JP2013170674A - 動力伝達装置およびその組立方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォークリフト等の作業車両の駆動伝達装置において、限られたスペースでも従来より大きなサイズの軸受を採用する。
【解決手段】動力伝達装置100は、動力伝達軸16と、動力伝達軸に外嵌されラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持する軸受54と、軸受54の外輪に外嵌されるキャリア体38と、キャリア体38の外周に配置される主軸受47およびベアリングナット56と、キャリア体38の内周に螺合されるねじ部39Aおよび軸受54の外輪を押圧する押圧部39Bを有するベアリングナット39と、を備える。ベアリングナット39は段付き構成であり、押圧部39Bがねじ部39Aよりも外径が大きくなっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置に関する。
特許文献1には、1段の平行軸減速機構および単純遊星歯車減速機構からなる減速機を備えるとともに、平行軸減速機構の部分にブレーキ機構を配置した湿式ブレーキ内蔵トランスファ付きのフォークリフトが開示されている。
特開2010−159794号公報
一般に、フォークリフトの車輪はフォークリフトの自重に加えて積み荷の重量も支持する必要があるので、車輪と一体化される駆動伝達装置では、耐荷重性および耐久性の観点からできるだけ大きなサイズの軸受を採用したいという要望がある。一方、フォークリフトでは、前輪の前方に積み荷を上げ下げするためのフォークがあることから、フォークおよびフォークに積載される積み荷の重心をできるだけ前輪の接地位置に近づけるため、車輪径を小さくしたいという要望がある。車輪径を小さくすると、軸受のサイズを大きくすることが困難になる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォークリフト等の作業車両の駆動伝達装置において、限られたスペースでも従来より大きなサイズの軸受を採用できるようにする技術を提供することにある。
本発明のある態様は、作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置である。この装置は、動力伝達軸と、動力伝達軸に外嵌され、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持する軸受と、軸受の外輪に外嵌される支持体と、支持体または動力伝達軸に螺合されるねじ部と、軸受の外輪または内輪を押圧する押圧部とを有するベアリングナットと、を備え、ベアリングナットの押圧部は、該ベアリングナットのねじ部よりも外径が大きい。
この態様によると、ねじ部と押圧部とで外径が異なる与圧付与部材を使用することで、軸受の外輪径を与圧付与部材のねじ部の外径よりも大きくすることができる。すなわち、与圧付与部材のねじ部の外径によって軸受の外輪径が制限を受けることがなくなる。したがって、従来の設計よりも外輪の大きなサイズの軸受を採用することが可能になる。
本発明の別の態様は、作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置の組立方法である。この方法は、動力伝達軸を支持する軸受の外輪に与圧を与える、外周に雄ねじが形成された与圧付与部材を、内周に雌ねじが形成された支持体に与圧の押圧方向と逆方向から螺合し、前記軸受の外輪を前記逆方向から前記支持体に内嵌し、軸受が内嵌された側とは反対側から、前記与圧付与部材を前記支持体に対して与圧の押圧方向に前進させて、前記軸受の外輪に付与する与圧を調整することを含む。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、フォークリフト等の作業車両の駆動伝達装置において、限られたスペースでも従来より大きなサイズの軸受を採用することができる。
本発明の一実施形態に係る減速機が組み込まれた、フォークリフト等の作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置の構成を示す図である。 従来技術に係る動力伝達装置の一部を示す図である。 図1の減速機の中心部分の拡大図である。 従来技術に係る動力伝達装置の一部を示す図である。 本発明の別の実施形態に係る駆動伝達装置のうち、ベアリングナットの周辺を拡大した図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る減速機10が組み込まれた、フォークリフト等の作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置100の構成を示す。図1は、動力伝達装置100の車輪、モータ、減速機の中心軸を含む鉛直面で切断したときの断面図である。
減速機10は、偏心揺動噛合型と呼ばれる遊星歯車減速機の一種である。
モータ12の出力軸12Aは、スプライン14を介して減速機10の入力軸(動力伝達軸)16と連結されている。入力軸16は、後述する外歯歯車24、26の半径方向中央に配置されている。入力軸16には、該入力軸16と軸心のずれた二つの偏心体18、20が一体に形成されている。二つの偏心体18、20は、互いに180度の位相差を有して偏心している。なお、偏心体18、20は、入力軸16と別体で構成された上で、キー等によって入力軸に固定されたものであってもよい。
各偏心体18、20の外周には、ころ軸受21、23を介して二枚の外歯歯車24、26が揺動可能に外嵌されている。外歯歯車24、26は、それぞれ内歯歯車28に内接噛合している。
内歯歯車28は、内歯を構成する円筒状の内歯ピン28A、28Bと、内歯ピン28A、28Bを貫通してこれを回転自在に保持する保持ピン28Cと、保持ピン28Cを回転自在に支持するとともに、ケーシング30と一体化された内歯歯車本体28Dとで、主に構成されている。
内歯歯車28の内歯の歯数、すなわち内歯ピン28A、28Bの数は、外歯歯車24、26の外歯の歯数よりも僅かに(この実施形態では1だけ)多い。
外歯歯車24、26の軸方向車体側には車体フレーム(図示せず)に固定される第1キャリア体34が配置され、軸方向反車体側にはキャリアボルト36およびキャリアピン42を介して第1キャリア体34と一体化された第2キャリア体(第1部材、支持体)38が配置されている。第2キャリア体38には、内ピン40が一体に形成されている。
外歯歯車24(図示しないが、外歯歯車26も同様)には、その軸心からオフセットされた位置に12個の同径の貫通孔が等間隔に形成されている。そのうち、120度の等間隔で配置された3つの孔にはキャリアピン42が挿通され、残りの9つの孔には内ピン40が挿通される。そのため、前者をキャリアピン孔24Bと呼び、後者を内ピン孔24Aと呼ぶが、その形状および半径方向位置に相違はない。外歯歯車24の外周には波形の歯が形成されており、この歯が内歯歯車28の内歯ピン28A上を接触しつつ移動することで、中心軸を法線とする面内で外歯歯車24が揺動できるようになっている。図示しないが、外歯歯車24に対して180度の位相差がある点以外は外歯歯車26も同様である。
内ピン40は、外歯歯車24、26に貫通形成された内ピン孔24A、26Aに隙間を有した状態で挿通され、その先端が第1キャリア体34の凹部34Aに嵌入されている。内ピン40は、外歯歯車24、26に形成された内ピン孔24A、26Aの一部と摺動促進部材44を介して当接しており、外歯歯車24、26の自転を拘束しその揺動のみを許容している。
内ピン40は、凹部34Aに圧入されているだけであり、ボルト等による固定はなされていない。内ピンは、第1および第2キャリア体34、38と外歯歯車24、26との間の動力の伝達に寄与する連結部材であると言える。
キャリアピン42は、外歯歯車24、26に貫通形成されたキャリアピン孔24B、26Bに隙間を有した状態で挿通され、拡径した当接部42Cが第1キャリア体34の反車体側面に当接している。キャリアピン42と第1キャリア体34とは、キャリアボルト36によって締結されている。第1キャリア体34にはキャリアボルト36を挿通するための貫通孔34Cおよび座ぐり部34Bが形成されており、キャリアピン42の軸方向端面には、キャリアボルト36をねじ込むためのねじ穴42Eが形成されている。また、第2キャリア体38には雌ねじ穴38Aが形成されており、キャリアピン42の反車体側先端の雄ねじと締結されて、キャリアピン42と第2キャリア体38とが連結される。
キャリアピン42は、外歯歯車24、26のキャリアピン孔24B、26Bとは接しておらず、外歯歯車24、26の自転の拘束には寄与していない。キャリアピン42は、第1キャリア体34と第2キャリア体38の間の連結のみに寄与している連結部材であると言える。
減速機10のケーシング30は、一対の主軸受46、47を介して、車体フレームに固定された第1キャリア体34および第2キャリア体38に回転自在に支持されている。ケーシング30の軸方向反車体側の端面には、ボルト49によってホイール部材48が連結され、このホイール部材48にフォークリフト(図示せず)のタイヤ50が装着される。減速機10は、タイヤ50の軸方向範囲内(図1の二点鎖線の範囲内)に収められている。
第2キャリア体38の外周面に形成されたねじ穴には第2ベアリングナット(第2与圧付与部材)56が螺合されており、第2キャリア体38とケーシング30と主軸受46、47とを組み付ける際に、第2ベアリングナット56の押し込み量を変更することで、主軸受46、47に与える与圧を調整することができる。
減速機10の入力部材たる入力軸16は、正面合わせで配置された一対のアンギュラ玉軸受52、54を介して、第1キャリア体34および第2キャリア体38に回転自在に支持されている。アンギュラ玉軸受52、54は、それぞれ転動体52A、54A、および外輪52B、54Bを有しているが、内輪は有していない。代わりに、入力軸16に転動面52C、54Cが形成されており、これらがアンギュラ玉軸受の内輪として機能している。なお、この構成に限られず、別体の内輪を配置してもよい。
第2キャリア体38の内周面に形成されたねじ穴にはベアリングナット(与圧付与部材)39が螺合されており、第1キャリア体34、第2キャリア体38とアンギュラ玉軸受52、54を組み付ける際に、ベアリングナット39の押し込み量を変更することで、アンギュラ玉軸受52、54に与える与圧を調整することができる。
車体側のアンギュラ玉軸受52は、第1キャリア体34の凹部34Dと入力軸16の転動面52Cとで軸方向の動きが拘束されている。反車体側のアンギュラ玉軸受54は、第2キャリア体38にねじ込まれたベアリングナット39と入力軸16の転動面54Cとで軸方向の動きが拘束されている。そのため、入力軸16は、第1キャリア体34およびベアリングナット39によって、軸方向の動きがいずれの方向に対しても拘束され、ガタなく軸方向に位置決めされる。
続いて、動力伝達装置100の作用を説明する。
モータ12の出力軸12Aの回転は、スプライン14を介して減速機10の入力軸16に伝達される。入力軸16が回転すると、偏心体18、20の外周が偏心運動を行い、ころ軸受21、23を介して外歯歯車24、26が揺動する。この揺動により、外歯歯車24、26の外歯と内歯歯車28の内歯ピン28A、28Bとの噛合位置が順次ずれてゆく現象が生じる。
外歯歯車24、26と内歯歯車28との歯数差は、1に設定されており、また、各外歯歯車24、26の自転は、車体フレームに固定された第1キャリア体34に固定された内ピン40によって拘束されている。このため、入力軸16が一回回転する毎に、自転の拘束されている外歯歯車24、26に対して内歯歯車28が歯数差に相当する分だけ自転(回転)することになる。この結果、入力軸16の回転により、1/(内歯歯車の歯数)に減速された回転速度にて内歯歯車本体28Dと一体化されているケーシング30が回転する。ケーシング30の回転により、ケーシング30にボルト49によって固定されているホイール部材48を介してフォークリフトのタイヤ50が回転する。
上述の動力伝達装置は、主にフォークリフトの車輪を駆動するために使用される。一般にフォークリフトでは、前輪の前方に積み荷を上げ下げするためのフォークがあることから、フォークリフトの重心より後ろ側にカウンタバランス(カウンタウェイト)を配置した構造になっている。このカウンタバランスの大きさを小さくするためには、フォークおよびフォークに積載される積み荷の重心をできるだけ前輪の接地位置に近づけなければならない。この観点で、フォークリフトの車輪の径は小さいほどよい。一方、フォークに搭載される積み荷の大重量を支えるためには、車輪のタイヤ(ゴムの部分)自体の容積は大きく確保されなければならない。その結果、ホイール部材の内径を小さくせざるを得ず、動力伝達装置を収納する車輪の半径方向内側のスペースは非常に小さくなる。
図2は、上述したスペース上の制約がある状態で使用される、従来技術に係る動力伝達装置の一部を示す。軸216が図1で説明した減速機10の入力軸16に相当する。軸216に形成された肩部216Aに軸受247が嵌合されている。この軸受247によって、キャリア体238に対して軸216が回転可能に支持される。図2では、軸受247を円錐ころ軸受として描いているが、軸216のラジアル荷重とアキシャル荷重の両方を支持可能であれば任意の形式の軸受であってよい。
キャリア体238の内周に形成された雌ねじには、外周に雄ねじが形成されたベアリングナット239が螺合されている。ベアリングナット239は、軸受247の外輪247Cを軸方向に押圧して軸受に与圧を付与している。ベアリングナット239の内周と軸216の外周の間は、オイルシール240で封止されている。
図示するように、軸受247の外輪247Cに与圧を付与するベアリングナット239を使用する場合、軸受247の外輪径Dは、ベアリングナット239の外径Dよりも必然的に小さくなる(D≧D)。つまり、軸受の外輪径Dはベアリングナットの外径Dによって制限される。また、車輪の半径方向内側のスペースが限られている上、キャリア体238の外周にも別の部材を配置する必要があるので、キャリア体238の肉厚も確保する必要がある。よって、ベアリングナット239の外径Dを大きくすることは容易ではない。その一方、軸受の耐久性、耐荷重性を向上させるために、軸受247はできるだけサイズの大きいものを採用したいという要望がある。
そこで、本実施形態では、ベアリングナットを段付き構成とすることで上記の背反する課題を解決した。図3は、図1の減速機10の中心部分の拡大図である。ベアリングナット39は、外周に雄ねじが形成されたねじ部39Aと、ねじ部39Aより拡径している押圧部39Bとを含む。ねじ部39Aは、第2キャリア体38の内周に形成された雌ねじに螺合されている。押圧部39Bは、アンギュラ玉軸受54の外輪54Bと同程度の肉厚を有し、押圧部39Bの底面(軸方向車体側の面)が外輪54Bと接触している。ベアリングナット39を車体側に向けて第2キャリア体38に対して回転・前進させることで、アンギュラ玉軸受54に与える与圧が調整される。
また、第2キャリア体38の外周には主軸受47が配置されるとともに、第2キャリア体38の外周に形成された雄ねじに第2ベアリングナット56が螺合されている。第2ベアリングナット56は、主軸受47の内輪47Aに当接して与圧を与えている。
図示するように、ベアリングナット39を段付き構成とすることで、アンギュラ玉軸受54の外輪径Dを、ベアリングナット39のねじ部39Aの外径Dよりも大きくすることができる(D<D)。すなわち、ベアリングナットの外径によって軸受の外輪径が制限を受けることがなくなる。したがって、従来の設計よりも外輪の大きなサイズの軸受を採用することが可能になる。
これに加え、ベアリングナット39を段付き構成とすることでねじ部39Aの径を小さくできるので、ベアリングナット39および56が配置され、内外周の両方にねじが形成される部分の第2キャリア体38の肉厚を、他の部分よりも厚くすることができる。
なお、ベアリングナット39を段付き構成としたことで、入力軸16とアンギュラ玉軸受54とを組み付けた後にベアリングナット39を第2キャリア体38の後方(反車体側)からねじ込むことはできなくなる。そのため、以下のような組み付け手順を採用する。まず、第2キャリア体38の内側すなわち車体側から、ベアリングナット39のねじ部39Aを第2キャリア体38の雌ねじの一番奥まで螺合させる。次に、軸受54の外輪54Bを第2キャリア体38に内嵌し、転動体54Aを外輪54Bに載せた状態で、入力軸16に形成された転動面54Cが転動体54Aに接触するように入力軸16を組み付ける。その後、軸受54に向けてベアリングナット39を回転・前進させることで、押圧部39Bによって軸受54の外輪54Bに付与される与圧を調整することができる。なお、転動体54Aを入力軸16上の転動面54Cに載せた状態で、第2キャリア体38に内嵌された外輪54Bに組み付けるようにしてもよい。
このような組み付けを可能にすべく、ベアリングナット39の中央には、第2キャリア体38の外側すなわち反車体側からベアリングナット39を回転させるための専用工具が挿入される工具穴39Dが形成されている。工具穴39Dは、例えば正方形や六角形など、専用工具の先端に適合する形状が採用される。また、ベアリングナット39を第2キャリア体38の雌ねじに螺合させるとき、ベアリングナット39の押圧部39Bの上面(軸方向反車体側の面)が突き当たるまでねじ込むことができるように、ベアリングナット39のねじ部39Aから押圧部39Bへと拡径する部分39Cが、ねじの谷の径よりも内径側にえぐられている。
なお、上記の説明では、特許請求の範囲で言う第2部材として、主軸受47の内輪47Aに与圧を与えるために第2ベアリングナット56を用いているが、この代わりに、第2キャリア体38の外周に形成された溝に嵌合されるCリング(止め輪)を用いてもよい。
図2および3で説明した実施形態は、一組の軸受を正面合わせに配置して外輪に与圧を付与する場合に該当する。しかしながら、本発明は、一組の軸受を背面合わせに配置して内輪に与圧を付与する場合にも適用することができる。以下、そのような実施形態について説明する。
図4は、従来技術に係る動力伝達装置の一部を示す。軸316が減速機10の入力軸16に相当する。軸316上には、背面合わせにされた一組の軸受347、348が嵌合されている。これらの軸受347、348によって、キャリア体338に対して軸316が回転可能に支持される。図4では、軸受347、348を円錐ころ軸受として描いているが、軸316のラジアル荷重とアキシャル荷重の両方を支持可能であれば任意の形式の軸受であってよい。軸316の外周に形成された雄ねじには、内周に雌ねじが形成されたベアリングナット339が螺合されている。ベアリングナット339は、軸受347の内輪347Bを軸方向に押圧して軸受に与圧を付与している。ベアリングナット339の外周と軸316の内周の間は、オイルシール340で封止されている。
図示するように、軸受347の内輪347Bに与圧を付与するベアリングナット339を使用する場合、ベアリングナット339の内径Dは、軸受347の内輪径Dと必然的に略一致させる必要がある(D=D)。つまり、ベアリングナット339の内径Dは、軸受347の内輪径Dによって制限される。その一方、ベアリングナット339の外周に配置されるオイルシール340は、サイズが大きくなるほどコスト、漏れの可能性、および摺動抵抗が大きくなるので、できるだけサイズの小さいものを採用したいという要望がある。
そこで、本実施形態では、ベアリングナットを段付き構成とすることで上記の背反する課題を解決した。図5は、本実施形態に係る駆動伝達装置のうち、ベアリングナットの周辺を拡大した図である。ベアリングナット439は、内周に雌ねじが形成されたねじ部439Aと、ねじ部439Aより拡径している押圧部439Bとを含む。ねじ部439Aは、軸416の外周に形成された雄ねじに螺合されている。押圧部39Bの底面は、軸受447の内輪447Bと接触している。ベアリングナット439をキャリア体438に対して軸受447の方向に回転させることで、軸受447に与える与圧が調整される。
図示するように、ベアリングナット439を段付き構成とすることで、ベアリングナット439の内径Dを、軸受447の内輪径Dよりも小さくすることができる(D<D)。すなわち、軸受の内輪径Dによって、ベアリングナットの内径Dが制限を受けることがなくなる。これに伴い、オイルシール440の内径Dも小さくすることができるので、従来の設計よりも小さなサイズのオイルシールを採用することが可能になる。したがって、オイルシールのコスト、漏れの可能性、および摺動抵抗が低減される。
本実施形態は、以下のように表すことができる。
作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置であって、
動力伝達軸と、
前記動力伝達軸に外嵌され、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持する軸受と、
前記軸受の外輪に外嵌される支持体と、
前記動力伝達軸の外周に螺合されるねじ部と、前記軸受の内輪を押圧する押圧部とを有する与圧付与部材と、
前記支持体と前記与圧付与部材のねじ部外径との間を封止するように配置されるオイルシールと、を備え、
前記与圧付与部材の押圧部は、該与圧付与部材のねじ部よりも外径が大きいことを特徴とする動力伝達装置。
以上、本発明の実施の形態について説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、動力伝達装置として、入力軸(偏心体軸)16が内歯歯車28の中心に配置されるタイプの偏心揺動噛合型の遊星歯車減速機を例に説明した。しかしながら、このタイプの減速機に限らず、例えば、内歯歯車の中心からオフセットした位置に複数本の偏心体軸が配置されるタイプの偏心揺動型の遊星歯車減速機、単純遊星タイプの遊星歯車減速機を含む、任意のタイプの減速機構を有する動力伝達装置に対しても本発明を適用することができる。また、減速機構を備えない動力伝達装置にも本発明を適用することができる。
実施の形態では、第1キャリア体34および第2キャリア体38を固定し、ケーシング30から回転を出力する構成を説明した。しかしながら、ケーシング30を固定し、第1キャリア体34および第2キャリア体38から回転を出力するように構成してもよい。この場合には、外歯歯車24、26の自転成分が、内ピン40を介して第1キャリア体34および第2キャリア体38に伝達される。
動力伝達軸は、動力を伝達する軸であれば、減速機の入力軸に限られない。
実施の形態では、動力伝達軸に外嵌されたアンギュラ玉軸受に対する与圧調整について説明した。しかしながら、動力伝達軸に外嵌される軸受は、アンギュラ玉軸受に限られず、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持する軸受、すなわち与圧の付与が必要な軸受であればよく、例えばテーパころ軸受であってもよい。
特許請求の範囲で言う第1部材または支持体は、実施の形態で述べた第2キャリア体38に限られず、軸受の外輪に外嵌される構造であれば任意のものであってよい。
また、特許請求の範囲で言う第2部材は、主軸受47および第2ベアリングナット56に限られない。第1部材の外周に配置される構造であれば、主軸受または第2ベアリングナットのいずれか一方であってもよいし、止め輪またはオイルシールなどのそれ以外の部材であってもよい。
実施の形態では、動力伝達装置が駆動する作業車両としてフォークリフトを例にとり説明したが、作業車両であれば任意のものであってよく、例えば建設用、土木用または運搬用の作業機械等を搭載した各種の作業車両であってもよい。
10 減速機、 12 モータ、 16 入力軸、 38 第2キャリア体、 39 ベアリングナット、 39A ねじ部、 39B 押圧部、 46、47 主軸受、 52、54 アンギュラ玉軸受、 56 第2ベアリングナット、 100 動力伝達装置、 238、438 キャリア体、 238A、438A ねじ部、 238B、438B 押圧部、 239、439 ベアリングナット、 240、440 オイルシール。

Claims (5)

  1. 作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置であって、
    動力伝達軸と、
    前記動力伝達軸に外嵌され、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を支持する軸受と、
    前記軸受の外輪に外嵌される第1部材と、
    前記第1部材の外周に配置される第2部材と、
    前記第1部材の内周に螺合されるねじ部と、前記軸受の外輪を押圧する押圧部とを有する与圧付与部材と、を備え、
    前記与圧付与部材の押圧部は、該与圧付与部材のねじ部よりも外径が大きいことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記第2部材は、前記軸受の径方向外側に配置される第2軸受と、前記第2軸受の内輪に与圧を与える第2与圧付与部材と、を含み、
    前記第1部材のうち第2与圧付与部が配置される部分が、前記第2軸受が配置される部分よりも肉厚であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記与圧付与部材の中央に、該与圧付与部材を前記第1部材に対して回転させる工具が挿入される多角形穴が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記与圧付与部材のねじ部から前記押圧部へと拡径する部分が、ねじの谷の径よりも内径側にえぐられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の動力伝達装置。
  5. 作業車両の車輪を駆動する動力伝達装置の組立方法であって、
    動力伝達軸を支持する軸受の外輪に与圧を与える、外周に雄ねじが形成された与圧付与部材を、内周に雌ねじが形成された支持体に与圧の押圧方向と逆方向から螺合し、
    前記軸受の外輪を前記逆方向から前記支持体に内嵌し、
    軸受が内嵌された側とは反対側から、前記与圧付与部材を前記支持体に対して与圧の押圧方向に前進させて、前記軸受の外輪に付与する与圧を調整する
    ことを含む方法。
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