JP2016159783A - 電動車両 - Google Patents

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雅哉 加地
Masaya Kachi
雅哉 加地
仁史 井村
Hitoshi Imura
仁史 井村
彰 齋藤
Akira Saito
彰 齋藤
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Abstract

【課題】本明細書は、後部座席よりも後方に配置されるインバータを後突の衝撃から保護する技術を提供する。【解決手段】ハイブリッド車2は、後部座席3よりも後方に配置されているリアインバータ14を備えている。リアインバータ14は、走行用のリアモータ13に電力を供給するデバイスである。リアインバータ14は、車両の側面視において、後輪4の後端(直線L1)よりも前であり、かつ、後輪4の上端(直線L2)よりも下に配置されている。後突の際、後方から衝突した障害物が車両後方に乗り上げた際に後輪4がリアインバータ14に加わる衝撃を緩和する。【選択図】図2

Description

本発明は、電動車両に関する。本明細書における「電動車両」には、走行用にモータを備えるがエンジンは備えない電気自動車と、走行用にモータとエンジンの双方を備えるハイブリッド車を含む。燃料電池車も本明細書における電動車両に含まれる。
電動車両は電源の直流電力を交流電力に変換して走行用モータに供給するインバータを備えている。電動車両におけるインバータの配置場所は様々であるが、例えば特許文献1には、後部座席よりも後方にインバータを配置したハイブリッド車が開示されている。
走行用のモータに電力を供給するインバータには100ボルト以上の高電圧の電流が流れることが多い。そのような高電圧の電流が流れるインバータは、衝突の衝撃から保護されることが望ましい。特許文献1では、インバータは、車体の強度を担保する2本のサイドメンバ(リアサイドフレーム)の間に配置される。特許文献1によると、車両が側突あるいは後突した場合、インバータは2本のサイドメンバによって保護される。なお、側突とは、障害物が車両の側方から衝突することであり、後突とは、障害物が車両の後方から衝突することである。
特開2009−184577号公報
本明細書は、後部座席よりも後方に配置されるインバータを、特許文献1の技術とは異なる構造的特徴により後突の衝撃から保護する技術を提供する。
本明細書の技術が対象とする電動車両は、後部座席よりも後方にインバータを配置した電動車両である。そのインバータは、走行用のモータに電力を供給するデバイスである。本明細書が開示する電動車両では、そのインバータが、車両の側面視において、後輪の後端よりも前であり、かつ、後輪の上端よりも下に配置されていることを特徴とする。そのような配置により、例えば大型トラックが後方から衝突してその大型トラックの前部が車両後部に乗り上がった際、インバータに加わる衝撃を後輪が緩和する。なお、特許文献1に記載された技術にはインバータの保護に後輪を利用するという技術的思想がなく、特許文献1に後輪についての記載はない。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のハイブリッド車の平面図である。 実施例のハイブリッド車の側面図である(後部のみ)。
図面を参照して実施例の電動車両を説明する。実施例の電動車両は、走行用に2個のモータと1個のエンジンを備えるハイブリッド車2である。図1にハイブリッド車2の平面図を示し、図2にハイブリッド車2の側面図を示す。図1では、理解を助けるために車体の輪郭を仮想線で示している。図2は、車両の後部の側面視を示しており、車体の輪郭と後輪4の輪郭を仮想線で描いてある。図1と図2では、本明細書が開示する技術の説明に不要な一部の部品は図示を省略している。
図1と図2の座標系について説明する。F軸は、車両の前後方向に延びる軸であり、F軸の矢印が車両前方を向いている。V軸は、車両の上下方向に延びる軸であり、V軸の矢印は上方を向いている。H軸は車両の横方向に延びる軸である。図2は、H軸方向から見た図であり、車両の側面視に相当する。
ハイブリッド車2では、フロントコンパートメントにエンジン22とフロントモータ24が搭載されており、後部座席3の後方のリアコンパートメントにリアモータ13が搭載されている。フロントモータ24は、トランスアクスル23のハウジングに収容されている。リアモータ13は、後輪用のデファレンシャルギアボックス12のハウジングに収容されている。
ハイブリッド車2は、主にエンジン22とフロントモータ24で走行する。即ち、ハイブリッド車2は、通常は前輪駆動で走行する。リアモータ13は、滑り易い路面を走行するとき、あるいは急こう配の登り坂を走行するときに、一時的に4輪駆動で走行するために備えられている。即ち、リアモータ13は、エンジン22又はフロントモータ24による前輪21の駆動力を一時的に補助するために備えられている。一例では、フロントモータ24の出力は50キロワット以上であり、リアモータ13の出力は10キロワット以下である。
エンジン22とトランスアクスル23は、車両の前後方向に延びる一対のサイドメンバ5a、5bの間に配置されている。エンジン22とトランスアクスル23は、不図示の防振部材を介して一対のサイドメンバ5a、5bに懸架されている。トランスアクスル23の上部に、フロントモータ24に交流電力を供給するフロントインバータ25が固定されている。符号21は、前輪を示している。図1、図2において、フロントインバータ25とリアインバータ14に直流電力を供給するバッテリの図示は省略している。
リアモータ13と、リアモータ13に交流電力を供給するリアインバータ14について説明する。先に述べたように、リアモータ13は、後輪用のデファレンシャルギアボックス12のハウジングに収容されている。リアモータ13に交流電力を供給するリアインバータ14は、デファレンシャルギアボックス12の上に固定されている。デファレンシャルギアボックス12は、後輪4の車軸9に固定されている。
図1に示すように、デファレンシャルギアボックス12(リアモータ13)とリアインバータ14は、後部座席3よりも後方で一対のサイドメンバ5a、5bの間に配置されている。一対のサイドメンバ5a、5bの間には、2本のクロスメンバ6、7が架け渡されており、デファレンシャルギアボックス12は、その2本のクロスメンバ6、7の間に、防振部材8を介して懸架されている(図2も参照されたい)。
図2に示す直線L1は、側面視において後輪4の後端に接する鉛直線である。図2に示す直線L2は、側面視において後輪4の上端に接する水平線である。図2に示されているように、リアインバータ14は、直線L1よりも車両前側、かつ、直線L2よりも下側に配置されている。即ち、リアインバータ14は、車両の側面視において、後輪4の後端よりも前であり、かつ、後輪4の上端よりも下に配置されている。さらに言えば、リアインバータ14は、車両の側面視において、後輪4の輪郭の内側に配置されている。また、リアインバータ14は、サイドメンバ5a、5bよりも下に配置されている。なお、図2には一方のサイドメンバ5bしか描かれていないが、他方のサイドメンバ5aは、側面視においてサイドメンバ5aと重なる。サイドメンバ5a、5bは上下方向に幅を有するが、「リアインバータ14がサイドメンバ5a、5bよりも下に配置されている」とは、リアインバータ14が、サイドメンバ5a、5bの上側の縁よりも下に配置されていればよい。
リアモータ13の定格駆動電圧は100ボルト以上であるため、リアインバータ14には100ボルト以上の高電圧の電流が流れる。そのような高電圧の電流が流れるリアインバータ14は、衝突時に保護されることが望ましい。上記説明したリアインバータ14の配置は、側突、及び、後突に対してリアインバータ14の保護に優れている。一つには、リアインバータ14は2本のサイドメンバ5a、5bの間に配置されているので、側突に対してはサイドメンバ5a、5bがリアインバータ14を保護する。
リアインバータ14は、後輪4の後端よりも前方に配置されているとともに、後輪4の上端よりも下に配置されている。そのような配置により、大型トラックが後方から衝突してその大型トラックの前部が車両後部に乗り上がった際、後輪4がリアインバータ14に加わる衝撃を緩和する。さらに、仮に後輪4が潰れたとしても、リアインバータ14は2本のサイドメンバ5a、5bよりも下方に位置するので、それらサイドメンバ5a、5bが上方の障害物(大型トラックの前部)からリアインバータ14を保護する。
リアインバータ14は、補助駆動源であるリアモータ13に電力を供給するデバイスである。リアモータ13は補助駆動源であるため出力が小さい。それゆえ、リアインバータ14の体格も小さくて済む。リアインバータ14の体格が小さいことが、側面視において後輪4の輪郭の内側に配置できることに寄与する。
さらにまた、リアインバータ14がデファレンシャルギアボックス12に固定されていることも、衝突の衝撃からリアインバータ14を保護することに貢献する。デファレンシャルギアボックス12は、後輪4の車軸9に固定されている。また、デファレンシャルギアボックス12は防振部材8を介して2本のクロスメンバ6、7に固定されている。車軸9は、不図示のサスペンションを介してサイドメンバ5a、5bに連結されている。防振部材8やサスペンションを介した連結は、衝突の衝撃で外れやすい。即ち、デファレンシャルギアボックス12と車軸9は、衝撃を受けると防振部材8やサスペンションから外れやすい。従って、リアインバータ14あるいはデファレンシャルギアボックス12が衝撃を受けると、車軸9と後輪4が、デファレンシャルギアボックス12とともに、サイドメンバ5a、5bから外れる。リアインバータ14がデファレンシャルギアボックス12と車軸9ごとサイドメンバ5a、5bから外れて自由になることで、リアインバータ14に加わる衝撃が緩和される。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。リアインバータ14が、後部座席3の後方に配置されているインバータの一例に相当する。リアモータ13が、後部座席3の後方に配置されているインバータが電力を供給する対象の一例である。後部座席3の後方に配置されているインバータが電力を供給する対象は、リアモータ13に限定されないが、補助駆動源であるリアモータ13であることが好ましい。先に述べたように、リアモータ13が補助駆動源であるがゆえに、リアインバータ14は、側面視において後輪4の輪郭の内側に配置できるほどに体格が小さくできる。
リアインバータ14は、デファレンシャルギアボックス12の上に固定されていることに限定されないが、デファレンシャルギアボックス12の上に固定されていることが好ましい。前述したように、リアインバータ14は、衝突の衝撃で、デファレンシャルギアボックス12と車軸9ごとサイドメンバ5a、5bから外れて自由になるからである。
リアインバータ14が後輪の車軸9に固定されているデファレンシャルギアボックス12に固定されている場合、リアインバータ14は後輪4の上端よりも下方に配置されていることが好ましいが、リアインバータ14は後輪4の上端よりも上方に配置されていても、次善の衝撃緩和効果を得ることが期待できる。即ち、走行用のモータに電力を供給するインバータが後輪の車軸に固定されているデファレンシャルギアボックスに固定されていれば、後突時の衝撃緩和効果を得ることが期待できる。
実施例の電動車両は走行用に2個のモータと1個のエンジンを備えるハイブリッド車であった。本明細書が開示する技術は、ハイブリッド車に限らず、電気自動車に適用することも好適である。さらには、本明細書が開示する技術は、燃料電池車に適用することも好適である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:ハイブリッド車
3:後部座席
4:後輪
5a、5b:サイドメンバ
6、7:クロスメンバ
8:防振部材
9:車軸
12:デファレンシャルギアボックス
13:リアモータ
14:リアインバータ
21:前輪
22:エンジン
23:トランスアクスル
24:フロントモータ
25:フロントインバータ

Claims (5)

  1. 後部座席よりも後方に配置されており、走行用のモータに電力を供給するインバータを備えた電動車両であり、
    前記インバータが、車両の側面視において、後輪の後端よりも前であり、かつ、後輪の上端よりも下に配置されていることを特徴とする電動車両。
  2. 前記インバータは、前記側面視において、前記後輪の輪郭の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
  3. 前記インバータは、前記側面視において、サイドメンバよりも下に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車両。
  4. 前記インバータは、後輪の車軸に固定されているデファレンシャルギアボックスに固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電動車両。
  5. 前輪駆動用にエンジン又は別のモータを備えており、前記モータは、前記エンジン又は前記別のモータによる前輪の駆動力を一時的に補助する後輪駆動用のモータであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動車両。
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