JP2013170249A - ポリアミド樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性および断熱性に優れるポリアミド樹脂成形品を提供すること。
【解決手段】ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる、発泡倍率が1.4倍以上であることを特徴とするポリアミド樹脂成形品。
【選択図】図1
【解決手段】ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる、発泡倍率が1.4倍以上であることを特徴とするポリアミド樹脂成形品。
【選択図】図1
Description
本発明は、ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂組成物を成形してなる、発泡倍率が高いポリアミド樹脂成形品に関するものである。
ポリプロピレンフォームなどのプラスチックの発泡成形品は、比較的耐熱性が高いことから、自動車内装のダッシュボードや天井材などに使用されている。また、断熱や軽量化の観点から、目地材や断熱材に使用されている。しかしながら、ポリプロピレンは、耐熱性の指標である荷重たわみ温度が120℃未満であり、120℃以上の荷重たわみ温度が要求される自動車エンジンルーム内部品などには適用が制限されている。そのため、耐熱性および断熱性に優れる発泡成形品が要求されている。
このような現状から、発泡成形品について、これまでにいくつかの検討がなされている。例えば、特定のポリアミド樹脂組成物と発泡剤を含むマスターバッチを混合し、溶融成形するポリアミド樹脂発泡体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、内部に発泡部分を有し、表層部に非発泡層を有し、見かけ比重が、樹脂組成物が有する比重の95〜99.5%の範囲である結晶性樹脂組成物により得られる成形品が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、熱可塑性樹脂に二酸化炭素を含浸させた後、発泡成形する肉厚が1mmを超える発泡成形体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、これらに開示された技術により得られる発泡成形体は、断熱性が不十分である課題があった。
一方、コアバック法により射出成形された、ソリッド層からなるスキン層と発泡層が形成された発泡樹脂パネルが提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、発泡倍率については言及されていない。また、耐熱性が不十分である課題があった。
本発明は、上記背景技術の課題に鑑み、耐熱性および断熱性に優れるポリアミド樹脂成形品を提供することを課題とする。
本発明は、ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる、発泡倍率が1.4倍以上であることを特徴とするポリアミド樹脂成形品である。
本発明によれば、ポリアミド樹脂成形品の発泡倍率を1.4倍以上とすることにより、耐熱性および断熱性に優れるポリアミド樹脂成形品を提供することができる。本発明のポリアミド樹脂成形品は、自動車エンジンルーム内部品を始め、耐熱性および断熱性が要求される用途に好ましく使用することができる。
以下、本発明のポリアミド樹脂成形品について詳細に説明する。
本発明のポリアミド樹脂成形品は、ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物を成形してなるものである。ポリアミド樹脂(A)を成形してもよいし、例えば、ポリアミド樹脂(A)と、無機充填材(B)および/または各種添加剤を含むポリアミド樹脂組成物を成形してもよい。ポリアミド樹脂(A)を含むことにより、耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
本発明に用いられるポリアミド樹脂(A)とは、アミド結合を有する高分子からなる樹脂のことである。ポリアミド樹脂(A)は、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とする。アミノ酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などが挙げられる。ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂環族ジアミンなどが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などが挙げられる。これら原料を2種以上用いてもよく、ポリアミド樹脂(A)はホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
本発明においては、150℃以上の結晶融解温度を有するポリアミド樹脂が好ましく、得られるポリアミド樹脂成形品の耐熱性や強度をより向上させることができる。
本発明に好ましく用いられるポリアミド樹脂の具体的な例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド66/6I/6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリデカンアミドコポリマー(ポリアミド6T/12)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドXD6)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/5T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(5T/56)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)およびこれらの重合体などが挙げられる。成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて、これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でも、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド56、ポリアミド610、ポリアミド510、ポリアミド410、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6T、ポリアミド6T/6I、ポリアミド66/6I/6、ポリアミド6T/5Tなどがより好ましい。ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610がより好ましく、射出成形性と、得られるポリアミド樹脂成形品の強度、剛性、耐熱性をより高いレベルで両立することができる。成形品耐熱性をさらに向上させる観点からはポリアミド66がより好ましく、成形品の拡張性を維持しながら、発泡倍率および断熱性をさらに向上させる観点からはポリアミド6およびポリアミド610がより好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の末端基量には特に制限はないが、アミノ末端基量が3×10−5mol/g以上であることが好ましく、得られるポリアミド樹脂成形品の発泡倍率をより高くすることができる。
ここでいうアミノ末端基量とは、85重量%フェノール−エタノール溶液にポリアミド樹脂を溶解し、チモールブルーを指示薬として塩酸水溶液で滴定することにより求めることができる。
ポリアミド樹脂(A)の重合度には特に制限がないが、粘度数VNが70〜200ml/gであることが好ましい。VNを70ml/gとすることにより、成形品の拡張性を維持しながら、発泡倍率および断熱性をより向上させることができる。さらに、成形品の強度および靭性を向上させることができる。85ml/g以上がより好ましく、100ml/g以上がさらに好ましい。一方、VNを200ml/g以下とすることにより、成形性が向上することに加え、成形品の拡張性を維持しながら、発泡倍率および断熱性をより向上させることができる。180ml/g以下がより好ましく、150ml/g以下がさらに好ましい。ここでいう粘度数VNとは、96%硫酸を溶媒としてISO307に準拠して測定した値をいう。
ポリアミド樹脂(A)のVNを上記範囲にする方法としては、例えば、所望の重合度を有するポリアミド樹脂を選択して用いる方法や、重合度の異なる2種以上のポリアミド樹脂(A)を組み合わせて、VNを上記範囲内に調整する方法などを挙げることができる。
本発明において、ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物には、さらに無機充填材(B)を配合することができる。無機充填材(B)を配合することにより、得られるポリアミド樹脂成形品の拡張性を維持しながら、耐熱性、強度、発泡倍率および断熱性をより向上させることができる。無機充填材(B)を配合することにより、成形時に表層部とコア部の結晶化速度に差異が生じ、表層部が素早くスキン層を形成する。そのため、表層部が固化状態、コア部が半固化状態となるため成形時に拡張しやすく、成形品の拡張性を維持しながら、発泡倍率をより向上させることができるものと考えられる。
無機充填材(B)としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状無機充填材が挙げられ、これらは中空であってもよい。これら無機充填材を2種以上併用することも可能である。また、これら無機充填材は、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理されていてもよく、機械的特性をより向上させることができる。
前記に示した無機充填材の中でも、ガラス繊維、炭素繊維、ワラステナイト、カオリン、マイカ、クレー、タルク、アルミナ、ガラスビーズが好ましく、ガラス繊維、炭素繊維がより好ましく、ガラス繊維がさらに好ましく用いられる。
本発明に用いられるガラス繊維には特に制限はなく、公知のものが使用できる。通常、ガラス繊維は、所定長さにカットしたチョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状があり、平均繊維径5〜15μmのものが好ましく使用される。
本発明において、ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物における無機充填材(B)の配合量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、1〜150重量部が好ましい。無機充填材(B)の配合量を1重量部以上とすることにより、成形品の拡張性を維持しながら、耐熱性、強度、断熱性、発泡倍率をより向上させることができる。10重量部以上がより好ましく、15重量部以上がさらに好ましい。一方、無機充填材(B)の配合量を150重量部以下とすることにより、成形品の拡張性を維持しながら、耐熱性、強度、断熱性、発泡倍率をより向上させることができる。120重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらに好ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ化化合物などの酸化防止剤や熱安定剤、レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系などの耐候剤、脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミドなどの可塑剤、滑剤、ニグロシン、アニリンブラックなどの染料系、硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックなどの顔料系の着色剤、アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤、メラミンシアヌレート、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせなどの難燃剤、発泡剤などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中でも、酸化防止剤や熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物が好ましく用いられる。ヒンダードフェノール系化合物としては、エステル型高分子ヒンダードフェノールタイプが好ましく、具体的には、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。リン系化合物の具体例としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンホスファイト、ジ−ステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリフェニルホスファイト、3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネートジエチルエステルなどが挙げられる。
本発明において、ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物における添加剤の配合量は、特に制限はないが、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。
前記ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物の製造方法は特に制限するものではなく、例えば、ポリアミド樹脂および必要により他の成分を溶融混練する方法を用いることができる。溶融混練には、単軸あるいは2軸押出機、バンバリーミキサーおよびミキシングロールなどの溶融混練機が好ましく用いられ、中でも2軸押出機が好ましく用いられる。溶融混練機には、脱気機構(ベント装置)を装備してもよい。例えば、無機充填材(B)を含む樹脂組成物を2軸押出機で溶融混練する方法としては、ポリアミド樹脂(A)と無機充填材(B)をあらかじめブレンダーを用いて混合し、2軸押出機のメインフィーダーから供給して溶融混練する方法、2軸押出機のメインフィーダーからポリアミド樹脂(A)を供給し、無機充填材(B)を押出機の先端部分のサイドフィーダーから供給して溶融混練する方法や、事前にポリアミド樹脂(A)を溶融混練した後、無機充填材(B)と溶融混練する方法などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂成形品は、発泡倍率が1.4以上であることを特徴とする。発泡倍率が1.4倍未満であると、成形品の断熱性が不十分となる。発泡倍率を1.4倍以上とすることで、成形品の断熱性をより向上させることができる。1.6倍以上がより好ましく、1.8倍以上がさらに好ましい。一方、金型に忠実に成形品のエッジ面を形成する拡張性の観点からは、発泡倍率は3.5倍以下が好ましい。
ここで、本発明における発泡倍率は、成形に用いられる発泡前のポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物(以下、ポリアミド樹脂(組成物)と記載することがある。)の比重/発泡品の比重より算出する。ポリアミド樹脂(組成物)の比重は、ASTM D792により求めることができる。
成形品の発泡倍率を上記範囲にする方法としては、例えば、ポリアミド樹脂(組成物)に超臨界状ガスを含浸させて金型内に充填した後、発泡倍率の規定寸法分、金型の少なくとも一部を後退させて金型容積を拡張する後述のコアバック法により発泡成形する方法を挙げることができる。
本発明のポリアミド樹脂成形品は、内部に発泡部分を有し、表層部に非発泡層を有することが好ましい。樹脂(組成物)を発泡成形して得られる成形品は、通常、気泡を実質的に含まないソリッドスキン層である非発泡層と気泡を含むコア層である発泡部分からなるサンドイッチ構造を有する。非発泡層の厚みを500μm未満とすることにより、成形品の耐熱性、強度、断熱性をより向上させることができる。400μm以下がより好ましく、300μm以下がさらに好ましい。
ここで、本発明における非発泡層の厚みは、成形品の表層部をSEMで10、30、70、150、300倍に拡大観察することにより求めることができる。
非発泡層の厚みを上記範囲にする方法としては、例えば、ポリアミド樹脂(組成物)に超臨界状ガスを含浸させて金型内に充填した後、発泡倍率の規定寸法分、金型の少なくとも一部を後退させて金型容積を拡張する後述のコアバック法により発泡成形する方法を挙げることができる。
本発明のポリアミド樹脂成形品の製造方法としては、例えば、ポリアミド樹脂(組成物)に超臨界状ガスを含浸させて金型内に充填し、発泡成形する方法を挙げることができる。ポリアミド樹脂(組成物)に超臨界状ガスを含浸させることにより両者を相溶させ、ガスが浸透したポリアミド樹脂(組成物)を脱ガスさせることにより、発泡成形することができる。例えば、米国特許第4473665号、米国特許第5158986号などに記載されている方法を用いることができる。
本発明においては、ポリアミド樹脂(組成物)に超臨界状ガスを含浸させて金型内に充填した後、金型の少なくとも一部を後退させて金型容積を拡張するコアバック法により発泡成形する方法がより好ましい。
この際用いる超臨界状ガスとしては、ポリアミド樹脂(組成物)に溶け込むことができ、かつ不活性であればよく、特に制限はないが、安全性、コスト面から、二酸化炭素、窒素が好ましい。超臨界状ガスは、ポリアミド樹脂(組成物)100重量部に対して、0.01〜20重量部用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜10重量部である。
超臨界状ガスは、混練機内で溶融状態のポリアミド樹脂(組成物)に含浸させることが好ましい。その方法としては、例えば、気体状態の不活性ガスを直接あるいは加圧または減圧した状態で混練機に注入する方法、液体状態の不活性ガスをプランジャーポンプなどで混練機に注入する方法などが挙げられる。超臨界状ガスをポリアミド樹脂に含浸させる場合のガス圧は、少なくとも金型内にポリアミド樹脂(組成物)を充填するまでは、含浸させるガスの臨界圧以上に維持する。含浸速度をより向上させるためには、ガス圧を1MPa以上とすることが好ましく、より好ましくは5MPa以上である。
次に、このようにして超臨界状ガスを含浸させたポリアミド樹脂(組成物)を、超臨界状態を保持したまま金型内に充填した後、脱ガスして発泡させる。金型への充填方法としては、射出充填が好ましく用いられる。前述のとおり、超臨界状ガスを含浸させたポリアミド樹脂(組成物)を金型に充填し終わるまで超臨界状態を保つことにより、より効果的に発泡させることができる。また、シルバー発生を抑制することができる。超臨界状ガスを含浸させたポリアミド樹脂(組成物)を金型に射出充填し、脱ガス処理が終了するまの間、実際の金型温度を30〜90℃にすることが好ましい。金型温度をかかる範囲とすることにより、超臨界状ガスを含浸させたポリアミド樹脂(組成物)が金型に転写し、その後素早くスキン層を形成するため、ガスが成形品の表面と金型キャビティ面に滞留することを抑制することができる。その結果、転写性に優れ、高光沢を有し、シルバー発生などの外観不良を低減した、最大発泡セル径が500μm以下のポリアミド樹脂成形品を容易に得ることができる。
超臨界状ガスを含浸させたポリアミド樹脂(組成物)を金型内に充填した後、金型内のポリアミド樹脂(組成物)の少なくとも一部が溶融状態にある間に、金型内の圧力を急激に下げることで、多数の発泡核が生成し、それを中心に発泡セルが成長するため、均一な発泡セルをもつ高転写、高光沢のポリアミド樹脂成形品が得られる。前記金型内の圧力を急激に下げる方法としては、例えば、(1)金型の型締め圧をゆるめる方法、(2)超臨界状ガスを含浸させたポリアミド樹脂(組成物)を充填する前の金型内に、1〜20MPa程度の不活性ガスを充満しておき、ポリアミド樹脂(組成物)を導入直後に不活性ガスを抜く方法、(3)金型温度を急速に下げる方法、(4)金型の少なくとも一部を後退させて(以下、コアバックという)金型容積を拡張する方法などが挙げられる。本発明においては、(4)に記載する方法が好ましく、金型内のポリアミド樹脂(組成物)が、金型に接する表層がスキン層を形成し、内部が溶融状態にある間に、コアバックにより金型容積を拡張する方法がより好ましい。金型内のポリアミド樹脂(組成物)が、金型に接する表層がスキン層を形成し、内部が溶融状態にある間にコアバックすることにより、平均セル径が多少大きくなる傾向があるものの、発泡セル径の分布が小さくなり、特に、ゲート付近と末端部の発泡セル径バラツキが小さくなる。金型を後退させる割合は、必要とする発泡倍率に応じて選定することができる。金型を後退させる機構としては、公知の射出成形、射出圧縮成形の金型ユニットを用いることができる。
図1に、本発明に好ましく用いられるポリアミド樹脂成形品の製造装置の一例を示す概略構成図を示す。射出成形機1に、ポリアミド樹脂(組成物)を供給するホッパー3を備え、必要に応じて超臨界状ガスを導入するためのガスボンベ4、昇圧機5および圧力制御バルブ6が接続される。射出成形機の下流には、開閉バルブ7を介して金型2が配される。
本発明のポリアミド樹脂成形品は、一般にポリアミド樹脂が適用し得るあらゆる用途に適用可能である。例えば、軽量化要求の大きい自動車分野としては、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー、エンジンカバー、バランスシャフトギア、オイル制動バルブ、オイルレベルゲージ、オイルクリーナーケース、ラジエータータンク、ウォーターポンプインペラー、サーモスタットハウジング、クーリングファン、インタークーラータンク、エアーダクト、エアコントロールバルブ、エアレギュレーター、エアフローメーターハウジング、エアーダクトインテーク、エアークリーナー、サイレンサー、レゾネーター、排ガスポンプサイドシール、排ガスバルブ、キャブレター、ガソリン噴射ノズル、ピストンバルブ、キャブレターバルブ、サージタンク、フューエルフィルターハウジング、フューエルストレーナー、フューエルセジメンタルケース、キャニスター、EGIチューブ、ソレノイドバルブ、ガソリンフロート、ガソリンチャンバー、フューエルチェックバルブ、フューエルインジェクター、フューエルインジェクターコネクター、フューエルインジェクターノズルカバー、フューエルフィラーキャップ、マスターシリンダーピストン、クラッチオイルリザーバー、スラストワッシャー、シフトアームコーティング、シフトレバーノブ、トランスミッションケース、トルコンスラストワッシャー、トランスミッションブッシュ、パワーステアリングタンク、ステアリングコラムカバー、ステアリングホーンパッド、ステアリングボールジョイント、ホイールフルキャップ、ホイールキャップセンター、ホイールセンターハブキャップ、ブレーキオイルリザーバー、ブレーキオイルフロート、ブレーキリザーバーキャップ、サイドブレーキワイヤープロテクター、ラジエーターグリル、フロントエンドバンパー、リアエンドバンパー、バンパーモール、フロントフェンダー、サイドミラーステイ、サイドミラーハウジング、エンブレム、リトラクタブルヘッドランプカバー、電動ミラーベース、フューエルリッド、ボンネットフードルーパー、エクストラクトグリル、ドア、サイドルーバー、ドアラッチカバー、ドアサイドモール、アウタードアハンドル、ピラールーバー、トランクロアーバックフィニシャー、トランクリアエプロン、ハッチバックスライドブラケット、ライセンスプレート、ライセンスプレートポケット、フューエルリッド、サンルーフフレーム、サイドモール、ウィンドウピボット、ウィンドウガラススライダー、ウィンドウモール、エアースポイラー、インストゥルメントパネルコア、リッドアウター、センタークラスター、スイッチ、アッパーガーニッシュ、リッドクラスター、メーターフード、メーターパネル、グローブボックス、チェンジレバーカバー、グローブボックスリッド、グローブボックスノブ、グローブドアアウター、アッシュトレイランプハウジング、アッシュトレイパネル、サンバイザーブラケット、サンバイザーシャフト、サンバイザーホルダー、ピラーガーニッシュ、ルームミラーステイ、レギュレーターハンドル、ピラートリム、ドアトリム、インサイドドアロックノブ、インナーロックノブ、ウィンドウレギュレーターハンドル、ウィンドウレギュレーターハンドルノブ、ルーフサイドレールガーニッシュ、アームレストインサート、アームレストベース、アームレストガイド、リアシェルフサイド、ヘッドレストガイド、シートベルトタングプレート、シートベルトリトラクターギア、シートベルトバックル、シートベルトスルーアンカー、リッドクラスター、安全ベルト機構部品、クーラーシロッコファン、クーラーバキュームポンプ、エアコンマグネットクラッチボビン、エアコンアクチュエーター、コンプレッサーバルブ、エアーベンチレーションフィン、エアコン調節ツマミ、ヒーターコアタンク、ヒーターバルブ、ジェネレーターコイルボビン、ジェネレーターカバー、ジェネレーターブッシュ、サーキットボード、ブラシホルダー、コンデンサーケース、レギュレーターケース、スターターレバー、スターターコイルボビン、スターターインターバルギア、ディストリビューターポイントブッシュ、イグニッションコイルケース、イグニッションコイルボビン、ディストリビューター絶縁端子、ディストリビューターキャップ、スリーブベアリング、ヘリカルギアー、バキュームコントローラー、ジャンクションボックス、ワイヤーハーネスコネクター、リレーターミナルベースケース、コイルボビン、ヒューズボックス、スイッチベース、リレーケース、各種スイッチ基板、ランプソケット、ランプリフレクター、バックホーンハウジング、サイレントギア、パワーウィンドウスイッチ基板ケース、ワイパーレバー、ウォッシャーモーターハウジング、ワイパーモーターインシュレーター、ワイパーアームヘッドカバー、ウォッシャーノズル、ワイパーアームヘッド、スピードメータードリブンギア、スピードメーターコントロール、メーターコネクター、回転センサー、スピードセンサー、パワーシートギアハウジング、ブラシホルダー、コンミュテーター、モーターギア、ボンネットクリップ、モールクリップ、内装クリップ、バンパークリップ、電気配線用バンドクリップ、アンテナインナーチューブ、フェンダー、スポイラー、ルーフレール、テールゲート、フード、クラッシュボックス、フロントクロスメンバー、カウルルーバ、断熱部材、衝撃吸収部材、遮音部材、制振部材、各種ペダルおよびバンパーなどが挙げられる。
また、その他用途として、パソコン、液晶プロジェクターモバイル機器、携帯電話などの筐体、内燃機関用途、電動工具ハウジング類などの機械部品を始め、各種電気・電子部品、医療部品、食品容器、家庭・事務用品、建材関係部品および家具用部品などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
実施例および比較例の中で述べられる比重、発泡倍率、拡張性、非発泡層の厚さ、荷重たわみ温度、熱伝導率は次の方法により評価した。
<比重の評価>
ASTM D792に準拠し測定した。
ASTM D792に準拠し測定した。
<発泡倍率の評価>
各実施例および比較例により得られたペレットの比重/発泡品の比重より算出した。数値が高いほど発泡性に優れ、発泡倍率が高倍率である。
各実施例および比較例により得られたペレットの比重/発泡品の比重より算出した。数値が高いほど発泡性に優れ、発泡倍率が高倍率である。
<拡張性の評価>
各実施例および比較例により得られた成形品のエッジ面を目視観察した。エッジ面が直角のものを○、エッジ面が丸まっているものを×と判定した。エッジ面が直角のものほど拡張性に優れている。
各実施例および比較例により得られた成形品のエッジ面を目視観察した。エッジ面が直角のものを○、エッジ面が丸まっているものを×と判定した。エッジ面が直角のものほど拡張性に優れている。
<非発泡層の厚さの評価>
各実施例および比較例により得られた成形品の表層部をSEMで10、30、70、150、300倍に拡大し、非発泡層の厚みを測定した。
各実施例および比較例により得られた成形品の表層部をSEMで10、30、70、150、300倍に拡大し、非発泡層の厚みを測定した。
<荷重たわみ温度の評価>
各実施例および比較例により得られたペレットを用いて、シリンダー温度250〜300℃、金型温度80℃の条件でISO3167(A型)試験片(未発泡品)を射出成形した。得られた試験片を80mm×10mm×4mm厚に切削加工した試験片を用いて、ISO 75に準拠し測定した。荷重:0.45MPa。数値が高いほど荷重たわみ温度が高く、耐熱性に優れている。
各実施例および比較例により得られたペレットを用いて、シリンダー温度250〜300℃、金型温度80℃の条件でISO3167(A型)試験片(未発泡品)を射出成形した。得られた試験片を80mm×10mm×4mm厚に切削加工した試験片を用いて、ISO 75に準拠し測定した。荷重:0.45MPa。数値が高いほど荷重たわみ温度が高く、耐熱性に優れている。
<熱伝導率の評価>
各実施例および比較例により得られた成形品について、ASTM E1530に準拠し測定した。試験機:アルバック理工社製熱伝導測定装置GH−1S。試験片形状:20mm×20mm、厚み2.5〜10mm。測定方法:定常法。数値が低いほど熱伝導率が低く、断熱性に優れている。
各実施例および比較例により得られた成形品について、ASTM E1530に準拠し測定した。試験機:アルバック理工社製熱伝導測定装置GH−1S。試験片形状:20mm×20mm、厚み2.5〜10mm。測定方法:定常法。数値が低いほど熱伝導率が低く、断熱性に優れている。
実施例および比較例で用いた材料を以下に示す。
ポリアミド樹脂(A)
A−1:ポリアミド6樹脂(粘度数VN135ml/g)
A−2:ポリアミド6樹脂(粘度数VN65ml/g)
A−3:ポリアミド6樹脂(粘度数VN220ml/g)
A−4:ポリアミド66樹脂(粘度数VN135ml/g)
A−5:ポリアミド610樹脂(粘度数VN135ml/g)
無機充填材(B)
B−1:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−249)
B−2:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−289)
その他(C)
C−1:ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製E111G)
ポリアミド樹脂(A)
A−1:ポリアミド6樹脂(粘度数VN135ml/g)
A−2:ポリアミド6樹脂(粘度数VN65ml/g)
A−3:ポリアミド6樹脂(粘度数VN220ml/g)
A−4:ポリアミド66樹脂(粘度数VN135ml/g)
A−5:ポリアミド610樹脂(粘度数VN135ml/g)
無機充填材(B)
B−1:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−249)
B−2:ガラス繊維(日本電気硝子社製T−289)
その他(C)
C−1:ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製E111G)
実施例1〜25
株式会社日本製鋼所社製2軸押出機TEX30αを用いて、上流側の供給口から表1〜3に示すポリアミド樹脂(A)を供給し、下流側の供給口から表1〜3に示す無機充填材(B)を供給し、樹脂溶融温度を250〜300℃、スクリュー回転を200rpmに設定して溶融混練した後、ペレット化した。
株式会社日本製鋼所社製2軸押出機TEX30αを用いて、上流側の供給口から表1〜3に示すポリアミド樹脂(A)を供給し、下流側の供給口から表1〜3に示す無機充填材(B)を供給し、樹脂溶融温度を250〜300℃、スクリュー回転を200rpmに設定して溶融混練した後、ペレット化した。
図1に示す装置を用いて、次の方法により樹脂成形品を得た。株式会社日本製鋼所社製J450AD−1400H−mucellを用いて、射出成形機1のシリンダー温度を250〜300℃、金型温度を80℃に設定して、得られたペレットをホッパー3に供給した。ガスボンベ4の窒素を昇圧機5で26MPaに昇圧させ、圧力制御バルブ6で25MPaに調整し、ポリアミド樹脂(組成物)100重量部に対して、超臨界状窒素ガスを0.3重量部に制御し、射出成形機1に注入した。射出成形機1内でポリアミド樹脂(組成物)に超臨界状窒素ガスを含浸させて、開閉バルブ7を介して金型2に射出充填した。金型内に射出充填した後、金型の少なくとも一部を表1〜3に示す発泡倍率の規定寸法分だけ後退させて金型容積を拡張するコアバック法により発泡成形することにより、所定の特性評価用成形品(試験片)を得た。得られた試験片について、前述した方法で比重、発泡倍率、拡張性、非発泡層の厚さ、荷重たわみ温度、熱伝導率を測定した。その結果を表1〜3に示す。ここで得られたポリアミド樹脂成形品は、耐熱性と断熱性とがバランス良く優れ、実用価値の高いものであった。
比較例1
ポリプロピレン樹脂を用いて試験片を成形し、評価を行った。その結果を表4に示す。ポリプロピレン樹脂を用いると、荷重たわみ温度が115℃であり、耐熱性が不十分であった。実用レベルではなかった。
ポリプロピレン樹脂を用いて試験片を成形し、評価を行った。その結果を表4に示す。ポリプロピレン樹脂を用いると、荷重たわみ温度が115℃であり、耐熱性が不十分であった。実用レベルではなかった。
比較例2
得られたペレットに超臨界状窒素ガスを含浸せず、また、コアバック法により発泡成形しない以外は実施例1と同様にして、溶融混練、ペレット化、成形、評価を行った。その結果を表4に示す。熱伝導性が高いため断熱性が不十分であった。
得られたペレットに超臨界状窒素ガスを含浸せず、また、コアバック法により発泡成形しない以外は実施例1と同様にして、溶融混練、ペレット化、成形、評価を行った。その結果を表4に示す。熱伝導性が高いため断熱性が不十分であった。
比較例3
コアバック法により発泡成形しない以外は実施例1と同様にして、溶融混練、ペレット化、発泡成形、評価を行った。その結果を表4に示す。熱伝導性が高いため断熱性が不十分であった。
コアバック法により発泡成形しない以外は実施例1と同様にして、溶融混練、ペレット化、発泡成形、評価を行った。その結果を表4に示す。熱伝導性が高いため断熱性が不十分であった。
比較例4
コアバック法により発泡倍率を1.34とする以外は実施例1と同様にして、溶融混練、ペレット化、発泡成形、評価を行った。その結果を表4に示す。発泡倍率が1.4倍未満であると、熱伝導性が高いため断熱性が低く不十分であった。
コアバック法により発泡倍率を1.34とする以外は実施例1と同様にして、溶融混練、ペレット化、発泡成形、評価を行った。その結果を表4に示す。発泡倍率が1.4倍未満であると、熱伝導性が高いため断熱性が低く不十分であった。
各実施例および比較例の評価結果を表1〜4に示す。
1 射出成形機
2 金型
3 ホッパー
4 ガスボンベ
5 昇圧機
6 圧力制御バルブ
7 開閉バルブ
2 金型
3 ホッパー
4 ガスボンベ
5 昇圧機
6 圧力制御バルブ
7 開閉バルブ
Claims (5)
- ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる、発泡倍率が1.4倍以上であることを特徴とするポリアミド樹脂成形品。
- 前記ポリアミド樹脂を含む樹脂組成物が、ポリアミド樹脂100重量部に対して無機充填材1〜150重量部を配合してなることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂成形品。
- 前記ポリアミド樹脂の粘度数VNが70〜200ml/gであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のポリアミド樹脂成形品。
- 内部に発泡部分を有し、表層部に厚さ500μm未満の非発泡層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂成形品。
- ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を含む樹脂組成物に超臨界状ガスを含浸させて金型内に充填した後、金型の少なくとも一部を後退させて金型容積を拡張するコアバック法により発泡成形することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂成形品の製造方法。
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-
2012
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