以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
[自動取引装置の外観構成]
まず、図1に基づいて、自動取引装置10の外観構成を説明する。自動取引装置10は、各種の金融機関等に設置されるものであり、その外観構成として、筐体11と、カード入出口12と、通帳入出口13と、紙幣入出口14と、硬貨入出口15と、接客部16と、接近検出センサ17とを備える。
筐体11は、自動取引装置10の内部構成、例えば映像取得部20やカード処理部40等を内蔵する。カード入出口12は、取引用キャッシュカード(以下、単に「カード」とも称する)が投入または返却される部分である。通帳入出口13は、通帳が投入または返却される部分である。紙幣入出口14は、紙幣が投入または返却される部分であり、硬貨入出口15は、硬貨が投入または返却される部分である。
接客部16は、タッチパネル付きのディスプレイであり、取引の進行に応じた画面(例えば、図4に示す顧客待ち画面)を表示する。ユーザは、所望のボタン(例えば、所望の取引が描かれたボタン)に触れることで、各種の入力操作(指示操作)を行うことができる。接客部16は、指示操作の内容に関する操作情報を制御部110に出力する。接近検出センサ17は、自動取引装置10に人が接近したことを検知する。
[自動取引装置の内部構成]
次に、図2に基づいて、自動取引装置10の内部構成を説明する。自動取引装置10は、その内部構成として、映像取得部20と、通帳処理部30と、カード処理部40と、明細票処理部50と、紙幣入出金部60と、硬貨入出金部70と、電源部80と、記憶部90と、インタフェース部95と、制御部110とを有する。なお、自動取引装置10は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、各種アクチュエータ、印字装置、デジタルカメラ、紙幣類の搬送路、金種別カセット等のハードウエア構成を有し、これらのハードウエア構成によって各機能ブロックが実現される。即ち、ROMには、上記の各機能ブロックを実現するためのプログラムが記録されており、CPUは、このプログラムをROMから読みだして実行する。さらに、自動取引装置10は、未使用通帳格納庫と、投入通帳格納庫とを有する。未使用通帳格納庫には、口座情報及びユーザ情報が記録されていない通帳、即ち未使用通帳が格納されている。一方、投入通帳格納庫には、ユーザが通帳入出口13に投入した通帳が格納される。
映像取得部20は、いわゆるデジタルカメラであり、筐体11の上部に配置されている。映像取得部20は、自動取引装置10を利用するユーザを撮影し、これにより得られた画像情報を制御部110に出力する。制御部110は、映像取得部20から与えられた画像情報からユーザの顔画像を抽出し、抽出した顔画像に基づいて各種の処理を行う。
通帳処理部30は、通帳入出口13から投入(挿入)された通帳に各種の処理(例えば、紙面への印字、通帳に付された電子記録媒体(磁気ストライプやICチップ等)から口座情報を読取る処理、記録媒体への書き込み、印字ページの検出、及び改ページ等)を行う。その後、通帳処理部30は、通帳を通帳入出口13から返却する。通帳処理部30は、通帳の新規発行も行うことができる。即ち、通帳処理部30は、未使用通帳格納庫から未使用通帳を取得し、未使用通帳に口座情報及びユーザ情報を書き込むことで、新規の通帳を作成する。通帳処理部30は、新規の通帳を通帳入出口13から排出する。
カード処理部40は、カード入出口12から挿入されたカードに対して各種の処理を行った後、カードをカード入出口12から返却する。明細票処理部50は、取引日、取引金額、及び残高等を所定の用紙に印字することで明細票を作成し、カード入出口12から排出する。
紙幣入出金部60は、紙幣入出口14から入金された紙幣の真贋を鑑別し、紙幣を計数し、金種別のカセットに搬送する。また、紙幣入出金部60は、ユーザに支払われる紙幣を金種別のカセットから繰り出し、紙幣入出口14から排出する。
硬貨入出金部70は、硬貨入出口15から入金された硬貨の真贋を鑑別し、硬貨を計数し、金種別のカセットに搬送する。また、硬貨入出金部70は、ユーザに支払われる硬貨を金種別のカセットから繰り出し、硬貨入出口15から排出する。
電源部80は、自動取引装置10の各構成要素に駆動電圧を供給する。記憶部90は、カード処理部40が取引用キャッシュカードから取得した情報や各種プログラム等を記憶する他、制御部110による作業領域としても使用される。インタフェース部95は、ホストコンピュータ600に接続されており、ホストコンピュータ600との間で情報のやりとりを行う。
制御部110は、自動取引装置10の各構成要素を制御する。また、制御部110は、各種の取引処理(例えば、通帳有無変更(通帳レス口座切替)取引処理、引き出し処理、残高照会処理等)を行なう。ここで、通帳有無変更取引処理は、通帳の有無に関する口座情報を変更する処理である。制御部110は、各種の入力操作(指示操作)を受け付ける。例えば、制御部110は、通帳の有無に関する口座情報の変更を指示する変更指示操作を受け付ける。ここで、変更指示操作は、通帳有り口座から通帳無し口座への変更を指示する第1の変更指示操作と、通帳無し口座から通帳有り口座への変更を指示する第2の変更指示操作とに区分される。
さらに、制御部110は、ユーザの通帳が通帳入出口13に投入されたか否かに関わらず、第1の変更指示操作を受け付ける。さらに、制御部110は、ユーザの通帳が通帳入出口13に投入された場合には、投入されたユーザの通帳を廃棄するか否かを指示する廃棄有無指示操作を受け付ける。廃棄有無指示操作は、通帳の廃棄を指示する廃棄有指示操作と、通帳の返却を指示する廃棄無指示操作とに区分される。
さらに、制御部110は、未記帳情報の取り扱いに関する未記帳取り扱い指示操作を受け付ける。未記帳取り扱い指示操作は、未記帳情報の廃棄を指示する未記帳廃棄指示操作と、未記帳情報の自宅への郵送を指示する未記帳郵送指示操作と、未記帳情報をホームページに掲載することを指示する未記帳掲載指示操作とに区分される。
さらに、制御部110は、ユーザの通帳が通帳入出口13に投入された後に、第2の変更指示操作を受け付けた場合には、投入されたユーザの通帳をユーザに返却することを指示する返却指示操作、または新規に通帳を発行することを指示する新規発行指示操作を受け付ける。
ホストコンピュータ600は、複数の自動取引装置10と接続されており、これらの自動取引装置10との間で通信を行なう。また、ホストコンピュータ600は、記憶装置610の管理も行なう。記憶装置610には、口座情報及びユーザ情報が関連付けられて記憶されている。口座情報には、口座名義人、支店名、口座番号、預金額(残高)、通帳の有無を示す通帳有無フラグ、暗証番号、及び未記帳情報が含まれる。ユーザ情報には、ユーザの氏名、自宅住所などの個人情報が含まれる。ホストコンピュータ600は、通帳有り口座の未記帳情報を口座情報の一部として記憶装置610に記憶する。
[自動取引装置による処理の手順]
次に、自動取引装置10による処理の手順を図3A〜図3Cに示すフローチャートに沿って説明する。ステップS10において、制御部110は、図4に示す顧客待ち画面を接客部16に表示する。顧客待ち画面には、各種の取引科目(「お引き出し」等)が記載された複数のタッチボタン100が描かれる。ここで、タッチボタン100には、「通帳レス口座への変更(切替)」ボタン100aも含まれる。
ステップS20において、制御部110は、「通帳レス口座への変更」ボタン100aがタッチされたか否かを判定する。制御部110は、「通帳レス口座への変更」ボタン100aがタッチされたと判定した場合には、ステップS40に進み、「通帳レス口座への変更」ボタン100a以外のタッチボタン100がタッチされたと判定した場合には、ステップS30に進む。
ステップS30において、制御部110は、タッチされたタッチボタン100に応じた取引、即ち通常取引を行なう。その後、制御部110は、処理を終了する。一方、制御部110は、ステップS40以降の処理を行うことで、通帳有無変更取引処理を行なう。
ステップS40において、制御部110は、変更指示操作を受け付ける。具体的には、制御部110は、図5に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、「新規申込み」ボタン100bと、「申込みの取消し」ボタン100cとが描かれる。ユーザは、「新規申込み」ボタン100bにタッチすることで、第1の変更指示操作、即ち通帳有り口座から通帳無し口座への変更を指示する操作を行う。一方、ユーザは、「申込みの取消し」ボタン100cにタッチすることで、第2の変更指示操作、即ち通帳無し口座から通帳有り口座への変更を指示する操作を行う。即ち、第2の変更指示操作は、通帳有り口座から通帳無し口座への変更を取消す操作となるが、実質的には、通帳無し口座から通帳有り口座への変更を指示する操作となる。
なお、制御部110は、第1の変更指示操作を受け付けた後であれば、第2の変更指示操作をいつでも受け付けることができる。したがって、ユーザは、通帳有り口座を通帳無し口座に変更した直後に第2の変更指示操作を行なってもよい。一方、ユーザは、通帳無し口座をしばらく利用した後、第2の変更指示操作を行なってもよい。
ステップS50において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報、即ち顧客選択情報を記憶部90に記憶する。ステップS60において、制御部110は、通帳の有無をユーザに選択させる。具体的には、制御部110は、図6に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、「通帳有り」ボタン100dと、「通帳無し」ボタン100eとが描かれる。ユーザは、通帳を持参している場合には、「通帳有り」ボタン100dにタッチし、通帳を持参していない場合には、「通帳無し」ボタン100eにタッチする。
ステップS70において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報を記憶部90に記憶する一方、当該操作情報に基づいて、ユーザが通帳を持参しているか否かを判定する。制御部110は、ユーザが通帳を持参していると判定した場合には、ステップS80に進み、ユーザが通帳を持参していないと判定した場合には、ステップS90に進む。
ステップS80において、制御部110は、通帳及びカードの投入を受け付ける一方、図7に示す取引画面を表示する。この取引画面には、カード及び通帳を自動取引装置10に投入することをユーザに促すメッセージが描かれる。ユーザは、通帳を通帳入出口13に投入し、カードをカード入出口12に投入する。カード処理部40は、カードから口座情報を読み取って、制御部110に出力する。その後、制御部110は、ステップS100に進む。
ステップS90において、制御部110は、カードの投入を受け付ける一方、図8に示す取引画面を表示する。この取引画面には、カードを自動取引装置10に投入することをユーザに促すメッセージが描かれる。ユーザは、カードをカード入出口12に投入する。カード処理部40は、カードから口座情報を読み取って、制御部110に出力する。その後、制御部110は、ステップS100に進む。
このように、制御部110は、第1の変更指示操作及び第2の変更指示操作を受け付けた後に、通帳の投入を受け付ける。言い換えれば、制御部110は、ユーザの通帳が通帳入出口13に投入されたか否かに関わらず、第1の変更指示操作を受け付ける。なお、制御部110は、まず通帳の投入を受け付け、通帳が投入された場合に、第1の変更指示操作を受け付けるようにしてもよい。
ステップS100において、制御部110は、暗証番号の入力を受け付ける。具体的には、制御部110は、図9に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、暗証番号表示欄と、暗証番号入力用のテンキーボタン200とが描かれる。暗証番号表示欄には、ユーザがテンキーボタン200にタッチする毎に、暗証番号入力済マーク(例えば「○」)が表示される。制御部110は、接客部16から与えられた操作情報、即ち暗証番号に関する操作情報を記憶部90に記憶する。
ステップS110において、制御部110は、記憶部90に記憶された操作情報に基づいて、「新規申込み」ボタン100bがタッチされたか否か、即ち第1の変更指示操作が行われたか否かを判定する。制御部110は、第1の変更指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS120に進む。一方、制御部110は、「申込みの取消し」ボタン100cがタッチされた、即ち、第2の変更指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS155に進む。
ステップS120において、制御部110は、通帳が通帳入出口13に投入されたか否かを判定する。制御部110は、通帳が通帳入出口13に投入されたと判定した場合には、ステップS130に進み、通帳が通帳入出口13に投入されていないと判定した場合には、ステップS150に進む。
ステップS130において、制御部110は、廃棄有無指示操作を受け付ける。制御部110は、具体的には、図10に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、通帳を廃棄するか否かを問い合わせるメッセージと、「廃棄する」ボタン100fと、「返却する」ボタン100gとが描かれる。ユーザは、「廃棄する」ボタン100fにタッチすることで、廃棄有指示操作、即ち通帳の廃棄を指示する操作を行なう。一方、ユーザは、「返却する」ボタン100gにタッチすることで、廃棄無指示操作、即ち通帳の返却を指示する操作を行なう。
ステップS140において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報を記憶部90に記憶する一方、当該操作情報に基づいて、廃棄有指示操作が行われたか否かを判定する。制御部110は、廃棄有指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS150に進み、通帳を返却すると判定した場合には、ステップS160に進む。
ステップS150において、制御部110は、未記帳取り扱い指示操作を受け付ける。制御部110は、具体的には、図11に示す取引画面を表示する。この取引画面には、未記帳情報(即ち、通帳に記入していない取引履歴情報)の取り扱いを問い合わせるメッセージと、「取引履歴は不要」ボタン100hと、「取引履歴を自宅に郵送」ボタン100iと、「WEBで明細を確認」ボタン100jとが描かれる。ユーザは、「取引履歴は不要」ボタン100hにタッチすることで、未記帳廃棄指示操作、即ち未記帳情報の廃棄を指示する操作を行なう。また、ユーザは、「取引履歴を自宅に郵送」ボタン100iにタッチすることで、未記帳郵送指示操作、即ち未記帳情報の自宅への郵送を指示する操作を行う。また、ユーザは、「WEBで明細を確認」ボタン100jにタッチすることで、未記帳掲載指示操作、即ち未記帳情報をホームページに掲載することを指示する操作を行なう。制御部110は、接客部16から与えられた操作情報を記憶部90に記憶する。
一方、制御部110は、ステップS155において、返却指示操作または新規発行指示操作を受け付ける。具体的には、制御部110は、図17に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、返却する通帳の種類を問い合わせる旨のメッセージと、「今まで使っていた通帳を使う」ボタン100kと、「新規に通帳を発行する」ボタン100mとが描かれる。ユーザは、「今まで使っていた通帳を使う」ボタン100kにタッチすることで、返却指示操作、即ち投入されたユーザの通帳をユーザに返却することを指示する操作を行なう。一方、ユーザは、「新規に通帳を発行する」ボタン100mにタッチすることで、新規発行指示操作、即ち新規に通帳を発行することを指示する操作を行なう。制御部110は、接客部16から与えられた操作情報を記憶部90に記憶する。
なお、ユーザが返却指示操作を行った場合、後述するように、廃棄対象通帳が返却されることになる。そこで、制御部110は、廃棄対象通帳に保管期間が設定されている場合、保管期間内でのみ返却指示操作を受け付けてもよい。また、制御部110は、新規発行指示操作が行われた場合、通帳処理部30が通帳の新規発行を行なうことができるか否かを判定する。制御部110は、通帳処理部30が通帳の新規発行を行なうことができないと判定した場合には、その旨の新規発行不可情報を操作情報に含める。
ここで、通帳処理部30が通帳の新規発行を行なうことができない場合としては、たとえば、通帳処理部30が通帳の新規発行機能を有していない場合、未使用通帳格納庫のストックが切れている場合、何らかの理由で通帳処理部30の新規発行機能が制限されている場合等が考えられる。
ステップS160において、制御部110は、ホストコンピュータ600と通信を行なう。具体的には、制御部110は、記憶部90に記憶された操作情報、即ちステップS40〜S155においてユーザが行った指示操作等に関する操作情報と、カード処理部40から与えられた口座情報とを含む通帳変更要求情報を生成し、インタフェース部95に出力する。インタフェース部95は、通帳変更要求情報をホストコンピュータ600に出力する。一方、制御部110は、図12に示す取引画面を表示する。
ホストコンピュータ600は、通帳変更要求情報に基づいて、以下の処理を行なう。即ち、ホストコンピュータ600は、まず、通帳変更要求情報が示す口座情報を記憶装置610から探索する。そして、ホストコンピュータ600は、探索した口座情報から暗証番号を取得し、取得した暗証番号と通信変更要求情報内の暗証番号とを照合する。
ホストコンピュータ600は、これらの暗証番号が一致する場合(通帳変更要求情報内の暗証番号が正しい場合)、通信変更要求情報に基づいて、口座情報の更新を行なう。具体的には、ホストコンピュータ600は、変更指示操作に関する操作情報に基づいて、通帳の有無に関する口座情報を更新する。たとえば、ホストコンピュータ600は、第1の変更指示操作が行われた場合には、通帳有無フラグを「通帳無し」に変更し、第2の変更指示操作が行われた場合には、通帳有無フラグを「通帳有り」に変更する。さらに、ホストコンピュータ600は、変更指示操作以外の操作情報を口座情報に含める。
次いで、ホストコンピュータ600は、通帳変更要求情報内の暗証番号が誤っている場合には、暗証番号が誤っている旨の拒否応答情報を自動取引装置10に送信する。一方、ホストコンピュータ600は、通帳変更要求情報内の暗証番号が正しい場合には、通帳の有無に関する口座情報の変更を許可する旨の許可応答情報を自動取引装置10に送信する。ここで、ホストコンピュータ600は、廃棄無指示操作が行われた場合には、未記帳情報を許可応答情報に含める。また、ホストコンピュータ600は、新規発行指示操作が行われた場合には、許可応答情報にユーザ情報を含める。
また、ホストコンピュータ600は、廃棄無指示操作または未記帳廃棄指示操作が行われた場合には、応答情報の送信後に口座情報から未記帳情報を削除してもよい。これにより、未記帳情報の削減が図られる。
インタフェース部95は、これらの応答情報を受信し、制御部110に出力する。制御部110は、拒否応答情報が与えられた場合には、通帳有無変更取引処理を終了し、カード及び通帳をユーザに返却する。一方、制御部110は、許可応答情報が与えられた場合には、ステップS170に進む。
ステップS170において、制御部110は、記憶部90に記憶された操作情報に基づいて、「新規申込み」ボタン100bがタッチされたか否か、即ち第1の変更指示操作が行われたか否かを判定する。制御部110は、第1の変更指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS180に進む。一方、制御部110は、「申込みの取消し」ボタン100cがタッチされた、即ち、第2の変更指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS300に進む。
ステップS180において、制御部110は、通帳が通帳入出口13に投入されたか否かを判定する。制御部110は、通帳が通帳入出口13に投入されたと判定した場合には、ステップS190に進み、通帳が通帳入出口13に投入されていないと判定した場合には、ステップS230に進む。
ステップS190において、制御部110は、記憶部90に記憶された操作情報に基づいて、廃棄無指示操作が行われたか否か、即ち通帳の返却が指示されたか否かを判定する。制御部110は、廃棄無指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS200に進む。一方、制御部110は、廃棄有指示操作が行われた(即ち、通帳の廃棄が指示された)と判定した場合には、ステップS220に進む。
ステップS200において、制御部110は、第1の変更指示操作を受け付けた(即ち、通帳無し口座への変更を受け付けた)旨の情報と、受付日時情報と、許可応答情報に含まれる未記帳情報とを通帳処理部30に出力する。通帳処理部30は、これらの情報を通帳に記帳する。次いで、通帳処理部30は、通帳を通帳入出口13から返却し、カード処理部40は、カードをカード入出口12から返却する。
ステップS210において、制御部110は、図13に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第1の変更指示操作を受け付けた旨のメッセージと、返却する媒体(この例では通帳及びカード)を示すメッセージとが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。
一方、ステップS220において、制御部110は、第1の変更指示操作を受け付けた旨の情報と、受付日時情報とを通帳処理部30及び明細票処理部50に出力する。通帳処理部30は、これらの情報を通帳に記帳する。次いで、通帳処理部30は、通帳を投入通帳格納庫に格納する。
一方、明細票処理部50は、第1の変更指示操作を受け付けた旨の情報と、受付日時情報とを明細票に印字する。次いで、カード処理部40及び明細票処理部50は、カード及び明細票をカード入出口12から返却(排出)する。その後、制御部110は、ステップS240に進む。
金融機関等の職員(以下、単に「行員」とも称する)は、通帳を投入通帳格納庫から回収し、通帳内の電子情報(電子記録媒体に記録された情報)を消去する。そして、行員は、通帳を図示しない保管庫に保管する。保管庫に保管された通帳、即ち廃棄対象通帳については、保管期間が設定されていてもよい。そして、行員は、保管期間を過ぎた廃棄対象通帳を廃棄(例えば破砕処分)してもよい。保管期間は特に制限は無いが、例えば1ヶ月であってもよい。
一方、ステップS230において、制御部110は、第1の変更指示操作を受け付けた旨の情報と、受付日時情報とを明細票処理部50に出力する。明細票処理部50は、これらの情報を明細票に印字する。次いで、カード処理部40及び明細票処理部50は、カード及び明細票をカード入出口12から返却(排出)する。その後、制御部110は、ステップS240に進む。
ステップS240において、制御部110は、ステップS150で未記帳廃棄指示操作が行われたか否か(即ち、未記帳情報の参照が不要である旨の指示が行われたか否か)を判定する。制御部110は、未記帳廃棄指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS250に進み、第2または未記帳掲載指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS260に進む。
ステップS250において、制御部110は、第1の変更指示操作を受け付けた旨の情報をユーザに提示する。具体的には、制御部110は、図14に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第1の変更指示操作を受け付けた旨のメッセージと、返却する媒体(この例ではカード及び明細票)を示すメッセージとが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。
一方、ステップS260において、制御部110は、ステップS150で未記帳郵送指示操作が行われたか否か(即ち、未記帳情報をユーザの自宅に郵送する指示が行われたか否か)を判定する。制御部110は、未記帳郵送指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS270に進み、未記帳掲載指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS280に進む。
ステップS270において、制御部110は、図15に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第1の変更指示操作を受け付けた旨のメッセージと、未記帳情報をユーザの自宅に郵送する旨の示すメッセージと、返却する媒体(この例ではカード及び明細票)を示すメッセージとが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。行員は、未記帳郵送指示操作を行ったユーザの未記帳情報を記憶装置610から取得し、未記帳情報が記録された書類をユーザの自宅に郵送する。その後、行員は、記憶装置610の口座情報から未記帳情報を削除する。これにより、未記帳情報が削減される。
ステップS280において、制御部110は、図16に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第1の変更指示操作を受け付けた旨のメッセージと、未記帳情報をホームページで参照するために必要な情報(例えばID及びパスワード)をユーザの自宅に郵送する旨のメッセージと、返却する媒体(この例ではカード及び明細票)を示すメッセージとが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。行員は、未記帳掲載指示操作を行ったユーザの未記帳情報を記憶装置610から取得し、未記帳情報をホームページに掲載する。さらに、行員は、閲覧に必要な情報(ID及びパスワード等)が記録された書類をユーザの自宅に郵送する。その後、行員は、記憶装置610の口座情報から未記帳情報を削除する。これにより、未記帳情報が削減される。
ステップS300において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報に基づいて、新規発行指示操作が行われたか否かを判定する。制御部110は、新規発行指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS310に進み、返却指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS360に進む。
ステップS310において、制御部110は、通帳処理部30が通帳の新規発行を行なうことができるか否かを判定する。制御部110は、通帳処理部30が通帳の新規発行を行なうことができると判定した場合には、ステップS320に進み、通帳処理部30が通帳の新規発行を行なうことができないと判定した場合には、ステップS340に進む。
ステップS320において、制御部110は、カード処理部40から与えられた口座情報と、応答情報に含まれるユーザ情報とを通帳処理部30に出力する。通帳処理部30は、未使用通帳格納庫から未使用通帳を取得する。通帳処理部30は、口座情報及びユーザ情報を未使用通帳に書きこむ(具体的には、電子記録媒体への書き込み、紙面への印字等を行う)ことで、新規の通帳を作成する。通帳処理部30は、新規の通帳を通帳入出口13から返却する。一方、カード処理部40は、カードをカード入出口12から返却する。
ステップS330において、制御部110は、図18に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第2の変更指示操作を受け付けたこと、即ち、通帳有り口座への変更(通帳無し口座への変更の取消し)を受け付けたことを示すメッセージが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。
一方、ステップS340において、制御部110は、第2の変更指示操作を受け付けた旨の情報と、受付日時情報とを明細票処理部50に出力する。明細票処理部50は、これらの情報を明細票に印字する。次いで、カード処理部40及び明細票処理部50は、カード及び明細票をカード入出口12から返却(排出)する。その後、制御部110は、ステップS350に進む。
ステップS350において、制御部110は、図19に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第2の変更指示操作を受け付けたことと、投入された通帳を返却することと、新規の通帳が発行されない理由とを示すメッセージが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。行員は、記憶装置610に記憶された口座情報から、新規発行不可情報を含む口座情報及びユーザ情報を取得し、取得した口座情報及びユーザ情報に基づいて、保管庫から返却対象の通帳を取り出す。そして、行員は、通帳の電子情報を口座情報及びユーザ情報に基づいて復元する。そして、行員は、通帳をユーザの自宅に郵送する。なお、保管期間が過ぎている場合、行員は、未使用通帳を用いて同様の処理を行なう。
一方、ステップS360において、制御部110は、第2の変更指示操作を受け付けた旨の情報と、受付日時情報とを明細票処理部50に出力する。明細票処理部50は、これらの情報を明細票に印字する。次いで、カード処理部40及び明細票処理部50は、カード及び明細票をカード入出口12から返却(排出)する。その後、制御部110は、ステップS370に進む。
ステップS370において、制御部110は、図20に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、第2の変更指示操作を受け付けたことと、投入された通帳を返却することとを示すメッセージが描かれる。その後、制御部110は、通帳有無変更取引処理を終了する。行員は、記憶装置610に記憶された口座情報から、新規発行不可情報を含む口座情報及びユーザ情報を取得し、取得した口座情報及びユーザ情報に基づいて、保管庫から返却対象の通帳を取り出す。そして、行員は、通帳の電子情報を口座情報及びユーザ情報に基づいて復元する。そして、行員は、通帳をユーザの自宅に郵送する。なお、保管期間が過ぎている場合、行員は、未使用通帳を用いて同様の処理を行なう。
以上により、第1の実施形態では、自動取引装置10は、通帳の有無に関する口座情報の変更を指示する変更指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、変更指示操作を自動取引装置10に対して行うことで、通帳の有無に関する口座情報を変更することができるので、口座情報を容易に変更することができる。さらに、カードの利用頻度が多いユーザが自己の口座を積極的に通帳無し口座に変更することが期待されるので、未記帳情報の大幅な低減も期待される。これにより、ホストコンピュータ600による未記帳情報の保管コストが低減されることも期待され、ひいては、ホストコンピュータ600や記憶装置610のダウンサイジングも期待される。
さらに、自動取引装置10は、通帳有り口座から通帳無し口座への変更を指示する第1の変更指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、通帳有り口座から通帳無し口座への変更を容易に行うことができる。
さらに、自動取引装置10は、ユーザの通帳が通帳入出口に投入された場合に、投入されたユーザの通帳を廃棄するか否かを指示する廃棄有無指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、通帳の廃棄も変更手続きと並行して行うことができる。
さらに、自動取引装置10は、ユーザの通帳が通帳入出口に投入されたか否かに関わらず、変更指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、通帳を持参していない場合にも、変更手続きを行うことができる。
さらに、自動取引装置10は、未記帳情報の取り扱いに関する未記帳取り扱い指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、未記帳情報の取り扱いに関する手続も変更手続きと並行して行うことができる。
さらに、自動取引装置10は、通帳無し口座から通帳有り口座への変更を指示する第2の変更指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、通帳無し口座から通帳有り口座への変更手続も容易に行うことができる。
さらに、自動取引装置10は、ユーザの通帳が通帳入出口に投入された後に、第2の変更指示操作を受け付けた場合には、投入されたユーザの通帳をユーザに返却することを指示する返却指示操作、または新規に通帳を発行することを指示する指示操作を受け付ける。したがって、ユーザは、所望の通帳の返却を受けることができる。
<2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る自動取引装置10の構成は、第1の実施形態に係る自動取引装置10の構成と同様である。
[自動取引装置による処理]
次に、自動取引装置10による処理の手順を図21に示すフローチャートに沿って説明する。ステップS290において、制御部110は、上述したステップS10と同様の処理を行なう。
ステップS295において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報に基づいて、「残高照会」ボタン100がタッチされたか否かを判定する。制御部110は、「残高照会」ボタン100がタッチされたと判定した場合には、ステップS310に進み、「残高照会」ボタン100以外のボタンがタッチされたと判定した場合には、ステップS300に進む。
ステップS300において、制御部110は、タッチされたボタンに応じた処理、即ち通常取引を行なう。なお、制御部110は、「通帳レス口座への変更」ボタン100aがタッチされた場合には、第1の実施形態の処理を行なう。
ステップS310において、制御部110は、カードの投入及び暗証番号の入力を受け付ける。具体的には、制御部110は、カードが投入された後、図22に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、暗証番号表示欄と、暗証番号入力用のテンキーボタン200とが描かれる。具体的な処理内容は上述したステップS100と同様である。一方、カード処理部40は、カードから口座情報を読み取って、制御部110に出力する。
ステップS320において、制御部110は、口座情報と、暗証番号と、残高を要求する旨の情報とを含む残高要求情報を生成する。制御部110は、残高要求情報と、未記帳情報が多いか否かの通知を要求する旨の未記帳個数要求情報とをインタフェース部95に出力する。インタフェース部95はこれらの情報をホストコンピュータ600に送信する。一方、制御部110は、図23に示す取引画面を接客部16に表示する。
ホストコンピュータ600は、残高要求情報に基づいて、暗証番号のチェックを行なう。具体的な処理内容は第1の実施形態と同様である。ホストコンピュータ600は、残高要求情報内の暗証番号が正しい場合、記憶装置610に記憶された口座情報から残高を取得する。さらに、ホストコンピュータ600は、口座情報中の未記帳情報の数を計数し、これらが所定数よりも多いか否かを判定する。所定数の具体的な値は特に制限はないが、例えば50程度であってもよい。
そして、ホストコンピュータ600は、残高要求情報内の暗証番号が誤っている場合には、拒否応答情報を自動取引装置10に送信する。ホストコンピュータ600は、残高要求情報内の暗証番号が正しい場合には、残高、未記帳情報の個数(件数)及び判定結果に関する許可応答情報を自動取引装置10に送信する。インタフェース部95は、応答情報を受信し、制御部110に出力する。制御部110は、拒否応答情報が与えられた場合には、本処理を終了し、カードをユーザに返却する。一方、制御部110は、許可応答情報が与えられた場合には、ステップS330に進む。
ステップS330において、制御部110は、許可応答情報に基づいて、未記帳情報が所定数よりも多い旨の指示があったか否かを判定する。制御部110は、未記帳情報が所定数よりも多い旨の指示があったと判定した場合には、ステップS340に進み、未記帳情報が所定数よりも多い旨の指示がなかったと判定した場合には、ステップS400に進む。
ステップS340において、制御部110は、通帳有り口座から通帳無し口座への変更をユーザに促す。具体的には、制御部110は、図24に示す取引画面を表示する。この取引画面には、未記帳情報の個数と、通帳有り口座から通帳無し口座への変更をユーザに促す旨のメッセージと、「いいえ」ボタン100nと、「はい」ボタン100pとが描かれる。ユーザは、「いいえ」ボタン100nにタッチすることで、通帳無し口座への変更を拒否し、「はい」ボタン100pにタッチすることで、上述した第1の変更指示操作を行なう。
ステップS350において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報に基づいて、ユーザが通帳無し口座への変更を希望しているか否か、即ち第1の変更指示操作が行われたか否かを判定する。制御部110は、第1の変更指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS360に進み、第1の変更指示操作が行われなかったと判定した場合には、ステップS400に進む。
ステップS360において、制御部110は、上述した通帳有無変更取引処理のうち、ステップS60〜S150の処理を行うことで、ユーザからの各種指示操作を受け付ける。なお、ステップS100は省略されてもよい。ステップS370において、制御部110は、上述したステップ160と同様の処理を行うことで、ホストコンピュータ600と通信を行なう。
ステップS380において、制御部110は、上述した通帳有無変更取引処理のうち、ステップS170〜S280の処理を行うことで、通帳有無変更取引処理の結果をユーザに通知する。ここで、ステップS200、S220、S230の処理において、通帳処理部30、カード処理部40、及び明細票処理部50は、第1の実施形態と同様に、通帳への記録及び明細票の作成を行うが、カード、通帳、及び明細票の返却(排出)を行わない。また、明細票処理部50は、明細票に残高を印字する。
さらに、ステップS210、S250、S270、S280において、制御部110は、取引画面に、図13〜図16のいずれかに示すメッセージの他、残高等も表示する。ただし、取引画面には、返却する媒体を示すメッセージは描かれない。図25に表示例を示す。この取引画面では、残高と、第1の変更指示操作を受け付けた旨のメッセージと、「終了」ボタン100qとが描かれる。制御部110は、「終了」ボタン100qにタッチされた場合に、ステップS420に進む。
一方、制御部110は、ステップS400以降の処理で、従来の残高処理と同様の処理を行なう。具体的には、制御部110は、ステップS400において、図26に示す取引画面を表示する。この取引画面には、残高と、連続取引を行うか否かを問い合わせるメッセージと、「お引き出し」ボタン100rと、「振込」ボタン100sと、「終了」ボタン100qとが描かれる。
ステップS410において、制御部110は、「終了」ボタン100qがタッチされたか否かを判定する。制御部110は、「終了」ボタン100qがタッチされたと判定した場合には、ステップS420に進み、「終了」ボタン100q以外のボタンがタッチされたと判定した場合には、ステップS430に進む。
ステップS420において、通帳処理部30及びカード処理部40は、ユーザが投入した媒体を返却する。また、明細票処理部50は、明細票を作成した場合には、その明細票を排出する。また、制御部110は、返却する媒体を示すメッセージが描かれた取引画面を接客部16に表示する。表示例を図27に示す。その後、制御部110は、本処理を終了する。
ステップS430において、制御部110は、「お引き出し」ボタン100rがタッチされたか否かを判定する。制御部110は、「お引き出し」ボタン100rがタッチされたと判定した場合には、ステップS440に進み、「振込」ボタン100sがタッチされたと判定した場合には、ステップS450に進む。
ステップS440において、制御部110は、従来の引き出し処理と同様の処理を行なう。その後、制御部110は、本処理を終了する。一方、ステップS450において、制御部110は、従来の振込処理と同様の処理を行なう。その後、制御部110は、本処理を終了する。
以上により、第2の実施形態では、自動取引装置10は、ユーザの未記帳情報が所定数よりも多い場合には、通帳有り口座から通帳無し口座への変更をユーザに促すので、未記帳情報が多いユーザに通帳無し口座への変更をより確実に行わせることができる。したがって、自動取引装置10は、未記帳情報をより確実に低減することができる。なお、第2の実施形態では、残高照会中に通帳有無変更取引処理を行ったが、他の自動取引中に通帳有無変更取引処理を行なうようにしてもよい。
さらに、自動取引装置10は、通帳有無変更取引処理に関する情報を、通帳有無変更取引処理以外の取引処理に関する情報と共にホストコンピュータ600に送信する。具体的には、自動取引装置10は、未記帳個数要求情報を、残高要求情報と共にホストコンピュータ600に送信する。即ち、自動取引装置10は、残高照会での通信処理(ステップS320の処理)において、未記帳個数要求情報をホストコンピュータ600に送信することができる。したがって、自動取引装置10は、未記帳個数要求情報をホストコンピュータ600に送信するための通信処理を別途行う必要がないので、通信処理の回数を低減することができる。
<3.第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。上述した第1〜第2の実施形態では、自動取引装置10は、ユーザが入力した操作情報をホストコンピュータ600に送信するための通信処理を他の取引の通信処理とは別に行う必要があった(ステップS160、S370参照)。そこで、第3の実施形態に係る自動取引装置10は、ユーザが入力した操作情報をホストコンピュータ600に送信するための通信処理を他の取引の通信処理に組み込むことで、通信処理の回数を低減する。概略的には、自動取引装置10は、ユーザが入力した操作情報をホストコンピュータ600に送信するための通信処理を、連続取引の通信処理に組み込む。なお、第3の実施形態に係る自動取引装置10の構成は、第1〜第2の実施形態に係る自動取引装置10の構成と同様である。
[自動取引装置による処理の手順]
次に、自動取引装置10による処理の手順を説明する。ステップS460において、制御部110は、残高照会を行なう。具体的には、制御部110は、上述したステップS290〜S320の処理を行い、次いで、S400の処理を行なう。次いで、制御部110は、「お引き出し」ボタン100rがタッチされたか否かを判定する。制御部110は、「お引き出し」ボタン100rがタッチされたと判定した場合には、ステップS470に進み、他のボタンがタッチされたと判定した場合には、本処理を終了する。
制御部110は、ステップS470以降の処理を行なうことで、引き出し処理と通帳有無変更取引処理とを並行して行う。具体的には、ステップS470において、制御部110は、ステップS460で取得した応答情報に基づいて、未記帳情報が所定数よりも多い旨の指示があったか否かを判定する。制御部110は、未記帳情報が所定数よりも多い旨の指示があったと判定した場合には、ステップS480に進み、未記帳情報が所定数よりも多い旨の指示がなかったと判定した場合には、ステップS510に進む。
ステップS480において、制御部110は、通帳有り口座から通帳無し口座への変更をユーザに促す。具体的には、制御部110は、図29に示す取引画面を表示する。この取引画面には、未記帳情報の個数と、通帳有り口座から通帳無し口座への変更をユーザに促す旨のメッセージと、「いいえ」ボタン100nと、「はい」ボタン100pとが描かれる。ユーザは、「いいえ」ボタン100nにタッチすることで、通帳無し口座への変更を拒否し、「はい」ボタン100pにタッチすることで、上述した第1の変更指示操作を行なう。
したがって、制御部110は、残高照会で取得した応答情報を、残高照会と異なる処理である引き出し処理に利用している。しかし、残高照会と引き出し処理とは連続して行われる、即ち同一のユーザによって行われるので、制御部110が上記のように処理を行なっても問題はない。
ステップS490において、制御部110は、接客部16から与えられた操作情報に基づいて、ユーザが通帳無し口座への変更を希望しているか否か、即ち第1の変更指示操作が行われたか否かを判定する。制御部110は、第1の変更指示操作が行われたと判定した場合には、ステップS500に進み、第1の変更指示操作が行われなかったと判定した場合には、ステップS510に進む。
ステップS500において、制御部110は、上述した通帳有無変更取引処理のうち、ステップS60〜S150の処理を行うことで、ユーザからの各種指示操作を受け付ける。なお、ステップS100は省略されてもよい。
ステップS510において、制御部110は、暗証番号の入力を受け付ける。具体的には、制御部110は、図30に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、暗証番号表示欄と、暗証番号入力用のテンキーボタン200とが描かれる。暗証番号表示欄には、ユーザがテンキーボタン200にタッチする毎に、暗証番号入力済マーク(例えば「○」)が表示される。制御部110は、接客部16から与えられた操作情報、即ち暗証番号に関する操作情報を記憶部90に記憶する。
ステップS520において、制御部110は、引き出し金額の入力を受け付ける。具体的には、制御部110は、図31に示す取引画面を接客部16に表示する。この取引画面には、引き出し金額表示欄と、引き出し金額入力用のテンキーボタン200とが描かれる。引き出し金額表示欄には、ユーザが入力した引き出し金額が表示される。制御部110は、接客部16から与えられた操作情報、即ち引き出し金額に関する操作情報を記憶部90に記憶する。
ステップS530において、制御部110は、ホストコンピュータ600と通信を行なう。具体的には、制御部110は、通帳変更要求情報と、引き出し金額に関する操作情報とをインタフェース部95に出力する。インタフェース部95はこれらの情報をホストコンピュータ600に送信する。一方、制御部110は、図32に示す取引画面を接客部16に表示する。
ホストコンピュータ600は、通帳変更要求情報に基づいて、上述したステップS160と同様の処理を行なう。ただし、ホストコンピュータ600は、通帳変更要求情報内の暗証番号が正しい場合には、第1の実施形態の処理を行い、残高から引き出し金額を減算する。また、許可応答情報には、減算後の残高も含まれる。
次いで、インタフェース部95は、応答情報を受信し、制御部110に出力する。制御部110は、拒否応答情報が与えられた場合には、本処理を終了し、カード及び通帳をユーザに返却する。一方、制御部110は、許可応答情報が与えられた場合には、ステップS540に進む。
ステップS540において、制御部110は、従来の引き出し処理と同様の処理を行なう。ステップS550において、制御部110は、上述した通帳有無変更取引処理のうち、ステップS170〜S280の処理を行うことで、通帳有無変更取引処理の結果をユーザに通知する。ここで、ステップS200、S220、S230の処理において、通帳処理部30及び明細票処理部50は、第1の実施形態と同様の処理を行う他、引き出し金額、及び残高を通帳または明細票に印字する。さらに、紙幣入出金部60は、引き出し金額分の紙幣をユーザに支払う。さらに、ステップS210、S250、S270、S280において、制御部110は、取引画面に、図13〜図16のいずれかに示すメッセージの他、残高等も表示する。その後、制御部110は、本処理を終了する。
以上により、第3の実施形態では、自動取引装置10は、通帳有無変更取引処理において入力された操作情報、即ち通帳有無変更操作情報を、通帳有無変更取引処理以外の引き出し処理に関する情報と共にホストコンピュータ600に送信する。具体的には、自動取引装置10は、通帳有無変更操作情報を引き出し金額に関する操作情報と共にホストコンピュータ600に送信する。
即ち、自動取引装置10は、引き出し処理での通信処理(ステップS530の処理)において、通帳有無変更操作情報をホストコンピュータ600に送信することができる。したがって、自動取引装置10は、通帳有無変更操作情報をホストコンピュータ600に送信するための通信処理を別途行う必要がないので、通信処理の回数を低減することができる。
特に、自動取引装置10は、未記帳個数要求情報を残高要求情報と共にホストコンピュータ600に送信し、通帳有無変更操作情報を引き出し金額に関する操作情報と共にホストコンピュータ600に送信する。したがって、自動取引装置10は、第1の実施形態及び第2の実施形態で行われていた通信処理を、連続取引(残高照会処理及び引き出し処理)内の通信処理に組み込むことができる。したがって、自動取引装置10は、連続取引の通信処理とは別の通信処理を行う必要がないので、通信処理の回数を低減することができる。
なお、第3の実施形態では、自動取引装置10は、残高照会及び引き出し処理中に通帳有無変更取引処理を行ったが、他の連続取引中にも通帳有無変更取引処理を行ってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。たとえば、取引画面に表示されるメッセージの文言は、上述した例に限られない。