た。
【0088】(カード状インクジェット記録物の作製)
得られたカード状インクジェット記録体に、インクジェ
ットプリンタ(エプソン製、PM−800C)を用いて
印字し、その後、140℃に加熱したゴムローラでカー
ド状インクジェット記録体を熱圧着することによって、
インク受容層上の微細孔層を非孔質化(造膜)させたカ
ード状インクジェット記録物を得た。
【0089】比較例1 (インク受容層の作製)厚さ40μmの市販PETフィ
ルムに実施例1で調製したインク受容層用塗工液を固形
分で10g/m2 となるようにワイヤーバーにて塗布乾
燥してインク受容層を設けた。
【0090】(熱可塑性樹脂層およびインクジェット記
録用貼着シートの作製)インク受容層を形成してあるP
ETフィルム面の反対側の面に、溶融押し出しダイでエ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー株式会社製、商
品名:ウルトラセン725(融点62℃)]を塗工量が
15g/mとなるように押し出し、熱可塑性樹脂層を
形成し、インクジェット記録用貼着シートを作製した。
なお、このインクジェット記録用貼着シートは、微細孔
層を有さない。
【0091】(カード状インクジェット記録体の作製)
その後、インクジェット記録用貼着シートを3cm×4
cmのサイズに切断し、熱可塑性樹脂層表面がICカー
ドに重なるように置き、130℃に加熱したゴムローラ
で熱圧着することによって、カード状インクジェット記
録体を作製した。
【0092】(カード状インクジェット記録物の作製)
得られたカード状インクジェット記録体に、インクジェ
ットプリンタ(エプソン製、PM−800C)を用いて
印字して、カード状インクジェット記録物を得た。
【0093】比較例2 (インク受容層の作製)厚さ40μmの市販PETフィ
ルムに実施例1で調製したインク受容層用塗工液を固形
分で10g/m2 となるようにワイヤーバーにて塗布乾
燥してインク受容層を設けた。
【0094】(微細孔層の形成)インク受容層の上に、
実施例1で調製した多層構造高分子微粒子分散液を、ダ
イコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥して、厚さ4
μmの微細孔層を形成した。
【0095】(熱可塑性樹脂層およびインクジェット記
録用貼着シートの作製)インク受容層を形成してあるP
ETフィルム面の反対側の面に、溶融押し出しダイでエ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー株式会社製、商
品名:ペトロセン360(融点108℃)]を塗工量が
15g/mとなるように押し出し、熱可塑性樹脂層を
形成し、インクジェット記録用貼着シートを作製した。
【0096】(カード状インクジェット記録体の作製)
その後、インクジェット記録用貼着シートを3cm×4
cmのサイズに切断し、熱可塑性樹脂層表面がICカー
ドに重なるように置き、130℃に加熱したゴムローラ
で熱圧着することによって、カード状インクジェット記
録体を作製した。
【0097】(カード状インクジェット記録物の作製)
得られたカード状インクジェット記録体に、インクジェ
ットプリンタ(エプソン製、PM−800C)を用いて
印字したが、微細孔層が造膜していたため、印字できな
かった。
【0098】比較例3 (インク受容層の作製)厚さ40μmの市販PETフィ
ルムに実施例1で調製したインク受容層用塗工液を固形
分で10g/m2 となるようにワイヤーバーにて塗布乾
燥してインク受容層を設けた。
【0099】(微細孔層の形成)インク受容層の上に、
実施例1で調製した多層構造高分子微粒子分散液を、ダ
イコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥して、厚さ4
μmの微細孔層を形成した。
【0100】(熱可塑性樹脂層およびインクジェット記
録用貼着シートの作製)インク受容層を形成してあるP
ETフィルム面の反対側の面に、溶融押し出しダイでエ
チレン酢酸ビニル共重合体樹脂[東ソー株式会社製、商
品名:ペトロセン360(融点108℃)]を塗工量が
15g/mとなるように押し出し、熱可塑性樹脂層を
形成し、インクジェット記録用貼着シートを作製した。
【0101】(カード状インクジェット記録体の作製)
その後、インクジェット記録用貼着シートを3cm×4
cmのサイズに切断し、熱可塑性樹脂層表面がICカー
ドに重なるように置き、85℃に加熱したゴムローラで
熱圧着したが、インクジェット記録用貼着シートとIC
カードを一体化することができないため、カード状イン
クジェット記録体を作製することができなかった。
【0102】得られたインクジェット記録物について、
下記の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0103】〔耐擦傷性〕インクジェットプリンターで
印字された記録画像が視認できるICカード表面を砂消
しゴムで約20Nの荷重で50往復擦り、表面の状態を
判定した。 (評価基準) ○:殆ど傷がつかず、記録画像に殆ど変化がない ×:削れて、記録画像が消失する
【0104】〔耐水性〕インクジェットプリンターで印
字された記録画像が視認できるICカードを水に2時間
浸漬し、記録画像の状態を判定した。 (評価基準) ○:記録画像に変化が全くない △:記録画像の周囲の一部分が水によってやや滲む ×:記録画像全体が水によってやや滲む
【0105】〔耐汚染性〕 (評価基準)インクジェットプリンターで印字された記
録画像が視認できるICカードを市販赤インク[(株)
パイロット製]の希釈水溶液(10%)に10分間浸漬
し、記録画像の状態を判定した。 ○:記録画像に変化が全くない △:記録画像の周囲の一部分が赤く着色し汚染された。 ×:記録画像が赤く着色し汚染された。
【0106】
【表1】
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、画像の解像性、インク
吸収性が優れ、且つ耐擦傷性、耐水性、耐汚染性が優れ
るインクジェット記録物を得ることが可能である。ま
た、インク受容層および微細孔層を別の支持体に一旦形
成した貼着シートを採用するので、連続して塗工でき、
カード基板などの剛直なプラスチック板にもインク受容
層を形成することができる。更に、実施例3や4の構成
を採用すると、インク受容層およびインク受容層面の端
部を含めてインク受容層を保護する微細孔層を形成する
と、端部からの水や汚れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様のインクジェット記録用貼
着シートを説明する断面図である。
【図2】本発明の他の実施態様のインクジェット記録用
貼着シートを説明する断面図である。
【図3】本発明の他の実施態様のインクジェット記録用
貼着シートを説明する断面図である。
【図4】本発明の他の実施態様のインクジェット記録用
貼着シートを説明する、インク受容層を有する面から表
した表面図である。
【図5】図4のA−A線における断面を説明する断面図
である。
【図6】図1のインクジェット記録用貼着シートを被着
体に貼付したインクジェット記録体を説明する断面図で
ある。
【図7】図2のインクジェット記録用貼着シートを被着
体に貼付したインクジェット記録体を説明する断面図で
ある。
【図8】図3のインクジェット記録用貼着シートを被着
体に貼付したインクジェット記録体を説明する断面図で
ある。
【図9】本発明の他の実施態様のインクジェット記録用
貼付シートを説明する、インク受容層を有する面から表
した表面図である。
【図10】図9のB−B線における断面を説明する断面
図である。
【図11】本発明の他の実施態様のインクジェット記録
用貼付シートを説明する、インク受容層を有する面から
表した表面図である。
【図12】図4および図5のインクジェット記録用貼着
シートを被着体に貼付したインクジェット記録体を説明
する、インク受容層を有する面から表した表面図であ
る。
【図13】図12のC−C線における断面を説明する断
面図である。
【図14】本発明の他の実施態様のインクジェット記録
用貼付シートを説明する、インク受容層を有する面から
表した表面図である。
【図15】図14のD−D線における断面を説明する断
面図である。
【図16】本発明の他の実施態様のインクジェット記録
用貼付シートを説明する、インク受容層を有する面から
表した表面図である。
【図17】本発明の他の実施態様のインクジェット記録
用貼着シートを説明する、インク受容層を有する面から
表した表面図である。
【図18】図17のE−E線における断面を説明する断
面図である。
【図19】図17および図18のインクジェット記録用
貼着シートを被着体に貼付したインクジェット記録体を
説明する、インク受容層を有する面から表した表面図で
ある。
【図20】図19のF−F線における断面を説明する断
面図である。
【符号の説明】
1:インクジェット記録用貼着シート 2:支持体 3:インク受容層 4:微細孔層 5:熱接着可能な支持体 6:接着用熱可塑性樹脂層 7:感熱接着剤層 8:連続状インクジェット記録貼着シート 11:インクジェット記録体 12:被着体(ICカード)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の片面側は、少なくとも一部分にイ
    ンク受容層と、少なくとも該インク受容層上に高分子微
    粒子を含む微細孔層を有し、他面側は加熱することによ
    り被着体に貼着可能に構成されたインクジェット記録用
    貼着シートであって、被着体に加熱貼着後、インクジェ
    ット記録法により記録を行い、次いで加熱処理すること
    により微細孔層を非孔質化することができることを特徴
    とするインクジェット記録用貼着シート。
  2. 【請求項2】支持体の片面側は、少なくとも一部分にイ
    ンク受容層と、少なくとも該インク受容層上に高分子微
    粒子を含む微細孔層を有し、他面側は加熱することによ
    り被着体に貼着可能に構成されたインクジェット記録用
    貼着シートであって、他面側の貼着可能となる加熱温度
    よりも、微細孔層の非孔質化開始する温度が高いことを
    特徴とするインクジェット記録用貼着シート。
  3. 【請求項3】加熱することにより被着体に貼着可能な構
    成が、支持体自身が熱可塑性樹脂であり加熱により貼着
    可能となるもの、支持体に熱可塑性樹脂層を有し加熱に
    より貼着可能となるもの、および支持体に感熱接着剤層
    を有し加熱により貼着可能となるもの、から選ばれる一
    つである請求項1又は2記載のインクジェット記録用貼
    着シート。
  4. 【請求項4】微細孔層が、外殻を形成する樹脂の最低造
    膜温度よりも内殻を形成する樹脂の最低造膜温度の方が
    高い多層構造の高分子微粒子を有する塗工液を、少なく
    ともインク受容層上に塗工し、該高分子微粒子の外殻を
    形成する樹脂の最低造膜温度以上、且つ内殻を形成する
    樹脂の最低造膜温度未満の温度で乾燥させて得られた微
    細孔層であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載のインクジェット記録用貼着シート。
  5. 【請求項5】微細孔層が、異なった最低造膜温度を有す
    る二種類以上の高分子微粒子を混合した塗工液を、少な
    くともインク受容層上に塗工し、少なくとも最低造膜温
    度の最も低い高分子微粒子は造膜し、少なくとも最も高
    い最低造膜温度の高分子微粒子は造膜しない条件で乾燥
    させることにより得られた微細孔層であることを特徴と
    する請求項1〜3の何れか1項に記載のインクジェット
    記録用貼着シート。
  6. 【請求項6】請求項1〜5の何れか一項に記載のインク
    ジェット記録用貼着シートを被着体に、微細孔層が非孔
    質化しない温度で加熱貼着したインクジェット記録体。
  7. 【請求項7】被着体がプラスチック板である請求項6記
    載のインクジェット記録体。
  8. 【請求項8】請求項6又は7に記載のインクジェット記
    録体に、インクジェットプリンターで記録を行った後、
    該微細孔層が非孔質化する温度以上の温度で加熱したイ
    ンクジェット記録物。
  9. 【請求項9】インクジェット記録物がカード状記録物で
    ある請求項8記載のインクジェット記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013175146A (ja) * 2011-04-28 2013-09-05 Ricoh Co Ltd 筆記装置及びデータ入力システム
JP2013175148A (ja) * 2011-04-28 2013-09-05 Ricoh Co Ltd 情報管理システム、筆記装置及び情報処理装置

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