JP2013173389A - 車両の電池冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両に搭載され該車両を駆動する電動機に電力を供給する電池を収容した複数の電池パック15と、冷却水が循環する冷却水循環路と、複数の電池パック内に設けられた熱交換器と、冷却水を吐出するポンプとを備え、冷却水循環路は、電池パック内の熱交換器にポンプが吐出する冷却水を流入させる吐出路42と、冷却水を合流させてポンプに導く吸入路43と、を有し、吐出路と吸入路とのうち少なくとも一方には、複数の電池パックのうちポンプとの接続距離が最短となる電池パックの上壁上を迂回する上壁迂回部位puが形成され、該上壁迂回部位にエアー抜き弁53、54を取り付けた。
【選択図】図3
Description
このような電気自動車やハイブリッド車はその駆動源となる電動モータやこの電動モータを駆動制御するインバータ等の電力変換機が発熱するし、これら電力変換機に電力供給する蓄電装置も発熱する。特に、電気自動車等の蓄電装置は比較的多量の電池を電池パックに収容して車両の下壁側に取り付け支持されている。この電池パックはその内部で発生した熱を冷却装置により外気に放熱することで、耐久性を確保する必要がある。
たとえば、電力変換機の冷却装置として特許文献1には、電動モータであるモータジェネレータの外壁部にモータ冷却用の給、排水部を接続するウオータージャケット部と、モータジェネレータの電力を制御する電力制御装置であるパワーコントロールユニットと、更にそれらの上方に冷却水循環路内のエアーを集めて抜くためのフィラーを設けた構成が開示される。
特許文献3には複数のインバータの内、低位置側のものから順次冷却水を循環させる冷却系統と、発熱量の大きい回転電機から順次冷却水を循環させる冷却系統とを並列配備し、最も高位置のインバータの下流にエアー抜き弁側を取り付けた構成が開示されている。
更に、図10(b)、図11(a)に示すように、前後の電池パック110、120は車幅方向Yに伸びるクロスメンバの一部を成している容器支持枠190に支持されている。ここで、前の電池パック110の周縁部Uを通過する給排パイプ150、160は容器支持枠190の複数個所bに溶着されたパイプブラケット170の上片部171を介してずれなく支持されている。
なお、図11(b)に示すように、前の電池パック110の車幅方向Yでの左右両側面側に、容器支持枠190に締結されたパイプブラケット200a、200bをそれぞれ配設し、左右に分離した給排パイプ150、160を支持し、その上で、給排パイプ150、160を分岐部J1、合流部J2で接続した構成も検討されている。
ここでは、この発明の一実施形態としての車両の電池冷却装置に先立ち、該電池冷却装置を搭載する電気自動車(以後単に車両と記す)Cを図1、2に沿って概略的に説明する。
車両Cは動力源として用いる電動モータ(モータジェネレータ)1と、電動モータ1の回転力を車輪2に伝える不図示の駆動装置(パワートレイン)と、電動モータ(電動機)1や電力変換機10を駆動する電力制御装置(MCU)3と、該電力制御装置(MCU)3と信号授受をすると共に車両のメインの制御部を成す車両制御装置(PCU)4と、蓄電装置としての電池パック15、16と、駆動系冷却装置6と、電池パック15、16に対設される本発明の要部を成す電池冷却装置7とを備える。
なお、バッテリ装置8はバッテリコントローラ13を介して電力制御装置(MCU)3に充電情報を出力し、これによりバッテリ装置8の充電状態(バッテリ充放電量SOC)を管理し、その情報が電力制御装置(MCU)3に送信されている。
次に、電力変換機10は車載充電器101及びDCDCコンバータ102から成り、これらに駆動系冷却装置6が付設されている。ここで車載充電器101及びDCDCコンバータ102は同一ケーシング内に収容される。
電動モータ1は電力制御装置(MCU)3を介してバッテリ装置8と電力のやり取りを行なう。即ち、発電機として回生発電するときには、車輪2側より入力される回転力(動力)で発電可能である。一方、電動モータ(電動機)として機能するときには、その動力を車輪2に伝達できる。
次に、図2、4に示す電力制御装置(MCU)3と信号の授受を行う車両制御装置(PCU)4には電動モータ1等の駆動制御に用いる運転状態情報が入力される。これら入力情報に応じて車両制御装置(PCU)4は発電トルク指令値およびモータトルク指令値Tg、Tmなどを演算する。そして、この演算結果に基づき、電動モータ1に対する指令値を、電力制御装置(MCU)3のモータ制御部301に送信する。
電力制御装置(MCU)3の充電制御部302は、電力変換機10において、バッテリ装置8からの電力を直交流変換、電圧変換等を行って、モータ制御部301を介して電動モータ1へ出力し、これにより走行駆動するよう制御する。更に、回生動作時には、発電された交流電圧を電力変換機10において直交流変換、電圧変換等を行ってバッテリ装置(蓄電装置)8を充電しており、走行中においてバッテリ装置8は発熱源となる(図4参照)。
図1、2に示すように、電力変換機10はその内の車載充電器101とDCDCコンバータ102を冷却する冷却水が循環する冷却ジャケット103を挟んで対向配備される。この冷却ジャケット401により吸熱機能を発揮している。なお、駆動系冷却水循環路30の電動式冷却水ポンプ31、上ラジエータ32のファン34は共に車両制御装置(PCU)4により運転状態に応じて駆動制御される。
ここでバッテリ装置8は、図2、4に示すように、前後方向Xに直列配備の前後2つの電池パック15、16内に分割配備された複数のバッテリセル80より成る。電池パック15、16内の複数のバッテリセル80は相互に電気的に直列に接続された上で電力変換機10側に電気的に接続されている。
なお、各バッテリセル80には不図示の電圧センサや温度センサなどの監視部が付設され、これらのバッテリデータがバッテリコントローラ13(図4参照)を経て電力制御装置(MCU)3側に出力され、バッテリ装置8が制御されている。
次に、ここでの前後電池パック15、16はほぼ同様の構成を成すので前電池パック15を主に説明する。前電池パック15は車体の前後方向Xに並列配備された左右サイドメンバ17、17間に配設され、該左右サイドメンバに前後クロスメンバ部18、19を介して取り付け支持される。
下部容器部21は車幅方向に長い容器支持枠23にずれなく取り付けられ、この容器支持枠23の左右縦壁231、231に車幅方向に伸びる端部クロスメンバ181、191の車体中央側の端部が溶着され、その端部クロスメンバ181、191の車外側の端部は左右サイドメンバ17、17に重なり、締結処理されている。更に、容器支持枠23はその底板部230が前後端縁より前後縦壁232、232(図3中の破線参照)を突設する。これら左右縦壁231、231及び前後縦壁232、232により下部容器部21はずれなく前クロスメンバ部18に支持される。
下部容器部21の上開口縁211は膨出部として形成され、その上面は平坦部面に形成され、ここに上部容器部22の膨出部として形成された下開口縁221が重ねられ、相互に締結金具24でボルト止めされ、これにより下部容器部21と上部容器部22が内部収容室25の気密性を保って形成している。
冷却ジャケット401、402は同様の構成を採り、例えば、前電池パック15の冷却ジャケット401は、図5に示すように、上下に複数の流路規制板g1、g2が配備され、これにより冷却水の滞留時間を増やして、吸熱機能を発揮できるようにしている。
図1、2に示すように、ここでの車載の電池冷却装置7は密閉容器である前後電池パック15、16内の複数のバッテリセル80を発熱源とし、そこで吸収した熱を放熱器である下ラジエータ41で外気へ放熱を行うもので、電池冷却系の冷却水循環路Rを備える。図2、4に示すように、この冷却水循環路Rは、前後の電池パック15、16の内部に設けた冷却水循環路の一部である分岐側部r1、r2と、これらの前方に配備の下ラジエータ41、ウォーターポンプ48を有する冷却水循環部r3を備える。
図2、4に示すように、後電池パック16内の複数のバッテリセル80の中央には熱交換器である後冷却ジャケット402が配備され、後冷却ジャケット402と、その流入側に連通する吐出路42と、後冷却ジャケット402の排出側に連通しウォーターポンプ48に吸入される吸入路43とが後分岐側部r2を形成する。更に、吐出路42と吸入路43とが後電池パック16の前壁16w(図1、2参照)の中央部より容器外に引き出されている。
更に、後電池パック16からの吐出路42と吸入路43を成す各配管は互いに並行状態を保ち(図4参照)、前方に延び、図1に示すように、前電池パック15の上壁151上を通過している。ここで、吐出路42と吸入路43を成す各配管を前電池パック15の上壁151上に迂回させることで、上壁迂回部位puを形成している。
分岐部j1には前方の冷却水循環部r3の吐出管46より冷却水が流入するように接続され、合流位置j2には前方の冷却水循環部r3の吸入管47が接続され、冷却水を合流させてウォーターポンプ48側に流動させている。なお、吐出管46の途中には電動式のウォーターポンプ48が配備され、吸入管47の途中には下ラジエータ41が配備される。
これにより、ウォーターポンプ48の駆動時には冷却水を冷却水循環路Rに循環させ、前後電池パック15、16内の各冷却ジャケット401、402で吸収したバッテリセル80からの熱を下ラジエータ41に導き、外気へ放熱することで、各バッテリセル80の過度の温度上昇を防止し、耐久性を維持し、冷却水中のエアーの発生を抑制している。
この吐出路42と吸入路43の各上壁迂回部位puは図6(a)、(b)に示すように各前後2箇所で固定ブラケット70を介して前電池パック15の上壁151上に取り付けられている。ここで、図7に示すように、左右の各固定ブラケット70は上壁151上に溶着される脚部701と、脚部701より突設される柱部702と、柱部702の上端に支持された環状の締め付け部703とで形成される。ここで、各締め付け部703は環状部の内側に吐出路42と吸入路43の各上壁迂回部位puを成す管部42p、43pを嵌合し、その対向端となる締結片f1、f2を突設し、上下締結片f1、f2をボルトb2で締結することで、上壁迂回部位puを成す管部42p、43pをがたなく、上壁151上に取り付けている。
このような構成を採る車両はその走行時において、駆動系冷却水循環路30の冷却水が、電動モータ1と電力変換機10内の車載充電器101及びDCDCコンバータ102、車両制御装置(PCU)4の各部より熱を吸収し、上ラジエータ32において外気に放散して、駆動系の過度の上昇を防止でき、しかも、コンデンスタンク33で冷却水中の気泡を除去できる。
更に、前電池パック15の上壁151上の上壁迂回部位puが電池冷却系の冷却水循環路R内で最も高位置を保持しており、即ち、各冷却ジャケット401、402(熱交換器)やそれらに連通する冷却水循環路Rの他の部位よりも高位置を保持するので(図1参照)、電池冷却系の冷却水循環路Rを循環する冷却水中のエアーa(図3参照)を最も高位置の上壁迂回部位puに容易に導き滞留させることができる。
しかも、車幅方向Yに伸びる分岐管51、52を介して、エアー抜き弁53、54を上壁迂回部位puに連結するので、エアー抜き弁53、54を操作性のよい位置に配置でき、配置位置の自由度を確保できる。
上述のところで、ウォーターポンプ48との接続距離が吐出路42上も吸入路43上でも最長となる後電池パック16より延びる吐出路42と吸入路43の各上壁迂回部位puを成す管部42p、43pから各分岐管51、52は車幅方向Yで車外側にほぼ水平状に延出形成されていた。
この場合、上壁迂回部位puより高位置に向けて傾斜して延びる傾斜分岐管511a、521aがエアーを確実にエアー抜き弁53、54の根元まで案内でき、エアー抜き操作性が向上する。
上述のところで、2つの電池パック15、16を前後方向Xに配備したが(図4参照)、場合により、図9に示すように、3つの電池パック15、16、60を車体の中央部に前後方向Xに沿って配備して、それらの中の冷却ジャケット401、402、403を複数の分岐部J1、J1a、合流部J2,J2aを用いて連結してもよく、この場合も、2つの電池パック15、16を装備した場合と同様に、車体重量の左右の偏りを防止でき、多数の電池パックの装着が容易化される。
7 電池冷却装置
8 バッテリ装置(二次電池)
10 電力変換機
15 前電池パック
16 後電池パック
401、402 冷却ジャケット(熱交換器)
41 下ラジエータ
42、44 流入管
43 排出管
46 吐出管
47 吸入管
48 ウォーターポンプ
53、54 エアー抜き弁
80 バッテリセル
p1 分岐位置
p2 合流位置
pu 上壁迂回部位
C 車両
R 冷却水循環路
Claims (5)
- 車両に搭載され該車両を駆動する電動機に電力を供給する電池を収容した複数の電池パックと、
冷却水が循環する冷却水循環路と、
前記複数の電池パック内に設けられた熱交換器と、
前記冷却水循環路に設けられ、前記冷却水を吐出するポンプと、を備え、
前記冷却水循環路は、前記複数の電池パック内の前記熱交換器に前記ポンプが吐出する冷却水を流入させる吐出路と、前記熱交換器から流出した冷却水を合流させて前記ポンプに導く吸入路と、を有し、
前記吐出路と前記吸入路とのうち少なくとも一方には、前記複数の電池パックのうち前記冷却水循環路を介した前記ポンプとの接続距離が最短となる電池パックの上壁上を迂回する上壁迂回部位が形成され、該上壁迂回部位にエアー抜き弁を取り付けたことを特徴とする車両の電池冷却装置。 - 請求項1に記載の車両の電池冷却装置において、前記上壁迂回部位は前記吸入路に形成され、前記吸入路に形成された前記上壁迂回部位に前記エアー抜き弁を取り付けたことを特徴とする車両の電池冷却装置。
- 請求項1又は2記載の車両の電池冷却装置において、前記上壁迂回部位には該上壁迂回部位より分岐して延びる分岐管が設けられ、該分岐管を介して前記エアー抜き弁を取り付けた、ことを特徴とする車両の電池冷却装置。
- 請求項3記載の車両の電池冷却装置において、前記分岐管は、前記上壁迂回部位より高位置に向けて傾斜して延びる傾斜部と、該傾斜部から下方に向けて屈曲する屈曲部を形成しており、前記屈曲部もしくは前記傾斜部の前記屈曲部付近に前記エアー抜き弁を取り付けたことを特徴とする車両の電池冷却装置。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の車両の電池冷却装置において、前記複数の電池パックの配列方向が車両の前後方向であることを特徴とする車両の電池冷却装置。
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