JP2013169640A - 枠体搬送装置および枠体搬送装置を用いた吸着方法と吸着解除方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明は、基板保持用枠体10を真空吸着して、水平平面状態で移送する枠体搬送装置50において、通気管63を通じて連結される吸着パッド66と該吸着パッド66の全体を覆い下面に開口するキャップ状の拡散防止カバー67を少なくとも備え、該拡散防止カバー67は、通気管63を軸として気密状態を維持して上下にスライドする構造にされており、側面に加圧エアーを逃がすフィルター69を有する開口部が形成されている、ことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
基板の例としては薄板ガラス基板があり、特には、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、液晶表示装置用のカラーフィルター基板、それらの中間製品、その他の各種基板等を挙げることができる。
これらの大型の基板は撓みやすく、四周縁辺部のみを支持した場合には、下方にやや湾曲した状態になるが、多段積みした際に基板の相互間が接触しないようにし、かつ高い密度に積層する必要がある。さらに、搬送時や保管時の振動による破損や割れから基板を保護する必要があり、塵埃の混入や汚染を防止する必要もある。
しかし、これら液晶表示ディスプレイ、プラズマ表示ディスプレイ、有機ELディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ製品は、表示装置自体が大型化していること、小サイズ物であっても多面付けの状態で製造されること等のため、用いられる基板やその中間製品等は大サイズ化しており、1メートル角程度のサイズにもなると、0.7mm厚のガラス基板でも対向する2辺または4辺を支持した場合は、中間部が100mm以上も下方(重力方向)に湾曲した状態になるのを避けられない。基板はさらに2メートル角以上の大サイズ化が求められており、保管スペースや取り扱い装置の問題からこのような基板を高密度で安全に保管し、取り扱いできるようにする必要がある。
大型基板を載せた基板保持用枠体は、枠体の保持を確実に行うことも重要であるが、吸着解除も枠体を同時にまた短時間で確実に行う必要がある。吸着解除を大気解放だけでは、配管の長さの差による解除に要する時間や配管のつまりや変形により、吸着部間でのばらつきが出る可能性がる。また大気解放時に周辺の異物を配管内に吸い込み、基板への汚染の原因にもなる。
基板の積載効率を上げる為、枠体は、高密度に重ねる工夫がなされ、G6(第6世代)サイズの基板で積層する枠体の間隔は、10mm程度まで狭くすることも可能となり、これに伴い外周に突出した手掛部の間隔も同じように狭くなる。
従って、ロボットハンドが積層された枠体の両側面の突出した手掛部を掴む裕度が狭くなり、手掛部のわずかな変形も把持不良となる。
ロボットハンドが把持する手掛部は、外周枠から外側に延出している為、搬送時の接触により、変形が生じる事があり、これによりロボットハンドによる把持不良が発生する事がある。本発明は、このような把持不良を解決しようとするものである。
請求項及び明細書に記載する近接センサーは、検出対象物に接触することなく検出するセンサーで、検出対象の移動情報を電気的信号に置き換えるものである。近接センサードッグとは、前記検出対象物である。
請求項及び明細書に記載する真空とは、真空状態だけを意味するものでなく、負圧状態を意味するものであり、真空吸着とは、負圧状態で吸着することであり、真空配管とは、負圧発生装置に連結される配管を意味するものである。
図3A、Bに示すように基板保持用枠体10は、対向する1対の金属枠材11a、11bと対向する1対の金属枠材11c、11dがそれぞれコーナーピース16で連結し平面視矩形状に組み立てした金属枠部11が、該金属枠部11に沿って枠内側に延設した基板支持板13を少なくとも有する構成にされている。図3A、Bでは、金属枠部11と基板支持材13の間に上下に枠体を積み重ねる際の嵌合部12が設けられているが、嵌合部12は、必ずしもこの位置に設ける必要はなく、金属枠部11またはコーナーピース部16に設けることも可能である。基板支持板13上に基板が載置され基板保持用枠体10を積み重ねて保持して搬送される。
図3Bには、基板保持用枠体の外側に張り出して手掛部15を備え、該手掛部を把持して搬送する従来の基板保持用枠体を示す。本発明の効果の一つは、該手掛部15を備える必要のない枠体の吸着搬送を可能とするものである。
図3Aでは、吸着部17が金属枠材11a、11bのそれぞれに3箇所配置してあるが、2箇所および4箇所の配置でも可能である。
吸着部17は、枠体搬送装置50のロボットハンド73に備えられた吸着パッド66が基板保持用枠体10を真空吸着する場所であり、該基板保持枠体10の平坦な上面で、吸着パッドと対応する位置に備えられる。
吸着部17を備えるのは、手掛部15を備えない枠体10を搬送可能にするためであるが、図3Bに示すような手掛部15を備える従来の枠体でも吸着部17を備え、吸着方式での枠体搬送装置を用いて搬送することも可能である。
枠体移送装置50は、ロボットハンド73とロボットハンドの動作を制御するロボット制御部70、水平に回転動作を行う回転アーム71、上下動作と前後動作を行う上下アーム72とを少なくとも有する構成で、ロボットハンド73の先端には、基板保持用枠体10を吸着保持する吸着ヘッド60を備える。吸着ヘッド60の通気管63に通じる真空および圧空配管51は、ロボット制御部70内の負圧および正圧発生装置に連結している。
ロボットハンド73の先端部には、枠体の複数の吸着部に対応する位置に吸着ヘッド支持部材62を介して、吸着ヘッド60が複数備えられている。
前記各吸着ヘッド60は、負圧および正圧発生装置に真空配管および圧空配管51を通じて、通気管63に連結される吸着パッド66と該吸着パッド66の全体を覆い下面に開口するキャップ状の拡散防止カバー67を少なくとも備えている。
該拡散防止カバー67は、その頂部に通気管63を貫通する部分を有し、気密状態を維持して上下にスライドできる構造にされている。また、拡散防止カバー67の側面には、加圧エアーを逃がすエアーフィルタ69を有する開口部が形成されている。
拡散防止カバー67は、吸着パッド66全体を覆い下面に開口し、枠体の吸着部に吸着される形状であれば、キャップ状と記載してあるが、天井部が平坦な形状でも良い。
付着異物の堆積を防止する点では、天井部が丸みを有する形状が好ましい。
又吸着を解除してロボットハンド73が上昇して、拡散防止カバー67が枠体10から離れていることを、近接センサー61が近接オン信号となることで確認して、ロボットハンド73が高速に上昇するため、吸着解除不良による事故の発生を防止できる。
吸着パッド66が基板保持用枠体10から離れた状態であり、近接センサー61の信号は、オンの状態である。
近接センサー61は、近接オフ信号状態である。
吸着パッド66に正圧を供給することで、確実に吸着解除が可能となり、上述したトラブルが解消でき、安定して安全に枠体10の搬送が可能となる。
吸着パッド66内の加圧エアーは、拡散防止カバー67内で一度、滞留するため、気流の流速は弱まるが、エアーフィルタ69を通して気流は、拡散防止カバー67から外部に放出されるため、枠体10周辺への気流の乱れによる周辺の異物が拡散し、基板へ付着する影響もあるため、エアーフィルタ69を備える開口部は、枠体10の外側(基板と反対側)に向けて形成することが好ましい。
吸着ヘッド支持部材62と共に拡散防止カバー67が上昇し基板保持用枠体10から離れ吸着パッド66が基板保持用枠体10の吸着部17から、離れる状態を示すのが図6Cである。この状態で近接センサー61が信号オンとなる。
拡散防止カバー67の材質は、重量が軽いアルミ材で、表面は異物の付着防止のため帯電防止加工されたものが好ましい。
吸着パッドおよび密封緩衝材の材質は、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、クロロプレインゴム等があり、使用目的により、選択される。液晶デイスプレイパネル用の基板の取扱いに対しては、直接に基板に接触するものではないが、汚染した場合に後の工程でポリイミドの配向膜の塗布工程で塗布膜のはじき現象が生じる可能性があるため、シリコーン系ゴムやフッ素系ゴムは、使用を避けた方が良い。
吸着パッドの材質は、吸引した時の密閉性があり、高重量物を懸垂した時の加重に対して強度を持つ材料が好ましい。密封緩衝材の材質は、基板保持用枠体に接した際にロボットハンドの位置精度のバラツキを吸収する緩衝性を有する材料が望ましい。
第6世代基板(1850*1500mm 0.7mmt)の重量は、約5.0kgであり、図3Aに示す第6世代基板を保持する基板保持用枠体で、対向する1対の金属枠部11cと11dが湾曲形状で、図4に示す高さdが10mmで、板の厚さが2mmtのアルミニウム製の基板保持用枠体10の重量は、5.5kgであり、該基板を保持した状態での総重量が10.5kgであった。
該基板保持用枠体10に対しては、枠体搬送装置の吸着パッド66は、円形状で径は、40mmとし、6箇所で吸着することとした。吸着パッド66の材質はウレタン樹脂系を使用した。
先端に吸着パッド66を有する通気管63には、該吸着パッドサイズの径40mmでカバー付きスプリングを備えたスプリング式バキュームパッドを用いた。
近接センサーは、キーエンス社製 ( EV-118M )をロボットハンド73に取り付け、近接センサードッグ64は、通気管63に近接センサーと同じ高さに取り付けた。近接センサーの信号検出距離は、5.0mm±10%であった。
ロボットハンドは、起動してから基板が載置された基板保持用枠体を吸着したのち上昇し、該基板保持用枠体を積層して搬送するパレット上に移動し、所定の高さに下降し、吸着解除し該基板保持用枠体を該パレット上に載置する一連のサイクルタイムは、15秒であった。
上記記載した内容で製作した枠体搬送装置50を用いて、ガラス基板を基板保持用枠体10に載せて、該枠体の搬送に継続的に使用し、安全に実用できることが確認された。吸着および、吸着解除時の吸着エラーや吸着解除エラーも無く、基板を汚染する問題も生じることがなかった。
11 金属枠部、金属枠材
11a,11b 左右の金属枠部、金属枠材
11c,11d 前後の金属枠部、金属枠材
12 嵌合部
13 基板支持板
15 手掛部
16 コーナーピース
17 吸着部
50 枠体搬送装置
51 真空配管および圧空配管
61 近接センサー
62 吸着ヘッド支持部材
63 通気管
64 近接センサードッグ
65 スプリング
66 吸着パッド
67 拡散防止カバー
68 密封緩衝材
69 エアーフィルタ
70 ロボット
71 回転アーム
72 上下アーム
73 ロボットハンド
A 基板
K 基板保持用枠体の空間域
Claims (8)
- ロボットハンドに備えられた複数の吸着ヘッドにより、枠体または基板を載せた枠体を真空吸着して、水平平面状態で移送する搬送装置において、前記各吸着ヘッドは、負圧および正圧発生装置に通気管を通じて連結される吸着パッドと該吸着パッドの全体を覆い下面に開口するキャップ状の拡散防止カバーを少なくとも備え、該拡散防止カバーは、通気管を軸とし気密を維持して上下にスライドする構造にされており、側面にフィルターを有する開口部が形成されている、ことを特徴とする枠体搬送装置。
- 前記拡散防止カバーの枠体と接する口縁には、密封緩衝材を備えることを特徴とする請求項1記載の枠体搬送装置。
- 前記ロボットハンドには、前記通気管が上下にスライドできる構造の吸着ヘッド支持部材と、該通気管に備えられた近接センサードッグとの間の距離を検知する近接センサーとが固定して備えられ、前記吸着パッドを先端に備える通気管には、該近接センサードッグが該吸着ヘッド支持部材の上方の位置に固定されて備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の枠体搬送装置。
- 前記通気管には、前記拡散防止カバー内側の上部と前記吸着パッド上部との間にスプリングが備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項記載の枠体搬送装置。
- 前記枠体または基板を載せた枠体の吸着部に対して前記吸着パッドと前記拡散防止カバーを下降させ、該吸着パッドが該枠体の吸着部に接触した後に前記拡散防止カバーが該枠体の吸着部に接触し、該吸着パッドに対して負圧が供給されて吸着パッド内が減圧されて、吸着パッドが枠体に吸着することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項記載の枠体搬送装置を用いた吸着方法。
- 前記枠体又は基板を載せた枠体の吸着部に対して、前記近接センサーが近接オン信号を検知している状態で、前記吸着パッドと前記拡散防止カバーを下降させ、該吸着パッドが該枠体の吸着部に接触した後に、該拡散防止カバーの前記密封緩衝材が枠体の吸着部に接触する位置で、該近接センサーが近接オフ信号を検知した後に、該吸着パッドに対して負圧が供給されて該吸着パッド内が減圧されて、吸着パッドが枠体に吸着することを特徴とする請求項3または請求項4記載の枠体搬送装置を用いた吸着方法。
- 前記枠体又は基板を載せた枠体の吸着部に対して、前記拡散防止カバーで該吸着部周囲が密閉されている状態で、該拡散防止カバーに覆われた前記吸着パッドが該枠体の吸着部に吸着している状態において、該吸着パッドに対する負圧供給を停止し、その後、該吸着パッドに通気管から正圧を供給して、該吸着パッド内が正圧状態になった後、正圧の供給を停止した後に、前記ロボットハンドが上昇し、該拡散防止カバーが吸着面から離れ、その後に該吸着パッドが枠体の吸着面から離れる、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項記載の枠体搬送装置を用いた吸着解除方法。
- 前記拡散防止カバーが前記枠体または基板を載せた枠体の吸着部周囲を密封し、該拡散防止カバーに覆われた前記吸着パッドが該枠体の吸着部を吸着し、且つ前記近接センサーが近接オフ信号を検知している状態において、該吸着パッドに対する負圧供給を停止し、その後、該吸着パッドに前記通気管から正圧を供給して、該吸着パッド内が正圧状態になった後、正圧の供給を停止した後に、前記ロボットハンドが上昇し、該ロボットハンドに備えられた該近接センサーが近接オン信号を検知した後に、該吸着パッドが吸着面より離れることを特徴とする請求項3または請求項4記載の枠体搬送装置を用いた吸着解除方法。
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