本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本発明に係る撮像装置は、複数の画素を有する。図2は撮像装置の画素の等価回路の一例を示している。図2が示す通り、画素は、光電変換部8と、光電変換部8とは別の場所で電荷を保持する第1保持部10と、を含む。さらに画素は、第1保持部10へ電荷を転送する第1電荷転送部9および第1保持部10に保持された電荷を転送する第2電荷転送部11を含む。本発明の特徴部分は、第1保持部10の構造、あるいは第1保持部10の製造方法に関する。
本発明の第1の側面を説明する。図3は第1保持部10を含む画素の上面図の一例を示している。第1保持部10は第1導電型の第1半導体領域103を含んで構成される。第1半導体領域103に信号電荷が蓄積される。第1電荷転送部9は制御電極102を含んで構成される。第2電荷転送部11は制御電極104を含んで構成される。また、画素100には第2導電型の第2半導体領域114が配される。そして、平面視において、第2半導体領域114と第1電荷転送部9との間に、第1半導体領域103の一部(第1部分)が配される。さらに、平面視において、第2半導体領域114と第2電荷転送部11との間に、第1半導体領域103の別の一部(第2部分)が配される。図では、第2半導体領域114が第1半導体領域103に囲まれている。しかし、第2半導体領域114が第1半導体領域103に囲まれていない例も本発明に含まれる。
図4は、図3のAA’に沿った断面の一例を示す概略図である。図4の第2半導体領域114が配された深さ(線BB’の位置)において、第2半導体領域114と第1電荷転送部9との間に、第1半導体領域103の一部(第1部分)が配されている。そして、第2半導体領域114と第2電荷転送部11との間に、第1半導体領域103の別の一部(第2部分)が配されている。ここで、深さは半導体基板300aと絶縁膜300bとの界面300からの距離である。つまり、界面300に平行な面において、第2半導体領域114と第1電荷転送部9との間に、および、第2半導体領域114と第2電荷転送部11との間に、1つの第1半導体領域103の異なる部分がそれぞれ配される。
本発明の第2の側面を説明する。図10は第1保持部10を含む画素の上面図の別の一例を示している。第1保持部10は第1導電型の第1半導体領域103を含んで構成される。第1半導体領域103に信号電荷が蓄積される。第1電荷転送部9は制御電極102を含んで構成される。第2電荷転送部11は制御電極104を含んで構成される。この例では、第1半導体領域103は、第1部分103a(第1部分および第2部分)と、第2部分103b(第3部分)とを含む。第1部分103aの不純物濃度は、第2部分103bの不純物濃度より高い。そして、平面視において、第2部分103b(第3部分)と第1電荷転送部9との間に、第1半導体領域103の第1部分103aの一部(第1部分)が配される。さらに、平面視において、第2部分103b(第3部分)と第2電荷転送部11との間に、第1半導体領域103の第1部分103aの別の一部(第2部分)が配される。図では、第2部分103bが第1部分103aに囲まれている。しかし、第2部分103bが第1部分103aに囲まれていない例も本発明に含まれる。
図11は、図10のAA’に沿った断面の一例を示す概略図である。図11の第2部分103b(第3部分)が配された深さにおいて、第2部分103bと第1電荷転送部9との間に、第1半導体領域103の第1部分103aの一部(第1部分)が配されている。そして、第2部分103bと第2電荷転送部11との間に、第1半導体領域103の第1部分103aの別の一部(第2部分)が配されている。ここで、深さは半導体基板300aと絶縁膜300bとの界面300からの距離である。つまり、界面300に平行な面において、第2部分103bと第1電荷転送部9との間に、および、第2部分103bと第2電荷転送部11との間に、1つの第1半導体領域103の第1部分103aの異なる部分がそれぞれ配される。
以上に説明した第1保持部10は、好適には、以下の製造方法によって形成される。図5は本発明に係る撮像装置の製造方法の一例を示している。第1保持部10を構成する第1導電型の第1半導体領域103を形成するために、第1導電型の不純物が半導体基板に導入される。そして、この第1導電型の不純物が導入された領域の、もしくは導入される領域の一部である領域114に、第2導電型の不純物を導入する。つまり、領域114における第2導電型の不純物のドーズが、第1半導体領域103が配される領域であって、領域114以外の領域における第2導電型の不純物のドーズより高くなるように、第2導電型の不純物を半導体基板に導入する。領域114は、図3および図4の第2半導体領域114が配される領域である。あるいは、領域114は、図10および図11の第2領域103bが配される領域である。このように、第1半導体領域103を形成する不純物とは反対の導電型の不純物のプロファイルを制御することによって、第2半導体領域114あるいは第1半導体領域103の第2部分103bを形成しうる。
なお、領域114へ導入される第2導電型の不純物のドーズと、第1半導体領域103を形成するために導入される第1導電型の不純物のドーズとの大小関係によって、領域114の導電型が決まる。第2導電型の不純物のドーズのほうが低ければ、領域114は第1半導体領域103の第2部分103bとなる。第2導電型の不純物のドーズのほうが高ければ、領域114は第2導電型の第2半導体領域114となる。
図18は、は本発明に係る撮像装置に好適な製造方法の別の例を示している。図18の領域1601は、第1導電型の第1半導体領域103を形成する際に第1導電型の不純物が導入されない領域を示している。このように、第1半導体領域103を形成する不純物のプロファイルを制御することによって、第2半導体領域114あるいは第2部分103bを形成しうる。
以上に述べた構成によれば、グローバル電子シャッタが可能な画素構成を提供するとともに、保持部からの電荷の転送を低電圧で行うことができる。
以下、転送電圧低減の効果を説明する。そのために、比較例として領域114が配されない構成を考える。比較例では、保持部を構成する第1半導体領域103の不純物濃度分布が平面方向に沿って一様である。
図7および図8において、画素における電荷の転送路に沿ったポテンシャル分布の一例が示されている。これらの図では、転送路は、光電変換部8、第1電荷転送部9、第1保持部10、第2電荷転送部11、入力ノード14として示されている。本発明に係る撮像装置の画素におけるポテンシャルが実線で示されている。そして、比較例の画素におけるポテンシャル分布が破線で示されている。
図7(b)が示す通り、比較例と比べて、本発明に係る第1保持部10のポテンシャル分布の底部は浅い。つまり、ポテンシャル分布の底部におけるポテンシャルが高い。そして、比較例に比べて、本発明に係る第1保持部10のポテンシャル分布の底部は、電荷の転送方向、つまり第2電荷転送部11の方向に広がっている。これにより、本発明に係る保持部におけるポテンシャル分布の底部は、比較例よりも、転送部に近づいている。これは、第1半導体領域によって囲まれた側面を有する第2半導体領域が配されたことによるものである。
このような構成によれば、比較例よりも、第1保持部10から入力ノード14に至る電荷の転送路にポテンシャル障壁が形成されにくい。そのため、保持部からの電荷の転送をより低電圧で行うことができる。
具体的には、例えば図8(c)に示されるように、本発明に係る撮像装置においては、第2電荷転送部11のポテンシャルをV1とすることによって、第1保持部10の電荷を入力ノード14に転送することができる。一方、比較例においては、第2電荷転送部11のポテンシャルをV1より低いV2とすることによって、第1保持部10の電荷が入力ノード14に転送される。比較例において、第2電荷転送部11のポテンシャルがV1であると、図9が示すように、第1保持部と入力ノード14の間にポテンシャル障壁が生じる。このため、比較例では、電荷の一部が転送されずに、第1保持部10に残る。このように、本発明に係る撮像装置においては、第2電荷転送部のポテンシャルをV2まで下げなくても、電荷の転送が行える。つまり、低電圧で電荷の転送を行うことができるのである。
なお、本発明に係る保持部におけるポテンシャル分布の底部は、比較例よりも高い。しかし、本発明に係る保持部におけるポテンシャル分布の底部は前述のように横方向に広がっているので、これによって飽和電荷量の低下が抑えられる。また、飽和電荷量は、第1半導体領域の不純物濃度を高めることによって増加させることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。本明細書で使用される「第1導電型」および「第2導電型」は、相互に異なる導電型を表現するために用いられる用語である。「第1導電型」がN型である場合には「第2導電型」はP型である。「第1導電型」がP型である場合には「第2導電型」はN型である。以下では、説明の簡略化のために、「第1導電型」がN型であり、「第2導電型」がP型である例を説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、「第1導電型」がP型であり、「第2導電型」がN型である場合にも適用される。保持部を構成する半導体領域がN型である場合には、保持部には光電変換によって生じた電子および正孔のうち電子が蓄積されうる。保持部を構成する半導体領域がP型である場合には、保持部には光電変換によって生じた電子および正孔のうち正孔が蓄積されうる。
また、以下では、画素ごとに増幅素子を有する画素増幅型の撮像装置に本発明を適用した例を説明する。これに限られず、本発明は、電荷の保持部と、保持部に保持された電荷を転送する転送部を有する種々のセンサに適用されうる。
本発明に係る撮像装置の実施例について説明する。図1は、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。撮像装置1は半導体基板を用いて1つのチップで構成することができる。撮像装置1は、撮像領域2に配された複数の画素を有している。更に、撮像装置1は制御部3を有している。制御部3は、垂直走査部4、信号処理部5及び出力部6に制御信号、電源電圧等を供給する。
垂直走査部4は撮像領域2に配された複数の画素に駆動パルスを供給する。通常、画素行ごともしくは複数の画素行ごとに駆動パルスを供給する。垂直走査部4はシフトレジスタもしくはアドレスデコーダにより構成することができる。
信号処理部5は、列回路、水平走査回路、水平出力線を含んで構成される。列回路は、各々が、垂直走査部4により選択された画素行に含まれる複数の画素の信号を受ける複数の回路ブロックにより構成されている。各回路ブロックは、メモリ部、増幅回路、ノイズ除去回路、アナログデジタル変換回路のいずれか、全て、もしくはそれらの組み合わせにより構成することができる。これらの回路は、デジタル信号を処理する回路であってもよいし、アナログ信号を処理する回路であってもよい。水平走査回路はシフトレジスタもしくはアドレスデコーダにより構成することができる。
出力部6は水平出力線を介して伝達された信号を撮像装置1外に出力する。出力部6は、バッファもしくは増幅回路を含んで構成されている。
図2に本実施例の撮像装置の等価回路を示す。ここでは、2行3列の計6画素を示しているが、更に多数の画素を配して撮像領域が構成されていてもよい。
光電変換部8は入射光を信号電荷(電子、あるいは正孔)に変換する。光電変換部8の例としてフォトダイオードを示している。
第1電荷転送部9は、光電変換部8で生成した電荷を後段の回路素子へ転送する。以降では信号電荷として電子を用いる場合を例に説明する。第1電荷転送部9は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
第1保持部10は光電変換部8で生成した電子を保持する。第2電荷転送部11は第1保持部10で保持した電子を後段の回路素子へ転送する。第2電荷転送部11は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
増幅素子15の入力ノード14は、第1保持部10から第2電荷転送部11を介して転送された電子を保持可能な構成である。増幅素子15の入力ノード14は半導体基板に配されたフローティングディフュージョン領域(以下、FD領域)を含んで構成することができる。増幅素子15は入力ノード14に転送された電子に基づく信号を増幅して垂直信号線20へ出力する。ここでは増幅素子15としてMOSトランジスタ(以下、増幅トランジスタ)を用いている。例えば増幅トランジスタはソースフォロワ回路を構成する。また、増幅部15の入力ノード14と第1保持部10との間の電気的経路には、第2電荷転送部11が配される。つまり、増幅部15の入力ノード14と第1保持部10とは別のノードである。このような例に限らず、2つのノードが電気的に絶縁されうる構成であれば、別のノードである。
第4電荷転送部7は光電変換部8の電子をオーバーフロードレイン領域(以下、OFD領域)へ転送する。OFD領域は、例えば電源電圧を供給する配線16に電気的に接続されたN型の半導体領域により構成することができる。第4電荷転送部7は半導体基板上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。第4電荷転送部7により電子シャッタ動作を行うことができる。つまり、第4電荷転送部7を制御することによって、光電変換部8で生じた電子を排出する期間(シャッタ期間)と、電子を蓄積する期間(露光期間)とを制御できる。
リセット部17は、増幅素子15の入力ノード14に基準電圧を供給する。リセット部17は増幅素子15の入力ノード14で保持された電子をリセットする。ここではリセット部17としてMOSトランジスタ(以下、リセットトランジスタ)を用いている。
選択部18は、各画素を選択して画素毎もしくは画素行ごとに画素の信号を垂直信号線20へ読み出す。ここでは選択部18としてMOSトランジスタ(以下、選択トランジスタ)を用いている。なお、選択部18は、増幅素子15と垂直信号線20の間の経路に配されてもよい。あるいは、選択部18が省略されてもよい。選択部18が省略される例では、リセット部17が増幅素子15の入力ノード14に供給する電圧によって、画素が選択されうる。
リセットトランジスタのドレイン及び選択トランジスタのドレインには配線19を介して所定の電圧が供給されている。所定の電圧は例えば電源電圧である。なお、選択部18が増幅部15と垂直信号線20の間の経路に配された場合、および選択部18が省略された場合には、増幅トランジスタのドレインが配線19に接続される。
リセット制御配線21は、リセットトランジスタのゲートに駆動パルスPRESを供給する。選択制御配線22は、選択トランジスタのゲートに駆動パルスPSELを供給する。第2転送制御配線24は、第2電荷転送部11を構成する制御電極(以下、第2制御ゲート)に駆動パルスPTX2を供給する。第1転送制御配線25は第1電荷転送部9を構成する制御電極(以下、第1制御ゲート)に駆動パルスPTX1を供給する。第4転送制御配線26は第4電荷転送部7を構成する制御電極(以下、第4制御ゲート)に駆動パルスPTX4を供給する。各制御ゲートに供給されるパルス値により、各制御ゲート下の半導体領域のポテンシャル障壁の高さを変化させることが可能となる。
本実施例は、図2に例示した等価回路により示される画素構成において、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路が以下の構成を有しうる。その構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動可能な構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。したがって、第1電荷転送部9の非導通状態は、第1電荷転送部9がいわゆる完全なオフになっている必要はなく、完全にオンした場合に比べて何らかのポテンシャル障壁が生じている状態も含む。
具体的な構成としては、例えば第1電荷転送部9がMOSトランジスタであるとすると、このMOSトランジスタを埋め込みチャネル構造とすることで実現することができる。より一般的にいえば、第1電荷転送部9が非導通状態の時に表面よりも深い領域に表面よりも電子に対するポテンシャル障壁が低くなっている部分が存在している構成である。この場合には第1電荷転送部9に供給される駆動パルスを固定値とすることもできる。つまり導通状態と非導通状態との2状態を切り替え可能な構成としなくとも固定のポテンシャル障壁としても良い。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に第1保持部10へ移動する。したがって、撮像領域2に配された全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
更に、第1電荷転送部9が非導通状態となっていると表面にホールが蓄積される。そして、電子が移動するチャネルが表面よりも所定深さの部分に存在するため、半導体基板と絶縁膜との界面を電子が移動する場合に比べて暗電流の影響を低減することが可能となる。
あるいは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路は別の構成を有してもよい。別の構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。これは言い換えると光電変換により生成した発生した電子の大半を光電変換部8に蓄積する構成である。
光電変換部8で電子を蓄積している期間において、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低いポテンシャル障壁が形成されることにより、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成を得ることができる。具体的な構成としては、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときに、第1制御ゲートの下に形成されるポテンシャル障壁が、第4制御ゲートの下に形成されるポテンシャル障壁よりも高い。なお、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときに、光電変換部8において電子が蓄積されうる。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に光電変換部8に蓄積される。したがって、撮像領域2に配された全ての画素において並行して、光電変換部8に蓄積された電荷を第1保持部10へ転送することにより、全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
図3、図4を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。図2で説明した部材と同じ名称の部材は、同様の機能を有する部材であるため詳細な説明は省略する。
図3に本実施例の撮像装置の上面図を示す。ここでは2行3列の計6画素を示しているが更に多数の画素が配されて撮像領域を構成していてもよい。
画素100は、光電変換部8を構成するN型半導体領域101、第1電荷転送部9を構成する制御電極102、第1保持部10を構成するN型半導体領域103、第2電荷転送部11を構成する制御電極104、FD領域107、リセットトランジスタ108、増幅トランジスタ109、選択トランジスタ110を含んで構成される。更に、画素100は、第4電荷転送部7を構成する制御電極111、OFD領域112を有している。FD領域107は、第1保持部10で保持された電子が転送されるN型半導体領域を含んで構成される。OFD領域112は、光電変換部8からの電荷が転送されるN型半導体領域を含んで構成される。
なお、OFD領域112は、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタのソースあるいはドレインと兼用されてもよい。つまり、第1保持部10の電荷が、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、あるいは増幅トランジスタのいずれかのソースまたはドレインに転送される。このような構成によれば、光電変換部8の面積を大きくすることができるため、感度を向上させることができる。
また、N型半導体領域103の下に、P型半導体領域115が配される。N型半導体領域103とP型半導体領域115とがPN接合を構成している。なお、本実施例においてP型半導体領域115は省略されてもよい。
本実施例の特徴は、P型半導体領域114と制御電極102との間にN型半導体領域103の一部が配され、また、P型半導体領域114と制御電極104との間にN型半導体領域103の一部が配されたことである。好ましくは、図3が示すように、ある平面で見たときに、N型半導体領域103がP型半導体領域114を囲んでいる。
ここで、P型半導体領域114がN型半導体領域103に囲まれるとは、平面において、P型半導体領域114の当該平面への射影が、N型半導体領域103の当該平面への射影によって囲まれることである。ここで平面は、第1保持部10における半導体基板300aとその上に配された絶縁膜300bとの界面300の少なくとも一部を含む面であってよい。例えば、図3の上面図が、N型半導体領域103の射影とP型半導体領域114の射影とを同一平面に示した図である。
別の観点では、P型半導体領域114が配された深さであって、半導体基板300aとその上に配された絶縁膜300bとの界面300に平行な面において、P型半導体領域114がN型半導体領域103に囲まれる。例えば、第1の深さにおいてはP型半導体領域114がN型半導体領域に囲まれていて、それよりも深い第2の深さにおいてはP型半導体領域114がN型半導体領域に囲まれていない構造であってもよい。
図4に図3のA−A’に沿った断面構造の概略図を示す。図3と同様の機能を有する部材には同様の符号を付し詳細な説明は省略する。本実施例として、図4(a)および図4(b)の2つの断面構造の例を示している。図4(a)と図4(b)とは、P型半導体領域114の構成が異なる点を除いて同じである。
本実施例の撮像装置は、半導体基板300aと、その上に配された絶縁膜300bとを有する。半導体基板300aは例えばシリコンである。半導体基板300aはエピタキシャル成長によって形成された半導体領域を含みうる。絶縁膜300bは例えばシリコン酸化膜である。半導体基板300aの内部に半導体領域が形成される。また、半導体基板300aの上に絶縁膜300bを介して制御電極が配される。
半導体基板300aにN型半導体領域301が配される。N型半導体領域301の上にP型半導体領域302が配される。P型半導体領域302とPN接合を構成するように、N型半導体領域101が配される。N型半導体領域101の表面側、つまり絶縁膜300bに近い側にはP型半導体領域303が配される。P型半導体領域302、N型半導体領域101、P型半導体領域303によりいわゆる埋め込み型のフォトダイオードが構成されている。
光電変換部8で生じた電子は、第1チャネル304を移動し、第1保持部10を構成するN型半導体領域103に到達する。N型半導体領域103で保持された電子は、第2チャネル305を移動し、FD領域を構成するN型半導体領域107へ到達する。また、光電変換部8で生じた電子は、制御電極111を介して、OFD領域112に排出可能となっている。
制御電極102は第1チャネル304の上部に絶縁膜300bを介して配されている。本実施例では、制御電極102が、N型半導体領域103の上に配された部分102aを含んでいる。制御電極102は、第1電荷転送部9及び第1保持部10で兼用されている。つまり、制御電極102に印加される電圧によって、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャルが制御される。加えて、制御電極102に印加される電圧によって、第1保持部10のポテンシャルが制御される。第1電荷転送部9は、第1チャネル304及び第1チャネル304上に絶縁膜を介して配された制御電極102の一部を含んで構成されている。
第1保持部10は、N型半導体領域103と、N型半導体領域103とPN接合を構成するP型半導体領域115を含む。N型半導体領域103がPN接合容量を構成することによって、電子が蓄積されうる。更に、第1保持部10は、絶縁膜を介してN型半導体領域103上に配された制御電極102の一部102aを含んで構成されている。制御電極102に印加される電圧によって、N型半導体領域103の界面300側に反転層が形成されるとよい。これにより、暗電流が第1保持部10に混入することを低減することができる。
制御電極104は第2チャネル305の上に絶縁膜300bを介して配されている。第2電荷転送部11は、第2チャネル305及び第2チャネル305上に絶縁膜を介して配された制御電極104を含んで構成されている。
FD領域107およびOFD領域112には、プラグ307が接続される。FD領域107は、プラグ307を介して増幅トランジスタのゲート電極に接続される。OFD領域112は、プラグ307を介して不図示の配線16に接続される。
また、N型半導体領域103の下に、P型半導体領域115が配される。P型半導体領域115は、N型半導体領域103の一部の下にのみ配されてもよいし、N型半導体領域103の全部の下に配されてもよい。N型半導体領域103とP型半導体領域115とがPN接合を構成している。P型半導体領域115の不純物濃度は、P型半導体領域115より下に配されたP型の半導体領域の不純物濃度より高い。例えば、本実施例では、P型半導体領域115の不純物濃度が、P型半導体領域302の不純物濃度より高い。このような構成によれば、N型半導体領域103からの空乏層の広がりを低減することができるので、第1保持部10から低電圧で電荷を転送することができる。
なお、P型半導体領域115は省略されてもよい。P型半導体領域115が省略された例では、N型半導体領域103の下に配されたP型半導体領域302が、深くなるにつれて不純物濃度が高くなる不純物分布、あるいは一様な不純物分布を有しうる。
本実施例においては、N型半導体領域103の下にP型半導体領域114が配される。つまり、P型半導体領域114と界面300との間に第1保持部10を構成するN型半導体領域103の一部が配される。界面300は、半導体基板300aと絶縁膜300bとが接する面である。
図4が示す通り、界面300に平行な線分B−B’を含む面において、P型半導体領域114と第1電荷転送部9との間に、N型半導体領域103の一部が配される。そして、P型半導体領域114と第2電荷転送部11との間に、N型半導体領域103の別の一部が配される。本実施例では、界面300に平行な線分B−B’を含む面において、P型半導体領域114はN型半導体領域103に囲まれる。つまり、紙面奥の方向において、P型半導体領域114に隣り合ってN型半導体領域103が配され、紙面手前の方向において、P型半導体領域114に隣り合ってN型半導体領域103が配される。このように、線分B−B’の示す深さにおいて、P型半導体領域114がN型半導体領域103によって囲まれていてもよい。
図4(a)に示された例では、P型半導体領域114のうち半導体基板300aの深い位置に配された部分は、N型半導体領域103に囲まれていない。つまり、P型半導体領域114が、N型半導体領域103の下端よりも深くまで延在している。N型半導体領域103の下端は、例えば、P型半導体領域115とのPN接合面である。
図4(b)に示された例では、界面300からP型半導体領域114の下端までの距離が、界面300からN型半導体領域103の下端までの距離よりも短い。つまり、P型半導体領域114の下に、N型半導体領域103の一部が配される。なお、P型半導体領域114の下端は、例えば、N型半導体領域103とのPN接合面である。N型半導体領域103の下端は、例えば、P型半導体領域115とのPN接合面である。
次に、各半導体領域の不純物濃度について説明する。なお、各半導体領域の不純物濃度は、これに限られることはなく、必要に応じて適宜変更されうるものである。N型半導体領域103に囲まれたP型半導体領域が配されることで、電荷の転送を低電圧で行うことが可能だからである。
P型半導体領域114の不純物濃度は、P型半導体領域302の不純物濃度より高くてもよい。あるいは、P型半導体領域114の不純物濃度は、N型半導体領域103の不純物濃度より高くてもよい。P型半導体領域114の不純物濃度が高いほど、第1保持部10からの電荷の転送に用いられる電圧を小さくすることができる。なお、本実施例において、P型半導体領域114の不純物濃度は、ほとんど真性半導体に近い程度の濃度であってもよい。
なお、後述する実施例2のように、第2半導体領域が保持部を構成する第1半導体領域と同じ導電型の場合には、第2半導体領域の不純物濃度が低いほど、第1保持部10からの電荷の転送に用いられる電圧を小さくすることができる。
一方、P型半導体領域114の不純物濃度が、例えばP型半導体領域303の不純物濃度よりも低くてもよい。あるいは、P型半導体領域114の不純物濃度が、不図示のポテンシャルバリアを構成するP型半導体領域の不純物濃度よりも低くてもよい。P型半導体領域114の不純物濃度が高いと、保持部の電荷保持容量が小さくなる可能性がある。したがって、このような構成によれば、保持部の電荷保持容量の低下を抑制することができる。
N型半導体領域103の不純物濃度は、N型半導体領域101の不純物濃度より高いことが好ましい。これにより、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。あるいは、光電変換部8の感度を向上させることができる。
P型半導体領域303の不純物濃度は、P型半導体領域302の不純物濃度より高いことが好ましい。あるいは、P型半導体領域303の不純物濃度は、N型半導体領域101の不純物濃度より高いことが好ましい。このような構成によって、光電変換部8における暗電流によるノイズを低減することができる。
遮光部材113は第1保持部10の上部に配されている。遮光部材113により、第1保持部10が遮光されうる。好ましくは、遮光部材113が第1保持部10に入射し得る光の全部を遮光する。遮光部材113の光電変換部8側の端部は、第1保持部10の光電変換部8側の端部よりも、光電変換部8に近い。遮光部材113のFD領域107側の端部は、第1保持部10のFD領域107側の端部よりも、FD領域107に近い。
しかしながらこれに限るものではなく、本実施例のように制御電極102が第1電荷転送部9と、第1保持部10とで兼用される場合には、少なくとも制御電極102の光電変換部8側の端部を覆わない構成としてもよい。このような構成によれば、光電変換部8に対する遮光部材113の影響が小さくなるため、光電変換部8の感度を向上させることができる。更に、垂直方向に対して一定の角度をもって入射する光の画素位置に対する影響を低減させることが可能となる。または、第1保持部10を構成するN型半導体領域103もしくはP型半導体領域302において光電変換された電子をN型半導体領域103において蓄積することができる。これによって画素の感度を向上させることが可能となる。
なお、第1保持部10の全部が遮光部材113によって被覆されなくてもよい。たとえば、第1保持部10を構成する制御電極102に駆動パルスを供給するための導電体を配するために、遮光部材113に開口が設けられてもよい。
遮光部材113は配線層を構成する金属を用いることができる。もしくは異なる配線層間、あるいは配線と半導体領域間の電気的接続をするためのプラグを構成する金属を用いることができる。遮光部材113はできるだけ半導体基板300aに近い場所に配された方が好ましい。複数の配線層のうち最も半導体基板300aの近くに配された配線層を構成する金属、もしくは最下層の配線層と半導体領域とを電気的に接続するプラグの金属を用いるのが良い。もしくは最下層の配線層と半導体基板との聞に遮光部材113専用の金属を配してもよい。
図4では第1保持部10の上に配された遮光部材113のみが図示されている。しかし、他の画素回路を構成するトランジスタの上にも遮光部材を配してもよい。もしくは他の画素回路を構成するトランジスタを配線により遮光してもよい。他の画素回路を構成するトランジスタは、上述のリセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタなどである。
図5を用いて本実施例の製造方法について説明する。図5は、図3のA−A’に沿った断面を示す概略図である。
図5(a)に示されるように、半導体基板300aにN型半導体領域301とP型半導体領域302とを形成する。各半導体領域の形成には、公知の半導体プロセスを用いることができる。例えばイオン注入法や、熱拡散法により不純物を半導体基板300aに導入することにより、各半導体領域を形成することができる。N型の半導体領域を形成する場合には、砒素やリンが導入される。P型の半導体領域を形成する場合には、ボロンが導入される。これは、他の半導体領域についても同様である。なお、N型半導体領域301には不純物を導入せず、半導体基板300aの一部をそのままN型半導体領域301としてもよい。
図5(a)に示された工程おいて、P型の不純物をP型半導体領域114が配される領域に導入する。この工程で導入されたP型の不純物によって、P型半導体領域114が形成されうる。P型半導体領域114はマスク501を用いたイオン注入により形成される。つまり、P型半導体領域114の端は、マスク501によって規定されうる。
次に図5(b)に示されるように、N型の不純物をN型半導体領域103が配される領域に導入する。この工程で導入されたN型の不純物によって、N型半導体領域103が形成されうる。N型半導体領域103はマスク502を用いたイオン注入により形成される。つまり、N型半導体領域103の端は、マスク502によって規定されうる。
本実施例の製造方法の特徴は、P型半導体領域114を形成するためのマスク501の第1開口501aと、N型半導体領域103を形成するためのマスク502の第2開口502aとの配置である。第1開口501aおよび第2開口502aが、P型半導体領域114がN型半導体領域103に囲まれるように、それぞれのマスクに配される。
これにより、N型半導体領域103を形成するときに不純物が導入される領域の一部と、P型半導体領域114を形成する時に不純物が導入される領域の一部とが、重なりうる。つまり、同じ領域114aに、N型半導体領域103を形成するためのN型の不純物と、P型半導体領域114を形成するためのP型の不純物とが導入されうる。別の観点では、N型半導体領域103を形成するためにN型の不純物が導入される領域の一部(領域114a)に、反対導電型(P型)の不純物が導入される。このため、当該一部(領域114a)の不純物濃度が低くなる。あるいは当該一部がP型の半導体領域になる。本実施例では、領域114aがP型である例を説明している。
一般に、半導体領域の導電型は、そこに導入されたP型の不純物の量(ドーズ)と、P型の不純物の量(ドーズ)との大小関係によって決定されうる。N型の不純物のドーズがP型の不純物のドーズより多ければ、導電型はN型となる。P型の不純物のドーズがN型の不純物のドーズより多ければ、導電型はP型となる。
このように、保持部を構成する第1半導体領域を形成するときに不純物が導入される領域の一部に、第1半導体領域とは反対の導電型の不純物が導入されることによって、第2半導体領域が形成される。このような構成によって、低電圧で電荷を転送することができる保持部の構造を好適に得ることができる。
なお、P型半導体領域114は不純物濃度の異なる複数の部分を含みうる。これは、図5(a)においてP型の不純物が導入された領域のうち、後の図5(b)の工程でN型の不純物が導入された部分は、他に比べて不純物濃度が低くなるからである。
また、図5においては、P型半導体領域114をN型半導体領域103よりも先に形成する例を示している。しかし、この順番に限定されない。N型半導体領域103がP型半導体領域114よりも先に形成されてもよい。あるいは、両者が同時に形成されてもよい。
図5(b)の工程において、P型半導体領域115を形成してもよい。このとき、N型半導体領域103を形成するときに用いたマスク502を用いて、P型半導体領域115を形成するP型の不純物を半導体基板に導入している。
イオン注入によってP型半導体領域115を形成すると、P型半導体領域115の不純物分布はある深さにピークRp1を持つ。P型半導体領域114をイオン注入によって形成する場合には、P型半導体領域114の不純物分布のピークRp2が、ピークRp1よりも界面300に近い位置に配されることが好ましい。
続いて、図5(c)に示されるように、N型半導体領域101、107、112、P型半導体領域303、制御電極102、104、111を形成する。制御電極は例えばポリシリコンで形成される。これらの部材を形成する順序については特に限定されない。例えば、制御電極を先に形成することによって、制御電極をマスクとしたイオン注入によって、N型半導体領域101、107、112、P型半導体領域303を形成することができる。このような方法によれば、各半導体領域の重ね合わせ精度を向上させることができる。
その後、図5(d)に示されるように、遮光部材113、プラグ307を形成する。なお、遮光部材113とプラグ307とは、同じ材料で構成されてもよい。
図5では、図4(a)に示される断面構造を例に本実施例の製造方法を説明した。図4(b)に示される断面構造を形成する場合にも、図5の製造方法が用いられる。
続いて本実施例の駆動方法について説明する。図6に本実施例の撮像装置の駆動パルス図を示す。撮像領域2に配された全ての画素で露光期間が一致するグローパル電子シャッタ動作を行う場合のパルス図である。カッコ内の数字は行数を示しており、本図では、1行目、2行目の画素に供給される駆動パルスを示している。PSELは選択トランジスタのゲートに供給される駆動パルスを示している。PRESはリセットトランジスタのゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX1は第1制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX2は第2制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX4は第4制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTSは、例えば列回路に配されたメモリ部により光信号をサンプルホールドするための駆動パルスを示している。PTNは、例えば列回路に配されたメモリ部によりノイズ信号をサンプルホールドするための駆動パルスを示している。全てハイレベルで導通状態となる。
時刻t1以前は、撮像領域2における全ての行のPRESおよびPTX4がハイレベルとなっている。ここで図6に示された他の全てのパルスはローレベルである。これによって、光電変換部8で発生した電子がOFD領域に排出される。
時刻t1において、PRESおよびPTX4がハイレベルを維持した状態で、撮像領域2に配された全ての画素において、PTX1、およびPTX2がローレベルからハイレベルへ遷移する。これにより光電変換部8および第1保持部10がリセットされる。
時刻t2において、撮像領域2における全ての行のPTX1、PTX2、およびPTX4がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により撮像領域2に配された全ての画素において露光期間が開始する。露光期間中は光電変換部8で生じた電子のうち所定量の電子は、第1保持部10へ移動する。
時刻t2から所定期間経過後、時刻t3において撮像領域2における全ての行のPTX1がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t4において撮像領域2における全ての行のPTX1がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により光電変換部8に残っていた電子が第1保持部10へ転送される。この動作により露光期間が終了する。
時刻t5において、撮像装置に配された全ての行のPTX4がローレベルからハイレベルへ遷移する。この動作により、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャル障壁の高さよりも光電変換部8とOFD領域112との間のポテンシャル障壁の高さの方が低くなる。これにより光電変換部8で生じた電子が第1保持部10へ移動せずに、OFD領域112へ移動するようになる。
時刻t6において、PSEL(1)がローレベルからハイレベルへ遷移する。この動作により1行目の画素の信号が垂直信号線20に出力され得る状態となる。更に、時刻t6において、PRES(1)がハイレベルからローレベルへ遷移する。これにより、増幅素子15の入力ノード14のリセット動作が完了する。
時刻t7において、PTNがローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t8において、PTNがハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により例えば列回路に配されたノイズ信号用のメモリ部においてノイズ信号が保持される。
時刻t9において、PTX2(1)がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t10においてPTX2(1)がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により、1行目の画素の第1保持部10で保持されていた電子が、増幅素子15の入力ノード14に転送される。
時刻t11においてPTSがローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t12において、PTSがハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により例えば列回路に配された光信号用のメモリ部においてノイズ信号が重畳した光信号が保持される。
時刻t13において、PSEL(1) がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により1行目の画素の信号の読み出し期間が終了する。1行目の画素の読み出し期間は、時刻t6から時刻t13までの期間となる。更に時刻t13において、PRES(1)がローレベルからハイレベルへ遷移する。これにより、1行目の画素の増幅素子15の入力ノード14のリセットが開始される。
この後、時刻t14から時刻t21までの期間において、2行目の画素の信号の読み出しが行われる。1行目と同様の動作であるため詳細な説明は省略する。ハイレベルとなる駆動パルスの対象が2行目となる点が異なること以外は、時刻t14から時刻t21の各時刻における動作は、時刻t6から時刻t13の各時刻における動作と同様である。
このような動作によって撮像領域2に配された全ての画素で、露光期間を等しくすることが可能となる。本動作においては、第1保持部10の転送までは撮像面全体で同時に行う。具体的な時刻としては時刻t4である。その後、読み出し動作を繰り返すことで、撮像領域2における全ての行の読み出しを行なう。
図7および図8は、図6に示した駆動パルス図のそれぞれの時刻、期間においてのポテンシャル障壁の高さの関係を示したものである。図7および図8には、OFD領域112、第4電荷転送部7、光電変換部8、第1電荷転送部9、第1保持部10、第2電荷転送部11、および入力ノード14(FD領域107)のポテンシャルが示されている。部実線で本実施例における画素のポテンシャルが示されている。また、図7には、破線で比較例における画素のポテンシャルが示されている。比較例は、P型半導体領域114が配されていない点を除いて、本実施例と同様の構造である。
なお、本明細書においては、ポテンシャルは信号電荷の位置エネルギーである。例えば、信号電荷が電子の場合、制御電極により高い電圧が印加されるほど、制御電極の下の半導体領域のポテンシャルが低くなる。これは、電子が負の電荷だからである。電圧が高い領域では、電子の位置エネルギーは低い。一方、信号電荷がホールの場合、制御電極により高い電圧が印加されるほど、制御電極の下の半導体領域のポテンシャルが高くなる。これは、ホールが正の電荷だからである。電圧が高い領域では、ホールの位置エネルギーは高い。図7および図8では、図の下の方が信号電荷にとって低いポテンシャルを表し、図の上の方が信号電荷にとって高いポテンシャルを表す。
図7(a)は時刻t1から時刻t2までの期間におけるポテンシャル状態を示す図である。図6で説明したように、時刻t1から時刻t2までの期間においては、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第4電荷転送部7にすべてハイレベルのパルスが供給される。つまりすべての電荷転送部において生じるポテンシャル障壁が低い状態となっている。光電変換部8で生じた電子はOFD領域112もしくはリセットトランジスタのドレイン(不図示)に排出される。好ましくは、光電変換部8および第1保持部10には電子が存在しない。
この時の電子に対する好適なポテンシャル状態としては、光電変換部8が最も高いポテンシャルとなっている。更に、図示するように、光電変換部8から増幅素子15の入力ノード14まで順にポテンシャルが低くなっている状態が好ましい。つまり、光電変換部8のポテンシャルが、第1保持部10のポテンシャルより高くてもよい。第1保持部10のポテンシャルが入力ノード14のポテンシャルより高くてもよい。
図7(b)、図7(c)は時刻t2から時刻t3までの期間、つまり露光期間中のポテンシャル状態を示す図である。第1電荷転送部9が非導通状態となっている。つまり、図7(a)の場合に比べて、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャル障壁の高さが高くなっている。更に、第4電荷転送部7が非導通状態となっている。つまり、図7(a)の場合に比べて光電変換部8とOFD領域112との間のポテンシャル障壁の高さが高くなっている。これにより、図7(b)では少量の電子が光電変換部8で蓄積されている。また、図7(b)の状態において、第1電荷転送部9に生じるポテンシャル障壁の高さは、第4電荷転送部7に生じるポテンシャル障壁の高さよりも低い。
図7(c)のポテンシャル状態は図7(b)と同じだが、光電変換部8へ入射した光の量が異なる。光電変換部8に一定以上の電子が生じた場合には、第1電荷転送部9に生じたポテンシャル障壁を乗り越えて、第1保持部10に電子は移動する。つまり、所定量以上の光が入射した場合、露光期間中は光電変換部8と第1保持部10とが電子を保持している。
図7(d)は時刻t3から時刻t4までの期間におけるポテンシャル状態を示す図である。光電変換部8で蓄積されていた電子が第1保持部10に転送される。光電変換部8からの電子の転送効率を高めるためには、光電変換部8のポテンシャルよりも第1電荷転送部9の導通時のポテンシャル障壁が低くなっているとよい。更に、第1保持部10のポテンシャルが光電変換部8のポテンシャルよりも低い方が良い。本実施例では、制御電極102が第1電荷転送部9と第1保持部10とで兼用されているため、第1電荷転送部9を導通させる駆動パルスが供給されると、第1保持部10のポテンシャルも低くなる。
図8(a)は時刻t4から時刻t5までの期間のポテンシャル状態を示す図である。第1電荷転送部9が非導通となり、第2電荷転送部11が導通となる前の状態を示している。第1保持部10には第1電荷転送部9に生じるポテンシャル障壁で決まる量の電子が蓄積されている。
図8(b)は時刻t5から時刻t9までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t5から時刻t17までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態である。この期間の長さは画素行ごとに異なりうる。第4電荷転送部7が導通するため、第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁が、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低くなる。第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁は、光電変換部8のポテンシャルより低くなっていることが好ましい。このようなポテンシャル状態によって、第1保持部10が電子を保持しつつ、光電変換部8で発生した電子がOFD領域112に移動することができる。
図8(c)は時刻t9から時刻t10までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t17から時刻t18までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を表す図である。第2電荷転送部11が導通状態となり、第1保持部10で保持されていた電子が増幅素子15の入力ノード14に転送される。第1保持部10からの電子の転送効率を高めるためには、第1保持部10のポテンシャルの高さよりも第2電荷転送部11の導通時のポテンシャル障壁の高さが低い方がよい。更に、増幅素子15の入力ノード14のポテンシャルの高さが第1保持部10のポテンシャルの高さよりも低い方が良い。
ここで、本実施例においては第2電荷転送部11の制御電極104には、第2電荷転送部11のポテンシャルがV1となるような電圧が供給される。これは、第2電荷転送部11のポテンシャルをV2とする電圧より低い電圧である。つまり、比較例の場合に比べて、低い電圧で、第1保持部10に保持された電子を入力ノード14に転送することができる。一方、図9は、同じタイミングにおける比較例のポテンシャルを示している。比較例では、第2電荷転送部11のポテンシャルがV1となるような電圧では、第1保持部10に保持された電子の一部が転送されない可能性がある。つまり、比較部では、電荷の転送により高い電圧が用いられうる。
図8(d)は時刻t10から時刻t13までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t18から時刻t21までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を表す図である。第2電荷転送部11が非導通状態となった後のポテンシャル状態を示す図である。光電変換部8には光が入射しているものの、第4電荷転送部7によりOFD領域112へ電子は排出される。また、第1保持部10にも電子が混入し得る。しかしながら、第1電荷転送部9のポテンシャル障壁の高さに比べて、第2電荷転送部11のポテンシャル障壁の高さが高いため、入力ノード14には電荷が混入しにくい構成となっている。時刻t13以降における1行目の画素のポテンシャル、および時刻t21以降における2行目の画素のポテンシャルは、図7(a)で示された状態であってもよい。
本実施例の効果について説明する。図7および図8が示す通り、本実施例の第1保持部10のポテンシャル分布の底部は、比較例よりも電荷の転送方向に広がっている。これにより、本実施例の第1保持部10におけるポテンシャル分布の底部は、比較例よりも、転送部に近づいている。これは、N型半導体領域103によって囲まれたP型半導体領域114が配されたことによるものである。このように、本実施例の構成によれば、比較例よりも、光電変換部から増幅素子の入力ノードに至る電荷の経路にポテンシャルバリアが形成されにくい。したがって、保持部からの電荷の転送をより低電圧で行うことができる。
また、本実施例においては、P型半導体領域114が界面300から離間して配されている。このような構成によれば、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。また、P型半導体領域114の下に、N型半導体領域103が配されることによって、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。
本発明に係る撮像装置の別の実施例について説明する。第1保持部10を構成するN型半導体領域103が、第1部分103aと、第1部分103aより不純物濃度が低い第2部分103bとを含む点において、本実施例は実施例1と異なる。第2部分103bは、第1部分103aに囲まれている。また、実施例1のP型半導体領域114が省略されうる。他の部分は、全て実施例1と同様である。そこで、本実施例において、実施例1とは異なる点のみを説明し、他の部分については説明を省略する。
本実施例の撮像装置の全体ブロック構成は実施例1と同様である。つまり、図1が、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。
本実施例の撮像装置の等価回路は実施例1と同様である。つまり、図2が、本実施例の撮像装置の等価回路を示す。
図10、図11を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。それぞれ、図3、図4と同様の機能を有する部分には同じ符号を付してある。図3、図4と同じ符号が付された部分については、実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図10に本実施例の撮像装置の上面図を示す。ここでは2行3列の計6画素を示しているが更に多数の画素が配されて撮像領域を構成していてもよい。
本実施例においては、N型半導体領域103が、第1部分103aと、第1部分103aより不純物濃度が低い第2部分103bを含む。図10では、N型半導体領域103のうち、第2部分103b以外が第1部分103aである。本実施例の特徴は、第2部分103bと制御電極102との間に、第1部分103aが配され、また、第2部分103bと制御電極104との間に、第1部分103aが配されたことである。好ましくは、図10が示すように、ある平面で見たときに、第1部分103aが第2部分103bを囲んでいる。
ここで、第2部分103bが第1部分103aに囲まれるとは、平面において、第2部分103bの当該平面への射影が、第1部分103aの当該平面への射影によって囲まれることである。ここで平面は、第1保持部10における半導体基板300aとその上に配された絶縁膜300bとの界面300の少なくとも一部を含む面であってよい。例えば、図3の上面図が、第1部分103aの射影と第2部分103bの射影とを同一平面に示した図である。別の観点では、第2部分103bが配された深さであって、半導体基板300aとその上に配された絶縁膜300bとの界面300に平行な面において、第2部分103bが第1部分103aに囲まれる。
図11に図10のA−A’に沿った断面構造の概略図を示す。本実施例として、図11(a)および図11(b)の2つの断面構造の例を示している。図11(a)と図11(b)とは、第2部分103bの配置が異なる点を除いて同じである。
本実施例においては、N型半導体領域103が第1部分103aと第2部分103bを含む。界面300に平行な面において、第2部分102bと第1電荷転送部9との間に、第1部分103aの一部が配される。そして、第2部分102bと第2電荷転送部11との間に、第1部分103aの別の一部が配される。本実施例では、界面300に平行な面において、第2部分103bは第1部分103aに囲まれる。つまり、紙面奥の方向において、第2部分103bに隣り合って第1部分103aが配され、紙面手前の方向において、第2部分103bに隣り合って第1部分103aが配される。
第2部分103bと界面300との間に、第1部分103aが配される。第1部分103aのうち、第2部分103bと界面300との間に配された部分を便宜的に第3部分と呼ぶ。第2部分103bの不純物濃度は、第3部分の不純物濃度より低い。
図11(a)に示された例では、第2部分103bの下に、P型半導体領域116が配される。P型半導体領域116の不純物濃度は、P型半導体領域115の不純物濃度より高くてもよい。
図11(a)に示された例では、第1部分103aの下端と第2部分103bの下端が同じ深さに配される。第1部分103aの下端は、例えば、第1部分103aとP型半導体領域115とが構成するPN接合面である。第2部分103bの下端は、例えば、第2部分103bとP型半導体領域116とが構成するPN接合面である。
図11(b)に示された例では、第2部分103bの下に、第1部分103aが配される。第1部分103aのうち、第2部分103bの下に配された部分を便宜的に第4部分と呼ぶ。第2部分103bの不純物濃度は、第4部分の不純物濃度より低い。
本実施例において、第2部分103bの不純物濃度は、ほとんど真性半導体に近い程度の濃度であってもよい。
図12を用いて本実施例の製造方法について説明する。図12は図10のA−A’に沿った断面を示す概略図である。
図12(a)に示されるように、半導体基板300aにN型半導体領域301とP型半導体領域302とを形成する。各半導体領域の形成には、公知の半導体プロセスを用いることができる。例えばイオン注入法や、熱拡散法により不純物を半導体基板300aに導入することにより、各半導体領域を形成することができる。N型の半導体領域を形成する場合には、砒素やリンが導入される。P型の半導体領域を形成する場合には、ボロンが導入される。これは、他の半導体領域についても同様である。なお、N型半導体領域301には不純物を導入せず、半導体基板300aの一部をそのままN型半導体領域301としてもよい。
図12(a)に示された工程おいて、P型の不純物を半導体基板300aに導入する。この工程では、少なくともN型半導体領域103の第2部分103bとなる領域に、P型の不純物が導入される。また、この工程で導入されたP型の不純物によって、P型半導体領域116が形成されうる。この工程では、P型の不純物がマスク501を用いたイオン注入により半導体基板300aに導入される。つまり、第2部分103bの端は、マスク501によって規定されうる。
次に図12(b)に示されるように、N型の不純物をN型半導体領域103が配される領域に導入する。この工程で導入されたN型の不純物によって、N型半導体領域103が形成されうる。N型半導体領域103はマスク502を用いたイオン注入により形成される。つまり、N型半導体領域103の端は、マスク502によって規定されうる。
本実施例の製造方法の特徴は、マスク501の第1開口501aと、マスク502の第2開口502aとの配置である。第1開口501aおよび第2開口502aが、N型半導体領域103において第2部分103bが第1部分103aに囲まれるように、それぞれのマスクに配される。
これにより、図12(b)の工程でN型の不純物が導入される領域103の一部と、図12(a)の工程でP型の不純物が導入される領域117の一部とが、重なりうる。つまり、同じ領域(第2部分103b)に、N型の不純物と、P型の不純物とが導入されうる。別の観点では、N型半導体領域103を形成するためにN型の不純物が導入される領域の一部(第2部分103b)に、反対導電型(P型)の不純物が導入される。このため、N型半導体領域103の一部、つまり第2部分103bの不純物濃度が低くなる。
一般に、半導体領域の導電型は、そこに導入されたP型の不純物の量(ドーズ)と、P型の不純物の量(ドーズ)との大小関係によって決定されうる。N型の不純物のドーズがP型の不純物のドーズより多ければ、導電型はN型となる。P型の不純物のドーズがN型の不純物のドーズより多ければ、導電型はP型となる。
このように、保持部を構成する第1半導体領域を形成するときに不純物が導入される領域の一部に、第1半導体領域とは反対の導電型の不純物が導入されることによって、不純物濃度の低い部分が形成される。このような構成によって、低電圧で電荷を転送することができる保持部の構造を好適に得ることができる。
なお、図12においては、P型の不純物をN型の不純物より先に半導体基板に導入する例を示している。しかし、この順番に限定されない。N型半導体領域103の第1部分103aおよび第2部分103bを形成するためのN型の不純物の導入を先に行ってもよい。あるいは、P型の不純物とN型の不純物とを同時に半導体基板300aに導入してもよい。
図12(b)の工程において、P型半導体領域115を形成してもよい。このとき、N型半導体領域103を形成するときに用いたマスク502を用いて、P型半導体領域115を形成する不純物を半導体基板に導入している。なお、P型半導体領域116が配される領域に、図12(a)の工程と図12(b)の工程の両方においてP型の不純物が導入されることで、P型半導体領域116の不純物濃度がP型半導体領域115の不純物濃度よりも高くなる。
イオン注入によってP型半導体領域115を形成すると、P型半導体領域115の不純物分布はある深さにピークRp1を持つ。図12(a)の工程でイオン注入が用いられる場合には、P型の不純物が導入される領域117の不純物分布のピークRp2が、ピークRp1よりも界面300に近い位置に配されることが好ましい。
続いて、図12(c)に示されるように、N型半導体領域101、107、112、P型半導体領域303、制御電極102、104、111を形成する。制御電極は例えばポリシリコンで形成される。これらの部材を形成する順序については特に限定されない。例えば、制御電極を先に形成することによって、制御電極をマスクとしたイオン注入によって、N型半導体領域101、107、112、P型半導体領域303を形成することができる。このような方法によれば、各半導体領域の重ね合わせ精度を向上させることができる。
その後、図12(d)に示されるように、遮光部材113、プラグ307を形成する。なお、遮光部材113とプラグ307とは、同じ材料で構成されてもよい。
図12では、図11(a)に示される断面構造を例に本実施例の製造方法を説明した。図11(b)に示される断面構造を形成する場合にも、図12の製造方法が用いられる。
本実施例の駆動方法については、実施例1と同様である。つまり、図6が、本実施例の撮像装置の駆動パルスを示す。
また、本実施例のポテンシャル障壁の高さの関係は、実施例1と同様である。つまり、図7および図8が、本実施例におけるポテンシャル障壁の高さの関係を示している。
本実施例の効果について説明する。図7および図8が示す通り、本実施例の第1保持部10のポテンシャル分布の底部は、比較例よりも電荷の転送方向に広がっている。これにより、本実施例の第1保持部10におけるポテンシャル分布の底部は、比較例よりも、転送部に近づいている。これは、N型半導体領域103によって囲まれたP型半導体領域114が配されたことによるものである。このように、本実施例の構成によれば、比較例よりも、光電変換部から増幅素子の入力ノードに至る電荷の経路にポテンシャルバリアが形成されにくい。したがって、保持部からの電荷の転送をより低電圧で行うことができる。
また、本実施例においては、N型半導体領域103の第2部分103bと界面300との間に、N型半導体領域103の第3部分が配される。このような構成によれば、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。また、第2部分103bの下に、N型半導体領域103の第4部分が配されることによって、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。
本発明に係る撮像装置の別の実施例について説明する。実施例1のP型半導体領域114の平面における配置が特徴である。他の部分は、全て実施例1と同様である。そこで、本実施例において、実施例1とは異なる点のみを説明し、他の部分については説明を省略する。
本実施例の撮像装置の全体ブロック構成は実施例1と同様である。つまり、図1が、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。
本実施例の撮像装置の等価回路は実施例1と同様である。つまり、図2が、本実施例の撮像装置の等価回路を示す。
図13、図14を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。それぞれ、図3、図4と同様の機能を有する部分には同じ符号を付してある。図3、図4と同じ符号が付された部分については、実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図13に本実施例の撮像装置の上面図を示す。ここでは2行3列の計6画素を示しているが更に多数の画素が配されて撮像領域を構成していてもよい。
本実施例においては、制御電極102からP型半導体領域114までの第1の距離1301より、P型半導体領域114から第2制御電極104までの第2の距離が長い。
図14に図13のA−A’に沿った断面構造の概略図を示す。図14が示すように、第1の距離1301は、半導体基板300aと絶縁膜との界面300に平行な方向の距離である。断面において、P型半導体領域114の制御電極102に最も近い端から、制御電極102までの距離が第1の距離1301である。
また、第2の距離1302は、半導体基板300aと絶縁膜との界面300に平行な方向の距離である。断面において、P型半導体領域114の制御電極104に最も近い端から、制御電極104までの距離が第1の距離1301である。
図14においては、実施例1のP型半導体領域115が省略されている。しかしながら、本実施例において、実施例1と同様のP型半導体領域115が配されてもよい。また、図14においては、P型半導体領域114が、N型半導体領域103の下端よりも深くまで延在している。これに対して、図4(b)のように、界面300からP型半導体領域114の下端までの距離が、界面300からN型半導体領域103の下端までの距離よりも短くてもよい。
以上の説明では、P型半導体領域114について説明した。しかし、実施例2のように、N型半導体領域103が第1部分103aと、第1部分103aより不純物濃度の低い第2部分103bを含んでいてもよい。この場合、制御電極102から第2部分103bまでの第1の距離1301より、第2部分103bから第2制御電極104までの第2の距離が長い。
本発明の製造方法は、実施例1あるいは実施例2と同様の製造方法が用いられる。つまり、本実施例においてP型半導体領域114を有する例においては、図5に示された製造方法が用いられる。N型半導体領域103が第1部分103aと第2部分103bとを含む例では、図12に示された製造方法が用いられる。
本実施例の駆動方法については、実施例1と同様である。つまり、図6が、本実施例の撮像装置の駆動パルスを示す。
本実施例のポテンシャル分布について説明する。図15が本実施例のポテンシャル分布を示している。図15(a)は、実施例1の図8(b)と同じタイミングのポテンシャル分布を示している。図15(b)は実施例1の図8(c)と同じタイミングのポテンシャル分布を示している。
図15(a)が示すように、第1保持部10において、第1電荷転送部9から第2電荷転送部11に向かってポテンシャルが低くなっている。このようなポテンシャル分布が、第1の距離1301より第2の距離1302が長いことによって得られる。このような構成によれば、図15(b)が示すように第1保持部10から入力ノード14に電荷を転送するときに、効率よく電荷を転送することができる。
本実施例の効果について説明する。本実施例においては、実施例1あるいは実施例2と同様に、保持部からの電荷の転送をより低電圧で行うことができる。
また、本実施例においては、第1の距離1301より第2の距離1302が長い。このような構成によれば、電荷の転送効率を向上させることができる。
なお、本実施例のようなP型半導体領域114の配置、あるいはN型半導体領域103の第2部分103bの配置を以降の実施例にも適用したものも、本発明の範囲である。
本発明に係る撮像装置の別の実施例について説明する。第1保持部10を構成するN型半導体領域103の形状が実施例1と異なる。また、P型半導体領域302の一部がN型半導体領域103に囲まれている。さらに、N型半導体領域103と界面300との間に、P型半導体領域118が配される。他の部分は実施例1と全て同様である。そこで、本実施例において実施例1とは異なる点のみを説明し、他の部分については説明を省略する。
本実施例の撮像装置の全体ブロック構成は実施例1と同様である。つまり、図1が、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。
本実施例の撮像装置の等価回路は実施例1と同様である。つまり、図2が、本実施例の撮像装置の等価回路を示す。
図16、および図17を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。それぞれ、図3、図4と同様の機能を有する部分には同じ符号を付してある。図3、図4と同じ符号が付された部分については、実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図16に本実施例の撮像装置の上面図を示す。ここでは2行3列の計6画素を示しているが更に多数の画素が配されて撮像領域を構成していてもよい。
本実施例においては、第1保持部10を構成するN型半導体領域103が、領域1601を囲むような形状を有する。領域1601には、例えばP型半導体領域302の一部が配される。
本実施例において、実施例4のように、制御電極102から領域1601までの第1の距離より、領域1601から第2制御電極104までの第2の距離が長くてもよい。
図17に図16のC−C´に沿った断面構造の概略図を示す。図17が示す通り、領域1601には、P型半導体領域302の一部が配される。そして、領域1601にはN型半導体領域103が配されていない。本実施例においては、N型半導体領域103が、P型半導体領域302のうち領域1601に配された部分を囲んでいる。そのため、図17の断面では、N型半導体領域103が2つの領域に分かれて示されている。しかし、実際には2つのN型半導体領域103は、紙面の手前側あるいは紙面の奥側において、つながっている。
また、本実施例において、N型半導体領域103の下にP型半導体領域115が配されている。P型半導体領域は、N型半導体領域103の一部の下にのみ配されてもよいし、N型半導体領域103の全部の下に配されてもよい。
また、本実施例においては、N型半導体領域103と界面300の間にP型半導体領域118が配される。P型半導体領域118、N型半導体領域103によって、いわゆる埋め込み型の保持部を構成することができる。P型半導体領域118は、界面300で発生した暗電流が、N型半導体領域103に混入することを低減しうる。さらに、制御電極102に印加する電圧によって、暗電流がN型半導体領域103に混入することを低減する構成としてもよい。
図17では、領域1601にP型半導体領域302のみが配された断面が示されている。しかし、領域1601に実施例1と同様のP型半導体領域114を配してもよい。
このように、本実施例においては、断面で見たときに、N型半導体領域103の一部と、N型半導体領域103の別の一部との間に、P型半導体領域302の一部が配される。このP型半導体領域302の一部によって、第1保持部10からの電荷の転送を低電圧で行うことが可能となる。
図18を用いて本実施例の製造方法について説明する。図5に示された実施例1の製造方法と異なる点は、P型半導体領域114を形成するステップが省略されていることである。また、N型半導体領域103を形成する時のマスクの形状が実施例1と異なっている。そのほかのプロセスフローは実施例1と同様である
図18(a)に示されるように、半導体基板300aにN型半導体領域301とP型半導体領域302とを形成する。各半導体領域の形成には、公知の半導体プロセスを用いることができる。例えばイオン注入法や、熱拡散法により不純物を半導体基板300aに導入することにより、各半導体領域を形成することができる。N型の半導体領域を形成する場合には、砒素やリンが導入される。P型の半導体領域を形成する場合には、ボロンが導入される。これは、他の半導体領域についても同様である。なお、N型半導体領域301には不純物を導入せず、半導体基板300aの一部をそのままN型半導体領域301としてもよい。
次に図18(a)に示される工程において、N型の不純物をN型半導体領域103が配される領域に導入する。この工程で導入されたN型の不純物によって、N型半導体領域103が形成されうる。N型半導体領域103はマスク1602を用いたイオン注入により形成される。つまり、N型半導体領域103の端は、マスク1602によって規定されうる。
本実施例の製造方法の特徴は、マスク1602の一部が領域1601の上に配されることである。これによって、領域1601には、N型の不純物がほとんど導入されないため、領域1601にはN型半導体領域103が形成されない。代わりに、P型半導体領域302の一部が領域1601に配される。
図18(a)の工程で、P型半導体領域115を形成してもよい。このとき、N型半導体領域103を形成するときに用いたマスク1602を用いて、P型半導体領域115を形成するP型の不純物を半導体基板に導入している。
次に図18(b)の工程で、P型の不純物をP型半導体領域118が配される領域に導入する。この工程で導入されたP型の不純物によって、P型半導体領域118が形成されうる。P型半導体領域118はマスク1603を用いたイオン注入により形成される。つまり、P型半導体領域118の端は、マスク1603によって規定されうる。
図18(c)の工程で、他の部材を形成する。これは図5(c)、及び図5(d)の工程と同様であるため、説明を省略する。
本実施例の駆動方法については、実施例1と同様である。つまり、図6が、本実施例の撮像装置の駆動パルスを示す。
また、本実施例のポテンシャル障壁の高さの関係は、実施例1と同様である。つまり、図7および図8が、本実施例におけるポテンシャル障壁の高さの関係を示している。
本実施例の効果について説明する。図7および図8が示す通り、本実施例の第1保持部10のポテンシャル分布の底部は、比較例よりも電荷の転送方向に広がっている。これにより、本実施例の第1保持部10におけるポテンシャル分布の底部は、比較例よりも、転送部に近づいている。これは、N型半導体領域103によって囲まれたP型半導体領域302が配されたことによるものである。このように、本実施例の構成によれば、比較例よりも、光電変換部から増幅素子の入力ノードに至る電荷の経路にポテンシャルバリアが形成されにくい。したがって、保持部からの電荷の転送をより低電圧で行うことができる。
また、本実施例においては、実施例1のP型半導体領域114を形成する工程、あるいは実施例2の領域117へP型の不純物を導入する工程を省略することができる。このため、電荷の転送を低電圧に行うことが可能な撮像装置を簡単なプロセスで製造することが可能である。
本発明に係る撮像装置の別の実施例について説明する。本実施例については画素が第1保持部10と、第2保持部12とを有することが特徴である。
図1は、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。撮像装置1は半導体基板を用いて1つのチップで構成することができる。撮像装置1は、撮像領域2に配された複数の画素を有している。更に、撮像装置1は制御部3を有している。制御部3は、垂直走査部4、信号処理部5及び出力部6に制御信号、電源電圧等を供給する。
垂直走査部4は撮像領域2に配された複数の画素に駆動パルスを供給する。通常、画素行ごともしくは複数の画素行ごとに駆動パルスを供給する。垂直走査部4はシフトレジスタもしくはアドレスデコーダにより構成することができる。
信号処理部5は、列回路、水平走査回路、水平出力線を含んで構成される。列回路は、各々が、垂直走査部4により選択された画素行に含まれる複数の画素の信号を受ける複数の回路ブロックにより構成されている。各回路ブロックは、メモリ部、増幅回路、ノイズ除去回路、アナログデジタル変換回路のいずれか、全て、もしくはそれらの組み合わせにより構成することができる。これらの回路は、デジタル信号を処理する回路であってもよいし、アナログ信号を処理する回路であってもよい。水平走査回路はシフトレジスタもしくはアドレスデコーダにより構成することができる。
出力部6は水平出力線を介して伝達された信号を撮像装置1外に出力する。出力部6は、バッファもしくは増幅回路を含んで構成されている。
図19に本実施例の撮像装置の等価回路を示す。ここでは、2行3列の計6画素を示しているが、更に多数の画素を配して撮像領域が構成されていてもよい。
光電変換部8は入射光を信号電荷(電子、あるいは正孔)に変換する。光電変換部8の例としてフォトダイオードを示している。
第1電荷転送部9は、光電変換部8で生成した電荷を後段の回路素子へ転送する。以降では信号電荷として電子を用いる場合を例に説明する。第1電荷転送部9は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
第1保持部10は光電変換部8で生成した電子を保持する。第2電荷転送部11は第1保持部10で保持した電子を後段の回路素子へ転送する。第2電荷転送部11は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
第2保持部12は、第1保持部10から第2電荷転送部11を介して転送された電子を保持する。第3電荷転送部13は、第2保持部12で保持された電子を後段の回路素子へ転送する。第3電荷転送部13は半導体基板の上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。
増幅素子15の入力ノード14は、第2保持部12から第3電荷転送部13を介して転送された電子を保持可能な構成である。増幅素子15の入力ノード14は半導体基板に配されたフローティングディフュージョン領域(以下、FD領域)を含んで構成することができる。増幅素子15は入力ノード14に転送された電子に基づく信号を増幅して垂直信号線20へ出力する。ここでは増幅素子15としてMOSトランジスタ(以下、増幅トランジスタ)を用いている。例えば増幅トランジスタはソースフォロワ回路を構成する。また、増幅部15の入力ノード14と第2保持部12との間の電気的経路には、第3電荷転送部13が配される。つまり、増幅部15の入力ノード14と第2保持部12とは別のノードである。このような例に限らず、2つのノードが電気的に絶縁されうる構成であれば、別のノードである。
第4電荷転送部7は光電変換部8の電子をオーバーフロードレイン領域(以下、OFD領域)へ転送する。OFD領域は、例えば電源電圧を供給する配線16に電気的に接続されたN型の半導体領域により構成することができる。第4電荷転送部7は半導体基板上に絶縁膜を介して配された制御電極を含んで構成され得る。第4電荷転送部7により電子シャッタ動作を行うことができる。つまり、第4電荷転送部7を制御することによって、光電変換部8で生じた電子を排出する期間(シャッタ期間)と、電子を蓄積する期間(露光期間)とを制御できる。
リセット部17は、増幅素子15の入力ノード14に基準電圧を供給する。リセット部17は増幅素子15の入力ノード14で保持された電子をリセットする。ここではリセット部17としてMOSトランジスタ(以下、リセットトランジスタ)を用いている。
選択部18は、各画素を選択して画素毎もしくは画素行ごとに画素の信号を垂直信号線20へ読み出す。ここでは選択部18としてMOSトランジスタ(以下、選択トランジスタ)を用いている。なお、選択部18は、増幅素子15と垂直信号線20の間の経路に配されてもよい。あるいは、選択部18が省略されてもよい。選択部18が省略される例では、リセット部17が増幅素子15の入力ノード14に供給する電圧によって、画素が選択されうる。
リセットトランジスタのドレイン及び選択トランジスタのドレインには配線19を介して所定の電圧が供給されている。所定の電圧は例えば電源電圧である。なお、選択部18が増幅部15と垂直信号線20の間の経路に配された場合、および選択部18が省略された場合には、増幅トランジスタのドレインが配線19に接続される。
リセット制御配線21は、リセットトランジスタのゲートに駆動パルスPRESを供給する。選択制御配線22は、選択トランジスタのゲートに駆動パルスPSELを供給する。第3転送制御配線23は、第3電荷転送部13を構成する制御電極(以下、第3制御ゲート)に駆動パルスPTX3を供給する。第2転送制御配線24は、第2電荷転送部11を構成する制御電極(以下、第2制御ゲート)に駆動パルスPTX2を供給する。第1転送制御配線25は第1電荷転送部9を構成する制御電極(以下、第1制御ゲート)に駆動パルスPTX1を供給する。第4転送制御配線26は第4電荷転送部7を構成する制御電極(以下、第4制御ゲート)に駆動パルスPTX4を供給する。各制御ゲートに供給されるパルス値により、各制御ゲート下の半導体領域のポテンシャル障壁の高さを変化させることが可能となる。
本実施例は、図19に例示した等価回路により示される画素構成において、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路が以下の構成を有しうる。その構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動可能な構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。したがって、第1電荷転送部9の非導通状態は、第1電荷転送部9がいわゆる完全なオフになっている必要はなく、完全にオンした場合に比べて何らかのポテンシャル障壁が生じている状態も含む。
具体的な構成としては、例えば第1電荷転送部9がMOSトランジスタであるとすると、このMOSトランジスタを埋め込みチャネル構造とすることで実現することができる。より一般的にいえば、第1電荷転送部9が非導通状態の時に表面よりも深い領域に表面よりも電子に対するポテンシャル障壁が低くなっている部分が存在している構成である。この場合には第1電荷転送部9に供給される駆動パルスを固定値とすることもできる。つまり導通状態と非導通状態との2状態を切り替え可能な構成としなくとも固定のポテンシャル障壁としても良い。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に第1保持部10へ移動する。したがって、撮像領域2に配された全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
更に、第1電荷転送部9が非導通状態となっていると表面にホールが蓄積される。そして、電子が移動するチャネルが表面よりも所定深さの部分に存在するため、半導体基板と絶縁膜との界面を電子が移動する場合に比べて暗電流の影響を低減することが可能となる。
あるいは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気的経路は別の構成を有してもよい。別の構成とは、光電変換部8と第1保持部10との間の電気経路に配された第1電荷転送部9が非導通状態で、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成である。ここで非導通状態とは、第1電荷転送部9に供給されるパルス値のうち、生じるポテンシャル障壁が最も高いパルス値を供給された状態である。これは言い換えると光電変換により生成した発生した電子の大半を光電変換部8に蓄積する構成である。
光電変換部8で電子を蓄積している期間において、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低いポテンシャル障壁が形成されることにより、光電変換部8から第1保持部10へ電子が移動しない構成を得ることができる。具体的な構成としては、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときに、第1制御電極の下に形成されるポテンシャル障壁が、第4制御電極の下に形成されるポテンシャル障壁よりも高い。なお、第1電荷転送部9および第4電荷転送部7が非導通状態であるときに、光電変換部8において電子が蓄積されうる。
このような構成によれば、光電変換部8に光が入射した際に光電変換により生成した電子の大半が露光期間中に光電変換部8に蓄積される。したがって、撮像領域2に配された全ての画素において並行して、光電変換部8に蓄積された電荷を第1保持部10へ転送することにより、全ての画素の蓄積時間を揃えることが可能となる。
図20、図21を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。図19で説明した部材と同じ名称の部材は、同様の機能を有する部材であるため詳細な説明は省略する。
図20に本実施例の撮像装置の上面図を示す。ここでは2行3列の計6画素を示しているが更に多数の画素が配されて撮像領域を構成していてもよい。
画素100は、光電変換部8を構成するN型半導体領域101、第1電荷転送部9を構成する制御電極102、第1保持部10を構成するN型半導体領域103、第2電荷転送部11を構成する制御電極104、第2保持部12を構成するN型半導体領域105、第3電荷転送部13を構成する制御電極106、FD領域107、リセットトランジスタ108、増幅トランジスタ109、選択トランジスタ110を含んで構成される。更に、画素100は、第4電荷転送部7を構成する制御電極111、OFD領域112を有している。FD領域107は、第2保持部12で保持された電子が転送されるN型半導体領域を含んで構成される。OFD領域112は、光電変換部8からの電荷が転送されるN型半導体領域を含んで構成される。
なお、OFD領域112は、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタのソースあるいはドレインと兼用されてもよい。つまり、第1保持部10の電荷が、リセットトランジスタ、選択トランジスタ、あるいは増幅トランジスタのいずれかのソースまたはドレインに転送される。このような構成によれば、光電変換部8の面積を大きくすることができるため、感度を向上させることができる。
N型半導体領域103の下に、P型半導体領域115aが配される。N型半導体領域103とP型半導体領域115aとがPN接合を構成している。N型半導体領域105の下に、P型半導体領域115bが配される。N型半導体領域105とP型半導体領域115bとがPN接合を構成している。P型半導体領域115a、115bは、実施例1のP型半導体領域115と同様の機能を有する。なお、本実施例においてP型半導体領域115a、115bは省略されてもよい。
本実施例の特徴は、画素100にP型半導体領域114aおよび、P型半導体領域114bが配されたことである。図20が示すように、ある平面で見たときに、N型半導体領域103がP型半導体領域114aを囲んでいる。そのため、P型半導体領域114aと制御電極102との間にN型半導体領域103の一部が配されている。また、P型半導体領域114aと制御電極104との間にN型半導体領域103の一部が配されている。なお、N型半導体領域103がP型半導体領域114aを囲んでいなくてもよい。
ある平面で見たときに、N型半導体領域105がP型半導体領域114bを囲んでいる。そのため、P型半導体領域114bと制御電極104との間にN型半導体領域105の一部が配されている。また、P型半導体領域114bと制御電極106との間にN型半導体領域105の一部が配されている。なお、N型半導体領域105がP型半導体領域114bを囲んでいなくてもよい。P型半導体領域114aあるいはP型半導体領域114bのいずれか一方が省略されてもよい。
また、図20が示す通り、ある平面にP型半導体領域114aおよびP型半導体領域114bを射影したとき、P型半導体領域114aの射影の面積は、P型半導体領域114bの射影の面積よりも大きい。このように、第1保持部10に配されるP型半導体領域114aの面積を大きくすることで、第1保持部10の電荷の転送をより低い電圧で行えるようになる。第2保持部12はFD領域107からの電圧によって電荷を転送できるため、電荷が転送されやすい。これに対して、第1保持部10からの電荷の転送は、第2保持部12からの電圧によって行われるため、電荷が転送されにくい。そこで、本実施例のように、第1保持部10に配されるP型半導体領域114aの面積を大きくすることによって、第1保持部10から第2保持部12への電荷の転送を効率的に行うことができる。
なお、本実施例の変形例としては、P型半導体領域114aの射影の面積は、P型半導体領域114bの射影の面積が同じであってもよい。あるいは、P型半導体領域114aの射影の面積が、P型半導体領域114bの射影の面積より小さくてもよい。また、これらの場合には、P型半導体領域114aの不純物濃度が、P型半導体領域114bの不純物濃度より高いことがよい。
図21に図20のD−D’に沿った断面構造の概略図を示す。図19と同様の機能を有する部材には同様の符号を付し詳細な説明は省略する。本実施例として、図21(a)および図21(b)の2つの断面構造の例を示している。図21(a)と図21(b)とは、P型半導体領域114a、114bの構成が異なる点を除いて同じである。
本実施例の撮像装置は、半導体基板300aと、その上に配された絶縁膜300bとを有する。半導体基板300aは例えばシリコンである。半導体基板300aはエピタキシャル成長によって形成された半導体領域を含みうる。絶縁膜300bは例えばシリコン酸化膜である。半導体基板300aの内部に半導体領域が形成される。また、半導体基板300aの上に絶縁膜300bを介して制御電極が配される。
半導体基板300aにN型半導体領域301が配される。N型半導体領域301の上にP型半導体領域302が配される。P型半導体領域302とPN接合を構成するように、N型半導体領域101が配される。N型半導体領域101の表面側、つまり絶縁膜300bに近い側にはP型半導体領域303が配される。P型半導体領域302、N型半導体領域101、P型半導体領域303によりいわゆる埋め込み型のフォトダイオードが構成されている。
光電変換部8で生じた電子は、第1チャネル304を移動し、第1保持部10を構成するN型半導体領域103に到達する。N型半導体領域103で保持された電子は、第2チャネル305を移動し、第2保持部12を構成するN型半導体領域105に到達する。N型半導体領域105で保持された電子は、第3チャネル306を移動し、FD領域を構成するN型半導体領域107へ到達する。また、光電変換部で生じた電子は、第4電荷転送部7を介して、OFD領域112に排出可能となっている。
制御電極102は第1チャネル304の上部に絶縁膜300bを介して配されている。本実施例では、制御電極102が、N型半導体領域103の上に配された部分102aを含んでいる。制御電極102は、第1電荷転送部9及び第1保持部10で兼用されている。つまり、制御電極102に印加される電圧によって、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャルが制御される。加えて、制御電極102に印加される電圧によって、保持部10のポテンシャルが制御される。第1電荷転送部9は、第1チャネル304及び第1チャネル304上に絶縁膜を介して配された制御電極102の一部を含んで構成されている。
第1保持部10は、N型半導体領域103と、N型半導体領域103とPN接合を構成するP型半導体領域115aを含む。N型半導体領域103がPN接合容量を構成することによって、電子が蓄積されうる。更に、第1保持部10は、絶縁膜を介してN型半導体領域103上に配された制御電極102の一部102aを含んで構成されている。制御電極102に印加される電圧によって、N型半導体領域103の界面300側に反転層が形成されるとよい。これにより、暗電流が第1保持部10に混入することを低減することができる。
制御電極104は第2チャネル305の上に絶縁膜300bを介して配されている。本実施例では、制御電極104が、N型半導体領域105の上に配された部分104aを含んでいる。制御電極104は、第2電荷転送部11及び第2保持部12で兼用されている。つまり、制御電極104に印加される電圧によって、第1保持部10と第2保持部12との間のポテンシャルが制御される。加えて、制御電極104に印加される電圧によって、第2保持部12のポテンシャルが制御される。第2電荷転送部11は、第2チャネル305及び第2チャネル305上に絶縁膜を介して配された制御電極104の一部を含んで構成されている。
第2保持部12は、N型半導体領域105と、N型半導体領域105とPN接合を構成するP型半導体領域115bを含む。N型半導体領域105がPN接合容量を構成することによって、電子が蓄積されうる。更に、第2保持部12は、絶縁膜を介してN型半導体領域105上に配された制御電極104の一部104aを含んで構成されている。制御電極104に印加される電圧によって、N型半導体領域105の界面300側に反転層が形成されるとよい。これにより、暗電流が第2保持部12に混入することを低減することができる。
制御電極106は第3チャネル306の上に絶縁膜300bを介して配されている。第3電荷転送部13は、第3チャネル306及び第3チャネル306上に絶縁膜を介して配された制御電極106を含んで構成されている。
FD領域107およびOFD領域112には、プラグ307が接続される。FD領域107は、プラグ307を介して増幅トランジスタのゲート電極に接続される。OFD領域112は、プラグ307を介して不図示の配線16に接続される。
また、N型半導体領域103の下に、P型半導体領域115aが配される。P型半導体領域115aは、N型半導体領域103の一部の下にのみ配されてもよいし、N型半導体領域103の全部の下に配されてもよい。N型半導体領域103とP型半導体領域115aとがPN接合を構成している。P型半導体領域115aの不純物濃度は、P型半導体領域115aより下に配されたP型の半導体領域の不純物濃度より高い。例えば、本実施例では、P型半導体領域115aの不純物濃度が、P型半導体領域302の不純物濃度より高い。このような構成によれば、N型半導体領域103からの空乏層の広がりを低減することができるので、第1保持部10から低電圧で電荷を転送することができる。
また、N型半導体領域105の下に、P型半導体領域115bが配される。P型半導体領域115bは、N型半導体領域105の一部の下にのみ配されてもよいし、N型半導体領域105の全部の下に配されてもよい。N型半導体領域105とP型半導体領域115bとがPN接合を構成している。P型半導体領域115bの不純物濃度は、P型半導体領域115bより下に配されたP型の半導体領域の不純物濃度より高い。例えば、本実施例では、P型半導体領域115bの不純物濃度が、P型半導体領域302の不純物濃度より高い。このような構成によれば、N型半導体領域105からの空乏層の広がりを低減することができるので、第2保持部12から低電圧で電荷を転送することができる。
なお、P型半導体領域115a、115bはいずれか一方あるいは両方が省略されてもよい。P型半導体領域115aが省略された例では、N型半導体領域103の下に配されたP型半導体領域302が、深くなるにつれて不純物濃度が高くなる不純物分布、あるいは一様な不純物分布を有しうる。
本実施例においては、N型半導体領域103の下にP型半導体領域114aが配される。つまり、P型半導体領域114aと界面300との間に第1保持部10を構成するN型半導体領域103の一部が配される。界面300は、半導体基板300aと絶縁膜300bとが接する面である。
また、N型半導体領域105の下にP型半導体領域114bが配される。つまりP型半導体領域114bと界面300との間に第2保持部12を構成するN型半導体領域105の一部が配される。
図21が示す通り、界面300に平行な線分E−E’を含む面において、P型半導体領域114aはN型半導体領域103に囲まれる。つまり、紙面奥の方向において、P型半導体領域114aに隣り合ってN型半導体領域103が配され、紙面手前の方向において、P型半導体領域114aに隣り合ってN型半導体領域103が配される。このように、本実施例においては、線分E−E’の示す深さにおいて、P型半導体領域114aがN型半導体領域103によって囲まれている。
図21(a)に示された例では、P型半導体領域114aのうち半導体基板300aの深い位置に配された部分は、N型半導体領域103に囲まれていない。つまり、P型半導体領域114aが、N型半導体領域103の下端よりも深くまで延在している。N型半導体領域103の下端は、例えば、P型半導体領域115aとのPN接合面である。
図21(b)に示された例では、界面300からP型半導体領域114aの下端までの距離が、界面300からN型半導体領域103の下端までの距離よりも短い。つまり、P型半導体領域114aの下に、N型半導体領域103の一部が配される。なお、P型半導体領域114aの下端は、例えば、N型半導体領域103とのPN接合面である。N型半導体領域103の下端は、例えば、P型半導体領域115aとのPN接合面である。
図21が示す通り、界面300に平行な線分E−E’を含む面において、P型半導体領域114bはN型半導体領域105に囲まれる。つまり、紙面奥の方向において、P型半導体領域114bに隣り合ってN型半導体領域105が配され、紙面手前の方向において、P型半導体領域114bに隣り合ってN型半導体領域105が配される。このように、本実施例においては、線分E−E’の示す深さにおいて、P型半導体領域114bがN型半導体領域105によって囲まれている。
図21(a)に示された例では、P型半導体領域114bのうち半導体基板300aの深い位置に配された部分は、N型半導体領域105に囲まれていない。つまり、P型半導体領域114bが、N型半導体領域105の下端よりも深くまで延在している。N型半導体領域105の下端は、例えば、P型半導体領域115bとのPN接合面である。
図21(b)に示された例では、界面300からP型半導体領域114bの下端までの距離が、界面300からN型半導体領域105の下端までの距離よりも短い。つまり、P型半導体領域114bの下に、N型半導体領域105の一部が配される。なお、P型半導体領域114bの下端は、例えば、N型半導体領域105とのPN接合面である。N型半導体領域105の下端は、例えば、P型半導体領域115bとのPN接合面である。
次に、各半導体領域の不純物濃度について説明する。なお、各半導体領域の不純物濃度は、これに限られることはなく、必要に応じて適宜変更されうるものである。N型半導体領域103に囲まれたP型半導体領域が配されることで、電荷の転送を低電圧で行うことが可能だからである。
P型半導体領域114a、114bの不純物濃度は、P型半導体領域302の不純物濃度より高くてもよい。あるいは、P型半導体領域114a、114bの不純物濃度は、N型半導体領域103、105の不純物濃度より高くてもよい。P型半導体領域114a、114bの不純物濃度が高いほど、第1保持部10あるいは第2保持部12からの電荷の転送に用いられる電圧を小さくすることができる。なお、本実施例において、P型半導体領域114a、114bの不純物濃度は、ほとんど真性半導体に近い程度の濃度であってもよい。
P型半導体領域114aの不純物濃度とP型半導体領域114bの不純物濃度とは同じであってもよい。あるいは、P型半導体領域114aの不純物濃度がP型半導体領域114bの不純物濃度より高くてもよい。あるいは、P型半導体領域114aの不純物濃度がP型半導体領域114bの不純物濃度より低くてもよい。
なお、後述する実施例のように、第2半導体領域が保持部を構成する第1半導体領域と同じ導電型の場合には、第2半導体領域の不純物濃度が低いほど、第1保持部10からの電荷の転送に用いられる電圧を小さくすることができる。
一方、P型半導体領域114a、114bの不純物濃度が、例えばP型半導体領域303の不純物濃度よりも低くてもよい。あるいは、P型半導体領域114a、114bの不純物濃度が、不図示のポテンシャルバリアを構成するP型半導体領域の不純物濃度よりも低くてもよい。P型半導体領域114a、114bの不純物濃度が高いと、保持部の電荷保持容量が小さくなる可能性がある。したがって、このような構成によれば、保持部の電荷保持容量の低下を抑制することができる。
N型半導体領域103およびN型半導体領域105の不純物濃度は、それぞれN型半導体領域101の不純物濃度より高いことが好ましい。これにより、第1保持部10および第2保持部12の電荷保持容量を大きくすることができる。あるいは、光電変換部8の感度を向上させることができる。
P型半導体領域303の不純物濃度は、P型半導体領域302の不純物濃度より高いことが好ましい。あるいは、P型半導体領域303の不純物濃度は、N型半導体領域101の不純物濃度より高いことが好ましい。このような構成によって、光電変換部8における暗電流によるノイズを低減することができる。
遮光部材113は第1保持部10および第2保持部12の上部に配されている。遮光部材113により、第1保持部10および第2保持部が遮光されうる。好ましくは、遮光部材113が第1保持部10および第2保持部12に入射し得る光の全部を遮光する。遮光部材113の光電変換部8側の端部は、第1保持部10の光電変換部8側の端部よりも、光電変換部8に近い。遮光部材113のFD領域107側の端部は、第2保持部12のFD領域107側の端部よりも、FD領域107に近い。
しかしながらこれに限るものではなく、本実施例のように制御電極102が第1電荷転送部9と、第1保持部10とで兼用される場合には、少なくとも制御電極102の光電変換部8側の端部を覆わない構成としてもよい。このような構成によれば、光電変換部8に対する遮光部材113の影響が小さくなるため、光電変換部8の感度を向上させることができる。更に、垂直方向に対して一定の角度をもって入射する光の画素位置に対する影響を低減させることが可能となる。または、第1保持部10を構成するN型半導体領域103もしくはP型半導体領域302において光電変換された電子をN型半導体領域103において蓄積することができる。これによって画素の感度を向上させることが可能となる。
なお、第1保持部10の全部が遮光部材113によって被覆されなくてもよい。たとえば、第1保持部10を構成する制御電極102に駆動パルスを供給するための導電体を配するために、遮光部材113に開口が設けられてもよい。
第2保持部12の全部が遮光部材113によって被覆されなくてもよい。たとえば、第2保持部12を構成する制御電極104に駆動パルスを供給するための導電体を配するために、遮光部材113に開口が設けられてもよい。
遮光部材113は配線層を構成する金属を用いることができる。もしくは異なる配線層間、あるいは配線と半導体領域間の電気的接続をするためのプラグを構成する金属を用いることができる。遮光部材113はできるだけ半導体基板300aに近い場所に配された方が好ましい。複数の配線層のうち最も半導体基板300aの近くに配された配線層を構成する金属、もしくは最下層の配線層と半導体領域とを電気的に接続するプラグの金属を用いるのが良い。もしくは最下層の配線層と半導体基板との聞に遮光部材113専用の金属を配してもよい。
図21では第1保持部10の上に配された遮光部材113のみが図示されている。しかし、他の画素回路を構成するトランジスタの上にも遮光部材を配してもよい。もしくは他の画素回路を構成するトランジスタを配線により遮光してもよい。他の画素回路を構成するトランジスタは、上述のリセットトランジスタ、選択トランジスタ、増幅トランジスタなどである。
続いて本実施例の撮像装置に好適な製造方法について説明する。本実施例の製造方法は、実施例1の製造方法と同様である。つまり、図5が本実施例の製造方法を示している。ただし、図5には第2保持部12が示されていない。しかし、例えばマスク501、502のパターンを変更することにより、第2保持部12を構成する半導体領域を形成すればよい。このように、第1保持部10を形成する製造方法によって、第2保持部12を形成することができる。
続いて本実施例の駆動方法について説明する。図22に本実施例の撮像装置の駆動パルス図を示す。撮像領域2に配された全ての画素で露光期間が一致するグローパル電子シャッタ動作を行う場合のパルス図である。カッコ内の数字は行数を示しており、本図では、1行目、2行目の画素に供給される駆動パルスを示している。PSELは選択トランジスタのゲートに供給される駆動パルスを示している。PRESはリセットトランジスタのゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX1は第1制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX2は第2制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX3は第3制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTX4は第4制御ゲートに供給される駆動パルスを示している。PTSは、例えば列回路に配されたメモリ部により光信号をサンプルホールドするための駆動パルスを示している。PTNは、例えば列回路に配されたメモリ部によりノイズ信号をサンプルホールドするための駆動パルスを示している。全てハイレベルで導通状態となる。
時刻t1以前は、撮像領域2における全ての行のPRESおよびPTX4がハイレベルとなっている。ここで図22に示された他の全てのパルスはローレベルである。これによって、光電変換部8で発生した電子がOFD領域に排出される。
時刻t1において、PRESおよびPTX4がハイレベルを維持した状態で、撮像領域2に配された全ての画素において、PTX1、およびPTX2、およびPTX3がローレベルからハイレベルへ遷移する。これにより光電変換部8および第1保持部10および第2保持部12がリセットされる。
時刻t2において、撮像領域2における全ての行のPTX1、PTX2、PTX3、およびPTX4がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により撮像領域2に配された全ての画素において露光期間が開始する。露光期間中は光電変換部8で生じた電子のうち所定量の電子は、第1保持部10へ移動する。
時刻t2から所定期間経過後、時刻t3において撮像領域2における全ての行のPTX1がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t4において撮像領域2における全ての行のPTX1がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により光電変換部8に残っていた電子が第1保持部10へ転送される。この動作により露光期間が終了する。
時刻t5において、撮像装置に配された全ての行のPTX4がローレベルからハイレベルへ遷移する。この動作により、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャル障壁の高さよりも光電変換部8とOFD領域112との間のポテンシャル障壁の高さの方が低くなる。これにより光電変換部8で生じた電子が第1保持部10へ移動せずに、OFD領域112へ移動するようになる。
時刻t5において、撮像領域2に配された全ての行のPTX2がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t6において、撮像領域2に配された全ての行のPTX2がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により、第1保持部10で保持されていた電子が、第2保持部12へ転送される。
時刻t7において、PSEL(1)がローレベルからハイレベルへ遷移する。この動作により1行目の画素の信号が垂直信号線20に出力され得る状態となる。更に、時刻t7において、PRES(1)がハイレベルからローレベルへ遷移する。これにより、増幅素子15の入力ノード14のリセット動作が完了する。
時刻t8において、PTNがローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t9において、PTNがハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により例えば列回路に配されたノイズ信号用のメモリ部においてノイズ信号が保持される。
時刻t10において、PTX3(1)がローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t11においてPTX3(1)がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により、1行目の画素の第2保持部12で保持されていた電子が、増幅素子15の入力ノード14に転送される。
時刻t12においてPTSがローレベルからハイレベルへ遷移し、時刻t13において、PTSがハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により例えば列回路に配された光信号用のメモリ部においてノイズ信号が重畳した光信号が保持される。
時刻t14において、PSEL(1) がハイレベルからローレベルへ遷移する。この動作により1行目の画素の信号の読み出し期間が終了する。1行目の画素の読み出し期間は、時刻t7から時刻t14までの期間となる。更に時刻t14において、PRES(1)がローレベルからハイレベルへ遷移する。これにより、1行目の画素の増幅素子15の入力ノード14のリセットが開始される。
この後、時刻t15から時刻t22までの期間において、2行目の画素の信号の読み出しが行われる。1行目と同様の動作であるため詳細な説明は省略する。ハイレベルとなる駆動パルスの対象が2行目となる点が異なること以外は、時刻t15から時刻t22の各時刻における動作は、時刻t7から時刻t14の各時刻における動作と同様である。
このような動作によって撮像領域2に配された全ての画素で、露光期間を等しくすることが可能となる。本動作においては、第1保持部12の転送までは撮像面全体で同時に行う。具体的な時刻としては時刻t6である。その後、読み出し動作を繰り返すことで、撮像領域2における全ての行の読み出しを行なう。
図23および図24は、図22に示した駆動パルス図のそれぞれの時刻、期間においてのポテンシャル障壁の高さの関係を示したものである。図23および図24には、OFD領域112、第4電荷転送部7、光電変換部8、第1電荷転送部9、第1保持部10、第2電荷転送部11、第2保持部12、第3電荷転送部13、および入力ノード14(FD領域107)のポテンシャルが示されている。実線で本実施例における画素のポテンシャルが示されている。
なお、本明細書においては、ポテンシャルは信号電荷の位置エネルギーである。例えば、信号電荷が電子の場合、制御電極により高い電圧が印加されるほど、制御電極の下の半導体領域のポテンシャルが低くなる。これは、電子が負の電荷だからである。電圧が高い領域では、電子の位置エネルギーは低い。一方、信号電荷がホールの場合、制御電極により高い電圧が印加されるほど、制御電極の下の半導体領域のポテンシャルが高くなる。これは、ホールが正の電荷だからである。電圧が高い領域では、ホールの位置エネルギーは高い。図23および図24では、図の下の方が信号電荷にとって低いポテンシャルを表し、図の上の方が信号電荷にとって高いポテンシャルを表す。
図23(a)は時刻t1から時刻t2までの期間におけるポテンシャル状態を示す図である。図22で説明したように、時刻t1から時刻t2までの期間においては、第1電荷転送部9、第2電荷転送部11、第3電荷転送部13、第4電荷転送部7にすべてハイレベルのパルスが供給される。つまりすべての電荷転送部において生じるポテンシャル障壁が低い状態となっている。光電変換部8で生じた電子はOFD領域112もしくはリセットトランジスタのドレイン(不図示)に排出される。好ましくは、光電変換部8、第1保持部10、および第2保持部12には電子が存在しない。
この時の電子に対する好適なポテンシャル状態としては、光電変換部8が最も高いポテンシャルとなっている。更に、図示するように、光電変換部8から増幅素子15の入力ノード14まで順にポテンシャルが低くなっている状態が好ましい。つまり、光電変換部8のポテンシャルが、第1保持部10のポテンシャルより高くてもよい。第1保持部10のポテンシャルが第2保持部12のポテンシャルより高くてもよい。そして、第2保持部12のポテンシャルが入力ノード14のポテンシャルより高くてもよい。
図23(b)、図23(c)は時刻t2から時刻t3までの期間、つまり露光期間中のポテンシャル状態を示す図である。第1電荷転送部9が非導通状態となっている。つまり、図23(a)の場合に比べて、光電変換部8と第1保持部10との間のポテンシャル障壁の高さが高くなっている。更に、第4電荷転送部7が非導通状態となっている。つまり、図23(a)の場合に比べて光電変換部8とOFD領域112との間のポテンシャル障壁の高さが高くなっている。これにより、図23(b)では少量の電子が光電変換部8で蓄積されている。また、図23(b)の状態において、第1電荷転送部9に生じるポテンシャル障壁の高さは、第4電荷転送部7に生じるポテンシャル障壁の高さよりも低い。
図23(c)のポテンシャル状態は図23(b)と同じだが、光電変換部8へ入射した光の量が異なる。光電変換部8に一定以上の電子が生じた場合には、第1電荷転送部9に生じたポテンシャル障壁を乗り越えて、第1保持部10に電子は移動する。つまり、所定量以上の光が入射した場合、露光期間中は光電変換部8と第1保持部10とが電子を保持している。
図23(d)は時刻t3から時刻t4までの期間におけるポテンシャル状態を示す図である。光電変換部8で蓄積されていた電子が第1保持部10に転送される。光電変換部8からの電子の転送効率を高めるためには、光電変換部8のポテンシャルよりも第1電荷転送部9の導通時のポテンシャル障壁が低くなっているとよい。更に、第1保持部10のポテンシャルが光電変換部8のポテンシャルよりも低い方が良い。
本実施例では、制御電極102が第1電荷転送部9と第1保持部10とで兼用されているため、第1電荷転送部9を導通させる駆動パルスが供給されると、第1保持部10のポテンシャルも低くなる。これにより、図23(d)が示すように、第1保持部10に電子がない場合のポテンシャルが、第2保持部12のポテンシャルよりも低くなっていてもよい。
図24(a)は時刻t4から時刻t5までの期間のポテンシャル状態を示す図である。第1電荷転送部9が非導通状態になった後であり、かつ、第2電荷転送部11が導通状態となる前の状態を示している。第1保持部10には第1電荷転送部9に生じるポテンシャル障壁で決まる量の電子が蓄積されている。
図24(b)は時刻t5から時刻t6までの期間のポテンシャル状態を示す図である。第4電荷転送部7が導通するため、第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁が、第1電荷転送部9におけるポテンシャル障壁よりも低くなる。第4電荷転送部7におけるポテンシャル障壁は、光電変換部8のポテンシャルより低くなっていることが好ましい。このようなポテンシャル状態によって、第1保持部10が電子を保持しつつ、光電変換部8で発生した電子がOFD領域112に移動することができる。
また、図24(b)では、第2電荷転送部11が導通状態になっている。これにより、第1保持部10で保持されていた電子が第2電荷転送部11を介して第2保持部12に転送される。第1保持部10からの電子の転送効率を高めるためには、第1保持部10のポテンシャルよりも第2電荷転送部11の導通時のポテンシャル障壁の高さが低い方がよい。更に、第2保持部12のポテンシャルが第1保持部10のポテンシャルよりも低い方が良い。本実施例では、制御電極104が第2電荷転送部11と第2保持部12とで兼用されているため、第2電荷転送部11を導通させる駆動パルスが供給されると、第2保持部12のポテンシャルも低くなる。
図24(c)は、時刻t6から時刻t10までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t6から時刻t18までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を示している。第2電荷転送部11が非導通状態となった後、第3電荷転送部13が導通するまでの期間である。この期間の長さは画素行ごとに異なりうる。第2電荷転送部11及び第3電荷転送部13がともに非導通状態となっており、これらのポテンシャル障壁により第2保持部12に電子を蓄積している。
図24(d)は、時刻t10から時刻t11までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t18から時刻t19までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を示している。第3電荷転送部13が導通状態となる。これにより、第2保持部12で保持されていた電子が増幅素子15の入力ノード14に転送される。第2保持部12からの電子の転送効率を高めるためには、第2保持部12のポテンシャルの高さよりも第3電荷転送部13の導通時のポテンシャル障壁の高さが低い方がよい。更に、増幅素子15の入力ノード14のポテンシャルの高さが第2保持部12のポテンシャルの高さよりも低い方が良い。
図24(e)は、時刻t11から時刻t14までの期間における1行目の画素のポテンシャル状態、および時刻t19から時刻t22までの期間における2行目の画素のポテンシャル状態を表す図である。第3電荷転送部13が非導通状態となった後のポテンシャル状態を示す図である。光電変換部8には光が入射しているものの、第4電荷転送部7によりOFD領域へ電子は排出される。また、第1保持部10にも電子が混入し得る。しかしながら、第1電荷転送部9のポテンシャル障壁の高さに比べて、第2電荷転送部11のポテンシャル障壁の高さが高いため、第2保持部12には電荷が混入しにくい構成となっている。時刻t14以降における1行目の画素のポテンシャル、および時刻t22以降における2行目の画素のポテンシャルは、図23(a)で示された状態であってもよい。
本実施例においては、第1保持部10にP型半導体領域114aが配される。これによって、図24(b)で示されるように、第1保持部10から第2保持部12へ電子を転送する際に、第2電荷転送部の制御電極104に供給される電圧を低くすることができる。つまり、低電圧での電荷の転送が可能となる。
また、本実施例においては、第2保持部12にP型半導体領域114bが配される。これによって、図24(d)で示されるように、第2保持部12から入力ノード14へ電子を転送する際に、第3電荷転送部の制御電極106に供給される電圧を低くすることができる。つまり、低電圧での電荷の転送が可能となる。
このように、本実施例の構成によれば、比較例よりも、光電変換部から増幅素子の入力ノードに至る電荷の経路にポテンシャルバリアが形成されにくい。したがって、保持部からの電荷の転送をより低電圧で行うことができる。
また、本実施例においては、P型半導体領域114a、114bが界面300から離間して配されている。このような構成によれば、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。また、P型半導体領域114の下に、N型半導体領域103が配されることによって、第1保持部10の電荷保持容量を大きくすることができる。
本発明に係る撮像装置の別の実施例について説明する。第1保持部10を構成するN型半導体領域103が、第1部分103aと、第1部分103aより不純物濃度が低い第2部分103bとを含む点において、本実施例は実施例5と異なる。第2部分103bは、第1部分103aに囲まれている。さらに、第2保持部12を構成するN型半導体領域105が、第1部分105aと、第1部分103aより不純物濃度が低い第2部分105bとを含む点において、本実施例は実施例5と異なる。第2部分105bは、第1部分105aに囲まれている。また、実施例5のP型半導体領域114a、114bが省略されうる。他の部分は、全て実施例5と同様である。そこで、本実施例において、実施例5とは異なる点のみを説明し、他の部分については説明を省略する。
本実施例の撮像装置の全体ブロック構成は実施例5と同様である。つまり、図1が、本実施例の撮像装置の全体ブロック図である。
本実施例の撮像装置の等価回路は実施例1と同様である。つまり、図19が、本実施例の撮像装置の等価回路を示す。
本実施例の撮像装置の上面図は、実施例5と同様である。つまり、図20が、本実施例の撮像装置の上面図を示す。ただし、P型半導体領域114aが配された場所に、N型半導体領域103の第2部分103bが配される。またP型半導体領域114bが配された場所に、N型半導体領域105の第2部分105bが配される。
本実施例においては、N型半導体領域103が、第1部分103aと、第1部分103aより不純物濃度が低い第2部分103bを含む。ある平面で見たときに、第1部分103aが第2部分103bを囲んでいる。そのため、第2部分103bと制御電極102との間に、第1部分103aが配されている。また、第2部分103bと制御電極104との間に、第1部分103aが配されている。なお、第1部分103aが第2部分103bを囲んでいなくてもよい。
また、本実施例においては、N型半導体領域105が、第1部分105aと、第1部分105aより不純物濃度が低い第2部分105bを含む。ある平面で見たときに、第1部分105aが第2部分105bを囲んでいる。そのため、第2部分105bと制御電極104との間に、第1部分105aが配されている。また、第2部分105bと制御電極106との間に、第1部分105aが配されている。なお、第1部分105aが第2部分105bを囲んでいなくてもよい。
図25を用いて、本実施例の画素の具体的な構造を説明する。図21と同様の機能を有する部分には同じ符号を付してある。図21と同じ符号が付された部分については、実施例5と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図25に図21のD−D’に沿った断面構造の概略図を示す。本実施例として、図25(a)および図25(b)の2つの断面構造の例を示している。図25(a)と図25(b)とは、第2部分103bおよび第2部分105bの配置が異なる点を除いて同じである。
本実施例においては、N型半導体領域103が第1部分103aと第2部分103bを含む。界面300に平行な面において、第2部分103bは第1部分103aに囲まれる。つまり、紙面奥の方向において、第2部分103bに隣り合って第1部分103aが配され、紙面手前の方向において、第2部分103bに隣り合って第1部分103aが配される。
第2部分103bと界面300との間に、第1部分103aが配される。第1部分103aのうち、第2部分103bと界面300との間に配された部分を便宜的に第3部分と呼ぶ。第2部分103bの不純物濃度は、第3部分の不純物濃度より低い。
また、本実施例においては、N型半導体領域105が第1部分105aと第2部分105bを含む。界面300に平行な面において、第2部分105bは第1部分105aに囲まれる。つまり、紙面奥の方向において、第2部分105bに隣り合って第1部分105aが配され、紙面手前の方向において、第2部分105bに隣り合って第1部分105aが配される。第2部分105bと界面300との間に、第1部分105aが配される。
図25(a)に示された例では、第2部分103bの下に、P型半導体領域116aが配される。P型半導体領域116aの不純物濃度は、P型半導体領域115aの不純物濃度より高くてもよい。
図25(a)に示された例では、第1部分103aの下端と第2部分103bの下端が同じ深さに配される。第1部分103aの下端は、例えば、第1部分103aとP型半導体領域115aとが構成するPN接合面である。第2部分103bの下端は、例えば、第2部分103bとP型半導体領域116aとが構成するPN接合面である。
図25(a)に示された例では、第2部分105bの下に、P型半導体領域116bが配される。P型半導体領域116bの不純物濃度は、P型半導体領域115bの不純物濃度より高くてもよい。
図25(a)に示された例では、第1部分105aの下端と第2部分105bの下端が同じ深さに配される。第1部分105aの下端は、例えば、第1部分105aとP型半導体領域115bとが構成するPN接合面である。第2部分105bの下端は、例えば、第2部分105bとP型半導体領域116bとが構成するPN接合面である。
図25(b)に示された例では、第2部分103bの下に、第1部分103aが配される。第1部分103aのうち、第2部分103bの下に配された部分を便宜的に第4部分と呼ぶ。第2部分103bの不純物濃度は、第4部分の不純物濃度より低い。また、図25(b)に示された例では、第2部分105bの下に、第1部分105aが配される。
本実施例において、N型半導体領域103の第2部分103bの不純物濃度は、ほとんど真性半導体に近い程度の濃度であってもよい。またN型半導体領域105の第2部分105bの不純物濃度は、ほとんど真性半導体に近い程度の濃度であってもよい。
続いて本実施例の撮像装置に好適な製造方法について説明する。本実施例の製造方法は、実施例2の製造方法と同様である。つまり、図12が本実施例の製造方法を示している。ただし、図12には第2保持部12が示されていない。しかし、例えばマスク501、502のパターンを変更することにより、第2保持部12を構成する半導体領域を形成すればよい。このように、第1保持部10を形成する製造方法によって、第2保持部12を形成することができる。
本実施例の駆動方法については、実施例5と同様である。つまり、図22が、本実施例の撮像装置の駆動パルスを示す。
また、本実施例のポテンシャル障壁の高さの関係は、実施例5と同様である。つまり、図23および図24が、本実施例におけるポテンシャル障壁の高さの関係を示している。
本発明に係る撮像システムの実施例について説明する。撮像システムとして、デジタルスチルカメラ、デジタルカムコーダ、複写機、ファックス、携帯電話、車載カメラ、観測衛星などがあげられる。図26に、撮像システムの例としてデジタルスチルカメラのブロック図を示す。
図26において、1001はレンズの保護のためのバリア、1002は被写体の光学像を撮像装置1004に結像させるレンズ、1003はレンズ1002を通った光量を可変するための絞りである。1004は上述の各実施例で説明した撮像装置であって、レンズ1002により結像された光学像を画像データとして変換する。ここで、撮像装置1004の半導体基板にはAD変換部が形成されているものとする。1007は撮像装置1004より出力された撮像データに各種の補正やデータを圧縮する信号処理部である。そして、図26において、1008は撮像装置1004および信号処理部1007に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部、1009はデジタルスチルカメラ全体を制御する全体制御部である。1010は画像データを一時的に記憶する為のフレームメモリ部、1011は記録媒体に記録または読み出しを行うためのインターフェース部、1012は撮像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。そして、1013は外部コンピュータ等と通信する為のインターフェース部である。ここで、タイミング信号などは撮像システムの外部から入力されてもよく、撮像システムは少なくとも撮像装置1004と、撮像装置1004から出力された撮像信号を処理する信号処理部1007とを有すればよい。
本実施例では、撮像装置1004とAD変換部とが同一の半導体基板に形成されている構成を説明した。しかし、撮像装置1004とAD変換部とが別の半導体基板に設けられていてもよい。また、撮像装置1004と信号処理部1007とが同一の基板上に形成されていてもよい。
以上に述べたように、本発明に係る撮像装置を撮像システムに適用することが可能である。本発明に係る撮像装置を撮像システムに適用することにより、撮像システムを低電圧で駆動することが可能となる。