JP2013173425A - 電動車両のパワートレイン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両幅寸法の増大を抑制しつつ、変速機の出力回転軸の軸長を長くすることができる電動車両のパワートレイン構造を提供すること。
【解決手段】本発明の電動車両のパワートレイン構造では、左右一対の前輪FL,FRと、モータ/ジェネレータ1と、モータ/ジェネレータ1と電気的に接続して回転制御を行うインバータ2と、モータ/ジェネレータ1の回転を変換して左右ドライブシャフトLDS,RDSを介して左右前輪FL,FRにそれぞれ伝達する減速機3と、を備えている。
そして、左右前輪FL,FRの間に、モータ/ジェネレータ1とインバータ2と減速機3とを車軸に沿って配置するとき、減速機3は、モータ/ジェネレータ1とインバータ2との間に配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動機とインバータと変速機を、左右一対の駆動輪の間に車軸方向に沿って配置した電動車両のパワートレイン構造に関するものである。
従来、左右一対の駆動輪の間に、電動機とインバータと変速機を車軸方向に沿って配置することで、パワーユニットを小型化した電動車両のパワートレイン構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7-231672号公報
しかしながら、インバータは電動機と電気的に接続する必要があり、変速機は電動機の出力軸と機械的に連結する必要がある。そのため、従来の電動車両のパワートレイン構造では、電動機の一方の側面にインバータを設け、電動機の他方の側面に変速機を設けている。
これにより、電動機に面していない変速機側面から突出して一方の駆動輪につながる出力回転軸の軸長は、電動機に面した変速機側面から突出して他方の駆動輪につながる出力回転軸の軸長よりも短くなる。そのため、この電動機に面していない変速機側面から突出した出力回転軸における折れ角が大きくなっていた。
さらに、この出力回転軸の軸長を長くすれば、出力回転軸の折れ角の増大を抑制することはできるが、その場合では車両幅寸法が増大してしまうという問題が生じてしまう。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、車両幅寸法の増大を抑制しつつ、変速機の出力回転軸の軸長を長くすることができる電動車両のパワートレイン構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両のパワートレイン構造では、左右一対の駆動輪と、電動機と、前記電動機と電気的に接続して回転制御を行うインバータと、前記電動機の回転を変換して出力回転軸を介して前記左右一対の駆動輪にそれぞれ伝達する変速機と、を備えている。
そして、左右一対の駆動輪の間に、前記電動機と前記インバータと前記変速機とを車軸に沿って配置するとき、前記変速機は、前記電動機と前記インバータとの間に配置する。
本発明の電動車両のパワートレイン構造にあっては、左右一対の駆動輪の間に電動機とインバータと変速機とを車軸に沿って配置するとき、電動機とインバータとの間に変速機が配置される。つまり、変速機と駆動輪の間に、電動機或いはインバータが配置される。
この結果、左右一対の駆動輪間において、電動機・インバータ・変速機からなるパワーユニットの位置を固定とすれば、変速機をユニット端部に配置した場合よりも、変速機の側面から突出した出力回転軸の軸長を長くすることができる。
すなわち、電動機の一方の側面にインバータを設けると共に電動機の他方の側面に変速機を設けた場合では、電動機に面していない変速機側面は、上記パワーユニットの端面となる。そのため、この電動機に面していない変速機側面から突出した出力回転軸の軸長は、上記パワーユニットの端面から一方の駆動輪までの寸法と同等となる。
一方、本発明のパワートレイン構造では、電動機・インバータ・変速機からなるパワーユニットの中間部に変速機が位置し、変速機側面は、上記パワーユニットの端面よりも内側に位置する。そのため、この変速機側面から突出した出力回転時の軸長は、上記パワーユニットの端面から一方の駆動輪までの寸法よりも、電動機の幅寸法分、或いは、インバータの幅寸法分長くなる。これにより、車両幅寸法の増大を抑制しつつ、出力回転軸の軸長を長くすることができ、出力回転軸の折れ角の増大を抑制できる。
実施例1のパワートレイン構造が適用された電気自動車(電動車両の一例)を示す側面図である。 実施例1のパワートレイン構造を車両前方から見たときの模式図である。 実施例1のパワートレイン構造を示す分解斜視図である。 実施例1のパワートレイン構造を車両右側方から見たときの模式図である。 実施例1のパワートレイン構造を車両上方から見たときの模式図である。 比較例のパワートレイン構造を車両前方から見たときの模式図である。 実施例1のパワートレイン構造において、車輪が上下動したときを示す車両前方から見たときの模式図である。 実施例2のパワートレイン構造を車両前方から見たときの模式図である。 実施例2の減速機の軸構造を示す説明図である。 比較例の減速機の軸構造を示す説明図である。 パワートレイン構造のユニット高さを示す説明図であり、(a)は比較例を示し、(b)は実施例2を示す。
以下、本発明の電動車両のパワートレイン構造を実施するための形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のパワートレイン構造が適用された電気自動車(電動車両の一例)を示す側面図である。図2は、実施例1のパワートレイン構造を車両前方から見たときの模式図である。図3は、実施例1のパワートレイン構造を示す分解斜視図である。図4は、実施例1のパワートレイン構造を車両右側方から見たときの模式図である。図5は、実施例1のパワートレイン構造を車両上方から見たときの模式図である。
図1に示す電気自動車Sは、走行駆動源であるパワーユニットPと、このパワーユニットPに電力供給するバッテリユニットBと、を備えている。ここで、パワーユニットPは、車体前部に形成されたモータルームMR内に搭載される。また、バッテリユニットBは、ニッケル水素電池或いはリチウムイオン電池を有し、車室SRの下部のホイールベース中央位置に搭載される。
なお、図1中FL,(FR)は、左右前輪であり、パワーユニットPによって駆動される一対の左右駆動輪となる。また、RL,(RR)は、左右後輪である。
前記パワーユニットPは、モータ/ジェネレータ(電動機)1と、インバータ2と、減速機(変速機)3と、を備え、左右前輪FL,FRの間に配置される。このパワーユニットPは、左ドライブシャフト(出力回転軸)LDSを介して左前輪FLと連結され、右ドライブシャフト(出力回転軸)RDSを介して右前輪FRと連結されている(図2参照)。
前記モータ/ジェネレータ1は、三相同期電動機や三相誘導電動機を可とし、加速時の力行運転と減速時の回生運転が可能な交流電動機である。力行運転時には、バッテリユニットBからの電力供給を受けて左右前輪FL,FRを駆動する。また、回生運転中には左右前輪FL,FRを駆動時とは逆に回転させ、バッテリユニットBを充電する。
このモータ/ジェネレータ1は、図3に示すように、モータケース11と、このモータケース11に内蔵されたステータ(図示せず)及びロータ(図示せず)と、ステータからモータケース11の外に引き出された複数のコイル巻き線(接続線)12と、ロータと一体回転するモータ軸(出力軸)13と、を有している。
前記インバータ2は、モータ/ジェネレータ1の力行運転時には、バッテリユニットBからの直流電流を三相交流電流に変換してモータ/ジェネレータ1に供給し、回生運転時には、モータ/ジェネレータ1からの三相交流電流を直流電流に変換してバッテリユニットBに供給する電力変換機である。このインバータ2は、コイル巻き線12を介してモータ/ジェネレータ1と電気的に接続されており、インバータケース21と、このインバータケース21に内蔵された図示しないインバータ回路と、インバータ回路に固定されてコイル巻き線12が接続するコネクタ22と、を有している。
前記減速機3は、モータ/ジェネレータ1の出力回転を変換(ここでは減速)して、左右ドライブシャフト(出力回転軸)LDS,RDSを介して左右前輪FL,FRにそれぞれ伝達する変速機である。この減速機3は、ミッションケース31と、駆動ギヤ32と、従動ギヤ33と、ディファレンシャルギヤ34と、を有している(図4参照)。
前記ミッションケース31は、上記各ギヤ32〜34を内蔵すると共に、モータケース11及びインバータケース21よりも車両前後方向の寸法が長くなった中空ハウジングである。このミッションケース31の左前輪FLに面した第1側面31aには、インバータケース21が機械的に固定されている。また、このミッションケース31の右前輪FRに面した第2側面31bには、モータケース11が機械的に固定される。
そして、このミッションケース31には、図5に示すように、軸挿入開口31cと、左ドライブシャフト突出開口31dと、右ドライブシャフト突出開口31eと、巻き線貫通孔(貫通孔)31f(図3参照)と、が形成されている。
前記軸挿入開口31cは、第2側面31bに形成され、モータ軸13が挿入される開口である。
前記左ドライブシャフト突出開口31dは、第1側面31aのインバータケース21と重複していない部分、ここでは後部に形成され、左ドライブシャフトLDSの一端が接続したユニット側等速自在継手35が設けられている。
前記右ドライブシャフト突出開口31eは、第2側面31bのモータケース11と重複してない部分、ここでは後部に形成され、右ドライブシャフトRDSの一端が接続したユニット側等速自在継手35が設けられている。
前記巻き線貫通孔31fは、モータ/ジェネレータ1とインバータ2を電気的に接続する複数のコイル巻き線12が一体的に貫通する貫通孔である。この巻き線貫通孔31fは、モータケース11及びインバータケース21に重複した部分であって、内蔵された各ギヤ32〜34と干渉しない位置に形成される。ここで、コイル巻き線12は、モータケース11から引き出され、インバータケース21内で固定される。このとき、巻き線貫通孔31fの内側において、複数のコイル巻き線12は巻き線保持具31gによって上下から挟み込まれ、互いに接触することが防止される。
前記駆動ギヤ32は、モータ軸13の先端に形成され、このモータ軸13と一体的に回転する。
前記従動ギヤ33は、駆動ギヤ32に噛み合うギヤである。この従動ギヤ33によって、モータ/ジェネレータ1の回転は一段階減速される。
前記ディファレンシャルギヤ34は、従動ギヤ33に噛み合い、モータ/ジェネレータ1の回転をさらに減速すると共に、この回転を左右に振り分けて左右前輪FL,FRに伝達する差動装置である。このディファレンシャルギヤ34には、ユニット側等速自在継手35を介して左右ドライブシャフトLDS,RDSの一端がそれぞれ接続されている。
なお、左ドライブシャフトLDSの他端には、車輪側等速自在継手36を介して左前輪FLが接続され、右ドライブシャフトRDSの他端には、車輪側等速自在継手36を介して右前輪FRが接続されている。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例の電動車両のパワートレイン構造の構成と課題」を説明し、続いて、実施例1の電動車両のパワートレイン構造の作用を、「折れ角減少作用」、「コイル巻き線配策作用」、「車両搭載性向上作用」に分けて説明する。
[比較例の電動車両パワートレイン構造の構成と課題]
図6は、比較例のパワートレイン構造を車両前方から見たときの模式図である。
図6に示す比較例のパワーユニットP1は、左右一対の駆動輪(ここでは、左右前輪FL,FR)の間に配置され、車軸方向(車幅方向)に沿って並ぶモータ1Aと、インバータ2Aと、減速機3Aと、を有している。
そして、このパワーユニットP1では、モータ1Aを中央に配置し、このモータ1Aの右側(右前輪FR側)にインバータ2Aを設け、モータ1Aの左側(左前輪FL側)に減速機3Aを設けている。
ここで、インバータ2Aは、モータ1Aの回転制御を行う電力変換機であり、モータ1Aと電気的に接続される。また、減速機3Aは、モータ1Aの出力回転を減速する変速機であり、モータ1Aのモータ軸(ここでは図示せず)と機械的に接続される。
すなわち、モータ1Aは、インバータ2A及び減速機3Aのそれぞれと電気的或いは機械的に接続する必要がある。これに対し、インバータ2Aと減速機3Aとは、電気的又は機械的の何れであっても接続する必要はない。
そのため、車軸方向に沿うパワーユニットP1では、モータ1A・インバータ2A・減速機3Aの互いの接続関係から見ると、モータ1Aを中央に配置することが最もむだがなく、ユニットの小型化を図る上で有利になる。
しかしながら、このとき、パワーユニットP1において、減速機3Aは、左端部すなわち最も左前輪FL側に位置することとなる。
そのため、例えば図6に示すように、左右前輪FL,FR間において、パワーユニットP1を中央に配置したとき、つまり、右側ユニット端面(インバータ2Aの側面)から右前輪FRまでの距離L1と、左側ユニット端面(減速機3Aの側面)から左前輪FLまでの距離L2を同等にした場合には、パワーユニットP1の車幅方向中央位置Oと比較して減速機3Aは左前輪FL側に寄ってしまう。
一方、左前輪FLは、両端にそれぞれ等速自在継手37Aが設けられた左ドライブシャフトLDS´を介して、減速機3Aに内蔵されたディファレンシャルギヤ(ここでは図示せず)に接続する。また、右前輪FRは、両端にそれぞれ等速自在継手37Bが設けられた右ドライブシャフトRDS´を介して、減速機3Aに内蔵されたディファレンシャルギヤ(ここでは図示せず)に接続する。
このとき、減速機3Aは左前輪FL側に寄っているので、左ドライブシャフトLDS´の方が右ドライブシャフトRDS´よりも短くなる。
これにより、左ドライブシャフトLDS´の折れ角θ1(減速機3A側の端部を基準とする水平位置に対するドライブシャフトの傾斜角度)が比較的大きくなっていた。そして、この折れ角θ1が大きいと、等速自在継手37Aに大きな負荷が作用し、この等速自在継手37Aの耐久性の低下を招くおそれがあった。
また、左右前輪FL,FRが上下動(バウンド)した場合にも、左ドライブシャフトLDS´が短いことで折れ角が大きくなり、等速自在継手37Aへの負荷が大きくなっていた。
なお、この折れ角θ1が大きくなりすぎると、等速自在継手37Aを設けることができなくなってしまう。この場合には、左前輪FLをパワーユニットP1から離間させる必要があり、車幅寸法が増大してしまうという新たな問題が発生する。
また、右ドライブシャフトRDS´の軸長は比較的長くなるので、シャフトのたわみや歪みが生じやすくなり、必要に応じて中間軸受けを設けなければならなくなっていた。
さらに、左右ドライブシャフトLDS´,RDS´の折れ角や長さに差がありすぎると、左右前輪FL,FRにおける駆動トルクの左右差が大きくなり、トルクステアが発生して、操縦安定性が損なわれるおそれもあった。
[折れ角減少作用]
図7は、実施例1のパワートレイン構造において、車輪が上下動したときを示す車両前方から見たときの模式図である。
実施例1の電動車両のパワートレイン構造では、減速機3を、モータ/ジェネレータ1とインバータ2との間に配置している。つまり、パワーユニットPにおいて、減速機3を中央位置に配置している。
このため、図7に示すように、左右前輪FL,FR間において、パワーユニットPを中央に配置したとき、減速機3は車幅方向中央位置Oとほぼ同じ位置に配置される。
これにより、左側ユニット端面(インバータ2の側面)から左前輪FLまでの距離L3を、図6における左側ユニット端面(減速機3Aの側面)から左前輪FLまでの距離L2と同等にした場合であっても、実施例1の左ドライブシャフトLDSは比較例の左ドライブシャフトLDS´よりも軸長を長くすることができる。
つまり、車幅寸法を増大させることなく、比較例の場合よりも左ドライブシャフトLDSの長い軸長を確保することができる。
そのため、比較例の場合の折れ各θ1よりも、実施例1の左ドライブシャフトLDSにおける折れ角θ2の方が小さくなる。この結果、左ドライブシャフトLDSの両端に設けたユニット側等速自在継手35及び車輪側等速自在継手36に大きな負荷がかかることを防止し、各自在継手35,36の耐久性が損なわれること防止できる。
また、左右前輪FL,FRが上下動(バウンド)した場合にも、左ドライブシャフトLDSを長くすれば折れ角が小さくなり、各自在継手35,36に作用する負荷を抑えることができる。
そして、折れ角θ2を小さくすることで、左ドライブシャフトLDSに作用する負荷も比較例の場合よりも軽減することができ、左ドライブシャフトLDSの高寿命化を図ることができる。また、シャフト負荷が軽減することで高い耐久性が不要となり、左ドライブシャフトLDSの小型化を図り、安価なドライブシャフトを適用することができる。
一方、実施例1の右ドライブシャフトRDSは比較例の右ドライブシャフトRDS´よりも軸長を短くすることができる。そのため、シャフトのたわみや歪みの発生を防止し、中間軸受けも不要とすることができる。
さらに、左右ドライブシャフトLDS,RDSの軸長を均衡させ、左右の折れ角差を小さくすれば、左右前輪FL,FRにおける駆動トルクの左右差も小さくなる。この結果、トルクステアが発生しにくくなって、操縦安定性の向上を図ることができる。
[コイル巻き線配策作用]
実施例1の電動車両のパワートレイン構造では、減速機3のミッションケース31にモータ/ジェネレータ1から引き出されたコイル巻き線12が貫通する巻き線貫通孔31fを形成している。
ここで、この巻き線貫通孔31fは、モータケース11及びインバータケース21に重複した部分であって、内蔵された各ギヤ32〜34と干渉しない位置に形成される。つまり、巻き線貫通孔31fは、ミッションケース31に固定されたモータケース11及びインバータケース21の内側に位置することとなる。
そのため、コイル巻き線12は、モータケース11、インバータケース21、ミッションケース31に囲まれた密閉空間内に配策されることになり、車両外部から浸入する水や泥、埃等の異物からコイル巻き線12を保護することができる。そして、コイル巻き線12は、被覆材等で覆う必要がなくなり、安価に製造することができる。
また、巻き線保持具31gも巻き線貫通孔31f内に配置されるので、簡易な構造とすることができる。
[車両搭載性向上作用]
実施例1の電動車両のパワートレイン構造では、図5に示すように、モータ/ジェネレータ1とインバータ2と減速機3とが、車軸方向(車幅方向)に沿って一列に並んで配置されている。
そのため、高さ方向(車両上下方向)にモータ/ジェネレータ1等が重複することがないので、高さ方向の突出を抑え、いわゆる背の低いパワーユニットPとすることができる。
これにより、電気自動車Sに搭載するときの搭載スペースを小さくでき、車両搭載性に優れたものとすることができる。
また、一般的に、モータルームMRの両側領域(図5においてAで示す領域)には、サイドメンバ(図示せず)や、ホイールハウジング、サスペンション機構といったいわゆる足回り部品(図示せず)が配置される。また、モータルームMRと車室SRとはダッシュパネルDによって区画されるが、このダッシュパネルDよりもモータルームMR側の領域(図5においてBで示す領域)には、図示しないステアリングに関連する部品が配置される。
これに対し、実施例1では、パワーユニットPの中央に配置した減速機3のミッションケース31の車両前後方向の寸法が、図5に示すように、モータケース11やインバータケース21と比べて長くなっており、ここでは後方に突出している。
すなわち、このパワーユニットPでは、ユニット中央部を後方に突出させ、ユニット両側では車両前後方向寸法の増大を抑えている。
これにより、この実施例1のパワーユニットPは、モータルームMRの両側領域(図5においてAで示す領域)及びダッシュパネルDよりもモータルームMR側の領域(図5においてBで示す領域)に、パワーユニットPの設置スペースの余裕を持たせることのできないモータルームMRに合わせたユニット形状とすることができる。そのため、モータルームMRへのレイアウトが行いやすくなり、パワーユニットPの車両搭載性能をさらに向上することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の電動車両のパワートレイン構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(1) 左右一対の駆動輪(左右前輪)FL,FRの間に、電動機(モータ/ジェネレータ)1と、前記電動機1と電気的に接続して回転制御を行うインバータ2と、前記電動機1の回転を変換して前記左右一対の駆動輪FL,FRにそれぞれ伝達する変速機(減速機)3とを、車軸に沿って配置した電動車両のパワートレイン構造において、
前記変速機3は、前記電動機1と前記インバータ2との間に配置した構成とした。
これにより、車両幅寸法の増大を抑制しつつ、変速機(減速機)3の出力回転軸(左ドライブシャフト)LDSの軸長を長くすることができる。
(2) 前記変速機(減速機)3は、前記電動機(モータ/ジェネレータ)1と前記インバータ2を電気的に接続する接続線(コイル巻き線)12が貫通する貫通孔(巻き線貫通孔)31fを有する構成とした。
これにより、安価な構造で異物からの接続線(コイル巻き線)12の保護性能を向上することができる。
実施例2の電動車両のパワートレイン構造は、いわゆる平行2軸の変速機を適用した例である。
図8は、実施例2のパワートレイン構造を車両前方から見たときの模式図である。図9は、実施例2のパワートレイン構造のモータ軸と左右ドライブシャフトを示す説明図である。
なお、実施例1と同等の構成については、実施例1と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
実施例2のパワーユニットP2においても、減速機3Bをユニット中央に配置し、この減速機3Bの右前輪FR側にモータ/ジェネレータ1Bを設け、減速機3Bの左前輪FL側にインバータ2Bを設ける。そして、減速機3Bに内蔵されたディファレンシャルギヤ(図9参照)34Bと左前輪FLを、両端にそれぞれ等速自在継手38Aが設けられた左ドライブシャフトLDSを介して連結し、このディファレンシャルギヤ34Bと右前輪FRを、両端にそれぞれ等速自在継手38Bが設けられた右ドライブシャフトRDSを介して連結する。
そして、この実施例2の減速機3Bは、図9に示すように、駆動ギヤ(電動機出力ギヤ)32Bと、ディファレンシャルギヤ(変速ギヤ)34Bと、を有している。
前記駆動ギヤ32Bは、モータ/ジェネレータ1Bのモータ軸13の先端に形成され、このモータ軸13と一体的に回転する。
前記ディファレンシャルギヤ34Bは、駆動ギヤ32Bに噛み合い、モータ/ジェネレータ1Bの回転を減速すると共に、左右ドライブシャフトLDS,RDSにそれぞれ連結し、駆動ギヤ32Bからの回転を左右に振り分けて左右前輪FL,FRに伝達する差動装置となる。
つまり、この減速機3Bは、入力軸であるモータ軸13と出力軸である左右ドライブシャフトLDS,RDSが平行に配置される平行2軸の変速機となる。
これにより、図10に示す比較例の減速機3Aのように、モータ1Aのモータ軸13Aに設けた駆動ギヤ40と、駆動ギヤ40に噛み合う従動ギヤ41と、従動ギヤ41に噛み合うディファレンシャルギヤ42と、を有する場合と比較すると、同じギヤ変換比であっても、実施例2の減速機3Bの方がディファレンシャルギヤ径Rを大きくすることができる。
そのため、図11に示すように、比較例のパワーユニットP1と実施例2のパワーユニットP2のそれぞれにおける最低地上高Hを同じ高さとすれば、減速機3Aの軸高さOH1よりも減速機3Bの軸高さOH2の方が高い位置になる。
このため、路面Gからモータ/ジェネレータ1Bやインバータ2Bまでの距離は、比較例の場合よりも実施例2の方が高くなり、路面Gからの衝撃やはね石の影響等を受けにくくすることができる。
また、実施例2の場合では、減速機3Bをユニット中央に配置したことで、左前輪FLから減速機3Bまでの距離L4を、比較例の場合の左前輪FLから減速機3Aまでの距離L2よりも長くすることができる。そのため、比較例のパワーユニットP1での左ドライブシャフトLDS´の折れ角θ1と、実施例2のパワーユニットP2での左ドライブシャフトLDSの折れ角θ3とを同じ角度としつつ、実施例2の左ドライブシャフトLDSの方を長くすることができる。
さらに、減速機3Bでは、駆動ギヤ32Bとディファレンシャルギヤ34Bの間に従動ギヤが不要であるため、安価なものとすることができる。
したがって、この実施例2の電動車両のパワートレイン構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
(3) 前記変速機(減速機3B)の出力回転軸(左右ドライブシャフト)LDS,RDSは、前記電動機(モータ/ジェネレータ)1Bの出力軸(モータ軸)13に形成した電動機出力ギヤ(駆動ギヤ)32Bに噛み合う変速ギヤ(ディファレンシャルギヤ)34Bを有する構成とした。
これにより、減速機3Bの軸高さOH2を高くして、モータ/ジェネレータ1Bやインバータ2Bに、路面Gからの衝撃やはね石の影響等を受けにくくすることができると共に、安価な減速機3Bを適用することができる。
以上、本発明の電動車両のパワートレイン構造を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
上記各実施例では、変速機としてモータ回転を減速する減速機を適用した例を示したがこれに限らない。例えば、クラッチ等を用いて減速段と等速段を切替可能な変速機や、無段変速機を適用することもできる。
また、電動機として力行運転と回生運転が可能なモータ/ジェネレータを適用した例を示したが、力行運転のみを行なうモータであっても良いし、回生運転のみを行なうジェネレータであってもよい。
さらに、実施例1では、パワーユニットPを車両前部に形成したモータルームMRに配置し、左右前輪FL,FRを駆動するいわゆる前輪駆動車としたがこれに限らない。本発明のパワートレイン構造を適用したパワーユニットを車両後部に配置し、左右後輪RL,RRを駆動輪としてもよいし、パワーユニットを車両前部及び後部に配置し、全輪FL,FR,RL,RRを駆動輪としてもよい。
本発明のパワートレイン構造を適用したパワーユニットを車両前部又は車両後部の何れに配置しても、車両搭載性に優れているので、例えば車両後部に設けた場合には、車両後部に設ける荷室スペースを広く確保することもできる。
そして、実施例1では、走行駆動源としてモータ/ジェネレータ1のみを有する電機自動車Sに本発明を適用した例を示したが、これに限らず、走行駆動源にエンジンを併用するハイブリッド車両や、モータ電源に燃料電池を適用した燃料電池車等であってもよい。つまり、本発明は、電動機とインバータと変速機が車軸方向に並べて配置された電動車両であれば適用することができる。
S 電気自動車(電動車両)
P パワーユニット
B バッテリユニット
1 モータ/ジェネレータ(電動機)
11 モータケース
12 コイル巻き線
13 モータ軸(出力軸)
2 インバータ
21 インバータケース
3 減速機(変速機)
31 ミッションケース
31f 巻き線貫通孔(貫通孔)
32 駆動ギヤ
33 従動ギヤ
34 ディファレンシャルギヤ
35 ユニット側等速自在継手
36 車輪側等速自在継手

Claims (3)

  1. 左右一対の駆動輪の間に、電動機と、前記電動機と電気的に接続して回転制御を行うインバータと、前記電動機の回転を変換して出力回転軸を介して前記左右一対の駆動輪にそれぞれ伝達する変速機とを、車軸に沿って配置した電動車両のパワートレイン構造において、
    前記変速機は、前記電動機と前記インバータとの間に配置したことを特徴とする電動車両のパワートレイン構造。
  2. 請求項1に記載された電動車両のパワートレイン構造において、
    前記変速機は、前記電動機と前記インバータを電気的に接続する接続線が貫通する貫通孔を有する
    ことを特徴とする電動車両のパワートレイン構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された電動車両のパワートレイン構造において、
    前記変速機の出力回転軸は、前記電動機の出力軸と一体に回転する電動機出力ギヤに噛み合う変速ギヤを有する
    ことを特徴とする電動車両のパワートレイン構造。
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